JP2011173966A - 親水性コーティング材組成物及び外回り住宅部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐候性を有し、汚染物質が付着しにくく、汚染物質が付着したとしても容易に除去することができる被膜を形成する親水性コーティング材組成物を提供する。
【解決手段】成分(X)及び成分(Y)を含む。成分(X)は、ケイ素アルコキシド及びその部分加水分解物から選ばれる少なくとも1種である。成分(Y)は、フルオロアルキル基を含有する成分と、エチレンオキサイド鎖を含有する成分と、ケイ素アルコキシ基を含有する成分とを含んで共重合してなるフッ素系オリゴマーである。前記(X)成分の固形分100質量部に対して、前記(Y)成分が固形分換算で1〜30質量部含有される親水性コーティング材組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗装により親水性を付与する親水性コーティング材組成物に関し、特に、住宅の外回りに適する親水性コーティング材組成物及び外回り住宅部材に関する。
住宅外装において、各種汚染防止技術の採用によって外観の維持の向上が図られ、さらにメンテナンスフリーの向上が図られている。汚染防止技術としては、撥水処理(例えば特許文献1,2)を表面に施すことによって、汚れ物質の付着を抑制して外観の悪化を防止する技術や、親水処理(例えば特許文献3,4)を表面に施すことによって、汚れ物質を雨などの流水によって容易に除去できるようにして外観の保護を行う技術等が知られている。
特開平7−268245号公報 特開平6−002444号公報 特開2002−234105号公報 特開2000−336336号公報
上記のような撥水撥油塗装や親水親油塗装には、それぞれ長所と短所があり、充分な防汚性を発揮することができない場合がある。
例えば、フッ素樹脂を用いた撥水撥油塗装では、高い結合エネルギーによって優れた耐候性を有するとともに、優れた低付着性を有して汚染物質が付着しにくい。しかし、一旦付着した汚染物質は降雨などによっても自然に除去されることは難しいため、汚れが生じた場合には外観の低下を招くことになる。
また、親水親油塗装では、水による易洗浄性に優れており、汚染物質が降雨等により除去しやすいという特徴がある。しかし、アクリルやシリコンなどの塗料に界面活性剤などの親水化添加剤を添加することによって親水性を付与する技術においては、塗膜の中層部分に添加剤が残り耐水白化などの塗膜不良を引き起こす原因になるおそれがある。また、その他、アクリルなどの塗膜の表面に親水コーティングの処理を加えることで親水表面を得る技術も知られているが、塗工による処理工程が増加するためにトータルコストが増加するという欠点がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、優れた耐候性を有し、汚染物質が付着しにくく、汚染物質が付着したとしても容易に除去することができる被膜を形成する親水性コーティング材組成物を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
第1の発明は、(X)ケイ素アルコキシド及びその部分加水分解物から選ばれる少なくとも1種、及び、(Y)フルオロアルキル基を含有する成分と、エチレンオキサイド鎖を含有する成分と、ケイ素アルコキシ基を含有する成分とを含んで共重合してなるフッ素系オリゴマー、を含み、前記(X)成分の固形分100質量部に対して、前記(Y)成分が固形分換算で1〜30質量部含有されることを特徴とする親水性コーティング材組成物である。
第2の発明は、上記構成の発明において、前記(Y)成分のフッ素系オリゴマーは、下記の(A)、(B)及び(C)の単量体を含んで、質量比で、
単量体(A)/単量体(B) = 1/99〜60/40
{単量体(A)+単量体(B)}/単量体(C) = 100/1〜100/15
で示される割合で共重合してなるものであることを特徴とする親水性コーティング材組成物である。
単量体(A)は、
Rf−Q−OCOC(R)=CH
(式中、Rfは、炭素数1〜20のフルオロアルキル基を示す。Qは、−(CHn1−又は −CHCHCH(CH)−を示す。ただし、n1は、1〜3の整数を示す。Rは、水素原子またはメチル基を示す。)
である。
単量体(B)は、
HO(CO)l1(CO)m2(CO)n2COC(R)=CH
(式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。l1、m2及びn2は、1〜100の整数を示す。)
である。
単量体(C)は、
CH=C(R)COO(CHm3Si(O(R))
(式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。Rはそれぞれ同一の又は異なる炭素数1〜8のアルキル基を示す。m3は、0〜10の整数を示す。)
である。
第3の発明は、上記構成の発明において、前記(X)成分のケイ素アルコキシドは、下記の(D)及び(E)の成分を含むことを特徴とする親水性コーティング材組成物である。
成分(D)は、
(Rn3SiX4−n3(式中、Rは各々置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価の炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示し、n3は0〜3の整数を示す)の一般式で表される加水分解性オルガノシランを、有機溶媒及び水の少なくも一種に分散させてコロイド状シリカ中で部分加水分解してなる、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液である。
成分(E)は、
(RSi(OH)(4−d−e)/2(式中、Rは各々置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価の炭化水素基を示し、dおよびeはそれぞれ0.2≦d≦2.0 かつ 0.0001≦e≦3 かつ d+e<4の関係を満たす数を示す)の平均組成式で表され、分子中にシラノール基を含有する、ポリオルガノシロキサンである。
第4の発明は、上記構成の親水性コーティング材組成物が塗装された外回り住宅部材である。
本発明の親水性コーティング材組成物によれば、耐候性が向上し、汚染物質が付着しにくく、汚染物質が付着した場合に付着物質を除去しやすい被膜を形成することができる。
親水性コーティング材組成物は、(X)ケイ素アルコキシド及びその部分加水分解物から選ばれる少なくとも1種、及び、(Y)フルオロアルキル基を含有する成分と、エチレンオキサイド鎖を含有する成分と、ケイ素アルコキシ基を含有する成分とを含んで共重合してなるフッ素系オリゴマー、を含んでいる。
上記の課題に対して、発明者は、耐久性の高い親水コーティング材の開発を検討するに至った。まず、耐久性に関しては、バインダー樹脂として無機材料を用いることが望ましく、また、防汚染性の観点から塗膜の表面が親水性であることが望ましい。一般的に、シリコーンバインダーとしては、成膜性やクラック防止の点などから、メチル基やフェニル基を有する3官能又は2官能のケイ素アルコキシド(アルコキシシラン)が原料として用いられている。しかし、3官能や2官能のケイ素アルコキシドをシリコーンバインダーとして用いると表面が撥水性となってしまう。そこで、親水化剤の配合が考えられるが、4官能のケイ素アルコキシドの加水分解体を親水化剤として3官能又は2官能のシリコーンバインダー中に混合したとしても、表面は撥水性となり目的を達成することができない。
これらの点に鑑み、検討を重ねたところ、まず、表面自由エネルギーの低い長鎖シリコン基となるシリコーン樹脂に、フッ素系オリゴマーを用いれば、1回の塗工によって塗膜表面近傍に親水基成分を顕在化できることを見出した。ここで、フッ素系オリゴマーとしては、親水性基であるエチレンオキサイド鎖を含有する成分とフルオロアルキル基を含有する成分との共重合体を用いる。しかし、この共重合体はシリコーン樹脂との反応部位を有しないために、耐水性に乏しく親水性が長期に亘り持続できないという問題が生じた。そこで、さらにこの共重合体に、ケイ素アルコキシドを共重合させることにより長期の持続性の確保が可能となることを見出した。
そしてさらに、各成分の配合比率を検討した。長鎖シリコン基や共重合体に含まれるフルオロアルキル基が塗膜の表面に多量に存在する場合、塗膜は撥水性を有することになるので、これらの基は可能な限り少量が望ましい。一方、塗膜に親水性を付与するためには、親水性基に関しては可能な限り多い方が望ましい。また、共重合体の反応部に関しては、多量に存在する場合、この共重合体の貯蔵安定性を損なうおそれがあるために可能な限り少ない方が望ましい。このようにして、親水性コーティング材組成物が完成されたものである。
そしてこの親水性コーティング材組成物によれば、耐久性の高いシリコーン樹脂にフッ素系オリゴマーを反応させて得られるものであるため、上記課題を解決することができ、屋外など、耐久性が求められ、汚れ易い用途において使用が可能となるものである。
成分(X)は、樹脂組成物の主成分となるマトリックス樹脂である。ケイ素アルコキシドは、好ましくは、次の一般式で示される化合物である。
(RSi(OR4−m
(式中、Rは、それぞれメチル基、エチル基又はフェニル基を示し、同一でも異なっていてもよい。Rは、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基を示し、同一でも異なっていてもよい。mは0、1又は2の整数を示す)
成分(X)としては、上記のケイ素アルコキシドを用いてもよく、また、上記のケイ素アルコキシドの部分加水分解物を用いてもよく、また、上記のケイ素アルコキシド及びその加水分解物の両方を用いるようにしてもよい。この成分(X)は無機系樹脂である。そして、このような成分(X)が、ケイ素アルコキシド系バインダーとして機能する。
通常、上記の一般式で示されるケイ素化合物は、その有する官能基の影響により撥水性を発揮する。その際、上記のケイ素アルコキシドが3官能及び2官能の化合物の少なくともいずれか1種(すなわちm=1,2)を含むことが好ましい。そして、発揮される撥水性により初期に汚染物を付着しにくくすることができる。しかしながら、その化合物のみを用いたのでは、経時で観察を行うと汚染が目立つようになる。そこで、(Y)で示されるフッ素系オリゴマーを加え、それに含まれる親水基で親水性を発揮させ、屋外での利用などにおいて降雨などで簡易に汚染物が洗浄されるようにすることができるのである。
成分(Y)は、成分(X)の固形分100質量部に対して、固形分換算で1〜30質量部含有される。(X)と(Y)の割合がこの範囲となることによって、被膜に充分な強度と耐久性が付与されるとともに、被膜が高い易洗浄性を発揮するようになる。(X)に対する(Y)の含有量が1質量部に満たないと、塗膜が濡れ性を発現せず、また充分な易洗浄性を発揮しない。また、(X)に対する(Y)の含有量が30質量部を超えると、塗膜が初期から白濁したり温水にて白化したりするなどして、被膜に充分な強度や耐久性が付与されなくなる。
成分(Y)において、フルオロアルキル基を含有する成分は撥水部として機能する。撥水部は、優れた表面エネルギー低下能を有し、被膜に撥水性を与えて汚染物質の付着を抑制する。また、エチレンオキサイド鎖を含有する成分は親水部として機能する。親水部は、塗膜に親水性を与えて付着した汚染物質を除去しやすくする。また、ケイ素アルコキシ基を含有する成分は反応部として機能する。反応部は、成分(X)との反応性を高めて耐候性や耐汚染性の長期持続性を高める。フッ素系オリゴマーがこれらの三成分を含んで共重合していることによって、塗膜の耐候性と耐汚染性が向上するものである。
成分(Y)としては、単量体(A)、単量体(B)及び単量体(C)を含んで共重合させたものであることが好ましい。すなわち、単量体(A)と単量体(B)と単量体(C)とが共重合体の原料となるものである。
単量体(A)は、次の化合物である。
Rf−Q−OCOC(R)=CH
(式中、Rfは、炭素数1〜20のフルオロアルキル基を示す。Qは、−(CHn1−又は −CHCHCH(CH)−を示す。ただし、n1は、1〜3の整数を示す。Rは、水素原子またはメチル基を示す。)
この単量体(A)は、撥水性基であるフルオロアルキル基を含有しており、撥水部として機能する。
単量体(B)は、次の化合物である。
HO(CO)l1(CO)m2(CO)n2COC(R)=CH
(式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。l1、m2及びn2は、1〜100の整数を示す。)
この単量体(B)は、親水性基であるエチレンオキサイド鎖を含有しており、親水部として機能する。
単量体(C)は、次の化合物である。
CH=C(R)COO(CHm3Si(O(R))
(式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。Rはそれぞれ同一の又は異なる炭素数1〜8のアルキル基を示す。m3は、0〜10の整数を示す。)
この単量体(C)は、反応性官能基であるケイ素アルコキシ基を含有しており、反応部として機能する。
単量体(A)におけるRfとしては、フルオロアルキル基(水素原子の1個以上がフッ素原子で置換されたアルキル基)であれば特に制限はないが、製造の容易さや表面張力低下能力の優秀性からパーフルオロアルキル基(水素原子の全てがフッ素原子で置換されたアルキル基)であることが好ましい。Rfは炭素数4〜18のものが好ましく、特に炭素数4〜12のものが好ましい。
炭素数4〜12のパーフルオロアルキル基を有する単量体(A)の具体例としては、C17CHCHOCOCH=CH、C17CHCHOCOC(CH)=CH、C1021CHCHOCOCH=CH、C1021CHCHOCOC(CH)=CH、C1225CHCHOCOCH=CH、C1225CHCHOCOC(CH)=CH、C13CHCHOCOCH=CH、C13CHCHOCOC(CH)=CH、C17CHCHCHOCOCH=CH、C17CHCHCHOCOC(CH)=CH、C17CHCHCH(CH)OCOCH=CH、C17CHCHCH(CH)OCOC(CH)=CH、CCHCHOCOCH=CH、CCHCHOCOC(CH)=CH等が挙げられる。
単量体(B)は、上記の式のように、ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基との少なくとも1種のポリオキシアルキレン基を含むものであるが、このうちポリオキシエチレン基を含むものであることが好ましい。ポリオキシプロピレン基のみでポリオキシアルキル基が構成され、単量体(B)がポリオキシエチレン基を含有しない場合には、共重合体の水への溶解性が著しく低下し、濡れ性が低下するおそれがある。
単量体(B)において、l1、m2、n2は、5〜60の整数であることが好ましく、特に10〜40の整数であることが好ましい。l1、m2、n2は、同数である必要はなく、異なる数であっても同数であってもよい。
単量体(B)としては、例えば、l1が4〜10で、m2が8〜20で、n2が4〜10である(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、HO(CO)(CO)(CO)COCH=CH、HO(CO)(CO)(CO)COC(CH)=CH、HO(CO)10(CO)20(CO)10COCH=CH、HO(CO)10(CO)20(CO)10COC(CH)=CH、HO(CO)20(CO)40(CO)20COCH=CH、HO(CO)20(CO)40(CO)20COC(CH)=CH、CH=CHCOO(CO)(CO)(CO)COCH=CH、CH=C(CH)COO(CO)(CO)(CO)COC(CH)=CH、CH=CHCOO(CO)10(CO)20(CO)10COCH=CH、CH=C(CH)COO(CO)10(CO)20(CO)10COC(CH)=CH、CH=CHCOO(CO)20(CO)40(CO)20COCH=CH、CH=C(CH)COO(CO)20(CO)40(CO)20COC(CH)=CH等が挙げられる。
単量体(C)は、ケイ素アルコキシ基(アルコキシシラン基)を有している。上記の式のように3官能のアルコキシシランを用いることが好ましい。単量体(C)としては、具体的には、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。なお、単量体(C)の代わりに、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン等を用いてもよい。これらのうち、特に、反応の制御のし易さ及び入手の安易さから、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
フッ素系オリゴマーは、(A)、(B)及び(C)の単量体が、次の二式を満たす重合割合(質量比)の範囲内で共重合したものであることが好ましい。
[重合割合を示す式(式1)]
単量体(A)/単量体(B) = 1/99〜60/40
[重合割合を示す式(式2)]
{単量体(A)+単量体(B)}/単量体(C) = 100/1〜100/15
重合割合がこの範囲内で共重合したものであれば、ブロック、ランダム、交互、グラフトなどいずれの構造であっても差し支えなく、また、例えば、グラフト共重合体のグラフト率、ランダム共重合体のランダム性にも格別拘らない。さらに、(A)(B)及び(C)の各単量体は、それぞれ上記した構造式で表される範囲内であれば、1種でも、また2種以上の混合物であっても使用可能である。
単量体(A)と(B)の共重合割合(質量比)は、共重合体が配合される組成物中の配合成分や、目的とする物性のレベルなどによっても異なるが、上記の範囲(式1)が好ましく、(A)/(B)=1/99〜50/50の範囲であることがより好ましく、(A) /(B)=1/99〜12/88の範囲であることがさらに好ましい。単量体(A)の割合が上記の範囲よりも多くなると共重合体の水への溶解性が低下し被膜が濡れ性を発現しなくなるおそれがある。逆に、単量体(B)の割合が上記の範囲よりも多くなると共重合体の表面張力低下能力が低下し、表面近傍にフッ素系オリゴマーを集中させることができず、被膜が濡れ性を発現しなくなるおそれがある。
また、単量体(C)は上記の範囲(式2)の割合で単量体(A)及び(B)と重合することが好ましい。単量体(C)の割合が上記の範囲よりも過剰に存在する場合には、フッ素系オリゴマーが表面に配向する前にバインダーマトリックスに取り込まれて、塗膜に所望の親水性が得られなくなるおそれがある。また、フッ素系オリゴマーの安定性を損ねてゲル化を誘発するおそれがある。逆に、単量体(C)の割合が上記の範囲よりも少ない場合には、バインダーマトリックスとの反応が不十分となり、温水試験などによる濡れの持続性が低下するおそれがある。
フッ素系オリゴマーの分子量は、ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量Mwが1,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜100,000であることが特に好ましい。Mwが1,000未満の場合は、十分な表面張力低下能力が得られにくくなり、逆に、Mwが100,000を超えると、組成物中の配合物との相溶性が低下するおそれがある。フッ素系オリゴマーの分子量については、標準ポリスチレン換算によるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定することができる。
フッ素系オリゴマーの製造方法には何ら制限はなく、公知の方法、すなわちラジカル重合法、カチオン重合法、アニオン重合法等の重合機構に基づき、溶液重合法、塊状重合法、さらに乳化重合法等によって製造できる。すなわち、炭素−炭素二重結合を重合させる方法を採用することができ、特に単量体(A)、(B)及び(C)は、アクリル基やメタクリル基を有しているので、このアクリル基やメタクリル基を重合させる適宜の方法を採用することができる。このうち特に、ラジカル重合法が簡便であり、工業的に好ましい。
ラジカル重合の場合、重合開始剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ化合物、リビングラジカル重合を引き起こす遷移金属触媒等が挙げられる。
さらに必要に応じて、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等の連鎖移動剤等を使用することができる。
上記の重合は、溶剤もしくは水の存在下で、または無溶媒でも実施できるが、作業性の点から溶剤存在下での重合が好ましい。溶剤としてはエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の極性溶媒、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のエーテル類、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類及びエステル類、クロロホルム、1,1,1−トリクロルエタン等のハロゲン化合物類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、さらにパーフルオロオクタン等のフッ素化イナ−トリキッド等が挙げられ、これらのいずれも単独で又は併用して使用できる。
前記の成分(X)のケイ素アルコキシドとしては、次の(D)及び(E)の成分を含むことが好ましい。
成分(D)は、一般式が(Rn3SiX4−n3で表される加水分解性オルガノシランを、有機溶媒及び水の少なくも一種に分散させてコロイド状シリカ中で部分加水分解してなる、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液である。ここで、前記の一般式中、Rは各々置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価の炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示し、n3は0〜3の整数を示している。
また、成分(E)は、平均組成式が(RSi(OH)(4−d−e)/2で表され、分子中にシラノール基を含有するポリオルガノシロキサンである。前記の平均組成式中、Rは各々置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価の炭化水素基を示している。また、前記の平均組成式中、dおよびeはそれぞれ0.2≦d≦2.0 かつ 0.0001≦e≦3 かつ d+e<4の関係を満たす数を示している。
成分(D)の加水分解性オルガノシラン中のRとしては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基などのアラルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基などの置換炭化水素基等を例示することができる。これらの中でも合成の容易さ、あるいは入手の容易さから、炭素数1〜4のアルキル基及び、フェニル基が好ましい。
成分(D)の加水分解性オルガノシラン中の加水分解性基Xとしては、例えば、アルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基などが挙げられる。これらの中でも入手の容易さ及びシリカ分散オリゴマー溶液を調製し易いことからアルコキシ基が好ましい。このような加水分解性オルガノシランとしては、例えば、n3が0〜3の整数である、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−の各官能性のアルコキシシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン類、アミドシラン類などが挙げられる。これらの中でも入手の容易さ及びシリカ分散オリゴマー溶液を調製し易いことからアルコキシシラン類が好ましい。
特に、n3=0のテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどを例示することができる。またn3=1のオルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどを例示することができる。またn3=2のジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどを例示することができる。さらにn3=3のトリオルガノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、ジメチルイソブチルメトキシシランなどを例示することができる。また一般にシランカップリング剤とよばれるオルガノシラン化合物もアルコキシシラン類として用いることができる。
これらの加水分解性オルガノシランのうち、50モル%以上がn3=1で表される3官能性のものであることが好ましい。より好ましくは60モル%以上であり、最も好ましくは70モル%以上である。n3=1の3官能性のものが50モル%未満では、十分な塗膜硬度を得られなくなるおそれがあり、また乾燥硬化性が劣り易くなるおそれがある。
成分(D)で使用するコロイド状シリカとしては、水分散性あるいはアルコールなどの非水系の有機溶媒分散性コロイド状シリカを使用することができ、ケイ素アルコキシド系コーティング剤に用いられるコロイド状シリカと同様のものを使用することができる。一般にこのようなコロイド状シリカは固形分としてのシリカを20〜50質量%含有しており、この値からシリカ配合量を決定できる。
水分散性コロイド状シリカを使用する場合、固形分以外の成分として存在する水は成分(D)の加水分解に用いることができる。水分散性コロイド状シリカは、通常、水ガラスから作られるが、このようなコロイド状シリカは市販品として容易に入手することができる。
また、有機溶媒分散性のコロイド状シリカは、前記の水分散性コロイド状シリカ中の水を有機溶媒と置換することで容易に調製することができる。このような有機溶媒分散性コロイド状シリカも水分散性コロイド状シリカと同様に市販品として容易に入手することができる。コロイド状シリカを分散する有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどの低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのジエチレングリコール誘導体、ジアセトンアルコール等を挙げることができる。分散する有機溶媒には、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上のものを使用することができるが、これらの親水性有機溶剤と併用してトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシムなども用いることができる。
成分(D)中のコロイド状シリカは、ケイ素アルコキシド系コーティング剤の硬化被膜の硬度を高くするために用いられる。成分(D)中においてコロイド状シリカは、シリカ固形分として5〜95質量%の範囲で含有されることが好ましい。より好ましくは10〜90質量%、さらに好ましくは20〜85質量%の範囲である。シリカの固形分での含有量が5質量%未満であると所望の被膜硬度が得られなくなるおそれがあり、また95質量%を超えるとシリカの均一分散が困難となって成分(D)がゲル化する等の不都合を招来するおそれがある。
成分(D)のオルガノシランのシリカ分散オリゴマーは、通常、上記の一般式で表される加水分解性オルガノシランを、水分散性コロイド状シリカまたは有機溶媒分散性コロイド状シリカの少なくとも一方の中で部分加水分解して得ることができる。部分加水分解において、加水分解性オルガノシランに対する水の使用量は、加水分解性基X1モルに対して水0.001〜0.5モルであることが好ましい。水の使用量が0.001モル未満であると充分な部分加水分解物を得ることができなくなるおそれがあり、また、水の使用量が0.5モルを超えると部分加水分解物の安定性が悪くなるおそれがある。部分加水分解する方法は特に限定されないものであり、加水分解性オルガノシランとコロイド状シリカとを混合して必要量の水を添加配合するなどすればよく、このとき部分加水分解反応は常温(例えば25℃)でも進行するが、部分加水分解反応を促進させるために60〜100℃に加温するようにしてもよい。さらに部分加水分解反応を促進させる目的で、塩酸、酢酸、ハロゲン化シラン、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタル酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸などの無機酸や有機酸を触媒として用いてもよい。
成分(D)のオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液は、長期的に安定した性能を得るために、溶液のpH値を2.0〜7.0の範囲に、より好ましくはpH2.5〜6.5の範囲に、さらにより好ましくはpH3.0〜6.0の範囲に調整する。pH値がこの範囲外であると、特に水の使用量が加水分解性基X1モルに対し0.3モル以上となった場合に成分(D)の長期的な性能低下が著しくなるおそれがある。調製後の成分(D)のpH値がこの範囲外にある場合、この範囲より酸性側のときにはアンモニア、エチレンジアミン等の塩基性試薬を添加してpH値を上記の範囲内になるように調整すればよい。逆に、pH値がこの範囲より塩基性側のときには塩酸、硝酸、酢酸等の酸性試薬を用いてpH値を上記の範囲内になるように調整すればよい。このpHの調整の方法は特に限定されるものではない。
成分(E)のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン中のRとしては、成分(D)中のRと同じものを例示することができるが、Rにおいては、R中の5〜50質量%がフェニル基であることが好ましい。フェニル基が5質量%未満では塗膜の伸びが低下しクラックが発生しやすくなるおそれがあり、また、フェニル基が50質量%を超えると硬化が遅くなり過ぎてしまうおそれがある。この場合、その他のRは、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アミノプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換炭化水素基であり、より好ましくはメチル基およびエチル基のアルキル基である。
また、平均組成式において、dが0.2未満又はeが3を超えると、硬化被膜にクラックを生じるなどの不都合が生じるおそれがある。また、dが2を超えてかつ4以下の場合又はeが0.0001未満である場合、硬化がうまく進行しなくなるおそれがある。
成分(E)のシラノール基含有ポリオルガノシロキサンは、例えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、もしくはこれらに対応してクロロ基をアルコキシ基に置換したアルコキシシランの1種もしくは2種以上の混合物を公知の方法により大量の水で加水分解することによって得ることができる。なお、シラノール基含有ポリオルガノシロキサンを得るために、アルコキシシランを用いて公知の方法で加水分解した場合、加水分解されないアルコキシ基が微量に残ることがある。つまり、シラノール基と極微量のアルコキシ基が共存するようなポリオルガノシロキサンが得られることがある。しかしながら、成分(E)として、このようなアルコキシ基を微量に含有するポリオルガノシロキサンを用いても差支えない。
シラノール基含有ポリオルガノシロキサンの分子量は700〜20000であることが好ましい。この分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定による標準ポリスチレン換算による重量平均分子量である。分子量が、700未満の場合、形成された塗膜の硬化性が遅くなるおそれがあり、またクラックが発生しやすくなるおそれがある。一方、分子量が20000を超える場合、顔料を添加したコーティング剤により形成された塗膜に光沢がなくなるおそれがあり、また平滑性も悪くなるおそれがある。
成分(D)と成分(E)の配合割合としては、成分(D)と成分(E)の合計量を100質量部としたときに、成分(D)及び成分(E)が1〜99質量部の範囲で配合されることが好ましい。すなわち、成分(D)と成分(E)は、99:1〜1:99の質量比で配合されることが好ましい。そして、成分(D)と成分(E)は、5:95〜95:5の質量比で配合されることがより好ましい。成分(D)が1質量部未満になると常温硬化性に劣ると共に十分な被膜硬度が得られなくなるおそれがある。逆に成分(D)が99質量部を超えると硬化性が不安定になり且つ良好な被膜が得られなくなるおそれがある。
親水性コーティング材組成物には、さらに触媒である成分(F)が配合されることが好ましい。成分(F)は、親水性コーティング材組成物が塗装に使用された際に、成分(X)と成分(Y)との縮合反応を促進し、被膜を硬化させる触媒である。つまり硬化触媒である。成分(F)としては、酸性触媒、塩基性触媒、有機金属触媒などを用いることができる。
このような触媒としては、アルキルチタン酸塩、オクチル酸錫およびジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレート等のカルボン酸の金属塩;ジブチルアミン−2−ヘキソエート、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテート等のアミン塩;酢酸テトラメチルアンモニム等のカルボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエチルペンタミン等のアミン類;N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミン系シランカップリング剤;p−トルエンスルホン酸、フタル酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート等のアルミニウム化合物、水酸化カリウムなどのアルカリ触媒、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタニウムテトラアセチルアセトネート等のチタニウム化合物、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルモノクロロシラン等のハロゲン化シラン等が例示される。もちろんこれらの触媒に限定されるものではなく、これらの他にも成分(X)と成分(Y)との縮合反応に有効なものであれば使用可能である。
成分(F)の含有量は、成分(X)と成分(Y)の合計100質量部に対して0.0001〜10質量部であることが好ましい。成分(F)の含有量は、より好ましくは0.0005〜8質量部であり、さらに好ましくは0.0007〜5質量部である。成分(F)の含有量が0.0001質量部未満であると常温で硬化しなくなるおそれがあり、また、10質量部を超えると被膜の耐熱性や耐候性が悪くなるおそれがある。
親水性コーティング材組成物は、成分(X)と成分(Y)と、必要に応じ成分(F)とを混合して調製される。その際、粘度を調整するなどの目的で溶媒や水などを適宜添加してもよい。なお、成分(F)は、成分(X)及び成分(Y)の一方又は両方中に含まれるようにして調製されてもよく、成分(X)及び成分(Y)とは別に添加されて調製されてもよい。
また、親水性コーティング材組成物には、適宜、必要に応じて顔料やフィラーなどを添加することができる。添加する顔料種としては、カーボンブラック、キナクリドン、ナフトールレッド、シアニンブルー、シアニングリーン、ハンザイエロー等の有機顔料や、酸化チタン、硫酸バリウム、弁柄、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化鉄赤、複合金属酸化物等の無機顔料が好ましく、これらの群から選ばれる1種もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、耐候性を向上させるには無機顔料を配合することが好ましい。また、フィラーとしてはシリカ粉や硫酸バリウム等を用いることができる。上記に顔料として列挙した群から選ばれる1種もしくは2種以上を組み合わせてフィラーとして使用してもよい。顔料やフィラーの粒径は特に限定されないが、平均粒径で0.01〜4μm程度であることが好ましい。
顔料やフィラーの添加量としては、その種類により隠蔽性等の性能が異なるので、特に限定されるものではなく、適宜の量とすればよいが、無機顔料の場合、樹脂固形分100質量部に対して15〜80質量部となる範囲が好ましい。無機顔料が15質量部未満の場合は隠蔽性を十分に得ることができなくなるおそれがあり、また、80質量部を超えると塗膜の平滑性が悪くなるおそれがある。顔料やフィラーの分散は通常の方法でおこなうことができ、またその際に分散剤、分散助剤、増粘剤、カップリング剤等を使用することが可能である。
上記のような親水性コーティング材組成物をエアースプレー、カーテンコータ、ロールコータ等の適宜の手法により適宜の部材、好適には建築用外装材などの屋外で使用される部材の表面に塗布した後、硬化成膜することにより、目的とする被膜を形成することができる。そして、好ましくは、親水性コーティング材組成物が塗装された外回り住宅部材が得られる。硬化成膜の温度条件は、常温でもよく高温でもよい。好ましくは、室温(例えば25℃)から130℃である。温度がこれよりも低い場合には硬化が十分に進行せず、膜の物性が低下するおそれがある。また、温度がこれよりも高い場合には、フッ素系オリゴマーの親水部が反応してしまい、濡れ性が低下するおそれがある。塗装の膜厚は特に限定されるものではないが、レベリング性の観点から2〜15μmが好適である。
このように被膜を形成すれば、表面に親水基を有するフッ素系オリゴマーを局在化させて、1コートで親水性を付与することが可能となる。また、バインダーである無機系樹脂と反応可能な官能基をフッ素系オリゴマーに導入することによって親水性の維持性が向上し、屋外での耐久性に優れた易洗浄性を実現することが可能となる。
したがって、耐候性が向上し、汚染物質が付着しにくく、汚染物質が付着した場合に付着物質を除去しやすい被膜を形成するコーティング材、及びそのコーティング材が塗装された外回り住宅部材を提供できるものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳述する。
なお、実施例及び比較例において、特に断らない限り「部」は総て「質量部」を、「%」は総て「質量%」を示す。また、本発明はこれらの実施例に限定されないのはいうまでもない。
[成分(X):ケイ素アルコキシド系コーティング剤(無機バインダー)の調製]
[無機バインダー(I)]
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えた反応容器に以下に示す割合で材料を仕込み、部分加水分解反応を行った。
メチルシリケートMS−51(コルコート社製) 100部
エチルアルコール 50部
蒸留水 19部
0.2%HCl水溶液 2部
これにより、樹脂固形分11%の無機バインダー(I)を得た。
[無機バインダー(II)]
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えた反応容器に以下に示す割合で材料を仕込み、60℃の恒温槽中で分子量Mwが1200になるよう調整して部分加水分解反応を行った。
メチルトリメトキシシラン 100部、
テトラエトシキシラン 20部
イソプロピルアルコールオルガノシリカゾル(触媒化学化成工業株式会社製「OSCAL1432」、SiO含有量30%) 150部
ジメチルジメトキシシラン 40部
イソプロピルアルコール 100部
イオン交換水 200部
これにより、樹脂固形分25%の無機バインダー(II)を得た。
[無機バインダー(III)]
無機バインダー(III)は成分(D)と成分(E)と成分(F)とにより調製される。
<成分(D)>
攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計を取り付けたフラスコ中に以下に示す割合で材料を投入し、攪拌しながら80℃の温度で約3時間かけて部分加水分解反応を行ない、冷却することによって、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液を得た。
イソプロピルアルコール分散コロイダルシリカゾル(日産化学工業社製「IPA−ST」、粒子径10〜20μm、固形分30%、HO量0.5%) 100部
メチルトリメトキシシラン 68部
ジメチルジメトキシシラン 18部
水 2.7部
無水酢酸0.1部
このオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液は、室温で48時間放置したときの固形分が36%であった。
また、このオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液の調製条件は、
・加水分解性基X1モルに対する水のモル数 ・・・ 0.1モル
・シリカ分含有量 ・・・ 40.2%
・3官能(n3=1)の加水分解性基含有オルガノシランのモル% ・・・ 77モル%
である。
<成分(E)>
攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けたフラスコに水1000部、アセトン50部を計り取った。その混合溶液中に、メチルトリクロロシラン59.7部(0.4モル)、ジメチルジクロロシラン51.6部(0.4モル)、フェニルトリクロロシラン42.3部(0.2モル)をトルエン200部に溶解したものを攪拌しながら滴下し、加水分解反応を行った。滴下40分後に攪拌を止め、反応液を分液ロートに移し入れて静置した後、2層に分離した下層の塩酸水を分液除去した。次に、上層のオルガノポリシロキサンのトルエン溶液から、減圧ストリッピングにより残存している水、および塩酸を過剰のトルエンと共に留去して除去した。これにより、平均分子量3000のシラノール基含有オルガノポリシロキサンのトルエン60%溶液を得た。このオルガノポリシロキサンは、平均組成式(RSi(OH)(4−d−e)/2において、R中のフェニル基量が14%であった。また、平均組成式(RSi(OH)(4−d−e)/2において、d=1、e=3/5であった。
<無機バインダー(III)の調製>
硬化触媒の成分である成分(F)として、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランを用いた。上記により調製された成分(D)56部、成分(E)43部、成分(F)1部の割合で混合して攪拌した。これにより、樹脂固形分24%の無機バインダー(III)が得られた。
[実施例1]
<成分(Y)の調製>
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えた耐圧密閉反応容器に以下に示す割合で材料を仕込み、窒素パージを実施した後に、65℃15時間反応させ、フッ素系オリゴマーを得た。
CH=C(CH)COOC13 4部
CH=C(CH)COO(CHCHO)H 25部
CH=C(CH)COO(CHSi(OCH 1.5部
HSCHCH(OH)CHOH 1.7部
2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル) 0.4部
1−メトキシ−2−プロパノール 30部
このフッ素系オリゴマーは、数平均分子量が2821、重量平均分子量が8205、固形分が50%であった。
なお、上記の成分において、CH=C(CH)COOC13が単量体(A)であり、CH=C(CH)COO(CHCHO)Hが単量体(B)であり、CH=C(CH)COO(CHSi(OCHが単量体(C)である。すなわち、RfはC13であり、Qは−(CH−であり、R、R、R、Rはいずれもメチル基である。
GPC装置としては、東ソー社製HCL−8220GPCを用い、重量平均分子量を測定した。
<コーティング材組成物の調製>
上記の無機バインダー(I) 100部に対して、調製したフッ素系オリゴマー 2.2部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[実施例2]
上記の無機バインダー(II) 100部に対して、実施例1で調製したフッ素系オリゴマー 5部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[実施例3]
上記の無機バインダー(III) 100部に対して、実施例1で調製したフッ素系オリゴマー 4.8部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[実施例4]
<成分(Y)の調製>
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えた耐圧密閉反応容器に以下に示す割合で材料を仕込み、窒素パージを実施した後に、65℃15時間反応させ、フッ素系オリゴマーを得た。
CH=C(CH)COOC13 11部
CH=C(CH)COO(CHCHO)H 18部
CH=C(CH)COO(CHSi(OCH 1.5部
HSCHCH(OH)CHOH 1.7部
2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル) 0.3部
1−メトキシ−2−プロパノール 30部
このフッ素系オリゴマーは、固形分が50%であった。
<コーティング材組成物の調製>
上記の無機バインダー(III) 100部に対して、調製したフッ素系オリゴマー 4.8部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[実施例5]
<成分(Y)の調製>
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えた耐圧密閉反応容器に以下に示す割合で材料を仕込み、窒素パージを実施した後に、65℃15時間反応させ、フッ素系オリゴマーを得た。
CH=C(CH)COOC13 15部
CH=C(CH)COO(CHCHO)H 14部
CH=C(CH)COO(CHSi(OCH 1.5部
HSCHCH(OH)CHOH 1.7部
2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル) 0.3部
1−メトキシ−2−プロパノール 30部
このフッ素系オリゴマーは、固形分が50%であった。
<コーティング材組成物の調製>
上記の無機バインダー(III) 100部に対して、調製したフッ素系オリゴマー 4.8部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[実施例6]
<成分(Y)の調製>
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えた耐圧密閉反応容器に以下に示す割合で材料を仕込み、窒素パージを実施した後に、65℃15時間反応させ、フッ素系オリゴマーを得た。
CH=C(CH)COOC13 2.7部
CH=C(CH)COO(CHCHO)αH 26部
CH=C(CH)COO(CHSi(OCH 1.5部
HSCHCH(OH)CHOH 1.7部
2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル) 0.4部
1−メトキシ−2−プロパノール 30部
このフッ素系オリゴマーは、数平均分子量が2821、重量平均分子量が8205、固形分が50%であった。なお、上記の単量体(B)においては、エチレンオキサイド鎖がα=4〜5である混合物である。
<コーティング材組成物の調製>
上記の無機バインダー(III) 100部に対して、調製したフッ素系オリゴマー 4.8部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[実施例7]
成分(X)として、パナソニック電工社製無機コーティング剤「フレッセラNA−100」(固形分20%)を用いた。このコーティング剤は、ケイ素アルコキシドの部分加水分解物を含んでいるコーティング剤である。
そして、このコーティング剤 100部に対し、実施例1で調製したフッ素系オリゴマー 4部を添加してよく撹拌し、コーティング液を得た。
[実施例8]
上記の無機バインダー(III) 100部に対して、実施例1で調製したフッ素系オリゴマー 2.4部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[実施例9]
上記の無機バインダー(III) 100部に対して、実施例1で調製したフッ素系オリゴマー 9.6部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[実施例10]
上記の無機バインダー(III) 100部に対して、実施例1で調製したフッ素系オリゴマー 12部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[実施例11]
<成分(Y)の調製>
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えた耐圧密閉反応容器に以下に示す割合で材料を仕込み、窒素パージを実施した後に、65℃15時間反応させ、フッ素系オリゴマーを得た。
CH=C(CH)COOC13 4部
CH=C(CH)COO(CHCHO)H 23部
CH=C(CH)COO(CHSi(OCH 3部
HSCHCH(OH)CHOH 1.2部
2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル) 0.3部
1−メトキシ−2−プロパノール 30部
このフッ素系オリゴマーは、固形分が50%であった。
<コーティング材組成物の調製>
上記の無機バインダー(III) 100部に対して、調製したフッ素系オリゴマー 4.8部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[実施例12]
<フッ素系オリゴマーの調製>
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えた耐圧密閉反応容器に以下に示す割合で材料を仕込み、窒素パージを実施した後に、65℃15時間反応させ、フッ素系オリゴマーを得た。
CH=C(CH)COOC13 18部
CH=C(CH)COO(CHCHO)H 11部
CH=C(CH)COO(CHSi(OCH 1.5部
HSCHCH(OH)CHOH 1.7部
2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル) 0.3部
1−メトキシ−2−プロパノール 30部
このフッ素系オリゴマーは、固形分が50%であった。
<コーティング材組成物の調製>
上記の無機バインダー(III) 100部に対して、調製したフッ素系オリゴマー 4.8部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[実施例13]
<フッ素系オリゴマーの調製>
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えた耐圧密閉反応容器に以下に示す割合で材料を仕込み、窒素パージを実施した後に、65℃15時間反応させ、フッ素系オリゴマーを得た。
CH=C(CH)COOC13 4部
CH=C(CH)COO(CHCHO)αH 22部
CH=C(CH)COO(CHSi(OCH 5部
HSCHCH(OH)CHOH 1.2部
2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル) 0.3部
1−メトキシ−2−プロパノール 30部
このフッ素系オリゴマーは、固形分が50%であった。なお、上記の単量体(B)においては、エチレンオキサイド鎖がα=4〜5である混合物である。
<コーティング材組成物の調製>
上記の無機バインダー(III) 100部に対して、調製したフッ素系オリゴマー 4.8部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[比較例1]
<オリゴマーの調製>
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えた耐圧密閉反応容器に以下に示す割合で材料を仕込み、窒素パージを実施した後に、65℃15時間反応させ、フッ素を含有しないオリゴマーを得た。
CH=C(CH)COO(CHCHO)H 29部
CH=C(CH)COO(CHSi(OCH 1.5部
HSCHCH(OH)CHOH 1.2部
2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル) 0.3部
1−メトキシ−2−プロパノール 30部
このフッ素を含有しないオリゴマーは、固形分が50%であった。
<コーティング材組成物の調製>
上記の無機バインダー(III) 100部に対して、調製したオリゴマー 4.8部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[比較例2]
<フッ素系オリゴマーの調製>
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えた耐圧密閉反応容器に以下に示す割合で材料を仕込み、窒素パージを実施した後に、65℃15時間反応させ、フッ素系オリゴマーを得た。
CH=C(CH)COOC13 2.6部
CH=C(CH)COO(CHCHO)αH 27.5部
HSCHCH(OH)CHOH 1.2部
2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル) 0.5部
1−メトキシ−2−プロパノール 30部
このフッ素系オリゴマーは、固形分が50%であった。なお、上記の単量体(B)においては、エチレンオキサイド鎖がα=4〜5である混合物である。
<コーティング材組成物の調製>
上記の無機バインダー(III) 100部に対して、調製したフッ素系オリゴマー 4.8部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[比較例3]
アクリル樹脂として、DIC社製アクリル樹脂「ACRYDIC A190」を用いた。このアクリル樹脂 100部に対して、実施例1で調製したフッ素系オリゴマー 5部を添加してよく撹拌し、コーティング液を得た。
[比較例4]
ポリオール樹脂として、三井化学社製ポリオール樹脂「オレスターQ164」を用い、硬化剤として三井化学社製「オレスターP−49−75S」を用いた。ポリール樹脂 85部と硬化剤 15部との混合液に、実施例1で調製したフッ素系オリゴマー 7.7部を添加してよく撹拌し、コーティング液を得た。
[比較例5]
上記の無機バインダー(III) 100部に対して、実施例1で調製したオリゴマー 0.24部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[比較例6]
上記の無機バインダー(III) 100部に対して、実施例1で調製したオリゴマー 16.8部を加えてよく攪拌し、コーティング液を得た。
[塗装板の作製]
上記により得られた各コーティング液を、ガラス板にバーコータ#10を用いて塗布した。その後、セッティングとして30分室温で静置した。さらに、電気式乾燥機を用いて90℃で30分強制乾燥を行うことによって、コーティング液が塗装されたガラス板を得た。
[評価]
塗装された各ガラス板について下記項目を評価した。
<成膜性>
目視にて判断を行った。
○:クラック及びハガレなし
△:一部にクラック又はハガレあり
×:全面にクラック又はハガレあり
として判定した。
<硬度>
JIS K5600−5−4 引っかき硬度 鉛筆法、に準拠して判定した。
<水濡れ性(親水性)>
霧吹きにて、表面に水を吹きかけ30秒後の濡れ面積(%)を目視で判定した。
○:濡れ面積90%以上
△:濡れ面積70%以上〜90%未満
×:濡れ面積70%未満
として判定した。
<温水浸漬後の水濡れ性>
60℃温水に40時間浸漬した後に24時間風乾し、霧吹きで表面に水を吹きかけ、30秒後の濡れ面積(%)を目視で判定した。
○:濡れ面積90%以上
△:濡れ面積70%以上〜90%未満
×:濡れ面積70%未満
−:初期の水濡れ性が悪いため試験をしていない
として判定した。
<温水浸漬後の外観>
60℃温水に40時間浸漬した後に24時間風乾し、表面を目視で判定した。
○:クラック及びハガレなし
△:一部にクラック又はハガレあり
×:全面にクラック又はハガレあり
として判定した。
<耐候性試験>
岩崎電気製アイスーパーテスタW231試験機を用いて1000時間後の外観を目視で判定した。
○:外観に異常なし
×:クラックもしくは剥離あり
として判定した。
<防汚性>
屋外に試験片(ガラス板)を垂直に設置し、3ヶ月後の外観を目視で判定した。
○:雨筋なし
×:雨筋あり
として判定した。
[結果]
結果を表1に示す。
オリゴマーに、フルオロアルキル基が含有されていない比較例1、ケイ素アルコキシ基が含有されていない比較例2は、防汚性が悪かった。また、成分(X)の代わりに、アクリル樹脂を用いた比較例3、ポリオール樹脂を用いた比較例4は、防汚性が悪く、また温水浸漬後の濡れ性、耐候性が悪かった。成分(Y)の含有量が少ない比較例5は濡れ性が悪かった。成分(Y)の含有量が多い比較例6は温水浸漬後の外観が悪く、耐候性が悪かった。
それに対し、実施例1〜13のコーティング液を用いた場合は、成膜性、硬度、濡れ性、温水浸漬後の濡れ性及び外観、耐候性、防汚性に優れるものであった。
Figure 2011173966

Claims (4)

  1. (X)ケイ素アルコキシド及びその部分加水分解物から選ばれる少なくとも1種、及び、(Y)フルオロアルキル基を含有する成分と、エチレンオキサイド鎖を含有する成分と、ケイ素アルコキシ基を含有する成分とを含んで共重合してなるフッ素系オリゴマー、を含み、前記(X)成分の固形分100質量部に対して、前記(Y)成分が固形分換算で1〜30質量部含有されることを特徴とする親水性コーティング材組成物。
  2. 前記(Y)成分のフッ素系オリゴマーは、下記の(A)、(B)及び(C)の単量体を含んで、質量比で、
    単量体(A)/単量体(B) = 1/99〜60/40
    {単量体(A)+単量体(B)}/単量体(C) = 100/1〜100/15
    で示される割合で共重合してなるものであることを特徴とする、請求項1に記載の親水性コーティング材組成物。
    単量体(A):
    Rf−Q−OCOC(R)=CH
    (式中、Rfは、炭素数1〜20のフルオロアルキル基を示す。Qは、−(CHn1−又は −CHCHCH(CH)−を示す。ただし、n1は、1〜3の整数を示す。Rは、水素原子またはメチル基を示す。)
    単量体(B):
    HO(CO)l1(CO)m2(CO)n2COC(R)=CH
    (式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。l1、m2及びn2は、1〜100の整数を示す。)
    単量体(C):
    CH=C(R)COO(CHm3Si(O(R))
    (式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。Rはそれぞれ同一の又は異なる炭素数1〜8のアルキル基を示す。m3は、0〜10の整数を示す。)
  3. 前記(X)成分のケイ素アルコキシドは、下記の(D)及び(E)の成分を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の親水性コーティング材組成物。
    成分(D):
    (Rn3SiX4−n3(式中、Rは各々置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価の炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示し、n3は0〜3の整数を示す)の一般式で表される加水分解性オルガノシランを、有機溶媒及び水の少なくも一種に分散させてコロイド状シリカ中で部分加水分解してなる、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液
    成分(E):
    (RSi(OH)(4−d−e)/2(式中、Rは各々置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価の炭化水素基を示し、dおよびeはそれぞれ0.2≦d≦2.0 かつ 0.0001≦e≦3 かつ d+e<4の関係を満たす数を示す)の平均組成式で表され、分子中にシラノール基を含有する、ポリオルガノシロキサン
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の親水性コーティング材組成物が塗装された外回り住宅部材。
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