JP2011168220A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロックの密集配置によるパターンエッジの増大によるウェット性能および氷上性能の向上と、トレッド部のショルダー域の偏摩耗の防止との両立を図る。
【解決手段】この空気入りタイヤは、トレッド部1に、タイヤ幅方向最外側に位置する周方向主溝10と、ショルダーブロック列L1との間に、該周方向主溝10よりも溝幅が小さくタイヤ周方向に延びる複数本の周方向副溝12a、12b、12cとこれらに交差して延びる複数本の横溝14とにより区画されたブロック16がタイヤ周方向に並んだブロック列の複数列L2〜L4からなるブロック群Gを備える。周方向副溝12を介してタイヤ幅方向に隣接するブロック相互間の距離d1、d2、d3は、タイヤ幅方向外側に向かうに連れて漸減する。
【選択図】図2

Description

この発明は、トレッド部に、トレッド接地端を跨ってそれぞれ延びるショルダーブロックを互いにタイヤ周方向に並んで複数配置したショルダーブロック列と、前記ショルダーブロック列のタイヤ幅方向内側に配設されタイヤ周方向に延びる複数本の周方向主溝と、を備える空気入りタイヤに関し、特に、ウェット性能および氷上性能と耐偏摩耗性との両立を図ろうとするものである。
タイヤの安全面において重要な性能の一つにウェット性能や氷上性能があるが、これらのウェット性能および氷上性能を向上する技術としてブロック系パターンを構成するブロック陸部内にサイプを刻んでパターンエッジを増大させたものが知られている(例えば、特許文献1)。
一方で、ブロック陸部にサイプを刻むことはブロック剛性の低下につながるため、ウェット性能および氷上性能には効果的であるもののドライ路面での操縦安定性等、ドライ性能には逆に悪影響を与えることとなる。
そこで発明者は、この相反する性能の両立を図るべく鋭意検討したところ、ブロックパターンを構成するブロック個々の大きさを小さくした上でこれらを多数密集させればブロック剛性の低下をある程度抑制しつつブロックエッジを増大させることができるとの知見を得ることができた。
特開2005−145128号公報
しかしながら、発明者がかかるブロックパターンを採用した空気入りタイヤを試作し実験を繰り返したところ、従前のサイプ式のブロックパターンに比べてウェット性能および氷上性能が格段に向上することが確認されたものの、トレッド部のショルダー域においてブロックの偏摩耗が増大するということが分かった。
それゆえこの発明は、ブロックの密集配置によるパターンエッジの増大によるウェット性能および氷上性能の向上と、トレッド部のショルダー域の偏摩耗の防止とを両立させることのできる空気入りタイヤを提供することにある。
この発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、この発明の空気入りタイヤは、トレッド部に、トレッド接地端を跨ってそれぞれ延びるショルダーブロックを互いにタイヤ周方向に並んで複数配置したショルダーブロック列と、前記ショルダーブロック列のタイヤ幅方向内側に配設されタイヤ周方向に延びる複数本の周方向主溝と、を備える空気入りタイヤにおいて、前記周方向主溝のうちタイヤ幅方向最外側に位置する周方向主溝と、前記ショルダーブロック列との間に、該周方向主溝よりも溝幅が小さくタイヤ周方向に延びる複数本の周方向副溝と該周方向副溝に交差して延びる複数本の横溝とにより区画されたブロックがタイヤ周方向に並んだブロック列の複数列からなるブロック群を設け、前記周方向副溝を介してタイヤ幅方向に隣接する前記ブロック相互間の距離は、タイヤ幅方向外側に向かうに連れて漸減することを特徴とするものである。
ここで、「トレッド接地端」とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格、例えばアメリカ合衆国ではThe Tire and Rim Association Inc.の“Year Book”、欧州ではThe European Tyre and Rim Technical Organisationの“Standard Manual”、日本では日本自動車協会の“JATMA Year Book”に記載の規格の適用サイズにおける標準リムにタイヤを組み付け、かかる規格の適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)および最大荷重に対応する空気圧を適用した状態において、タイヤ表面が地面と接触する面のタイヤ幅方向最外位置をいう。また、「ブロック相互間の距離」とは、周方向副溝を介してタイヤ幅方向に隣接するブロック相互間の距離をタイヤ幅方向に沿って測定した距離を指すものとする。
かかる空気入りタイヤにあっては、前記周方向主溝のうちタイヤ幅方向最外側に位置する周方向主溝と、前記ショルダーブロック列との間に、該周方向主溝よりも溝幅が小さくタイヤ周方向に延びる複数本の周方向副溝と該周方向副溝に交差して延びる複数本の横溝とにより区画されたブロックがタイヤ周方向に並んだブロック列の複数列からなるブロック群を設けことから、ブロック剛性の低下をある程度回避しつつブロックエッジを増大することができる。
ここで、発明者は、トレッド部のショルダー域のブロックにおいて偏摩耗が増大する原因について研究を重ねたところ、その原因が、タイヤの接地時におけるブロック群内のブロックを区画する周方向副溝の溝閉じ量がトレッド部のタイヤ幅方向外側ほど大きくなり、ブロックの幅方向せん断変形が増大するところにあることを突き止めた。タイヤの接地時に周方向副溝が閉じるメカニズムは、以下のとおりである。すなわち、図3に示すように、タイヤが接地すると、リムからの垂直荷重Fは、ビード部4、サイドウォール部3およびショルダー部2を介して路面に平行な水平方向に変換され、タイヤ幅方向のトレッド接地端TE付近にはタイヤ幅方向内側へ向かう横力Pが発生する。そしてこの横力Pがトレッド接地端TE付近のブロックをせん断変形させるのである。よって、周方向副溝に隣接するブロックのせん断変形量は、トレッド接地端TEに近づくほど大きくなる。
そこで発明者はこれらの知見に基づき、ブロック群内の周方向副溝の溝幅を、タイヤ幅方向外側に向かうに連れて漸減する構成としたのであり、これにより、周方向副溝の溝閉じ量の低減またはタイヤ幅方向に隣接するブロック相互間の接触(支え合い)によるブロックの幅方向せん断変形の抑制効果がトレッド接地端に近づくほど大きくなるため、トレッド部のショルダー域におけるブロックの偏摩耗を効果的に防止することが可能となる。
したがって、この発明の空気入りタイヤによれば、ブロックの密集配置によりパターンエッジが増大するとともに、タイヤ接地時におけるブロック群内での溝閉じを制御することによりブロックの幅方向せん断変形が抑制されるので、ウェット性能および氷上性能の向上と、トレッド部のショルダー域の偏摩耗の防止とを両立させることができる。
なお、この発明の空気入りタイヤにあっては、ブロック群の幅をW(mm)、該ブロック群内の任意のブロック列におけるブロックの基準ピッチ長さをPL(mm)、該ブロック群の幅Wと該基準ピッチ長さPLとで区画されるブロック群の基準区域内に存在するブロックの個数をa(個)、該基準区域内のネガティブ率をN(%)としたとき、S=a/{PL×W×(1−N/100)}で与えられる前記ブロック群の単位実接地面積当たりのブロック個数密度S(個/mm)を、0.003〜0.04の範囲内とすることが好ましい。
なおここでいう「ブロック群の幅」とは、ブロック群のタイヤ幅方向に沿う長さを指す。また、「ブロックの基準ピッチ長さ」とは、任意のブロック列におけるタイヤ周方向の繰返しパターンの最小単位または複数単位の長さを指すものとし、例えば1つのブロックとこのブロックに隣接する横溝によってタイヤ周方向のパターンの繰り返し模様が規定されている場合は、ブロック1個分のタイヤ周方向長さとこのブロックに隣接する横溝の溝幅とを合算したものをブロックの基準ピッチ長さとすることができる。さらに、「ブロック個数密度」とは、基準区域内の実接地面積(基準区域内に在る全ブロックの総表面積)あたりに何個のブロックが存在するかを密度として表したものである。また、「実接地面積」とはタイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格、例えばアメリカ合衆国ではThe Tire and Rim Association Inc.の“Year Book”、欧州ではThe European Tyre and Rim Technical Organisationの“Standard Manual”、日本では日本自動車協会の“JATMA Year Book”に記載の規格の適用サイズにおける標準リムにタイヤを組み付け、かかる規格の適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)および最大荷重に対応する空気圧を適用した状態のときのものを指す。
この発明によれば、ブロックの密集配置によるパターンエッジの増大によるウェット性能および氷上性能の向上と、トレッド部のショルダー域の偏摩耗の防止とを両立させることのできる空気入りタイヤを提供することができる。
この発明に従う実施形態の空気入りタイヤをリムに組み付け所定の内圧を適用したタイヤ幅方向の断面図であり、(a)は接地してない状態を、(b)は接地した状態をそれぞれ示すものである。 この発明に従う一実施形態(実施例1のタイヤ)のタイヤのトレッドパターンを示した部分展開図である。 ショルダー領域にブロックを有する空気入りタイヤをリムに組み付け、所定の内圧を適用したときのタイヤ幅方向の断面図であり、(a)は接地していない状態を、(b)は接地した状態をそれぞれ示すものである。 この発明に従う他の実施形態の空気入りタイヤ(実施例2のタイヤ)のトレッドパターンの一部を拡大して示した部分展開図である。 この発明に従う他の実施形態の空気入りタイヤ(実施例3のタイヤ)のトレッドパターンの一部を拡大して示した部分展開図である。 比較としての空気入りタイヤ(比較例1のタイヤ)のトレッドパターンの一部を拡大して示した部分展開図である。 従来技術の空気入りタイヤ(従来例1のタイヤ)のトレッドパターンを示した部分展開図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。ここに図1は、この発明に従う実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という)をリムに組み付け所定の内圧を適用したタイヤ幅方向の断面図であり、(a)は接地してない状態を、(b)は接地した状態をそれぞれ示すものであり、図2は、この発明に従う一実施形態のタイヤのトレッドパターンを示した部分展開図である。
この実施形態のタイヤは、図1に示すように、タイヤの踏面を形成するトレッド部1、このトレッド部1の幅方向外側にショルダー部2を介して連なる一対のサイドウォール部3、およびこれらのサイドウォール部3の径方向内側に配置される一対のビード部4を備え、タイヤ内部に一対のビード部4、4間でトロイド状に延びるカーカス5と、このカーカス5のクラウン域の径方向外側に配置されたベルト層6とを備える慣例に従ったタイヤ構造を有するタイヤである。
図2に示すように、このタイヤは、トレッド部1に、トレッド接地端TEを跨ってそれぞれ延びるショルダーブロック8を互いにタイヤ周方向に並んで複数配置したショルダーブロック列L1と、該ショルダーブロック列L1のタイヤ幅方向内側に配設されタイヤ周方向に延びる複数本(ここではタイヤ幅方向の左右に各1本)の周方向主溝10と、を備える。周方向主溝10は、タイヤ赤道面Cを中心にしたトレッド接地幅の5〜30%に相当する位置に配置することが好ましい。なぜなら、5%より小さいと周方向主溝10間の陸部面積が極端に小さいために、直進安定性を充分に確保できず、30%より大きいと接地時のショルダーブロック列L1のタイヤ幅方向の動きが大きくなるために、ショルダーブロック列L1の偏摩耗が発生し易くなるからである。また、周方向主溝の溝幅は、トレッド接地幅の2〜15%とすることが好ましい。なぜなら、溝幅が2%より小さいとタイヤの排水に必要な周方向主溝の溝容積を充分に確保できず、15%より大きいと周方向主溝に面した陸部に接地圧が集中して、該周方向主溝周辺に偏摩耗が発生し易くなるからである。
また、このタイヤは、タイヤ幅方向最外側に位置する周方向主溝10と、ショルダーブロック列L1との間に、該周方向主溝10よりも溝幅が小さくタイヤ周方向に延びる複数本の周方向副溝12(タイヤ幅方向外側から順に12a、12b、12cとする)と該周方向副溝12a、12b、12cに交差して延びる複数本の横溝14とにより区画されたブロック16がタイヤ周方向に並んだブロック列の複数列(タイヤ幅方向外側から順にブロック列L2、L3、L4とする)からなるブロック群Gを備える。
ブロック群G内のブロック16は、その表面輪郭形状を任意の形状とすることができるが、多角形(ここでは略八角形)とするのが好ましい。多角形とすることで、ブロック16のいわゆるエッジ効果の異方性を低減することができる。また特に、八角形とすることで、ブロック16の均一な接地性を高めることができる。ブロック群G内のブロック16の高さh(当該ブロック16を区画する周方向副溝12または横溝14のうち、その溝深さの大きい方の溝底からブロック表面までをタイヤ径方向に測定した距離)は、「Wb/h」にて定義されるブロックアスペクト比が1.5以上になるように設定することが好ましい。なぜなら、「Wb/h」が1.5未満となるとブロックのせん断剛性が急激に低下し、ブロックの倒れこみ(座屈)が発生し易くなるため、接地性が悪化しグリップ力が減少してしまうからである。
また、ブロック群G内のブロック16はそれぞれ千鳥状に配置されている。すなわち、タイヤ幅方向に隣接するブロック列L2〜L4を形成する各ブロック16同士は、タイヤ周方向に位相が異なるように配置されている。ここで、「タイヤ周方向に位相が異なる」とは、例えば図2の例において、ブロック列L2のブロック16と、ブロック列L3のブロック16とが、半ピッチずつタイヤ周方向にずれた状態のことを言う。このような千鳥状配置を採用することで、ブロック群G内の後述するブロック個数密度を容易に増大させることができるとともに、ブロック群G内のブロック16の接地タイミングをずらすことができるので、パターンノイズを低減することもできる。
ブロック群G内のブロック16の大きさを小さくすればするほど、また密集度を高くすればするほどパターントータルでのブロックエッジは増大するが、ブロック個数密度の好適範囲は以下の通りである。すなわち、ブロック群Gの任意のブロック列L2〜L4におけるブロック16のタイヤ周方向の基準ピッチ長さをPL(mm)とし、各ブロック群Gの幅をW(mm)とし、これらの基準ピッチ長さPLとブロック群のWとで区画される基準区域Z(図2中斜線で示す領域)内に存在するブロック16の個数をa(個)とし、各基準区域Z内のネガティブ率をN(%)としたとき、
Figure 2011168220
として表される、ブロック群Gの単位実接地面積当りのブロック個数密度Sは、0.003(個/mm)以上0.04(個/mm)以下である。ブロック個数密度Sは、ブロック群G内の全てのブロック16の実接地面積(溝分を除いた面積)中の単位面積(mm)当りに何個のブロック16があるかということを密度として表現したものである。ちなみに、例えば通常のスタッドレスタイヤの場合には、この密度Sは概ね0.002以下となる。なお、ブロック群Gの基準区域Z内のブロック16の個数aをカウントするに際して、ブロック16が基準区域Zの内外に跨って存在し、1個として数えることができない場合は、基準区域Zを跨るブロック16の表面積に対する、基準区域内に残った同ブロック16の残存面積の比率を用いて数えることとする。例えば、基準区域Zの内外に跨り、基準区域Z内にその半分しか存在しないブロック16の場合は、1/2個と数えることができる。
ブロック群Gにおけるブロック個数密度Sが0.003(個/mm)未満の場合は、サイプの形成なしには、ブロックエッジの増大を図ることは難しく、一方、ブロック個数密度Sが0.04(個/mm)を超えるとブロック16の大きさが小さくなり過ぎて所要のブロック剛性の実現が難しい。また、ブロック群Gにおけるブロック個数密度Sを、0.0035〜0.03個/mmの範囲内とすれば、ブロック剛性の確保とブロックエッジ増大との両立をより高い次元で達成することができる。
なお、ブロック群Gにおけるネガティブ率Nは5%〜50%とすることが好ましい。ブロック群Gにおけるネガティブ率Nが5%未満の場合は、溝面積が小さ過ぎ排水性が不十分となる他、ブロック個々の大きさが大きくなり過ぎて本発明が狙いとするところのブロックエッジの増大を図り難くなり、一方、50%を超えると接地面積が小さくなり過ぎて、操縦安定性が低下するおそれがあるからである。
そしてこのタイヤの特徴とするところは、周方向副溝12a、12b、12cを介してタイヤ幅方向に隣接するブロック16相互間の距離d1、d2、d3は、タイヤ幅方向外側に向かうに連れて漸減する構成としたこと、すなわちd3>d2>d1としたことにある。
かかる実施形態のタイヤにあっては、周方向主溝のうちタイヤ幅方向最外側に位置する周方向主溝10と、ショルダーブロック列L1との間に、該周方向主溝10よりも溝幅が小さくタイヤ周方向に延びる複数本の周方向副溝12a、12b、12cと該周方向副溝12a、12b、12cに交差して延びる複数本の横溝14とにより区画されたブロック16がタイヤ周方向に並んだブロック列の複数列L2〜L4からなるブロック群Gを設けことから、ブロック剛性の低下をある程度回避しつつ(つまりドライ性能を確保しつつ)、ブロックエッジを増大することができる。そして、ブロック群G内のブロック個数密度を0.003(個/mm)以上0.04(個/mm)以下とすることにより、ブロックの表面積を従来に比べて十分小さくすることができるので、ブロック個々の接地性を向上させるとともに、ブロック16の表面における中央域から周縁までの距離を小さくし得て、ブロック表面中央域での水膜をブロック接地時に効率的に除去することを確実とすることができる。
また、ブロック群G内の周方向副溝12a、12b、12cを介してタイヤ幅方向に隣接するブロック16相互間の距離d1、d2、d3を、タイヤ幅方向外側に向かうに連れて漸減する構成としたことにより、図3に示すようにこれらの距離d1、d2、d3を一定とした場合に比べて、周方向副溝12a、12b、12cの溝閉じ量の低減効果、すなわち、タイヤ幅方向に隣接するブロック16相互間の接触によるブロック16の幅方向せん断変形の抑制効果をトレッド接地端に近づくほど大きくすることができるため(図1(b)参照)、トレッド部1のショルダー域におけるブロック16の偏摩耗を効果的に防止することができる。ここで、周方向副溝12a、12b、12cの溝幅は、3mm以内とすることが好ましい。なぜなら周方向副溝12a、12b、12cの溝幅が3mmよりも大きくなると、接地時に溝を介して隔てたブロックの壁面同士が接触しなくなるために、ブロックの支え合いの効果が充分に発揮されなくなるからである。
したがって、このタイヤによれば、ブロック16の密集配置によるパターンエッジの増大によるウェット性能および氷上性能の向上と、トレッド部のショルダー域の偏摩耗の防止とを両立させることができる。
また、ショルダー域にブロック群Gを設けたタイヤは、転がり抵抗の低減に非常に有利となる。なぜなら、このような比較的小さなブロック16を多数設けることで、転がり抵抗に支配的となるベルト端近傍のトレッド部1を細分化でき(すなわちベルト端付近のトレッド部を柔軟にでき)、タイヤ負荷転動時のトレッド部1のエネルギーロスを顕著に低減することができるからである。
次いで、この発明の他の実施形態を図4および5を参照して説明する。図4に示すタイヤでは、周方向副溝12a、12b、12cを介してタイヤ幅方向に隣接するブロック16相互間の距離d1、d2、d3を、タイヤ幅方向外側に向かうに連れて漸減する構成とするにあたって、ブロック列L2〜L4のうち、ショルダーブロック列L1に隣接するブロック列L2のブロック16の幅(タイヤ幅方向長さ)Wbを、ブロック列L2に隣接するブロック列L3のブロック16の幅Wbよりも大きくしたものである。これによれば、トレッド接地端TE付近のブロック剛性(特に幅方向の剛性)を大きくすることができるので、せん断変形の抑制効果によるトレッド部1のショルダー域の偏摩耗をより一層防止することができる。
図5に示すタイヤは、周方向主溝10よりタイヤ幅方向外側のパターン構成は図2のタイヤと同様であるものの、図2のタイヤに比べて周方向主溝10の溝幅をトレッドセンター側に拡張したものである。これによれば、図2のタイヤによる効果に加えて、トレッドセンター域における周方向主溝10の体積を拡大して、特に直進走行時の排水性を向上させることができる。
次に、この発明に従う実施例1〜3のタイヤ、従来技術に従う従来例1のタイヤおよび比較例1のタイヤをそれぞれ試作し、各種の性能評価を行ったので、以下説明する。なお、これらのタイヤはいずれもタイヤサイズが195/65R15の乗用車用ラジアルタイヤである。
実施例1のタイヤは、図2に示すトレッドパターンをトレッド部に有する。周方向主溝10は左右各1本設けられ、該周方向主溝10は、タイヤ赤道面Cを中心としたトレッド接地幅の22%に相当する位置に配置されている。該周方向主溝の溝幅は、7.0mmであり、溝深さは7.0mmである。また、ショルダーブロック列L1におけるショルダーブロック8のブロック幅Wbsは、22.0mmであり、ブロック列L2およびL3におけるブロック16のブロック幅Wbは15.0mmであり、ブロック列L4におけるブロック16のブロック幅Wbは、8.0mmである。ブロック群内のブロック16のブロック高さはいずれも5.0mmである。また、周方向主溝10よりもタイヤ幅方向内側のパターンは、また、周方向副溝12a、12b、12cを介してタイヤ幅方向に隣接するブロック相互間の距離d1、d2、d3は、d3>d2>d1の関係を満たす。その他の諸元は表1に示すとおりである。
実施例2のタイヤは、図4に示すトレッドパターンをトレッド部に有する。周方向主溝10よりタイヤ幅方向内側の構成は実施例1のタイヤとほぼ同じであるが、ブロック列L2におけるブロック16のブロック幅Wbを実施例1よりも大きくしたものである。周方向主溝10は、タイヤ赤道面Cを中心としたトレッド接地幅の22%に相当する位置に配置されている。該周方向主溝の溝幅は、7.0mmであり、溝深さは7.0mmである。ショルダーブロック列L1におけるショルダーブロック8のブロック幅Wbsは20.0mmであり、ブロック列L2におけるブロック16のブロック幅Wbは17.0mmであり、L3におけるブロック16のブロック幅Wbは15.0mmであり、ブロック列L4におけるブロック16のブロック幅Wbは8.0mmである。ブロック群内のブロック16のブロック高さはいずれも5.0mmである。また、周方向副溝12a、12b、12cを介してタイヤ幅方向に隣接するブロック相互間の距離d1、d2、d3は、d3>d2>d1の関係を満たす。その他の諸元は表1に示すとおりである。
実施例3のタイヤは、図5に示すトレッドパターンをトレッド部に有する。周方向主溝10よりタイヤ幅方向内側の構成は実施例1のタイヤとほぼ同じであるが、周方向主溝10の溝幅を実施例1よりも大きくしたものである。周方向主溝10は、タイヤ赤道面Cを中心としたトレッド接地幅の22%に相当する位置に配置されている。該周方向主溝の溝幅は、9.0mmであり、溝深さは7.0mmである。ショルダーブロック列L1におけるショルダーブロック8のブロック幅Wbsは、20.0mmであり、ブロック列L2およびL3におけるブロック16のブロック幅Wbは15.0mmであり、ブロック列L4におけるブロック16のブロック幅Wbは、8.0mmである。ブロック群内のブロック16のブロック高さはいずれも5.0mmである。また、周方向副溝12a、12b、12cを介してタイヤ幅方向に隣接するブロック相互間の距離d1、d2、d3は、d3>d2>d1の関係を満たす。その他の諸元は表1に示すとおりである。
比較のため、図6に示すトレッドパターンをトレッド部に有する比較例1のタイヤと、図7に示すトレッドパターンをトレッド部に有する従来例1のタイヤとを併せて試作した。比較例1のタイヤは、周方向主溝10よりタイヤ幅方向内側のパターン構成は実施例1のタイヤとほぼ同じであるが、周方向副溝12a、12b、12cを介してタイヤ幅方向に隣接するブロック相互間の距離d1、d2、d3を、d3=d2=d1の関係を満たすように構成したものである。周方向主溝10は、タイヤ赤道面Cを中心としたトレッド接地幅の22%に相当する位置に配置されている。該周方向主溝の溝幅は、7.0mmであり、溝深さは7.0mmである。ショルダーブロック列L1におけるショルダーブロック8のブロック幅Wbsは、20.0mmであり、ブロック列L2およびL3におけるブロック16のブロック幅Wbは15.0mmであり、ブロック列L4におけるブロック16のブロック幅Wbは、8.0mmである。ブロック群内のブロック16のブロック高さはいずれも5.0mmである。その他の諸元は表1に示すとおりである。
従来例1のタイヤは、図7に示すトレッドパターンをトレッド部に有する。なお、図7中、梨地で示す部分は溝である。周方向主溝10は、タイヤ赤道面Cを中心としたトレッド接地幅の22%に相当する位置に配置されている。該周方向主溝の溝幅は、7.0mmであり、溝深さは7.0mmである。ショルダー部のブロック幅は、Wbsが40mmであり、Wbが8mmである。ブロック高さはいずれも5.0mmである。その他の諸元は表1に示すとおりである。
Figure 2011168220
(性能評価)
上記各供試タイヤについて、以下の試験を行って性能を評価した。
(1)氷上でのブレーキ性能評価に関する試験
氷上でのブレーキ性能は、氷板路面上を時速20km/hからフル制動したときの制動距離を測定し、その測定した距離から評価した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1〜3のタイヤおよび比較例1のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど氷上でのブレーキ性能が良好であることを示す。
(2)ウェット路面上での操縦安定性評価に関する試験
ウェット状態のサーキットコースを各種走行モードでスポーツ走行し、テストドライバーのフィーリングにより評価した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1〜3のタイヤおよび比較例1のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほどウェット時の操縦安定性が良好であることを示す。
(3)ショルダー域の耐摩耗性評価に関する試験
ドライ状態の一般路を各種走行モードにて走行し、5000km走行時のトレッド端近傍の残溝深さを測定し、その測定した残溝深さから指数評価した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1〜3のタイヤおよび比較例1のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほどトレッド部のショルダー域の耐摩耗性が良好であることを示す。
Figure 2011168220
表2に示す結果から、本発明の適用により、ウェット性能および氷上性能の向上とショルダー域における偏摩耗の防止とを両立できることが分かる。特に、ショルダーブロック列に隣接するブロック列におけるブロックのブロック幅を大きくすることで、偏摩耗をより一層防止できることが分かる。
かくしてこの発明によって、ブロックの密集配置によるパターンエッジの増大によるウェット性能および氷上性能の向上と、トレッド部のショルダー域の偏摩耗の防止とを両立させることが可能となった。
1 トレッド部
2 ショルダー部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 カーカス
6 ベルト層
8 ショルダーブロック
10 周方向主溝
12a、12b、12c 周方向副溝
14 横溝
16 ブロック
G ブロック群
d1、d2、d3 ブロック相互間の距離

Claims (2)

  1. トレッド部に、トレッド接地端を跨ってそれぞれ延びるショルダーブロックを互いにタイヤ周方向に並んで複数配置したショルダーブロック列と、前記ショルダーブロック列のタイヤ幅方向内側に配設されタイヤ周方向に延びる複数本の周方向主溝と、を備える空気入りタイヤにおいて、
    前記周方向主溝のうちタイヤ幅方向最外側に位置する周方向主溝と、前記ショルダーブロック列との間に、該周方向主溝よりも溝幅が小さくタイヤ周方向に延びる複数本の周方向副溝と該周方向副溝に交差して延びる複数本の横溝とにより区画されたブロックがタイヤ周方向に並んだブロック列の複数列からなるブロック群を設け、
    前記周方向副溝を介してタイヤ幅方向に隣接する前記ブロック相互間の距離は、タイヤ幅方向外側に向かうに連れて漸減することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ブロック群の幅をW(mm)、該ブロック群内を構成する任意のブロック列におけるブロックの基準ピッチ長さをPL(mm)、該ブロック群の幅Wと該基準ピッチ長さPLとで区画されるブロック群の基準区域内に存在するブロックの個数をa(個)、該基準区域内のネガティブ率をN(%)としたとき、S=a/{PL×W×(1−N/100)}で与えられる前記ブロック群の単位実接地面積当たりのブロック個数密度S(個/mm)を、0.003〜0.04の範囲内とした、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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