JP2011171546A - 受光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】受光素子30は、第1導電型の半導体基板1と、半導体基板1上に形成された第1導電型の半導体層2と、半導体層2における表面を含む所定の領域に形成され、外部から前記半導体層との間に電位差を生じさせたときに前記半導体層との界面及びその近傍の領域に第1の空乏層P2を発生する第2導電型の拡散層3と、拡散層3の上方に形成され、外部から拡散層3との間に電位差を生じさせたときに拡散層3の表面及びその近傍の領域に第2の空乏層P1を発生する電極6と、を備えている。
【選択図】図2
Description
光ディスクに照射されるレーザ光の発振波長は再生される光ディスクによって異なる。例えば、CDに用いられるレーザ光の発振波長は780nm帯の近赤外波長であり、DVDに用いられるレーザ光の発振波長は635nm帯または650nm帯の赤色波長である。
通常、光ディスク再生装置は、これら各種光ディスクに対応できるように、上記各発振波長のレーザ光をそれぞれ照射する複数の半導体レーザ素子と、上記各発振波長に対して高感度を有する受光素子とを備えている。
このような受光素子の一例が特許文献1に開示されている。
BDに用いられるレーザ光の発振波長は、CDやDVDに用いられるレーザ光の発振波長よりもさらに短い405nm帯の青色波長である。
しかしながら、発明者が鋭意実験した結果、特許文献1に記載されているような受光素子では、405nm帯の青色波長における受光感度が、上述の780nm帯の近赤外波長や635nm帯または650nm帯の赤色波長における受光感度と比較して低いことが確認されており、405nm帯の青色波長における受光感度の向上が望まれている。
受光素子に照射されるレーザ光の発振波長が短いほど、その光電変換領域は受光素子の表面を含むより浅い領域となる。この表面を含むより浅い領域に高ドーパント濃度の拡散層が存在すると、拡散層中での少数キャリアの再結合が発生する。少数キャリアの再結合は光電変換効率を悪化させる要因の1つであり、このため受光素子の受光感度が悪化する。
1)第1導電型の半導体基板(1)と、前記半導体基板上に形成された第1導電型の半導体層(2)と、前記半導体層における表面を含む所定の領域に形成され、外部から前記半導体層との間に電位差を生じさせたときに前記半導体層との界面及びその近傍の領域に第1の空乏層(P2)を発生する第2導電型の拡散層(3)と、前記拡散層の上方に形成され、外部から前記拡散層との間に電位差を生じさせたときに前記拡散層の表面及びその近傍の領域に第2の空乏層(P1)を発生する電極(6)と、を備えていることを特徴とする受光素子(30)。
2)前記拡散層の表面及びその近傍の領域に外部から所定の波長を有する第1の光(LB)が入射したときに、前記第1の光は前記拡散層で光電変換されて第1の電荷(e1)となり、前記第1の電荷は前記第2の空乏層によって形成された電位勾配により、前記拡散層における前記第2の空乏層よりも深い領域に移動し、前記半導体層に外部から前記所定の波長よりも長い波長を有する第2の光(LR)が入射したときに、前記第2の光は前記半導体層で光電変換されて第2の電荷(e2)となり、前記第2の電荷は前記第1の空乏層によって形成された電位勾配により、前記拡散層の前記深い領域に移動することを特徴とする1)記載の受光素子。
3)前記第1の電荷及び前記第2の電荷を増幅させて電気信号に変換するアンプ部(20,21)をさらに備えていることを特徴とする2)記載の受光素子。
なお、図1〜図9では説明をわかりやすくするために同じ構成部には同じを符号を付している。
本発明の受光素子の実施例として集積化受光素子(PDIC)を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、入射光を電荷に光電変換する受光部を備えた受光素子全般に対して本発明を適用できる。
また、受光素子30は、帰還抵抗Raをさらに備えた構成としてもよい。
なお、n+型とはn型よりもn型ドーパント濃度が高いことを示すものである。即ち、シリコン基板1のn型ドーパント濃度がシリコンエピタキシャル層2のn型ドーパント濃度よりも高いことを示している。
実施例では、n型のシリコンエピタキシャル層2の比抵抗を10Ω・cmとし、厚さを10μmとした。
実施例では、拡散層3の表面から深さ方向の厚さt3を1μmとした。
実施例では、電極6としてリンがドープされた導電性のポリシリコン膜を形成し、その厚さを50nmとした。
図3において、横軸は拡散層3の表面からの距離を示す。即ち、横軸における“0.0”は拡散層3の表面の位置を示し、“1”は拡散層3の表面から1μmの深さの位置を示し、“2”は拡散層3の表面から2μmの深さの位置を示す。
また、図3において、縦軸は拡散層3のp型ドーパント濃度を示す。図3の縦軸における“1.0e+14”は“1.0×1014”を示し、“1.0e+15”は“1.0×1015”を示し、“1.0e+16”は“1.0×1016”を示し、“1.0e+17”は“1.0×1017”を示す。
図3に示すように、拡散層3のp型ドーパント濃度は、表面近傍で最も高く、深くなるに従って低くなる濃度分布を有する。
図2のCMOSトランジスタ21は、図1のIV変換アンプ部20に含まれる主要構成部である。
また、図2では図示されていないが、CMOSトランジスタ21は、n+型の拡散層であるソース及びドレインと、酸化膜上に形成されたゲート電極と、を有するn型トランジスタを備えている。
実施例では、ゲート電極25としてリンがドープされた導電性のポリシリコン膜を形成した。
これにより、電極6と拡散層3との間に電位差が生じるため、拡散層3の表面及びその近傍の領域に空乏層P1が電位差に応じた厚さで形成される(図5参照)。
即ち、空乏層P1は上記電位差が大きいほど厚く形成され、小さいほど薄く形成される。
例えば、電極6に5Vの電圧を印加し、拡散層3に2.5Vの電圧を印加したときの空乏層P1は、拡散層3の表面から0.35μmの深さまでの範囲に形成される。
少数キャリアの再結合はp型ドーパント濃度に依存するため、拡散層3の表面及びその近傍で発生した電荷e1を拡散層3の深さ方向に速やかに移動させることにより、少数キャリアの再結合を抑制することができる。
これにより、シリコンエピタキシャル層2と拡散層3との間に電位差が生じるため、シリコンエピタキシャル層2における拡散層3との界面及びその近傍の領域に空乏層P2が電位差に応じた厚さで形成される(図5参照)。
即ち、空乏層P2は電位差が大きいほど厚く形成され、電位差が小さいほど薄く形成される。
例えば、シリコン基板1(シリコンエピタキシャル層2)に5Vの電圧を印加し、拡散層3に2.5Vの電圧を印加したときの空乏層P2は、拡散層3の表面に対して深さ1μmから深さ5μmまでの範囲に形成される。
なお、図6〜図9では、説明をわかりやすくするために、図2と同じ構成部には同じ符号を付している。
n+型のシリコン基板1上に形成されたn型のシリコンエピタキシャル層2の表面及びその近傍の領域を選択酸化法を用いて酸化させ、酸化膜5,酸化膜24,及びフィールド酸化膜26を形成する。
シリコンエピタキシャル層2の酸化膜5が形成されている領域に対応する領域に、p型ドーパントを例えばイオン注入法を用いて注入し、さらに所定の温度で所定の時間、熱拡散処理を行って、p型の拡散層3を形成する。
実施例では、p型ドーパントとしてボロン(B)を用いた。
酸化膜24上に、リン(P)がドープされた導電性のポリシリコン膜を、例えばCVD法を用いて形成し、さらにポリシリコン膜をフォトリソグラフィ法を用いてパターン化することによってゲート電極25を形成する。
酸化膜5,電極6,酸化膜24,及びフィールド酸化膜26上における所定の領域にパターン化されたレジスト膜40を形成する。
次にレジスト膜40をマスクとしてp型ドーパントを例えばイオン注入法を用いて注入し、さらに所定の温度で所定の時間、熱拡散処理を行って、p+型の拡散層4,ソース22,及びドレイン23を形成する。
実施例では、p型ドーパントとしてボロン(B)を用いた。
また、実施例では、p+型の拡散層4の表面から深さ方向の厚さを0.3μmとした。
レジスト膜40を除去した後、酸化膜5,電極6,酸化膜24,ゲート電極25,及びフィールド酸化膜26上に例えばSiN膜をCVD法を用いて形成し、さらにSiN膜をフォトリソグラフィ法を用いてパターン化することにより、反射防止膜7を形成する。
上述した工程により、受光素子30が形成される。
アノードコモン型の場合、シリコン基板(シリコンエピタキシャル層)及び電極(6)への印加電圧は例えば0Vであり、拡散層(3)への印加電圧は例えば2.5Vである。
Claims (3)
- 第1導電型の半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された第1導電型の半導体層と、
前記半導体層における表面を含む所定の領域に形成され、外部から前記半導体層との間に電位差を生じさせたときに前記半導体層との界面及びその近傍の領域に第1の空乏層を発生する第2導電型の拡散層と、
前記拡散層の上方に形成され、外部から前記拡散層との間に電位差を生じさせたときに前記拡散層の表面及びその近傍の領域に第2の空乏層を発生する電極と、
を備えていることを特徴とする受光素子。 - 前記拡散層の表面及びその近傍の領域に外部から所定の波長を有する第1の光が入射したときに、前記第1の光は前記拡散層で光電変換されて第1の電荷となり、前記第1の電荷は前記第2の空乏層によって形成された電位勾配により、前記拡散層における前記第2の空乏層よりも深い領域に移動し、
前記半導体層に外部から前記所定の波長よりも長い波長を有する第2の光が入射したときに、前記第2の光は前記半導体層で光電変換されて第2の電荷となり、前記第2の電荷は前記第1の空乏層によって形成された電位勾配により、前記拡散層の前記深い領域に移動することを特徴とする請求項1記載の受光素子。 - 前記第1の電荷及び前記第2の電荷を増幅させて電気信号に変換するアンプ部をさらに備えていることを特徴とする請求項2記載の受光素子。
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