JP2011167766A - 冷間鍛造によるカムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷間鍛造後に歯面やカム面の切削加工による多大な修正を必要とせず、かつ、過大な加工荷重を回避でき、しかも、冷間鍛造後に単純な加工作業により高精度でバラツキの小さい部品を大量生産することが可能な、冷間鍛造によるカムの製造方法を提供する。
【解決手段】ダイ1の内周面と第1押圧手段(パンチ)3および第2押圧手段(ノックアウト)4の外周面との間に、全周にわたって、突き出し用隙間が設定される。冷間鍛造の際に、冷間鍛造部品5の外周端縁部が、全周にわたって、ダイの内周面に沿って突き出し用隙間の中に突き出されて、冷間鍛造部品の外周端縁部の全周にバリ又は余肉が形成される。第3の押圧手段としてピン2を使用する場合、冷間鍛造部品の外周端縁部が、全周にわたって、ダイの内周面に沿って突き出し用隙間の中に突き出されて、冷間鍛造により形成されたカムの外周端縁部の全周にバリ又は余肉が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷間鍛造によってカムを製造する方法、例えば、自動車エンジン用のカムを冷間鍛造で製造する方法に関する。
自動車のエンジンに使用されているカムの生産量は、近年、大幅に増加している。
これらの部品は、鍛造素形品から切削や研磨をして仕上げるか、あるいは粉末焼結成形により製造している。
最近、日本国内においては、材料の価格上昇が顕著であり、それが部品の製造コストのアップの大きな原因になっている。コストアップを抑制するために、材料の有効利用を図る製造技術が求められている。
他方、特許文献1に示されているように、歯車を冷間鍛造の張り出し加工によって製造する方法は公知である。
張り出し加工は、周知のとおり、歯形の横断面を全体的に張り出す加工であるが、とくに歯先部に、だれや欠肉が生じやすい。そのため、材料をダイの歯先部を含めて歯形全体に充満させることが重要である。
特許第2913522号公報
自動車のエンジンに使用されているカムを冷間鍛造によって製造する場合、だれや欠肉がカム面に生じやすい。そのため、従来は、冷間鍛造後に、カム面の切削加工による多大な修正が必要であった。
そのような多大な修正を回避するために、だれや欠肉がカム面に生じないように、過大な荷重をパンチにかけて、ダイ内に材料を充満させると、加工対象部材(ブランク部材)の両端面が互いにパンチ等で軸心方向に押圧された瞬間に、加工圧が急激に増大する。とくに、閉塞鍛造の場合、材料がダイの内部全体に充満したとき、極めて過大な荷重が生じる。
本発明の目的は、冷間鍛造後にカム面の切削加工による多大な修正を必要とせず、かつ、過大な加工荷重を回避でき、しかも、単純な加工作業により高精度でバラツキの小さい部品を大量生産することが可能な、冷間鍛造によるカムの製造方法を提供することである。
ダイの内周面の中で、加工対象部材を第1押圧手段と第2押圧手段によって冷間鍛造して、冷間鍛造によりカムを製造する方法において、ダイの内周面と第1押圧手段および第2押圧手段の外周面との間に、全周にわたって、突き出し用隙間が設定され、冷間鍛造の際に、加工対象部材の外周端縁部が、全周にわたって、ダイの内周面に沿って突き出し用隙間の中に突き出されるが、閉塞鍛造にせず、閉塞鍛造のときに生じる過大な加工荷重の発生を回避するために、バリ又は余肉の突き出し方向に突き出し用隙間が残るように、カムの冷間鍛造部品の外周端縁部の全周に軸心方向に突き出る形にバリ又は余肉が形成されることを特徴とする冷間鍛造によるカムの製造方法。
本発明の方法によれば、突き出し用隙間を設けるため、だれや欠肉の修正の場合に比較して、冷間鍛造後に冷間鍛造部品の切削加工による多大な修正を必要としない。
本発明の方法によれば、閉塞鍛造のときに避けがたかった過大な加工荷重の発生を回避できる。
しかも、本発明の方法によれば、冷間鍛造後に単純な加工作業によりバリや余肉を簡単に除去できるので、高精度でバラツキの小さい冷間鍛造部品を大量生産することができる。
さらに、精密な輪郭が必要な部品を冷間鍛造加工により大量生産することが容易である。
本発明方法に用いるダイと押圧手段(例えばノックアウトやパンチ)は、閉塞鍛造のものを少し改造するだけで、つまり、突き出し用隙間を設けるように改造するだけで、閉塞鍛造ではない形態で、ごく簡単に形成できる。
また、本発明の方法によれば、余肉やバリを形成して、被加工物(冷間鍛造部品)の角や隅にだれや欠肉が発生することを確実に回避できるので、だれや欠肉について、冷間鍛造後に全品検査をすることが不要となる。
冷間鍛造部品の内外の周端縁部は容易に除去可能な部分であり、そこに余肉又はバリが形成されるので、余肉やバリは、周知の簡単な作業で容易に除去できる。ただし、部品の用途によっては、余肉やバリを除去せず、残しておいてもよい。
本発明の実施例1による冷間鍛造部品の製造方法を示す。 図1に記載の方法で製造された冷間鍛造部を示す。 本発明の別の実施例2による冷間鍛造部品の製造方法を示す。 図3に記載の方法で製造された冷間鍛造部品を示す。 本発明の更に別の実施例3による冷間鍛造部品の製造方法を示す。 図5に記載の方法で製造された冷間鍛造部品を示す。 本発明の更に別の実施例4による冷間鍛造部品の製造方法を示す。 図7に記載の方法で製造された冷間鍛造部品を示す。
本発明は、冷間鍛造によるカムの製造方法を対象としている。
本発明の製造方法は、ダイ(型)の内周面の中で、円板状、円柱状、円筒状、リング状、スリーブ状その他の単純な形状や複雑な形状を有する加工対象部材(冷間鍛造をした部材と、そうでない部材がある)をパンチ等によって冷間鍛造して、冷間鍛造部品を製造する方法である。
本発明の製造方法においては、ダイの内周面とパンチ等の外周面との間に、全周にわたって、突き出し用隙間が設定される。そして、冷間鍛造の際に、加工対象部材の外周端縁部および内周端縁部の少なくとも一方が、全周にわたって、ダイの内周面に沿って突き出し用隙間の中に突き出されて、冷間鍛造部品の外周端縁部や内周端縁部の全周にバリ又は余肉が形成される。
本発明の1つの態様においては、第1押圧手段と第2押圧手段として、それぞれロッド状のパンチとロッド状のノックアウトを使用して、ダイの内周面とパンチおよびノックアウトの外周面との間に、全周にわたって、突き出し用隙間が設定される。そして、冷間鍛造の際に、加工対象部材の外周端縁部が、全周にわたって、ダイの内周面に沿って突き出し用隙間の中に突き出されて、加工対象部材から形成された冷間鍛造部品の外周端縁部の全周にバリ又は余肉が形成される。
また、本発明の別の態様においては、第1押圧手段と第2押圧手段として、それぞれスリーブ状のパンチと、スリーブ状のノックアウトとを使用し、さらに第3押圧手段としてピンを使用する。そして、スリーブ状のパンチの内周面の中とスリーブ状のノックアウトの内周面の中にピンが挿入され、ダイの内周面とパンチおよびノックアウトの外周面との間に、全周にわたって、突き出し用隙間が設定され、かつ、ピンの外周面とパンチおよびノックアウトの内周面との間に、全周にわたって、突き出し用隙間が設定される。冷間鍛造の際に、加工対象部材の外周端縁分及び内周端縁部が、全周にわたって、ダイの内周面及びピンの外周面に沿って突き出し用隙間の中に突き出されて、加工対象部材から形成された冷間鍛造部品の外周端縁部及び内周端縁部の全周にバリ又は余肉が形成される。
本発明において、サイジング加工は、冷間鍛造や他の加工の最後に仕上げのために必要に応じて実施するものである。
冷間鍛造や他の加工の最後に仕上げのために冷間鍛造でサイジング加工をする場合、好ましくは、サイジング加工の前は、加工対象部材の外周端縁部の全周にバリ又は余肉が形成されておらず、サイジング加工によって、加工対象部材の外周端縁が、全周にわたって、ダイの内周面に沿って突き出し用隙間の中に突き出されて、加工対象部材から形成された冷間鍛造部品の外周端縁部の全周にバリ又は余肉が形成されることが好ましい。
また、ピンを使用する態様においても、冷間鍛造又は他の加工の最後に仕上げのために冷間鍛造でサイジング加工をする前は、加工対象部材の内外の外周端縁部の全周にバリ又は余肉が形成されておらず、サイジング加工によって、加工対象部材の外周端縁部及び内周端縁部が、全周にわたって、ダイの内周面に沿って突き出し用隙間の中に突き出されて、加工対象部材から形成された冷間鍛造部品の外周端縁部及び内周端縁部の全周にバリ又は余肉が形成されることが好ましい。
バリ又は余肉は、周端縁部の全周に連続して形成するように設計すると、製作コストの面で好ましいが、必要に応じて、周端縁部の全周に不連続にバリ又は余肉を形成するように、つまり、周端縁部の一部にバリ又は余肉が形成されないように、設計することもできる。
また、本発明は、サイジング加工をする態様のみに限定されるものではない。サイジング加工を省略して、最後の冷間鍛造のときに冷間鍛造部品の内外の外周端縁部の全周にバリ又は余肉を形成することも可能である。
また、サイジング加工は省略しないが、中間加工の最後の冷間鍛造加工とサイジング加工のとき、加工対象部材を1つのダイの中に入れたまま、パンチで複数回押圧することで、冷間鍛造部品の内外の外周端縁部の全周にバリ又は余肉を形成することもできる。
バリ又は余肉は、突き出し用隙間を適当な寸法に設定して、冷間鍛造部品の内外の両周端部に任意の種々の形状(厚みや高さ)で形成することができる。1つの冷間鍛造部品の複数の周端縁部の各々に互いに異なる種々のバリや余肉を形成することもできる。
サイジング加工をしない場合、突き出し用隙間を比較的広く設定して、冷間鍛造の最後の段階でのみ、前述のバリ又は余肉を形成することが好ましい。
バリや余肉の厚みは、寸法の大小にかかわらず、突き出し用隙間の寸法にほぼ依存するのが通例である。
突き出し用隙間が全体的に同じ寸法に設定されている場合、バリや余肉の厚みは、全て同一となるのが通例であるが、バリや余肉の高さ(長さともいえる)は、パンチ側の突き出し用隙間では高く突き出され、ノックアウト側の突き出し用隙間では低く突き出される傾向がある。なぜなら、パンチによって押圧された加工対象部材が変形して、軸心方向に圧縮され、半径方向に増大するとき、加工対象部材(材料)の外周面がダイの内周面に押圧されて摩擦抵抗を受け、パンチ側の突き出し力は大きく作用するが、ノックアウト側の突き出し力は、摩擦抵抗で弱くなってしまって小さく作用するからである。加工対象部材の軸心方向の長さが長くなれば、それだけ、この傾向は強くなる。
バリや余肉は、用途によっては、そのまま残しておいてもよい場合もあるが、適当な周知の手段(例えば、両端面切削又はディスク研削)によって除去するのが好ましい。そのようにバリや余肉を除去した跡(バリ又は余肉の除去跡)は、ファイバーフローを切断した形で残る。なぜなら、突き出し用隙間に突き出される際に、バリや余肉の内部に流動的なファイバーフローが生じるが、バリや余肉を除去したとき、そのファイバーフローが途中で切断されるからである。
本発明でいう「バリ又は余肉の除去跡」は、そのまま肉眼で見えるものに限定されず、表面がコーティングされたり処理されたりして、外側からは見えなくなっているが、依然として内部には存在するものも含む。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
図1〜2は、本発明の実施例1による冷間鍛造部品の製造方法の一例を概略的に示す。
図1に示されているように、ダイ1(金型)の内周面の中で、予め前工程で形成されたリング状の加工対象部材5を最後の仕上げのサイジング加工として冷間鍛造して、冷間鍛造部品を製造する。
この実施例においては、前の工程で冷間鍛造された冷間鍛造品を加工対象部材5として使用する。
第1押圧手段であるスリーブ状のパンチ3と、第2押圧手段であるスリーブ状のノックアウト4を使用して、スリーブ状のパンチ3の内周面の中とスリーブ状のノックアウト4の内周面の中にピン2が挿入され、ダイ1の内周面とパンチ3およびノックアウト4の外周面との間に、全周にわたって、突き出し用隙間S1、S2が設定され、かつ、ピン2の外周面とパンチ3およびノックアウト4の内周面との間に、全周にわたって、突き出し用隙間S3、S4が設定される。これらの突き出し用隙間S1、S2、S3、S4は同じ寸法を有する。
冷間鍛造の際に、冷間鍛造部品である加工対象部材5の上下両方の外周端縁部5a、5b及び内周端縁部5c、5dが、全周にわたって、ダイ1の内周面及びピン2の外周面に沿って突き出し用隙間S1〜S4の中に突き出されて、冷間鍛造部品5の外周端縁部5a、5b及び内周端縁部5c、5dの全周に、連続して、バリ又は余肉7a〜7dが形成される。
図1〜図2の実施例1においては、冷間鍛造によって仕上げのためにサイジング加工をする前は、つまり、前工程で形成された状態では、冷間鍛造部品である加工対象部材5の内外の周端縁部の全周にバリ又は余肉が形成されていない。ダイ1の中に加工対象部材5を入れて、サイジング加工をすることによって、初めて、冷間鍛造部品である加工対象部材5の外周端縁部5a、5b及び内周端縁部5c、5dが、全周にわたって、ダイの内周面及びピンの外周面に沿って突き出し用隙間の中に突き出されて、冷間鍛造部品5の外周端縁部5a、5b及び内周端縁部5c、5dの全周にバリ又は余肉7a〜7dが形成される。
図1によく示されているように、ダイ1、とくに外周面サイジング用のダイ1は、円筒状の内周面1aの上端領域(図1にGで示す領域)がガイド領域になっていて、それに続いて、幅Wと、好ましくは0.05〜0.50mmの高さを有する膨隆部1bが、円周方向に形成されている。
ピン2、とくに内周面サイジング用のピン2にも、ダイ1と同様に、円筒状の外周面2aの上端近くの領域に、幅Wと、好ましくは0.05〜0.50mmの高さを有する膨隆部2bが、円周方向に形成されている。
幅Wは0.3〜3.0mmとするのが好ましい。
図示されていないが、ダイ1とピン2との間に、スリーブ状のパンチ3が上方から昇降可能に配置されていて、しかも、スリーブ状のノックアウト4が下方から昇降可能に配置されている。
加工対象部材5は、前工程で加工されたブランク部材であり、そのブランク寸法(前工程での加工寸法)は、図示されていないが、外径がダイ1の膨隆部1bの内径よりも少し小さく、内径がピン2の膨隆部2bの外径よりも少し大きくなっている。
冷間鍛造されたブランク部材である加工対象部材5は、次のようにしてサイジング加工のために冷間鍛造が実行される。
まず、一方で、パンチ3を上方位置(図示せず)に配置し、他方で、ダイ1、ピン2及びノックアウト4を図1に示す所定の鍛造位置に配置する。しかるのち、ダイ1、ピン2及びノックアウト4によって画成されたほぼリング状の空間に、加工対象部材5を挿入する。加工対象部材5をダイ1とピン2の加工領域の入口から挿入して、すなわち、ダイ1の膨隆部1bとピン2の膨隆部2bを越えて加工対象部材5を通過させて、ブランク寸法(前工程の加工寸法)を有するリング状のブランク部材つまり加工対象部材5を加工領域の奥まで挿入する。その結果、加工対象部材5の下面がノックアウト4の上端面に到達する。この状態の加工対象部材5に対し、パンチ3を上方位置(図示せず)から下降させる。そして、パンチ3の下端面で加工対象部材5を押圧する。そのとき、加工対象部材5は、軸方向に圧縮され、それと同時に半径方向に押し出される。その結果、加工対象部材5の外周は、ダイ1の内周面1aに接触して押圧され、かつ、加工対象部材5の内周は、ピン2の外周面2aに接触して押圧される。さらに、パンチ3の押圧力により、加工対象部材5の内周面の上方縁及び下方縁と外周面の上方縁及び下方縁が、それぞれ、ピン2とパンチ3及びノックアウト4との突き出し用隙間S3〜S4の上下方向に突き出されるとともに、ダイ1とパンチ3及びノックアウト4との突き出し用隙間S1〜S2の上下方向に突き出される。
その結果、パンチ3の所定の押圧動作が完了したとき、冷間鍛造部品5は、図2に示すように、内周面と外周面の上下両方の縁にバリ7a〜7dが形成される。そのように形成されるバリ7a〜7dは、高さが0.1〜1.0mmで、厚みが0.3〜0.8mmであることが好ましい。
図1の実施例1においては、突き出し用隙間S1〜S4が全体的に同じ寸法に設定されている。この場合、バリ7a〜7dの厚みは、全て同一となるが、バリ7a〜7dの高さは、パンチ3側の突き出し用隙間S1、S3では高く突き出され、ノックアウト4側の突き出し用隙間S2、S4では低く突き出される。なぜなら、パンチ3によって押圧された加工対象部材5が変形するとき、加工対象部材5(材料)の内周面及び外周面が、それぞれピン2の外周面2a及びダイ3の内周面1aによって摩擦抵抗を受けるため、パンチ3側の突き出し力は大きいが、ノックアウト4側の突き出し力は摩擦抵抗で弱くなってしまうからである。しかし、本実施例1では、ダイ1の膨隆部1bとピン2の膨隆部2bが存在するため、上方のバリ7a、7cは、形状が、ダイ1の膨隆部1bとピン2の膨隆部2bによって制限される。
前述のようなバリ7a〜7dの形成は、冷間鍛造部品の上下縁部のダレや欠肉を解消するのに役立つとともに、後述するように、閉塞鍛造加工の欠点(過大な加工圧の問題)を解消するのにも役立つ。
パンチ3の押圧動作の完了後、パンチ3を上昇させるとともに、ノックアウト4によって冷間鍛造部品5を上昇させる。その途中で、冷間鍛造部品5の外周面と内周面が、それぞれダイ1の膨隆部1bとピン2の膨隆部2bによって「しごき」作用をうけて精密な面に仕上げられる。
バリ7a〜7dを形成するように、ダイ1及びピン2と、パンチ3及びノックアウト4との間に所定の突き出し用隙間S1〜S4として、0.1〜1.0mm、好ましくは0.3〜0.8mmの隙間を設けると、閉塞鍛造の「過大な瞬間的な荷重」の欠点を解消できる。そのため、加工荷重の変動幅が小さくなり、ダイ1の破損が起こりにくくなり、冷間鍛造部品(被加工品)の寸法のバラツキが少なくなり、安定して良好な部品が得られる。
前述のバリ7a〜7dは、後工程において適当な周知の手段によって除去する。
なお、図中、バリ形成のための突き出し用隙間S1〜S4と、冷間鍛造部品(被加工品)の内外の周面にしごき作用を与える膨隆部1b、2bは、誇大して示してある。
加工対象部材5の全てのバリは同じ厚みと高さにしてもよいし、種々の厚みと高さを組み合わせてもよい。
図3〜4の実施例2においては、突き出し用隙間S1〜S4の寸法が互いに相違している。
図3に示されているように、ダイ1の内周面の中で、予め前工程で形成されたリング状の加工対象部材5を最後の仕上げのサイジング加工として冷間鍛造して、冷間鍛造部品(例えば歯車)を製造する。
この実施例2においても、前の工程で冷間鍛造された冷間鍛造品を加工対象部材5として使用する。
第1押圧手段であるスリーブ状のパンチ3と、第2押圧手段であるスリーブ状のノックアウト4を使用して、スリーブ状のパンチ3の内周面の中とスリーブ状のノックアウト4の内周面の中にピン2が挿入され、ダイ1の内周面とパンチ3およびノックアウト4の外周面との間に、全周にわたって、互いに寸法の相違する突き出し用隙間S1、S2が設定される。パンチ3側の隙間S1の寸法がノックアウト側の隙間S2の寸法よりも大きい。ピン2の外周面とパンチ3およびノックアウト4の内周面との間に、全周にわたって、同じ寸法の突き出し用隙間S3、S4が設定される。
冷間鍛造の際に、冷間鍛造部品である加工対象部材5の上下両方の外周端縁部5a、5b及び内周端縁部5c、5dが、全周にわたって、ダイ1の内周面及びピン2の外周面に沿って突き出し用隙間S1〜S4の中に突き出されて、冷間鍛造部品5の外周端縁部5a、5b及び内周端縁部5c、5dの全周に、連続して、厚みと高さの相違するバリ又は余肉7a〜7dが形成される。
図3〜図4の実施例2においては、冷間鍛造によって仕上げのためにサイジング加工をする前は、つまり、前工程で形成された状態では、冷間鍛造部品である加工対象部材5の内外の周端縁部の全周にバリ又は余肉が形成されていない。ダイ1の中に加工対象部材5を入れて、サイジング加工をすることによって、初めて、冷間鍛造部品である加工対象部材5の外周端縁部5a、5b及び内周端縁部5c、5dが、全周にわたって、ダイの内周面及びピンの外周面に沿って突き出し用隙間の中に突き出されて、冷間鍛造部品5の外周端縁部5a、5b及び内周端縁部5c、5dの全周にバリ又は余肉7a〜7dが形成される。
図3によく示されているように、ダイ1は、円筒状の内周面1aの上端領域(図3にGで示す領域)がガイド領域になっていて、それに続いて、幅Wと、好ましくは0.05〜0.50mmの高さを有する膨隆部1bが、円周方向に連続して形成されている。
ピン2も、ダイ1と同様に、円筒状の外周面2aの上端近くの領域に、幅Wと、0.05〜0.50mmの高さを有する膨隆部2bが、円周方向に連続して形成されている。
図示されていないが、ダイ1とピン2との間に、スリーブ状のパンチ3が上方から昇降可能に配置されていて、しかも、スリーブ状のノックアウト4が下方から昇降可能に配置されている。
加工対象部材5は、前工程で加工されたブランク部材であり、図示はされていないが、そのブランク寸法(前工程での加工寸法)は、外径がダイ1の膨隆部1bの内径よりも少し小さく、内径がピン2の膨隆部2bの外径よりも少し大きくなっている。
冷間鍛造されたブランク部材である加工対象部材5は、次のようにしてサイジング加工のために冷間鍛造が実行される。
まず、一方で、パンチ3を上方位置(図示せず)に配置し、他方で、ダイ1、ピン2及びノックアウト4を図3に示す所定の鍛造位置に配置する。しかるのち、ダイ1、ピン2及びノックアウト4によって画成されたほぼリング状の空間に、加工対象部材5を挿入する。加工対象部材5をダイ1とピン2の加工領域の入口から挿入して、すなわち、ダイ1の膨隆部1bとピン2の膨隆部2bを越えて加工対象部材5を通過させて、ブランク寸法(前工程の加工寸法)を有するリング状のブランク部材つまり加工対象部材5を加工領域の奥まで挿入する。その結果、加工対象部材5の下面がノックアウト4の上端面に到達する。この状態の加工対象部材5に対し、パンチ3を上方位置(図示せず)から下降させる。そして、パンチ3の下端面で加工対象部材5を押圧する。そのとき、加工対象部材5は、軸方向に圧縮され、それと同時に半径方向に押し出される。その結果、加工対象部材5の外周は、ダイ1の内周面1aに接触して押圧され、かつ、加工対象部材5の内周は、ピン2の外周面2aに接触して押圧される。さらに、パンチ3の押圧力により、加工対象部材5の内周面の上方縁及び下方縁と外周面の上方縁及び下方縁が、それぞれ、ピン2とパンチ3及びノックアウト4との突き出し用隙間S3〜S4の上下方向に突き出されるとともに、ダイ1とパンチ3及びノックアウト4との突き出し用隙間S1〜S2の上下方向に突き出される。
その結果、パンチ3の所定の押圧動作が完了したとき、冷間鍛造部品5は、図4に示すように、内周面と外周面の上下両方の縁にバリ7a〜7dが形成される。
図3の実施例2においては、突き出し用隙間S1〜S4が互いに相違する寸法に設定されており、バリ7a〜7dの厚みは、全て異なるが、バリ7a〜7dの高さは、ほぼ同じになるように設定されている。この場合、パンチ3側の突き出し用隙間S1、S3では強く突き出され、ノックアウト4側の突き出し用隙間S2、S4では弱く突き出される。それは、突き出し用隙間S1〜S4が図3に示すように互いに相違する寸法に設定されているからである。その結果、パンチ3によって押圧された加工対象部材5が変形するとき、加工対象部材5(材料)の内周面及び外周面が、それぞれピン2の外周面2a及びダイ3の内周面1aによって摩擦抵抗を受け、パンチ3側の突き出し力は大きいが、ノックアウト4側の突き出し力は摩擦抵抗で弱くなってしまうが、パンチ3側では、隙間S1が大きいため、バリ7aの高さは低く、ノックアウト4側では、隙間S2が小さいため、バリ7bの高さは高くなる。
本実施例2では、ピン2側の上方のバリ7cの高さは、ピン2の膨隆部2bによって制限されるが、ダイ1側の上方のバリ7aは、ダイ1の膨隆部1bによって制限されない。
前述のようなバリ7a〜7dの形成は、冷間鍛造部品の上下縁部のダレや欠肉を解消するのに役立つとともに、閉塞鍛造加工の欠点(過大な加工圧の問題)を解消するのにも役立つ。
前述のバリ7a〜7dは、必要に応じて、後工程において適当な周知の手段によって除去する。
なお、図中、バリ形成のための突き出し用隙間S1〜S4と、冷間鍛造部品(被加工品)の内外の周面にしごき作用を与える膨隆部1b、2bは、誇大して示してある。
加工対象部材の種類によっては、ダイ1やピン2は、膨隆部を設けず、単純な円筒形状の面にしてもよい。
図5〜6はダイ1及びピン2に全く膨隆部を設けない実施例3を示している。
図5に示されているように、ダイ1の内周面の中で、予め前工程で形成されたリング状の加工対象部材5を最後の仕上げのサイジング加工として冷間鍛造して、冷間鍛造部品(例えばリング状カム)を製造する。
この実施例3においては、前の工程で冷間鍛造された冷間鍛造品を加工対象部材5として使用する。
第1押圧手段であるスリーブ状のパンチ3と、第2押圧手段であるスリーブ状のノックアウト4を使用して、スリーブ状のパンチ3の内周面の中とスリーブ状のノックアウト4の内周面の中にピン2が挿入され、ダイ1の内周面とパンチ3およびノックアウト4の外周面との間に、全周にわたって、突き出し用隙間S1、S2が設定され、かつ、ピン2の外周面とパンチ3およびノックアウト4の内周面との間に、全周にわたって、突き出し用隙間S3、S4が設定される。これらの突き出し用隙間S1、S2、S3、S4は全て同じ寸法になっている。
冷間鍛造の際に、冷間鍛造部品である加工対象部材5の上下両方の外周端縁部5a、5b及び内周端縁部5c、5dが、全周にわたって、ダイ1の内周面及びピン2の外周面に沿って突き出し用隙間S1〜S4の中に突き出されて、冷間鍛造部品5の外周端縁部5a、5b及び内周端縁部5c、5dの全周に、連続した形で、バリ又は余肉7a〜7dが形成される。
図5〜6の実施例3においては、冷間鍛造によって仕上げのためにサイジング加工をする前は、つまり、前工程で形成された状態では、冷間鍛造部品である加工対象部材5の内外の周端縁部の全周にバリ又は余肉が形成されていない。ダイ1の中に加工対象部材5を入れて、サイジング加工をすることによって、初めて、冷間鍛造部品である加工対象部材5の外周端縁部5a、5b及び内周端縁部5c、5dが、全周にわたって、ダイの内周面及びピンの外周面に沿って突き出し用隙間の中に突き出されて、冷間鍛造部品5の外周端縁部5a、5b及び内周端縁部5c、5dの全周にバリ又は余肉7a〜7dが形成される。
図示されていないが、ダイ1とピン2との間に、スリーブ状のパンチ3が上方から昇降可能に配置されていて、しかも、スリーブ状のノックアウト4が下方から昇降可能に配置されている。
加工対象部材5は、前工程で加工されたブランク部材である。
冷間鍛造されたブランク部材である加工対象部材5は、次のようにしてサイジング加工のために冷間鍛造が実行される。
まず、一方で、パンチ3を上方位置(図示せず)に配置し、他方で、ダイ1、ピン2及びノックアウト4を図5に示す所定の鍛造位置に配置する。しかるのち、ダイ1、ピン2及びノックアウト4によって画成されたリング状の空間に、加工対象部材5を挿入する。加工対象部材5をダイ1とピン2の加工領域の入口から挿入して、ブランク寸法(前工程の加工寸法)を有するリング状のブランク部材つまり加工対象部材5を加工領域の奥まで挿入する。その結果、加工対象部材5の下面がノックアウト4の上端面に到達する。この状態の加工対象部材5に対し、パンチ3を上方位置(図示せず)から下降させる。そして、パンチ3の下端面で加工対象部材5を押圧する。そのとき、加工対象部材5は、軸方向に圧縮され、それと同時に半径方向に押し出される。その結果、加工対象部材5の外周は、ダイ1の内周面1aに接触して押圧され、かつ、加工対象部材5の内周は、ピン2の外周面2aに接触して押圧される。さらに、パンチ3の押圧力により、加工対象部材5の内周面の上方縁及び下方縁と外周面の上方縁及び下方縁が、それぞれ、ピン2とパンチ3及びノックアウト4との突き出し用隙間S3〜S4の上下方向に突き出されるとともに、ダイ1とパンチ3及びノックアウト4との突き出し用隙間S1〜S2の上下方向に突き出される。
その結果、パンチ3の所定の押圧動作が完了したとき、冷間鍛造部品5は、図6に示すように、内周面と外周面の上下両方の縁にバリ7a〜7dが形成される。
図5〜6の実施例3においては、突き出し用隙間S1〜S4が全体的に同じ寸法に設定されている。この場合、バリ7a〜7dの厚みは、全て同一となるが、バリ7a〜7dの高さは、パンチ3側の突き出し用隙間S1、S3では高く突き出され、ノックアウト4側の突き出し用隙間S2、S4では低く突き出される。なぜなら、パンチ3によって押圧された加工対象部材5が変形するとき、加工対象部材5(材料)の内周面及び外周面が、それぞれピン2の外周面2a及びダイ3の内周面1aによって摩擦抵抗を受けるため、パンチ3側の突き出し力は大きいが、ノックアウト4側の突き出し力は摩擦抵抗で弱くなってしまうからである。
前述のようなバリ7a〜7dの形成は、冷間鍛造部品の上下縁部のダレや欠肉を解消するのに役立つとともに、閉塞鍛造加工の欠点(過大な加工圧の問題)を解消するのにも役立つ。
パンチ3の押圧動作の完了後、パンチ3を上昇させるとともに、ノックアウト4によって冷間鍛造部品5を上昇させる。
バリ7a〜7dを形成するように、ダイ1及びピン2と、パンチ3及びノックアウト4との間に所定の突き出し用隙間S1〜S4として、0.1〜1.0mm、好ましくは0.3〜0.8mmの隙間を設けると、閉塞鍛造の「過大な瞬間的な荷重」の欠点を解消できる。そのため、加工荷重の変動幅が小さくなり、ダイ1の破損が起こりにくくなり、冷間鍛造部品(被加工品)の寸法のバラツキが少なくなり、安定して良好な部品が得られる。
前述のバリ7a〜7dは、後工程において適当な周知の手段によって除去する。
なお、図中、バリ形成のための突き出し用隙間S1〜S4は、誇大して示してある。
図7〜8は、本発明の実施例4による冷間鍛造部品の製造方法の一例を概略的に示す。
図7に示されているように、ダイ1の内周面の中で、予め前工程で形成された中実の柱状又は棒状の加工対象部材5を最後の仕上げのサイジング加工として冷間鍛造して、冷間鍛造部品を製造する。
この実施例4においては、前の工程で冷間鍛造された冷間鍛造品を加工対象部材5として使用する。
第1押圧手段である中実の棒状のパンチ3と、第2押圧手段である中実の棒状のノックアウト4を使用して、ダイ1の内周面とパンチ3およびノックアウト4の外周面との間に、全周にわたって、突き出し用隙間S1、S2が設定される。
冷間鍛造の際に、冷間鍛造部品である加工対象部材5の上下両方の外周端縁部5a、5bが、全周にわたって、ダイ1の内周面に沿って突き出し用隙間S1、S2の中に突き出されて、冷間鍛造部品5の外周端縁部5a、5bの全周にバリ又は余肉7a、7bが形成される。
図7〜8の実施例4においては、冷間鍛造によって仕上げのためにサイジング加工をする前は、つまり、前工程で形成された状態では、冷間鍛造部品である加工対象部材5の外周端縁部の全周にバリ又は余肉が形成されていない。ダイ1の中に加工対象部材5を入れて、サイジング加工をすることによって、初めて、冷間鍛造部品である加工対象部材5の外周端縁部5a、5bが、全周にわたって、ダイの内周面に沿って突き出し用隙間S1、S2の中に突き出されて、冷間鍛造部品5の外周端縁部5a、5bの全周にバリ又は余肉7a、7bが形成される。
図7によく示されているように、ダイ1は、円筒状の内周面1aの上端領域(図1にGで示す領域)がガイド領域になっていて、それに続いて、幅Wと、好ましくは0.05〜0.50mmの高さを有する膨隆部1bが、円周方向に形成されている。
図示されていないが、パンチ3が上方から昇降可能に配置されていて、しかも、ノックアウト4が下方から昇降可能に配置されている。
加工対象部材5は、前工程で加工されたブランク部材であり、そのブランク寸法(前工程での加工寸法)は、外径がダイ1の膨隆部1bの内径よりも少し小さくなっている。
冷間鍛造されたブランク部材である加工対象部材5は、次のようにしてサイジング加工のために冷間鍛造が実行される。
まず、一方で、パンチ3を上方位置(図示せず)に配置し、他方で、ダイ1及びノックアウト4を図7に示す所定の鍛造位置に配置する。しかるのち、ダイ1及びノックアウト4によって画成されたほぼ円筒状の空間に、加工対象部材5を挿入する。加工対象部材5をダイ1の加工領域の入口から挿入して、ブランク部材つまり加工対象部材5を加工領域の奥まで挿入する。その結果、加工対象部材5の下面がノックアウト4の上端面に到達する。この状態の加工対象部材5に対し、パンチ3を上方位置(図示せず)から下降させる。そして、パンチ3の下端面で加工対象部材5を押圧する。そのとき、加工対象部材5は、軸方向に圧縮され、それと同時に半径方向に押し出される。その結果、加工対象部材5の外周は、ダイ1の内周面1aに接触して押圧される。さらに、パンチ3の押圧力により、加工対象部材5の外周面の上方縁及び下方縁が、それぞれ、ダイ1とパンチ3及びノックアウト4との突き出し用隙間S1〜S2の上下方向に突き出される。
その結果、パンチ3の所定の押圧動作が完了したとき、冷間鍛造部品5は、図8に示すように、外周面の上下両方の縁にバリ7a、7bが形成される。そのように形成されるバリ7a、7bは、高さが0.1〜1.0mmで、厚みが0.3〜0.8mmである。
図7〜8の実施例4においては、突き出し用隙間S1〜S2が全体的に同じ寸法に設定されている。この場合、バリ7a、7bの厚みは、全て同一となるが、バリ7a、7bの高さは、パンチ3側の突き出し用隙間S1では高く突き出され、ノックアウト4側の突き出し用隙間S2では低く突き出される。なぜなら、パンチ3によって押圧された加工対象部材5が変形するとき、加工対象部材5(材料)の外周面が、ダイ3の内周面1aによって摩擦抵抗を受けるため、パンチ3側の突き出し力は大きいが、ノックアウト4側の突き出し力は摩擦抵抗で弱くなってしまうからである。
本実施例4では、ダイ1に膨隆部1bが存在するため、上方のバリ7aは、形状が、ダイ1の膨隆部1bによって少し制限される。
前述のようなバリ7a、7bの形成は、冷間鍛造部品の上下縁部のダレや欠肉を解消するのに役立つとともに、閉塞鍛造加工の欠点(過大な加工圧の問題)を解消するのにも役立つ。
パンチ3の押圧動作の完了後、パンチ3を上昇させるとともに、ノックアウト4によって冷間鍛造部品5を上昇させる。その途中で、冷間鍛造部品5の外周面が、ダイ1の膨隆部1bによって「しごき」作用をうけて精密な面に仕上げられる。
バリ7a、7bを形成するように、ダイ1と、パンチ3及びノックアウト4との間に所定の突き出し用隙間S1、S2として、0.1〜1.0mm、好ましくは0.3〜0.8mmの隙間を設けると、閉塞鍛造の「過大な瞬間的な荷重」の欠点を解消できる。そのため、加工荷重の変動幅が小さくなり、ダイ1の破損が起こりにくくなり、冷間鍛造部品(被加工品)の寸法のバラツキが少なくなり、安定して良好な部品が得られる。
前述のバリ7a、7bは、後工程において適当な周知の手段によって除去する。
なお、図中、バリ形成のための突き出し用隙間S1、S2と、冷間鍛造部品(被加工品)の内外の周面にしごき作用を与える膨隆部1bは、誇大して示してある。
なお、本発明は前述の実施例に限定されない。たとえば、ダイの内周面は単純な円筒形のものに限定されない。また、加工対象部材も、単純な円筒形のものに限定されない。本発明は、もっと複雑な形状を有する形態(例えば、フランジを有する部材で、そのフランジの部分のみを加工対象とするような形態)を含むものである。
1 ダイ(金型)
1a 内周面
1b 膨隆部
2 ピン
2a 外周面
2b 膨隆部
3 パンチ
4 ノックアウト
5 冷間鍛造部品
5a、5b 外周端縁部
5c、5d 内周端縁部
5c、5d 内周端縁部
7a〜7d バリ又は余肉

Claims (1)

  1. ダイの内周面の中で、加工対象部材を第1押圧手段と第2押圧手段によって冷間鍛造して、冷間鍛造によりカムを製造する方法において、ダイの内周面と第1押圧手段および第2押圧手段の外周面との間に、全周にわたって、突き出し用隙間が設定され、冷間鍛造の際に、加工対象部材の外周端縁部が、全周にわたって、ダイの内周面に沿って突き出し用隙間の中に突き出されるが、閉塞鍛造にせず、閉塞鍛造のときに生じる過大な加工荷重の発生を回避するために、バリ又は余肉の突き出し方向に突き出し用隙間が残るように、カムの冷間鍛造部品の外周端縁部の全周に軸心方向に突き出る形にバリ又は余肉が形成されることを特徴とする冷間鍛造によるカムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5994547A (ja) * 1982-11-19 1984-05-31 Toyota Motor Corp 鍛造品成形バリ取り方法

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