JP2011173841A

JP2011173841A - 水性洗浄料

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Publication number: JP2011173841A
Application number: JP2010040170A
Authority: JP
Inventors: Yuji Sakai; 裕二酒井; Yuichiro Takeyama; 雄一郎竹山; Miho Ohata; 美穂大畑
Original assignee: Pola Chemical Industries Inc
Current assignee: Pola Chemical Industries Inc
Priority date: 2010-02-25
Filing date: 2010-02-25
Publication date: 2011-09-08
Anticipated expiration: 2030-02-25
Also published as: JP5734574B2

Abstract

【課題】化粧料の水性洗浄料に関し、起泡性がよく、高温経時安定性に優れた洗浄組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】高級脂肪酸を３０〜４５質量％含有し、該高級脂肪酸の構成として全高級脂肪酸量に対してミリスチン酸及びパルミチン酸の含有率の和が６５〜１００質量％であり、ミリスチン酸とパルミチン酸の質量比が１：１〜１：５である組成物を基剤とすることにより、４０℃以上で安定性の高いヘキサゴナル液晶を形成させ、目的とする水性洗浄料が提供された。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性洗浄料に関し、更に詳細には、起泡性がよく、高温経時安定性に優れた洗浄組成物に関する。

化粧料における洗浄料は、油性洗浄料と水性洗浄料に大別でき、このうち水性洗浄料は更に、脂肪酸のナトリウム石けんやアシルアミノ酸塩を洗浄成分とする固形石けん、脂肪酸の有機アミン石けんや両性界面活性剤などを洗浄成分とする、液状の洗浄料、及び、脂肪酸のカリウム石けんを洗浄成分とするクリーム状洗浄料に分類できる。これらの内、クリーム状洗浄料は、泡立て機能に優れ、こしの強い、空気含有率の高い泡を容易に立てられることから、特に肌をいたわるべきシチュエーションで用いられる洗浄料には好適に適用される。

一方、クリーム状洗浄料は、固形石けんや液状洗浄料と異なり、高温で長期間保存すると、分離や凝集物等により品質が著しく悪化することが知られている。しかしながら、洗浄料を使用する場所や保管場所は、高温になりやすい場所、たとえば風呂場や洗面所の窓際である可能性は十分にある。従って、クリーム状洗浄料において、泡立て機能に優れ、しかも高温での安定性を高める技術の開発が望まれていた。

そこで、泡立てや高温安定性を改善することを目的としたクリーム状洗浄料として、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸を特定の比率で組み合わせるとともにステアリン酸を含まない組成物（例えば、特許文献１）、炭素数１９〜２２の脂肪酸およびグリセリンや１,３−ブチレングリコール等の水溶性多価アルコールを含む組成物（例えば、特許文献２）、パルミチン酸とステアリン酸を高濃度配合し、さらにジグリセリンを１０質量％以上配合する組成物（例えば、特許文献３）が提案されている。またクリーム状ではないが、液状洗浄料として、ラウリン酸やミリスチン酸を高濃度配合した組成物（例えば、特許文献４）、これに両性界面活性剤を含む組成物（例えば、特許文献５）が提案されている。さらにカチオン性高分子を含有し、ミリスチン酸とパルミチン酸の総含有量を高めた組成物（例えば、特許文献６）が提案されている。しかし、いずれの組成物も高温での長期保存において、分離や凝集物等により品質が悪化する場合があるという課題が存在した。

一方、クリーム状の水性洗浄料において、１）高級脂肪酸を３０〜４５質量％含有し、２）該高級脂肪酸の構成として全高級脂肪酸量に対してミリスチン酸及びパルミチン酸の含有率の和が６５〜１００質量％であり、３）ミリスチン酸とパルミチン酸の質量比が１：１〜１：５である水性洗浄料が、起泡性および高温での安定性に優れることは全く知られていなかった。

特開１９９８−１８２４１９号公報特開２００４−３００３３６号公報特開２００７−３０２６１１号公報特開１９９６−１３３９６２号公報特開１９９７−１５７１５４号公報特願２００９−１６５８４８号公報

本発明は、起泡性がよく、高温経時安定性に優れた洗浄組成物を提供することを目的とする。

この様な状況に鑑みて、本発明者らは、起泡性がよく、高温経時安定性に優れた洗浄組成物を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、高級脂肪酸を３０〜４５質量％含有し、該高級脂肪酸の構成として全高級脂肪酸量に対してミリスチン酸及びパルミチン酸の含有率の和が６５〜１００質量％であり、ミリスチン酸とパルミチン酸の質量比が１：１〜１：５である組成物を基剤とすることにより、４０℃以上で安定性の高いヘキサゴナル液晶を形成させ、そのような技術の具現化がなし得ることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
（１）クリーム状の水性洗浄料において、１）高級脂肪酸を３０〜４５質量％含有し、２）該高級脂肪酸の構成として全高級脂肪酸量に対してミリスチン酸及びパルミチン酸の含有率の和が６５〜１００質量％であり、３）ミリスチン酸とパルミチン酸の質量比が１：１〜１：５であることを特徴とする水性洗浄料。
（２）中和剤の全高級脂肪酸の完全中和剤量に対する割合が、高級脂肪酸量３０〜３５質量％未満の場合は７５〜９０％、高級脂肪酸量３５〜４０質量％未満の場合は７０〜８５％、高級脂肪酸量４０〜４５質量％の場合は６５〜８０％であることを特徴とする、（１）に記載の水性洗浄料。
（３）さらに、糖アルコールを含有することを特徴とする、（１）又は（２）に記載の水性洗浄料。

本発明によれば、起泡性がよく、高温経時安定性に優れた洗浄組成物を提供することができる。

＜１＞本発明の水性洗浄料の基剤
本発明の水性洗浄料は、１）石けんを形成すべき高級脂肪酸を３０〜４５質量％含有し、２）該高級脂肪酸の構成として全高級脂肪酸量に対してミリスチン酸及びパルミチン酸の含有率の和が６５〜１００質量％であり、３）ミリスチン酸とパルミチン酸の質量比が１：１〜１：５、より好ましくは１：２〜１：３であり、４）中和剤の全高級脂肪酸の完全中和剤量に対する割合が、高級脂肪酸量３０〜３５質量％未満の場合は７５〜９０％、より好ましくは８０〜８５％、高級脂肪酸量３５〜４０質量％未満の場合は７０〜８５％、より好ましくは７５〜８０％、高級脂肪酸量４０〜４５質量％の場合は６５〜８０％、より好ましくは７０〜７５％であることを特徴とする。このような構成を採用することにより、起泡性がよく、高温経時安定性に優れた洗浄組成物を提供することができる。石けんを形成する対イオンとしてはカリウムイオンが好ましく、カリウムイオンの１〜３割程度を他のカチオン、例えばナトリウムイオン、アルギニン残基、アシルグルタミン酸残基などに置換し、複合石けんとすることも可能である。

本発明の水洗洗浄料には、前記必須構成要素以外に、通常洗浄料で使用される任意成分を含有することができる。かかる任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−２−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−２−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−２−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−２−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−２−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−２−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン（ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等）、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤（２−ココイル−２−イミダゾリニウムヒドロキサイド−１−カルボキシエチロキシ２ナトリウム塩等）、ベタイン系界面活性剤（アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等）、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類（ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等）、グリセリン脂肪酸類（モノステアリン酸グリセリン等）、プロピレングリコール脂肪酸エステル類（モノステアリン酸プロピレングリコール等）、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ＰＯＥソルビタン脂肪酸エステル類（ＰＯＥソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等）、ＰＯＥソルビット脂肪酸エステル類（ＰＯＥ−ソルビットモノラウレート等）、ＰＯＥグリセリン脂肪酸エステル類（ＰＯＥ−グリセリンモノイソステアレート等）、ＰＯＥ脂肪酸エステル類（ポリエチレングリコールモノオレート、ＰＯＥジステアレート等）、ＰＯＥアルキルエーテル類（ＰＯＥ２−オクチルドデシルエーテル等）、ＰＯＥアルキルフェニルエーテル類（ＰＯＥノニルフェニルエーテル等）、プルロニック型類、ＰＯＥ・ＰＯＰアルキルエーテル類（ＰＯＥ・ＰＯＰ２−デシルテトラデシルエーテル等）、テトロニック類、ＰＯＥヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体（ＰＯＥヒマシ油、ＰＯＥ硬化ヒマシ油等）、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、１，３−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、２，４−ヘキシレングリコール、１，２−ヘキサンジオール、１，２−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸，ローカストビーンガム，サクシノグルカン，カロニン酸，キチン，キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸（シリカ）、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色２０２号、赤色２２８号、赤色２２６号、黄色４号、青色４０４号、黄色５号、赤色５０５号、赤色２３０号、赤色２２３号、橙色２０１号、赤色２１３号、黄色２０４号、黄色２０３号、青色１号、緑色２０１号、紫色２０１号、赤色２０４号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、２−（２’−ヒドロキシ−５’−ｔ−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、４−メトキシ−４’−ｔ−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンＡ又はその誘導体、ビタミンＢ_６塩酸塩，ビタミンＢ_６トリパルミテート，ビタミンＢ_６ジオクタノエート，ビタミンＢ_２又はその誘導体，ビタミンＢ_１２，ビタミンＢ_１５又はその誘導体等のビタミンＢ類、α−トコフェロール，β−トコフェロール，γ−トコフェロール，ビタミンＥアセテート等のビタミンＥ類、ビタミンＤ類、ビタミンＨ、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。

かかる基剤は、そのまま洗浄料に加工して使用することも可能であるが、次に示す成分を加えて洗浄料に加工して使用することが好ましい。

＜２＞本発明の水性洗浄料に含有される糖アルコール
本発明の水性洗浄料は、前記水性洗浄料基剤に加えて、好ましくは、糖アルコールを含有することを特徴とする。

ここで糖アルコールとは、アルドースやケトースのカルボニル基が還元されて生成する糖の一種をいう。糖アルコールとしては、通常、化粧品に用いられる糖アルコールであれば、特段の制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、該糖アルコールの具体例としては、例えば、ソルビトール、トレハロース、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、ラクチトール、Ｄ−トレイトール、Ｌ−トレイトール、Ｄ−アラビニトール、Ｌ−アラビニトール、アドニトール、Ｄ−イジトール、ガラクチトール、ボレミトール、ペルセイトールなどが好適に例示でき、これらの中でも、ソルビトール、トレハロース、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、マンニトールが特に好ましい。

以下に、実施例を示して、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が実施例のみに限定されないことは、言うまでもない。

＜実施例１＞
表１に従って、水性洗浄料を作製した。即ち、イ、ロの成分を秤量し、８０℃に加温し、攪拌下イにロを加え、攪拌冷却し、実施例１の水性洗浄料を得た。これに準じて、実施例２〜１５、比較例１〜１１も作製した。

＜実施例２〜１５、比較例１〜１１＞
実施例１と同様にして、表２〜５に従って、実施例２〜１５、比較例１〜１１の水性洗浄料を作製した。

＜試験例１＞
実施例１〜１５、比較例１〜１１で作製した水性洗浄料を、透明ガラス容器に密封して２０℃、４５℃で保存し、１ヶ月後、３ヶ月後の外観状態を観察して、以下に示す４段階で評価し、○、◎の場合を経時安定性が良好と判断した。結果を表２〜表５に示す。
◎：非常に良好・・・２０℃保存品と比較して外観の変化はなく、分離や凝集物もみられない。
○：良好・・・２０℃保存品と比較して外観の変化はほとんどなく、分離や凝集物もほとんどみられない。
△：やや不良・・・２０℃保存品と比較して外観の変化がみられ、分離や凝集物も確認される。
×：不良・・・２０℃保存品と比較して外観の変化が著しくみられ、分離や凝集物も明確に確認される。

＜試験例２＞
実施例に準じて作製した水性洗浄料１ｇを、１００ｇの水を加えて、ミキサーで１分間処理して起泡させ、これをメスシリンダーに取り、泡の体積を測定して、以下のように評価した。結果を表２〜表５に示す。
◎：実施例１と比較して、泡の体積が２０％以上大きい
○：実施例１と比較して、泡の体積が同レベル（±２０％以内）
△：実施例１と比較して、泡の体積が２０％以上小さい
×：実施例１と比較して、泡の体積が非常に小さい（５０％以下）、あるいはほとんど泡が立たない。

表２〜５の結果より、実施例１〜１５の本発明の水性洗浄料は、いずれも経時安定性がよく、起泡性に優れていることがわかった。一方、比較例１〜１１の水性洗浄料は、十分な性能が得られていない。すなわち、高温での経時安定性あるいは起泡性で課題があることがわかった。

本発明は、水性洗浄料に応用できる。

Claims

クリーム状の水性洗浄料において、１）高級脂肪酸を３０〜４５質量％含有し、２）該高級脂肪酸の構成として全高級脂肪酸量に対してミリスチン酸及びパルミチン酸の含有率の和が６５〜１００質量％であり、３）ミリスチン酸とパルミチン酸の質量比が１：１〜１：５であることを特徴とする水性洗浄料。
中和剤の全高級脂肪酸の完全中和剤量に対する割合が、高級脂肪酸量３０〜３５質量％未満の場合は７５〜９０％、高級脂肪酸量３５〜４０質量％未満の場合は７０〜８５％、高級脂肪酸量４０〜４５質量％の場合は６５〜８０％であることを特徴とする、請求項１に記載の水性洗浄料。
さらに、糖アルコールを含有することを特徴とする、請求項１又は２に記載の水性洗浄料。