JP6012442B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
従来、空気入りタイヤにおいては、排水性を向上させるために、主溝の容積を増大させる、あるいは、主溝の角度を調整するなどの手法が採られていた(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2012−140091号公報 特開2010−215078号公報
しかし、主溝の容積を増大させると、接地面積が低下してドライ路面や氷雪路面における制動性能や操縦安定性が低下し、また、接地面積の低下によりウェット性能さえも十分に向上しない場合があった。
さらに、主溝の傾斜角度を調整する場合には、排水性と陸部の剛性とのトレードオフの問題が生じ、やはりドライ路面や氷雪路面における制動性能や操縦安定性との両立が困難であった。
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、ドライ路面での走行性能を犠牲にすることなく、排水性を向上させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。
その結果、発明者らは、水の排水過程における乱流を抑制して、流水性を向上させることが排水性の向上に極めて有効であるとの新規知見を得た。
そして、発明者らは、ブロックの特定の角部に切り欠け部を設けることで、実接地面積を確保しつつも、溝の乱流を効果的に抑制することができることを見出した。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、その要旨構成は、以下の通りである。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面に、複数本の幅方向溝と、複数本の周方向溝と、を含む複数本の溝を有し、前記複数本の溝により区画されるブロックの角部のうち、前記ブロックの蹴り出し端側且つトレッド幅方向外側の角部にのみ、切り欠け部を設けたことを特徴とする。
この構成によれば、ドライ路面での走行性能を犠牲にすることなく、排水性を向上させることができる。
ここで、「トレッド踏面」とは、タイヤを適用リムに組み付け、規定内圧を充填し、最大負荷能力に対応する負荷を加えた状態で転動させた際に、路面に接触することになる、タイヤの全周にわたる外周面を意味する。また、「トレッド端」は、上記トレッド踏面のトレッド幅方向の最外位置をいう。
なおここで、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格がタイヤ毎に定めているリムであり、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYEAR BOOKであれば標準リム、TRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)のYEAR BOOKであれば“Design Rim”、ETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARD MANUALであれば“Measuring RIM”となる。また、「規定内圧」とは、JATMA等の上記規格でタイヤサイズに応じて規定されるタイヤの最大負荷に対応する空気圧(最高空気圧)を指す。さらに、「最大負荷能力」とは、JATMA等の上記規格でタイヤサイズに応じて規定されるタイヤの最大負荷能力をいうものとする。
また、幅方向溝が「トレッド幅方向内側に延びる」とは、幅方向溝が、トレッド幅方向に傾斜せずにトレッド幅方向内側に延びる場合のみならず、トレッド幅方向に対して傾斜して、トレッド幅方向内側に延びる場合も含むものとする。
また、周方向溝が「トレッド周方向に延びる」とは、周方向溝が、トレッド周方向に傾斜せずに延びる場合のみならず、トレッド周方向に対して傾斜して延びる場合も含むものとする。
また、「前記ブロックの蹴り出し端側且つトレッド幅方向外側の角部にのみ」との構成により、排水性をより向上させつつ、ドライ路面での走行性能も確保することができる。
ここで、本発明の空気入りタイヤでは、前記切り欠け部を設けた角部は、丸みを有することが好ましい。
角部に丸みを形成して切り欠け部を設けることが、上述した水の乱流を抑制するのに効果的であり、且つ、接地面積がほぼ減少しないからである。
また、本発明の空気入りタイヤにあっては、前記丸みの曲率半径Rは、0.5〜4.0mmであることが好ましい。
上記の範囲とすることにより、接地面積の確保と排水性とを両立することができるからである。
なお、「曲率半径」は、トレッド踏面の展開図上で、上記丸みについて、最小2乗法により円弧で近似して求めるものとする。
さらに、本発明の空気入りタイヤでは、タイヤ赤道面を中心とするトレッド幅方向の同一の半部にてトレッド幅方向に隣接する2つのブロックの組のうち少なくとも一組において、前記少なくとも一組の2つのブロックのうち、前記トレッド幅方向外側に位置する一方のブロックの前記切り欠け部を設けた前記角部の前記丸みの曲率半径R1(mm)は、前記トレッド幅方向内側に位置する他方のブロックの前記切り欠け部を設けた前記角部の前記丸みの曲率半径R2(mm)より大きいことが好ましい。
上記切り欠け部を設けて角部に丸みを形成した場合において、トレッド幅方向外側での流水性を高めて、さらに排水性を向上させることができるからである。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記幅方向溝の溝幅は、トレッド幅方向外側に向かって漸増することが好ましい。
これにより、排水性をさらに高めることができる。
ここで、本明細書において、「溝幅」とは、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷状態とした際における、溝のトレッド踏面への開口幅をいうものとする。
さらに、本発明の空気入りタイヤでは、前記複数の周方向溝のうちの1本の周方向溝は、タイヤセンター部をトレッド周方向に延びることが好ましい。
接地圧の高いタイヤセンター部での排水性を高めることができるからである。
ここで、「タイヤセンター部」とは、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、最大負荷能力に対応する負荷を加えた状態での接地面のタイヤ幅方向両端間をトレッド接地幅とするとき、この状態で、タイヤ赤道面CLを中心とするトレッド接地幅の20%の領域(タイヤ赤道面からトレッド幅方向両側にトレッド接地幅の10%ずつの領域)をいうものとする。
本発明によれば、ドライ路面での走行性能を犠牲にすることなく、排水性を向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態にかかるタイヤのトレッド踏面を示す展開図である。 (a)〜(c)切り欠け部の形状について説明するための図である。 参考例タイヤにおけるブロックの踏面形状を示す図である。 発明例タイヤにおけるブロックの踏面形状を示す図である。 発明例タイヤにおけるブロックの踏面形状を示す図である。 比較例タイヤにおけるブロックの踏面形状を示す図である。 比較例タイヤにおけるブロックの踏面形状を示す図である。 比較例タイヤにおけるブロックの踏面形状を示す図である。 比較例タイヤにおけるブロックの踏面形状を示す図である。 本発明の他の実施形態にかかるタイヤのトレッド踏面を示す展開図である。
以下、本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤ(以下、タイヤと称する)について、図面を参照して詳細に例示説明する。なお、タイヤの内部構造については、従来のタイヤと同様であるため、説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるタイヤのトレッド踏面を示す展開図である。なお、図1は、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷状態とした際のトレッド踏面を展開して示す図である。
図1に示すように、このタイヤは、トレッド踏面1に、トレッド端TEからトレッド幅方向内側に延びる複数本の幅方向溝2と、該幅方向溝2に交差してトレッド周方向に延びる複数本の周方向溝3とを有している。
図示例では、幅方向溝2は、トレッド端TEからトレッド幅方向に対して傾斜してトレッド幅方向内側に延びており、トレッド幅方向内側に向かうにつれてトレッド幅方向に対する傾斜角度が漸増している。さらに、図示例では、幅方向溝2の溝幅は、トレッド幅方向外側に向かって漸増している。
さらに、周方向溝3のうち1本の周方向溝3aは、タイヤセンター部(図示例では、タイヤ赤道面CL上)をトレッド周方向に延びており、他の周方向溝3bは、トレッド周方向に対して(トレッド周方向一方側(図示例では、幅方向溝2の、ブロック5を区画する部分が、トレッド幅方向外側に向かうにつれて延在する方向であるトレッド周方向一方側)からトレッド周方向他方側へ向かってトレッド幅方向内側に)傾斜して延びており、その両端がトレッド周方向に隣接する2つの幅方向溝2に接続している。
なお、図示例では、トレッド踏面1に、溝として、幅方向溝2及び周方向溝3のみを有しているが、本発明のタイヤは、トレッド踏面1に、他の溝を有していてもよい。
ここで、このタイヤは、複数本の溝(図示例では、幅方向溝2及び周方向溝3)により複数のブロック4が区画されている。図示例ではブロック4は、トレッド周方向一方側、且つ、トレッド幅方向外側の角部5a、及び、トレッド周方向他方側、且つ、トレッド幅方向内側の角部5が、鋭角に形成され、一方で、トレッド周方向一方側、且つ、トレッド幅方向内側の角部5、及び、トレッド周方向他方側、且つ、トレッド幅方向外側の角部5が、鈍角に形成されている。
そして、図示例では、全てのブロック4について、ブロック4の角部5のうち、トレッド周方向一方側、且つ、トレッド幅方向外側の鋭角の角部5aのみに、切り欠け部6を設けており、切り欠け部6によって角部5aが丸みを有している。また、図示例で、各ブロック4は、ジグザグに延びるサイプ7を複数本有している。ここでいう、「切り欠け部」とは、空間的な部分をいい、例えばブロック4を実際に切り欠くことにより形成することもできるが、切り欠いた形状となっていれば良く、形成する方法は問わないものとする。
このように、本発明にあっては、少なくとも1つのブロック4の角部5のうち、少なくともトレッド周方向一方側、且つ、トレッド幅方向外側の角部5aに、切り欠け部6を設けることが肝要である。
以下、上記のトレッド周方向一方側が、ブロックの蹴り出し側となるようにタイヤを車両に装着した場合の作用効果について説明する。
本実施形態のタイヤによれば、ブロック4の角部5のうち、少なくともトレッド周方向一方側(ブロックの蹴り出し側)、且つ、トレッド幅方向外側の鋭角の角部5aに、切り欠け部6を設けたため、角部5a付近での水の乱流を抑制することができ、幅方向溝2を主水流路としたトレッド幅方向内側から外側に向けた排水効果を高めて、タイヤの排水性を向上させることができる。
また、切り欠け部6を設ける位置を角部5aとしたため、実接地面積がほとんど減少せず、ドライ路面での走行性能や氷雪路面での走行性能を確保することができる。
また、本発明にあっては、図1に示すように、少なくとも1つのブロック4の、トレッド周方向一方側、且つ、トレッド幅方向外側の角部5aにのみ、切り欠け部6を設ける。すなわち、トレッド周方向一方側、且つ、トレッド幅方向内側の角部5、並びに、トレッド周方向他方側の2つの角部5には、切り欠け部を設けないようにする。
上記トレッド周方向一方側がブロックの蹴り出し側、上記トレッド周方向他方側がブロックの踏み込み側となるようにタイヤを車両に装着した場合において、ブロックの踏み込み側の角部5に切り欠け部6を設けると、幅方向溝2から周方向溝3bへの流水が増えて乱流が発生し、幅方向溝2を主水流路とした排水性が低下してしまう場合があるため、上記角部5aのみに切り欠け部6を設けることにより、排水性をより向上させることができるからである。
また、トレッド周方向一方側(ブロックの蹴り出し側)、且つ、トレッド幅方向内側の角部5に切り欠け部6を設けると、排水性は向上するものの、ブロックの蹴り出し側の剛性が低下して、ドライ路面での走行性能等が低下してしまう場合があるため、上記角部5aのみに切り欠け部6を設けることにより、ドライ路面での走行性能等を確保することができるからである。
さらに、本発明にあっては、図1に示す例のように、切り欠け部6を設けた角部5aは、丸みを有することが好ましい。
角部に丸みを形成して切り欠け部を設けることが、上述した水の乱流を抑制するのに、最も効果的であり、且つ、接地面積がほぼ減少しないからである。
この場合、特に、角部5aの丸みの曲率半径Rは、0.5〜4.0mmであることが好ましい。
曲率半径Rを0.5mm以上とすることにより、上述した、角部5aにおける水の乱流を抑制することができ、幅方向溝2を主水流路とした排水性を高める効果をより有効に発揮させることができ、一方で、曲率半径Rを4.0mm以下とすることにより、接地面積の低下を抑制することができるからである。
ここで、本発明にあっては、切り欠け部6は、図1、図2(a)に示すようにブロック4の角部5aが所定の曲率半径Rを有する丸みを帯びるように形成する場合の他、例えば、図2(b)に示すように、角部5aが丸みを帯びないように切り欠け部6を設けることもできる(この場合、切り欠け部6は、三角柱状である)。また、例えば、図2(c)に示すように、角部5aのブロックの高さ方向の一部(トレッド踏面側)を切り欠いた形状であるようにテーパー部分6aを形成するようにして切り欠け部6を設けることもできる(この場合、切り欠け部6は、四面体状である)。このとき、トレッド踏面1側からブロック高さの5〜10%を切り欠いた形状であるようにテーパー部分6aを形成することが好ましい。ブロック剛性の低下を抑制することができるからである。
ここで、図1、図2(a)に示すようにブロック4の角部5aが所定の曲率半径を有する丸みを帯びるように形成する場合にあっては、タイヤ赤道面CLを中心とするトレッド幅方向の同一の半部にてトレッド幅方向に隣接する2つのブロック4の組のうち少なくとも一組において、当該少なくとも一組の2つのブロック4のうち、トレッド幅方向外側に位置する一方のブロック4の切り欠け部6を設けた角部5aの丸みの曲率半径R1(mm)が、当該一方のブロック4のトレッド幅方向内側に隣接して位置する他方のブロック4の切り欠け部6を設けた角部5aの丸みの曲率半径R2(mm)より大きいことが好ましい。
トレッド幅方向外側での流水性を高めて、さらに排水性を向上させることができるからである。
ここで、本発明のタイヤでは、幅方向溝2のトレッド幅方向内側端部の周方向溝3aへの接続部の断面積をA(mm)、幅方向溝2のトレッド幅方向外側端部のトレッド端TEへの接続部の断面積をC(mm)とするとき、A<C、を満たすことが好ましい。幅方向溝2内を流れる水の入口側の断面積Aを小さくし、幅方向溝2内を流れる水の出口側の断面積Cを大きくすることにより、周方向溝3aから幅方向溝2に合流する水量が増大することによる乱流の発生を抑制して、幅方向溝2を1つの主水流路とした排水効果を高めることができ、タイヤの排水性を向上させることができるからである。
同様に理由により、比A/Cは、0.24以下とすることが好ましく、0.17以下とすることがさらに好ましい。
一方で、接地面積を確保してドライ路面での走行性能等を確保するためには、比A/Cを0以上とすることが好ましい。
なお、A=0である場合とは、幅方向溝2が、接続部において溝幅0mmで周方向溝3aに接続されており、当該接続部において、幅方向溝2により区画されるブロック4がトレッド周方向に分断されていることをいうものとする。
さらに、本発明のタイヤでは、図1に示すように、幅方向溝2の溝幅は、トレッド幅方向外側に向かって漸増することが好ましい。タイヤセンター側からからショルダー側への流水性を高めて、タイヤの排水性をさらに向上させることができるからである。
ここで、具体的には、幅方向溝2の溝幅は、トレッド幅方向内側端部で0〜2.0mm以下とし、トレッド端TEで9.0mm〜12.0mmとすることが好ましい。
また、周方向溝3bのトレッド周方向一方側の端部の幅方向溝2への接続部の断面積をB(mm)とするとき、B<C、を満たすことが好ましい。
周方向溝3bから幅方向溝2に合流する水量が増大することによる乱流の発生を抑制して、幅方向溝2を主水流路とした排水効果をより高めることができるからである。
同様の理由により、比B/Cは、0.60以下とすることが好ましく、0.42以下とすることがさらに好ましい。
一方で、周方向溝3bでの水の排出量を確保するためには、比B/Cを0.07以上とすることが好ましい。
なお、上記断面積Aは、幅方向溝2の周方向溝3aへの接続部のタイヤ周方向断面の断面積をいうものとし、上記断面積Bは、周方向溝3bの幅方向溝2への接続部のタイヤ周方向断面の断面積をいうものとし、上記断面積Cは、幅方向溝2のトレッド端TEへの接続部のタイヤ周方向断面の断面積をいうものとする。
さらに、図10に示すように、幅方向溝3が複数本の周方向溝2aに接続する場合、断面積Aは、それらの周方向溝2aのうちトレッド幅方向最内側に位置する周方向溝2aへの接続部の断面積とする。
ここで、上記断面積Aは、0〜18mm以下であることが好ましい。
断面積Aを0mm以上とすることにより、雪上トラクション性能を向上させることができ、一方で、断面積Aを18mm以下とすることにより、上述した乱流の発生を抑制して、幅方向溝2を主水流路とした排水効果をより高めることができるからである。
また、上記断面積Bは、8〜46mmであることが好ましい。
断面積Bを8mm以上とすることにより、雪詰まりを抑制し、また、周方向溝3bでの水の排出量を確保することができ、一方で、断面積Bを46mm以下とすることにより、上述した乱流の発生を抑制して、幅方向溝2を主水流路とした排水効果をより高めることができるからである。
さらに、上記断面積Cは、77〜110mmであることが好ましい。
断面積Cを77mm以上とすることにより、主水流路となる幅方向溝2で流す水の流量を確保して排水性を向上させることができ、一方で、断面積Cを110mm以下とすることにより、接地面積を確保してドライ路面での走行性能等を確保することができるからである。
また、本発明のタイヤでは、複数の周方向溝のうちの1本の周方向溝は、タイヤセンター部をトレッド周方向に延びることが好ましい。
接地圧の高いタイヤセンター部での排水性を高めることができるからである。
なお、本発明にあっては、幅方向溝2は、トレッド幅方向に延び、あるいは、トレッド幅方向に対して45°以下の角度で傾斜して延びることが好ましい。
タイヤ転動時の流水方向に沿って延びることにより排水性が高まるからである。
また、幅方向溝2の溝深さ(最大深さ)は、1.0〜9.2mmとすることが好ましい。排水するための溝体積を確保するためである。
さらに、幅方向溝2は、トレッド周方向に16〜20mmのピッチ間隔で配置することが好ましい。排水性とドライ路面や氷雪路面における制動性能や操縦安定性とを両立させるためである。このとき、図1に示すように、タイヤ赤道面CLを境界とする半部間にて、トレッド周方向に位相差を設けて配置することがより好ましい。パターンノイズを低減することができるからである。
また、本発明では、周方向溝3は、トレッド周方向に延び、あるいは、トレッド周方向に対して0°以上45°以下の角度で傾斜して延びることが好ましい。排水性と氷雪路面における操縦安定性とを両立させることができるからである。
さらに、周方向溝3の溝幅は、2.0〜10.0mmとすることが好ましい。排水性とドライ路面や氷雪路面における制動性能や操縦安定性とを両立させることができるからである。
また、周方向溝3の溝深さ(最大深さ)は、4.0〜9.2mmとすることが好ましい。排水性とドライ路面や氷雪路面における制動性能や操縦安定性とを両立させることができるからである。
なお、周方向溝3は、図1に示す周方向溝3aのように、トレッド周方向に連続して延びていてもよく、一方で、図1に示す周方向溝3bのように、トレッド周方向に連続せず、トレッド周方向に隣接する2つの幅方向溝に接続する複数の周方向溝とすることもできる。
また、本発明にあっては、トレッド踏面のネガティブ率(トレッド踏面の面積に対する、トレッド踏面内の溝面積の割合)は、33〜40%とすることが好ましい。排水性とドライ路面や氷雪路面における制動性能や操縦安定性と両立させることができるからである。さらに、本発明では、幅方向溝3を主水流路として十分機能させるために、幅方向溝の溝面積は、周方向主溝及び副溝の溝面積より大きいことが好ましく、全溝面積のうちの50%以上が幅方向溝の溝面積であることが好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に何ら限定さえるものではない。例えば、本発明では、図10に示すように、トレッド周方向に連続して延びる周方向溝3aを3本有していても良く、この場合、図10に示すように、トレッド周方向に隣接する2つの幅方向溝2間の周方向溝3bの本数は、それぞれの幅方向溝間に1本ずつ有することができる。
本発明の効果を確かめるため、発明例1、3〜10及び比較例1〜4、参考例2にかかるタイヤを試作した。各タイヤの諸元は、表1に示している。各タイヤは、表1に記載の図で示されるトレッドパターンを有している。なお、図3〜図9については、ブロックの踏面形状のみを示しているが、各図に対応するタイヤは、ブロック形状を除いては、図1と同様のトレッドパターンを有している。
なお、表1において、「角部A1、A2」とは、トレッド周方向一方側、且つ、トレッド幅方向外側の角部を意味し、「角部B1、B2」とは、トレッド周方向一方側、且つ、トレッド幅方向内側の角部を意味し、「角部C1、C2」とは、トレッド周方向他方側、且つ、トレッド幅方向内側の角部を意味し、「角部D1、D2」とは、トレッド周方向他方側、且つ、トレッド幅方向外側の角部を意味する。
また、表1において、「幅方向溝の溝幅」の項目について、「漸増する」とは、幅方向溝の溝幅がトレッド幅方向外側に向かって漸増することを意味し、「漸増しない」とは、幅方向溝の溝幅が略一定であることを意味する。
上記各タイヤについて、ドライ路面での走行性能、及び排水性を評価する以下の試験を行った。
ここで、以下の試験においては、「トレッド周方向一方側」がブロックの蹴り出し側となるように、タイヤを車両に装着して、評価を行った。
<ドライ路面での走行性能>
タイヤサイズ205/55R16の上記各タイヤを適用リムに組み込んで、内圧を220kPaとして、ドライ路面ハンドリングコースでの操縦安定性を比較することにより、走行性能を評価した。
評価は、比較例1にかかるタイヤの評価結果を100としたときの相対値で指数評価し、数値が大きい方がドライ路面での走行性能に優れていることを示す。
<排水性>
タイヤサイズ205/55R16の上記各タイヤを適用リムに組み込んで、内圧を220kPaとして、水深7mmの湿潤路面を加速し、ハイドロプレーニング現象の発生速度を比較することにより、排水性を評価した。
評価は、比較例1にかかるタイヤの評価結果を100としたときの相対値で指数評価し、数値が大きい方が排水性に優れていることを示す。
Figure 0006012442
表1に示すように、発明例1、3〜10、参考例2にかかるタイヤは、いずれも比較例1〜4にかかるタイヤと比較して、ドライ路面での走行性能をほぼ確保しつつも、排水性を向上することができていることがわかる。
また、発明例1と参考例2との比較により、所定の角部にのみ切り欠け部を設けた発明例1は、参考例2より、排水性が向上していることがわかる。
また、発明例1、6〜9の比較により、曲率半径の値を好適化した発明例1、7、8は、発明例6より、排水性が向上していることがわかる。
さらに、発明例1と発明例5との比較により、ショルダー側のブロック角部A1の曲率半径が大きい発明例1の方が、角部A1での曲率半径と角部A2での曲率半径が同じである発明例5より、排水性に優れていることがわかる。
さらに、発明例1と発明例10との比較により、幅方向溝の溝幅がトレッド幅方向に向かって漸増する、発明例1は、発明例10より排水性に優れていることがわかる。
本発明によれば、ドライ路面での走行性能を犠牲にすることなく、排水性を向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
1 トレッド踏面
2 幅方向溝
3、3a、3b 周方向溝
4 ブロック
5、5a 角部
6 切り欠け部
6a テーパー部分
7 サイプ
TE トレッド端
CL タイヤ赤道面

Claims (6)

  1. トレッド踏面に、トレッド端からトレッド幅方向内側に延びる複数本の幅方向溝と、該幅方向溝に交差してトレッド周方向に延びる複数本の周方向溝と、を含む複数本の溝を有し、
    前記複数本の溝により区画されるブロックの角部のうち、前記ブロックの蹴り出し端側且つトレッド幅方向外側の角部にのみ、切り欠け部を設けたことを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記切り欠け部を設けた角部は、丸みを有する、請求項に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記丸みの曲率半径Rは、0.5〜4.0mmである、請求項に記載の空気入りタイヤ。
  4. タイヤ赤道面を中心とするトレッド幅方向の同一の半部にてトレッド幅方向に隣接する2つのブロックの組のうち少なくとも一組において、
    前記少なくとも一組の2つのブロックのうち、前記トレッド幅方向外側に位置する一方のブロックの前記切り欠け部を設けた前記角部の前記丸みの曲率半径R1(mm)は、前記トレッド幅方向内側に位置する他方のブロックの前記切り欠け部を設けた前記角部の前記丸みの曲率半径R2(mm)より大きい、請求項又はに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記幅方向溝の溝幅は、トレッド幅方向外側に向かって漸増する、請求項1〜のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記複数の周方向溝のうちの1本の周方向溝は、タイヤセンター部をトレッド周方向に延びる、請求項1〜のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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