JP2011169924A - 露光装置及び露光方法 - Google Patents

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学 岸田
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Abstract

【課題】比較的安価なフィルムマスクを用いて、マスク交換時間(装置ダウンタイム)の短縮と高精度な露光を簡単な構成で実現することができる露光装置及び露光方法を提供する。
【解決手段】露光装置は、照明光学系160からの露光光の光束をマスクMを介してワークWに照射し、マスクMのパターンPaをワークWに転写する。マスクMは、パターンPaが形成されるフィルムマスク120と、該フィルムマスク120が貼り付けられるガラス板122と、を備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、露光装置及び露光方法に関する。
従来の露光装置には、感光剤が塗布されたワークをマスクに対して数10μm〜数100μmのギャップで近接させ、マスクを介してワークに露光光を照射して露光する近接露光装置と、ワークをマスクに密着させて、マスクを介してワークに露光光を照射して露光する密着露光装置と、がある(例えば、特許文献1及び2参照。)。これらの露光装置に使用されるマスクとしては、比較的安価なフィルムマスクを使用することが考案されている。
特許文献1に記載の近接露光装置では、ガラス板保持手段によって透明ガラス板を保持し、透明ガラス板の下面に形成された密接平面に、フィルムマスクを吸着保持することで、安定した微小すきまを確保して、高品質な露光を行うことが記載されている。また、特許文献2に記載の密着露光装置では、フィルムマスクと支持体とを縁部において締結し、フィルムマスクと支持体との間に流体を導入して加圧することで、フィルムマスクをワークに密着させることが記載されている。
特開2005−300753号公報 特許第3099841号公報
ところで、特許文献1に記載の近接露光装置では、フィルムをガラス板に真空吸着するため、吸着圧によってフィルムに歪やしわ等が発生する場合があった。また、新しいフィルムマスクを用いる場合には、再度フィルムマスクを真空吸着する必要があるため、マスク交換時間(装置ダウンタイム)が長くなるという課題がある。また、特許文献2に記載の密着露光装置では、フィルムマスクを張り替える際に締結を解除する作業が必要となり、マスク交換時間(装置ダウンタイム)が長くなってしまう。また、いずれもフィルムマスクをガラス板に吸着する機構が必要となり、装置が複雑になるという問題があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的安価なフィルムマスクを用いて、マスク交換時間(装置ダウンタイム)の短縮と高精度な露光を簡単な構成で実現することができる露光装置及び露光方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) マスクを保持するマスク保持部と、
前記マスクと対向する露光領域においてワークを支持するワーク支持部と、
前記露光領域に位置する前記ワークに対して露光光を前記マスクを介して照射する照明光学系と、
を備え、
前記照明光学系からの露光光の光束を前記マスクを介して前記ワークに照射し、前記マスクのパターンを前記ワークに転写する露光装置であって、
前記マスクは、前記パターンが形成されるフィルムマスクと、該フィルムマスクが貼り付けられる透明媒体と、を備えることを特徴とする露光装置。
(2) 前記透明媒体は、前記フィルムマスクを前記透明媒体に対して前記ワーク側に配置した状態で前記マスク保持部に吸着保持されることを特徴とする(1)に記載の露光装置。
(3) 前記フィルムマスクのパターンは、前記フィルムマスクの前記透明媒体に貼り付けられる側の面に形成されることを特徴とする(1)又は(2)に記載の露光装置。
(4) 前記透明媒体は、前記フィルムマスクを前記透明媒体に対して前記ワークと反対側に配置した状態で前記マスク保持部に吸着保持され、
前記透明媒体を前記ワークに密着させて、前記フィルムマスクと前記ワークとを前記透明媒体によって所定のギャップを保った状態で、前記照明光学系からの露光光の光束を前記マスクを介して前記ワークに照射することを特徴とする(1)又は(2)に記載の露光装置。
(5) マスクを保持するマスク保持部と、前記マスクと対向する露光領域においてワークを支持するワーク支持部と、前記露光領域に位置する前記ワークに対して露光光を前記マスクを介して照射する照明光学系と、を備え、前記照明光学系からの露光光の光束を前記マスクを介して前記ワークに照射し、前記マスクのパターンを前記ワークに転写する露光方法であって、
前記マスクは、前記パターンが形成されるフィルムマスクと、該フィルムマスクが貼り付けられる透明媒体と、を備えることを特徴とする露光方法。
本発明の露光装置及び露光方法によれば、マスクは、パターンが形成されるフィルムマスクと、該フィルムマスクが貼り付けられる透明媒体と、を備えるので、比較的安価なフィルムマスクを用いて、マスク交換時間(装置ダウンタイム)の短縮と高精度な露光を簡単な構成で実現することができる。
本発明の第1実施形態に係る近接露光装置を説明するための概略図である。 図1におけるマスク保持機構の斜視図である。 図1におけるマスク保持機構の平面図である。 図3におけるIV‐IV断面図である。 図4における第1駆動機構の拡大図である。 図3におけるVI‐VI断面図である。 変形例のマスク保持機構の縦断面図である。 (a)は、本実施形態のマスクの詳細を示す断面図であり、(b)はその変形例である。 (a)は、アライメント検出系及びギャップセンサが取り付けられたセンサキャリアを示す正面図であり、(b)は、その側面図である。 センサキャリアの変形例を示す図である。 図1の照明光学系及び曲率補正量検出系を示す図である。 (a)は、カセットを示す正面図であり、(b)は(a)のXII方向から見た断面図であり、(c)は、(a)のXII´方向から見たカセットの断面図をインテグレータレンズとともに示す図である。 カセットに取り付けられた光源部近傍の拡大断面図である。 各光源部の制御構成を示すための図である。 ランプ押さえ機構の変形例を示すカセットの断面図である。 (a)は、照明光学系の反射鏡支持構造を示す正面図であり、(b)は(a)のXVI−XVI線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のXVI´−XVI´線に沿った断面図である。 図16の反射鏡支持構造の支持機構を作動した状態を示す図である。 照明光学系の反射鏡支持構造の変形例を示す図である。 本実施形態の露光方法のフローチャートを示す図である。 アライメント調整後のマスクとワークの位置関係を示す図である。 (a)は、反射鏡の曲率を補正する前の状態を示す図であり、(b)は、(a)の左のカメラの撮像図であり、(c)は、(a)の右のカメラの撮像図である。 (a)は、反射鏡の曲率を補正した後の状態を示す図であり、(b)は、(a)の左のカメラの撮像図であり、(c)は、(a)の右のカメラの撮像図である。 反射板に投影されるレーザー光の変位量を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るマスク保持機構の斜視図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る露光装置において、反射鏡の曲率を補正する前の状態を示す図であり、(b)は、(a)の左のカメラの撮像図であり、(c)は、(a)の右のカメラの撮像図である。 (a)は、図25の露光装置において、反射鏡の曲率を補正した後の状態を示す図であり、(b)は、(a)の左のカメラの撮像図であり、(c)は、(a)の右のカメラの撮像図である。 本発明の第4実施形態に係る両面露光装置を説明するための概略図である。 図27のマスク支持機構を示す断面図である。 アライメント機構を示す図であり、(a)はその正面図であり、(b)は(a)のXXIX−XXIX断面図であり、(c)は、(a)のXXIX´−XXIX´断面図であり、(d)は(b)のXXIX´´−XXIX´´断面図である。 第4実施形態に適用されるマスクの詳細を示す断面図である。 第4実施形態において反射鏡の曲率を補正する状態を説明する図である。
以下、本発明の各実施形態に係る近接露光装置及び近接露光方法について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態においては、ワークの搬送方向を水平面状の一方向であるX方向とし、X方向と直交する水平面上の方向をY方向、X方向及びY方向と直交する鉛直方向をZ方向、X方向及びY方向に直交する軸回り方向をθ方向と定義する。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、第1実施形態の近接露光装置を説明すると、図において符号1はフープ材等のワークWを水平方向にタクト送りで巻き出すための巻出し装置、2は露光領域Pの下流側に配置されて露光後のワークWを巻き取るための巻取り装置である。
巻出し装置1と巻取り装置2との間には、ワークWの搬送方向に沿って延びる架台3が複数の起立フレームF間に掛け渡されて設置されている。該架台3上には、ワークWを吸着するワークチャック4を備え、ワークWを支持するワークテーブル(ワーク支持部)5が設置されており、ワークチャック4の位置で露光領域Pが形成される。また、巻出し装置1と露光領域Pとの間、及び巻取り装置2と露光領域Pとの間には、それぞれテンションロール6a,6b、一対のガイドロール7a,7b、及び一対のインデックスロール8a,8bが配置されている。
テンションロール6a,6bは、Z方向に駆動可能に取り付けられており、ワークWのたるみを防止する。一対のガイドロール7a,7bは、X方向に駆動可能に取り付けられており、ワークWを挟持して露光領域Pに位置するワークWにテンションを付与する。一対のインデックスロール8a,8bは、Y方向及びθ方向に駆動可能に取り付けられており、ワークWを移動させて、ワークWとマスクMとの位置を調整する。なお、本実施形態では、巻出し装置1、巻取り装置2、テンションロール6a,6b、一対のガイドロール7a,7b、及び一対のインデックスロール8a,8bが本発明の搬送装置を構成している。
図2〜図6に示すように、マスク保持機構10は、マスクMを保持する略矩形状のマスク保持部16と、本発明のマスク駆動機構200をなす、一対の第1駆動機構11A、11B及び第2駆動機構12と、を備える。一対の第1駆動機構11A、11B、及び第2駆動機構12は、近接露光装置の起立フレームFに固定された略矩形枠状のフレーム13に配設されている。一対の第1駆動機構11A、11Bは、フレーム13のY方向に沿う一辺13aに、Y方向に離間して固定されており、マスク保持部16のY方向に延びる一辺16aを、該一辺16aの中間位置から等間隔離れた位置でそれぞれ支持している。第2駆動機構12は、フレーム13のY方向に沿う他の一辺13bに固定されており、一対の第1駆動機構11A、11Bが支持するマスク保持部16の一辺16aと対向する一辺16bの中間位置を支持している。
第1及び第2駆動機構11A、11B、12は、下面にマスクMが保持されるマスク保持部16をフレーム13の枠内でX、Y、Z、θ方向に移動自在に保持する。尚、一対の第1駆動機構11A、11Bは、後述するX軸モータ22の取り付け方向が異なる以外は、同一構造を有するので、以下の説明においては、主に第1駆動機構11Aについて説明する。
図5も参照して、第1駆動機構11Aは、マスク保持部16をZ方向に駆動可能な第1のZ軸モータ21及びX方向に駆動可能なX軸モータ22を有する第1駆動部20と、マスク保持部16をY方向に案内する第1の案内部である一対のY方向のリニアガイド23とを備える。第1のZ軸モータ21は、フレーム13の一辺13aに固定されたハウジング24に、回転軸25をZ方向下方に向けて固定されている。回転軸25には、ハウジング24に回転自在に支持されたねじ軸28が連結されており、ねじ軸28に螺合するナット27と共にボールねじ機構を構成する。
ナット27には、Z軸方向のリニアガイド29に案内されてZ方向に移動可能とされた第1のZ軸可動台31が固定されている。これにより、第1のZ軸モータ21が回転すると、第1のZ軸可動台31がZ方向に移動する。
第1のZ軸可動台31の上部からフレーム13の内側(X方向)に向かって張り出して形成された張り出し部31aには、第1の自在継手としての十字継手34の一方のコの字部材32aが固定されている。十字継手34は、両端に設けられた軸支持部が、互いに直交する方向に組み合わされて配置された一対のコの字部材32a、32bと、各軸支持部に回動自在に嵌合する十字軸33とから構成される。これにより、他方のコの字部材32bは、一方のコの字部材32aに対して、XZ面、及びYZ面内で回動自在に連結される。なお、図4では、十字継手34、及び後述する十字継手64等を省略して図示している。
十字継手34の他方のコの字部材32bは、X軸モータ基台35に固定されている。X軸モータ基台35には、X軸モータ22が、第1の傾斜方向、即ち水平面内(XY面)においてX方向に対して所定の角度αだけ傾けられて固定されている(図4参照)。X軸モータ22の回転軸に固定されたねじ軸36にはナット37が螺合し、このナット37は第1の案内板38に固定されている。尚、一対の第1駆動機構11A、11Bの各X軸モータ22は、その軸芯の取付け角度αが一対の第1駆動機構11A,11B間のX方向中心
線X(本実施形態では、マスク保持部16の重心Gを通過するX方向中心線)に対して線対称に配置されている。
第1の案内板38の上面と、X軸モータ基台35の下面との間には、ガイドレール39a及びスライダ39bからなる第3の案内部としての一対のリニアガイド39が、ねじ軸36の軸芯と平行に配設されており、第1の案内板38を第1の傾斜方向に案内する。
また、第1の案内板38の下面には、Y方向に延びるガイドレール23a及びスライダ23bからなる第1の案内部としての一対のリニアガイド23が設けられており、一対のスライダ23bに固定された回転台41をY方向に案内する。回転台41には、回転軸41aが取り付けられ、その回転軸41aの周囲に転がり軸受40を配置して、マスク保持部16を水平面内で回動自在に支持する回転支持機構42を構成する。
第2駆動機構12は、マスク保持部16をZ方向に駆動可能な第2のZ軸モータ51及びY方向に駆動可能なY軸モータ52を有する第2駆動部50と、マスク保持部16をX方向に案内する第2の案内部であるX方向のリニアガイド53とを備える。
第2のZ軸モータ51は、フレーム13の一辺13bに固定されたハウジング54に、回転軸55をZ方向下方に向けて固定されている。回転軸55には、ハウジング54に回転自在に支持されたねじ軸58が連結されており、ねじ軸58に螺合するナット57と共にボールねじ機構を構成する。
ナット57には、Z軸方向のリニアガイド59に案内されてZ方向に移動可能とされた第2のZ軸可動台61が固定されている。これにより、第2のZ軸モータ51が回転すると、第2のZ軸可動台61がZ方向に移動する。
第2のZ軸可動台61の上部からフレーム13の内側(X方向)に向かって張り出して形成された張り出し部61aには、第2の自在継手である十字継手64の一方のコの字部材62aが固定されている。十字継手64は、両端に設けられた軸支持部が、互いに直交する方向に組み合わされて配置された一対のコの字部材62a、62bと、各軸支持部に回動自在に嵌合する十字軸63とから構成される。これにより、他方のコの字部材62bは、一方のコの字部材62aに対して、XZ面、及びYZ面内で回動自在に連結される。
十字継手64の他方のコの字部材62bは、Y軸モータ基台65に固定されている。Y軸モータ基台65には、Y軸モータ52が、第2の傾斜方向、即ち水平面内(XY面)においてY方向に対して所定の角度βだけ傾けられて固定されている(図3参照)。Y軸モータ52の回転軸に固定されたねじ軸66にはナット67が螺合し、このナット67は第2の案内板68に固定されている。
第2の案内板68の上面と、Y軸モータ基台65の下面との間には、ガイドレール69a及びスライダ69bからなる第4の案内部としての一対のリニアガイド69が、ねじ軸66の軸芯と平行に配設されており、第2の案内板68を第2の傾斜方向に案内する。
また、第2の案内板68の下面には、X方向に延びるガイドレール53a´及びスライダ53b´からなる第2の案内部としての一対のリニアガイド53が設けられており、一対のスライダ53b´に固定された回転台71をX方向に案内する。回転台71には、回転軸71aが取り付けられ、その回転軸71aの周囲に転がり軸受70を配置して、マスク保持部16を水平面内で回動自在に支持する回転支持機構72を構成する。
上記したように、マスク保持部16は、3つの十字継手34、34、64を介してZ軸可動台31、31、61に支持されているので、一対の第1駆動機構11A、11Bの第1のZ軸モータ21、21、及び第2駆動機構12の第2のZ軸モータ51のいずれかが作動したときに生じるZ軸可動台31、31、61(フレーム13)とマスク保持部16との相対的な傾きが、3つの十字継手34、34、64の回動によって吸収される。
また、マスク保持部16は、一対の第1駆動機構11A、11Bの転がり軸受40、40、及び第2駆動機構12の転がり軸受70を介してZ軸可動台31、31、61に支持されているので、一対の第1駆動機構11A、11BのX軸モータ22、22、及び第2駆動機構12のY軸モータ52のいずれかが作動したときに生じるフレーム13とマスク保持部16との相対的な回転(Z軸周りの回転)θは、3つの転がり軸受40、40、70によって吸収される。
以下、本実施形態のマスク保持機構10の各動作について説明する。
(X方向移動)
マスク保持部16のX方向移動は、一対の第1駆動機構11A、11BのX軸モータ22、22を互いに逆方向に同期回転させることにより行われる。図2及び図3に示すように、2つのX軸モータ22、22を回転させ、ねじ軸36に螺合するナット37を介して第1の案内板38をX軸モータ基台35の一対のリニアガイド39でガイドしながら第1の傾斜方向(矢印A方向)に移動させる。
一対のリニアガイド39がX軸に対して角度α傾斜しているので、第1の案内板38の第1の傾斜方向への移動量のY方向成分(第1の案内板38の第1の傾斜方向移動量×sinα)は、第1の案内部23のガイドレール23aとスライダ23bとの相対移動によって吸収される。従って、回転台41、即ちマスク保持部16がY方向に移動することはない。
一方、第1の案内板38の第1の傾斜方向への移動量のX方向成分(第1の案内板38の第1の傾斜方向移動量×cosα)は、第1の案内部23の案内方向(Y方向)と直交しているので、移動量のX方向成分は回転台41を介してマスク保持部16に伝達され、マスク保持部16をX方向に移動させる。このとき、第2駆動機構12の第2の案内部53は、ガイドレール53a´とスライダ53b´とが相対移動してマスク保持部16のX方向移動を許容する。
上記したように、一対の第1駆動機構11A、11BのX軸モータ22、22を、2つの第1の案内板38、38の第1の傾斜方向への移動量のX方向成分が同じ長さとなるように同期回転させることにより、マスク保持部16が回転(θ方向)することなくX方向に水平移動する。
また、一対のリニアガイド39がX軸に対して角度α傾斜しているので、第1の案内板
38の第1の傾斜方向への移動量のcosαがマスク保持部16のX方向移動量となり、これは第1の案内板38の第1の傾斜方向移動量より小さい。即ち、第1の傾斜方向への第1の案内板38の大きな移動量は、マスク保持部16の小さなX方向移動量に変換される。従って、第1の案内板38をX軸に対して角度αだけ傾けた方向に駆動することにより、第1の案内部23が変位縮小機構として作用する。これにより、マスク保持部16のX方向移動を高精度で制御することが可能となる。
(θ方向回転)
マスク保持部16のθ方向回転は、一対の第1駆動機構11A、11BのX軸モータ22、22を異なる回転数で回転させることにより行われる。図3及び図4に示すように、例えば、第1駆動機構11AのX軸モータ22の回転数が、第1駆動機構11BのX軸モータ22の回転数より多く回転すると、第1駆動機構11Aの回転台41のX方向移動量(X1)は、第1駆動機構11Bの回転台41のX方向移動量(X2)より大きくなり、マスク保持部16は反時計方向に回動する。また、第1駆動機構11AのX軸モータ22の回転数が、第1駆動機構11BのX軸モータ22の回転数より少ないと、マスク保持部16は時計方向に回動する。
このとき、フレーム13に固定されている一対の第1駆動機構11A、11B及び第2駆動機構12と、マスク保持部16との相対回転(θ)は、回転台41、41、71とマスク保持部16との接合部に配置されている回転支持機構42,42,72によって吸収される。また、マスク保持部16のθ方向回転によって、マスク保持部16がフレーム13に対してXY方向に相対移動する場合があるが(マスク保持部16がθ方向回転しつつ、XY方向に移動)、このXY方向移動は、第1の案内部23及び第2の案内部53によって吸収される。
(Y方向移動)
マスク保持部16のY方向移動は、第2駆動機構12のY軸モータ52を回転させることにより行われる。図3及び図4に示すように、Y軸モータ52を回転させて、ねじ軸66に螺合するナット67を介して第2の案内板68をY軸モータ基台65の第4の案内部69でガイドしながら第2の傾斜方向(矢印B方向)に移動させる。
第4の案内部69は、Y軸に対して角度β傾斜しているので、第2の案内板68の第2の傾斜方向への移動量のX方向成分(第2の案内板68の第2の傾斜方向移動量×sinβ)は、リニアガイド53のガイドレール53a´とスライダ53b´との相対移動によって吸収される。従って、回転台71、即ちマスク保持部16がX方向に移動することはない。
一方、第2の案内板68の第2の傾斜方向への移動量のY方向成分(第2の案内板68の第2の傾斜方向移動量×cosβ)は、第2の案内部53の案内方向(X方向)と直交しているので、回転台71を介してマスク保持部16に伝達され、マスク保持部16をY方向に移動させる。このとき、一対の第1駆動機構11A、11Bの一対のリニアガイド23は、ガイドレール23aとスライダ23bとが相対移動してマスク保持部16のY方向移動を許容する。
また、第4の案内部69がY軸に対して角度β傾斜しているので、第2の案内板68の第2の傾斜方向への移動量のcosβがマスク保持部16のY方向移動量となり、これは第2の案内板68の第2の傾斜方向移動量より小さい。即ち、第2の案内板68の第2の傾斜方向への大きな移動量が、マスク保持部16の小さなY方向移動量に変換される。従って、第2の案内板68をY軸に対して角度βだけ傾けた方向に駆動することにより、第2の案内部53が変位縮小機構として作用する。これにより、マスク保持部16のY方向移動を高精度で制御することが可能となる。
(Z方向移動)
マスク保持部16のZ方向移動は、一対の第1駆動機構11A、11Bの第1のZ軸モータ21、21、及び第2駆動機構12の第2のZ軸モータ51を回転させることにより行われる。図5に示すように、第1のZ軸モータ21、21、及び第2のZ軸モータ51を回転させて、ねじ軸28、28、58に螺合するナット27、27、57を介して第1のZ軸可動台31、31、及び第2のZ軸可動台61をZ方向に移動させる。このZ方向移動は、十字継手34、34、64、第1の案内部としての一対のリニアガイド23、23、及び第2の案内部としての一対のリニアガイド53、回転支持機構42、72を介してマスク保持部16に伝達されてマスク保持部16がZ方向に移動する。
(マスクの作動位置と退避位置間の移動)
第1のZ軸モータ21、21、及び第2のZ軸モータ51の回転数を多く回転させることによって、マスク保持部16はZ方向に大きく移動し、ワークWに近接した作動位置と、ワークWから離間した退避位置との間で移動が可能となる。このとき、第1のZ軸モータ21、21、及び第2のZ軸モータ51を同期回転させることによって、マスク保持部16を水平状態に維持した状態でZ方向に大きく移動させることができ、マスクMの交換などのメンテナンス作業が容易となる。
(マスクとワークのギャップ調整)
マスクMとワークWのギャップ調整は、第1のZ軸モータ21、21、及び第2のZ軸モータ51を微小回転させることにより行われる。即ち、ワークWとマスクMが既に平行状態にあるときには、第1のZ軸モータ21、21、及び第2のZ軸モータ51を同期させながら僅かに回転させることによって、マスク保持部16を水平状態に維持した状態でワークWに接近、または離間させて所定のギャップとなるようにギャップ調整を行う。尚、マスクMとワークW間のギャップは、後述のギャップセンサ153によって測定され、この測定値に基づいて第1のZ軸モータ21、21、及び第2のZ軸モータ51の回転が制御される。
ワークWとマスクMが平行でない場合、第1のZ軸モータ21、21と第2のZ軸モータ51の内、任意のモータを他のモータより多く、または少なく回転させることにより、マスク保持部16の傾きをワークWと平行となるように調整する(チルト補正)。このとき、XZ及びYZ面内におけるマスク保持部16のフレーム13に対する傾きは、3つの十字継手34、34、64の自由な回動によって許容される。
また、フレーム13に対するマスク保持部16の傾き(XZ及びYZ面内)が変わると、第1及び第2駆動機構11A,11B,12間の上面視におけるスパン変化量が変化する。例えば、第1のZ軸モータ21、21によるZ方向移動量に対して、第2のZ軸モータ51によるZ方向移動量(図5において上方移動)が多い場合、図5に示すように、マスク保持部16は、XZ平面内で一対の第1駆動機構11A、11B側(厳密には十字継手34の十字軸33の軸芯)を中心として回動し、角度γだけ傾斜する。このときの第1駆動機構11A,11Bと第2駆動機構12との間の上面視におけるスパンは、第1駆動機構11A,11Bと第2駆動機構12との間の長さをCとすると、C×cosγと短くなる。マスク保持部16が傾斜する前後での第1駆動機構11A,11Bと第2駆動機構12との間のスパン変化量(C(1−cosγ))は、第2の案内部としてのリニアガイド53のガイドレール53a´とスライダ53b´がX方向に相対移動することにより吸収される。
同様に、マスク保持部16がYZ平面内で水平状態から角度γ傾斜したとき(図6参照)、例えば、第1駆動機構11A,11B間の上面視におけるスパンは、第1駆動機構11A,11B間の長さをDとすると、D×cosγと短くなる。このチルトによるマスク保持部16の第1駆動機構11A,11B間のスパン変化量(D(1−cosγ))は、各第1の案内部としてのリニアガイド23のガイドレール23aとスライダ23bがY方向に相対移動することにより吸収される。
上記したように、本実施形態のマスク保持機構10によれば、X、Y、Z、およびθ方向駆動が統合された機構である一対の第1駆動機構11A、11B、及び第2駆動機構12を用いることによって、マスク保持部16をX、Y及びθ駆動した際のマスク保持部16の移動量、並びにチルト駆動した際の各駆動機構11A,11B,12間の上面視におけるスパン変化量を第1及び第2案内部としてのリニアガイド23,53によって吸収することができる。これにより、マスク保持部16の駆動機構11A,11B,12を小型化すると共に、軽量化して、応答性を向上させることができる。
なお、図7は、変形例のマスク保持機構の図4相当の断面図である。この変形例では、各張り出し部31a,61aは、Z軸可動台31、61の下部からフレーム13の内側(X方向)に向かって張り出して形成されている。そして、張り出し部31a、61a上には、下方から順に十字継手34、64、X軸モータ基台35及びY軸モータ基台65、第3及び第4の案内部としてのリニアガイド39、69、第1及び第2の案内板38、68、第1及び第2の案内部としてのリニアガイド23、53、回転台41、71が配置され、マスク保持部16を上方から支持している。これにより、図5に示す配置例と比較して、マスク保持機構10の高さ方向寸法を小さくしてコンパクトにすることができる。
図8(a)に示すように、マスクMは、パターンPaが形成されるフィルムマスク120と、該フィルムマスク120が接着によりレジン層121を介して貼り付けられるガラス板(透明媒体)122と、ガラス板122に貼り付けられるフィルムマスク120の面と反対側の面を覆うハードコート層123をさらに備える。
ガラス板122は、フィルムマスク120をガラス板122に対してワークW側、即ち、下方に配置した状態で、マスク保持部16に形成された吸引孔125から図示しないポンプを介して吸引することで、マスク保持部16に吸着保持される。
このように、フィルムマスク120をガラス板122に貼り付けることで、フィルムマスク120の温度・湿度等による寸法変化がガラス板122によって拘束されて軽減され、また、フィルムマスク120の真空吸着による歪も発生することがない。また、パターンPaを変更する際には、フィルムマスク120だけを張り替えればよいので、ランニングコストを低くすることができる。
なお、フィルムマスク120は、ガラス板122と対向する面と反対側の面にパターンPaが形成されてもよいが、図8(b)に示すように、ガラス板122と対向する面にパターンPaが形成された場合には、パターンPaの損傷を防ぐことができ、マスクMの耐久性を改善することができる。また、図8(b)に示すような場合には、ハードコート層123を設けなくてもよい。さらに、フィルムマスク120が貼り付けられる透明媒体は、寸法安定性を与える程度の所定の厚みを持った透明な部材であればよく、ガラス板122に限らず、樹脂等の板材であってもよい。
また、図2及び図9に示すように、フレーム13の対向する二辺13c,13dの上方には、一対のキャリア用フレーム81が取り付けられており、一対のキャリア用フレーム81には、アライメント検出系152及びギャップセンサ(ギャップ検出系)153をそれぞれ備えた複数(本実施形態では、4つ)のセンサキャリア82が検出系駆動機構83によって駆動可能に配置されている。なお、図2では、1つのセンサキャリア82に設けられたアライメント検出系152及びギャップセンサ153のみを示し、残りのセンサキャリア82に取り付けられたアライメント検出系152及びギャップセンサ153を図示省略している。
検出系駆動機構83は、センサキャリア82をY方向に駆動可能なキャリア駆動モータ84と、モータ84によって回転するねじ軸85及びねじ軸85に螺合するナット86を備えたボールねじ機構87と、ボールねじ機構87の両側で、センサキャリア82をY方向に案内する一対のリニアガイド88とを備える。
アライメント検出系152は、CCDカメラ155(図21参照)の他、図示しない対物レンズ、ミラー、照射手段等を備えて構成されており、CCDカメラ155にて、マスク側のアライメントマークMaとワーク側のアライメントマークWbとを撮像する。また、ギャップセンサ153は、図示しないレーザー発光部とレーザー受光部とを備え、マスクMの下面及びワークWの上面で反射したレーザー光をレーザー受光部が構成するライン
センサで検出する。
従って、アライメント検出系152及びギャップセンサ153は、センサキャリア82によって矩形状のマスクの四隅近傍にて、アライメント検出系152がマスク側のアライメントマークが視認できる位置に、及び、ギャップセンサ153がマスクMの下面を検出できる位置にそれぞれ進退可能となる。これにより、アライメント検出系152によって、マスクMに形成された対応するアライメントマークMaと、ワークWのアライメントマークWbを撮像して検出しながら、マスク駆動機構200によってマスクMのアライメント調整が行われる。
なお、図10に示すように、センサキャリア82を二つの部材82a,82bに分割して、これら部材82a,82b間にモータ89a、ボールねじ機構89b、及び図示しないリニアガイドを備えるZ方向駆動機構89を設け、アライメント検出系152及びギャップセンサ153をZ方向に駆動してもよい。
照明光学系160は、図11に示すように、紫外線照射用の光源である例えば高圧水銀ランプ271、及びこの高圧水銀ランプ271から照射された光を集光し指向性をもたせて射出する反射光学系としてのリフレクタ272をそれぞれ含む複数の光源部273を備えたマルチランプユニット161と、光路ELの向きを変えるための平面ミラー162と、光路ELを開閉制御する露光制御用シャッターユニット164と、露光制御用シャッターユニット164の下流側に配置され、リフレクタ272で集光された光を照射領域においてできるだけ均一な照度分布となるようにして出射するオプティカルインテグレータ165と、インテグレータ165から出射された光路ELの向きを変えるための平面ミラー163と、高圧水銀ランプ271からの光を平行光として照射するコリメーションミラー167と、該平行光をマスクMに向けて照射する平面ミラー166と、を備える。なお、オプティカルインテグレータ165と露光面との間には、DUVカットフィルタ、偏光フィルタ、バンドパスフィルタが配置されてもよい。なお、照明光学系160は、マルチランプユニット161の代わりに、単一の高圧水銀ランプを使用しても良い。また、光源としては、超高圧水銀ランプ271の代わりに、LEDが適用されてもよい。
図12〜図14に示すように、マルチランプユニット161では、複数の光源部273がカセット281に取り付けられている。カセット281は、光源部273の配置をα、β方向に異なる数とした長方形形状に形成されている。また、本実施形態の光源部273では、リフレクタ272の開口部272bが略正方形形状に形成されており、四辺がα、β方向に沿うように配置されている。
カセット281は、所定数の光源部273を支持する光源支持部283と、光源支持部283に支持された光源部273を押さえて、該光源支持部283に取り付けられる凹状のランプ押さえカバー(カバー部材)284と、を備えた略直方体形状に形成されている。
光源支持部283には、光源部273の数に対応して設けられ、光源部273からの光を発光する複数の窓部283aと、該窓部283aのカバー側に設けられ、リフレクタ272の開口部272a(又は、リフレクタ272が取り付けられる反射鏡取り付け部の開口部)を囲うランプ用凹部283bと、が形成される。また、該窓部283aの反カバー側には、複数のカバーガラス285がそれぞれ取り付けられている。なお、カバーガラス285の取り付けは任意であり、設けられなくてもよい。
各ランプ用凹部283bの底面は、光源部273の光を照射する照射面(ここでは、リフレクタ272の開口面272b)と、光源部273の光軸Lとの交点pが、各α、β方向において単一の曲面、例えば、球面r上に位置するように、平面又は曲面(本実施形態では、平面)に形成される。
ランプ押さえカバー284の底面には、光源部273の後部に当接する当接部286が設けられており、各当接部286には、モータやシリンダのようなアクチュエータ、ばね押さえ、ねじ止め等によって構成されるランプ押さえ機構287が設けられている。これにより、各光源部273は、リフレクタ272の開口部272aを光源支持部283のランプ用凹部283bに嵌合させ、ランプ押さえカバー284を光源支持部283に取り付け、ランプ押さえ機構287によって光源部273の後部を押さえつけることで、カセット281に位置決めされる。従って、図12(c)に示すように、カセット281に位置決めされた所定数の光源部273の光が照射する各照射面から、所定数の光源部273の光が入射されるインテグレータレンズ274の入射面までの各光軸Lの距離が略一定となる。
図13に示すように、各光源部273のランプ271とリフレクタ272が取り付けられるベース部275には、隙間sを持った冷却路275aが形成されており、カセット281の各カバーガラス285には、一つ又は複数の貫通孔285aが形成されている。また、光源支持部283とランプ押さえカバー284との間の収納空間内では、隣接する光源部273のリフレクタ272の背面272cは直接対向しており、光源部273、ランプ押さえ機構287等以外には該収納空間内の空気の流れを遮るものがなく、良好な空気の流動性が与えられる。これらの構成によって、各ランプ271の良好な冷却性能が与えられる。なお、カセット押さえカバー284は、複数のフレームにより構成される骨組構造として、連通孔や連通溝を設けて空気の流動性を与えるようにしてもよく、或いは、メッシュ形状としてもよい。
また、ランプ押さえ機構287は、当接部286毎に設けられてもよいが、図15に示すように、ランプ押さえカバー284の側壁に形成されてもよい。この場合にも、当接部286は、各光源部273に個々に設けられてもよいが、2つ以上の光源部273の後部に当接するようにしてもよい。
図14に示すように、カセット281の光源部273には、ランプ271に電力を供給する点灯電源295及び制御回路296が個々に接続されており、各光源部273から後方に延びる各配線297は、カセット281に設けられたコネクタ298に接続されてまとめられている。そして、カセット281のコネクタ298と、フレーム282の外側に設けられた光学制御部276との間は、他の配線299によってそれぞれ接続される。これにより、光学制御部276は、各ランプ271の制御回路296に制御信号を送信し、各ランプ271に対して点灯と消灯を含め、電圧を調整する電圧制御を行う。
なお、各光源部273の点灯電源295及び制御回路296は、カセット281に集約して設けられてもよいし、カセットの外部に設けられてもよい。また、ランプ押さえカバー284の当接部286は、各光源部273からの各配線297と干渉しないように形成されている。
さらに、ランプ271毎にヒューズ294aを含む寿命時間検出手段294を設けて、タイマ296aによって点灯時間をカウントし、定格の寿命時間が来た段階でヒューズ294aに電流を流してヒューズ294aを切断する。従って、ヒューズ294aの切断の有無を確認することで、ランプ271を定格の寿命時間使用しているかどうかを検出することができる。なお、寿命時間検出手段294は、ヒューズ294aを含むものに限定されるものでなく、ランプ交換のメンテナンス時にランプ271の定格の寿命時間が一目でわかるようなものであればよい。例えば、ランプ271毎にICタグを配置して、ICタグによってランプ271を定格の寿命時間使用したかどうか確認できるもの、或いは、ランプ271の使用時間が確認できるようにしてもよい。
そして、露光時にその露光制御用シャッターユニット164が開制御されると、マルチランプユニット161から照射された光が、平面ミラー162、オプティカルインテグレータ165、平面ミラー163、コリメーションミラー167、平面ミラー166を介して、マスク保持部16に保持されるマスクM、ひいてはワークWの表面にパターン露光用の光として照射され、マスクMの露光パターンがワークW上に露光転写される。
図16に示すように、平面ミラー166は、正面視矩形状に形成されたガラス素材からなる。平面ミラー166の裏面の中央付近3箇所、及び周縁部16箇所には、反射鏡支持構造として、支持機構保持枠170に固定された複数の支持機構171が設けられている。中央付近に設けられた支持機構171では、その支持部172が平面ミラー166の裏面に接着剤で固定され、周縁部に設けられた支持機構171では、その支持部172,172aが平面ミラー166の表裏面を挟むようにして接着剤で固定されている。また、各支持機構171の支持部172,172a寄りの位置には、±0・5deg以上の屈曲を許容する屈曲機構としてのボールジョイント174が設けられており、支持機構保持枠170に対して反支持部側の端部には、支持機構駆動手段であるモータ175が取り付けられている。
なお、平面ミラー166の中央の支持機構171は、支持機構保持枠170に固定される構造であってもよい。
また、矩形状の支持機構保持枠170には、互いに直交する2辺の位置に案内部材176,177が取り付けられており、これら案内部材176,177に対向する支持部172aの側面には、転動部材178が取り付けられている。また、転動部材178を案内する案内部材176,177の案内面176a,177aには、テフロン(登録商標)等の低摩擦機構179が塗布されている。
さらに、マスク側のアライメントマークMaの位置に露光光を反射する平面ミラー166の各位置の裏面には、複数の接触式センサ181が取り付けられている。
これにより、平面ミラー166は、接触式センサ181によって平面ミラー166の変位量をセンシングしながら、支持機構保持枠170に設けられた各支持機構171のモータ175を駆動することにより、各支持機構171がその長さを変えて支持部172を直線的に移動させる。そして、各支持機構171の長さの違いによって、平面ミラー166は支持部172に設けられた転動部材178を介して2つの案内部材176,177によって案内されながら、その曲率を局部的に補正し、平面ミラー166のデクリネーション角を補正することができる。その際、図17に示すように、各支持機構171は、ボールジョイント174が設けられているので、支持部側の部分を三次元的に回動可能とすることができ、各支持部172を平面ミラー166の表面に沿って傾斜させることができる。このため、移動量の異なる各支持部172間の平面ミラー166における各支持部172近傍位置での応力が大きくなることが抑えられる。従って、平均破壊応力値が小さいガラス素材からなる場合であっても、平面ミラー166の曲率を局部的に補正する際、ガラスに発生させる応力を従来よりも小さくすることができ、平面ミラー166を破損することなく、10mmオーダーで平面ミラー166を曲げることができ、曲率を大きく変更することができる。
なお、図18に示すように、各支持機構171は複数(図7では、2つ)のボールジョイント174を有するものであってもよく、この場合、平面ミラー166の曲げ量は、各ホールジョイント174による回動量の合計とすることができ、平面ミラー166をより大きく曲げることができる。
また、図11に示すように、平面ミラー166の曲率を補正した際に、ワークWのひずみ量に対応する平面ミラー166の曲率補正が行われたかどうかを判断するための曲率補正量検出系190が設けられている。曲率補正量検出系190は、各アライメント検出系152の近傍にそれぞれ配置されて、露光光の光束の光路ELにおいて平面ミラー166より露光面側(本実施形態では、マスク近傍)から平面ミラー166に向けて指向性を有する光としてレーザー光Lを照射するレーザー光源としての複数(本実施形態では、4つ)のレーザーポインタ191と、インテグレータ165の近傍に、露光光の光束の光路ELから退避可能に配置された反射板192と、平面ミラー166を介して、反射板192に映りこんだレーザー光Lを撮像する撮像手段としてのカメラ193と、カメラ193と平面ミラー166の支持機構171のモータ175との間に設けられ、平面ミラー166の曲率を補正した際に撮像されるレーザー光Lの変位量S1,S2を検出し、該変位量S1,S2が、算出されたひずみ量と対応するように支持機構171のモータ175を制御する制御部194と、を有する。
レーザーポインタ191は、アライメント検出系152、例えばCCDカメラ155の上部に取り付けられ、アライメント検出系152がマスク側のアライメントマークが視認できる位置へ進退するのと同期して移動する。なお、レーザーポインタ191は、アライメント検出系152と独立したセンサキャリア82によってマスク上方へ進退するように
してもよい。
反射板192は、コリメーションミラー167によって反射されることで最も集光された光となるインテグレータ近傍に配置されているので、平面ミラー166、コリメーションミラー167、平面ミラー163で反射された4つのレーザーポインタ191からのレーザー光Lを比較的小さな面積の反射板192によって捉えることができる。また、反射板192は、通常の露光時、光源からの露光光の光束をマスクMに照射する際に、検出系駆動機構83によって、センサキャリア82を介して該光束の光路ELから退避可能に配置される。さらに、反射板192は、低反射率の反射面とすることで、カメラ193でのレーザー光Lの視認性を上げることができる。
カメラ193は、露光光の光束に影響を与えないように、光源からの該光束の光路EL上から離れた位置に配置されている。
また、制御部194は、カメラ193によって撮像されたレーザー光Lの位置を、曲率補正前と曲率補正後の変位量S1,S2として検出し、該変位量S1,S2がワークWのひずみ量α、βに対応しているかどうかを確認して、平面ミラー166の支持機構171のモータ175に制御信号を与える。
次に、本実施形態の露光方法について、図19〜図23を参照して説明する。ここで、搬送されたフープ状のワークWの被露光部位が露光領域Pにて平板状とされる際、ワークWがひずんで被露光部位が矩形とならず、平行四辺形となる場合がある(図20参照。)。以下では、このようなワークWに露光する場合について説明するが、図21及び図22では、ワークの対角位置にあるCCDカメラ155を示すものとする。
まず、マスクMが位置する露光領域PにワークWが搬送され(ステップS1)、被露光部位Aがワークチャック4に吸着された後、ワークWのアライメントマークWbとマスクMのアライメントマークMaが4箇所のCCDカメラ155で検出される(ステップS2)。そして、図示しない制御部にて、各CCDカメラ155が検出した両アライメントマークWb、Maのずれ量に基づいて、マスクMの中心とワークWの中心の位置ずれ量と、ワークWのひずみ量が別々に計算される。次に、マスクMの中心とワークWの中心の位置ずれ量と、ワークWのひずみ量が、それぞれ許容値以下であるかどうか判断する。(ステップS3)。
マスクMの中心とワークWの中心の位置ずれ量が許容値を越えている場合には、マスク駆動機構200による補正量を指令値として算出し、ワークWのひずみ量が許容値を越えている場合には、平面ミラー166の補正量、具体的には、各支持機構171の移動量を指令値として算出する。
そして、ステップS4にて、マスクMをアライメントするマスク駆動機構200をX、Y、θ方向に駆動制御することにより、ワークW及びマスクMのアライメント(ずれ補正)が行われる。これにより、例えば、図20に示すように、各アライメント検出系152の中心、即ち、マスクMの各アライメントマークMaと、ワークWの各アライメントマークWbの位置ずれ量の合計が最小となり、マスクMのアライメントマークMaとワークWのアライメントマークWbのずれは主に、ワークWのひずみに起因するものとなる。
次に、ステップS5にて、ワークWの被露光部位の形状に対応するため、平面ミラー166の曲率を補正して、露光光のデクリネーション角を補正する。具体的には、図21に示すようなワークWのひずみ量α、βに基づいて、各支持機構171の移動量に関する指
令値を各モータ175へ送り、接触式センサ181によって平面ミラー166の変位量を確認しながら、各モータ175が駆動制御される。
また、この曲率補正の際、反射板192を露光光の光束の光路上に進出させると共に、検出系駆動機構83によってマスクMの上方に進出したアライメント検出系152のレーザーポインタ191が平面ミラー166に向けてレーザー光Lを照射する。これによって、カメラ193は、図23に示すような、反射板192に映りこんだ曲率補正前のレーザー光L(図中、黒丸)と、曲率補正後のレーザー光L´(図中、白丸)とを撮像している。
そして、マスク駆動機構200による補正、及び平面ミラー166による補正が行われた後、再度ステップS2にて、ワークWのアライメントマークWbとマスクMのアライメントマークMaを4箇所のCCDカメラ155で検出する。ここで、図22(b)及び(c)から明らかなように、CCDカメラ155は、マスクMの光路側に位置するので、平面ミラー166を介した光を受けることができない。このため、CCDカメラ155は、平面ミラー166の曲げ補正によって矯正される両アライメントマークの位置については
検出することができず、図21(b)及び(c)と同様、マスク駆動機構200による補正後のワークWのアライメントマークWbとマスクMのアライメントマークMaを検出する。従って、補正後のステップS3にて、マスクMの中心とワークWの中心の位置ずれ量に基づくマスク駆動機構200による補正量が許容値以下であるかどうかを判断する。
また、ステップS3では、制御部194が、カメラ193によって撮像されたレーザー光L、L´の位置を、曲率補正前と曲率補正後の変位量S1,S2として検出し、該変位量S1,S2がワークWのひずみ量α、βに対応しているかどうか、具体的には、レーザー光L、L´の変位量S1,S2がワークWのひずみ量α、βに対応する値に対して許容範囲内であるかを確認する。そして、該変位量S1,S2がワークWのひずみ量α、βに対応する値の許容範囲内となるまで、平面ミラー166の支持機構171のモータ175に制御信号を与えて、平面ミラー166による曲率補正が行われる。
その後、ステップS3にて計算された位置ずれ量及びひずみ量が許容値以下である場合には、ステップS6へ移行する。そして、4つのギャップセンサ153によってマスクMとワークW間のギャップを測定しながら、マスク駆動機構200によってマスク保持部16を作動位置へZ方向に駆動してマスクMとワークWとのギャップが所定のギャップとなるようにギャップ調整を行う。また、このギャップ調整では、4つの隅部近傍における各ギャップが所定のギャップとなるように行われ、マスクMの下面がワークWの上面と平行となるようにマスクMをチルト補正する。そして、照明光学系160からの露光光の光束ELをマスクMを介してワークWに照射して、マスクMのパターンをワークWに転写する。
そして、マスクMの上方に配置された照明光学系160からマスクMに向けて露光光を照射し、該露光光がワークWの被露光部位A(例えば、下地パターン)に照射される。これにより、マスクMのパターンがワークWの被露光部位Aの形状と一致した状態で、ワークWの表面に露光転写される。なお、露光時は、ワークWの被露光部位Aが露光領域Pにおいて静止している状態であればよく、巻出し装置1による巻き出しや、巻取り装置2による巻き出しが同時に行われていても良い。
また、マスクMは、フィルムマスク120をガラス板122に貼り付けたものを使用しているので、フィルムマスク120の寸法変化がガラス板122によって拘束され、高精度な露光が可能となる。
なお、上記実施形態では、ワークWとマスクMとのアライメントを調整した後に、平面ミラー166の曲率補正が行われているが、アライメント調整と平面ミラー166の曲率補正を同時に行って、タクトタイムの短縮を図ってもよい。また、アライメント調整を複数回行って、位置ずれ量が許容値以下となった後に、平面ミラー166の曲率補正を、マスクMとワークWとのギャップ調整後に行ってもよい。
以上説明したように、本実施形態の露光装置及び露光方法によれば、マスクMは、パターンPaが形成されるフィルムマスク120と、該フィルムマスク120が貼り付けられるガラス板122と、を備える。フィルムマスク120の寸法変化がガラス板122によって拘束され、フィルムマスク120の寸法安定性が改善される。これにより、比較的安価なフィルムマスク120を用いて、高精度な露光を簡単な構成で実現することができる。また、フィルムマスク120は、ガラス板122に接着により貼り付けられているので、新しいパターンを有するマスクを使用する際には、ガラス板122ごと交換すればよく、従来のようなフィルムマスクをガラス板に吸着する必要がなく、また、吸着の際にしわや歪が発生することがなく、マスク交換時間(装置ダウンタイム)の短縮と高精度な露光を簡単な構成で実現することができる。
また、ガラス板122は、フィルムマスク120をガラス板122に対してワーク側に配置した状態でマスク保持部16に吸着保持されるので、フィルムマスク120のパターンPaとワークWとの間にガラス板122が配置されないことから、ギャップ調整を容易に行うことができ、ガラス板122の厚さに係わらず露光することができる。
さらに、フィルムマスク120のパターンPaは、フィルムマスク120のガラス板122に貼り付けられる側の面に形成されるので、パターンPaの損傷を防ぐことができ、マスクMの耐久性を改善することができる。
(第2実施形態)
図24は、本発明の第2実施形態に係るマスク保持機構を示す斜視図である。なお、本実施形態では、第2駆動機構が第1実施形態のものと異なるのみであるため、それ以外の部分については、第1実施形態のものと同一または相当符号を付して説明を省略する。
本実施形態におけるマスク保持機構10Aの第2駆動機構12は、第2駆動部としての、マスク保持部16をZ方向に駆動可能なZ軸駆動機構101とマスク保持部16をY方向に駆動可能なY軸駆動機構102とが分離して構成されている。Z軸駆動機構101は、フレーム13の一辺13bに固定され、第1駆動機構11A,11Bが支持するマスク保持部16の一辺16aと対向する一辺16b(Y方向に延びる一辺)の中間位置を支持する。また、Y軸駆動機構102は、フレーム13の一辺13bと直交する一辺13cに固定され、第1駆動機構11A,11Bが支持するマスク保持部の一辺16aと直交する一辺16c(X方向に延びる一辺)の中間位置を支持する。このため、第2の案内部は、Z軸駆動機構101に設けられたZ軸側案内部としてのリニアガイド53aと、Y軸駆動機構102に設けられたY軸側案内部としてのリニアガイド53bと、を有する。
Z軸駆動機構101は、第2のZ軸モータ51が、フレーム13の一辺15に設けられたハウジング54に固定されている。第2のZ軸モータ51は、第1実施形態のマスク保持機構10と同様のボールねじ機構(図示せず)を備え、該ボールねじ機構のナットが、Z軸可動台61に連結される。第2のZ軸可動台61は、第2の自在継手である十字継手64を介してリニアガイド53aのスライダ53a1が取り付けられたX軸基台103に連結されており、X軸基台103は、第2のZ軸可動台61に対して回動自在に支持される。
回転台71の上面には、リニアガイド53aのガイドレール53a2が取り付けられ、X軸基台103と回転台71との間に、回転台71をX方向に案内するリニアガイド53aが構成されている。また、回転台71と、マスク保持部16から水平方向に延設されたL型ブランク106の上面との間には、マスク保持部16の回転を許容するように転がり軸受(図示せず)が配置され、第1実施形態と同様の回転支持機構(図示せず)を構成する。これにより、第2のZ軸モータ51が回転すると、マスク保持部16はZ方向に移動する。また、マスク保持部16のX方向移動はリニアガイド53aによって吸収されると共に、マスク保持部16の回転は回転支持機構によって吸収され、マスク保持部16のチルトは十字継手64によって許容される。
一方、Y軸駆動機構102では、フレーム13の一辺13cからフレーム13の内側に向けて延設されたL型ブランク108には、Y軸モータ基台65が取り付けられ、Y軸モータ基台65には、Y軸に対して角度β傾斜してY軸モータ52が固定されている。Y軸モータ52によって回転駆動されるボールねじ機構のねじ軸66には、第2の案内板68に固定されたナット67が螺合する。第2の案内板68には、X方向に案内するリニアガイド53bを介して相手部材としてのY軸可動台109が配置されている。Y軸可動台109の側面に設けられたY軸側自在継手としての十字継手110は、Z方向に延びる案内装置としてのリニアガイド111を介してマスク保持部16の一辺16cに連結するZ軸
基台112に固定されている。
本実施形態のマスク保持機構10Aは、第2駆動機構が、Z軸駆動機構101及びY軸駆動機構102に分割されており、図2に示す第1実施形態のマスク保持機構10では、マスク保持部16のY方向に延びる一辺16bをY方向に駆動しているのに対して、本実施形態のマスク保持機構10Aは、マスク保持部16のX方向に延びる一辺16cをY方向に駆動する。これにより、マスク保持部16のX方向中心近傍、換言すれば、マスク保持部16の重心Gの延長線上で駆動することができる。
従って、大型、且つ重量の大きなマスク保持部16の場合、マスク保持部16の重心Gから離れ、Y方向に延びる一辺をY方向駆動すると(図3参照)、マスク保持部16が歪む(平行四辺形に変形)可能性があるのに対して、本実施形態のマスク保持機構10Aによれば、マスク保持部16に歪を生じさせることなくY方向に駆動することができる。また、第1実施形態と同様、一対の第1駆動機構11A,11Bは、マスク保持部のX、Y、Z、θ方向駆動、及びチルト駆動を統合した機構で行うことができるので、マスク保持部の駆動機構を小型化すると共に、軽量化して、応答性を向上させることができる。
この場合、Y軸駆動機構102は、Y軸モータ52と、Y軸モータ52が取り付けられるY軸モータ基台65と、Y軸モータ52の駆動によってY軸モータ基台65に対して、Y方向に対して所定の角度で傾斜する第2の傾斜方向に駆動される第2の案内板68と、Y軸モータ基台65に対して第2の案内板68を第2の傾斜方向に案内するY軸側案内部53bと、を備える。そして、Y軸側案内部53bの固定部と可動部の一方は、第2の案内板68に取り付けられ、該固定部と可動部の他方はY軸可動台109に設けられ、Y軸可動台109とマスク保持部16との間には、Y軸側自在継手110及びZ方向に延びるリニアガイド111が配置されている。
また、Z軸駆動機構101は、第2のZ軸モータ51と、第2のZ軸モータ51によってZ方向に移動可能な第2のZ軸可動台61と、第2のZ軸可動台61に対してZ軸側案内部53aの固定部と可動部の一方が取り付けられるX軸基台103を回動自在に支持する第2の自在継手64と、Z軸側案内部53aの固定部と可動部の他方が取り付けられる回転台71をマスク保持部16に対して回転可能に支持する回転支持機構と、を有する。 その他の構成及び作用は、第1実施形態のマスク保持機構10と同様である。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るワークの片面を露光する近接露光装置について、図25及び図26を参照して説明する。本実施形態では、曲率補正量検出系190を設けずに、平面ミラー166の曲率補正を行うものである。なお、第1実施形態と同等部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態の近接露光装置においても、搬送されたワークWがワークテーブル5のワークチャック4に吸着された状態で露光される。また、照明光学系160aには、レジストが感光しない波長域を透過するバンドパスフィルタ195が光路上へ進退可能に設けられている。
さらに、本実施形態のアライメント検出系152は、ワークチャック8の下方に固定されており、CCDカメラ155は、マスク側のアライメントマークMaの下方に形成されたワークチャック4の貫通孔4aの下方で撮像する。なお、ワークチャック4がガラスである場合には、貫通孔4aを形成せずに、CCDカメラ155でアライメントマークMaを撮像することができる。
また、本実施形態のマスク側のアライメントマークMaは、円環状に形成されている。
このように構成された近接露光装置では、第1実施形態の図19に示すフローチャートと、ステップS5におけるレーザー光撮像以外は同様な工程で露光が行われる。
CCDカメラ155は、バンドパスフィルタ195を光路内に移動させた後に、シャッターユニット164を開くことで、レジストが感光しない波長域での、平面ミラー166で反射された光を受けることができる。このため、CCDカメラ155は、マスク駆動機構200による補正後には、図24に示すように、ワークWのアライメントマークWbと各マスクMのアライメントマークMaを撮像すると共に、平面ミラー166の曲げ補正後には、図26に示すように、ワークW上で投影されるマスク側のアライメントマークMaの影Ma1を撮像する。ここで、マスク側のアライメントマークMaは、円環状に形成されているので、影Ma1がアライメントマークMaで隠れてしまうのを防ぐことができる。
それゆえ、本実施形態において、補正後のステップS3では、マスクMの中心とワークWの中心の位置ずれ量と、再検出されたワークWのアライメントマークWaと、マスク側のアライメントマークMaの影Ma1とのオフセット量を算出し、マスクMの中心とワークWの中心の位置ずれ量が許容値以下であるかどうか、また、オフレット量が許容値以下であるかどうかが判断される。
そして、マスクMとワークWの位置ずれ量が許容値を越える場合にアライメント調整工程を実行し(ステップS4)、オフセット量が許容値を越える場合にオフセット量に基づいて平面ミラー166の曲率補正工程を実行する(ステップS5)。
このようにして、マスクMの中心とワークWの中心の位置ずれ量と、オフセット量がそれぞれ許容値以下となるまで、図19のステップS2〜S5を繰り返し行い、いずれも許容値以下となった際に、露光工程(ステップS6)に移行する。
従って、本実施形態においても、ワークWがひずんでいる場合でもワークWの被露光部位Aの形状に応じてマスクMのパターンを精度良く露光転写することができる。加えて、再検出工程は、曲率補正した平面ミラー166からの光束によって投影されたマスク側のアライメントマークMaのワークW上での影Ma1をさらに検出し、算出工程は、再検出されたワークWのアライメントマークWbと、マスク側のアライメントマークMaの影Ma1とのオフセット量を算出し、判別工程は、オフセット量が許容値以下であるかどうかを判別し、判別工程において、オフセット量が許容値を越える場合に、オフセット量に基づいて平面ミラー166の曲率補正工程を実行するので、より精度良く露光転写することができる。
(第4実施形態)
まず、図27を参照して、第4実施形態の密着両面露光装置を説明すると、図において符号311はフープ材等のワークWを水平方向にタクト送りで巻き出すための巻出し装置、313は露光位置Pの下流側に配置されて露光後のワークWを巻き取るための巻取り装置である。
巻出し装置311と巻取り装置313との間にはワークWの搬送方向に沿って架台314が設置されており、該架台314の長手方向の両端部には巻出し装置311側及び巻取り装置313側でそれぞれワークWを略水平方向に支持するワーク支持部としての支持ロール315a,315bが取り付けられている。
また、架台314上にはインデクサーテーブル316がワークWの搬送方向に沿ってスライド可能に設けられており、該インデクサーテーブル316の露光位置Pの上流側の端部には第1のインデクサー317がワークWの搬送方向に移動可能に取り付けられ、同下流側の端部には第2のインデクサー318が取り付けられている。
第2のインデクサー318は露光位置Pの下流側近傍に配置され、第1のインデクサー317は露光位置Pの上流側にインデクサーテーブル316のストローク+αだけ離間した位置に配置されており、露光位置Pの上流側近傍にはワークWの撓みを極力小さくするための支持ロール319が第1のインデクサー317に干渉しないように設けられている。なお、前記ストロークの大きさは被露光部位の送り方向の幅以上とされるが、材料の歩留り向上のためにはできるだけこの幅に近い大きさが好ましい。
各インデクサー317,318は、インデクサーテーブル316が図27で最も左寄りに位置するときにおける第2のインデクサー318が表マスクM1及び裏マスクM2を支持する図28のマスク支持機構353と干渉せず、且つインデクサーテーブル316が図27で最も右寄りに位置するときにおける第1のインデクサー317(二点鎖線で示す)が支持ロール319と干渉しないという条件を満たしつつ、できるだけ小さな間隔で互いに離間配置されており、露光後にワークWをクランプ(例えばエアシリンダ等を用いる)し、インデクサーテーブル316を所定の送り量で下流側に送ることにより該ワークWを同方向に搬送して新たな被露光部位を露光位置Pに配置する。
そして、該搬送後は、アライメント、マスク密着等が完了した後に各インデクサー317,318によるワークWのクランプが解除されてインデクサーテーブル316が元の位置に復帰する。従って、本実施形態では、マスクM1,M2と対向する露光領域におけるワークWは、搬送時には各インデクサー317,318によって支持され、また、露光時には表裏マスクM1,M2によって支持されている。
各インデクサー317,318によるワークWの送り量に応じて巻出し装置311によるワークWの巻出しと巻取り装置313によるワークWの巻取りが行われる。なお、符号312aは巻出し装置311側と巻取り装置313側に設けられたワーク送りのバッファ部分である。
また、インデクサーテーブル316の第1のインデクサー317側には、該第1のインデクサー317を上流側に押すことで、露光位置Pに送られた各インデクサー317,318間のワークWに対してバックテンションを付与するためのシリンダー装置320が設置されている。
即ち、シリンダー装置320の本体(ハウジング)はインデクサーテーブル316上に固定されており、シリンダー装置320の伸縮可能なロッドが図27で本体の左端から突出し、その先端がインデクサー317に固定されている。
ここで、ワークのクランプ及びバックテンション付与の動作について説明する。
まず、図1の実線で示すように、インデクサーテーブル316が元の位置に復帰した状態で、各インデクサー317,318のそれぞれのクランプ部により、ワークWをクランプする。このとき、支持ロール319がインデクサー317及び318の中央付近でワークWを下から支持していることにより、各インデクサー317,318間のワークWの撓みは小さく抑えられる。
次に、シリンダー装置320を作動させ、インデクサー317を図27で左方へ所定の力で押圧する。これにより、各インデクサー317,318間でのワークWの撓み量を更に小さく抑えることができる。
シリンダー装置320による押圧力は上記のようなワークWの自重による撓みを抑制するのに必要最低限の大きさに設定されており、ワークWに過大な力が加わらないようにしている。以上で、クランプ及びバックテンション付与が完了となる。
図28に示すように、露光位置PでのワークWの被露光部位の表裏面にはそれぞれ所定の転写パターンを有した表マスクM1及び裏マスクM2を保持するマスク保持部及び送り機構としてのマスク支持機構353が設けられている。マスク支持機構353は、マスク調整ベース334a,334b、すべり軸受335a,335b、マスクベース336a,336b、及び、マスクベース336a,336bに設けられるアライメント機構349を備える。マスク調整ベース334a,334bには、表マスクM1及び裏マスクM2が真空引きによって吸着されて、着脱自在に取付けられている。そして、このマスク調整ベース334a,334bは、マスクM1,M2間のアライメントを行うべく、すべり軸受335a,335bを介してマスクベース336a,336bにX軸方向、Y軸方向、θ方向(X、Y平面内での回転方向)に微少移動可能に支持されている。
具体的に、図29に示すように、マスクベース336aには、マスク調整ベース334aと複数のターカイト支持部材382とが、複数のボルト383によってマスクベース336aを挟むようにして取り付けられている。マスクベース336aには、ボルト383が隙間を持って挿入される挿入孔336a1が形成されており、挿入孔336a1には、ボルト383の周囲にターカイト支持部材382とマスク調整ベース334aとの高さを決めるカラー384が配置されている。ターカイト支持部材382のマスクベース336aとの対向面、及びマスクベース336aのマスク調整ベース334aとの対向面には、すべり軸受としてのターカイト335aが取り付けられている。これにより、マスク調整ベース334aは、マスクベース336aに対してX軸方向、Y軸方向、θ方向(X、Y平面内での回転方向)に微少移動可能に支持されている。また、マスクベース336aの開口を介してX軸方向で対向する2つのターカイト支持部材382a,382bのうち、一方のターカイト支持部材382aには、アライメント機構349として、Y軸方向に駆動する駆動ユニット385a、X軸方向に駆動する駆動ユニット385b、及びターカイト支持部材382aに所定の予圧を付与する予圧ユニット386aとが設けられ、他方のターカイト支持部材382bには、Y軸方向に駆動する駆動ユニット385c、及びターカイト支持部材382bに所定の予圧を付与する予圧ユニット386b、386cとが設けられる。さらに、ターカイト支持部材382a,382bの一方のボルト383の周囲で、ターカイト支持部材382a,382bとカラー384との間、及び、マスク調整ベース334aとカラー384との間には、他のカラー387が挟まれている。従って、駆動ユニット385bを駆動することでマスク調整ベース334aをX軸方向に微少移動可能で、駆動ユニット385a,385cを同期して駆動することでマスク調整ベース334aをY軸方向に微少移動可能で、駆動ユニット385a,385cをY軸方向に相対的に駆動することでマスク調整ベース334aをθ方向に微少移動可能である。また、駆動ユニット385a,385b,385cによって押圧されるターカイト支持部材382a,382bには、他のカラー387が設けられているので、ターカイト支持部材382a,382b及びマスク調整ベース334aと、カラー384との間のガタつきを防止し、繰り返し応答性を向上している。なお、裏マスクM2を支持するマスク支持部353も同様である。
図30に示すように、表マスクM1は、パターンPaが形成されるフィルムマスク120と、該フィルムマスク120が接着によりレジン層121を介して貼り付けられるガラス板(透明媒体)122と、ガラス板122に貼り付けられるフィルムマスク120の面と反対側の面を覆うハードコート層123をさらに備える。
ガラス板122は、フィルムマスク120をガラス板122に対してワークWと反対側、即ち、上方に配置した状態で、マスク調整ベース334aに形成された吸引孔125から図示しないポンプを介して吸引することで、マスク調整ベース334aに吸着保持される。このため、フィルムマスク120は、ガラス板122の縁部が吸着面として露出するように、ガラス板122より小さく形成されている。なお、裏マスクM2も同様の構成を有し、マスク調整ベース334bに吸着保持されている。
マスクベース336a,336bは、Z軸フレーム337a,337bに固着されている。なお、マスク調整ベース334a,334b、マスクベース336a,336b、Z軸フレーム337a,337bには孔が開口されており、照明光学系160a,160bからの照射光を表裏のマスクM1,M2に照射可能になっている。なお、照明光学系160a,160bもZ軸方向に移動可能に構成されている。
Z軸フレーム337a,337bの底部は、Z軸直動軸受339a,339bを介して、両面露光部ベース340上に固定されたZ軸ステージ341a,341bにより支持され、Z軸駆動部342a,342bにより駆動されてZ軸ステージ341a,341b上をZ軸方向へ移動可能に構成されている。すなわち、Z軸駆動部342a,342bは、Z軸駆動モータ343a,343b、このZ軸駆動モータ343a,343bの回転軸に連接されたボールネジ344a,344b、このボールネジ344a,344bを支持する支柱345a,345b、Z軸フレーム337a,337bに取付けられた駆動継手346a,346b、および駆動継手346a,346bに埋設されてボールネジ344a,344bと螺合されたナット347a,347bにより構成されている。
このような構成の下で、それぞれZ軸駆動モータ343a,343bの回転に連動してボールネジ344a,344bが回転すると、ボールネジ344a,344bとナット347a,347bとの作用により、Z軸フレーム337a,337bは駆動継手346a,346bと共にZ軸方向に移動され、ワークWの両面にマスクM1,M2が密着されることとなる。
表裏のZ軸フレーム337a,337bには、それぞれ4個ずつ支持部材としての位置決め調整用ネジ350、または変形量吸収用間座351が設けられ、これらを介した状態でマスクベース336a,336bが固定されるようになっている。なお、図28では、便宜上、表側には位置決め調整用ネジ350、裏側には変形量吸収用間座351が示されている。これら位置決め調整用ネジ350、変形量吸収用間座351は、加工時や組立時に発生した表裏のZ軸フレーム337a,337bのねじれに伴う表裏のマスク321,322のねじれを解消するために利用されるものである。変形量吸収用間座351は、Z軸フレーム337a,337bの加工誤差、変形を考慮して予めそれぞれ所望の厚さに加工されるものであり、位置決め調整用ねじ350は、ねじの出入り調整によりZ軸フレーム337a,337bとマスクベース336a,336bの間隔を調整可能なものである。
さらに、図28に示すように、マスクM1,M2に対して反ワークW側には、マスク側のアライメントマークが視認できる位置にそれぞれ進退可能な、複数のアライメント検出系352(本実施形態では、矩形状のマスクの四隅近傍に、計4つ)が設けられている。各アライメント系352は、CCDカメラ355、対物レンズ356、ミラー357、照射手段(図示せず)を備えて構成されており、CCDカメラ355にて、マスク側のアライメントマークM1a,M2a(図31に、M1aのみ示す。)とワーク側のアライメントマークWbとを撮像する。なお、マスク側のアライメントマークが視認できる位置に進出した各アライメント検出系352は、マスク側のアライメントマークM1a,M2aを上方から撮像するように、マスク調整ベース334a,334bと同期して移動する。
これにより、アライメント検出系352によって、表裏のマスクM1,M2に形成された対応するアライメントマークM1a,M2aと、ワークWのアライメントマークWbを撮像して検出しながら、アライメント機構349によって表裏のマスクM1,M2のアライメント調整が行われる。なお、マスクM1,M2のアライメントマークM1a,M2a同士がそれぞれ重なり合うようにアライメント機構349を駆動制御することにより、表裏のマスクM1,M2のアライメントが行われてもよい。
また、本実施形態の照明光学系160a,160bにおいても、図31に示すように、第1実施形態の複数の支持機構171及びモータ175を備えて、平面ミラー166の曲率を補正するように構成されている。また、第1実施形態と同様、平面ミラー166の曲率を補正した際に、ワークWのひずみ量に対応する平面ミラー166の曲率補正が行われたかどうかを判断するための曲率補正量検出系190が設けられている。
従って、本実施形態においても、ワークWのアライメントマークWbとマスクM1,M2のアライメントマークM1a,M2aとをアライメントカメラ352で検出する工程と、アライメントカメラ352で検出された両アライメントマークWb,M1a,M2aのずれ量に基づいて、ワークWとマスクM1,M2との位置ずれ量とワークWのひずみ量α、βとを算出する工程と、算出された位置ずれ量に基づいて、ワークWとマスクM1,M2とのアライメントを調整する工程と、アライメント調整工程と同時又は別々のタイミングにおいて、算出されたひずみ量α、βに基づいて、光源からの露光光の光束を反射する平面ミラー166の曲率を補正する工程と、を備える。これにより、ワークWがひずんでいる場合でもワークWの被露光領域Aの形状に応じてマスクM1,M2のパターンを精度良く露光転写することができる。
また、本実施形態では、図19のステップS3にて計算された位置ずれ量及びひずみ量が許容値以下である場合には、ステップS6へ移行し、各マスクM1,M2のガラス板122をワークWの表裏面に密着させる。そして、マスクM1,M2とワークWとの間に所定のギャップを与えるガラス板122を介して、各マスクM1,M2の外側にそれぞれ配置された照明光学系160a,160bから各マスクM1,M2に向けて露光光を照射し、該露光光がガラス板122を介して、ワークWの被露光領域A(例えば、下地パターン)に照射される。これにより、各マスクM1,M2のパターンがワークWの被露光領域Aの形状と一致した状態で、ワークWの表裏面に露光転写される。なお、露光時は、露光位置PにあるワークWはマスクM1,M2に保持されるため、各インデクサー317,318によるワークWのクランプ及びシリンダー装置320によるワークWへのテンション付与は解除される。
上記露光転写が行われた後においては、上述した各インデクサー317,318によってワークWをクランプした状態でインデクサーテーブル316を所定の送り量で下流側に送って該ワークWを同方向に搬送して新たな被露光部位を露光位置Pに配置し(ステップS7)、該搬送後に、各インデクサー317,318によるワークWのクランプを解除してインデクサーテーブル316を元の位置に復帰させ、その後、露光位置Pに送られたワークWを各インデクサー317,318でクランプしてワークWのずれ量を小さくすると共に、シリンダー装置320によってワークWにバックテンションを付与し、上記同様の工程を経て新たな露光転写が行われる。
従って、本実施形態の露光装置及び露光方法によれば、ガラス板122は、フィルムマスク120をガラス板122に対してワークWと反対側に配置した状態で、マスク調整ベース334aに吸着保持され、ガラス板122をワークWに密着させて、フィルムマスク120とワークWとをガラス板122によって所定のギャップを保った状態で、照明光学系160a,160bからの露光光の光束をマスクMを介してワークWに照射するので、密着露光方式による解像度の高い露光転写を実現できる。また、ガラス板122をワークWに密着させるため、第1実施形態に比べてタクトは長くなるが、チルトの調整が不要となり、装置が簡素化され、コストダウンを図ることができる。さらに、ワークWとマスクM1,M2との間に間隔を持たせる事で、平面ミラー166の曲率を変えてデクリネーション角を補正し、マスク21,22のパターンを、ワークWのひずみに対応するように精度良く露光転写することができる。
なお、上記実施形態においても、ワークWとマスク21,22とのアライメントを調整した後に、平面ミラー166の曲率補正が行われているが、アライメント調整と平面ミラー166の曲率補正を同時に行って、タクトタイムの短縮を図ってもよい。また、アライメント調整を複数回行って、位置ずれ量が許容値以下となった後に、平面ミラー166の曲率補正を、ガラス板122とワークWとを密着させてから行ってもよい。
また、本実施形態では、両面を露光する密着露光装置が示されているが、片面のみ露光する密着露光装置であってもよい。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
本実施形態では、ワークWをフープ状としたが、シート状(平板状)であってもよい。
本発明の曲率を補正する反射鏡としては、上記実施形態の平面ミラー166に限定されるものでなく、他の平面ミラー163やコリメーションミラー167に設けられても良く、任意の反射鏡に適用することができ、また、これらミラー163,166,167の複数のミラーの曲率を補正するようにしてもよい。さらに、複数のミラーを曲率補正する場合には、縮尺補正をコリメーションミラー167によって行い、ひずみ補正を平面ミラー166によって行うように、補正の役割をミラー毎に分担することができる。
また、反射板192は、シャッターユニット164と別体に設けられているが、シャッターユニット164が露光光の光路上におけるインテグレータ165の下流側にある場合には、シャッターユニット164によって構成されてもよい。
また、曲率補正量検出系190として、反射板に照射する光は、レーザー光に限らず、指向性を有する露光光の光束より小さい光束の光を射出するものであればよい。
さらに、本発明の反射鏡曲率調整機構と曲率補正量検出系は、近接露光装置、密着露光装置に限らず、レンズ系でひずみ補正を行う投影露光装置以外の露光装置に適用可能である。
加えて、本発明の指向性を有する光を照射する検出用光源は、マスク近傍に配置されることが好ましいが、反射鏡に対して露光面側に配置されればよく、マスクよりワークチャック側に配置されてもよい。
本発明のマスク保持部16が移動するX方向は、本実施形態ではワークの搬送方向に沿っているが、これに限定されず、例えば、ワークの搬送方向と直交する方向であってもよい。
なお、本発明のワーク支持部は、本実施形態のようなマスクと対向する露光領域へワークを搬送する搬送機構によって構成されてもよいが、ワークを支持するものであれば任意に構成される。
また、フィルムマスクと透明媒体とを備えた本発明のマスクは、パターンが形成されたフィルムマスクとワークとを密着して露光する密着露光装置に適用されてもよい。
10,10A マスク保持機構
11A,11B 第1駆動機構
12 第2駆動機構
16 マスク保持部
20 第1駆動部
21 第1のZ軸モータ
22 X軸モータ
23 リニアガイド(第1の案内部)
31 第1のZ軸可動台
34 十字継手(第1の自在継手)
35 X軸モータ基台
38 第1の案内板
39 リニアガイド(第3の案内部)
50 第2駆動部
51 第2のZ軸モータ
52 Y軸モータ
53,53a,53b リニアガイド(第2の案内部)
61 第2のZ軸可動台
64 十字継手(第2の自在継手)
65 Y軸モータ基台
68 第2の案内板
69 リニアガイド(第4の案内部)
152,352 アライメント検出系
153 ギャップセンサ(ギャップ検出系)
160,160a,160b 照明光学系
161 マルチランプユニット(光源)
163,166 平面ミラー(反射鏡)
167 コリメーションミラー(反射鏡)
171 支持機構
175 モータ(支持機構駆動手段)
190 曲率補正量検出系
191 レーザーポインタ(レーザー光源、検出用光源)
192 反射板
193 カメラ
194 制御部
271 ランプ
272 リフレクタ(反射鏡)
273 光源部
281 カセット
315a,315b 支持ロール(ワーク支持部)
349 アライメント機構
353 マスク支持機構(マスク支持部、送り機構)
M,M1,M2 マスク
Ma,M1a マスク側アライメントマーク
W ワーク
Wb ワーク側アライメントマーク
α X方向に対する所定の角度(第1の傾斜方向)
β Y方向に対する所定の角度(第2の傾斜方向)

Claims (5)

  1. マスクを保持するマスク保持部と、
    前記マスクと対向する露光領域においてワークを支持するワーク支持部と、
    前記露光領域に位置する前記ワークに対して露光光を前記マスクを介して照射する照明光学系と、
    を備え、
    前記照明光学系からの露光光の光束を前記マスクを介して前記ワークに照射し、前記マスクのパターンを前記ワークに転写する露光装置であって、
    前記マスクは、前記パターンが形成されるフィルムマスクと、該フィルムマスクが貼り付けられる透明媒体と、を備えることを特徴とする露光装置。
  2. 前記透明媒体は、前記フィルムマスクを前記透明媒体に対して前記ワーク側に配置した状態で前記マスク保持部に吸着保持されることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記フィルムマスクのパターンは、前記フィルムマスクの前記透明媒体に貼り付けられる側の面に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置。
  4. 前記透明媒体は、前記フィルムマスクを前記透明媒体に対して前記ワークと反対側に配置した状態で前記マスク保持部に吸着保持され、
    前記透明媒体を前記ワークに密着させて、前記フィルムマスクと前記ワークとを前記透明媒体によって所定のギャップを保った状態で、前記照明光学系からの露光光の光束を前記マスクを介して前記ワークに照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置。
  5. マスクを保持するマスク保持部と、前記マスクと対向する露光領域においてワークを支持するワーク支持部と、前記露光領域に位置する前記ワークに対して露光光を前記マスクを介して照射する照明光学系と、を備え、前記照明光学系からの露光光の光束を前記マスクを介して前記ワークに照射し、前記マスクのパターンを前記ワークに転写する露光方法であって、
    前記マスクは、前記パターンが形成されるフィルムマスクと、該フィルムマスクが貼り付けられる透明媒体と、を備えることを特徴とする露光方法。
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