JP2009246207A - 赤外線センサ、及び赤外線センサic - Google Patents

赤外線センサ、及び赤外線センサic Download PDF

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Abstract

【課題】熱励起した正孔(ホール)による暗電流、及び拡散電流を抑制した赤外線センサを提供すること。
【解決手段】第1の化合物半導体層102において発生した熱励起キャリア(正孔)は第3の化合物半導体層105方向に拡散しようとするが、第1の化合物半導体層102および第3の化合物半導体層105よりもバンドギャップが大きく、その拡散を抑制する第2の化合物半導体層103を第1の化合物半導体層102と第3の化合物半導体層105との間に設けることで、正孔による暗電流が低減される。第2の化合物半導体層103は、n型ドーピングによりそのバンドギャップが相対的に価電子帯方向へシフトしており、熱励起された正孔の拡散障壁としてより効果的に機能する。つまり、n型化合物半導体層103は、そのバンドギャップとn型ドーピングが、熱励起キャリアの拡散を抑制するように調整されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、赤外線センサ、及び赤外線センサICに関する。
一般に波長が5μm以上の長波長帯の赤外線は、その熱的効果やガスによる赤外線吸収の効果から、人体を検知する人感センサや非接触温度センサ、ガスセンサ等に使用されている。これらの使用例の内、人体検知や非接触温度センサとして用いられる赤外線センサとしては、焦電センサやサーモパイルの様な熱型の赤外線センサと、半導体受光素子を使用した量子型の赤外線センサがあるが、熱型の赤外線センサに比べて、量子型の赤外線センサの方が、高感度、高速応答、静体検知可能といった大きな特徴がある。
ここで、上記量子型の赤外線センサを実現するためには、波長が5μm以上の長波長帯の赤外線を受光する赤外線センサが必要となるが、この波長領域では赤外線センサに対する周辺温度の影響が非常に大きく、室温で使用するには問題がある。上記量子型の赤外線センサは、一般に波長が5μm以上の赤外線を吸収可能である半導体中にいわゆるpn接合を形成し、光吸収層において、吸収した赤外線によって発生した電子及び正孔が、PN接合部分の空乏層における内部電界によって電荷分離されることで、電気信号に変換される。しかしながら、波長が5μm以上の赤外線を吸収できる半導体のバンドギャップは0.25eV以下と小さい。この様なバンドギャップの小さな半導体では、熱励起キャリアの為に室温での真性キャリア密度が大きくなり、素子の抵抗が小さくなるので十分なpnダイオードの特性が得られない。これは真性キャリア密度が大きい場合、拡散電流や暗電流の様な素子の漏れ電流が大きくなる為である。このため、量子型の赤外線センサは熱励起キャリアを抑制する為に、冷却機構を備えた赤外線センサが従来使用されている。
この様な周辺温度の影響による問題を解決した赤外線センサとしては、特許文献1に記載の量子型の赤外線センサがある。この量子型赤外線センサは、センサ部分の化合物半導体の積層構造および素子構造により拡散電流を抑制し、更に信号増幅用ICとセンサのパッケージを改良することにより、室温動作が可能であり、かつ従来にない超小型の赤外線センサを実現している。
国際公開第WO2005/027228号パンフレット
このように改良のための研究開発がなされているが、高性能の量子型赤外線センサを実現するためにさらなる特性の向上が望まれている。従来バンドギャップの小さな半導体材料では、一般的に電子の移動度が正孔の移動度に比べてはるかに大きい為、電子の漏れ電流(拡散電流や暗電流)を抑制することに重点が置かれていた。しかしながら、更なる特性の向上の為には正孔の漏れ電流を抑制することが必要となる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、室温において熱励起された正孔による拡散電流、及び暗電流を抑制した赤外線センサを提供することにある。
このような赤外線センサを提供するために、請求項1に記載の発明は、半導体基板と、前記半導体基板上の、インジウム及びアンチモンを含み、n型ドーピングされた材料である第1の化合物半導体層と、前記第1の化合物半導体層上の、n型ドーピングされた材料である第2の化合物半導体層と、前記第2の化合物半導体層上の、インジウム及びアンチモンを含み、ノンドープあるいはp型ドーピングされた材料である第3の化合物半導体層とを備え、前記第2の化合物半導体層以外の層のバンドギャップは、0.25eV以下であって、前記第2の化合物半導体層は、前記第1の化合物半導体層および前記第3の化合物半導体層よりもバンドキャップが大きいことを特徴とする赤外線センサである。
また、請求項2に記載の発明は、前記第3の化合物半導体層は、前記第2の化合物半導体層上に直接に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサである。
また、請求項3に記載の発明は、前記第2の化合物半導体層と前記第3の化合物半導体層との間に、前記第1の化合物半導体層と同一組成であって、n型ドーピングされた材料である第4の化合物半導体層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサである。
また、請求項4に記載の発明は、前記第3の化合物半導体層は、前記第1の化合物半導体層と同一組成であり、前記第2の化合物半導体層の膜厚は、臨界膜厚以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の赤外線センサである。
また、請求項5に記載の発明は、半導体基板と、前記半導体基板上の、インジウム及びアンチモンを含み、n型ドーピングされた材料である第1の化合物半導体層と、前記第1の化合物半導体層上の、n型ドーピングされた材料であって、臨界膜厚以下である第2の化合物半導体層と、前記第2の化合物半導体層上の、前記第2の化合物半導体層との界面において前記第1の化合物半導体層と同一組成であり、膜厚方向に組成が傾斜している第4の化合物半導体層と、前記第4の化合物半導体層上の、インジウム及びアンチモンを含み、ノンドープまたはp型ドーピングの第3の化合物半導体層であって、前記第4の化合物半導体層との界面において前記第4の化合物半導体層と同一組成である第3の化合物半導体層とを備え、前記第2の化合物半導体層以外の層のバンドギャップは、0.25eV以下であって前記第2の化合物半導体層は、前記第1の化合物半導体層および前記第3の化合物半導体層よりもバンドキャップが大きいことを特徴とする赤外線センサである。
また、請求項6に記載の発明は、半導体基板と、前記半導体基板上の、インジウム及びアンチモンを含み、n型ドーピングされた材料である第1の化合物半導体層と、前記第1の化合物半導体層上の、n型ドーピングされた材料であって、臨界膜厚以下である第2の化合物半導体層と、前記第2の化合物半導体層上の、前記第2の化合物半導体層との界面において前記第1の化合物半導体層と同一組成であり、膜厚方向に組成が傾斜しているノンドープまたはp型ドーピングされた材料である組成遷移層と、前記組成遷移層上の、インジウム及びアンチモンを含み、ノンドープまたはp型ドーピングされた材料である第3の化合物半導体層であって、前記組成遷移層との界面において前記組成遷移層と同一組成である第3の化合物半導体層とを備え、前記第2の化合物半導体層以外の層のバンドギャップは、0.25eV以下であって前記第2の化合物半導体層は、前記第1の化合物半導体層および前記第3の化合物半導体層よりもバンドキャップが大きいことを特徴とする赤外線センサである。
また、請求項7に記載の発明は、前記第1の化合物半導体層と、第2の化合物半導体層との間に、前記第1の化合物半導体層と同一組成の第1の繰り返し層と、前記第2の化合物半導体層と同一組成の第2の繰り返し層とをそれぞれ少なくとも1層ずつ備え、前記第1の繰り返し層と前記第2の繰り返し層とは、交互に配置されており、前記第2の繰り返し層の膜厚は、臨界膜厚以下であることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の赤外線センサである。
また、請求項8に記載の発明は、前記第1の化合物半導体層及び前記第3の化合物半導体層は、InSb、InAsSb、又はInSbNのいずれかであり、前記第2の化合物半導体層は、AlInSb、GaInSb、若しくはAlAs、InAs、GaAs、AlSb、GaSb、又はそれらの混晶のいずれかであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の赤外線センサである。
また、請求項9に記載の発明は、前記第2の化合物半導体層は、前記第1の化合物半導体層と同等の濃度にn型ドーピングされていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の赤外線センサである。
また、請求項10に記載の発明は、前記第3の化合物半導体層上に配置され、前記第3の化合物半導体層よりも高濃度にp型ドーピングされ、かつ前記第1の化合物半導体層および前記第3の化合物半導体層よりも大きなバンドギャップを有する第5の化合物半導体層をさらに備えることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の赤外線センサである。
また、請求項11に記載の発明は、前記第5の化合物半導体層は、AlInSb、GaInSb、若しくはAlAs、InAs、GaAs、AlSb、GaSb、又はそれらの混晶のいずれかであることを特徴とする請求項10に記載の赤外線センサである。
また、請求項12に記載の発明は、前記第5の化合物半導体層は臨界膜厚以下であり、前記第5の化合物半導体層上に、前記第5の化合物半導体層と同等以上にp型ドーピングされている、第6の化合物半導体層をさらに備えることを特徴とする請求項10または11に記載の赤外線センサである。
また、請求項13に記載の発明は、前記p型ドーピングされた第6の化合物半導体層は、前記第1の化合物半導体層または、前記第3の化合物半導体層と同一組成であることを特徴とする請求項12に記載の赤外線センサである。
また、請求項14に記載の発明は、前記第1の化合物半導体層の膜厚は、0.1μmを超えることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の赤外線センサである。
また、請求項15に記載の発明は、前記半導体基板は、半絶縁性の半導体基板、または前記半導体基板と該半導体基板に形成された前記第1の化合物半導体層とが絶縁分離可能な半導体基板であり、前記第1の化合物半導体層上のうち、前記第3の化合物半導体層が形成されていない領域に形成された第1の電極と、前記第3の化合物半導体層上に形成された、第2の電極とをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の赤外線センサである。
また、請求項16に記載の発明は、前記半導体基板上には、前記赤外線センサに形成された第1の電極と、該第1の電極が形成された赤外線センサの隣の赤外線センサに形成された第2の電極とが直列接続するように、複数の赤外線センサが連続的に形成されていることを特徴とする請求項15に記載の赤外線センサである。
また、請求項17に記載の発明は、出力信号を測定する際に、前記第1及び第2の電極間のバイアスをゼロバイアスとし、赤外線入射時の信号を開放回路電圧として読み出すことを特徴とする請求項15または16に記載の赤外線センサである。
また、請求項18に記載の発明は、請求項1乃至17のいずれかに記載の赤外線センサと、前記赤外線センサから出力される電気信号を処理して所定の演算を行う集積回路部とを備え、前記赤外線センサ及び前記集積回路部が同一パッケージ内にハイブリッドの形態で配設されていることを特徴とする赤外線センサICである。
本発明によれば、n型ドーピングされた材料である第1の化合物半導体層とノンドープまたはp型ドーピングの第3の化合物半導体層とにより構成された赤外線センサにおいて、第1の化合物半導体層と第3の化合物半導体層との間に、第1の型化合物半導体層および第3の化合物半導体層よりもバンドギャップが大きい第2の化合物半導体層を設けることにより、第1の化合物半導体層で室温において熱励起により発生した正孔の第3の化合物半導体層方向への拡散を抑制し、正孔によるpnダイオードの暗電流を低減すると共に、第3の化合物半導体層側において光励起や熱励起によって発生した正孔の第1の化合物半導体層側への拡散も抑制することができ、pnダイオードの拡散電流も低減した素子抵抗の高い赤外線センサを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る赤外線センサの模式図である。赤外線センサ100は、半絶縁性の半導体基板101と、半導体基板101上の、インジウム及びアンチモンを含み、n型ドーピングされた材料である第1の化合物半導体層102と、第1の化合物半導体層102上の、n型ドーピングされた材料である第2の化合物半導体層103と、第2の化合物半導体層103上の、第1の化合物半導体層102と同一組成であり、n型ドーピングされた材料である第4の化合物半導体層104と、第4の化合物半導体層104上の、インジウム及びアンチモンを含み、ノンドープあるいはp型ドーピングされた材料である第3の化合物半導体層105と、第3の化合物半導体層105上の電極106と、第4の化合物半導体層104上の電極107とを備える。
赤外線センサ100は、第4の化合物半導体層104と第3の化合物半導体層105との間に空乏層が形成される(第3の化合物半導体層がノンドープである場合、ノンドープ層とn型ドープ層との間の電位差により空乏層が形成される)、いわゆるPN接合ダイオードである。赤外線が第3の化合物半導体層に入射した際、光電効果によって発生した電子・正孔対のキャリアをPN接合の空乏層部分に生じる電位差によって分離し、電気信号(電圧もしくは電流)として取り出す。
本実施形態に係る赤外線センサ100では、第2の化合物半導体層103のバンドキャップが第1の化合物半導体層102および第3の化合物半導体層105のそれよりも大きく、n型ドーピングされた化合物半導体層で室温において熱励起により発生した正孔の第3の化合物半導体層方向への拡散を抑制する。図2がその様子を示している。第1の化合物半導体層102において発生したマイノリティキャリアである正孔(ホール)は第3の化合物半導体層105方向に拡散しようとするが、第1の化合物半導体層102および第3の化合物半導体層105よりもバンドギャップが大きく、その拡散を抑制する第2の化合物半導体層103を第1の化合物半導体層102と第3の化合物半導体層105との間に設けることで、暗電流が低減される。第2の化合物半導体層103は、n型ドーピングによりそのバンドギャップが相対的に価電子帯方向へシフトしており、正孔の拡散障壁としてより効果的に機能する。つまり、第2の化合物半導体層103は、そのバンドギャップとn型ドーピングが、正孔の拡散を抑制するように調整されている。
また、第3の化合物半導体層105において光励起や熱励起によって発生した正孔は、通常はpn接合により形成されている内部電界の為第3の化合物半導体層105方向へ移動するが、その一部は拡散によりn型化合物半導体層102方向へと移動し、ダイオードの拡散電流となる。前述のように、波長が5μm以上の赤外線を吸収できるバンドギャップの小さな半導体では、室温でも熱励起の為に真性キャリア密度が大きくなる。ここで拡散電流は真性キャリア密度の2乗に比例する関係が有り、すなわち真性キャリア密度が大きいほど拡散電流は大きくなる。大きな拡散電流は素子の抵抗を低下させる為これを抑制することは特に重要である。
第2の化合物半導体層103は、図2に示す様に正孔による拡散電流に対する障壁にもなる。従って拡散電流を抑制することができる。これは、化合物半導体層が窒化ガリウム(GaN)やガリウム砒素(GaAs)の様な元来バンドギャップが大きく熱励起キャリアの影響が無視でき、拡散電流が元々小さいような化合物半導体である場合は意味を成さず、上記のようにバンドギャップが小さい半導体であるが故に得られる効果である。
また、入射した赤外線によって光励起された正孔が光電流として取り出せない方向(逆方向)へ拡散することを、第2の化合物半導体層103によって抑制することもできる為、素子の量子効率を上げることもできる。
上述した熱励起、或いは光励起された正孔の拡散による暗電流、及び拡散電流を抑制するために必要な第2の化合物半導体層103と価電子帯とのエネルギー差ΔEの大きさは、正孔の持つエネルギーよりも大きい必要がある。ここで正孔に与えられるエネルギーとしては、熱エネルギーがあり、室温の場合約25meVである。従って、この場合のΔEの大きさは少なくとも熱エネルギー以上、室温の場合は25meV以上であることが好ましい。
更に、赤外線入射の信号を取り出す際、電極106と電極107の間を開放(オープン)とし、信号を開放回路電圧として読み取る光起電力型の測定方法がある。この場合、第3の化合物半導体層105中の正孔が、n型化合物半導体層102中へ拡散することを抑制することで、より高い信号電圧を得ることが出来る。この場合、正孔の拡散を抑制する為の第2の化合物半導体層103と価電子帯とのエネルギー差ΔEは、少なくともPN接合の電位差よりも大きいことが好ましい。通常PN接合の電位差はトンネルリーク電流を防ぐ為にバンドギャップよりも小さくなることから、ΔEは、少なくとも第1および第4の化合物半導体層102および104、ならびに第3の化合物半導体層105のエネルギーバンドギャップの大きさの50%以上が好ましく、より好ましくは80%以上であり、更に好ましくは同等以上である。例えば第1および第4の化合物半導体層102および104、ならびに第3の化合物半導体層105にInSbを使用した場合、室温でΔEは0.09eV以上が好ましく、より好ましくは0.14eV以上であり、更に好ましくは0.18eV以上である。前記の様なΔEを得る為に、適した第2の化合物半導体層103のバンドギャップの大きさは、第1および第4のn型化合物半導体層102および104、ならびに第3の化合物半導体層105のエネルギーバンドギャップの大きさの1.5倍以上が好ましく、より好ましくは2倍以上、更に好ましくは2.3倍以上である。ただし、上記のΔEの大きさは、第2の化合物半導体層103のバンドギャップの大きさに加えて、材料の電子親和力や、第2の化合物半導体層へのドーピング濃度によっても調整可能である。
本実施形態に係る赤外線センサ100の各構成要素について以下に詳説する。
まず、第2の化合物半導体層103以外の層を構成する化合物半導体はナローバンドギャップ半導体であり、特に、波長が5μm以上の長波長帯の赤外線を吸収可能な、バンドギャップが0.25eV以下の化合物半導体であることが好ましい。素子は室温での使用を想定しているため、室温においてバンドギャップが0.25eV以下であることがより好ましいが、素子の使用温度が室温ではない場合は、それらの使用温度においてバンドギャップが0.25eV以下であればよい。
室温でエネルギーバンドギャップが0.25eV以下であるナローバンドギャップの化合物半導体としては、InSb、InAsSb、又はInSbNのいずれかを用いることができる。InSbの室温でのエネルギーバンドギャップは0.18eVである。InAsxSb1-x混晶(0<x<1)のエネルギーバンドギャップEgは、0.58x2−0.41x+0.18=Egで表され、非常に大きな非線形因子がある。したがって、InAsSbの室温でのエネルギーバンドギャップは、0<x≦0.85の組成範囲において0.25eV以下となる。また、0<x<0.7の組成範囲においては、InSbの室温でのエネルギーバンドギャップよりも更に小さく出来る。また、InSb1-yy混晶(0<y<0.01)のバンドギャップは更に大きな非線形因子があり、窒素Nの組成yが僅か0.01でバンドギャップがほぼ0に近くなることが知られている。
第2の化合物半導体層103は、PN接合部分が受光または発光する赤外線を吸収しない程度にワイドバンドギャップであることが好ましい。そうすることで、暗電流、拡散電流の低減に加えて、素子の外部量子効率を向上することができる。第2の化合物半導体層103としては、AlInSb、GaInSb、若しくはAlAs、InAs、GaAs、AlSb、GaSb、又はそれらの混晶のいずれかを用いることができる。各第2の化合物半導体層の室温でのエネルギーバンドギャップは、組成比により決まり、例えば、Al0.17In0.83Sb層の室温におけるバンドギャップは0.46eVである。上記の材料はHgCdTe(MCT)の様なHgの蒸気圧が高く結晶成長時の組成制御や再現性が難しい材料に比べて、安定した化合物や混晶半導体を作成可能な材料であり、より好ましい。
本実施形態に係る赤外線センサ100の素子特性をさらに向上するために、第3の化合物半導体層105を第1の化合物半導体層102と同一組成とし、第2の化合物半導体層103の膜厚を臨界膜厚以下とすることができる。赤外線センサ100の備える第2の化合物半導体層103は第1の化合物半導体層102よりもバンドキャップが大きく、第1の化合物半導体層102と組成が異なる。このような層を第1の化合物半導体層102上に形成すると、半導体基板101と第1の化合物半導体層102との界面で発生したミスフィット転位が、第2の化合物半導体層103と第1の化合物半導体層102との界面において図3に示すように界面と平行な方向に伝播の向きが変えられることが実験的に分かった。向きの変わった転位は転位同士が対消滅するか、あるいは転位ループを作り半導体基板101との界面に再び戻ることになる。すなわち、転位を第1の化合物半導体層102中に閉じ込めることができる。実施例は後述する。これによりPN接合部分への転位の伝播を大幅に減らすことが可能となり、赤外線センサ100の素子特性に対する結晶欠陥の影響を低減することができる。化合物半導体層中の結晶欠陥は、キャリアのリークパスとして素子特性を劣化させる可能性がある。なお上述した様に、上記の第2の化合物半導体層103による基板界面からの貫通転位の低減効果は、臨界膜厚以上の膜を成長し、膜中に新たに発生した転位と、基板界面からの貫通転位とを対消滅させる方法や、基板から徐々に組成を変えた格子整合層を基板と活性層の間に設ける等の方法とは異なる効果であり、量産に適した簡易な構造で、活性層となる第3の化合物半導体層105の結晶性を向上出来ると共に暗電流、拡散電流を低減することも出来るものである。
第2の化合物半導体層103は、第1の化合物半導体層102、第4の化合物半導体層104および第3の化合物半導体層105よりもバンドキャップが大きく、第1の化合物半導体層102と組成の異なる材料である。組成が異なると格子定数も異なり、第2の化合物半導体層103はその格子全体を歪ませて、下地である第1の化合物半導体層102に格子整合して成長していく。第2の化合物半導体層103の膜厚が、そのように格子整合した状態で成長できる膜厚が、いわゆる「臨界膜厚」である。第2の化合物半導体層103の膜厚を臨界膜厚以下とし、更に第1の化合物半導体層102と第4の化合物半導体層104の組成が同じであることによって、第1の化合物半導体層102と第2の化合物半導体層103と第4の化合物半導体層104の格子定数は一致することになる。この為第2の化合物半導体層103と第1の化合物半導体層102および第4の化合物半導体層104との界面から新たにミスフィット転位が発生することを抑制できる。これにより、結晶性の高い第2の化合物半導体層103を得ることが出来、前述した暗電流、及び拡散電流の抑制効果を高めることが出来る。更に前述した界面からの貫通転位を減少させる効果と合わせて、活性層となる第3の化合物半導体層105の結晶性も向上させることが出来る為、発光効率を高めることが可能となる。なお、本明細書において使用する「同一組成」という用語は、完全に組成が同一の場合に加え、格子不整合による応力が臨界膜厚以下のn型ワイドバンドギャップ層との界面において欠陥を発生させない程度に同一である場合を含むことが意図されている。
半導体基板101としては、SiやGaAs等を用いることができる。結晶面は、(100)、(111)、(110)方向等がある。半絶縁性の半導体基板101は、一般にそのバンドギャップが0.25eVよりも大きい為長波長帯の赤外線に対して透明であるので、赤外線の基板側からの入射を妨げない。基板側には電極が無い為に入射する赤外線が電極により遮られることが無く好ましい。一方、本実施形態では半絶縁性の基板を用いたが、図4に示すようにn型半導体基板を用いてもよい。この場合、一方の電極407は図4に示すように基板の裏面に作製することも可能である。
第1の化合物半導体層102は、n型ドーピングされたナローバンドギャップの化合物半導体である。ナローバンドギャップの化合物半導体は正孔に比べて電子の移動度が非常に大きいため、p型ドーピングよりもn型ドーピングの方が半導体層のシート抵抗を容易に下げることができる。したがって、素子構造において大きな面積を占めている第1の化合物半導体層102にn型ドーピングすることで、赤外線センサ100のシート抵抗を容易に低減することができる。シート抵抗が増加すると、ダイオードの等価回路上ダイオードに対して直列に接続されたシリーズ抵抗が増加することになる。このシリーズ抵抗は素子の電気的ノイズを増加させる為なるべく小さい方が望ましい。n型ドーパントとしては、Si、Te、Sn、S、Se等を用いることができる。
第1の化合物半導体層102と同様の理由で、所望のシート抵抗が得られるように第2の化合物半導体層103のn型ドーピングを調整することができる。なお前述のように第2の化合物半導体層103のn型ドーピングはそのバンドギャップを相対的に価電子帯方向へシフトさせる効果も持つ。
第2の化合物半導体層103の組成は、必要なバンドギャップの大きさ及び薄膜成長の容易さ等を考慮して適切な値に設計される。一例として、第1および第4の化合物半導体層101および104がInSbであり、第2の化合物半導体層103がIn1-xAlxSbである場合、Alの組成は0.06≦x≦0.7、より好ましくは0.1≦x≦0.5、更に好ましくは0.15≦x≦0.3である。膜厚は各組成における臨界膜厚以下とすることができるが、それは概ね10nmから30nm程度である。
第4の化合物半導体層104も、第1の化合物半導体層102と同様にn型ドーピングされたナローバンドギャップの化合物半導体である。n型ドーピングの濃度は第1の化合物半導体層102や第2の化合物半導体層103と同一である必要はないが、素子のシート抵抗を上げない程度にドーピングされていることが好ましく、第1の化合物半導体層102や第2の化合物半導体層103と同一であっても良い。
第3の化合物半導体層105は、インジウム及びアンチモンを含み、ノンドープまたはp型ドーピングされた材料である第3の化合物半導体層ある。第2の化合物半導体層103の膜厚を臨界膜厚以下とした場合、第4の化合物半導体層104について説明したのと同じ理由により、第1の化合物半導体層102と同一組成とする。p型ドーピングする場合のドーピング濃度は1×1016原子/cm3以上1×1018原子/cm3未満が好ましく、更に好ましくは1×1016原子/cm3以上1×1017原子/cm3未満である。また第3の化合物半導体層105の膜厚は、0.1μm以上3μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以上2μm以下である。p型ドーパントとしては、Be、Zn、Cd、C、Mg、Ge、Cr等を用いることができる。
半導体基板101の上に順次、層を形成し、化学エッチングによる素子分離と第3の化合物半導体層105の部分除去を行い、そして電極106および107を形成することで赤外線センサ100を得る。本実施形態に係る赤外線センサ100を構成する各化合物半導体層は、各種の成膜方法を用いて形成できる。たとえば、分子線エピタキシー(MBE)法、有機金属気相エピタキシー(MOVPE)法などが好ましい。また、素子の加工方法としては、たとえば、まず酸またはイオンミリングなどを用いてn型ドーピング層とコンタクトを取るための段差形成を行い、次に素子分離のためのメサエッチングを行い、その後SiNやSiO2などのパッシベーション膜で覆った後、電極部分のみを窓開けし、Ti/AuやCr/Au等の電極をリフトオフ法などで形成する方法が使用される。また、専用のマスクセットを使用することで素子を複数個直列接続した構造を作製できる。
なお、第4の化合物半導体層104は、第2の化合物半導体層103との界面において第1の化合物半導体層102と同一組成であり、膜厚方向に組成が傾斜しているものを用いることができる。第3の化合物半導体層105の組成を第4の化合物半導体層104の上面と同一にし、第1の化合物半導体層102とは異なるようにすることで、第2の化合物半導体層103の膜厚を臨界膜厚以下とした場合に赤外線の吸収波長の調整が可能となる。
また、第3の化合物半導体層105は、第2の化合物半導体層103の上に直接に配置してもよい。この構成において第2の化合物半導体層103の膜厚を臨界膜厚以下とした場合に第3の化合物半導体層105の組成を第1の化合物半導体層102とは異なるようにするために、第2の化合物半導体層103との界面において第1の化合物半導体層102と同一組成であり、膜厚方向に組成が傾斜しているノンドープまたはp型ドーピングの組成遷移層を、第2の化合物半導体層103と第3の化合物半導体層105との間に設けてもよい。
また、図5に示すように第2の化合物半導体層を複数層積層させることで、転位を止め得る界面を複数に増やし、PN接合部分への転位の伝播を抑制する効果を更に高めることができる。ここで第2の化合物半導体層の膜厚はすべて臨界膜厚以下であるが、その間のn型ドーピングされた化合物半導体層の膜厚は、n型にドーピングされた層(以下、「n型ドーピング層」という。)全体の膜厚を考慮して任意に決めることができる。また、何層繰り返し積層するかも、n型ドーピング層全体の膜厚を考慮して任意に決めることができる。
また、第1および第4の化合物半導体層102および104を高濃度にドーピングをすることで、バーシュタイン・モス・シフトにより、ドーピング濃度が高くなければ吸収してしまう赤外線に対して透明にすることができる。半導体基板101側から赤外線を入射する場合、半導体基板101は赤外線に対して透明であり、また第2の化合物半導体層103もそのバンドギャップの大きさから透明であるので、第3の化合物半導体層105に存在するPN接合の空乏層部分に赤外線を効率的に入射することができ、素子の外部量子効率を向上できる。ドーピング濃度としては、1×1018原子/cm3以上が好ましく、より好ましくは×1019原子/cm3以上である。
また、半導体基板101上に成長する第1の化合物半導体層101の結晶性を上げるために、半導体基板101と第1の化合物半導体層102との間に、格子定数が半導体基板101と第1の化合物半導体層102の中間程度であり、格子不整合を緩和させるバッファ層を用いる場合もある。この場合バッファ層は赤外線の光を吸収しないような材料が選択される。
本実施形態では、第3の化合物半導体層105にノンドープまたはp型、第3の化合物半導体層105以外にn型の層を使用したが、n型とp型を入れ替えた構造においてもワイドバンドギャップである第2の化合物半導体層103により暗電流の増加の抑制や結晶欠陥による素子特性の劣化低減という効果が得られる。ただし、第1の化合物半導体層102に関して説明したように、p型ドーピングにすると素子のシート抵抗が増大してしまう。また、p型の化合物半導体は長波長帯の赤外線を吸収し易いため基板側からの赤外線の入射は難しくなる。
また、図1に示した赤外線センサ100は、第4の化合物半導体層104上に電極107を設けたが、第2の化合物半導体層103または第1の化合物半導体層102に接続する形に設けてもよい。ただし、n型ドーピング層のシート抵抗を下げるためにはそれらの膜厚が厚い方がよいので、電極107を設ける位置としては図1のように第4の化合物半導体層の直上(あるいはn型ドーピング層の上面)が好ましい。
(実施形態2)
図6は、実施形態2に係る赤外線センサ600を示している。半導体基板101から第3の化合物半導体層105までは実施形態1と同一であり、また同様の変形形態が考えられる。赤外線センサ600は、第3の化合物半導体層105上に配置され、第3の化合物半導体層105よりも高濃度にp型ドーピングされ、かつ第1の化合物半導体層102および第3の化合物半導体層105よりも大きなバンドギャップを有する第5の化合物半導体層601をさらに備える。この構造はいわゆるPINダイオードの構造である。
図7は、実施形態2に係る赤外線センサにおけるエネルギーバンドギャップの模式図である。第5の化合物半導体層601のバンドギャップを第1の化合物半導体層102および第3の化合物半導体層105よりも大きくすることで、第5の化合物半導体層601中における、マイノリティキャリアである電子の熱励起による発生を効果的に抑制することができる。これにより、第5の化合物半導体層601より第3の化合物半導体層105側へ流れる電子による暗電流を抑制すると共に、第3の化合物半導体層105において熱励起、或いは光励起により発生した、第5の化合物半導体層601側へ流れる電子の拡散電流を抑制し、素子のダイオード抵抗の効果的な低減抑制が可能である。
ここで、第5の化合物半導体層601では赤外線を吸収することができない程度のワイドバンドギャップであるが、赤外線の吸収は第3の化合物半導体層105で行われるため問題とならない。また、同じく図7に示すように、光励起によって発生したキャリアは第5の化合物半導体層601により第5の化合物半導体層601側への拡散が抑制されるため、効率的にn型ドーピング層側へ拡散する。すなわち、発生したキャリアを効率的に利用可能となるため、内部量子効率が上がることになる。
第5の化合物半導体層601の組成は必要なバンドギャップの大きさ及び薄膜成長の容易さ等を考慮して適切な値に設計される。一例として、ナローバンドギャップの化合物半導体がInSbであり、p型ワイドバンドギャップ層がIn1-xAlxSbである場合、Alの組成は0.06≦x≦0.7、より好ましくは0.1≦x≦0.5、更に好ましくは0.15≦x≦0.3である。また、第5の化合物半導体層601のp型ドーピング濃度は7×1017原子/cm3以上が好ましく、より好ましく1×1018原子/cm3以上である。
(実施形態3)
図8は、実施形態3に係る赤外線センサ800を示している。半導体基板101から第3の化合物半導体層105までは実施形態1と同一であり、また同様の変形形態が考えられる。第3の化合物半導体層105の上に第3の化合物半導体層105よりも高濃度にp型ドーピングされ、かつ第1の化合物半導体層102および第3の化合物半導体層105よりも大きなバンドギャップを有する第5の化合物半導体層をさらに備える点は実施形態2と共通するが、本実施形態では、第5の化合物半導体層801の膜厚を臨界膜厚以下(概ね10nmから30nm程度)とする。このようにすることで、第3の化合物半導体層105との界面においてミスフィット転位等の格子欠陥が発生することを防ぎ、第5の化合物半導体層801の結晶性を高めることができる。さらに本実施形態では、第5の化合物半導体層801上に、第3の化合物半導体層105よりも高濃度にp型ドーピングされた第6の化合物半導体層802を備える。第5の化合物半導体層801は臨界膜厚以下であり非常に薄い。したがって第5の化合物半導体層801に電極を直接に形成すると電極形成のプロセス中に何らかの損傷を受ける可能性がある。第6の化合物半導体層802は、このような損傷から第5の化合物半導体層801を保護する約割がある。
なお、第6の化合物半導体層802は、電極106とのコンタクト層となる。電極とのコンタクト抵抗は等価回路上のシリーズ抵抗となり、赤外線センサのノイズを大きくする。したがって、第6の化合物半導体層802と電極106とのコンタクト抵抗を下げる為に第6の化合物半導体層802には第5の化合物半導体層801と同等またはそれ以上のp型ドーピングがなされていることが好ましい。特にp型ドーピング濃度は7×1017原子/cm3以上が好ましく、より好ましく1×1018原子/cm3以上である。また第6の化合物半導体層802の膜厚は0.05μ以上1μm以下が好ましく、より好ましくは0.1μm以上0.7μm以下である。
また、前記のように第6の化合物半導体層802は電極106とのコンタクト層となる為、その膜シート抵抗はなるべく小さい方が好ましい。従って第6の化合物半導体層802のバンドギャップは第5の化合物半導体層801よりも小さい方が好ましい。これはバンドギャップの小さい半導体は膜シート抵抗も小さい為である。ここで、第6の化合物半導体層802の組成を、第1の化合物半導体層102、または第3の化合物半導体層105と同じ組成にすると、バンドギャップが小さい為その膜シート抵抗も小さく出来る。さらに、格子定数が臨界膜厚以下の第5の化合物半導体層801と近い為に第5の化合物半導体層801に対して応力を与えることが無く、その結晶性を更に高めることが出来る。特に第3の化合物半導体層105と同じ組成の場合、第3の化合物半導体層105と第5の化合物半導体層801と第6の化合物半導体層802の格子定数が一致する為、高い結晶性の膜成長を行うことが出来る為、好ましい。
図9は、赤外線センサ800の変形形態900を示している。赤外線センサ900は、実施形態1において説明したように、第3の化合物半導体層105を第2の化合物半導体層103の上に直接に配置した構造である。この構造では、第1の化合物半導体層102で発生したマイノリティキャリアであるホールの熱拡散をより効果的に抑制し、拡散電流によるリーク電流をより効果的に抑制することができるので好ましい。
(実施形態4)
実施形態1〜3で説明してきた赤外線センサにおいて、たとえば図1の電極間のバイアスをゼロバイアスとし、信号を光電流ではなく開放回路電圧として読み取る光起電力型の素子として動作させることで、素子に電流が流れることにより発生する1/fノイズを抑制し、信号/ノイズ比(S/N比)を上げることができる。この場合の素子のノイズは熱ノイズ(ジョンソンノイズ)のみである。ここでジョンソンノイズはノイズ電圧v、信号を増幅する際の増幅器のバンド幅f、素子の絶対温度T、素子の抵抗R、ボルツマン定数kとすると次式のように表せる。
Figure 2009246207
上式からも素子の抵抗Rを小さくすることで、素子のノイズを下げることができることが分かる。したがって、素子のダイオード抵抗以外の直列抵抗成分、すなわちn型ドーピング層の膜シート抵抗や、電極とのコンタクト抵抗等の抵抗が大きいと素子のノイズが大きくなるので、ダイオード抵抗以外の直列抵抗成分はなるべく小さい方が好ましい。
図10は、半導体基板上に複数の赤外線センサ設けた構造を示している。各赤外線センサは電極により直列に接続されている。このような赤外線センサを光起電力型受光素子として動作させると、さらなるS/N比の増加が可能である。図10の構造は、化学エッチングによる素子分離と層の部分除去の後、全体に絶縁性の保護膜を積層し、素子とのコンタクト部分に窓開けした後、各素子が直列に繋がるように電極を形成することで得ることができる。光起電力型の動作の場合、信号である電圧は素子の接続数に比例するのに対し、熱ノイズは接続した素子抵抗のルートであるため、S/N比を接続数/(接続数)1/2の割合で増加することができる。
(実施形態5)
実施形態1〜4で説明してきた赤外線センサを、センサから出力される電気信号を処理する集積回路部と同一パッケージ内にハイブリッドに形成することで、超小型で、ノイズや温度揺らぎに強く、室温でより高感度である画期的な化合物半導体赤外線センサICを得る事ができる。また、信号処理によって特定の信号を識別して出力を行う等の、より高度な機能を付加することもできる。
第2の化合物半導体層による結晶欠陥の伝播抑制という効果を得るために適切な第1の化合物半導体層の膜厚を検討した。
半導体基板上に最初に成長する第1の化合物半導体層は、基板材料と格子不整合の大きいヘテロ成長となるために、最初は島状に成長し、成長した島が互いに接触し結合することで連続膜となる成長過程をとる。したがって、その膜厚が非常に薄い場合、連続膜を形成できないか、あるいは連続膜であっても十分な結晶性が得られない場合がある。このような結晶性の第1の化合物半導体層上に第2の化合物半導体層を成長しても、下層の第1の化合物半導体層の結晶性が影響し、第2の化合物半導体層も十分な結晶性が得られず十分な結晶欠陥の伝播抑制効果を発揮できない。
ここで、GaAs基板上に合計1μmのInSb膜を成長する際、膜厚20nmの第2の化合物半導体層Al0.17In0.83Sbを、基板から0.1μm、0.2μm、および0.3μmの位置にそれぞれ挿入した。このInSb膜をHF(フッ酸):HNO3(硝酸):H2O(水)=1:1:3のエッチャントでエッチングすると、表面に達した転位部分、いわゆる貫通転位がエッチピットとして得られた。エッチピットの数を数えることで、膜の表面に達した転位の数が得られる。
図11は、このようにして得られたエッチピットの数と第2の化合物半導体層Al0.17In0.83Sbの挿入位置の関係を示すグラフである。この図から分かるように、第2の化合物半導体層Al0.17In0.83Sbの挿入位置が基板から0.2μm及び0.3μmの位置では第2の化合物半導体層Al0.17In0.83Sbのない膜に比べて貫通転位の数が20%以上も減少している。すなわち第2の化合物半導体層Al0.17In0.83Sbが結晶欠陥の伝播を効果的に抑制している。一方で第2の化合物半導体層Al0.17In0.83Sbの挿入位置が基板から0.1μmの位置ではエッチングによりInSbの膜自体が溶解してしまった。すなわち膜の結晶性を逆に悪化させてしまうことを示している。従って、第2の化合物半導体層の挿入位置は、基板から0.1μmより離れた位置であることが好ましい。換言すれば、第1の化合物半導体層の膜厚は0.1μmを超えることが好ましい。
一方、この膜厚が厚過ぎると膜の成長に長い時間が必要となる。このため好ましい第1の化合物半導体層の膜厚としては0.1μm<x≦3.0μmであり、より好ましくは0.2μm≦x≦2.0μmであり、更に好ましくは0.3μm≦x≦1.0μmである。
第1および第4の化合物半導体層を合わせた全体のn型化合物半導体層の膜厚は0.1μmより厚ければよいが、好ましくは0.1μmより厚く3μm以下であり、より好ましくは0.7μm以上2μm以下である。
実施例2−1
図9に示した素子構造をMBE法により作製した。まず、半絶縁性のGaAs単結晶基板(001)面上に、Sn(n型ドーパント)を1.0×1019原子/cm3ドーピングしたInSb層(第1の化合物半導体層)を1.0μm成長し、この上に、同じくSn(n型ドーパント)を1.0×1019原子/cm3ドーピングしたAl0.17In0.83Sb層(第2の化合物半導体層)を0.02μm成長し、この上にZn(p型ドーパント)を6.0×1016原子/cm3ドーピングしたInSb層(第3の化合物半導体層)を1.0μm成長し、この上にZn(p型ドーパント)を2.0×1018原子/cm3ドーピングしたAl0.17In0.83Sb層(第5の化合物半導体層)を0.02μm成長し、最後に、この上にZn(p型ドーパント)を2.0×1018原子/cm3ドーピングしたInSb層(第6の化合物半導体層)を0.5μm成長した。ここで、各InSb層の室温におけるバンドギャップは0.18eVであり、各Al0.17In0.83Sb層の室温におけるバンドギャップは0.46eVである。これは、他の実施例及び比較例についても同様である。
このようにして作製した赤外線センサについて断面TEM(透過型電子顕微鏡)観察を行った。まず、イオンミリング法により薄片化し、続いて、HITACHI H−9000NARの電子顕微鏡を用いて加速電圧300kVの条件で観察した。
図12(b)に、倍率12500倍の観察結果を示す。図中に見られる斜めの線が転位である。写真から分かるようにn型InSb層と第3の化合物半導体層との間にあるn型のAl0.17In0.83Sb層(第2の化合物半導体層)によって、基板との界面から発生した転位が曲げられており、第3の化合物半導体層への転位の伝播が大幅に抑制されている効果がはっきりと分かる。
なお、膜厚0.02μmのAl0.17In0.83Sb層はInSbの下地に対して臨界膜厚以下であり、膜表面に平行な方向に関してInSb層とAl0.17In0.83Sb層は完全に格子整合していることを、断面TEMの写真と、X線回折による(115)面の逆格子マッピングの結果から確認した。
比較例2−1
実施例2−1からAl0.17In0.83Sb層(第2の化合物半導体層)を抜いた構造を作製した。この素子について、実施例2−1と同一条件で断面TEM観察を行った結果が図12(a)である。図12(a)から分かるように界面で発生した転位は第3の化合物半導体層を貫通している。
実施例2−2
図9に示した素子構造において第1の化合物半導体層中に図5のように第2の化合物半導体層を5層挿入した構造をMBE法により作製した。まず、半絶縁性のGaAs単結晶基板(001)面上に、Sn(n型ドーパント)を1.0×1019原子/cm3ドーピングしたInSb層を0.5μm成長し、この上に、同じくSn(n型ドーパント)を1.0×1019原子/cm3ドーピングしたAl0.17In0.83Sb層(第2の化合物半導体層)を0.02μm成長し、この上にSn(n型ドーパント)を1.0×1019原子/cm3ドーピングしたInSb層を0.02μm成長する。この後、上記と同じ0.02μmのAl0.17In0.83Sb層(第2の化合物半導体層)と0.02μmのInSb層を交互に積層し、Al0.17In0.83Sb層(第2の化合物半導体層)が合計5層になるまで繰り返し積層する。5層目のAl0.17In0.83Sb層(第2の化合物半導体層)上にはSn(n型ドーパント)を1.0×1019原子/cm3ドーピングしたInSb層を0.3μm成長する。この上に更にSn(n型ドーパント)を1.0×1019原子/cm3ドーピングしたAl0.17In0.83Sb層を0.02μm成長する。ここまでのn型ドーピング層(Snドーピング層)は合計で1μmの膜厚となっている。この上にZn(p型ドーパント)を6.0×1016原子/cm3ドーピングしたInSb層(第3の化合物半導体層)を1.0μm成長し、この上にZn(p型ドーパント)を2.0×1018原子/cm3ドーピングしたAl0.17In0.83Sb層(第5の化合物半導体層)を0.02μm成長し、最後に、この上にZn(p型ドーパント)を2.0×1018原子/cm3ドーピングしたInSb層(第6の化合物半導体層)を0.2μm成長した。
このようにして作製した赤外線センサについて実施例2−1と同一の条件で断面TEM観察を行った結果が図12(c)である。図12(c)から分かるように界面で発生した転位が、挿入された5層のAl0.17In0.83Sb層によって更に効果的に伝播抑制されていることがわかる。
実施例2−3
実施例2−1の構造を用いて、次の手順でPINダイオードを作製した。まず、n型ドーピング層とのコンタクトを取るための段差形成エッチングを酸により行い、次いで段差形成がされた化合物半導体薄膜に対して、素子分離のためのメサエッチングを行った。その後プラズマCVDを用いて、全面(GaAs基板およびこの基板に形成された化合物半導体構造)をSiN保護膜で覆った。次いで、形成されたSiN保護膜上で電極部分のみ窓開けを行い、Au/Ti(Tiが膜側)をEB蒸着し、リフトオフ法により電極を形成した。PN接合部分は8角形の形状をしており、面積は120.7μm2となるように設計した。また、比較例2−1の構造を用いてもPINダイオードを作製した。
図13は、このようにして作製したPINダイオードの電流−電圧特性を示している。実施例2−1の構造を用いたPINダイオードは、比較例2−1の構造を用いたものと比べて、逆バイアス時の電流すなわちダイオードの暗電流が減少している。また、正バイアス時の電流の立ち上がりがバイアスの大きい側へシフトしている。これはダイオードの拡散電流が抑制された効果である。
さらに、これらのPINダイオードを赤外線センサとして用いたときの特性を評価するため、赤外線を照射したときの素子の開放電圧を出力電圧として測定した。その結果を図14に示す。測定中の素子の温度は室温(27℃)である。入射する赤外線は500Kの黒体炉を使用して発生させ、センサから10cmの距離に黒体炉を設置した。このような配置で、素子の基板側から赤外線を入射した。入射した赤外線のエネルギーは1.2mW/cm2である。光チョッピングの周波数は10Hzであり、フィルタとしてSiを使用した。
測定によって得られた出力電圧は実施例2−1の構造については1.41μV、比較例2−1の構造については0.88μVであり、実施例2−1の構造を用いることで出力が1.6倍に増加することを確認した。これは上記拡散電流の抑制効果により、正バイアス時の電流の立ち上がりがバイアスの大きい側へシフトした結果開放電圧が大きくなる効果と、赤外線の入射により発生した正孔が光電流として取り出せない方向(逆方向)へ拡散することを、n型ワイドバンドギャップによって抑制することにより、受光素子の量子効率を上げた効果による。
実施形態1に係る赤外線センサの模式図である。 実施形態1に係る赤外線センサのバンド図である。 第1の化合物半導体層中の転位を示す図である。 実施形態1に係る赤外線センサの変形形態を示す図である。 実施形態1に係る赤外線センサの変形形態を示す図である。 実施形態2に係る赤外線センサの模式図である。 実施形態2に係る赤外線センサのバンド図である。 実施形態3に係る赤外線センサの模式図である。 実施形態3に係る赤外線センサの変形形態を示す図である。 実施形態4に係る赤外線センサの模式図である。 第1の化合物半導体層の膜厚とエッチピット密度の関係を示す図である。 (a)は比較例2−1、(b)は実施例2−1、(c)は実施例2−2の断面TEM(透過型電子顕微鏡)観察結果を示す図である。 比較例2−1および実施例2−1の構造を用いたPINダイオードの電流−電圧特性を示す図である。 比較例2−1および実施例2−1の構造を用いた赤外線センサに赤外線を照射したときの出力電圧を示す図である。
符号の説明
100、600、800、900 赤外線センサ
101 半導体基板
102 第1の化合物半導体層
103 第2の化合物半導体層
104 第4の化合物半導体層
105 第3の化合物半導体層
106、107、407 電極
601、801、901 第5の化合物半導体層
802、902 第6の化合物半導体層

Claims (18)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上の、インジウム及びアンチモンを含み、n型ドーピングされた材料である第1の化合物半導体層と、
    前記第1の化合物半導体層上の、n型ドーピングされた材料である第2の化合物半導体層と、
    前記第2の化合物半導体層上の、インジウム及びアンチモンを含み、ノンドープあるいはp型ドーピングされた材料である第3の化合物半導体層と
    を備え、
    前記第2の化合物半導体層以外の層のバンドギャップは、0.25eV以下であって、
    前記第2の化合物半導体層は、前記第1の化合物半導体層および前記第3の化合物半導体層よりもバンドキャップが大きいことを特徴とする赤外線センサ。
  2. 前記第3の化合物半導体層は、前記第2の化合物半導体層上に直接に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサ。
  3. 前記第2の化合物半導体層と前記第3の化合物半導体層との間に、前記第1の化合物半導体層と同一組成であって、n型ドーピングされた材料である第4の化合物半導体層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサ。
  4. 前記第3の化合物半導体層は、前記第1の化合物半導体層と同一組成であり、
    前記第2の化合物半導体層の膜厚は、臨界膜厚以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の赤外線センサ。
  5. 半導体基板と、
    前記半導体基板上の、インジウム及びアンチモンを含み、n型ドーピングされた材料である第1の化合物半導体層と、
    前記第1の化合物半導体層上の、n型ドーピングされた材料であって、臨界膜厚以下である第2の化合物半導体層と、
    前記第2の化合物半導体層上の、前記第2の化合物半導体層との界面において前記第1の化合物半導体層と同一組成であり、膜厚方向に組成が傾斜している第4の化合物半導体層と、
    前記第4の化合物半導体層上の、インジウム及びアンチモンを含み、ノンドープまたはp型ドーピングの第3の化合物半導体層であって、前記第4の化合物半導体層との界面において前記第4の化合物半導体層と同一組成である第3の化合物半導体層と
    を備え、
    前記第2の化合物半導体層以外の層のバンドギャップは、0.25eV以下であって
    前記第2の化合物半導体層は、前記第1の化合物半導体層および前記第3の化合物半導体層よりもバンドキャップが大きいことを特徴とする赤外線センサ。
  6. 半導体基板と、
    前記半導体基板上の、インジウム及びアンチモンを含み、n型ドーピングされた材料である第1の化合物半導体層と、
    前記第1の化合物半導体層上の、n型ドーピングされた材料であって、臨界膜厚以下である第2の化合物半導体層と、
    前記第2の化合物半導体層上の、前記第2の化合物半導体層との界面において前記第1の化合物半導体層と同一組成であり、膜厚方向に組成が傾斜しているノンドープまたはp型ドーピングされた材料である組成遷移層と、
    前記組成遷移層上の、インジウム及びアンチモンを含み、ノンドープまたはp型ドーピングされた材料である第3の化合物半導体層であって、前記組成遷移層との界面において前記組成遷移層と同一組成である第3の化合物半導体層と
    を備え、
    前記第2の化合物半導体層以外の層のバンドギャップは、0.25eV以下であって
    前記第2の化合物半導体層は、前記第1の化合物半導体層および前記第3の化合物半導体層よりもバンドキャップが大きいことを特徴とする赤外線センサ。
  7. 前記第1の化合物半導体層と、第2の化合物半導体層との間に、前記第1の化合物半導体層と同一組成の第1の繰り返し層と、前記第2の化合物半導体層と同一組成の第2の繰り返し層とをそれぞれ少なくとも1層ずつ備え、
    前記第1の繰り返し層と前記第2の繰り返し層とは、交互に配置されており、
    前記第2の繰り返し層の膜厚は、臨界膜厚以下であることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の赤外線センサ。
  8. 前記第1の化合物半導体層及び前記第3の化合物半導体層は、InSb、InAsSb、又はInSbNのいずれかであり、前記第2の化合物半導体層は、AlInSb、GaInSb、若しくはAlAs、InAs、GaAs、AlSb、GaSb、又はそれらの混晶のいずれかであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の赤外線センサ。
  9. 前記第2の化合物半導体層は、前記第1の化合物半導体層と同等の濃度にn型ドーピングされていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の赤外線センサ。
  10. 前記第3の化合物半導体層上に配置され、前記第3の化合物半導体層よりも高濃度にp型ドーピングされ、かつ前記第1の化合物半導体層および前記第3の化合物半導体層よりも大きなバンドギャップを有する第5の化合物半導体層をさらに備えることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の赤外線センサ。
  11. 前記第5の化合物半導体層は、AlInSb、GaInSb、若しくはAlAs、InAs、GaAs、AlSb、GaSb、又はそれらの混晶のいずれかであることを特徴とする請求項10に記載の赤外線センサ。
  12. 前記第5の化合物半導体層は臨界膜厚以下であり、
    前記第5の化合物半導体層上に、前記第5の化合物半導体層と同等以上にp型ドーピングされている、第6の化合物半導体層をさらに備えることを特徴とする請求項10または11に記載の赤外線センサ。
  13. 前記p型ドーピングされた第6の化合物半導体層は、前記第1の化合物半導体層または、前記第3の化合物半導体層と同一組成であることを特徴とする請求項12に記載の赤外線センサ。
  14. 前記第1の化合物半導体層の膜厚は、0.1μmを超えることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の赤外線センサ。
  15. 前記半導体基板は、半絶縁性の半導体基板、または前記半導体基板と該半導体基板に形成された前記第1の化合物半導体層とが絶縁分離可能な半導体基板であり、
    前記第1の化合物半導体層上のうち、前記第3の化合物半導体層が形成されていない領域に形成された第1の電極と、
    前記第3の化合物半導体層上に形成された、第2の電極と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の赤外線センサ。
  16. 前記半導体基板上には、前記赤外線センサに形成された第1の電極と、該第1の電極が形成された赤外線センサの隣の赤外線センサに形成された第2の電極とが直列接続するように、複数の赤外線センサが連続的に形成されていることを特徴とする請求項15に記載の赤外線センサ。
  17. 出力信号を測定する際に、前記第1及び第2の電極間のバイアスをゼロバイアスとし、赤外線入射時の信号を開放回路電圧として読み出すことを特徴とする請求項15または16に記載の赤外線センサ。
  18. 請求項1乃至17のいずれかに記載の赤外線センサと、
    前記赤外線センサから出力される電気信号を処理して所定の演算を行う集積回路部と
    を備え、
    前記赤外線センサ及び前記集積回路部が同一パッケージ内にハイブリッドの形態で配設されていることを特徴とする赤外線センサIC。
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