JP2011173815A - 皮膚消毒用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な消毒作用と保湿作用を有し、皮膚に対する刺激感が小さい皮膚消毒用組成物を提供する。
【解決手段】液状馬油(A)0.1〜1.6質量%、イソプロパノールを必須成分として含むアルコール組成物(B)79〜99質量%(但し、アルコール組成物(B)の組成中、イソプロパノールの割合が、60質量%以上である。)、及び、水(C)1〜20質量%、を含有することを特徴とする皮膚消毒用組成物。(但し、液状馬油(A)、アルコール組成物(B)及び水(C)の合計を100質量%とする。)
【選択図】なし

Description

本発明は、消毒作用及び保湿作用を有する皮膚消毒用組成物に関する。
従来から、手指の消毒や感染症等の防止のため、病院や一般家庭などで使用される皮膚用消毒液が種々提案されている。これらは殺菌成分を含む消毒液と、殺菌成分を含まない高濃度アルコールを含むアルコール系消毒液とがある。
このうち、アルコール系消毒液は、高濃度アルコールによる殺菌力を有し、人体に対する刺激がそれほど大きくないため、抵抗力の弱い幼児や老人へも安心して使用することができるため広く受け入れられている。また、アルコール系消毒液は速乾性があるため、頻繁に手指の洗浄・消毒を行う必要がある医療関係者や介護関係者等の簡易的な消毒の場合には、アルコール系消毒液が適している。
このようなアルコール系消毒液は、高濃度(50質量%以上)のエタノールやイソプロパノールなどを消毒作用の主成分とし、必要に応じて他成分を添加したものである(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、高濃度アルコールは、消毒効果は高いものの、脱脂作用が強く、皮膚から皮脂流失の原因となり、頻繁に使用すると肌荒れを生じさせる。
そのため、このような消毒用組成物には皮膚刺激性の低減や、すすいだ後の肌感触の改善を目的として、保湿剤を添加することが多い。例えば、特許文献2には、保湿成分としてポリエチレングリコール、プロピレングリコール及びブチレングルコールを使用した消毒用組成物が開示されている。
特公平7−29884号公報 特開平7−165571号公報
しかしながら、上述の消毒用組成物に含まれる従来の石油などを原料とする保湿成分は、アレルギーの原因となることがある。そのため、日常に高頻度に使用される、消毒用アルコールの添加物としては、必ずしも適当とはいえなかった。一方で、動物性油脂、植物性油脂由来の保湿成分は、消毒用アルコールとの混合が困難であり、保存時における経時安定性を保つことができないと考えられてきた。
かかる状況下、本発明の目的は、十分な消毒作用と保湿作用を有し、皮膚に対する刺激感が小さい皮膚消毒用組成物を提供することである。
本発明者は、人の角質層の細胞間脂質に近く優れたスキンケア成分である馬油に注目して、消毒用アルコールへの配合を試みた。従来、疎水性である馬油は、アルコールとの混和性が低く、エタノールなどの消毒用アルコールへの混合は、乳化剤を多量に使用する以外不可能であり、消毒用アルコールの保湿成分としては不適当と考えられてきた。本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、原料馬脂を精製処理した液状馬油と、イソプロパノールとが乳化剤を使用せずとも十分な相溶性を有することを見出した。そして、液状馬油とイソプロパノール及び水分の割合を適当な範囲とすることによって、上記目的に達成できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 液状馬油(A)0.1〜1.6質量%、イソプロパノールを必須成分として含むアルコール組成物(B)79〜99質量%(但し、アルコール組成物(B)の組成中、イソプロパノールの割合が、60質量%以上である。)、及び、水(C)1〜20質量%、を含有する皮膚消毒用組成物。
(但し、液状馬油(A)、アルコール組成物(B)及び水(C)の合計を100質量%とする。)
<2> 液状馬油(A)の曇点が、7℃以下である前記<1>記載の皮膚消毒用組成物。
<3> 液状馬油(A)の曇点が、−2℃以下である前記<1>記載の皮膚消毒用組成物。
<4> アルコール組成物(B)が、エタノール25〜40質量%を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の皮膚消毒用組成物。
<5> アルコール組成物(B)が、イソプロパノール60〜75質量%と、エタノール25〜40質量%からなる前記<1>から<3>のいずれかに記載の皮膚消毒用組成物。
本発明によると、精製した液状馬油により、保湿力に優れ、肌への刺激感や使用後のかさつき感が少ない皮膚消毒用組成物が提供される。
本発明は、液状馬油(A)0.1〜1.6質量%、イソプロパノールを必須成分として含むアルコール組成物(B)79〜99質量%(但し、アルコール組成物(B)の組成中、イソプロパノールの割合が、60質量%以上である。)、及び、水(C)1〜20質量%、を含有する皮膚消毒用組成物(但し、液状馬油(A)、アルコール組成物(B)及び水(C)の合計を100質量%とする。)に係るものである。
以下、詳細に説明する。
液状馬油(A)は、馬脂をレンダリングして溶出した油分を脱ガム、脱酸、脱臭、分別を行うことによって得られる液体の油であり、本発明の皮膚消毒用組成物において保湿性を付与する作用がある。液状馬油(A)は、公知の方法、例えば、特開平3−128308号公報に記載の製造方法に準じる方法で得た精製馬油を分別して得ることができる。
簡単に説明すると、所定量の馬の脂身(原料馬脂)をレンダリング用クッカーに入れ、減圧下、80℃〜130℃程度の温度条件にて撹拌し、溶出した油分を分取する。レンダリングは乾式でも湿式でもよい。得られた油分をリン酸処理装置で減圧下、90℃程度で撹拌しながら所定量のリン酸を添加し、所定の時間処理することにより生じた凝固ガム質を遠心分離して脱ガムを行う。次いで、脱ガム後の原油をアルカリ処理槽にて希薄苛性ソーダにて遊離脂肪酸を除去し、更に活性白土を添加して色素を吸着させた後にろ過する。さらにろ過して得られた液体を脱臭塔におくり、水蒸気蒸留を行うことによって有臭揮発成分を除去し、精製馬油(原液)を得る。
次いで、精製馬油のウィンタリングを行う。ウィンタリングは、液状油を冷却することにより液状油から飽和脂肪酸等の固脂を分離することである。具体的には、精製馬油を所定の温度で所定の時間(3〜5日程度)静置することで液状油と、固脂を分離することができる。
上述のウィンタリングにおける温度設定によって、得られる液状馬油(A)の曇点、すなわち、液状馬油から固形成分の析出する温度が決定される。なお、曇点は、日本油化学会制定の基準油脂分析試験法に準拠した方法によって測定することができる。
この曇点が、気温を超えると、最終品である皮膚消毒用組成物においても馬油由来の固形成分が析出するおそれがある。そのため、液状馬油(A)は、曇点が7℃以下であることが好ましく、特に1℃以下であることが好ましく、中でも−2℃以下であることが好ましい。曇点が7℃を超えると、低温(7℃以下)に実質的に馬油成分が析出することがあるため、馬油の添加効果が得られない場合がある。
特に曇点が1℃以下であると、本発明の皮膚消毒用組成物から、より低温(3℃程度)まで馬油成分が析出せず、析出した場合においても温度を上げると容易に溶解する。さらに、曇点が−2℃以下であると、実質的に0℃まで使用できるため特に好適である。
なお、液状馬油(A)の曇点の下限値には特に限定はなく、曇点が低温であるほど、より低温の環境下でも固化した馬油の析出がおこらないため好適である。一方で、曇点が低温であるほど原料馬脂から分取できる量が少なくなるため、本発明の消毒用組成物に使用される液状馬油(A)の曇点の下限値は、−4℃程度で十分である。
液状馬油(A)の割合は、皮膚消毒用組成物全量に対して、0.1〜1.6質量%であり、0.5〜1質量%がより好ましい。0.1質量%未満であると、保湿作用が不十分となり、1.6質量%を超えると、液状馬油(A)が分離するため好ましくない。
液状馬油(A)には、品質劣化の抑制のため、酸化防止剤が添加されていることが好ましい。酸化防止剤としては、トコフェロール(ビタミンE)、2−ブチル−ヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)などが挙げられ、トコフェロールが特に好適である。酸化防止剤の添加量は、液状馬油(A)に対して、通常、0.01〜0.1質量%、好ましくは、0.02〜0.06質量%である。
アルコール組成物(B)は、イソプロパノール(別名:2−プロパノール)を60質量%以上含有するアルコール組成物である。イソプロパノールは、消毒作用を有し、かつ、上記液状馬油(A)を溶解することができるアルコールである。なお、液状馬油(A)の溶解安定性を向上させるという観点からは、アルコール組成物(B)中のイソプロパノールの割合は、70質量%以上であることが好ましい。
また、アルコール組成物(B)は、エタノールを含んでいることが好ましい。エタノールは、イソプロパノールより強い消毒作用を有すアルコールであり、親水性が高いため、単独では馬油を十分量溶解できないものの、アルコール組成物(B)の一成分として、所定の割合をイソプロパノールと混合することができる。
アルコール組成物(B)に対するエタノールの割合は、25〜40質量%であることが好ましい。エタノールのアルコール組成物(B)に対する割合が、25質量%未満であると、エタノールを添加したことによる消毒作用の向上効果が顕著に認められない。また、エタノールは、親水性が強く、馬油の溶解性が小さいため、40質量%を超えると、馬油成分が分離しやすくなるため好ましくない。
なお、アルコール組成物(B)は、イソプロパノールやエタノール以外の他のアルコールを含んでいてもよい。他のアルコールとして、具体的には、メタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、グリセリンなどが挙げられる。
一方で、他のアルコールは、イソプロパノール、エタノールと比較して、消毒作用が弱く、また、安全性が懸念されるものも含まれる。そのため、アルコール組成物(B)は、 アルコール組成物(B)が、イソプロパノール60〜75質量%と、エタノール25〜40質量%からなり、他のアルコールを含有しないことが好ましい。
そして、他のアルコールを含有する場合にもアルコール組成物(B)に対する割合として、15質量%以下であることが好ましい。
アルコール組成物(B)の割合は、皮膚消毒用組成物全量に対して、79〜99質量%であり、83〜95質量%がより好ましい。79質量%未満であると、消毒作用が不十分となり、また、液状馬油(A)が分離しやすくなる。一方で、アルコール組成物(B)におけるイソプロパノール(及びエタノール)の消毒作用は、水(C)が存在することによって増強されるため、アルコール組成物(B)の割合が、99質量%を超えると消毒作用が不十分となる場合がある。
水(C)は、本発明の皮膚消毒用組成物に保湿性を与えると共に、上述のようにイソプロパノール(及びエタノール)の消毒作用を増強する目的で配合される。その割合は、皮膚消毒用組成物全量に対して、1〜20質量%であり、4〜8質量%がより好ましい。水(C)の割合が、1質量%未満であると、保湿性および消毒作用が不十分となり、20質量%を超えると、液状馬油(A)が分離するため好ましくない。
また、本発明の皮膚消毒用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で通常皮膚消毒用組成物や皮膚外用医薬などで使用される任意の成分を含有することができる。これら任意成分の配合割合は、その目的に応じて適宜選択して決定することができる。例えば、従来公知の消毒殺菌剤、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、色素剤、防腐剤、pH調整剤、香料等が挙げられる。
本発明で用いる皮膚消毒用組成物は、所定量の上記原料成分を混合することにより製造することができる。
混合方法は任意であるが、実質的に液状馬油(A)が均一になるまで行われる。混合時間は、原料組成、特に液状馬油(A)の物性に依存するが、数分から数日程度である。
製造時の液状馬油(A)の分離を抑制し、また、混合時間を短縮するために、アルコール組成物(B)の成分であるイソプロパノールに液状馬油(A)を溶解させたのちに、残りの成分(アルコール組成物(B)の残りアルコール成分及び水(C))を添加して混合する方法が好ましい。
混合温度は、馬油成分が析出しない温度、すなわち、液状馬油(A)の曇点以上の温度であればよい。上限温度は特に制限はないが、アルコール組成物(B)の揮発による減少を抑制するために、60℃以下が好ましく、好適には40℃以下であり、通常、室温である。
本発明の皮膚消毒用組成物は、皮膚に塗布する際にのびがよく、保湿力に優れ、肌への刺激感や使用後のかさつき感が少ない。液状馬油(A)の曇点未満の温度で保管すると、油脂成分の結晶析出があるが、常温まで戻し攪拌することにより速やかに再溶解する。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
使用した試薬は次の通りである。
「試薬」
・エタノール(和光純薬工業株式会社製、324-00037)
・2−プロパノール(和光純薬工業株式会社製、166-04836)
・グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン株式会社製、ポエム B-10)
・ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製、リョートーシュガーエステル P-1670)
・グリセリン(日油株式会社、食添グリセリン)
「精製液状馬油の製造」
液状馬油は特開平3−128308号公報で開示された方法に準拠した方法にて、製造した。すなわち、所定量の馬の脂身をレンダリング用クッカーに入れ、真空−500mmHgG、温度105℃〜110℃の条件にて撹拌し、溶出した油を遠心分離機で分取した。得られた液体をリン酸処理装置で真空−600mmHgG、温度93℃の条件で撹拌しながらリン酸を0.03%添加し、所定の時間処理することにより生じた凝固ガム質を遠心分離して脱ガムを行った。
次いで、脱ガム後の原油をアルカリ処理槽にて希薄苛性ソーダにて遊離脂肪酸を除去し、更に活性白土を添加して色素を吸着させた後にろ過した。さらにろ過して得られた液体を脱臭塔におくり、温度250℃、真空度3Torr(abs.)にて水蒸気蒸留を行うことによって有臭揮発成分を除去し、精製馬油(原液)を得た。なお、精製馬油(原液)には酸化防止剤としてトコフェロールを適当量添加した。
次いで、精製馬油(原液)のウィンタリングを行った。
(分別1回目)
精製馬油(原液)を室温(23℃)にて4日間攪拌(5rpm)したのちにろ過し、液状油と固脂に分離した。なお、分別1回後に得られた液状油の曇点は、6.7℃であった。
(分別2回目)
得られた液状油を、18℃にて4日間攪拌(5rpm)したのちにろ過し、液状油と固脂に分離した。なお、分別2回後に得られた液状油の曇点は、0.8℃であった。
(分別3回目)
得られた液状油を、7℃にて5日間攪拌(5rpm)したのちにろ過し、液状油と固脂に分離した。なお、分別3回後に得られた液状油の曇点は、0.1℃であった。
(分別4回目)
得られた液状油を、3℃にて3日間攪拌(5rpm)したのちにろ過し、液状油と固脂に分離した。なお、分別4回後に得られた液状油の曇点は、−4.0℃であった。
次いで、分別4回後に得られた液状油を、真空度8Torr(abs.)、温度220℃の条件にて水蒸気蒸留を行い、蒸留されずに残った液体に適当量のトコフェロールを添加することによって、目的物である液状馬油を得た。作製した液状馬油及び上記試薬を用いて下記の消毒用組成物を製造した。
(試験例1)
室温(約23℃)にて、所定の容器に入れたIPA84.8重量部に対して、液状馬油0.5重量部を添加し、攪拌機(新東科学株式会社製、型番:スリーワンモータ BL600)を用いて、200rpmにて5分間撹拌混合した。次いで、水14.7重量部を添加し、同攪拌機で5分撹拌することによって、試験例1の組成物を得た。該組成物は、白濁のない均一な溶液であり、24時間室温放置した後も均一溶液のままであり、油分の分離は確認されなかった。表1に組成、結果を示す。
(試験例2)
原料組成を、IPA79.8重量部、精製液状馬油0.5重量部、水19.7重量部に変更した以外は、試験例1と同様にして、試験例2の組成物を得た。該組成物は、うっすらと白濁がみられたものの均一な溶液であり、24時間室温放置した後も均一溶液のままであり、油分の分離は確認されなかった。表1に組成、結果を示す。
(試験例3)
原料組成を、IPA69.8重量部、精製液状馬油0.5重量部、水29.7重量部に変更した以外は、試験例1と同様にして、試験例3の組成物を得た。該組成物は、白濁し透明にならなかった。表1に組成、結果を示す。
(試験例4)
室温(約23℃)にて、所定の容器に入れたIPA93.4重量部に対して、液状馬油0.5重量部を添加し、攪拌機(新東科学株式会社製、型番:スリーワンモータ BL600)を用いて、200rpmにて5分間撹拌混合した。次いで、エタノール5.0重量部及び水1.1重量部を添加し、同攪拌機で5分撹拌することによって、試験例4の組成物を得た。該組成物は、白濁のない均一な溶液であり、24時間室温放置した後も均一溶液のままであり、油分の分離は確認されなかった。表1に組成、結果を示す。
(試験例5)
原料組成を、IPA66.5重量部、精製液状馬油0.5重量部、エタノール26.4重量部、水6.6重量部に変更した以外は、試験例4と同様にして、試験例5の組成物を得た。該組成物は、白濁のない均一な溶液であり、24時間室温放置した後も均一溶液のままであり、油分の分離は確認されなかった。表1に組成、結果を示す。
(試験例6)
原料組成を、IPA63.9重量部、精製液状馬油0.5重量部、エタノール25.6重量部、水10.0重量部に変更した以外は、試験例4と同様にして、試験例6の組成物を得た。該組成物は、うっすらと白濁がみられたものの均一な溶液であり、24時間室温放置した後も均一溶液のままであり、油分の分離は確認されなかった。表1に組成、結果を示す。
(試験例7)
原料組成を、IPA66.1重量部、精製液状馬油0.8重量部、エタノール26.5重量部、水6.6重量部に変更した以外は、試験例4と同様にして、試験例7の組成物を得た。該組成物は、白濁のない均一な溶液であり、24時間室温放置した後も均一溶液のままであり、油分の分離は確認されなかった。表1に組成、結果を示す。
(試験例8)
原料組成を、IPA66.0重量部、精製液状馬油1.0重量部、エタノール26.4重量部及び水6.6重量部に変更した以外は、試験例4と同様にして、試験例8の組成物を得た。該組成物は、白濁のない均一な溶液であり、24時間室温放置した後も均一溶液のままであり、油分の分離は確認されなかった。表1に組成、結果を示す。
(試験例9)
原料組成を、IPA66.0重量部、精製液状馬油1.5重量部、エタノール26.0重量部及び水6.5重量部に変更した以外は、試験例4と同様にして、試験例9の組成物を得た。該組成物は、若干白濁したもののほぼ均一な溶液であり、24時間室温放置した後も均一溶液のままであり、水分と油分との明確な分離は確認されなかった。表1に組成、結果を示す。
(試験例10)
原料組成を、IPA65.5重量部、精製液状馬油2.0重量部、エタノール26.0重量部及び水6.5重量部に変更した以外は、試験例4と同様にして、試験例10の組成物を得た。該組成物は、白濁し透明にならなかった。表1に組成、結果を示す。
(試験例11)
原料組成を、IPA59.7重量部、精製液状馬油0.5重量部、エタノール31.8重量部及び水8.0重量部に変更した以外は、試験例4と同様にして、試験例11の組成物を得た。該組成物は、白濁のない均一な溶液であり、24時間室温放置した後も均一溶液のままであり、油分の分離は確認されなかった。表1に組成、結果を示す。
(試験例12)
原料組成を、IPA54.7重量部、精製液状馬油0.5重量部、エタノール35.8重量部及び水9.0重量部に変更した以外は、試験例4と同様にして、試験例12の組成物を得た。該組成物は、若干白濁したもののほぼ均一な溶液であり、24時間室温放置した後も均一溶液のままであり、水分と油分との明確な分離は確認されなかった。表1に組成、結果を示す。
(試験例13)
原料組成を、IPA49.7重量部、精製液状馬油0.5重量部、エタノール39.8重量部及び水10.0重量部に変更した以外は、試験例4と同様にして、試験例13の組成物を得た。該組成物は、白濁し透明にならなかった。表1に組成、結果を示す。
(試験例14)
原料組成を、IPA30.0重量部、精製液状馬油0.5重量部、エタノール55.6重量部及び水13.9重量部に変更した以外は、試験例4と同様にして、試験例14の組成物を得た。該組成物は、若干乳化するもの水分と油分の分離が確認された。表1に組成、結果を示す
(試験例15)
原料組成を、IPA20.0重量部、精製液状馬油0.5重量部、エタノール63.6重量部及び水15.9重量部に変更した以外は、試験例4と同様にして、試験例15の組成物を得た。該組成物は、ほとんど乳化せず、水分と油分とが分離していた。
表1に組成、結果を示す。
上記試験例の消毒用組成物のうち、白濁、分離を起こさなかった消毒用組成物について、以下の消毒性評価および保湿性評価を行った。
「消毒性評価」
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)あるいはO−157(腸管出血性大腸菌)をSCD寒天培地にて30℃、24時間培養した後に、各培養菌を滅菌生理食塩水に懸濁し、約108個/mLに調整した試験菌液を作製した。各試験菌液を、プラスチック基板に接種した後、被接種表面に、上記試験例の消毒用組成物をそれぞれスプレー塗布しサンプルとした。また、本発明の消毒用組成物の代わりに水をスプレー塗布し、対照とした。
2時間後、サンプル及び対照の基板からサンプリングし、それを寒天培地上で培養した際のコロニー形成状況により、それぞれの消毒用組成物の消毒効果を評価した。
結果を表1に併せて示す。なお、表1において、評価基準は以下の通りである。
(評価基準)
○:ほとんどコロニーの形成が確認されない
△:若干コロニーを形成するが対照と比較して明らかに少ない
×:対照と同程度にコロニーが形成する

評価を行ったすべての消毒用組成物が消毒作用を示し、本発明の消毒用組成物は、アルコールの消毒作用を保持していることが確認された。特にエタノールを含む試験例は、強い消毒作用を示した。
「保湿性評価」
パネラー20人に各消毒用組成物を使用してもらい、以下の基準で保湿効果を評価した。結果を表1に併せて示す。なお、評価結果はパネラーの平均点により示した。
(評価基準)
ほとんど手が荒れず保湿効果を感じた:2点
若干の保湿効果を感じた:1点
保湿効果を感じない:0点

評価を行ったすべての消毒用組成物が1.0点以上であり、本発明の消毒用組成物は、保湿作用を有していることが確認された。
Figure 2011173815
本発明の皮膚消毒用組成物の消毒性をより詳細に評価するために、試験例5の組成物について、殺菌効力試験を行った。試験条件は以下の通りである。
(1)試験菌
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus、NBRC13276)
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa、NBRC13275)
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、IID1677)
O−157(腸管出血性大腸菌、RIMD0509939)
(2)試験菌液の調整
各試験菌を寒天培地にて30℃、24時間培養した後に、各培養菌を滅菌生理食塩水に懸濁し、約108個/mLに調整した試験菌液を作製した。
(3)殺菌効力試験
あらかじめ25℃の恒温に保存した検体(試験例5の組成物)19.8gを滅菌バイアル瓶にとり、これに試験菌液を1%量(0.2mL)接種した。接種後、15秒、30秒、60秒、120秒後に1gサンプリングして、LP希釈液(大豆レシチン:0.7g、ポリソルベート80:20g、ペプトン:1g、精製水1000mLからなる液体)9mLにて希釈する。得られた希釈液を段階希釈し、寒天平板混釈法によって生菌数を測定した。なお、生菌数の測定培地はSCDLP寒天培地を使用し、培養条件は、30℃、3日間である。

試験結果を表2に示す。表2から評価したすべての菌が15秒以内に実質的に殺菌されており、本発明の皮膚消毒用組成物が高い殺菌性を有することが確認された。
Figure 2011173815
参考例として、乳化剤を使用して馬油とアルコールを混合した例を示す。
(参考例1)
室温(約23℃)にて、所定の容器にエタノール79.2重量部、液状馬油0.975重量部、水19.8重量部及び乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル0.0025重量部を入れ、ホモジナイザー(JANKE&KUNKEL社製、型番:ULTRA-TORRAX T25)を用いて、10000rpmにて10分間撹拌混合することによって、参考例1の組成物を得た。
該組成物は、乳化はするが安定ではなく、混合直後から油滴が浮かんでいた。さらに時間の経過と共に水分と油分とが分離した。
(参考例2)
参考例1原料において、さらに乳化剤であるショ糖脂肪酸エステル0.25重量部を添加した以外は参考例1と同様にして、参考例2の組成物を得た。
該組成物は、乳化はするが参考例1と比較すると若干安定ではあるが十分でなく、時間の経過と共に水分と油分とが分離した。
(参考例3)
室温(約23℃)にて、所定の容器にエタノール75.6重量部、液状馬油0.5重量部、水18.9重量部及びグリセリン5.0重量部を入れ、ホモジナイザー(JANKE&KUNKEL社製、型番:ULTRA-TORRAX T25)を用いて、10000rpmにて10分間撹拌混合することによって、参考例3の組成物を得た。
該組成物は、乳化はするが参考例1と比較すると若干安定ではあるが十分でなく、混合直後には油滴がほとんどなかったものの、5時間後には油分と水分が分離し油滴の生成が認された。
本発明は、保湿力に優れ、十分な消毒作用を有するため、皮膚に対する刺激感が小さい皮膚洗浄用組成物として有用である。

Claims (5)

  1. 液状馬油(A)0.1〜1.6質量%、
    イソプロパノールを必須成分として含むアルコール組成物(B)79〜99質量%(但し、アルコール組成物(B)の組成中、イソプロパノールの割合が、60質量%以上である。)、
    及び、水(C)1〜20質量%、を含有することを特徴とする皮膚消毒用組成物。
    (但し、液状馬油(A)、アルコール組成物(B)及び水(C)の合計を100質量%とする。)
  2. 液状馬油(A)の曇点が、7℃以下である請求項1記載の皮膚消毒用組成物。
  3. 液状馬油(A)の曇点が、−2℃以下である請求項1記載の皮膚消毒用組成物。
  4. アルコール組成物(B)が、エタノール25〜40質量%を含有する請求項1から3のいずれかに記載の皮膚消毒用組成物。
  5. アルコール組成物(B)が、イソプロパノール60〜75質量%と、エタノール25〜40質量%からなる請求項1から3のいずれかに記載の皮膚消毒用組成物。
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