JP2011171672A - 赤外線センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】光を最大に効率良く利用し、高いS/N比を有した超小型で、赤外線領域の赤外線を電気信号に変換するのに適した光センサを提供すること。
【解決手段】光センサは、半導体基板1の表面に設けられた少なくとも第1の半導体層2と、この第1の半導体層2上に設けられた光吸収層となる第3の半導体層4と、この第3の半導体層4上に設けられた第2の半導体層3と、半導体基板1の裏面に設けられた第1の保護層5と、この第1の保護層を被覆して設けられた第2の保護層6から構成されている。半導体基板の裏面から入射した光量に応じた信号を電圧又は電流で出力し、半導体基板の裏面に2層からなる保護層を設けることで、半導体基板の裏面の変色を防ぎ、また、光の利用効率を向上することが出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体基板の裏面から入射された光を電気信号に変換する光センサに関し、より詳細には、赤外線領域の赤外線量を電気信号に変換するのに適した光センサに関する。
近年、環境問題への関心が高まり、省エネルギー化・環境センサの観点から、赤外線センサが注目されている。人体が発する赤外線を検知する人感センサは、照明やエアコンなどに搭載され、省エネルギー化に貢献している。さらに、赤外線領域には、二酸化炭素、一酸化炭素、窒化酸素、ホルムアルデヒドなどの強い吸収があるため、赤外線領域に感度波長をもつ赤外線センサは、ガスセンサなど環境センサとしても大きく期待されている。
赤外線センサは動作原理から、熱型センサと量子型センサに分類される。熱型センサは一般に広く用いられているが、周波数応答性が低く、また静態検知が出来ないなどの課題がある。一方、量子型センサは、周波数応答性が高く静態検知も可能であるといった特長があり、人感センサやガスセンサ用途として有望である。
量子型センサとしては、半導体材料を用いたPN又はPIN接合構造の赤外線センサが挙げられる。これらの赤外線センサでは、被検出光の束密度に応じて電子とホールが生成されて電気信号となるが、信号強度は微弱な場合が多い。そのため、高感度化によって信号強度を高めることはもとより、発生する微弱な信号を確実に増幅して使用するために、S/N比を高めることが望まれる。
赤外線センサのS/N比を高めるためには、入射した光利用効率を向上させることや、発生した電子を効率よく取り出すなどするためにリーク電流を抑制することが有効である。また、アバランシェ増幅現象に代表される増幅機構を利用して高感度化を図ることも試みられている。
例えば、特許文献1には、このアバランシェ増幅現象を利用した、高温下で使用する紫外線センサが提案されている。アバランシェ増幅現象を利用するためには、高電界をセンサに与える必要があり、この技術では、メサ側壁と基板とが成す角度を適切な範囲にすることによって高電界を与えた時の漏洩電流を抑制しているが、半導体層の表面側から光を入射しているため、狭い範囲から光を入射する必要があり、光の利用効率は高くならず、高感度化は十分には達成されないという問題があった。
このような課題に対し、例えば、特許文献2では、光の利用効率を向上させるために、光入射窓となる基板の裏面を粗面とし、光の前方散乱により光利用効率の向上を達成している。
特開2004−193615号公報 特開2008−066584号公報
しかしながら、基板の裏面から光を入射する場合、湿度や温度など使用環境によって基板の裏面が変色し、入射する光量が減って、赤外線センサの出力が低下するなどの問題があった。基板の裏面を粗面にすることで、光が大気から赤外線センサに入射する際に生じる光反射損失は低減できるが、微弱信号を増幅する赤外線センサでは、S/N比の更なる向上が必要である。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光を最大に効率よく利用して高S/N比を実現し、高S/N比の特長を活かした超小型の光センサを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、半導体基板と、該半導体基板の表面に形成された半導体層とを有するフォトダイオードを用いて、前記半導体基板の裏面から入射した光量に応じた信号を電圧又は電流で出力する光センサにおいて、前記半導体基板の裏面に形成された第1の保護層と、前記第1の保護層を被覆して形成された第2の保護層を備え、前記第1の保護層の屈折率が前記半導体基板の屈折率と異なり、前記第2の保護層が前記第1の保護層よりも屈折率が低いことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の保護層が、酸化チタン、酸化窒化チタンのいずれかであることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記第2の保護層が、酸化チタン、酸化窒化チタン、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムのいずれかであることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記第1の保護層の厚みが、5nm以上1500nm以下であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記第2の保護層の厚みが、5nm以上2500nm以下であることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記フォトダイオードが、半導体基板と、少なくとも第1の半導体層及び第2の半導体層を含んで積層された形態のPN型のフォトダイオードであることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記フォトダイオードが、半導体基板と、少なくとも第1の半導体層と、第2の半導体層及び第3の半導体層を含んで積層された形態のPIN型のフォトダイオードであることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の発明において、前記第1の半導体層と、第2の半導体層と、第3の半導体層とが化合物半導体であり、該化合物半導体が、インジウム、ガリウム、アルミニウム、アンチモン、砒素のいずれかを含むことを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記光センサが、波長域が1μm以上15μm以下の光を検出することを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記半導体基板が、200μm以上300μm以下であることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記光センサが、波長域が3μm以上5μm以下の光を検出し、前記半導体基板の裏面から入射する光量が前記光センサ周囲のガス濃度に応じて変化することを利用し、ガス濃度に応じた信号を電圧又は電流で出力することを特徴とする。
本発明によれば、半導体基板の表面に少なくとも第1の半導体層と、第2の半導体層を含む積層されたPNフォトダイオード、さらに第3の半導体層を含んだPINフォトダイオードのいずれかの構造で、半導体基板の裏面から入射した光量に応じた信号を電圧又は電流で出力する光センサにおいて、半導体基板の裏面に第1の保護層と第2の保護層を設けることで、半導体基板裏面の変色を防ぎ、また、光の利用効率を向上することが出来る。
本発明に係る光センサの実施形態1を説明するための構成断面図である。 本発明に係る光センサの実施形態2を説明するための構成断面図である。 本発明に係る光センサの実施形態3を説明するための構成断面図である。 本発明に係る光センサの具体的な実施例1を説明するための構成断面図である。 本発明に係る酸化チタン薄膜の厚みと光電流比を示す図である。 本発明に係る光センサの具体的な実施例2を説明するための構成断面図である。 本発明に係る酸化シリコン薄膜の厚みと光電流比を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
本発明の光センサは、光を吸収して電気信号に変換するセンサであり、多層の半導体層からなるPN又はPIN接合からなるフォトダイオードを利用し、半導体基板の半導体層が形成されていない裏面から入射した光を半導体層で吸収し、電気信号を出力するものである。
図1は、本発明に係る光センサの実施形態1を説明するための構成断面図である。本実施形態1における光センサは、半導体基板1の表面に設けられた第1の半導体層2と、この第1の半導体層2上に設けられた第3の半導体層4と、この第3の半導体層4上に設けられた第2の半導体層3と、半導体基板1の裏面に設けられた第1の保護層5と、この第1の保護層5を被覆して設けられた第2の保護層6から構成されている。
つまり、図1に示された光センサは、PIN構造のフォトダイオードを示しており、半導体基板1上に、第1の半導体層としてn型の半導体層2と、第2の半導体層としてp型半導体層3と、n型の半導体層2とp型半導体層3との間に光吸収層であるi型半導体層4を積層した形態のPIN構造例である。
さらに、n型の半導体層2が積層されていない半導体基板1の裏面には、第1の保護層5と、第2の保護層6が積層された構造である。そして、本発明の光センサにおいて光は、半導体基板1の裏面から入射される。
入射された光は、光吸収層であるi型半導体層4で吸収され、電子とホールが生成し、電荷分離されることで光センサの出力となる。図1には半導体基板上にn→i→pの順に積層した層構造を示したが、p→i→nの順に積層した構造でもよい。
保護層の構造については後述する。
図2は、本発明に係る光センサの実施形態2を説明するための構成断面図である。この図2に示すように、光吸収層であるi型半導体層4とp型半導体層3の間に、生成したキャリアのリークを防ぐためのバリア層7が挿入された構造でもよく、少なくともn型半導体層2、p型半導体層3及びi型半導体層4を含んで積層された形態であればよい。
図3は、本発明に係る光センサの実施形態3を説明するための構成断面図である。本実施形態3における光センサは、半導体基板1の表面に設けられた第1の半導体層2と、この第1の半導体層2上に設けられた第2の半導体層3と、半導体基板1の裏面に設けられた第1の保護層5と、第2の保護層6とから構成されている。
つまり、図1及び図2では、PINフォトダイオードの構造を示したが、図3においては、PN構造のフォトダイオードを示しており、半導体基板1上に第1の半導体層としてn型半導体層2と、第2の半導体層としてp型半導体層3を含む半導体層が積層された構造を有し、さらに、半導体基板1の裏面に第1の保護層5と第2の保護層6が積層された構造である。
半導体基板1の裏面より光が入射されると、n型半導体層2とp型半導体層3との接合によって生じる空乏層で光が吸収され、電子とホールが生成・電荷分離されることで光センサ出力となる。図3には、半導体基板上にn→pの順に積層した層構造を示したが、p→nの順に積層した構造でもよい。
本発明の光センサは、半導体基板の裏面より入射された光を吸収して電気信号に変換することで、光量を定量できる光センサである。本発明の半導体基板としては、赤外線のエネルギーよりバンドギャップが大きいことが好ましく、1eV以上が好ましい。このような半導体基板としては、ガリウム砒素(GaAs)基板、シリコン(Si)基板などが挙げられる。
次に、半導体基板の裏面に設けられた保護層の効果について説明する。
光が空気中から裏面側より光センサに入射する際、保護層が半導体基板の裏面に設けられていない場合、空気と半導体基板との屈折率の違いにより入射光の一部が反射して、光の利用効率は低下する。一方、保護層を半導体基板の裏面に設けた場合、空気中から裏面側より光センサに入射する際、空気と保護層との界面での光の損失と、保護層内での光吸収が光損失となる。この保護層に、入射光の波長域において小さな吸収係数を持ち、且つ、空気と保護層との界面での光の損失を低減する屈折率を持つ材料を選択することで、光の利用効率は、保護層を設けない場合よりも向上する。
また、本発明の光センサのように、半導体基板の裏面から被検出光を入射する場合、温度や湿度などの使用環境により、半導体基板の変色が問題となる。例えば、ガリウム砒素(GaAs)を半導体基板として用いた場合、高温や高湿の条件では半導体基板の裏面が変色する。この場合、光の入射光量が変化し、センサの出力低下の要因となる。一方、半導体基板の裏面に保護層が設置されている場合、高温や高湿などの使用環境による基板の変色が生じず、センサの出力の安定性は向上する。
本発明の光センサの保護層は、第1の保護層と第2の保護層の2層からなる。半導体基板の裏面に直接形成される第1の保護層としては、入射光の波長域での吸収係数が小さく、半導体基板と異なる屈折率の材料が好ましい。第1の保護層と半導体基板の屈折率が同じ場合、光損失の低減に寄与するのは第2の保護層のみとなる。光の利用効率をより向上させるためには、第1の保護層として半導体基板と異なる屈折率の材料を用い、この第1の保護層を被覆して第2の保護層を設けることが、効果的である。
さらに第1の保護層には、高温や高湿などの使用環境における基板の変色を防止する働きが求められる。このような保護層の材料としては、酸化チタン(TiO2)、酸化窒化チタン(TiOxy)などがあげられる。酸化チタン(TiO2や、酸化窒化チタン(TiOxy)は、結晶構造や組成比によって屈折率が変化するが、その屈折率は1.5以上3.0以下である。第1の保護層としてはこれらの材料に制限されること無く、使用する半導体基板の屈折率に合わせて適宜、選択される。また、このような保護層は電子線蒸着法、スパッタリング法、プラズマ化学気相成長法など一般によく用いられる方法で作製できる。
また、第1の保護層を被覆して形成される第2の保護層としては、入射光の波長域での吸収係数が小さく、第1の保護層よりも屈折率の低い材料が好ましい。第1の保護層よりも大きな屈折率を持つ第2の保護層を設けた場合、第2の保護層を設けない場合に比べて、光の損失が大きくなる。光が空気中から光センサに入射する際、空気と保護層の界面での光損失は、第1の保護層の屈折率と、第2の保護層の屈折率との組み合わせによって決まる。つまり、光損失の低減に効果的な第2の保護層の屈折率は、第1の保護層の屈折率によって限定される。第1の保護層として、酸化チタン(TiO2)や酸化窒化チタン(TiOxy)を用いる場合、第2の保護層の屈折率は、好ましくは1.1以上3.0以下、より好ましくは1.1以上1.8以下である。例えば、第1及び第2の保護層の屈折率の組み合わせとして、第1の保護層の屈折率が2.0の場合、第2の保護層の屈折率が1.1、また、第1の保護層の屈折率が3.0の場合、第1の保護層の屈折率が1.7とすることで、より光損失が低減され、光の利用効率は向上する。このように、第1の保護層の屈折率が大きくなると、組み合わせる第2の保護層の屈折率も大きくなる。
さらに第2の保護層には、第1の保護層との密着性が求められる。このような保護層の材料としては、酸化チタン(TiO2)、酸化窒化チタン(TiOxy)、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiNx)、酸化アルミニウム(Al23)などがあげられる。なお、酸化チタン(TiO2)、酸化窒化チタン(TiOxy)等のように、結晶構造や組成比によって屈折率が変化する材料を用いる場合、例えば、第1層:TiO2 屈折率2.7 第2層:TiO2 屈折率2.0などの構造を用いることができる。第2の保護層としてはこれらの材料に制限されること無く、使用する第1の保護層の屈折率に合わせて適宜、選択される。例えば、第1の保護層として、酸化チタン(TiO2、屈折率2.6)を用い、第2の保護層として、酸化シリコン(SiO2、屈折率1.45)を用いることが好ましい。この組み合わせを用いることにより、より光の利用効率を向上させることができる。また、このような保護層は電子線蒸着法、スパッタリング法、プラズマ化学気相成長法など一般によく用いられる方法で作製できる。
本発明の光センサでは、第1の保護層の厚みは、5nm以上1500nm以下、好ましくは、50nm以上1000nm以下、より好ましくは、100nm以上700nm以下である。また、第2の保護層の厚みは、5nm以上2500nm以下、好ましくは、50nm以上1700nm以下、より好ましくは、100nm以上1000nm以下である。
本発明における光センサは、第1の半導体層、第2の半導体層及び光吸収層が化合物半導体であり、少なくともインジウム(In)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、アンチモン(Sb)、砒素(As)のいずれかを含む構造であればよく、これらによって構成される化合物半導体に適宜n型ドーパント、あるいはp型ドーパントをドーピングすることによってn型及びp型の化合物半導体層を形成する。n型ドーパントとしては、Sn、Si、Seなどが挙げられる。またp型ドーパントとしては、Ge、Zn、Be、Ca、Mgなどが挙げられる。
本発明の光センサは、波長域が1μm以上15μm以下の光を検出する。光吸収層の材料としては、インジウムアンチモン(InSb)、インジウム砒素(InAs)、インジウム砒素アンチモン(InAsSb)、インジウムガリウムアンチモン(InGaSb)などがあるが、これらに限らず、少なくともインジウム、ガリウム、アルミニウム、アンチモン、砒素のいずれかを含む化合物半導体層であればよい。半導体基板としてガリウム砒素(GaAs)基板やシリコン(Si)基板などを用いた場合、これら半導体基板のバンドギャップよりも大きなエネルギーの光、すなわち1μmより短波長の光は、入射しても半導体基板によって吸収されるため、1μmよりも短い波長の光の検出には適さない。また、インジウム、ガリウム、アルミニウム、アンチモン、砒素のいずれかを含む化合物半導体は、15μmの赤外線のエネルギーより大きなバンドギャップを持ち、バンドギャップよりも小さなエネルギーの赤外線がセンサに入射しても電子とホールが生成されないため、本発明の光センサは15μm以上の赤外線に対しては感度を持たない。
本発明の光センサは、3μm以上5μm以下の波長域において、前記半導体基板の裏面から入射する光量が前記光センサ周囲のガス濃度に応じて変化することを利用し、ガス濃度に応じた信号を電圧又は電流で出力することで、ガス濃度の検知に応用できる。これは、二酸化炭素、一酸化炭素、窒化酸素などのガスが、3μm以上5μm以下の波長域に赤外線の吸収帯を持つ特性を利用したものである。例えば、二酸化炭素は、4.2μmの赤外線に対して著しい吸収特性を示す。この3μm以上5μm以下の波長域において、入射光の利用効率を向上させるために、第1の保護層として酸化チタン(TiO2)を用い、第2の保護層として酸化シリコン(SiO2)を用いる場合、第1の保護層の厚みは、250nm以上600nm以下、第2の保護層の厚みは、450nm以上1000nm以下であることがより好ましい。
本実施例1では、半導体基板としてガリウム砒素基板を用い、半導体層としてインジウムアンチモン薄膜、第1の保護層として酸化チタン薄膜を用いた。また、第2の保護層は設けなかった。
図4は、本発明に係る光センサの具体的な実施例1を説明するための構成断面図であり、本実施例1で用いたPIN構造の光センサの層構造例を示すが、本発明の光センサの層構造はこれらに限定されるものではない。ガリウム砒素基板8上に、第1の半導体層として、n型のインジウムアンチモン層9を成膜し、第2の半導体層としてp型のインジウムアンチモン層10、第3の半導体層として光吸収層であるi型のインジウムアンチモン層11を含む構造である。また、i型のインジウムアンチモン層11とp型のインジウムアンチモン層10の間には、バリア層としてp型のインジウムアルミニウムアンチモン層12を挿入した構造である。ガリウム砒素基板8の裏面には、第1の保護層として酸化チタン層13を成膜した構造である。
本発明における半導体層は、分子線エピタキシャル成長(MBE)法により成膜した。また、第1の保護層である酸化チタン層13は、スパッタリング法により成膜した。酸化チタンの厚みを0nm、150nm、300nm、420nm、520nm、800nmと変えて成膜した。
上述した光センサを素子化し、光センサの出力を評価した。光センサのS/N比の評価は、光電流を比較することで行った。
図5は、本発明に係る酸化チタン薄膜の厚みと光電流比を示す図である。第1の保護層である酸化チタン層13が設けられていない場合の光電流を1とした場合の光電流比を示している。図5からわかるように、第1の保護層である酸化チタン層を設けることで光電流比は向上し、光センサのS/N比が向上する。これは、光利用効率の向上によるものである。
さらに、これらの素子を用いて、加速試験(温度121℃、湿度99%、気圧2気圧)を10時間行った結果、酸化チタン薄膜のない場合は、半導体基板裏面が変色し、光電流が約30%低下した。一方、酸化チタン薄膜を設けた素子では、半導体基板裏面の変色もなく、光電流の低下もなかった。
本実施例2では、図4の層構造の光センサと同様のPIN構造に、第1の保護層として酸化チタン薄膜を、第2の保護層として酸化シリコン薄膜を設けた。
図6は、本発明に係る光センサの具体的な実施例2を説明するための構成断面図であり、本実施例2で用いたPIN構造の光センサの層構造例を示すが、本発明の光センサの層構造はこれらに限定されるものではない。この図6に示すように、ガリウム砒素基板8の裏面に、第1の保護層として酸化チタン層13を、第2の保護層として酸化シリコン層14を設けた構造である。
本発明における半導体層は、分子線エピタキシャル成長(MBE)法により成膜した。また、第1の保護層である酸化チタン層13及び第2の保護層である酸化シリコン層14は、スパッタリング法により成膜した。酸化チタンの厚みを420nmとし、酸化シリコンの厚みを0nm、410nm、710nm、1010nmと変えて成膜した。
上述した光センサを素子化し、光センサの出力を評価した。光センサのS/N比の評価は、光電流を比較することで行った。
図7は、本発明に係る酸化シリコン薄膜の厚みと光電流比を示す図である。第2の保護層である酸化シリコン層14が設けられていない場合の光電流を1とした場合の光電流比を示している。図7からわかるように、第1の保護層である酸化チタン層を被覆して、第2の保護層である酸化シリコン層を設けることで、光電流比が向上し、光センサのS/N比が向上する。これは、第2の保護層を設けることで、第1の保護層のみの場合と比べて、光の利用効率が向上することによる。
本発明の光センサは、赤外線を電気信号に変換するのに適した光センサに関し、光の利用効率が高く、高出力、高S/N比の光センサが実現できる光センサである。高感度、高いS/N比を持つため、小型化を達成でき、携帯電子機器等に応用できる。さらに感度波長域が赤外領域であり、二酸化炭素、一酸化炭素などのガスセンサとしても使用でき、環境センサを実現できる。
1 半導体基板
2 n型半導体層(第1の半導体層)
3 p型半導体層(第2の半導体層)
4 光吸収層
5 第1の保護層
6 第2の保護層
7 バリア層
8 ガリウム砒素基板
9 n型のインジウムアンチモン層(第1の半導体層)
10 p型のインジウムアンチモン層(第2の半導体層)
11 i型のインジウムアンチモン層(光吸収層)
12 p型のインジウムアルミニウムアンチモン層(バリア層)
13 酸化チタン層(第1の保護層)
14 酸化シリコン層(第2の保護層)

Claims (11)

  1. 半導体基板の表面に半導体層が堆積されたフォトダイオードを用いて、前記半導体基板の裏面から入射した光量に応じた信号を電圧又は電流で出力する光センサにおいて、
    前記半導体基板の裏面に形成された第1の保護層と、
    前記第1の保護層を被覆する第2の保護層とを備え、
    前記第1の保護層の屈折率が前記半導体基板の屈折率と異なり、前記第2の保護層の屈折率が前記第1の保護層の屈折率よりも低いことを特徴とする光センサ。
  2. 前記第1の保護層が、酸化チタン、酸化窒化チタンのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
  3. 前記第2の保護層が、酸化チタン、酸化窒化チタン、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光センサ。
  4. 前記第1の保護層の厚みが、5nm以上1500nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光センサ。
  5. 前記第2の保護層の厚みが、5nm以上2500nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光センサ。
  6. 前記フォトダイオードが、少なくとも第1の半導体層及び第2の半導体層を含んで積層された形態のPN型のフォトダイオードであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光センサ。
  7. 前記フォトダイオードが、少なくとも第1の半導体層と、第2の半導体層及び第3の半導体層を含んで積層された形態のPIN型のフォトダイオードであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光センサ。
  8. 化合物半導体前記第1の半導体層と、前記第2の半導体層と、前記第3の半導体層とが化合物半導体であり、該化合物半導体が、インジウム,ガリウム,アルミニウム,アンチモン,砒素のいずれかを含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の光センサ。
  9. 前記光センサは、波長域が1μm以上15μm以下の光を検出することを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
  10. 前記半導体基板が、200μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
  11. 前記光センサは、波長域が3μm以上5μm以下の光を検出し、前記半導体基板の裏面から入射する光量が前記光センサ周囲のガス濃度に応じて変化することを利用し、ガス濃度に応じた信号を電圧又は電流で出力することを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
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