JP2011174098A - PdAg合金及びそれを用いた装飾品 - Google Patents

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Abstract

【課題】装飾用白色金属の色調、鋳造性、加工性、耐硫化性、低アレルギー性を維持しつつ、硬度自体を向上させる。
【解決手段】重量比でPdが74〜88重量%、Agが11〜25重量%、3B族および4B族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素が合計で0.01〜1重量%からなるPd−Ag合金。
【選択図】図1

Description

本発明はPdAg合金及びそれを用いた装飾品に関するものである。
装飾用白色金属として従来から用いられているPt合金は非常に高価なものであり、安価なAg合金は耐硫化性が悪いという欠点があった。
こうした欠点を補うものとしてはCuAgPd系合金等がある(特許文献1)。
これによれば、Cuが3〜20重量%、Agが2〜10重量%、残りをPdとしたことにより、色調、鋳造性、加工性、耐硫化性、耐アレルギー性を維持しつつ、ボリュームを大きくすることで、強度を向上させるとしている。
特開2004−169168号公報
しかし特許文献1のCuAgPd系合金であっても、単にボリュームを大きくすることによって強度を向上させたというだけであって、硬度自体を向上できない場合が殆どであった。
上記に鑑みて本発明のPdAg合金は、Pd74〜88重量%、Ag11〜25重量%、3B族および4B族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素を合計0.01〜1重量%からなることを特徴とする。
さらに、前記3B族および4B族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素がB、Siであることを特徴とする。
さらに、前記Pd、Agからなる非硬質部と、前記Pd、AgおよびB,Siの少なくともいずれかからなる硬質部とを有することを特徴とする。
そして、本発明の装飾品は、前記PdAg合金を含むことを特徴とする。
以上のように、本発明に係るPdAg合金は、Pdが74〜88重量%、Agが11〜25重量%、3B族および4B族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素が合計で0.01〜1重量%からなることで、十分な硬度を有しつつ、色調、鋳造性、加工性、耐硫化性、耐アレルギー性を維持するものである。
本発明の非硬質部と硬質部のSEM写真である。 本発明の非硬質部のEDS分析結果である。 本発明の硬質部のEDS分析結果である。
本発明のPdAg合金は、Pdが74〜88重量%、Agが11〜25重量%、3B族および4B族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素が合計で0.01〜1重量%からなるものである。
Agが11重量%以上であれば硬さの向上が顕著になり、25重量%以下であれば耐硫化性が劣ることが低減できるためである。
3B族および4B族元素は合計で0.01重量%以上であれば硬さの向上が顕著になり、1重量%以下であれば加工性が悪くなることを低減できる。
ここで3B族および4B族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素は、例えばSi、B、In、Snなどが挙げられる。
得られる合金の硬度がより高くなる点からB、Siが好適に用いられる。
さらに本発明のPdAg合金は、前記3B族および4B族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素がB、Siであることが好ましい。
さらに本発明のPdAg合金は、例えば図1に示すように上記組成で混合することにより、前記Pd、Agからなる非硬質部と、前記Pd、AgおよびB,Siの少なくともいずれかからなる硬質部1aとを有し得る。
ここで硬質部1aは楔として作用するので、PdAg合金1全体での硬度を向上させることが出来る。
ここでSiを添加した場合について、非硬質部1bと硬質部1aのSEM写真を図1に示し、図1の枠で囲んだ硬質部1aと非硬質部1bについてのEDS分析結果を図2および図3に示す。
図2は本発明の非硬質部のEDS分析結果、図3は本発明の硬質部1aのEDS分析結果であり、図2においてはPdピーク2、Agピーク3だけであるが、図3においてはPdピーク2、Agピーク3の他にSiピーク4が1.8keV付近に見られることがわかる。
EDS分析の結果から硬質部1aはPdおよびAgからなり、非硬質部1bはさらにSiも含んでいることがわかる。
硬質部1aの形状については図1の写真のような状態に限らず、硬質部1aが粒状や網目状になっていても構わない。
なおここでは図示しないがBを添加した場合も同様な結果となり、SiとBを両方添加した場合でも同様の結果を示すものである。
さらに、本発明の装飾品は本発明の装飾品は、前記PdAg合金を含むものである。
例えば、指輪、ネックレス、ブローチ、タイ止め、カフスボタン、イアリング、ピアス、メガネ、時計及びそのバンドなどの身飾品に限らず、置物などにも使用することが出来
るものである。
(製造工程)
次に本発明のPdAg合金の製造工程について説明する。
Pd、Ag、Si,B粉末を秤量して、高周波真空溶融炉1500℃付近で溶融した後、800℃付近で鍛造処理をし、この工程を2回繰り返すことで例えば6mm角のインゴットを作製する。
このインゴットを例えば100g秤量し、Siルツボに充填した後で、別炉にて800℃付近で焼成された鋳型と、このSiルツボとを高周波遠心鋳造機にセットし、ロストワックス法により真空状態で鋳造温度1350℃〜1650℃で処理して、指輪形状に作製することができる。
そして指輪はバフ研磨により鏡面状態にするが、他の研磨方法、例えば電解研磨であってもよい。
(検査工程)
次に本発明のPdAg合金の検査工程について説明する。
色調については目視により判断することができるが、Labにて光学的に検査することもできる。
鋳造性についてはバフ研磨仕上げしたサンプルリングの外観を目視もしくは特定の顕微鏡で観察し、巣やクラックの有無等、鋳造欠陥の有無を個数や面積で判断することができる。
加工性については、原料を溶融冷却後、サンプルを圧延加工した角材の仕上がり精度で判断することができる。
耐硫化性については、研磨仕上げしたサンプルリングを人工汗中に半浸漬して密閉し、乾燥機中で所定時間経過した後の状態を観察することで確認することができる。
耐アレルギー性については、任意に選んだ対象者に所定時間指に装着して、皮膚の変色の有無で判断することができるが、人間以外にラットを使用しても構わない。
硬度については、サンプルリングに対してビッカース硬度試験を用いて評価することができるが、耐摩耗性試験で評価してもよい。
(サンプル作製)
Pd、Ag、Si,B粉末を秤量して、高周波真空溶融炉1500℃で溶融した後、800℃で鍛造処理をし、この工程を2回繰り返すことで6mm角のインゴットを作製した。
このインゴットを100g秤量し、Siルツボに充填した後で、別炉にて800℃で焼成された鋳型と、このSiルツボとを高周波遠心鋳造機にセットして、ロストワックス法により真空状態にて鋳造温度1500℃で指輪形状に鋳造した。
そして評価にはバフ研磨により鏡面状態にした指輪を使用した。
(評価方法)
色調については、目視によりNi系ホワイトゴールド(市販品)と比較して白色性を評価した。
鋳造性については、バフ研磨仕上げしたサンプルリングの外観を工場顕微鏡にて20倍で観察し、巣やクラックの有無等、鋳造欠陥の有無で評価した。
加工性については、高周波溶融して冷却後、サンプル100gを圧延加工し、6mm角の角材を作製した時の仕上がり精度で評価した。
耐硫化性については、研磨仕上げしたサンプルリングを人工汗中に半浸漬して密閉し、乾燥機40℃±5℃、24時間経過後の変色度合いをNi系ホワイトゴールド(市販品)と比較して評価した。
耐アレルギー性については、任意に選んだ対象者10名に1時間指に装着して、皮膚の変色の有無で評価した。
硬度については、バフ研磨したサンプルリングに対して、ビッカース硬度試験を用いて評価した。
なお、硬度以外については、優良な結果を◎、良好な結果を○、使用可を△、使用不可を×として表に示し、硬度については100−150HVを目標として数値で示した。
(評価結果)
Pd、Agに加えて3B族および4B族元素を表2の組成で添加したものについて、色調、鋳造性、加工性、耐硫化性、耐アレルギー性、硬度について確認した。
以下、表1に示す。
表1において試料2,3および6,7については色調、鋳造性、加工性、耐硫化性、耐アレルギー性とも優良な結果を得ることができ、硬度においては140HV以上の結果であった。
試料1、5についてはSi、Bが過少な例であるが、硬度の向上の余地が見られた。
試料4,8についてはSi、Bが過多な例であるが、硬度が高くなりすぎて加工性が低下傾向であるものの、十分使用可能な範囲であった。
なお、少なくとも試料2,3および6,7については硬質部が確認された。
Pd、Agに加えて、2種の3B族および4B族元素を表2の組成で添加したものについて、色調、鋳造性、加工性、耐硫化性、耐アレルギー性、硬度について確認した。
以下、表2に示す。
表2においても実施例1と同様に、試料9,10については色調、鋳造性、加工性、耐硫化性、耐アレルギー性とも優良な結果を得ることができ、硬度においては140HV以上の結果であった。
なお、試料9,10については硬質部が確認された。
従来の比較例としては、表3の組成のものについて、色調、鋳造性、加工性、耐硫化性、耐アレルギー性、硬度について確認した。
以下、表3に示す。
試料11(95%Pt-5%Pd)および試料12(90%Pt-10%Pd)については、Pt−Pdベースの合金であるが、高価であり、Pt純度が増えると硬度が低下する傾向が見られる。
試料13(75%Au-15%Ag-10%Cu)および試料14(92.5%Ag-7.5%Cu)については、Au―Agベースの合金であるが、試料13は色調、鋳造性、加工性、耐アレルギー性が低下し、試料14は耐硫化性、耐アレルギー性、硬度の低下が見られた。
試料15(3%Cu−10%Ag−Pd)は特許文献1に相当するPd―Agベースのものであり、本願の目的とする硬度が低いものであり、Agの組成が10重量%を超えたものを作製しても(表3に結果は記載せず)、鋳造性や硬度が向上する傾向は殆ど見られなかった。
試料16(Ni系ホワイトゴールド)については通常の市販品を評価したものであり、Niアレルギーが確認された。
よって、試料11−16はいずれも本願が目的とする色調、鋳造性、加工性、耐硫化性、耐アレルギー性、硬度を同時に満足するものではなく、本発明の優位性を示す結果となった。
また、本発明のPdAg合金のPdとAgの組成の範囲のみだけが異なるものとして、表4の組成のものについて、色調、鋳造性、加工性、耐硫化性、耐アレルギー性、硬度について確認した。
以下、表4に示す。
試料21,22,23については色調、鋳造性、加工性、耐硫化性、耐アレルギー性、硬度を満足する物であった。
試料17−20についても同様に特性を満足するが、硬度の低下が確認された。
試料24−29については耐硫化性の低下が確認された。
1:PdAg合金
1a:硬質部
1b:非硬質部
2:Pdピーク
3:Agピーク
4:添加元素のピーク

Claims (4)

  1. Pdが74〜88重量%、Agが11〜25重量%、3B族および4B族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素が合計で0.01〜1重量%からなることを特徴とするPdAg合金。
  2. 前記3B族および4B族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素がB、Siであることを特徴とする請求項1に記載のPdAg合金。
  3. 前記Pd、Agからなる非硬質部と、前記Pd、Agと前記B,Siの少なくともいずれかからなる硬質部とを有することを特徴とする請求項2に記載のPdAg合金。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のPdAg合金を含む装飾品。
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