JP2011173928A - 癌処置のためのエポチロンの使用 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定の処置レジメンを用いる、特定の増殖性疾患、特に特定の癌の処置のための、エポチロンを含む医薬製剤を提供することが、本発明の解決すべき課題である。
【解決手段】上記課題は、特に本明細書に記載する、具体的な処置レジメに従った、エポチロン、特にエポチロンAおよびより好ましくはエポチロンBでの増殖性疾患の処置;ならびにこのようなエポチロンでの、ある種の特定の癌の処置を提供することにより解決される。
【選択図】なし

Description

本発明の要旨
本発明が関係する処置は、特に、エポチロン(epothilone)、特にエポチロンBを用いる処置方式による増殖性疾患の処置であり、好ましくは胃腸の腫瘍、より好ましくは(1)結腸および/または直腸の腫瘍(結直腸癌)、それは特に典型的な少なくとも1つを意味するタキサンクラスの抗癌剤、特にTAXOL(登録商標)(臨床に使用の製剤型のパクリタクセル)に抗療性であるもの、および/または他の化学療法薬、特に5-フルオロウラシルによる少なくとも1つの標準的処置に抗療性であるもの、(2)生殖尿路の腫瘍、より好ましくは前立腺の腫瘍であり、原発性および転移性腫瘍を含み、特にホルモン療法(“ホルモン抗療性前立腺癌”)および/または他の標準的化学療法薬による処置に抗療性のもの;(3)類表皮癌、より好ましくは類表皮頭頚部腫瘍、最も好ましくは口腔腫瘍;(4)肺の腫瘍、より好ましくは肺非小細胞腫瘍、特にこれら任意の腫瘍であって、1つまたはそれ以上の他の化学療法薬(特に多剤耐性に起因する)、特に多くのタキサンクラスの抗癌剤、特にTAXOL(登録商標)による処置に抗療性のある腫瘍;または(5)乳癌、より好ましくは多剤耐性のものであって、特にタキサンクラスの抗癌剤のメンバー、特にTAXOL(登録商標)による処置に抗療性のあるもの;また特に関係する処置は、多剤耐性肺腫瘍(好ましくは、肺非小細胞腫瘍)、多剤耐性乳癌、または多剤耐性類表皮癌の処置、または本発明の広い意味では、上記処置または(本発明の広い意味では)任意の他の腫瘍処置、特に1つまたはそれ以上の化学療法薬、特に多剤耐性および/またはTAXOL(登録商標)に抗療性のあるもの、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、神経芽細胞腫、頭頚部癌もしくは膀胱癌のようなものの処置の処置スケジュールであり、または広い意味では、腎臓癌、脳腫瘍または胃癌の処置であり、細胞毒性剤(cytotoxic agent)としてエポチロン、特にエポチロンBの投与による処置に関係する。ここで、“処置”なる語は、(i)当該疾患の処置方法(処置する方法)であって、当該細胞毒性剤(好ましくは、エポチロン、特にエポチロンB、各場合において好ましくは、医薬的に許容される担体を伴う)を温血性動物に、特にその治療が必要な場合に、治療の有効量を少なくとも一回の処置において投与することを含む処置;(ii)増殖性疾患の処置のための当該細胞毒性剤の使用;(iii)当該増殖性疾患の処置用医薬調製物の製造のための当該細胞毒性剤の使用(当該細胞毒性剤を医薬的に許容される担体と混合することを含む);(iv)増殖性疾患の処置に適当な当該細胞毒性剤の用量を含む医薬調製物を包含する。本発明は、好ましい実施態様では、(ヒト)患者または患者群の処置を目的とするが、これは、他の処置、特に他の化学療法薬、特に5-フルオロウラシルによる標準的処置またはTAXOL(登録商標)のようなタキサンクラスの抗癌剤のメンバーによる治療が行えない場合である。増殖性疾患、特に当該疾患が標準的治療による処置に抗療性である場合の処置に使用するエポチロン、特にエポチロンBに関係する。
本発明の背景
癌は、まだ医学的要請が充足されていない重要疾患の代表である。当該疾患の初期処置は、しばしば、外科処置、放射線処置またはそれらの組合せであり、再発性(転移性)疾患は通常生じるものである。殆どの癌の化学治療は、通常、効果がなく、疾患の進行を遅延させるのみである。通常、腫瘍およびその転移は、多剤耐性の発生として知られる現象の中で化学治療に抗療性となる。多くの場合、腫瘍は、幾つかのクラスの化学療法薬に本質的に耐性である[DeVita V. T., Principles of Cancer Management: Chemotherapy. In: Cancer. Principles and Practice of Oncology. DeVita V. T. et al(eds.), 5th edition, Lippincott-Raven, Philadelphia, New York (1977), pp. 333-347;or Cleton, F. J., Chemotherapy: general aspects. In:Oxford Textbook of Oncology; Peckham, M., et al, Oxford University Press, Oxford, New York, Tokyo (1995), Vol. 1, pp. 445-453参照]。例えば、これは、肺癌、特に肺非小細胞腫瘍癌腫の場合であり、または類表皮頭頚部腫瘍のような類表皮腫瘍、特に口腔腫瘍であり、または乳癌の場合である。腫瘍がなぜ治療できないのか(処置に抗療性であるか)という他の仕組みは、例えばチュービュリン変異の存在によるか、またはグルタチオン仲介機構による。
腸管、特に結腸直腸の癌は、癌処置の医学的要請が充足されていない特定の例である。当該疾患の初期処置は、しばしば、外科処置、放射線処置またはそれらの組合せであるが、再発性(転移性)疾患は通常生じるものである。再発性結直腸癌の第一線の化学療法薬には5-フルオロウラシルが含まれる。しかし、腫瘍が処置に通常抗療性であるので、この処置により、最良で疾患進行の遅延が得られるのみである。疾患の抗療性段階の化学療法薬には、他の典型的な細胞毒性剤が含まれるが、全て不十分であると思われる[Cohen et al., Cancer of the colon. In: Cancer. Principles and Practice of Oncology; DeVita et al. (eds.) 5th edition, Lippincott Raven. Philadelphia, New York 1997, pp. 1144-1197; or Rowinsky, Ann. Rev. Med. 48, 353-74 (1997)参照]。また、生殖尿路の癌、特に前立腺癌の場合(医学的要請が充足されていないさらなる例)、初期処置は、上記結直腸癌で記載した通りであり、同様の問題が見られる。再発性前立腺癌の第一線の化学療法薬には、抗アンドロゲン剤が含まれ、再発はしばしばアンドロゲンに依存する。しかし、腫瘍が6月から2年間内に抗アンドロゲン剤に対し殆ど常に抗療性となるので(ホルモン抗療性前立腺腫瘍)、この処置により、疾患の進行が遅延するのみである。疾患の抗アンドロゲン剤抗療性段階の化学療法薬には、ミトキサントロン(mitoxantrone)または他の典型的な抗癌細胞毒性剤が含まれるが、すべて不十分であると思われる[Oesterling et al., Cancer of the prostate. In: Cancer. Principles and Practice of Oncology. DeVita, V. T., et al., (eds.), 5th edition, Lippincott-Raven, Philadelphia, New York 1997, pp 1322-86; Sternberg, Cancers of the genitourinary tract. In: Cavalli et al., (eds.), Textbook of Medical Oncology; or Roth, B. J., Semin. Oncol. 23 (6 Suppl 14), 49-55 (1996)参照]。
腫瘍処置の細胞毒性剤では、TAXOL(登録商標)(パクリタクセル)、微小管安定化剤が、顕著な経済的成功を有する非常に重要な化合物となった[Rowinsky E. K., The development and clinical utility of the taxane class of antimicrotubule chemotherapy agents; Ann. Rev. Med. 48, 353-374 (1997)]。
しかし、TAXOL(登録商標)には、多くの不都合がある。特に、水への極端に低い溶解度は典型的な深刻な問題である。患者を死に到らしめる場合もあると報告されている本質的なアレルギー反応の原因となる深刻な副作用を有するCremophor EL(登録商標)(ポリオキシエチル化したひまし油;BASF, Ludwigshafen, Germany)で製剤したTAXOL(登録商標)を投与する必要がある。さらに深刻なことに、ある型の腫瘍では、薬剤を前線の治療として投与するときでさえ、TAXOL(登録商標)の処置に抗療性であることが知られ、また、当該腫瘍は、複数回の投与の後にはTAXOL(登録商標)の耐性が高まることが知られている。
タキサンクラスの抗微小管抗癌剤が、“過去数十年間のうち癌に対する化学治療医療施設への恐らく最も重要な付加”であると言える[Rowinsky E. K., Ann. Rev. Med. 48, 353-374 (1997)参照]けれども、そして、TAXOL(登録商標) の経済的成功にもかかわらず、TAXOL(登録商標)の効力は制限されたままである。TAXOL(登録商標)処置は、多くの重要な副作用と関連し、幾つかの主要クラスの充実性腫瘍、すなわち結直腸癌および前立腺癌は、この化合物に対し応答が弱い(Rowinsky E. K., loc. cit.参照)。特に単一の薬剤として、TAXOL(登録商標)は、直腸結腸、腎臓、前立腺、膵臓、胃および脳の癌に臨床的に活性が低いと考えられている[Rowinsky E. K., loc. cit.:Bitton, R. J., et al., Drug Saf. 12, 196-208 (1995); or Arbuk, S. G., et al., J. Natl. Cancer Inst. Monogr. 15, 11-24 (1993)]。例えば、TAXOL(登録商標)の効力は、薬剤流出ポンプ(drug efflux pump)として機能するホスホグリコプロテインの過剰発現のような種々の機構を介して生ずる獲得薬剤耐性機構により深刻にも制限され得る。
そのため、化合物探知を急ぐ必要があり、これら化合物による投薬計画により、癌処置の、特にタキサンおよび他の抗癌化合物の処置が長期生存をもたらさない大部分の場合について、医療技術が拡大する。
エポチロン、特にエポチロンAおよびBは、新規クラスの微小管安定化細胞毒性剤(Gerth, K. et al., J. Antibiot. 49, 560-3 (1996); or Hoefle et al., DE 41 38 042参照)であり、式:
Figure 2011173928
[式中、Rは水素(エポチロンA)またはメチル(エポチロンB)である。]
で表される。
これらの化合物には、以下の利点がある:
(i)TAXOL(登録商標)よりも水に対する溶解度がよく、そのため製剤化により適し、そして、
(ii)細胞培養実験では、それらを多剤耐性とするP-グリコプロテイン流出ポンプの活性に起因して他の化学療法薬、例えばTAXOLの処置に耐性を示す細胞の増殖に対し活性があると報告されており[Bollag, D. M., et al.,“Epothilones, a new class of microtubule-stabilizing agent with a Taxol-like mechanism of action”, Cancer Research 55, 2325-33 (1995); and Bollag D. M., Exp. Opin. Invest. Drugs 6, 867-73 (1997)参照]、そして、
(iii)微小管において同一または立体的に近接の結合部位を明らかに占めるにもかかわらず、エポチロンは、部分的に変化したβ-チューブリンを有するTAXOL(登録商標)耐性卵巣癌細胞系に対し作用することが示されている[Kowalski, R. J., et al., J. Biol. Chem. 272 (4), 2534-2541 (1997)参照]。
他方、それらは非常に毒性があり、そのため、インビボの癌処置における使用は、事実上不可能であると考えられていた[例えば、PNAS 95, 9642-7 (1998)参照]。そのため、本発明は、一方で、エポチロン、特にエポチロンBで腫瘍を処置し得ること、そして他方で、他の種の処置には非応答の患者群を処置し得る実際の投与レジメンが見出され得ることを予期せぬ方法で示す(タキサン、例えばTAXOL(登録商標)で起こるような多剤耐性に起因する抗療性であれおよび/または任意の他の機構によるものであれ)。
本発明は、エポチロン、好ましくはエポチロンAまたは特にエポチロンBによる処置であって、腫瘍、例えば、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、神経芽細胞腫、頭頚部癌、膀胱癌、腎臓、脳、胃または好ましくは結直腸、前立腺、乳、肺(特に肺非小細胞)または類表皮、例えば、類表皮頭頚部腫瘍、特に口腔腫瘍の処置に有用なインビボ方式を初めて提示することを目的とする。
通常の処置スケジュールにより、既に第一線の処置である種々の腫瘍の型を処置し得る一方、本発明は、好ましくは、他の化学療法薬による処置、例えば1つまたはそれ以上の他の化学療法薬、特に5-フルオロウラシルによる標準的処置および/またはタキサン、例えばTAXOL(登録商標)処置に抗療性であることが予想されるか、または抗療性である腫瘍の処置に関係する。
驚くべきことに、他の化学療法薬、例えば5-フルオロウラシルによる標準処置および/またはタキサンクラスの化合物のメンバー、最も特にTAXOL(登録商標)による処置であって、特に結直腸癌、特に標準処置、例えば5-フルオロウラシルによる処置に抗療性であるもの、または肺癌、特に肺非小細胞癌、類表皮、より好ましくは口腔腫瘍のような類表皮頭頚部腫瘍、または乳癌、および/またはそれらの転移の処置に抗療性のある腫瘍細胞の増殖および腫瘍が減少または停止され得、腫瘍の退化または消失でさえ可能である。
本発明の好ましい態様の詳細な説明
本発明は、本発明の一部として下記の事項を好ましくは取り扱う:
本明細書全体において“増殖性疾患の処置”または腫瘍または癌などの処置を記載するときは、
a)増殖性疾患の処置(処置する)方法であって、当該方法には、エポチロン、特にエポチロンAおよび/またはB、特にB(好ましくは医薬的に許容される担体物質中において)を、当該疾患を処置し得る用量(=治療的に有効量)、好ましくは上記および下記により特定したような用量(量)で、当該処置を必要とする温血性動物、特にヒトに投与するステップが含まれ、
b)増殖性疾患の処置のためのエポチロン、好ましくはエポチロンAおよび/またはB、特にエポチロンB、または当該疾患の処置に使用する(特にヒト)エポチロン、特にエポチロンBの使用、
c)増殖性疾患の処置用医薬調製物を製造するためのエポチロン、特にエポチロンAおよび/またはB、特にエポチロンBの使用、および/または
d)増殖性疾患の処置に適当であるエポチロン、特にエポチロンAおよび/またはB、最も特にエポチロンBの一定用量を含む医薬調製物、またはa)、b)、c)およびd)の任意の組合せ、これは本願書を出願する国で特許化し得る内容に従う、
e)増殖性疾患の処置用医薬調製物の製造のためにエポチロンを使用する方法であって、当該エポチロンを医薬的許容される担体と混合することを含む方法
を意味する。腫瘍疾患または特定腫瘍(例えば、直腸腫瘍(colon tumor)、直腸癌腫(colon carcinoma)または直腸癌(colon cancer)、または前立腺腫瘍(prostate tumor)、前立腺癌腫(prostate carcinoma)または前立腺癌(prostate cancer))が“増殖性疾患”の代わりに記載される場合、a)からe)のカテゴリーもまた含まれ、特許可能な内容に従って、各腫瘍疾患は“増殖性疾患”の代わりに上記a)からe)を満たし得ることを示し、好ましくはa)からe)の任意の処置はヒトの処置に関係する。
第一の態様では、本発明は、1つまたはそれ以上の他の化学療法薬による処置に抗療性がある増殖性疾患の処置に関係し、この場合、エポチロン、特にエポチロンAおよび/またはB、特にエポチロンBを、特に治療的に有効量で処置を必要とする温血性動物、特にヒト、好ましくはヒトに投与する。
第二の態様では、本発明は、増殖性疾患、特に、1つまたはそれ以上の他の化学療法薬、特にタキサンクラスのTAXOL(登録商標)のようなものおよび/または5-フルオロウラシルによる処置に抗療性がある癌の処置のためのインビボ摂取に関係し、この場合、エポチロン、特にエポチロンAおよび/またはB、特にエポチロンBは、約1と約100%の間、好ましくは約25と100%の間の(単一投与)最大耐量(MTD)で、温血性動物、特にヒトに投与され、1またはそれ以上(好ましくは2から7)の更なる用量は、好ましくは上記各用量範囲内において1または好ましくはそれ以上の処置サイクル、特に前述の処置後1週間またはそれ以上の処置サイクルのインターバルで、より好ましくは約1から6週間、最も好ましくは前述の処置後約1から約3週間、それぞれ投与する。通常、高用量を2またはそれ以上の処置サイクルで1ないし6週間、好ましくは1ないし3週間投与する当該処置摂取が、低用量の高頻度よりも好ましく、その場合、特に入院回数および期間の減少が見られ、抗腫瘍効果が優れ、高頻度処置よりも毒性が低く、低頻度処置よりも抗腫瘍効果が見られる。
好ましくは、エポチロンBの場合、ヒトで使用する用量は、式(I)で計算される:
単一用量(mg/m)=(0.1ないしy)×N (I)
ここで、N(上記または下記の場合は整数(whole number)(1、2または3のような)または端数(fractional number)(1.5または2.3のような)である)は、処置と処置の間の週の数(好ましくは約1ないし約6(約1ないし約6週のインターバルに相当する)、特に約1ないし約3(約1ないし3週間の好ましいインターバルに相当する))であり、yは6または好ましくは5、より好ましくは4である。
より好ましくは、処置用量は、式IIの通りに計算される:
単一用量(mg/m)=(0.1ないし2.5)×N (II)

より好ましくは式III
単一用量(mg/m)=(0.1ないし1.7)×N (III)

または最も好ましくは式IV
単一用量(mg/m)=(0.1ないし1)×N (IV)

ここで、式IIないしIVのそれぞれにおいて、Nは式Iの意味の通りである。式IないしIVの何れかにより計算した用量の場合、下記但書きを満たさなければならない:より高く計算される場合であっても、単一用量は約18mg/mを超えない。
好ましくは、週毎の処置では、当該用量は、約0.1ないし約6、好ましくは約0.1ないし5mg/m、より好ましくは約0.1ないし約3mg/m、さらにより好ましくは0.1ないし1.7mg/m、最も好ましくは約0.3ないし1mg/mであり、3週間ごとの処置(すべての三週間またはすべての三番目の週)では、当該用量は、約0.3ないし約18mg/m、好ましくは約0.3ないし約15mg/m、より好ましくは約0.3ないし約12mg/m、さらにより好ましくは約0.3ないし約7.5mg/m、またより好ましくは約0.3ないし約5mg/m、最も好ましくは約1.0ないし約3.0mg/mである。この用量は、好ましくはヒトに静脈注射により投与し、当該投与は、2ないし180分間、好ましくは2ないし120分間、より好ましくは約5ないし約30分間、最も好ましくは約10ないし約30分間、例えば30分間行う。
好ましくは、特に週ごとの処置の場合、前記の処置後、1週間以上、より好ましくは2ないし10週間以上、より好ましくは3ないし6週間の停止期間は、例えば3、4、6、8、またはそれ以上の処置サイクルの後に患者の症状に依存して必要となり、前記処置からの十分な回復に重要となる。
第三の本発明の態様では、本発明は、増殖性疾患、特に1つまたはそれ以上の他の化学療法薬による処置に抗療性であるものの処置用のインビボ方式に関係し、この場合、エポチロン、好ましくはエポチロンAおよび/またはB、特にエポチロンBを、週毎に温血性動物、特にヒトに、最大耐量(MTD)の80%以下、より好ましくは50%以下の用量を投与する。
第四の態様では、本発明は、1つまたはそれ以上の化学療法薬、特に5-フルオロウラシルまたはタキサンクラスの微小管安定化剤、特にTAXOL(登録商標)による処置に抗療性である増殖性疾患、例えば、多剤耐性腫瘍のインビボの処置で関係し、ここでは、エポチロン、特にエポチロンBを温血性動物、特にヒトに投与する。
第五の態様では、本発明は、増殖性疾患、特に1つまたはそれ以上の他の化学療法薬による処置に抗療性であるもののインビボの処置に関係し、それは、(a)エポチロン、好ましくはエポチロンAおよび/またはエポチロンB、特にエポチロンBを(b)他の抗腫瘍化学療法薬と組合せる組合せ投与によるものであり、好ましくは、当該組合せ処置は、成分(a)および(b)を、温血性動物、特にヒト(特にその処置を必要とする)にエポチロン、より好ましくはエポチロンAおよび/またはエポチロンB、特にエポチロンBの投与により好ましくは処置し得る増殖性疾患に対し共同治療効果のある量で組合せて、投与するように時間を合せ、当該投与は、好ましくは、他の化学療法薬処置、例えば5-フルオロウラシルによる処置または特にタキサンクラスのTAXOL(登録商標)のような抗癌剤のメンバーによる処置に抗療性のある腫瘍を患うヒトに実施する。
この点において、本発明は、先の段落で定義した成分(a)および(b)を含む合剤にも関係する。
本発明は、2つ前の段落で定義した成分(a)および(b)が、1つまたはそれ以上の医薬的に許容される担体物質の存在下または非存在下、増殖性疾患を処置するために当該温血性動物において成分(a)および成分(b)の両方の活性化合物について共通して抗増殖性活性(特に増殖中の細胞)を促進するのに十分な短時間内に温血性動物、特にヒトへの同時または時差投与用の合剤として含まれる製品にも関係する。
上記または下記で使用する通常の語は、特記しなければ以下の意味を有する:
増殖性疾患は主に腫瘍疾患(または癌)(および/または任意の転移)、腫瘍または転移が存在する場所)であり、より特に乳癌、生殖尿路癌、肺癌、胃腸の癌、類表皮癌、黒色腫、卵巣癌、前立腺癌、神経芽細胞腫、頭頚部癌(この単語を用いるときは、頭部および/または頚部の癌を意味し、頭部かつ頚部の癌のみを意味するだけでなく、頭部または頚部のものも考えられる。)または膀胱癌を含む群から選択される腫瘍、または広い意味では腎臓、脳または胃の癌であり、より好ましくは(i)乳癌、類表皮癌、特に類表皮頭頚部腫瘍、特に口腔腫瘍、および肺癌、特に肺非小細胞腫瘍から選択され、または胃腸の腫瘍、特に結直腸癌および生殖尿路腫瘍、特に前立腺癌(特にホルモン抗療性前立腺癌)から選択される腫瘍、または(ii)(より好ましくは)他の化学療法薬による処置に抗療性となる増殖性疾患、特に相当する腫瘍(および/または任意の転移)、より特に、他の化学療法薬、特に5-フルオロウラシルおよび/または(好ましくは)タキサンクラスの微小管安定化剤、最も特にTAXOL(登録商標)による標準的処置に抗療性となる腫瘍を含む群からなる腫瘍、またより好ましくは、胃腸、例えば大腸(特に標準的な、例えば5-フルオロウラシルおよび/またはTAXOL(登録商標)処置に抗療性がある)および生殖尿路、例えば前立腺腫瘍(および/またはその転移、特にその転移)から選択される腫瘍、最も好ましくは胃腸の腫瘍、特に結直腸癌、または(iii)多剤耐性の原因となる他の化学療法薬による処置に抗療性であり、特にタキサンクラスの微小管安定化剤のメンバー、好ましくはTAXOL(登録商標)、最も特に多薬剤、特にTAXOL(登録商標)に抗療性である腫瘍、耐性肺腫瘍(特に肺非小細胞腫瘍)、多剤耐性乳癌、または多剤耐性類表皮、好ましくは類表皮頭頚部腫瘍、最も好ましくは口腔腫瘍である。
本発明の広い意味では、増殖性疾患は、過剰形成(hyperplasias)、繊維症(特に肺、または腎繊維症のような他の型の繊維症)、脈管形成、乾癬、アテローム性動脈硬化および血管形成後の狭窄または再狭窄のような血管中の平滑筋増殖のような過剰増殖(hyperproliferative)病状から更に選択され得る。
上記および下記において腫瘍、腫瘍疾患、癌腫または癌を記載する場合、その記載には、最初の器官または組織の転移および/または任意の位置での転移をも含まれ、他にまたは加えて、腫瘍および/または転移のすべての位置が含まれる。
“抗療性(refractory)”なる語が意味するのは、エポチロン以外の(少なくとも1つの)化学療法薬による処置における各増殖性疾患(特に腫瘍および/またはその任意の転移)において、その薬剤による当該処置の後、抗増殖応答が全く見られないか、または弱まるのみであることをいい(腫瘍増殖の阻害をしなくなるかまたは弱めるのみ)、すなわち、温血性動物、特にヒトにおいて他の(好ましくは標準的な)化学療法薬(好ましくは上記定義の通り、とくに5-フルオロウラシル(特に大腸のような結直腸癌の場合)、抗アンドロゲン剤または好ましくはミトキサントロン(特に前立腺癌の場合)、またはレトロゾール(letrozole)(特に乳癌の場合)のような抗エストロゲン剤、またはタキサンクラスの化学療法薬のメンバー、例えばTAXOTERE(商標登録)またはTAXOL(登録商標)によっても腫瘍が全く処理されないか、結果が不十分である腫瘍であり、例えば、例えば腫瘍増殖が停止せず、わずかに遅いのみであり、また退化は見られない。抗療性腫瘍などの処置を記載する場合、本発明には、(a)1つまたはそれ以上の化学療法薬が患者の処置期間中に容易に作用しなくなる腫瘍ばかりでなく、(a)化学療法薬存在下の他の手段、例えば生検および培養により抗療性となる腫瘍もまた含まれると理解される。“TAXOL(登録商標)に抗療性である”なる語を上記および下記で使用する場合、この語は、最終製品に加えて、パクリタクセル、TAXOL(登録商標)の活性物質を意味することをも目的とする。生殖尿路の腫瘍、特に前立腺癌の場合、“ホルモン療法に抗療性である”または“ホルモン抗療性”は、抗アンドロゲン剤による処置に抗療性であることを意味する。
TAXOL(登録商標)は、パクリタクセルを含む最終製品を示すが、広い意味では、任意の他のパクリタクセル製剤のパクリタクセル自身を1つまたはそれ以上の担体物質と共に含むことをも意味する。
好ましくは、抗療性なる語は、例えばインビボまたはインビトロ測定により化学療法薬のない対照と比較したとき、標準用量により腫瘍増殖が50%未満(T/C%値が50%であるかそれ以上である)減少することを意味する。
多剤耐性腫瘍は、タキサンクラスのもの、特にTAXOL(登録商標)またはアントラサイクリンクラス、特にADRIAMYCIN(登録商標)を含む1つまたはそれ以上の化学療法薬に対し耐性が見られるものである。この耐性の理由は、各腫瘍の細胞表面に位置するエネルギー(特にATP)-依存ポンプ、特にP-グリコプロテインファミリー、特にP-グリコプロテイン(P-gp)自身を介する輸出である。本発明では、他にまたは他の機構に加えて、エポチロン以外の化学療法薬による処置に抗療性である腫瘍が原因となり得る。例えば、薬剤標的(本発明の場合特に微小管)の変化、化合物を不活性化し得る細胞内代謝の変化または薬剤作用の機構の迂回または無効を促進する細胞の生理学的変化により、その耐性が得られ得る。
“他の化学療法薬”または“標準的化学療法薬”なる語は、特にエポチロン以外の任意の化学療法薬を意味し、好ましくは序文で定義したようなもの、特に5-フルオロウラシル(特に結腸直腸のような結直腸癌の場合)、抗アンドロゲン剤またはミトキサントロン(特に前立腺癌の場合)またはレトロゾールのような抗エストロゲン剤(特に乳癌の場合)であり、特に当該語は、5-フルオロウラシルを意味するか、または(より好ましくは)Taxotere(登録商標)またはより好ましくはTAXOL(登録商標)のようなタキサンクラスの微小管安定化剤のメンバーを意味する。“他の化学療法薬による標準的処置”、“他の化学療法薬処置”または“標準的化学治療”は、“他の”または“標準的治療”のようなもののうち少なくとも1つによる処置を意味する。
エポチロンなる語により、任意のエポチロンまたはエポチロン誘導体を意味する。好ましくは、“エポチロン”は、WO98/25929(本明細書に引用により加える)に開示のエポチロンA、エポチロンB、任意のエポチロン誘導体、またはそれらの任意の混合物を意味し、より好ましくはエポチロンAおよび/またはエポチロンBを意味し、最も好ましくはエポチロンBに関係する。
上記および下記すべてにおける投与は、経口で行い得るが、よりよい生物学的利用能およびよりよく定義された生物学的利用能の観点では、より好ましくは、非経口的に、特に静脈で、例えば点滴または注射により行う。以下“点滴”を用いる場合、好ましくは、最も好ましい投与形態である静脈点滴を意味する。
以下、成人用のデータを解説の基本とする。しかし、本発明は、言わずとも、小児科の増殖性疾患の処置にも関係する。次いで、当該用量は、標準的方法、患者の年齢、病状および他の特性に応じて変更しなければならない。
最大耐量(MTD)は、標準的方法により決定され、好ましくは温血性動物において、経口または静脈投与の場合のMTDを、単一投与の用量として決定する。この場合、死には至らず、40%未満、好ましくは25%未満の体重の減少が個々の温血性動物(本明細書中でこの語は、動物を意味し、ヒトの場合は下記参照)に見られる。
MTDは、腫瘍型、年齢範囲、性別、腫瘍段階などにより決定し得る患者の母集団に応じて変化し得る。動物において、最も好ましいMTD決定方法は、下記実施例で示すものに類似し得、ヒトの場合、MTDが、非常に低い用量のある単一の投与、例えばLD10(すなわち、10%の動物が死亡する用量)の1/10で開始することにより通常測定され得、最も感度の高い動物種において、毒性試験が行われ、例えばエポチロン(特にエポチロンB)の場合、0.1ないし25mg/mの範囲、特にエポチロンBの場合、0.1ないし2.5mg/mの範囲、最も特に0.1ないし0.33mg/mの範囲である。次の用量レベルへの用量漸増は、US National Cancer Institute Revised Common Toxicity Criteriaによりグレード2毒性が見られないならば、100%であり、この場合、用量漸増は67%となる。その後の用量レベルへの用量漸増は25%ないし67%の範囲となる。例えば、3人の患者は、通常、ある用量レベルで処置され、ある一連の処置において急性毒性を観察し、その後、さらに患者を参加させる。3人の患者のうち誰もDLT(用量制限毒性(dose limiting toxicity))を経験しなければ、次の一群である3人の患者を次のより高い用量で処置する。3人の患者のうち2人またはそれ以上が、DLTを経験した場合、6人の患者が既にその用量で処置されていなければ、さらに3人の患者を次に低い用量で処置する。3人の患者のうち1人がDLTを経験する用量で処置した場合、さらに3人の患者を同じレベルで処置する。これら患者のDLTの発生が6人中で1人である場合、さらなる一群を次に高い用量で処理する。通常、6人の患者のうち2人またはそれ以上がDLTを経験する用量レベルで処置した場合、MTDを超えていると考えられ、さらなる3人の患者を上記のように次の低い用量で処置する。DLTの発生が33%未満となるように試験した最も高い用量として、MTDを定義する。通常、同一患者におけるその後の用量漸増、すなわち、同一患者の用量漸増は、行えない。他に、用量ステップは、修飾Fibonacci数列により決定され、出発用量を超える次のレベルへの用量の増加は、すべてその後のレベルについて100%、67%、50%および40%、その後に33%となる。最終的にMTDは、Simon, R., et al., J. Nat. Cancer Inst. 89 (15), 1997, p. 1138-1147に記載の方法により見うけられ得る。
DLTは、通常、任意の薬剤放出死および有熱性好中球減少症(またUS National Cancer Institute Revised Common Toxicity Criteria参照)を含む殆どの薬剤関連グレード3および4毒性を含むが、これらに制限されない。特に実施例参照。ヒトの場合、望ましい処置用量は、上記式I、より好ましくは、式II、最も好ましくはIIIにより、決定する(但し、単一用量は18mg/mより高くはない)。好ましくは週毎の処置の場合、用量は、約0.1ないし約6、好ましくは約0.1ないし約5mg/m、より好ましくは約0.1ないし約3mg/m、さらにより好ましくは約0.1ないし約1.7mg/m、最も好ましくは約0.3ないし約1mg/mであり、3週間ごとの処置の場合(各3週間目の処置)、用量は約0.3ないし18mg/m、好ましくは約0.3ないし約15mg/m、より好ましくは約0.3ないし12mg/m、さらにより好ましくは約0.3ないし約7.5mg/m、またより好ましくは約0.3ないし約5mg/m、最も好ましくは約1.0ないし約3.0mg/mである。この用量は、好ましくは、ヒトに、静脈投与により、2ないし180分間、好ましくは2ないし120分間、好ましくは約5ないし約30分間、最も好ましくは約10ないし30分間、例えば約30分間かけて投与する。
動物実験のデータの使用により、ヒト(成人)の適用用量は、おおよそ以下のように算出され得る:
マウス1mg/kgの用量はヒト3mg/mの用量に相当する。
前回の処置からの十分な回復とは、温血性動物において、処置個体の体重が第一投与前の出発レベル、好ましくは少なくとも当該体重の95%に回復することを意味する。ヒトでは、各事前の用量投与からの回復は、任意のグレード3または4毒性からの回復として好ましくは定義され、例えば、血液全体で少なくとも100,000/mmの血小板数および少なくとも1,500細胞/mmの好中球の達成を含む。
処置は、第一処置後応答が起きないならば、腫瘍進行が見られるまで、または他の応答(例えば、患者の病状)が処置の終結を必要とするまで、繰り返し得る。ヒトでは、約25ないし約100%のMTDによる処置は、好ましくは、各1ないし10、特に2ないし10週間繰り返し、好ましくは各1ないし10週間、または各3ないし6週間、疾患進行、認容し難い毒性、完全応答の確認の後1または好ましくは2サイクル、または何らかの理由による患者の同意による投与中止まで繰り返す。
好ましくは、エポチロンによるヒトの週毎の処置の場合、用量は、MTDの約5ないし約60%、好ましくは約10ないし60%、例えば約5ないし約35%、特に、MTDの約30ないし35%の範囲である。好ましくは、エポチロンBの場合、用量は、3週間毎のMTDの約5ないし約60%、より好ましくは約10ないし約60%、特に約10ないし約45%、最も特に約30ないし約45%の範囲である。
より好ましくは、処置は、第三ないし第八、特に第三ないし第五の週毎の投与の後、続いて、2ないし5、例えば2週間の停止、その後、さらに処置を再開し、週毎に一度もしくは再度の投与かまたは週毎に二度の投与の何れかにより、行う。特に、週毎のエポチロンB処置の場合、処置は、第三ないし第八の投与、続いて、二ないし四、例えば二週間の停止、その後、週毎の投与による処置を再開した後に、停止する。
成分(a)の投与は、エポチロンAおよび/またはB、特にBであり、上記特定の処置方式の1つを使用し、好ましくは上記のように実施される。
成分(b)の投与を、当業者に既知の処置スケジュールにより行う。
ある実施態様では、成分(a)の前に成分(b)を、好ましくは、成分(a)による処置の開始前に好ましくは1つまたはそれ以上の成分(b)の投与を含む処置において、投与し、そのため、好ましくは成分(b)による処置が少なくとも2、好ましくは5ないし10、例えば約5日間で終了し、その後、成分(a)による処置を1回またはそれ以上、好ましくは1ないし5回、特に1または2回投与する。
より好ましい実施態様では、成分(b)の前に成分(a)を、3週間毎のスケジュールで、好ましくは、成分(b)による処置の開始前に成分(a)の1投与を含む処置において、投与し、そのため、成分(a)による処置が、後に投与する成分(b)による処置直前に終了する。
第二のより好ましい態様では、成分(a)を週毎のスケジュールで投与される。他方、成分(b)は、成分(a)の3回目の終了後毎にすぐに各投与を行う3週間毎のスケジュールで投与される。
第三のより好ましい実施態様では、成分(b)の前に成分(a)を、週毎のスケジュールで、好ましくは、成分(b)による処置の開始前に成分(a)の1投与を含む処置において、投与し、そのため、より好ましくは、成分(a)による処置が、後に投与する成分(b)による処置直前に終了する。
“他の化学療法薬”なる語は、下記クラスから誘導される化学療法薬のような腫瘍疾患の処置に使用するか、または使用し得る特に任意の化学療法薬を意味する:
(A)アルキル化剤、好ましくは架橋性化学療法薬、好ましくはビスアルキル化剤、
(B)抗腫瘍抗生物質、好ましくはドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標)、RUBEX(登録商標))、
(C)代謝拮抗物質(antimetabolite)、
(D)植物アルカロイド、
(E)ホルモン剤およびアンタゴニスト、
(F)生体応答調節剤、好ましくはリポカインまたはインターフェロン、
(G)タンパク質チロシンキナーゼおよび/またはセリン/スレオニンキナーゼの阻害剤、
(H)アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体、または
(I)多種の薬剤もしくは他の作用機構もしくは未知の作用機構を有する薬剤。
“エポチロンAおよび/またはエポチロンB、特にエポチロンBの投与により処置され得る増殖性疾患に対し共同治療効果のある”なる文は、上記のような増殖性疾患を意味し、特に腫瘍疾患であり、当該応答は、増殖減少、例えば減少した腫瘍増殖または(より好ましくは)腫瘍退化または(最も好ましくは)腫瘍消失(“完全応答”)において、好ましくはそれ自身明白となる。
好ましくは、“エポチロンAおよび/またはエポチロンB、特にエポチロンBの投与により処置し得る増殖性疾患に対し共同治療効果のある量”なる文は、組合せの成分(a)および(b)の任意の量を意味し、当該組合せにおいて任意の既述の増殖性疾患、特に腫瘍(転移を含む)細胞(特に減少腫瘍増殖)に応答し得る細胞増殖を減少させるか、または退化の原因となるか、より好ましくは当該細胞が部分的または完全に消失する(特に腫瘍退化、好ましくは腫瘍の消失を意味する完全応答)。この言い方には、組合せなくとも既に抗増殖性効果を有するのと同様の方法で投与する任意の成分(a)および(b)の組合せばかりでなく、単独では全く効果がないか最小の効果しかないが、組み合わせると明らかに抗増殖性効果を示し、すなわち、増殖を減少させ、または好ましくは増殖細胞の退化または増殖性疾患を治療する任意の当該成分の用量も含まれる。加えて、“組合せ”なる語は、固定化された本成分の組合せのみならず、成分(a)および成分(b)の両方の活性化合物について共通して抗増殖性活性を促進するのに、例えば患者において、十分な短時間内に、同時または時差使用用の成分(a)および(b)の任意の組合せをもまた記載するのに使用される。
“成分(a)および(b)を含む合剤”なる語は、パーツのキットとして、または医薬製品の型の成分(a)および(b)の単一の組合された組合せとして、任意の組み合わせを意味し、すなわち、好ましくは、医薬的に許容される担体物質が存在する場合である。好ましい担体物質については、以下の“医薬調製物”参照。
“成分(a)および成分(b)を含む製品”なる語には、好ましくは以下のものを含む製品を意味する:
(a)エポチロンAおよび(好ましくは)エポチロンBから選択される少なくとも1つの化合物、および
(b)少なくとも1つの他の化学療法薬、
1つまたはそれ以上の医薬的に許容される担体物質の存在下または非存在下であり、合剤として、活性化合物に応答する増殖性疾患の処置のため、成分(a)および成分(b)の両方の活性化合物について共通して増殖細胞に対する抗増殖性活性を促進するのに、特に患者において、十分な短時間内に、同時または時差使用を目的とするものであり、特に、組合せの有効成分(a)および(b)を、独立して投与し得るか、様々な時点において異なる量の任意の成分(a)および(b)を用い別々に固定された組み合わせを使用することにより投与し得るという意味において“パーツのキット”である。次いで、パーツのキットの“パーツ”は、同時または時差的に、すなわち、異なる時点で、そしてパーツのキットの任意のパーツについて同じまたは異なる時間インターバルで、好ましくは、当該時間インターバルをパーツの組合せ使用における増殖性疾患への効果が任意の1つの成分(a)および(b)単独の使用により得られるか、または化合物が独立して作用する方法(例えば、他方の各成分の効果を避けるため十分な期間をおく)による両方の使用により得られる効果よりも大きくなるように、すなわち、増殖の阻害、または好ましくは増殖性疾患の退化もしくは治療が、同じ用量の1つの成分(a)および(b)のみを単独で同じ用量で投与するとき、または共通の効果を有する成分(a)および(b)が排出されるのに十分な時間経過後よりも、より強力となるように選択された条件で投与できる。それは、“共通して増殖細胞に対する抗増殖性活性を促進するのに、特に患者において”なる語により意味され、好ましくは成分(a)および(b)の効果の相互の促進を意味し、特に相乗作用および/または増殖細胞の退行を起す、完全破壊および特に成分(a)と(b)との強力な相乗効果を含む相互強化を意味する。
“増殖細胞”、特に病原性または異常性増殖細胞なる語は、腫瘍および/または腫瘍転移細胞のようなものを意味し、特に本明細書で定義された腫瘍が好ましい。
好ましいのは、単一成分単独と比較したときに見られる抗増殖性活性が促進された組合せであり、特に相乗効果が見られる組合せ(相乗効果的組合せ)または増殖組織の退化および/または増殖性疾患の治療を導く組合せである。
“相乗効果”なる語は、相加よりも強力な効果があることを示し、すなわち、処置しない対照と比較したとき、すなわち、単独かまたは組合せの何れかにおいて各(a)および(b)自体を組合せなしの単一処置の用量と同じ用量で投与するとき、任意成分(a)単独または任意成分(b)単独の増殖係数の単なる乗算から得られる増殖の減少係数によって到達されるよりも、任意の成分(a)と任意の成分(b)との組合せの効果はより強力である。解説するための理論上の例として、成分(a)単独では、任意の処置をしない対照との比較において2倍に腫瘍細胞増殖を減少させ、成分(b)単独では、1.5倍に増殖は減少する場合、相加の効果は、成分(a)および成分(b)の併用によって増殖は3倍に減少するものである(1.5×2の乗算)。相乗効果は、例えば、3倍以上の増殖の減少が見られた場合に生ずる。相乗作用の存在は、この分数生成法(fractional product method)[Webb, in: "Enzymes and Metabolic Inhibitors", Vol. 1, 66-73 and 488-512, Academic Press, New York]、他に、イソボログラム(isobologram)法[参考文献Berenbaum Pharmacol. Rev. 41, 99-141 (1984)]および/または組合せ指数(Cl)計算法[Chou et al., Trends Pharmacol. Sci. 4, 450-454 (1983); またはChou et al., New Aveneus in Developmental Cancer Chemotherapy; Bristol-Myers Symposium Series, K. R. Harrap and I. A. Connors (eds.), 37-64, New York, Academic Press (1987)]に見られる。
“医薬的に許容される担体物質”なる語は、下記医薬調製の定義において示す。
もし、各分子において塩形成基が存在するならば、成分(b)(他の化学療法薬(群))は、上記または下記において塩型で存在し得る。
処置は、好ましくは、以下の何れかが生じたときに終結する:
例えばサウスウエストオンコロジーグループ(SWOG)応答基準の下、疾患の進行;許容し得ない毒性(例えば、患者、調査者、またはその両方にとって);例えばサウスウエストグループ(SWOG)応答基準の下、完全応答の測定を超える処置2サイクル;または患者の承諾の取消。
成分の塩は、特に酸付加塩、塩基を有する塩であり、または複数の塩形成基が存在するとき、所望により塩または内錯塩を混合する。塩は、特に医薬的に許容される塩であり、例えば、実質的に非毒性のものである。
そのような塩は、例えば、酸性基、例えばカルボキシ、ホスホジエステルまたはホスホロチオネート基を有する化学療法薬から形成されるのものであり、例えば、元素の周期表の基Ia、Ib、IIaおよびIIbの金属から誘導する非毒性金属塩のような塩基に適当な塩、例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウム塩、またはアンモニウム塩であって、それらの塩は、また、非置換またはヒドロキシ置換モノ-、ジ-またはトリ-アルキルアミン、特にモノ-、ジ-またはトリ低級アルキルアミンのような有機性アミンで、または第四アンモニウム化合物で、例えばN-メチル-N-エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ-、ビス-またはトリス-(2-ヒドロキシエチル)アミンのようなモノ-、ビス-またはトリス-(2-ヒドロキシ-低級アルキル)アミン、2-ヒドロキシ-tert-ブチルアミンまたはトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-アミンまたはトリ-(2-ヒドロキシエチル)-アミンのようなN,N-ジ-低級アルキル-N-(ヒドロキシ-低級アルキル)アミン、またはN-メチル-D-グルカミン、またはテトラブチルアンモニウム塩のような第四アンモニウム塩で形成される。塩基性基、例えば、アミノまたはイミノ基を有する化学療法薬は、酸付加塩、例えば無機酸、例えば塩酸、硫酸またはリン酸のようなハロゲン化水素酸により、または有機性カルボン酸、スルホン酸、硫酸またはリン酸または例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、クエン酸、または安息香酸のようなN-置換スルファミン酸により、また、アミノ酸、例えば、α-アミノ酸により、ならびに、また、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-メチルベンゼンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、N-シクロヘキシルスルファミン酸(シクラメートの形成を伴う)により、またはアスコルビン酸のような他の酸性有機化合物により酸付加塩が形成され得る。酸性および塩基性の基を有する化合物は、内錯塩をもまた形成し得る。1を超える塩形成基が存在するならば、混合塩が存在することもあり得る。
上記および下記において、数を表す語を用いる場合、それは、上限または下限を表す数字が含まれていることを意味する。例えば、“1と3の間”は、“1から(1を含む)3まで(3を含む)”を意味し、“1から3の範囲において”は、“1から(1を含む)3まで(3を含む)”を意味する。数字(例えば3)の代わりに数字を示す語を用いる(例えば“三”)場合、同じ意味である。
“含む”なる語を用いる場合、これは、好ましくは、“本質的に…からなる”またはより好ましくは“…からなる”と置き換え得る。
数字と関連して“約”を用いる場合、これは好ましくは、数字±15%、より好ましくは数字+5%、最も好ましくは“約”を用いないその数字自体を意味する。例えば、“約100”は、“85から(85を含む)115まで(115を含む)”を意味する。“約”を数の範囲との関係で用いる場合、例えば“約1から約3”または“約1と約3との間”、好ましくは、前の文章における数に与える“約”の定義は、隔てている範囲の開始と終わりを定義する各数に適用する。好ましくは、“約”を任意の数値との関係で用いる場合、“約”は削除し得る。
“週毎”は、“約一週間に一度”を意味し(一を超える処置が処置と処置との間で約1週間のインターバルで行われることを意味する)、ここでの約とは、好ましくは±1日を意味する(すなわち、“6から8日ごとに”と言い換え得る);最も好ましくは“週毎”は“7日毎に一度”を意味する。
“3-週間毎”または“三-週間毎”は、“約三週間ごとに一度”を意味し(一を超える処置が、処置と処置との間で約三週間のインターバルで行われることを意味する)、ここでの約とは、±3日を意味する(すなわち、18から24日ごとにと言い換え得る);最も好ましくは“週毎”は“21日毎に一度”(=三週間毎)を意味する。
本発明の好ましい実施態様
本発明の下記好ましい実施態様では、通常の定義は、適当に上記および下記で与えたより特定の定義と置き換え得る。
(1)本発明は、増殖性疾患、特に癌、特に他の化学療法薬および/またはタキサンクラスの抗癌剤のメンバー、特にTAXOL(登録商標)による処置に抗療性である癌、より特に上記または下記の好ましい疾患のうちの1つの処置であって、エポチロン、特にエポチロンAまたは最も特にエポチロンBを一週〜三週間毎のインターバルで1回よりも多く、、ヒトに、式Iにより計算した用量で投与することを特徴とする処置に特に関係し
単一用量(mg/m)=(0.1ないしy)×N (I)
[式中、N(整数または端数)は、処置と処置との間の週の数(約一から約三週間)であり、すなわち、Nは約1から約3であり、より好ましくは、処置用量は、式IIで計算される:
単一用量(mg/m)=(0.1ないし2.5)×N (II);

さらにより好ましくは式III
単一用量(mg/m)=(0.1ないし1.7)×N (III);

または、またより好ましくは式IV
単一用量(mg/m)=(0.1ないし1)×N (IV)
{式中、各式IIからIVにおいて、Nは約1から約3である(処置と処置との間が約1から約3週間のインターバルに相当する)}]、
当該エポチロン、特にエポチロンBは、
(a)約0.1と約6との間、好ましくは約0.1と約5mg/m、より好ましくは約0.1と約3mg/m、さらにより好ましくは約0.1と約1.7mg/m、最も好ましくは約0.3と約1mg/mとの間の用量でヒトに週毎に、または
(b)約0.3と約18mg/mとの間、好ましくは約0.3と約15mg/m、より好ましくは約0.3と約12mg/m、さらにより好ましくは約0.3と約7.5mg/m、またより好ましくは約0.3と約5mg/m、最も好ましくは約1.0と約3.0mg/mとの間の用量でヒトに3週間毎に、
好ましくは投与され、
当該投与は、2から120分間、より好ましくは約5から約30分間、最も好ましくは約10から約30分間、例えば30分間、静脈点滴により行う。
(2)本発明は、好ましくは、他の化学療法薬、特に5-フルオロウラシルおよび好ましくはタキサンクラスの微小管安定化剤、最も特にTAXOL(登録商標)から選択されるものによる処置に抗療性である腫瘍疾患の処置にも関係し、当該腫瘍は、胃腸、例えば大腸、腎臓、尿生殖器、例えば前立腺、膵臓、および脳腫瘍(および/または任意のそれらの転移)、最も好ましくは胃腸の腫瘍、特に結直腸癌、より特に胃腸の癌、特に結直腸癌、すなわち、タキサンクラスの抗癌剤のメンバー、特にTAXOL(登録商標)による処置に抗療性であるもの、または、非常に特に、標準的な化学療法薬、特に5-フルオロウラシルによる処置のような標準的化学治療に抗療性である腫瘍、または生殖尿路、特に前立腺癌、最も特にホルモン抗療性前立腺癌から選択され、この場合、エポチロンAおよび/またはB、特にエポチロンBを温血性動物、特にヒトに投与する。
(3)本発明はまた、好ましくは、エポチロンAおよび/またはB、とりわけエポチロンBを温血動物、とりわけヒトに投与する場合の、腫瘍疾患、とりわけ肺腫瘍、とりわけ非小細胞肺癌、とりわけタキサンクラスの抗癌剤のメンバー、とりわけTAXOL(商標)での処置に抗療性であるような肺癌;胸部腫瘍、とりわけ多剤抵抗性である胸部腫瘍;または類表皮腫瘍、とりわけこれが多剤抵抗性である、および/またはタキサンクラスの抗癌剤のメンバー、特にTAXOL(商標)での処置に抵抗性であるならば、好ましくは、類表皮の頭部および頸部、とりわけ口腔腫瘍の処置にも関する。
(4)本発明はまた、好ましくは、とりわけ腫瘍が他の化学療法剤、とりわけタキサンクラスの化学療法剤、最も特にはTAXOL(商標)での処置に抗療性である場合の;エポチロンAおよび/またはB、とりわけエポチロンBをMTDの約20〜約100%である用量でヒトに1回投与する;そして必要ならば、各々が1回目の用量に関して上述した用量範囲内での1回以上(好ましくは、2〜7回)のさらなる用量を、さらなる処置サイクルにおいて、好ましくは、各々の前回の投与から、処置した個体の十分な回復を可能とする期間が経過した後、とりわけ前回の処置から2週間以上後、より特には前回の処置から2〜10週間、最も特には3〜6週間後、とりわけその処置から3週間後の各々の用量で投与する場合の、腫瘍疾患、とりわけ(i)胃腸管の腫瘍、最も特には結腸および/または直腸の腫瘍(結腸直腸腫瘍);および/または(ii)尿生殖器路の腫瘍、とりわけ前立腺腫瘍(好ましくは、ホルモン抗療性前立腺腫瘍)の処置に関するインビボでのレジメンにも関する。
より好ましくは、(1)〜(4)の下に、エポチロンBを約0.1〜約6、好ましくは約0.1〜約5mg/m、より好ましくは約0.1〜約3mg/m、さらにより好ましくは約0.1〜約1.7mg/m、最も好ましくは約0.3〜約1mg/mにある用量でヒトに週1回投与する;またはエポチロンBを約0.3〜約18mg/m、好ましくは約0.3〜約15mg/m、より好ましくは約0.3〜約12mg/m、さらにより好ましくは約0.3〜約7.5mg/m、一層より好ましくは約0.3〜約5mg/m、最も好ましくは約1.0〜約3.0mg/mの用量で3週間に1回(3週間毎に)投与する。この用量を、好ましくは2〜120分間、より好ましくは約5〜約30分間、最も好ましくは約10〜約30分間、例えば、約30分間、静脈内(i.v.)投与によりヒトに投与する。
より好ましくは、疾患の進行、許容され得ない毒性、完全なる応答が確定した後1もしくは好ましくは2サイクル、または何らかの理由による患者の同意撤回に直面するまで、該処置を約1〜約3週間毎に繰り返す。
(5)本発明はまた、好ましくは、とりわけ腫瘍が他の化学療法剤、とりわけタキサンクラスの化学療法剤、最も特にはTAXOL(商標)での処置に抗療性である場合(好ましくは、ホルモン抗療性前立腺腫瘍)の;エポチロンAおよび/またはB、とりわけエポチロンBを最大許容可能用量(MTD)の80%以下、より好ましくは50%以下である用量で温血動物に週1回投与する場合の、腫瘍疾患、とりわけ(i)胃腸管の腫瘍、最も特には結腸および/または直腸の腫瘍(結腸直腸腫瘍);および/または(ii)尿生殖器路の腫瘍、とりわけ前立腺腫瘍の処置に関するインビボでのレジメンにも関する。
好ましくは、該エポチロンでのヒトの週1回の処置の場合、その用量は、MTDの約1〜約60%、好ましくは約10〜約60%、例えば、約5〜約35%の範囲、例えば、MTDの約30〜約35%の範囲にある。好ましくは、エポチロンBに関して、その用量は、3週間に1回のMTDの約5〜約60%、好ましくは約10〜約60%の範囲、とりわけ約10〜約45%、最も特には約30〜約45%の範囲にある。特別な場合には、エポチロンBに関して、その用量は、約2〜約18mg/mとなり得る。
より好ましくは、3回目〜8回目、とりわけ3回目〜5回目の週1回の投与後に処置を停止し、続いて、2〜5、例えば、2週間の休止期間後に、さらなる処置を再開する。好ましくは、そして必要ならば、週1回のエポチロンBの投与の場合、3回目〜8回目の投与後に処置を停止し、続いて、2〜4、例えば、2週間の休止期間後に、処置を週1回の投与により再開する。
(6)本発明はまた、好ましくは、
(A)アルキル化剤、好ましくは架橋化学療法剤、好ましくはビス−アルキル化剤;
(B)抗腫瘍抗生物質、好ましくはドキソルビシン(ADRIAMYCIN(商標)、RUBEX(商標));
(C)代謝拮抗物質;
(D)植物アルカロイド;
(E)ホルモン剤およびアンタゴニスト;
(F)生体応答調整物質、好ましくはリンホカインまたはインターフェロン;
(G)タンパク質チロシンキナーゼおよび/またはセリン/スレオニンキナーゼの阻害剤;
(H)アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体;または
(I)多種の薬剤または他の作用機構または未知の作用機構をもつ物質;
よりなる群から選択される(b)他の化学療法剤と組み合わせての、(a)エポチロンAおよび/またはエポチロンB、とりわけエポチロンBの組み合わせ投与による腫瘍疾患のインビボでの処置にも関し、その組み合わせ処置は、成分(a)および(b)が、例えば、患者において、成分(a)および成分(b)の両方の活性成分が増殖抑制活性を相互に高めるのに十分な短い期間内での、同時または時差的使用のために組み合わされるよう、時間を調節する。
(7)本発明はまた、とりわけ腫瘍が他の化学療法剤、とりわけタキサンクラスの化学療法剤、最も特にはTAXOL(商標)での処置に抗療性である場合の、腫瘍疾患、とりわけ(i)胃腸管の腫瘍、最も特には結腸および/または直腸の腫瘍(結腸直腸腫瘍);および/または(ii)尿生殖器路の腫瘍、とりわけ前立腺腫瘍に対する活性を成分(a)および成分(b)の両方の活性成分が相互に高めるのに十分な短い期間内での、ヒトへの同時または時差的投与のための組み合わせ製剤として、1つ以上の薬学的に許容され得る担体物質の存在下または不存在下、上の(6)の下に定義した成分(a)および成分(b)を含んでなる、該腫瘍疾患を処置するための製品にも関する。
(1)〜(7)またはその後の本発明の態様の下に、エポチロン、とりわけエポチロンBの投与を、好ましくは、注入により、とりわけ静脈内注入により行う。
以下は、本発明の幾つかのとりわけ好ましい態様である。
A1.他の化学療法剤での処置に抗療性である増殖性疾患の処置のための、エポチロン、とりわけエポチロンAおよび/またはエポチロンBの使用;または他の化学療法剤での処置に抗療性である増殖性疾患の処置のための、該エポチロンの使用。
A2.増殖性疾患がタキサンクラスの微小管安定化剤、とりわけTAXOL(商標)に抗療性の腫瘍疾患である、A1に記載の使用。
A3.増殖性疾患が結腸直腸腫瘍、および/またはその転移である、A1またはA2のいずれかに記載の使用。
A4.増殖性疾患が前立腺腫瘍、および/またはその転移;とりわけホルモン抗療性前立腺腫瘍である、A1またはA2のいずれかに記載の使用。
B1.温血動物における最大許容用量(MTD)の約1〜約100%である用量での、他の化学療法剤での処置に抗療性である増殖性疾患の処置のための該温血動物への、該エポチロンの1回投与に適当である医薬品製剤の製造のための、エポチロンの使用。
B2.エポチロンがエポチロンAおよび/またはエポチロンB、好ましくはエポチロンBである、B1に記載の使用。
B3.用量が最大許容用量の25〜100%であって、温血動物がヒトである、B1またはB2のいずれかに記載の使用。
B4.成人に関する用量単位がエポチロンBの3週間に1回の処置で約0.3〜約18、好ましくは約0.3〜約12、より好ましくは約0.3〜約7.5、最も好ましくは約1.0〜約3mg/m;週1回の処置で約0.1〜約6、好ましくは約0.1〜約5、より好ましくは約0.1〜約3、最も好ましくは約0.3〜約1mg/mの範囲にある、B1〜B3のいずれかに記載の使用。
B5.前回の投与から、処置した個体の十分な回復を可能とする期間が経過した後、さらなる用量を投与することができるよう、用量を選択する、B1〜B4のいずれかに記載の使用。
B6.増殖性疾患が腫瘍である、B1〜B5のいずれかに記載の使用。
B7.増殖性疾患が結腸直腸腫瘍、および/またはその転移である、B1〜B6のいずれかに記載の使用。
B8.増殖性疾患が前立腺腫瘍、および/またはその転移である、B1〜B6のいずれかに記載の使用。
B9.腫瘍がタキサンの微小管安定化剤、薬剤の微小管安定化群、とりわけTAXOL(商標)での処置に抗療性の腫瘍である、B1〜B8のいずれかに記載の使用。
C1.用量がMTDの80%以下、好ましくは50%以下である場合の、該エポチロンの週1回の投与に適当である医薬品製剤の製造のための、エポチロン、好ましくはエポチロンAおよび/またはエポチロンB、とりわけエポチロンBの使用。
D1.他の化学療法剤での処置に抗療性である増殖性疾患、とりわけ結腸直腸または前立腺腫瘍および/またはその転移を患っている温血動物への、(b)別の抗腫瘍化学療法剤と組み合わせての、(a)エポロチン、好ましくはエポチロンAおよび/またはエポチロンBの組み合わせ投与に適当である医薬品製剤の製造のための、エポチロン、とりわけエポチロンAおよび/またはエポチロンBの使用。
E1.ヒトにおける増殖性疾患、とりわけ腫瘍疾患、とりわけ上記または下記で好ましいものとして特徴付ける腫瘍疾患のうちの1つの処置のための医薬品製剤であって、最大許容可能用量(MTD)の1〜100%、好ましくは25〜100%の範囲にある用量でのエポチロン、とりわけエポチロンB、および薬学的に許容され得る担体を含んでなる製剤。
F1.(a)エポチロンAまたは好ましくはエポチロンBおよび(b)1つ以上の他の抗腫瘍化学治療剤、並びに薬学的に許容され得る担体を含んでなる組み合わせ製剤。
G1.成分(a)としてエポチロンAおよび/またはB、好ましくはエポチロンB、および成分(b)として任意の他の抗腫瘍化学治療剤を、1つ以上の薬学的に許容され得る担体物質の存在下または不存在下に含んでなり、温血動物における抗腫瘍活性を成分(a)および成分(b)の両方の活性化合物が相互に高めるのに十分な短い期間内で、該温血動物、とりわけヒトへの同時または時差的投与のための組み合わせ製剤としての、増殖性疾患を処置するための製品。
本発明は、最も特には、以下の腫瘍/癌タイプのエポチロンBでの処置に関する。
(i)タキサンクラスの代表的な抗癌剤、特にTAXOL(商標);またはより特には標準的な化学療法での、とりわけ5−フルオロウラシル、および/またはTAXOL(商標)での処置に抗療性である胃腸管、とりわけ結腸直腸腫瘍。
(ii)原発性およびとりわけ転移性腫瘍を含む、尿生殖器路の腫瘍、とりわけ前立腺腫瘍;さらに特にはホルモン処置に抗療性であるとき。
(iii)類表皮腫瘍、より特には類表皮の頭部および頸部、最も特には類表皮の口内の腫瘍、とりわけ他の化学療法剤での処置、とりわけ多剤抵抗性により、とりわけタキサンクラスの抗癌剤のメンバー、とりわけTAXOL(商標)での処置に抗療性であるこれらのうちの1つ。
(iv)他の化学療法剤での処置、とりわけ(主として)多剤抵抗性により、とりわけタキサンクラスの抗癌剤のメンバー、とりわけTAXOL(商標)での処置に抗療性である肺腫瘍、とりわけ非小細胞肺癌。
(v)胸部腫瘍、とりわけ多剤抵抗性である胸部腫瘍、より特にはタキサンクラスの抗癌剤のメンバー、とりわけTAXOL(商標)での処置に抗療性である胸部腫瘍。
好ましくは、本発明は、上述した腫瘍タイプ(i)〜(v)のいずれか1つの処置、最も好ましくは(i)、(ii)、(iv)および(v)の処置に関する。
より好ましくは、本発明は、エポチロンBの2〜120分間にわたる、好ましくは約5〜約30分間、より好ましくは約10〜約30分間、最も好ましくは約30分間の静脈内注入での処置による、(i)〜(v)の下に、上述した腫瘍タイプのいずれか、とりわけそれらのいずれか1つの処置に関する。
該投与を1〜3週間毎、好ましくは1週間毎(週1回)または3週間毎に繰り返す。
ここで、エポチロンBの用量を、好ましくは、式I:
単回用量(mg/m) = (0.1〜y) × N (I)
[式中、
N(整数または分数)は、約1〜約3週間に及ぶ処置期間の週数であり、すなわち、Nは1〜約3であり;および
yは6、好ましくは5、より好ましくは4である。]
により定義する。
より好ましくは、処置用量を、式II:
単回用量(mg/m) = (0.1〜2.5) × N (II);
により、さらにより好ましくは式III:
単回用量(mg/m) = (0.1〜1.7) × N (III);
により、または最も好ましくは式IV:
単回用量(mg/m) = (0.1〜1) × N (IV);
[式中、式II〜IVの各々において、Nは約1〜約3(好ましくは、週1回〜3週間に1回の処置を表わしている)に対応する。]
により計算する。
より好ましくは、週1回の処置に関して、その用量は、約0.1〜約6、好ましくは約0.1〜約5mg/m、より好ましくは約0.1〜約3mg/m、さらにより好ましくは約0.1〜約1.7mg/m、最も好ましくは約0.3〜約1mg/mであり;または3週間に1回の処置に関しては、約0.3〜約18mg/m、好ましくは約0.3〜約15mg/m、より好ましくは約0.3〜約12mg/m、さらにより好ましくは約0.3〜約7.5mg/m、一層より好ましくは約0.3〜約5mg/m、最も好ましくは約1.0〜約3.0mg/mである。
より好ましくは、患者の状態により、前述の処置後から1週間以上、より好ましくは2〜10週間、より好ましくは3〜6週間が、例えば、3回、4回、6回、8回以上のサイクルの後、前述の処置からの十分な回復を可能とするのに必要となり得る(とりわけ週1回の処置の場合)。
実施例において述べる処置状態および製剤に類似した処置状態および製剤もまた、とりわけ好ましい。
医薬品製剤
本発明はまた、上に定義した腫瘍疾患に対する使用を目的とした医薬品製剤の製造のための、エポチロンAおよび/またはB、とりわけエポチロンAまたは好ましくはエポチロンBの使用;エポチロンAおよび/またはB、とりわけエポチロンAまたは好ましくはエポチロンB、および薬学的に許容され得る担体を含んでなる、該腫瘍疾患の処置のための医薬品製剤にも関する。
本発明はまた、増殖性疾患、とりわけ上記で好ましいものとして定義した腫瘍疾患の処置のための、エポチロンAおよび/またはB、とりわけエポチロンBを含んでなる医薬組成物、および該処置のための医薬品製剤の製造にも関する。
エポチロンAおよび/またはBは、例えば、有意量の無機または有機の固体または液体の薬学的に許容され得る担体と一緒に、または混合した状態で、有効量の活性成分を含んでなる医薬組成物の製造に使用することができる。
本発明はまた、本明細書中で前に定義した増殖性疾患の処置のための、温血動物、とりわけヒトへの投与に適当である医薬組成物であって、少なくとも1つの薬学的に許容され得る担体と一緒に、該増殖性疾患の処置に有効である、ある量のエポチロンAおよび/またはB、とりわけエポチロンBを含んでなる医薬組成物にも関する。
本発明による医薬組成物は、温血動物(ヒトまたは動物)への、鼻腔、直腸もしくは経口といったような経腸投与、または好ましくは筋肉内もしくは静脈内といったような非経腸投与のための医薬組成物であって、単独で、または有意量の薬学的に許容され得る担体と一緒に、有効量の薬理学的に活性な成分を含んでなる。活性成分の用量は、温血動物の種類、体重、年齢および個々の状態、個々の薬物動態学的データ、処置すべき疾患および投与方法により;好ましくは、その用量は、上に定義した好ましい用量のうちの1つであり、小児科の処置を意図する場合には、適当に調節する。
その医薬組成物は、活性成分を約0.00002〜約95%、とりわけ(例えば、使用が容易である注入希釈液の場合)0.0001〜0.02%、または(例えば、注入濃縮液の場合)約0.1%〜約95%、好ましくは約20%〜約90%含んでなる。本発明による医薬組成物は、例えば、アンプル、バイアル、坐剤、糖衣錠またはカプセル剤の形態といったような単位用量形態となり得る。
好ましくは、腫瘍疾患の1回または疎らな処置に関して上述したMTDに基づいての処置レジメンを可能とするよう、用量を選択する。
本発明の医薬組成物は、本質的に知られている方法で、例えば、従来の溶解、凍結乾燥、混合、粒状化または糖衣化方法によって製造する。
活性成分の溶液、およびまた懸濁液、およびとりわけ等張水溶液または懸濁液を使用するのが好ましく、例えば、活性成分を単独で、または薬学的に許容され得る担体、例えば、マンニトールと一緒に含んでなる凍結乾燥組成物の場合、そのような溶液または懸濁液に関して、使用前に製造することが可能である。その医薬組成物は、滅菌するのがよく、および/または賦形剤、例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節するための塩/緩衝液を含んでなり得、そして本質的に知られている方法で、例えば、従来の溶解または凍結乾燥方法によって製造する。該溶液または懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドまたはゼラチンといったような、粘度を増加させる物質を含んでなり得る。
油中の懸濁液は、注射の目的には通例、油成分として、植物、合成または半合成油を含んでなる。酸成分として、8〜22個、とりわけ12〜22個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸を含む、そのようなとりわけ液体の脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、または所望ならば、抗酸化剤、例えば、ビタミンE、β−カロチンまたは3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを加えた、対応する不飽和酸、例えば、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸またはリノール酸を挙げることができる。それらの脂肪酸エステルのアルコール成分は、最大6個の炭素原子を有し、モノまたはポリヒドロキシ、例えば、モノ、ジまたはトリヒドロキシアルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールもしくはペンタノールまたはそれらの異性体であるが、とりわけグリコールおよびグリセロールである。従って、以下の脂肪酸エステルの例:オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、「Labrafil M 2375」(トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセロール、Gattefosse、Paris)、「Miglyol 812」(C〜C12の長鎖をもつ飽和脂肪酸のトリグリセリド、Huels AG、Germany)を挙げることができるが、しかし、綿実油、扁桃油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、大豆油およびより特には落花生油といったような、とりわけ植物油も挙げることができる。
注射および注入組成物は、無菌条件下、通例の方法で製造する;それをまた適用して、組成物をアンプルまたはバイアルへと導入し、容器を密封する。
エポチロンAおよび/またはエポロチンB、とりわけエポチロンB、および薬学的に許容され得る有機溶媒を含んでなる注入製剤が好ましい。
その製剤は、界面活性剤の使用を必要としない。Cremophorのような界面活性剤は、アレルギー反応を引き起こし得、それらはまた、標準的なPVC容器から可塑剤を浸出させ得る。その結果、それらを使用する場合は、特別な注入装置、例えば、ニトログリセリン管材料、およびガラス管材料等のような非可塑化容器を使用することが必要である。
本発明による製剤中で使用する薬学的に許容され得る有機溶媒は、当業界で知られている幾つかのそのような有機溶媒から選択することができる。好ましくは、その溶媒は、アルコール、例えば、無水エタノールまたはエタノール/水の混合物、より好ましくは70% エタノール、ポリエチレングリコール 300、ポリエチレングリコール 400、ポリプロピレングリコールまたはN−メチルピロリジン、最も好ましくはポリプロピレングリコールまたは70% エタノールまたはとりわけポリエチレングリコール 300から選択する。
エポチロンは、製剤中、好ましくは約0.1〜約100mg/ml、より好ましくは約1〜約100mg/ml、一層より好ましくは約1〜約10mg/mlの濃度で(とりわけ注入濃度で)存在し得る。
エポチロンAおよびエポチロンBは、純粋な物質として、またはエポチロンAおよびBの混合物として使用するのがよい。より優れたエポチロンBの抗腫瘍活性を与えるためには、製剤中、エポチロンBをエポチロンAより低い濃度で使用するのがよい。その純粋な形で使用する場合は、5〜100mg/ml、好ましくは10〜50mg/mlのエポチロンAの濃度を使用するのが好ましいが、エポチロンBをその純粋な形で使用する場合は、好ましくは0.1〜10、より好ましくは1〜10、一層より好ましくは1〜2mg/mlの濃度(この数値は、とりわけ、処置前に適宜希釈する注入濃度について言及する、以下を参照されたい)で使用する。
そのような製剤は、バイアルまたはアンプルに便利に保存する。典型的には、そのバイアルまたはアンプルは、ガラス、例えば、ホウケイ酸ガラスまたはソーダ石灰ガラスから作られる。そのバイアルまたはアンプルは、当業界で従来からのいずれかの容量のものであり得、好ましくは、それらは、0.5〜5mlの製剤を収容するのに十分な大きさのものである。その製剤は、保存期間に関して、少なくとも2〜8℃の温度で12〜24ヶ月安定である。
製剤を静脈内投与に適当な水性媒体で希釈しなければならず、その後、エポチロンを患者に投与することができる。
注入溶液は、好ましくは、体液と同じまたは本質的には同じ浸透圧を有していなければならない。従って、水性媒体は、好ましくは、注入溶液の浸透圧を体液と同じまたは本質的には同じにする効果を有する等張剤を含む。
等張剤は、当業界で知られている等張剤の幾つか、例えば、マンニトール、デキストロース、グルコースおよび塩化ナトリウムから選択することができる。好ましくは、等張剤は、グルコースまたは塩化ナトリウムである。等張剤は、注入溶液に体液と同じまたは本質的には同じ浸透圧を与える量で使用することができる。必要とする正確な量は、慣例の実験により測定することができ、注入溶液の組成物および等張剤の性質による。ある特定の等張剤の選択には、活性物質の特性を考慮する。
水性媒体中の等張剤の濃度は、使用する個々の等張剤の性質による。グルコースを使用する場合は、1〜5% w/v、より詳しくは5% w/vの濃度で使用するのが好ましい。等張剤が塩化ナトリウムである場合は、1% w/vまで、特に0.9% w/vの量で使用するのが好ましい。
注入製剤を水性媒体で希釈するのがよい。希釈剤として使用する水性媒体の量は、注入溶液中のエポチロンの所望の濃度により選択する。好ましくは、注入溶液は、前述した注入濃縮液のバイアルまたはアンプルを水性媒体と混合し、その容量を水性媒体で20ml〜200ml、好ましくは約50〜約100mlとすることにより製造する。
注入溶液は、静脈内投与すべき製剤で一般的に使用される他の賦形剤を含み得る。賦形剤には、抗酸化剤が含まれる。
抗酸化剤を使用して、エポチロンを酸化的分解から保護することができる。抗酸化剤は、当業界で知られており、静脈内製剤に適当な抗酸化剤の幾つかから選択することができる。抗酸化剤の量は、慣例の実験により決定することができる。抗酸化剤の添加とは別のものとして、またはそれに加えて、抗酸化剤の効果は、酸素(空気)を注入溶液との接触から外すことにより得ることができる。これは、該注入溶液の入っている容器を不活性ガス、例えば、窒素でパージすることにより、便利に行うことができる。
注入溶液は、適当な容器、例えば、注入バッグまたはボトル中、製剤のアンプルまたはバイアルを水性媒体、例えば、WFI中の5% w/v グルコース溶液またはとりわけ0.9% 塩化ナトリウム溶液と混合することにより製造することができる。
注入溶液は、一度形成したら、直ちにまたは形成されてから短時間以内に、例えば、6時間以内に使用するのが好ましい。
注入溶液を入れる容器は、注入溶液と非反応性である幾つかの便利な容器から選択することができる。前述したガラスタイプから作られたガラス容器が適当であるが、プラスチック容器、例えば、プラスチック注入バッグを使用するのも好ましくあり得る。
プラスチック容器は、主に、熱可塑性ポリマーからなるプラスチック容器であるのがよい。プラスチック物質は、添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、抗酸化剤、静電防止剤および当業界で従来からの他の添加剤をさらに含んでなり得る。
本発明に適当なプラスチックは、熱滅菌に必要とする高温に耐性でなければならない。好ましいプラスチック注入バッグは、当業界で知られているPVCプラスチック物質から作られたプラスチック注入バッグである。
広範囲にわたる容器の大きさを使用することができる。容器の大きさを選択する場合は、水性媒体中のエポチロンの溶解性および取り扱いの容易さ、そして適当ならば、容器の保管を考慮し得る。
約250〜1000ml、好ましくは約50〜約120mlの注入溶液を収容できる容器を使用するのが好ましい。
注入溶液は、微小管相互作用剤であるパクリタクセルの注入溶液と同様の方法で作用し、パクリタクセルを使用することができるであろう状態を処置するのに有利である。ある腫瘍に関して、エポチロンは、パクリタクセルと比べて高められた有利な効果を提供する。
投薬形態は、エポチロンAを100mg/mまでおよびエポチロンBを約18mg/mまでの投薬量で便利に静脈内投与することができる。必要とする正確な投薬量および投与期間は、状態の重篤度および投与速度により、好ましくは、上に定義した通りである。その用量を静脈内に送達し得る時には、受け入れられた用量および血中濃度は、知られているインビボおよびインビトロでの技術を基礎として正確に測定することができる。
経口投与のための医薬組成物は、活性成分を固体担体と組み合わせ、所望ならば、その結果得られた混合物を粒状化して、所望または必要ならば、適当な賦形剤を加えた後、その混合物を錠剤、糖衣錠コアまたはカプセル剤へと処理することにより得ることができる。それらに関しては、活性成分を拡散する、または正確に測った量で放出させるプラスチック担体に組み込むこともまた可能である。
適当な薬学的に許容され得る担体は、とりわけ、糖、例えば、ラクトース、サッカロース、マンニトールまたはソルビトール、セルロース製剤および/またはリン酸カルシウム、例えば、リン酸トリカルシウムまたはリン酸水素カルシウムといったような充填剤、および例えば、トウモロコシ、小麦、米またはジャガイモデンプンを使用するデンプン糊、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドンといったような結合剤、および/または所望ならば、上述したデンプン、そしてまたカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはその塩、たとえばアルギン酸ナトリウムといったような崩壊剤である。賦形剤は、とりわけ、流動調節剤および滑沢剤、例えば、ケイ酸、タルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムもしくはカルシウムといったようなその塩、および/またはポリエチレングリコールである。糖衣錠コアは、適当で場合により腸溶性のコーティングを与え、中でも、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタンを含んでなり得る濃縮糖溶液、または適当な有機溶媒中のコーティング溶液、または腸溶性コーティングの調製のための、フタル酸エチルセルロースもしくはフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースといったような、適当なセルロース調製物の溶液を使用する。カプセル剤は、ゼラチンから作られた乾燥充填カプセル剤、並びにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールといったような可塑剤から作られた軟封入カプセル剤である。乾燥充填カプセル剤は、例えば、ラクトースのような充填剤、デンプンのような結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムといったようなグライダント(glidant)と共に、および所望ならば、安定剤と共に、活性成分を顆粒の形態で含んでなり得る。軟カプセル剤において、活性成分を、脂肪油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコールといったような、適当な油性賦形剤に溶解する、または縣濁させるのが好ましく、そしてまた安定剤および/または抗菌物質を加えてもよい。例えば、同定の目的には、または様々な用量の活性成分を示すために、色素または顔料を錠剤もしくは糖衣錠コーティングまたはカプセル剤包装に加えてもよい。
他の化学療法剤との組み合わせの場合、上に定義した2つ以上の成分(a)および(b)または2つ以上の独立製剤(例えば、パーツのキットにおける)の固定組み合わせを上記したように製造し、または他の化学療法剤を市販されていて、当業者に知られている標準的な製剤として使用する。
実施例:
以下の実施例は、本発明を説明しようとするものであって、その範囲を限定しようとするものではない。とりわけ、そこに述べるセルラインは、単に代表的なものにすぎず、代表的である別のセルラインおよび腫瘍細胞で置き換えることができるので、本発明の範囲を限定するとは見なされない。
化合物溶液の調製
DMSO中、エポチロンBの保存溶液を10mg/mlで調製して、−20℃で保存する。最終濃度が5% v/v DMSO、0.05% v/v Tween 80(ポリオキシエチレン−ソルビタン−モノオレエート;ICI Americas, Inc.)、および95% v/v 生理食塩水(0.9% w/v NaCl)となるまで、アリコートを水溶液に希釈する。
細胞および細胞培養条件
ヒト結腸直腸腺癌セルライン HCT−15(ATCC CCL 225)をAmerican Type Culture Collection(Rockville,MD,USA)から入手して、提供者により薦められた通り、その細胞をインビトロで培養する。HCT−15は、P−糖タンパク質の過剰発現(P−gp,gp170,MDR−1;Anticancer Res. 11:1309−12[1991];J. Biol. Chem. 264:18031−40[1989];Int. J. Cancer 1991;49:696−703[1991])およびグルタチオン依存抵抗性機構(Int. J. Cancer 1991;49:688−95[1991])によって多剤抵抗性である上皮様セルライン(Cancer Res. 39:1020−25[1979])である。
Colo 205 セルラインはまた、患者の腹水液から単離された結腸癌セルライン(ATCC No. CCL 222;Cancer Res. 38,1345−55[1978]もまた参照されたい)でもあり、上皮様形態を示し、一般には薬物感受性であると考えられる。
ヒトアンドロゲン非依存性前立腺癌セルラインを使用して、マウスにおける皮下および正位置(orthotopic)モデルを確立する。ヒト転移性前立腺癌 PC−3MをI. J. Fidler博士(MD Anderson Cancer Center,Houston,TX,USA)から得て、7% v/v FBSを補ったHamのF12K培地で培養する。そのPC−3M セルラインは、PC−3細胞[ATCC CRL 1435;American Type Culture Collection(Rockville,MD,USA)]の脾臓内注射の後、ヌードマウスにおいてもたらされる肝臓転移からの単離の結果であり、それらは、10% ウシ胎児血清、ピルビン酸ナトリウム、非必須アミノ酸、L−グルタミン、2倍のビタミン溶液(Gibco Laboratories,Long Island,N. Y.)およびペニシリン−ストレプトマイシン(Flow Laboratories,Rockville, Md.)を補ったEagleのMEMで増殖することができる。PC−3M セルラインは、ホルモン非感受性である(すなわち、それは、アンドロゲンの不存在下に増殖する)。PC−3 セルラインは、恐らく、誘導PC−3M セルラインであるので、アンドロゲン受容体ネガティブである。PC−3は、ATCC(ATCC CRL 1435)から入手可能なセルラインであり、62年齢のカフカス人男性から単離されたグレードIVの前立腺癌に対応する;その細胞は、低い酸性ホスファターゼおよびテストステロン−5−α−レダクターゼ活性を示す。その細胞は、形態上の染色体数が62本である、ほぼ三倍体である。正常なY染色体は、Qバンド分析では検出することができない。
ヒト肺腺癌 A549(ATCC CCL 185;58年齢のカフカス人男性由来の肺癌組織から外植片培養として単離された)は、上皮形態を示し、シチジンジホスホコリン経路を利用して、レシチンを高いパーセンテージの不飽和化脂肪酸で合成することができ;染色体6本および長腕の染色体1本を伴う下部末端動原体マーカー染色体が全ての中期において見出される。ヒト乳癌 ZR−75−1(ATCC CRL 1500;管癌が浸潤している63年齢のカフカス人女性の悪性腹水滲出液から単離された)は、乳房上皮起源のものであり;その細胞は、エストロゲンおよび他のステロイドホルモンの受容体を有し、三倍体を越える染色体数を持つ。
ヒト表皮(口腔)癌セルライン KB−8511(類表皮(口腔) KB−31 癌セルラインから誘導されるP−gp 過剰発現セルライン)をR. M. Baker博士,Roswell Park Memorial Institute(Buffalo,N. Y.,USA)(記述に関しては、Akiyamaら,Somat. Cell, Mol. Genetics 11,117−126(1985)およびFojo A.ら,Cancer Res. 45,3002−3007(1985)を参照されたい)から得て、前記の通り培養する(Meyer,T.ら,Int. J. Cancer 43,851−856(1989))。KB−31のようなKB−8511細胞は、KB セルライン(ATCC)から誘導され、それらはヒト表皮癌細胞であり;KB−31細胞は、10% ウシ胎児血清(M. A. Bioproducts)、L−グルタミン(Flow)、ペニシリン(50単位/ml)およびストレプトマイシン(50μg/ml(Flow))を含むDulbeccoの修飾されたEagleの培地(D−MEM)を使用して、単層で増殖することができ;次いで、それらを22時間の倍加時間で増殖し、それらの相対的コロニー形成率は約60%である。KB−8511は、コルヒチン処置サイクルの使用により、KB−31 セルラインから誘導されるセルラインであり;それは、KB−31細胞と比べた場合、コルヒチンに対して40倍の相対的抵抗性を示し;それは、KB−31と同じ条件下に増殖することができる。
セルラインの特徴に関してより詳細には、ATCCカタログおよびその中に引用されている文献、または上に引用した他の文献を参照されたい。
上述した以下のセルラインは、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSMZ,Mascheroder Weg 1b,D−38124 Braunschweig,Germany)での1998年2月20日にブダペスト条約の下、各々、以下の取得番号:PC−3M:DSM ACC2338;A−549:DSM ACC2337;KB−8511:DSM ACC2342にて寄託されている。
加えて、上述した以下のセルラインは、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSMZ,Mascheroder Weg 1b,D−38124 Braunschweig,Germany)での1998年12月1日にブダペスト条約の下、各々、以下の取得番号:ZR−75−1:DSM ACC2376;HCT−15:ACC2377にて寄託されている。
以下において、行った試験に関する一般的な方法を記載する。特定条件を述べる場合、これらは、次のパラグラフに提示する一般的な記述より優先する。
抗増殖アッセイ
抗増殖アッセイを先に記載したように行う(Int. J. Cancer 43,851−6(1989))。簡単に言えば、細胞を96ウェルのマイクロタイタープレートに1.5×10細胞/ウェルで播種して、一晩インキュベートする。1日目に、化合物を連続希釈で加える。次いで、そのプレートをさらに2〜5日間インキュベートし、少なくとも1つの細胞倍加(セルライン依存性)を可能とした後、細胞を3.3% v/v グルタルアルデヒドで固定し、水で洗浄して、0.05% w/v メチレンブルーで染色する。洗浄した後、染料を3% v/v HClで溶出して、光学密度をSpectraMax 340(Bucherer,Basel,Switzerland)で665nmにて測定する。式:
(OD試験−OD開始)/(OD対照−OD開始)×100
を使用して、IC50値をコンピューターシステム(SoftPro,Bucherer,Basel,Switzerland)により決定する。IC50は、インキュベーション期間が終わった時点で対照培養(100%)と比べて1ウェルあたり細胞を50%へと導く薬物濃度として定義される。
皮下移植した腫瘍に対するインビボでの抗腫瘍活性
雌または雄のBALB/c nu/nu(ヌード)マウスを、食物および水を自由に摂取させながら、無菌条件下に保つ(III型 ケージ1つあたり10〜12匹のマウス)。腫瘍移植の時点で、マウスの体重は20〜25グラムである。キャリアマウス(1セルラインあたり4−8匹のマウス)における細胞(PBSまたは媒体100μl中、最小限で2×10細胞)の皮下注射により、腫瘍を確立する。処置開始前に、その結果得られた腫瘍を最低限3回の連続移植に連続的にかける。マウスをForene(Abbott,Switzerland)麻酔にかけながら、腫瘍フラグメント(約25mg)を動物の左側腹部に13ゲージのトロカール針で皮下移植する。
腫瘍増殖および体重を週1回または2回モニターする。処置は全て、静脈内(i.v.)投与で施し、腫瘍タイプにより、平均腫瘍体積が約100〜250mmとなったら開始する。式:
(L×D×π)/6
(Cancer Chemother. Pharmacol. 24:148−154[1989]を参照されたい)を使用して、腫瘍体積を測定する。エポチロンBでの処置は、投与用量および回数が様々である。予め決定しておいた最適処置レジメンにより、コンパラトール物質を投与する。処置過程にわたり腫瘍体積の変化があることに加えて、抗腫瘍活性をT/C%(処置した動物の腫瘍体積の平均増加を対照動物の腫瘍体積の平均増加で割って100を掛けたもの)として表わす。式:
退行(%)= (1−Vend/Vstart)×100
(Vend=最終的な平均腫瘍体積、Vstart=処置開始時点での平均腫瘍体積)により、腫瘍退行(%)は、処置開始時点での平均腫瘍体積と比べて最も少ない平均腫瘍体積を表わす。腫瘍が約1.5〜2.5cmを超える大きさに達した動物をいずれも屠殺する。詳細は、以下に見出すことができる。
正位置に注射した細胞に対するインビボでの抗腫瘍活性
先に記載した方法(Stephensonら,J. Natl. Cancer Inst. 84,951−7(1992)を参照されたい)により、ヒト前立腺癌 PC−3M細胞(リン酸緩衝食塩水20μlあたり1×10細胞)を各々の動物(n=6−9/グループ)の前立腺の左室に注射する。処置を細胞注射後14日目に開始する。この時点で、20mgまでの平均腫瘍重量を確立する。エポチロンBを1回または週1回投与する。マウスを腫瘍接種後42日目に屠殺して、前立腺を注意して摘出し、付着組織を切除して、重量を測る。メセンゲアル(Mesengeal)リンパ節を転移の存在に関して試験し、付着組織を切除して、重量を測る。腸間膜リンパ節を転移の存在に関して試験し、付着組織を切除して、重量を測る。
腫瘍重量および体重を週1回または2回モニターする。処置は全て、静脈内(i.v.)投与で施し、細胞注射後14日目に開始する。エポチロンBでの処置は、投与用量および回数が様々である。抗腫瘍活性をT/C%(処置した動物の平均腫瘍重量を対照動物の平均腫瘍重量で割って100を掛けたもの)として表わす。
統計分析
統計分析に関する基本方法は、多重比較のための試験を使用し、処置グループ間での相違、およびグループ内での相違(すなわち、試験開始と比べること)に関する統計上の有意性を判断して、処置が安定な疾患または腫瘍退行を誘発するかどうかを決定することである。皮下腫瘍体積は、通常、分散しないので、ランク付けしたデータ(Rank総合試験)に対するノンパラメトリックなKruskal−Wallisの一方向性ANOVA試験を使用して、処置グループ間での皮下腫瘍体積における相違を決定し、Dunnett試験を使用して、対照グループと比べての処置グループ間での相違に関する統計上の有意性を決定する。Student−Newman−Keuls(SNK)方法を使用して、全てのグループ間での二点比較を行う。臓器重量は、通常、正常分散せず、ノンパラメトリック試験(上記の通り)を使用して分析するか、または正規性(Log[臓器重量])に変換して、一方向性ANOVA、続いて、Dunnett試験(対照との比較)により、またはTukey(グループ間での比較)を使用して分析する。Δ腫瘍体積に関する統計分析は、ランク付けしたデータに対するKruskal−Wallisの一方向性ANOVA試験を使用し、Dunnettの試験により処置グループをビヒクル対照と比べる。処置グループとビヒクル対照との間での体重における相違を二点t試験により分析する。Fisherの完全試験を使用して、グループ間での死亡率における相違の有意性を決定する。全ての試験に関して、有意性のレベルをp<0.05で設定するが、これらの小さな試料の大きさに関しては、0.8という所望の粉末レベルは決して得られないことに注目されたい。正位置モデルに関して、FisherのExact Testを使用して、転移を有するマウスの割合が処置グループと対照との間で相違しているかどうかを測定する。いずれの統計計算もSigmaStat 2.0(Jandel Scientific)を使用して行う。
材料
エポチロンBは、粘液細菌Sorangium cellulosumの培養から、Biopharmaceuticals Production and Development Department, Novartis Pharma, Basel, Switzerlandにより精製される。TAXOL(登録商標)(臨床使用のために製剤されたパクリタクセル)はBristol Myers Squibb(USA)から、パクリタクセルはCalbiochem(USA)および5−フルオロウラシル(Fluoro-uracil(登録商標))はRoche(Switzerland)から購入する。細胞培養材料はIntegra BioScience(Wallisellen, Switzerland)からである。液体媒体、ウシ胎児血清(FBS)および媒体添加剤はGibco/BRL(Basel, Switzerland)からである。BALB/c nu/nu(ヌード)マウスはBomholtgaard(Copenhagen, Denmark)から、またはNovartis Animal Farm(Sisseln, Switzerland)から得る。正常BALB/cマウスはIffa Credo(France)から、またはNovartis Animal Farm(Sisseln, Switzerland)から得る。
最大耐量(MTD)の測定
MTD測定のために、雌BALB/cヌードマウスまたはBALB/cマウス(Novartis Animal Farm, Sisseln, Switzerlandから得た)を一度エポチロンB(投与量グループあたりn=3)で処置する。投与量を増加させ(2、4、6、8、10および12mg/kg)、マウスを医薬処置の後10日間、明白な毒性効果の出現に関して観察する。
実施例1:最大耐量(MTD)の測定
最大耐量(MTD)試験の結果を表1および表2に示す。
Figure 2011173928
エポチロンBを2、4、6、8、10または12mg/kgの投与量で1回i.v.ボーラスとして投与する。マウスの生存および体重を毎日追跡する。体重の変化(Δ)を、最後に測定した体重と処置前のものの比較により決定する。
Figure 2011173928
エポチロンBを2、4、6、8、10または12mg/kgの投与量で1回i.v.ボーラスとして投与する。マウスの生存および体重を毎日追跡する。体重の変化(Δ)を、最後に測定した体重と処置前のものの比較により決定する。
これらの実験から、正常マウスにおいてMTDは約4mg/kg、一方ヌードマウスではMTDは約6mg/kgであることが導かれる。
実施例2:エポチロンBの毒性(マウスにおける2週間静脈内比較毒性実験)
エポチロンBの亜慢性静脈内毒性を評価するために、致死率、臨床的兆候、体重、餌消費、血液学、臨床生化学、尿検査および臓器重量、ならびに巨視的および微視的試験を含む、非GLP2週間i.v.毒性実験を、非腫瘍担持、正常雌BALB/cマウスで行う。実験は、各々3mg/kgおよび10mg/kgのエポチロンBを1日目および8日目に投与する2種の異なる投与量レジメに基づく(グループ当たり8匹)。動物の半分を15日目(主グループ)に殺し、検死を行う。残りの半分(回復グループ)に関して、5週間の回復期間を2回目の投与の後に殺す前に与え、続いて43日目に検死する。しかし、10mg/kg投与量において、回復グループの全ての動物を、不健康な一般的状態のために19日目に早めに殺している。
いずれの濃度でも処置期間(1−14日目)に致死は起こらず、3mg/kgのグループに関して、回復グループの全ての動物が実験の最後まで生存する。体重減少が、10mg/kg投与量グループのすべての動物で第1および第2週の間に観察されるが、3mg/kg投与量での体重減少は第2週でのみ明らかである。回復期間中の体重増加は処置およびコントロール動物で同じである。
両方の投与レベルのエポチロンBは多くの白血球、特に好中球およびリンパ球の数の減少を全ての処置動物(15日目)で誘導するが、効果は10mg/kg投与量でより明白である。加えて、好塩基球数のわずかな上昇および単球の減少したレベルが両方の投与レベルで数匹の動物で観察される。赤血球細胞のパラメーターのわずかに低下した値が増加した網状赤血球および血小板と共に、10mg/kg投与量でのみ記録される。回復期間の最後(43日目)に、血液学的パラメーターは3mg/kg投与量回復グループの4匹中2匹の動物で正常であるが、他の2匹はまだ白血球細胞数減少に罹患している。
処置動物の臨床化学プロフィールで、エポチロンBでの処置に明らかに関係があるはずがない、わずかな変化のみが観察される。
両方の投与量でのエポチロンBの処置は、胸腺、脾臓および子宮重量に明白な変化を導く(15日目)。加えて、肝臓重量のわずかな変化が観察される。(臓器重量は、副腎、肝臓、胸腺、脾臓、脳、卵巣、腎臓、子宮および心臓に関して測定)。3mg/kg投与量に関して、回復期間の最後(43日目)の臓器重量はコントロール動物と同等であり、完全な回復を示す。(10mg/kg投与量回復グループの殺した動物に関して臓器重量は計っていない)。
15日目に殺した動物の組織学的に処理した選択組織の微視的調査は、3mg/kgおよび10mg/kg投与量の各々で、胸腺の中程度から著しい萎縮を明らかにする。加えて、脾臓のリンパの極小の萎縮、胸骨骨髄における極小から軽微な脊髄形成不全、および脾臓における極小に増加した造血が10mg/kgで観察される。3mg/kgにおいて、胸骨骨髄は極小から軽微な赤血球および骨髄球萎縮を示す。極小単一細胞壊死が、両方の投与レベルで腸粘膜(小および大腸)で記されるが、10mg/kg投与量で高い発生率である。
両方の投与レベルからの回復グループはわずかな脊髄過形成および/または骨髄の萎縮を示す。10mg/kgで、わずかなリンパ萎縮がまた脾臓で見られ、加えて、軽微から中程度なヘモジデリン沈着が存在する。10mg/kgで、微視的試験に利用可能な胸腺組織は存在せず、胸腺萎縮がこれらのマウスで起こっているはずであることを示す。胸腺における組織学的変化は、3mg/kg投与量回復グループからの動物に関して43日目で見られない。
結論として、3mg/kg(1日目および8日目に投与)エポチロンBの投与レベルが、43日の全観察期間について致死なしで耐容性であったが、10mg/kgを投与された動物は、不健康な状態のために19日目に殺す。体重減少は両方の投与レベルで処置期間中に起こる。血液学は、両方の投与グループにおいて、白血球、好中球およびリンパ球の低い値を、数匹のマウスに関する好塩基球の高いおよび単球の低い数と共に確認する。臨床化学的プロフィールに対する効果は観察されない。中程度から著しい胸腺の萎縮が処置期間後のみ(15日目)に3および10mg/kgで、10mg/kg投与量の極小リンパ萎縮と共に観察される。加えて、骨髄における脊髄形成不全および脾臓の増加した造血が10mg/kgで検出可能である。骨髄の軽微な赤血球および骨髄球萎縮が3mg/kgで見られる。単一細胞壊死が3および10mg/kgで処置期間の最後のみに腸粘膜で検出される。
結論
エポチロンBの毒性学的発見に関する実施例1および2の要約データから明らかになる最も重要な結論は以下の通り要約できる:
BALB/cバックグラウンドの正常およびヌードマウスへのエポチロンBの1回投与量i.v.投与のMTDは各々4mg/kgおよび6mg/kgに対応する。ヌードマウスは、従って、正常マウスよりも化合物の毒性効果に感受性が低い。
正常マウスにおいて、1週間離れて投与した2回の3mg/kgの投与は十分耐容性であり、最初の投与の43日後まで致死をもたらさない。10mg/kg投与レベルの同じ投与レジメは、全ての処置動物の死(または殺すこと)をもたらす。
実施例3:細胞系に対するエポチロンのインビトロ活性
エポチロンBの強い抗増殖活性が、あるヒト癌細胞系で確認される;これらの実験の結果を表3に要約する。エポチロンBは一般にパクリタクセルより高い効果を、特に多剤耐性(MDR)表現型(例えば、KB-8511、HCT-15)に対して示す。
Figure 2011173928
平均±SD、n=2。 2日曝露; 3日曝露
MDR=多剤耐性
実施例4:ヒト結腸直腸腺癌HCT−15に対するエポチロンの抗腫瘍活性
腫瘍容量を単独または組合わせで使用する抗腫瘍剤の活性の腫瘍な指標として使用し、体重の変化を処置耐容性の指標として測定する。
表4から導き出されるように、エポチロンBの1回4mg/kg投与は、医薬耐性、P−gp過発現、HCT−15大腸腫瘍において腫瘍の退行をもたらすことができる(p<0.05対媒体コントロール;Dunnett's)(図1および表1)。この活性は、TAXOL(登録商標)の5回20mg/kg投与または2回75mg/kgの5−フルオロウラシルよりも優れている(p<0.05対エポチロンB;SNK検定)。HCT−15腫瘍はTAXOL(登録商標)および5−フルオロウラシルに耐性であり、各々50%および88%の最終T/C値が得られる(両方p>0.05対コントロール;Dunnett's)。エポチロンB処置は、体重が処置下で安定しているため十分耐容性である;媒体処置マウスは体重が増加する。処置による致死はエポチロンBで観察されない。比較して、TAXOL(登録商標)処置で幾分かの致死(1/8[12.5%]死亡)が、およびより高い程度の致死が5−フルオロウラシルで観察される(4/8[50%]致死);しかし、処置グループが少数であるため、これは統計的有意には到達しない(p>0.05対コントロール;Fiser's Exat Test)。いずれかの処置で生存したマウスは、安定な体重を証明する。
この結果は、エポチロンBが、TAXOL(登録商標)および5−フルオロウラシルに耐性なHCT−15腫瘍に対して明白な抗腫瘍効果をもたらし、この4mg/kg投与量で十分耐容性であることを示す。
Figure 2011173928
約25mgの腫瘍断片を各雌ヌードマウスの左横腹に移植する(グループあたりn=8)。処置を腫瘍移植14日後に開始する。エポチロンBを1回4mg/kg、i.v.で14日目に投与する。5−フルオロウラシルを75mg/kg、i.v.で14日目および21日目に投与する。TAXOL(登録商標)をi.v.で20mg/kg/日で、2日毎に5回処置(14、16、18、20および22日目)投与する。抗腫瘍活性をT/C%(処置動物の腫瘍容量の平均増加をコントロール動物の腫瘍容量の平均増加で割り100倍する)として示す。腫瘍抑制(%)は処置の開始時の平均腫瘍容量と比較した最終平均腫瘍容量を示す。Δ腫瘍容量は最後の処置の日の腫瘍容量から処置の最初の日の腫瘍容量を引いたものである。Δ腫瘍容量における統計学的分析は、Dunnett's検定を使用し、処置グループをコントロールと比較する。体重変化における統計学的分析は、t−検定を使用し、処置前の体重と処置の最後を比較する;処置開始時のマウス体重〜20−25g。有意差なしは、略語“ns”で示す。示すデータは、実験の最後まで生存した動物の平均±SEMで示す。
実施例5:皮下的に移植した雌BALB/cヌードマウスにおけるヒトKB−8511類表皮癌に対するTAKOL(登録商標)と比較したエポチロンBの抗腫瘍効果
表5から導き出されるように、エポチロンBの種々のレジメがヌードマウスにおけるTAXOL(登録商標)耐性KB−8511腫瘍の生育の阻害に可能である。4mg/kgエポチロンBの1回投与は一過性抑制(移植後25日目に−51%;p<0.05対媒体コントロール、Dunnett)を示すが、腫瘍は処置後40日目までに再生育し、24%の最終T/Cとなる(p<0.05対媒体コントロール、Dunnett)。この1回エポチロンB投与は十分耐容性であり安定な体重となり、致死は起こらない。
エポチロンBの1週間1回の投与は、腫瘍生育の用量依存的阻害をもたらす:4mg/kgは98%抑制(p<0.05対媒体コントロール、Dunnett)をもたらす;2mg/kgは一過性44%抑制および14%の最終T/Cをもたらす(両方ともp<0.05対媒体コントロール、Dunnett);1mg/kgは最終T/C81%をもたらす(p>0.05対媒体コントロール、Dunnett)。TAXOL(登録商標)はKB−8511腫瘍に不活性である(T/C 132%、p>0.05対媒体コントロール、Dunnett)。実験の最後に、4mg/kg/週エポチロンBで処置した5/8のマウスおよび2mg/kg/週エポチロンBで処置した1/8のマウスは検出可能な腫瘍はない。1週間に1回4mg/kgは体重を減少させる傾向にあるが(−5±7%)、この値は統計学的有意には到達しない。媒体コントロール、2および1mg/kg/週エポチロンBおよびTAXOL(登録商標)グループは全て体重の増加を示し、致死はなく、十分に耐容性の処置を示す。
これらの結果は、エポチロンBが、TAXOL(登録商標)耐性である実験的類表皮腫瘍に対して有効であることを示す。
Figure 2011173928
約25mgの腫瘍断片を各雌ヌードマウスの左横腹に移植する(グループあたりn=8)。処置を腫瘍移植13日後に開始する。エポチロンBを1回4mg/kg、i.v.で13日目に、または4、2または1mg/kg i.v.で1週間に1回投与する。TAXOL(登録商標)をi.v.で20mg/kg/日で、2日毎に5回処置(13、15、17、19および21日目)投与する。抗腫瘍活性をT/C%(処置動物の腫瘍容量の平均増加をコントロール動物の腫瘍容量の平均増加で割り100倍する)として示す。腫瘍抑制(%)は処置の開始時の平均腫瘍容量と比較した最終平均腫瘍容量を示す。腫瘍容量の変化(Δ)は最後の処置の日の腫瘍容量から処置の最初の日の腫瘍容量を引いたものである。Δ腫瘍容量における統計学的分析は、Dunnett's検定を使用し、処置グループをコントロールと比較する。体重変化における統計学的分析は、t検定を使用し、処置前の体重と処置の最後を比較する;処置開始時のマウス体重〜20−25g。有意差なしは、略語“ns”で示す。示すデータは、実験の最後まで生存した動物の平均±SEMで示す。
この実験から、TAXOL(登録商標)は有効ではないが、エポチロンB処置は有効な抗腫瘍活性を示すことが導かれる;4mg/kg投与量で抑制さえ認められる。
実施例6:正位置に注入したPC−3M前立腺細胞に対するエポチロンの抗腫瘍活性
最初に前立腺で生育し、次いでメセンゲアルリンパ節に転位を形成したPC−3M腫瘍に対するエポチロンBの活性の測定の結果を表6に示す。
本実験的前立腺癌モデルにおいて、PC−3M細胞を最初に前立腺で生育させ、次いで腸間膜リンパ節に転位を形成させる。臓器重量を処置の抗腫瘍活性の評価に使用する。
表6はリンパ節への影響が観察されない細胞注入後14日目(処置の開始)から、前立腺および腸間膜リンパ節が劇的に重量を増加させる細胞注入後42日目の進行を示す。エポチロンBの全ての投与レジメは、前立腺重量の減少および腸間膜リンパ節への腫瘍の転移の予防に非常に有効である(全てp<0.05対コントロール:対数変換データにおけるDunnett's検定)。進行中の処置の全て、抗腫瘍活性は同等である(p>0.05;Dunn's)。媒体試験コントロールの全ての動物と比較して、各エポチロンB処置グループにおいて、1匹の動物のみが検出可能な転移があり(p<0.05;Fisher's Exact test)、エポチロンBでの処置が検出可能な転移の形成を有意に減少させることを示す。
エポチロンB処置は高用量では十分耐容性ではない。6mg/kg1回投与、または4mg/kg2回投与は体重減少の傾向があるだけであるが、8mg/kg1回または5mg/kg1週間1回の投与は体重の有意な減少をさせる(表6)。処置は腫瘍担持マウスの生存を促進するように見える;しかし、処置グループ当たり少数であるために、これは6mg/kg(1回)レジメでのみ統計学的有意に到達する(最終生存数のFisher's Exact test)。
エポチロンBはこのモデルで、初期腫瘍の減少および転移の予防の両方の観点から優れた抗腫瘍活性を有する。しかし、エポチロンBは、あるレジメでは耐容性が乏しい。
本実験の結果は、エポチロンBがヒト前立腺癌に対してインビトロおよびインビボ(実施例3参照)の両方で活性であることを示す。エポチロンBはまた、前立腺癌の正位置モデルで初期腫瘍の減少および検出可能な転移の形成の強い阻害をできる。更に、それはまた付加的実験で試験する必要があるが、これらの腫瘍担持マウスの生存を促進する可能性がある。この強力な抗腫瘍活性と並行して、エポチロンBは試験した投与レジメで有意な体重減少をする。しかし、この乏しい耐容性の理由は未知である。
正位置PC−3MモデルにおけるエポチロンBの活性は特に注目すべきである。正位置モデルは初期腫瘍がヒトで位置している組織内に腫瘍を位置し、殆どの皮下腫瘍移植モデルと異なり、転移が頻繁に起こる。したがって、エポチロンBの前立腺における初期腫瘍生育の抑制および腸間膜リンパ節転移の形成および/または生育の阻害はエポチロンBの有意な活性を示す。
要約として、相対的に化学療法に耐性であると考えられる実験的前立腺癌モデルにおける強い抗腫瘍活性のために(Br. J. Cancer 75, 1593-600 (1997))、エポチロンBは前立腺癌の将来有望な薬剤であると考えられる。
Figure 2011173928
20μL PBS中の1×10 PC−3M細胞を各雄ヌードマウスの前立腺の左室に注入する(グループ当たりn=9)。処置を腫瘍細胞注入後14日目に開始する。エポチロンBをi.v.で1回6または8mg/kg、または1週間に1回4または5mg/kg投与する。抗腫瘍活性をT/C%(処置動物の腫瘍容量の平均増加をコントロール動物の腫瘍容量の平均増加で割り100倍する)として示す。体重の差は実験の最後まで(42日目)生存している動物に対してのみ考える。Δ体重における統計学的分析は、t検定を使用し、処置前の体重と処置の最後を比較する;処置開始時のマウス体重〜20−25g。有意差なしは、略語“ns”で示す。
実施例7:ヒト肺非小細胞癌A549に対するエポチロンBの効果
3百万から1千万の細胞を、異系交配無胸腺(nu/nu)マウスの右腋窩(側面)にs.c.移植し、約100mmの腫瘍容量が確立されるまで生育させる。エポチロンBは蒸留水中の5%グルコース中1%DMSOの溶液(D5W)中製剤し、i.v.で1回のみ、1週間1回、1週間3回または1週間5回投与する。陽性コントロールをD5Wで6倍に希釈して製剤し、i.v. 3回/週で投与するTAXOL(登録商標)の臨床製剤で行う。
抗腫瘍活性を実験の最後にT/C%(処置グループのΔ腫瘍容量と媒体コントロールグループの比較)。抑制は式:−(T/T−1)×100%(式中、Tは実験の最後の処置グループの腫瘍容量およびTは実験の最初の腫瘍容量)を使用して計算する。統計学的有意は片側Student t検定を使用して評価する。
結果:表7はA549腫瘍の結果を要約する。エポチロンBは、6mg/kg投与したとき、有意な腫瘍抑制を(T/C=41%)を検出可能な毒性なしに誘導する。1回/1週間の4mg/kg投与(4mg/週)は、腫瘍静止(T/C=7%)を誘導するが、13%の体重減少をする。比較して、3回/週の1.5mg/kg投与(4.5mg/週)では、全ての動物を毒性のために実験の最初の週で安楽死させる。0.5mg/kg、5回/週(2.5mg/週)は1回のみのレジメと同等な腫瘍阻害を誘導するが(T/C=41%)、23%体重減少をもたらす蓄積的毒性が明らかである。TAXOL(登録商標)、20mg/kgの3回/週投与は腫瘍生育を阻害せず、16%の体重減少を8匹中1匹の死亡と共に誘導する。
Figure 2011173928
処置を移植後16日目に開始する(1千万細胞/動物)。エポチロンBをi.v.で6mg/kg(16日目) 1回、4mg/kg1週間1回(16、23および30日目)、1.5mg/kg1週間3回(16、18、21、23、25、28、30、32および35日目)、または0.5mg/kg1週間5回(16−18、21−25、28−32および35−36日目)投与する。TAXOL(登録商標)をi.v.で1週間3回20mg/kg(16、18、21、23、25、28、30、32および35日目)、1時間離して10mg/kgの分割量として投与する。媒体コントロール(1%DMSO/D5W)をi.v.で1週間3回(16、18、21、23、25、28、30、32および35日目)投与する。全ての最終データを37日目にとる。アスタリスク1個()は、片側Student's t検定を使用して、p<0.05およびアスタリスク2個(**)はp<0.01を示す。“NE”:評価せず−動物を化合物毒性のために安楽死。
実施例8:ヌードマウスにおけるA549肺非小細胞癌に対するTAXOL(登録商標)と比較したエポチロンBの効果
ヒト腫瘍異種移植片モデルの調製のための材料および方法は先に記載の通りである。1千万のまたは1百万の細胞(A549)を、異系交配無胸腺(nu/nu)マウスの右腋窩(側面)にs.c.移植し、約100mmの腫瘍容量が確立されるまで生育させる。エポチロンBは蒸留水中の5%グルコース中1%DMSOの溶液(D5W)中製剤し、i.v.で1週間1回、3週間投与する。陽性コントロールをD5Wで4倍に希釈して製剤し、i.v. 3回/週で3週間、1時間離して(2回10mg/kg)分割量として投与するTAXOL(登録商標)の臨床製剤で行う。
抗腫瘍活性を実験の最後にT/C%(処置グループのΔ腫瘍容量と媒体コントロールグループの比較)。抑制は式:(T/T−1)×100%(式中、Tは実験の最後の処置グループの腫瘍容量およびTは実験の最初の腫瘍容量)を使用して計算する。測定は、定期の3週間実験の終了後更に2週間行い、医薬誘導体重減少の回復および抗腫瘍効果の持続性を評価する。統計学的有意は片側Student t検定、Dunnett'sまたはDunn's検定を使用して評価する。
結果:表8は標準3週間実験のA549腫瘍の結果を要約する。エポチロンBの1週間1回の投与は統計学的に有意な、腫瘍生育の用量依存的抑制を示し、医薬の最高濃度で腫瘍静止に近づく。エポチロンBは3.5および3mg/kgで腫瘍生育の著しい阻害をする(各々T/C=15%および23%)。療法の投与量ともかなりの、しかし回復可能な(表8参照)、約15%の体重減少をもたらす。2および1mg/kg投与量は、統計学的に有意な43%および74%T/Cをもたらし、2mg/kgでは体重は増えず、1mg/kgでは通常の体重増加である。2回10mg/kgの分割量で投与するTAXOL(登録商標)は、腫瘍生育を阻害しないが、19%体重減少をもたらす。
Figure 2011173928
処置を移植後13日目に開始する(1千万細胞/動物)。エポチロンBをi.v.で1、2、3および3.5mg/kgで1週間に1回3週間(13、20および27日目)投与する。TAXOL(登録商標)をi.v.で1週間3回20mg/kg(14、17、19、21、24、26、28、31および33日目)、1時間離して10mg/kgの分割量として投与する。最終データを34日目に取る。アスタリスク1個()は片側Student's t検定を使用してp<0.05およびアスタリスク2個(**)はDunnett'sまたはDunn's検定を使用してp<0.05を示す。
測定を、定期の3週間実験の終了後、更に2週間行い、5週目の最終データを表9に要約する。抗腫瘍効果は未変化のままであり、一方動物体重は回復する。3.5、3、2および1mg/kg投与レベルのエポチロンBのT/C値は各々12%、16%、49%および72%であり、全てのグループは正常の体重増加をする。TAXOL(登録商標)は効果のないままであり、動物はわずかに2%の体重増加しかしない。
Figure 2011173928
表1に記載の実験の測定を更に2週間伸ばす。最終データを48日目に記録する。アスタリスク1個()は片側Student's t検定を使用してp<0.05およびアスタリスク2個(**)はDunnett'sまたはDunn's検定を使用してp<0.05を示す。
実施例9:ZR−75−1乳腫瘍におけるエポチロンBの抗腫瘍効果
表10は乳癌細胞系ZR−75−1におけるTAXOL(登録商標)とエポチロンのB効果を比較した実験の結果を示す。本腫瘍モデルに使用した方法は上記に載されている。
データから(抗腫瘍活性から判断して)、最良の投与スケジュールは、4mg/kgの1週間毎の投与である。しかし、全ての投与量で致死が観察され、ZR−75−1腫瘍は他の腫瘍タイプと比較してマウスの全体的な健康に影響し得ることを示す。
Figure 2011173928
約25mgの腫瘍断片を各雌ヌードマウスの左横腹に移植する(グループあたりn=6);皮下エストロゲンペレットを逆の横腹に入れる。処置を腫瘍移植19日後に開始する。エポチロンBを1、2または4mg/kgの量で、1週間に1回(19、26および33日目)または2週間毎(19および33日目)に投与する。示すデータはコントロールの最終日である47日目に生存する動物からである。抗腫瘍活性をT/C%(処置動物の腫瘍容量の平均増加をコントロール動物の腫瘍容量の平均増加で割り100倍する)として示す。腫瘍抑制(%)は、処置開始時の平均腫瘍用量と比較した最終平均腫瘍用量を示す。腫瘍容量の変化(Δ)は最後の処置の日の腫瘍容量から処置の最初の日の腫瘍容量を引いたものである。
実施例10:皮下的に移植したColo205大腸腫瘍に対する5−フルオロウラシルと比較したエポチロンBの抗腫瘍効果
表11は皮下的に移植したColo205腫瘍に対するエポチロンBの効果および5−フルオロウラシルの効果を示す。5−フルオロウラシルでの標準処置またはTAXOL(登録商標)での処置が有効でないHCT−15細胞系腫瘍の処置と比較して、ここでは5−フルオロウラシルでの処置はまだ有効であるが、エポチロンBでより低い。
HCT−15細胞がTAXOL(登録商標)および5−フルオロウラシルでの標準大腸癌処置の療法に反応しない(抗療性である)実施例4のデータと合わせて、これはエポチロンBが実際既知の標準処置に抗療性である腫瘍の処置に適していることを示す。他方、標準処置が働くものでもより有効である。好ましい処置スケジュールは、2週間毎の4mg/kgであると推定できる(腫瘍抑制、死亡動物なし)。この処置は、抑制がみられないが7匹中4匹の動物のみが生存する5−フルオロウラシルよりもより良い。
Figure 2011173928
約25mgの腫瘍断片を各雌ヌードマウスの左横腹に移植する(グループあたりn=7)。処置を腫瘍移植14日後に開始する。エポチロンBを4mg/kg、i.v.で1回または1週間に1回(14、21、28日目)または2週間毎(14および28日目)に投与する。5−フルオロウラシルをi.v.で75mg/kg/日で、14、21、28日目に投与する。示すデータは、処置4日後の32日目に生存している動物からである。抗腫瘍活性をT/C%(処置動物の腫瘍容量の平均増加をコントロール動物の腫瘍容量の平均増加で割り100倍する)として示す。腫瘍抑制(%)は処置の開始時の平均腫瘍容量と比較した最終平均腫瘍容量を示す。腫瘍容量の変化(Δ)は最後の処置の日の腫瘍容量から処置の最初の日の腫瘍容量を引いたものである。
実施例11:フェーズ1、進行した固体腫瘍の成人患者へのエポチロンB単剤での1週間1回投与の用量調査研究
治験センターの数 2
目的
第1:急性および蓄積性毒性の両方を含む安全プロフィールの特徴付け、および標準全身治療が失敗したまたはその患者のための標準全身治療が存在しない進行した固体腫瘍の成人患者への1週間1回の静脈内点滴による単剤エポチロンB投与の最大耐量の決定のため。
第2:1.この患者の集団への1週間1回の静脈内点滴により投与された単剤エポチロンBの抗腫瘍活性の薬物動態学の特徴付け;得られるデータは、安全性および効果の予測を助ける薬物動態学/薬物動力学(PK/PD)相関を成すために薬物動態学データ(例えば、血液学的パラ−メーター)と対比する。
2.この患者の集団への1週間1回の静脈内点滴により投与された単剤エポチロンBの抗腫瘍活性の予備的証拠を得るため。
3.1週間1回の静脈内点滴により単剤エポチロンBを投与された進行した固体腫瘍の成人患者の間の腫瘍内医薬レベルを、前臨床モデルと相関させるため。
4.効果および反応と関係する遺伝子を同定するための、利用可能であり、評価可能な治療前および治療後の腫瘍生検サンプルの薬物動態情報を得るため;これは個々の遺伝子発現(例えば、p53、Map4およびmdr1発現状態)の遺伝的分析または遺伝子チップ法のいずれかで行う。
設計 これは標準全身治療が失敗したまたはその患者のための標準全身治療が存在しない進行した固体腫瘍の成人患者への1週間1回の静脈内点滴による単剤エポチロンB投与の安全性、薬物動態学および薬力学の公開ラベル、用量漸増試験である。
処置期間は24週投与までである。許容できない毒性または疾病進行を経験した患者は早くに打ち切る。完全なまたは部分的反応を達成した患者、または24回投与の最後に安定した疾病状態の患者は、研究者の判断により、スポンサーによる許可の後に延長プロトコールに従って更に処置を続ける。適格な患者は疾病進行または許容できない毒性まで、更なるサイクルを受ける。
MTDを確立するための一団あたり3−6名の登録患者の標準フェーズ1プロトコールを用いる。用量漸増は修飾Fibonacciスキームに従い、各一団の患者の最初の4週間の毒性に基づいて進行する。最初の量は0.1mg/mであり、下記の用量に続く:0.2、0.3、0.5、0.7および0.9mg/m
暫定MTDは3−6名の患者の少なくとも2名に用量限定毒性(DLT)が観察される用量レベルの直ぐ下と定義する。暫定MTDと定義された一団に、次いでエポチロンBの安全性、薬物動態学および薬力学プロフィールの更なる評価を介してMTDを確認するために合計12名の更なる患者を登録する。
全ての毒性は改定US National Cancer Institute Common Toxicity Criteriaに従って定義する。DLTを本プロトコールで定義する;しかし、一般に、DLTの性質は、不治の固体腫瘍の設定においてさえ許容できないと考えられるものである。
患者
包含基準
本試験への包含のために以下の基準を満たすべきである:
1.男性または女性患者≧18歳。
2.標準全身的治療および1回までの付加的全身治療に失敗したもの、またはその患者のための標準全身治療が存在しない、組織学的に証明された進行した固体腫瘍。
3.正常の制度上の上限を超えた腫瘍マーカー値を含む、Southwestern Oncology Group(SWOG) Solid Tumor Response Criteriaにより定義された少なくとも一つの測定可能な、または評価可能なまたは評価不可能な疾病の部位。
4.妊娠している可能性のある女性は試験医薬の開始前に血清β−HCG妊娠試験が陰性でなければならない。生殖の可能性のある男性および女性患者は試験の間中および試験医薬の中止後3ヶ月間、避妊に有効な方法を行うことに同意しなければならない。
5.≦2の世界保健機関(WHO)Performance Status Score。
6.少なくとも3ヶ月の余命。
7.スクリーニング法の前に得た署名された告知に基づく同意。
除外基準
以下のものが当てはまる場合、試験からの除外が必要である:
1.妊娠または授乳中の女性患者。閉経後の女性は妊娠の可能性がないことの考慮のために少なくとも12ヶ月無月経でなければならない。
2.重篤なおよび/または抑制できない医学的疾病の患者(即ち、抑制できない糖尿病、鬱血性心疾患、試験の6ヶ月以内の心筋梗塞、慢性腎臓病、または活動性抑制不可能な感染)、
3.識別できる脳転移を有する患者。
4.急性または既知の慢性肝臓疾患の患者(即ち、慢性活動性肝炎、硬変)、
5.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の既知の診断。
6.試験参加前30日以内に治験薬を投与された患者。
7.試験参加前4週間以内に化学療法を受けた患者(ニトロソウレアまたはマイトマイシンCに関しては6週間)。
8.試験参加前4週間以内に事前の放射線治療を受けた患者。
9.先に骨髄の≧25%に放射線治療を受けた患者。
10.試験参加前2週間以内に大手術を受けた患者。
11.肝臓、腎臓の障害または以下の臨床試験パラメーターにより定義される血液学的機能の患者:
血小板数<100×10/L
絶対的好中球数<1.5×10/L
血清ALT(SGPT)>2.5×正常の制度上の上限(IULN)
血清総ビルビリン>1.5×IULN
血清クレアチニン>1.5×IULN
14.患者は<5年他の初期悪性腫瘍がないか、または、元の場所の非黒色腫皮膚癌および子宮頸癌の場合、活動性疾患がない。
サンプルサイズ 本試験は約40名の患者を必要とする。
処置 透明、無色静脈内濃縮物として1mg/1mlに調剤された個々の2mgガラスバイアルにエポチロンBを入れる。物質をポリエチレングリコール300(PEG300)中に調剤し、50から100ml0.9%Sodium Chloride Injection, USPで希釈し、輸液のための所望の最終濃度を達成する。1回30分静脈内点滴として、7日毎に投与する。
出発レベルは0.1mg/mである。この投与量はイヌであるエポチロンBに関して最も感受性の種における最低毒性用量(TDL)の3分の1として計算する。上記のように、投与量漸増は修飾Fibonacciスキームに従う。試験は、エポチロンBによりもたらされることが既知の血液学的または他の毒性を経験した個体に関する処置延期、投与減少または処置の中断を決める。処置は、患者が疾病進行または許容不可能な毒性を経験しない限り、最大24週間の毎週投与まで続ける。24回投与の最後に、完全なまたは部分的な反応を達成した患者および安定な疾病の患者は、研究者の判断により、スポンサーによる許可の後に延長プロトコールに従って更に処置を続ける。
安全性調査項目 エポチロンBの安全性は身体検査により、および生命徴候、臨床検査室結果、有害な事象、および付随する医薬の使用の評価により評価する。有害な事象は、顕在化したものおよび申告の両方であり、US National Cancer Institute Expanded Common Toxicity Criteriaを使用して等級付けする。
効果調査項目 このフェーズ1試験は効果の検出のために設計されていないが、活性は目標腫瘍反応および無進行の長さおよび全体的生存の割合の関数として証明される。基底腫瘍評価は、全ての測定可能な、評価可能なおよび評価不可能な疾病の最適な試験を含む。評価は身体検査および胸部X線、および、適当な場合、胸郭、腹部および骨盤のコンピューター化断層写真;腹部および骨盤のソノグラフ;全ての骨性領域の骨レントゲン写真を伴う骨シンチグラム;および腫瘍マーカー値の測定を含む。追跡試験は6週間毎および処置の停止後に行う。
目標状態は、SWOG反応基準を基本にしたNovartisガイドラインを使用した臨床評価である。全ての完全なおよび部分的な反応は少なくとも4週間後の第2評価により確認しなければならない。最良の腫瘍反応を、SWOG反応基準を使用して、各患者に関して計算する。
薬物動態学 以下の薬物動態学パラメーターを計算し、サイクル1および2に関して分析する:tmax、Cmax、λ、t1/2、AUCおよびR・R=AUTτサイクル2/AUTτサイクル1を蓄積の指標として評価する。投与比例の先の評価は、異なる投与グループの中の最後の投与量からのAUCに基づく。PK/PDと観察される毒性(例えば、造血)の相関は安全性の予測物として行う。
薬力学 腫瘍生検サンプルを、実行でき、利用できる予備治療および治療の最初のサイクルの後で得る。これらの生検サンプルを遺伝子チップ法を使用した遺伝子発現の分析のために調製し、次いでp53状態、MAP4 RNA発現およびmdr1 RNA発現に関して別々に分析する。
統計方法 処置誘導臨床有害事象(特に、用量限定毒性)または、臨床試験、生命徴候、または健康診断異常(新たに発生したまたはベースラインからの悪化)を同定し、値をフラッグする。異常の割合を一団により作表する。目的の反応割合(完全および部分的反応を含む)を一団により示す。説明的統計学は、一団による基本的薬物動態学パラメーターの要約に使用する。
実施例12:フェーズ1、進行した固体腫瘍の成人患者へのEPO906(エポチロンB)単剤での3週間1回投与の用量調査研究
治験センターの数 2
場所 グラスゴー、イギリスおよびニューカースル、イギリス
目的
第1:急性および蓄積性毒性の両方を含む安全プロフィールの特徴付け、および標準全身治療が失敗したまたはその患者のための標準全身治療が存在しない進行した固体腫瘍の成人患者への3週間1回の静脈内点滴による単剤エポチロンB投与の最大耐量の決定のため。
第2:1.この患者の集団への3週間1回の静脈内点滴により投与された単剤エポチロンBの抗腫瘍活性の薬物動態学の特徴付け;得られるデータは、安全性および効果の予測を助ける薬物動態学/薬物動力学(PK/PD)相関を成すために薬物動態学データと協調する。
2.この患者の集団への3週間1回の静脈内点滴により投与された単剤エポチロンBの抗腫瘍活性の予備的証拠を得るため。
3.3週間1回の静脈内点滴により単剤エポチロンBを投与された進行した固体腫瘍の成人患者の間の腫瘍内医薬レベルを、前臨床モデルと相関させるため。
1週間1回の静脈内点滴により単剤エポチロンBを投与された進行した固体腫瘍の成人患者の間の腫瘍内医薬レベルの、前臨床モデルに対する補正のため。
4.効果および反応と関係する遺伝子を同定するための、利用可能であり、評価可能な治療前および治療後の腫瘍生検サンプルの薬物動態情報を得るため。
企画 これは標準全身治療が失敗したまたはその患者のための標準全身治療が存在しない進行した固体腫瘍の成人患者への3週間毎の静脈内点滴による単剤エポチロンB投与の安全性、薬物動態学および薬力学の公開ラベル、用量漸増試験である。
処置期間は6回21日サイクルまでである。許容できない毒性または疾病進行を経験した患者は早くに打ち切る。完全なまたは部分的反応を達成した患者、または6サイクルの最後に安定した疾病状態の患者は、研究者の判断により、スポンサーによる許可の後に延長プロトコールに従って更に処置を続ける。適格な患者は疾病進行または許容できない毒性まで、更なるサイクルを受ける。
用量限定毒性(DLT)の非存在下で、用量漸増は下記の通り進行する:
1.最初の用量漸増:100%用量増加(グレード2の毒性が第1団で観察されない限り、この場合の用量漸増は25%−67%)。
2.第1から第2団からの100%用量増加に続く用量漸増:グレード2の毒性が同定されない限り、67%用量増加。
3.グレード2の毒性の同定に続く最終用量漸増:研究者およびスポンサーの間で到達した一致に基づいた、25%−67%用量増加。
用量漸増は患者の各団に関する第1サイクルの毒性に基づく。暫定MTDは3−6名の患者の少なくとも2名に用量限定毒性(DLT)が観察される用量レベルのすぐしたと定義する。暫定MTDと定義された一団に、次いでエポチロンBの安全性、薬物動態学および薬力学プロフィールの更なる評価を介してMTDを確認するために合計12名の更なる患者を登録する。
患者内(intrapatient)の用量漸増は認められない。
全ての毒性は改定US National Cancer Institute Common Toxicity Criteriaに従って定義する。DLTを本プロトコールで定義する;しかし、一般に、DLTの性質は、不治の固体腫瘍の設定においてさえ許容できないと考えられるものである。
患者
包含基準
本試験への包含のために以下の基準を満たすべきである:
1.男性または女性患者≧18歳。
2.標準全身的治療および1回までの付加的全身治療に失敗したもの、またはその患者のための標準全身治療が存在しない、組織学的に証明された進行した固体腫瘍。
3.正常の制度上の上限を超えた腫瘍マーカー値を含む、Southwestern Oncology Group(SWOG) Solid Tumor Response Criteriaにより定義された少なくとも一つの測定可能な、または評価可能なまたは評価不可能な疾病の部位。
4.妊娠している可能性のある女性は試験医薬の開始前に血清β−HCG妊娠試験が陰性でなければならない。生殖の可能性のある男性および女性患者は試験の間中および試験医薬の中止後3ヶ月間、避妊に有効な方法を行うことに同意しなければならない。
5.≧2の世界保健機関(WHO)Performance Status Score。
6.少なくとも3ヶ月の余命。
7.スクリーニング法の前に得た署名された告知に基づく同意。
除外基準
以下のものが当てはまる場合、試験からの除外が必要である:
1.妊娠または授乳中の女性患者。閉経後の女性は妊娠の可能性がないことの考慮のために少なくとも12ヶ月無月経でなければならない。
2.重篤なおよび/または抑制できない医学的疾病の患者(即ち、抑制できない糖尿病、鬱血性心疾患、試験の6ヶ月以内の心筋梗塞、慢性腎臓病、または活動正抑制不可能な感染)。
3.識別できる脳転移を有する患者。
4.急性または既知の慢性肝臓疾患の患者(即ち、慢性活動性肝炎、硬変)。
5.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の既知の診断。
6.試験参加前30日以内に治験薬を投与された患者。
7.試験参加前4週間以内に化学療法を受けた患者(ニトロソウレアまたはマイトマイシンCに関しては6週間)。
8.試験参加前4週間以内に事前の放射線治療を受けた患者。
9.先に骨髄の≧25%に放射線治療を受けた患者。
10.試験参加前2週間以内に大手術を受けた患者。
11.医療レジメに対する不従順の経歴のある患者
12.肝臓、腎臓の障害または以下の臨床試験パラメーターにより定義される血液学的機能の患者:
血小板数<100×10/L
絶対的好中球数(ANC)<1.5×10/L
血清ALT(SGPT)またはAST(SGOT)>2.5×正常の制度上の上限(IULN)(肝臓転移の患者では>5×IULN)
血清総ビルビリン>1.5×IULN
血清クレアチニン>1.5×IULN
13.患者は<5年他の初期悪性腫瘍がないか、または、元の場所の非黒色腫皮膚癌および子宮頸癌の場合、活動性疾患がない。
サンプルサイズ 本試験は約40名の患者を必要とする。
処置 透明、無色静脈内濃縮物として1mg/1mlに調剤された個々の2mgガラスバイアルにエポチロンBを入れる。物質をポリエチレングリコール300(PEG300)中に調剤し、50から100ml0.9%Sodium Chloride Injection, USPで希釈し、輸液のための所望の最終濃度を達成する。1回30分静脈内点滴として、21日毎に6サイクル投与する。
出発レベルは0.3mg/mである。この投与量はイヌであるエポチロンBに関して最も感受性の種における最低毒性用量(TDL)の3分の1として計算する。GLP毒性試験−−0.1mg/kg、3週間後に1回に繰り返す−−においてイヌで2倍投与量以下で致死が見られなったため、TLDは0.05mg/kgの範囲を概算する。イヌのmg/kgをヒトのkg/mに変換するため、出発用量を
1/3×0.05mg/kg×20kg/m=0.3mg/m
と計算する。
用量漸増は上記に概説の方法に従う。
試験は、エポチロンBによりもたらされることが既知の血液学的または他の毒性を経験した個体に関する処置延期、投与減少または処置の中断を決める。処置は、患者が疾病進行または許容不可能な毒性を経験しない限り、最大6サイクル投与まで続ける。6サイクルの最後に、完全なまたは部分的な反応を達成した患者および安定な疾病の患者は、研究者の判断により、スポンサーによる許可の後に延長プロトコールに従って更に処置を続ける。
安全性可変性 エポチロンBの安全性は身体検査により、および生命徴候、臨床検査室結果、有害な事象、および付随する医薬の使用の評価により評価する。有害な事象は、顕在化したものおよび申告の両方であり、US National Cancer Institute Expanded Common Toxicity Criteriaを使用して等級付けする。
効果可変性 このフェーズ1試験は効果の検出のために設計されていないが、活性は目標腫瘍反応および無進行の長さおよび全体的生存の割合の関数として証明される。基底腫瘍評価は、全ての測定可能な、評価可能なおよび評価不可能な疾病の最適な試験を含む。評価は身体検査および胸部X線、および、適当な場合、胸郭、腹部および骨盤のコンピューター化断層写真;腹部および骨盤のソノグラフ;全ての骨性領域の骨レントゲン写真を伴う骨シンチグラム;および腫瘍マーカー値の測定を含む。追跡試験は毎2サイクル後および処置の停止後に行う。
目標状態は、SWOG反応基準を基本にしたNovartisガイドラインを使用した臨床評価である。全ての完全なおよび部分的な反応は少なくとも4週間後の第2評価により確認しなければならない。最良の腫瘍反応を、SWOG反応基準を使用して、各患者に関して計算する。
薬物動態学 以下の薬物動態学パラメーターを計算し、サイクル1および2に関して分析する:tmax、Cmax、λ、t1/2、AUCおよびR・R=AUTτサイクル2/AUTτサイクル1を蓄積の指標として評価する。投与比例の先の評価は、異なる投与グループの中の最後の投与量からのAUCに基づく。PK/PDと観察される毒性(例えば、造血)の相関は安全性の予測物として行う。
薬力学 腫瘍生検サンプルを、実行でき、利用できる予備治療および治療の最初のサイクルの後で得、効果および反応と相関した生物学的因子を同定する。
統計方法 処置誘導臨床有害事象(特に、用量限定毒性)または、研究室、生命徴候、または健康診断異常(新たに発生したまたはベースラインからの悪化)を同定し、値をフラッグする。異常の割合を一団により作表する。目的の反応割合(完全および部分的反応を含む)を一団により示す。説明的統計学は、一団による基本的薬物動態学パラメーターの要約に使用する。
考察:一緒に考えて、実施例はエポチロンBでの処置が
a)また標準処置が失敗した腫瘍、例えば、5−フルオロウラシル処置が失敗した大腸腫瘍、またはTAXOL(登録商標)が失敗したものに対して;
b)またTAXOL(登録商標)処置が失敗した腫瘍、例えば、肺、特に非小細胞胚癌、および/または類上皮、特に子宮頸癌に対して;
c)また正位置腫瘍および、例えば、前立腺癌における転移の形成に対して;
d)またインビトロアッセイ(実施例3)において、エポチロンBがTAXOL(登録商標)より高い活性を示す乳癌に対して
有効である証拠を提供する。
好ましい投与レジメは、MTDの約1/3から2/3での毎週の処置からMTD1回までの範囲であり、最良の処置は毎週から3週間に1回投与の範囲である。

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  1. 増殖性疾患の処置のためのエポチロンを含む医薬製剤。
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