JP2011167297A - 便座昇降装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】下肢の筋肉が弱った方々もバランスを崩さずに立ち座りができるように補助することが可能な便座昇降装置を提供すること。
【解決手段】この便座昇降装置においては、便座STを着座位置に位置させ、この着座位置の便座STに使用者Hが着座した状態における足裏の接地位置からその足を動かすことなく、その足裏全体が接地した状態で足首Haの関節の角度を広げるために、便座STが着座位置から後方且つ上方に動くように駆動される。
【選択図】図2

Description

本発明は、使用者が着座するための座面を有する便座を昇降させることで、使用者の大便器に対する立ち座りを補助する便座昇降装置に関する。
身体障害者や高齢者の中には、完全に歩行が困難ではないものの、椅子状のものに腰を下ろしたり立ち上がったりする立ち座りには困難を伴う方が多い。そのような立ち座りに困難を伴う方が洋式便器を使用するにあたって、便座に腰を下ろしたり便座から立ち上がったりする際の肉体的な負担は非常に大きなものである。そこで、使用者が着座するための座面を有する便座を昇降させることで、使用者の大便器に対する立ち座りを補助する便座昇降装置が提案されている(下記特許文献1参照)。
下記特許文献1に記載の便座昇降装置は、立ち座りに困難を伴う使用者が着座するための座面を有する便座を昇降させることで、使用者の大便器に対する立ち座りを補助する基本性能を維持しつつ、床面との隙間を広く確保して清掃性を向上させるものである。
特開2006−95085号公報
上記特許文献1に記載の便座昇降装置は、立ち座りに困難を伴う使用者の大便器に対する立ち座りを補助する基本性能を維持しつつ、清掃性も向上するものであるから、それ以前の便座昇降装置に対して優れた機能を持つものである。
ところで、完全に歩行が困難ではないものの、椅子や大便器といった椅子状のものに腰を下ろしたり立ち上がったりする立ち座りには困難を伴う方には様々な段階の方がおり、少しの補助で立ち座りを行うことができる方もいれば、体の動きによりきめ細かく対応した補助を必要とする方もいる。後者の方の中には、下肢の筋肉が弱っており、前後に体の重心が揺れ動くとそれに対応することが困難な方も多い。そのような方々は、上記特許文献1に記載のような便座昇降装置を用いたとしても、やはり便座への立ち座りは困難である。
具体的に考察すると従来の便座昇降装置は、便座が大便器に当接した着座位置から便座を上昇させつつ、前端を下げつつ後端を上げるように便座を回動させ、更には便座を大便器から前方に押し出すように動かすことで使用者の立ち座りを補助している。健常者や下肢の筋肉がさほど弱っていない方にとっては、このような便座の動きでも使用者の立ち座りを十分に補助するものと考えられるが、下肢の筋肉が弱って立ち座りが極めて困難な方々にとっては十分なものではない。
下肢の筋肉が弱った方々がこのような便座の挙動を示す便座昇降装置を用いると、便座から立ち上がる動作の場合には、中腰の姿勢のまま臀部が前方且つ上方に押し出されることになり、自分の重心の前方への移動を支えられずにバランスを崩してしまうおそれがある。バランスを崩さずに立ち上がるためには、足裏が接地している位置や便座に対する臀部の位置を微妙に調整する必要があるが、下肢の筋肉が弱った方々は足首や膝の関節の動きも円滑にはいかないものであり、そのような微妙な調整をすることは極めて困難である。このように便座から立ち上がる際と同様に、便座に着座する際に便座昇降装置のサポートを受けるに当たっても、同様にバランスを崩すおそれがある。従って、下肢の筋肉が弱った方々が従来の便座昇降装置を用いる際には、実際には他の人の補助が必要となるため、このような方々が独力で立ち座りすることにも対応できる便座昇降装置が求められている。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用者が着座するための座面を有する便座を昇降させることで、使用者の大便器に対する立ち座りを補助する便座昇降装置であって、下肢の筋肉が弱った方々もバランスを崩さずに立ち座りができるように補助することが可能な便座昇降装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る便座昇降装置は、使用者が着座するための座面を有する便座を昇降させることで、使用者の大便器に対する立ち座りを補助する便座昇降装置であって、前記便座を支持する便座支持部と、前記大便器に対する前記便座の相対的な位置及び姿勢の少なくとも一方が変化するように前記便座支持部を駆動する駆動部と、を備え、前記駆動部は、前記便座支持部を前記大便器に近接させることで前記便座を着座位置に位置させ、この着座位置の前記便座に使用者が着座した状態における足裏の接地位置からその足を動かすことなく、その足裏全体が接地した状態で足首関節の角度を広げるために、前記便座が前記着座位置から後方且つ上方に動くように前記便座支持部を駆動することを特徴とする。
本発明に係る便座昇降装置は、単純に臀部を上方且つ前方に押し出すことで使用者の立ち座りを補助するものではなく、下肢の筋肉が弱り足首や膝の関節の動きも円滑ではないような使用者の方々にも安心して使っていただけるように、使用者の足首関節や膝関節の動きに着目して便座からの立ち座りを補助するものである。そのように使用者の立ち座りを補助するため、本発明に係る便座昇降装置では、便座を着座位置から後方且つ上方に動かして、着座位置の便座に使用者が着座した状態における足裏の接地位置からその足を動かすことなく、足裏全体が接地した状態で足首関節の角度を広げることができるものとしている。このように便座を動かすことで、臀部を便座に乗せたまま動かすことがない上に、足の接地位置も動かさずに、膝が足首よりも前に出ることもなく、足首関節や膝関節を広げて伸ばすように便座を動かすことになり、便座の上に安定して着座したまま立ち上がる体勢へと移行させることができる。つまり、両足と臀部との三点で体重を支えながら立ち上がる体勢へと移行し、更には起立姿勢へと立ち上がる準備ができるものである。従って、膝が足首よりも前に出てしまい、重心を足裏の真上に保つために足の筋力を使ってバランスを保つような動作が不要になり、下肢の筋肉が弱り足首や膝の関節の動きも円滑ではないような使用者の方々であってもバランスを崩さずに立ち座りができるように補助することが可能となる。
また本発明に係る便座昇降装置では、前記駆動部は、前記便座が後方に動き、且つ前記便座の先端がその後端よりも下がるように回動しながら前記便座全体が上方に動くように、前記便座支持部を駆動することも好ましい。
この好ましい態様では、便座が後方に動くことに加えて、便座の先端が下端よりも下がるように回動するので、使用者の膝関節を確実に広げて伸ばすように便座を動かすことができる。このように使用者の膝関節も広げて伸ばしつつ足首関節も広げて伸ばしながら、便座全体が上方に動くように動かしているので、便座の上に安定して着座したまま立ち上がる体勢へとより自然に移行させることができる。
また本発明に係る便座昇降装置では、前記駆動部は、前記便座の回動角度の変化量が第一変化量である第一領域の後に、前記便座の回動角度の変化量が第二変化量である第二領域が形成されるように前記便座支持部を駆動するものであって、前記第一変化量よりも前記第二変化量が大きいことも好ましい。
本発明に係る便座昇降装置は、使用者の足首関節や膝関節を広げて伸ばしながら、便座の上に安定して着座したまま立ち上がる体勢へと移行させるように便座を動かすものである。従って、足首関節の開き具合や膝関節の開き具合は、使用者がどのような体勢で便座に着座しているかに応じて適切なものとすべきであり、便座の回動角度もこれに応じて調整されるべきものである。そこでこの好ましい態様では、便座の回動角度の変化量が比較的小さい第一変化量である第一領域の後に、便座の回動角度の変化量が比較的大きい第二変化量である第二領域が形成されるように便座を動かすものとしている。このように便座を動かすことで、第一領域においては便座の回動角度を比較的小さく保ちつつ便座を後方且つ上方に動かすことになり、使用者の膝関節を確実に広げて起立姿勢における膝関節の角度に近づけることができる。第一領域の後に形成される第二領域においては、膝の状態が起立して体を支える状態に近づいている使用者を起立姿勢に移行させるために、便座の回動角度を比較的大きくし、使用者を起立させやすくしている。このように構成することで、膝関節が十分に広がっていない状態で便座が過度に回動してしまい、重心が前方に移動してしまったり、起立する準備が整っていない足側にかかる荷重が臀部側に比較して増えてしまったりする結果として使用者がバランスを崩すことを確実に回避できる。
また本発明に係る便座昇降装置では、前記駆動部は、前記便座支持部が着座位置から前記便座を動かすにあたって、前記便座が回動せずに後方且つ上方に動き、その後前記便座が回動するように前記便座支持部を駆動することも好ましい。
この好ましい態様では、便座が回動する前に、便座を着座位置から後方且つ上方に動かすので、便座が回動して前方に体重がかかりやすくなる前に、便座を後方且つ上方に動かすことで使用者の膝関節を広げることができる。従って、膝関節が十分に広がっていない状態で体重が前方にかかることを確実に防止することができ、便座の上に安定して着座したまま立ち上がる体勢へとより自然に移行させることができる。
また本発明に係る便座昇降装置では、前記駆動部は、前記便座が後方に動いた後に前方に動くように前記便座支持部を駆動することも好ましい。
本発明に係る便座昇降装置は、使用者の足首関節や膝関節を広げて伸ばしながら、便座の上に安定して着座したまま立ち上がる体勢へと移行させるように便座を動かすものである。そのために、便座を後方且つ上方に動かして、使用者の足首関節及び膝関節を広げながら、便座の上に安定して着座したまま立ち上がる体勢へとより自然に移行させるものとしている。更にこの好ましい態様では、便座を後方且つ上方に動かして、使用者の足首関節及び膝関節を広げた後に、便座を前方に動かしている。このように便座を動かすことで、使用者が便座にもたれかかった状態を維持したまま足首関節及び膝関節を広げて立ち上がる準備をし、その準備が整って立ち上がる体勢となった後に便座を前方に動かして起立姿勢に移行させている。従って、膝関節が広がって十分に伸びる前に足に体重がかかってしまい、重心が足よりも前方に移動してしまったり、起立する準備が整っていない足側にかかる荷重が臀部側に比較して増えてしまったりする結果として使用者がバランスを崩すことを確実に回避できる。
また本発明に係る便座昇降装置では、前記駆動部は、前記便座が前方に動き、且つ前記便座の先端がその後端よりも下がるように回動しながら前記便座全体が上方に動くように、前記便座支持部を駆動することも好ましい。
この好ましい態様では、便座が前方に動くことに加えて、便座の先端が下端よりも下がるように回動するので、使用者の足裏が床から離れないように便座を動かすことができる。このように使用者の膝関節も広げて伸ばしつつ足首関節も広げて伸ばした後に、便座全体が前方且つ上方に動くように動かしているので、足裏を床から離れないように当接させながら立ち上がる体勢及び起立姿勢へとより自然に移行させることができる。
また本発明に係る便座昇降装置では、前記駆動部は、前記便座が後方に動き且つ前記便座の先端がその後端よりも下がって回動する際の回動角度の変化量が、前記便座が前方に動き且つ前記便座の先端がその後端よりも下がって回動する際の回動角度の変化量よりも小さくなるように、前記便座支持部を駆動することも好ましい。
本発明では、便座を後方且つ上方に動かして、使用者の足首関節及び膝関節を広げた後に、便座を前方に動かしている。このように便座を動かすことで、使用者が便座にもたれかかった状態を維持したまま足首関節及び膝関節を広げて立ち上がる準備をし、その準備が整って立ち上がる体勢となった後に便座を前方に動かして起立姿勢に移行させている。そこでこの好ましい態様では、便座が後方に動き且つ回動する際の回動角度の変化量が、便座が前方に動き且つ回動する際の回動角度の変化量よりも小さくなるように、便座を動かしている。このように便座を動かすことで、主に使用者が足首関節及び膝関節を広げて立ち上がる準備をする段階である便座の後方移動段階においては、便座の回動角度を比較的抑制することで使用者の重心を十分に後方に下げ、足首関節及び膝関節の広がりを確保することができる。また、使用者が足首関節及び膝関節を広げて立ち上がる準備をした後で、主に使用者が立ち上がる体勢から起立姿勢に移行する段階である便座の前方移動段階においては、便座の回動角度を比較的大きくすることで起立姿勢への移行をより円滑に補助することができる。
また本発明に係る便座昇降装置では、前記駆動部は、前記便座が前方に動く際に、前記便座の回動角度の変化量が第三変化量である第三領域の後に、前記便座の回動角度の変化量が第四変化量である第四領域が形成されるように前記便座支持部を駆動するものであって、前記第四変化量よりも前記第三変化量が大きいことも好ましい。
本発明では、便座を後方且つ上方に動かして、使用者の足首関節及び膝関節を広げた後に、便座を前方に動かしている。このように便座を動かすことで、使用者が便座にもたれかかった状態を維持したまま足首関節及び膝関節を広げて立ち上がる準備をし、その準備が整って立ち上がる体勢となった後に便座を前方に動かして起立姿勢に移行させている。そこでこの好ましい態様では、主に使用者が足首関節及び膝関節を広げて立ち上がる準備をする段階である便座の後方移動段階を経て、主に使用者が立ち上がる体勢から起立姿勢に移行する段階である便座の前方移動段階に移行した後の初期段階において、立ち上がる体勢ができている使用者を早期に起立姿勢に移行させて、使用者にとっての立ち上がり動作の違和感を低減させている。具体的には、便座が前方に動く際に、便座の回動角度の変化量が第三変化量である第三領域の後に、便座の回動角度の変化量が第四変化量である第四領域が形成されるようにし、第四変化量よりも第三変化量が大きいように動かしている。このように便座を動かすことで、立ち上がる体勢ができている使用者を早期に起立姿勢に移行させている。
また本発明に係る便座昇降装置では、前記駆動部は、前記便座が後方に動く際の垂直上方への移動距離である第一上昇移動量が、前記便座が前方に動く際の垂直上方への移動距離である第二上昇移動量よりも小さくなるように、前記便座支持部を駆動することも好ましい。
本発明では、便座を後方且つ上方に動かして、使用者の足首関節及び膝関節を広げた後に、便座を前方に動かしている。このように便座を動かすことで、使用者が便座にもたれかかった状態を維持したまま足首関節及び膝関節を広げて立ち上がる準備をし、その準備が整って立ち上がる体勢となった後に便座を前方に動かして起立姿勢に移行させている。従って、主に使用者が足首関節及び膝関節を広げて立ち上がる準備をする段階である便座の後方移動段階では、まだ完全には立ち上がる準備ができていない場合もあり、その点について十分な配慮が求められる。そこでこの好ましい態様では、便座が後方に動く際の垂直上方への移動距離である第一上昇移動量が、便座が前方に動く際の垂直上方への移動距離である第二上昇移動量よりも小さくなるようにすることで、まだ立ち上がる準備ができていないおそれがある段階での便座の上昇を抑制し、便座の過度の上昇によって使用者が便座からずり落ちたり、膝関節が十分に広がっておらず荷重を受け止められない状態で足に荷重が掛かってしまったりといった事態の発生を確実に回避することができる。
また本発明に係る便座昇降装置では、前記駆動部は、前記便座が前方に動く際に、前記便座の先端が前記便器の先端の位置よりも更に前方に位置するまで動くように、前記便座支持部を駆動することも好ましい。
本発明では、便座を後方且つ上方に動かして、使用者の足首関節及び膝関節を広げた後に、便座を前方に動かしている。このように便座を動かすことで、使用者が便座にもたれかかった状態を維持したまま足首関節及び膝関節を広げて立ち上がる準備をし、その準備が整って立ち上がる体勢となった後に便座を前方に動かして起立姿勢に移行させている。ここで、便座を前方に動かしている段階であっても、実際には使用者は便座に少なくとも体重の一部を預けて寄りかかった状態となっている場合が多い。そこでこの好ましい態様では、便座が前方に動く際に、便座の先端が便器の先端の位置よりも更に前方に位置するまで動かしているので、使用者は両膝関節が十分に伸びた段階で起立姿勢になるように両足への体重移動を円滑に行うことができる。従って、下肢の筋肉が弱っている方々であっても、起立するまでに無理に体重を支えることがなく、起立する準備と呼応させて使用者を起立させることができる。
また本発明に係る便座昇降装置では、前記駆動部は、前記便座が前方に動く際に、前記便座の回動角度の変化量が第五変化量である第五領域の後に、前記便座の回動角度の変化量が第六変化量である第六領域が形成されるように前記便座支持部を駆動するものであって、前記第六変化量よりも前記第五変化量が大きく、前記第五領域は、前記便座の先端が前記便器の先端の位置よりも後方に位置する領域に形成され、前記第六領域は、前記便座の先端が前記便器の先端の位置よりも前方に位置する領域に形成されることも好ましい。
この好ましい態様では、便座の先端が前記便器の先端の位置よりも後方に位置する領域に、便座の回動角度が比較的大きい第五領域が形成され、便座の先端が便器の先端の位置よりも前方に位置する領域に、便座の回動角度が比較的小さい第六領域が形成されている。本発明では、使用者は両膝関節が十分に伸びた段階で起立姿勢になるように両足への体重移動を円滑に行うために、便座の先端が便器の先端の位置よりも更に前方に位置するまで動かしているので、この段階で便座の回動角度を大きくすると、使用者は後方から突き飛ばされるような感覚を受けてしまう。そこでこの好ましい態様のように便座の回動角度を抑制することで、使用者が後方から突き飛ばされるような感覚を受けることなく、両膝関節が十分に伸びた段階で起立姿勢になるように両足への体重移動を円滑に行うことができる。
また本発明に係る便座昇降装置では、前記駆動部は、前記便座の先端が前記便器の先端の位置よりも前方に動く領域では、前記便座を回動させないように前記便座支持部を駆動することも好ましい。
この好ましい態様では、便座の先端が便器の先端の位置よりも前方に動く領域では便座を回動させないようにすることで、確実に使用者が後方から突き飛ばされるような感覚を受けることなく、両膝関節が十分に伸びた段階で起立姿勢になるように両足への体重移動を円滑に行うことができる。
尚、本発明に係る便座昇降装置及びその好ましい態様について、上述のように主に便座から立ち上がることに着目して説明したが、本発明に係る便座昇降装置及びその好ましい態様は便座に着座する際にも有効に使用者の着座を補助することができるものである。つまり、起立姿勢で便座に背を向けるようにして立った使用者が、便器から上方に離れた便座に対して臀部を当接させ、立ち上がるのとは逆の動作軌跡で動く便座に従って着座することができる。
本発明によれば、使用者が着座するための座面を有する便座を昇降させることで、使用者の大便器に対する立ち座りを補助する便座昇降装置であって、下肢の筋肉が弱った方々もバランスを崩さずに立ち座りができるように補助することが可能な便座昇降装置を提供することができる。
本願発明の実施形態に係る便座昇降装置を示す斜視図である。 図1に示す便座昇降装置を用いた場合の便座の挙動を示す図である。 従来の便座昇降装置を用いた場合の便座の挙動を示す図である。 通常の便座において使用者が立ち上がる様子を示す図である。 図1に示す便座昇降装置を用いた場合の便座の挙動を詳細に示す図である。 図1に示す便座昇降装置を用いた場合の便座の挙動を詳細に示す図であって、便座の回動角度について説明するための図である。 図1に示す便座昇降装置を用いた場合の便座の挙動を詳細に示す図であって、便座の回動角度について説明するための図である。 図1に示す便座昇降装置を用いた場合の便座の挙動を詳細に示す図であって、便座の回動角度について説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本発明の実施形態に係る便座昇降装置について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る便座昇降装置を示す斜視図である。図1に示すように、便座昇降装置SAは、大便器TBに取り付けられるものであって、使用者が着座するための座面を有する便座STを昇降させることで、使用者の大便器TBに対する立ち座りを補助する装置である。便座昇降装置SAは、装置本体10と、駆動機構部12(駆動部)と、駆動リンク部14(駆動部)と、便座支持部16と、肘掛け18,18とを備えている。
装置本体10は、駆動機構部12と、駆動リンク部14と、便座支持部16と、肘掛け18,18とを支えて大便器TBに取り付けるための部分である。本実施形態の場合、装置本体10は、大便器TBに固定されていると共に、トイレ空間の床にも固定されている。
便座支持部16は、便座STを支持する部分である。具体的には、便座支持部16は、便座STをその上に戴置し固定することで便座STを支持している。便座支持部16には一対の肘掛け18,18が取り付けられている。
駆動部を構成する駆動機構部12及び駆動リンク部14は、大便器TBに対する便座STの相対的な位置及び姿勢の少なくとも一方が変化するように便座支持部16を駆動する部分である。駆動機構部12は、駆動リンク部14を動かすための駆動源としてモータやギアを備えている。駆動リンク部14は、駆動機構部12から出力される駆動力を便座支持部16に伝達し、便座支持部16の位置を変化させたり、便座支持部16を回動させてその姿勢を変化させたりする機構を備えている。
上述したような構成により、便座昇降装置SAは、駆動部を構成する駆動機構部12及び駆動リンク部14が、便座支持部16を大便器TBに近接させることで便座STを着座位置に位置させ、この着座位置の便座STに使用者が着座した状態における足裏の接地位置からその足を動かすことなく、その足裏全体が接地した状態で足首関節の角度を広げるために、便座STが着座位置から後方且つ上方に動くように便座支持部16を駆動するように構成されている。
続いて、便座STの挙動と便座STの挙動に応じた使用者の動きについて、図2〜図4を参照しながら説明する。図2は、便座昇降装置SAを用いた場合の便座STの挙動を示す図である。図3は、従来の便座昇降装置を用いた場合の便座STの挙動を示す図である。図4は、通常の便座STのみが設置されている場合において使用者が立ち上がる様子を示す図である。図2〜図4それぞれにおいて、(a)は使用者が着座する姿勢を示し、(b)(c)と徐々に立ち上がる様子を示し、(d)では起立した状態を示している。また、図2〜図4それぞれにおいて、使用者Hの足首Haと膝Hbの挙動を示しており、足裏の後端に沿った後端線FLaと足裏の前端に沿った前端線FLbとの関係において使用者Hの膝Hbがどの位置に動くかを示している。
続いて、主に図2を参照しながら、便座昇降装置SAを用いた場合の便座STの挙動を説明する。図2の(a)から(b)に示すように、着座位置に便座STがある(a)の状態から、(b)の状態に向けて便座STは後方且つ上方に動いている。便座STは、後方且つ上方に動くことで、着座位置の便座STに使用者Hが着座した状態における足裏の接地位置からその足を動かすことなく、その足裏全体が接地した状態で足首Haの関節の角度を広げており、膝Hbの関節の角度も広げている。便座STは、(a)の状態から(b)の状態に至るまでに、その前端が下がる一方で後端が上がるように回動している。このように便座STが回動することで、膝Hbの関節の角度がより広がっている。
図2の(a)の状態から(b)の状態に向けて便座STが後方且つ上方に動いた後、図2の(b)から(c)に示すように、便座STは前方且つ上方に動く。便座STは、前方且つ上方に動くことで、足首Haの関節及び膝Hbの関節が広がって立ち上がる準備ができつつある使用者Hを起立姿勢へと近づける。
図2の(c)の状態では、使用者Hの足首Haの関節の角度は着座姿勢の場合に近くなり、足裏の後端に沿った後端線FLa上に膝Hbが位置している。図2の(c)の状態においても、使用者Hは便座STにもたれかかった状態となっているので、前のめりになることなく足に負担がかからない状態となっている。図2の(c)から(d)に向けては、便座STは更に前方に動き、使用者Hが起立姿勢を取れるように補助している。
一方、図3に示す従来の便座昇降装置の例では、図3の(a)(b)(c)(d)に示すように、便座STが単純に使用者Hの臀部を上方且つ前方に押し出すことで使用者Hの立ち上がりを補助している。従って、図3の(b)と図2の(b)とを比較すると明白なように、図3の(b)に示す従来の例では、使用者Hの足首Haの関節の角度は狭められ、膝Hbは足裏の後端線FLaよりも前端線FLb側に動いており、使用者Hは重心が前に向おうとした前のめりの姿勢になっている。これは、図4に示す昇降装置のない便座STから起立する場合(図3の(b)と図4の(b)を比較参照)よりは使用者Hの前のめり姿勢が改善されているけれども、使用者Hが前のめりになりある程度の負担が掛かっているものである。図3に示す従来の便座昇降装置の例では、使用者Hは前のめりに倒れてしまうことを防止するため、意識的に若しくは無意識の内に臀部を便座STの後方にずらしてバランスを取っているものと考えられる。
本実施形態に係る便座昇降装置SAは、従来のように単純に臀部を上方且つ前方に押し出すことで使用者の立ち座りを補助するものではなく、下肢の筋肉が弱り足首や膝の関節の動きも円滑ではないような使用者の方々にも安心して使っていただけるように、使用者の足首関節や膝関節の動きに着目して便座STからの立ち座りを補助するものである。そのように使用者の立ち座りを補助するため、上述したように便座STを着座位置(図2の(a)に示す位置)から後方且つ上方に動かして、着座位置の便座STに使用者Hが着座した状態における足裏の接地位置からその足を動かすことなく、その足裏全体が接地した状態で足首Haの関節の角度を広げることができるものとしている。
このように便座STを動かすことで、臀部を便座STに乗せたまま動かすことがない上に、足の接地位置も動かさずに、膝Hbが足首Haよりも前に出ることもなく、足首Haの関節や膝Hbの関節を広げて伸ばすように便座STを動かすことになり、使用者Hの重心が前方に動かずに便座STの上に安定して着座したまま立ち上がる体勢へと移行させることができる。つまり、両足と臀部との三点で体重を支えながら立ち上がる体勢へと移行し、更には起立姿勢へと立ち上がる準備ができるものである。従って、従来のように膝Hbが足首Haよりも前に出てしまい、重心を足裏の真上に保つために足の筋力を使ってバランスを保つような動作が不要になり、下肢の筋肉が弱り足首や膝の関節の動きも円滑ではないような使用者の方々であってもバランスを崩さずに立ち座りができるように補助することが可能となる。
更に本実施形態に係る便座昇降装置SAは、図2の(b)から(c)に示すように、便座STが後方に動いた後に前方に動くように駆動している。つまり、図2の(a)から(b)において便座STを後方且つ上方に動かして、使用者Hの足首Haの関節及び膝Hbの関節を広げた後に、便座STを前方に動かしている。
このように便座STを動かすことで、使用者Hが便座STにもたれかかった状態を維持したまま足首Haの関節及び膝Hbの関節を広げて立ち上がる準備をし、その準備が整って立ち上がる体勢となった後に便座STを前方に動かして起立姿勢に移行させている。従って、膝Hbの関節が広がって十分に伸びる前に足に体重がかかってしまい、重心が足よりも前方に移動してしまったり、起立する準備が整っていない足側にかかる荷重が臀部側に比較して増えてしまったりする結果として使用者Hがバランスを崩すことを確実に回避できる。
本実施形態に係る便座昇降装置SAは、上述したように便座STを後方且つ上方に動かした後に、前方且つ上方に動かして使用者Hの起立を助けるものである。また、本実施形態に係る便座昇降装置SAは、便座STの位置を上述したように動かすことに加えて、その前端を下げ後端を上げるように回動させてもいる。続いて、便座STの回動状態について、図5〜図8を参照しながら説明する。
図5は、便座昇降装置SAを用いた場合の便座STの挙動を詳細に示す図である。図6は、便座昇降装置SAを用いた場合の便座STの挙動を詳細に示す図であって、便座STの回動角度について詳細に説明するための図である。図7は、便座昇降装置SAを用いた場合の便座STの挙動を詳細に示す図であって、便座の回動角度について詳細に説明するための図である。図8は、便座昇降装置SAを用いた場合の便座STの挙動を詳細に示す図であって、便座STの回動角度について詳細に説明するための図である。図5〜図8それぞれにおいて、(a)は便座STの回動状態を示すために便座STの前端STa及び後端STbの位置をプロットした図であり、(b)は便座STに使用者Hが着座する常態を示す図である。
図5に示すように、便座STは、着座位置における前端STaの位置STa1及び後端STbの位置STb1から動き始める。便座STの前端STaは、位置STa1から順に、位置STa2,STa3,STa4,STa5,STa6,STa7,STa8を経由して位置STa9に至るように動く。便座STの後端STbは、同様に位置STb1から順に、位置STb2,STb3,STb4,STb5,STb6,STb7,STb8を経由して位置STb9に至るように動く。便器STの前端STaの位置STa1に便器STの後端STbの位置STb1が対応しており、同様に、位置STa2,STa3,STa4,STa5,STa6,STa7,STa8,STa9それぞれに、位置STb2,STb3,STb4,STb5,STb6,STb7,STb8,STb9が対応している。
図5に示すように、本実施形態に係る便座昇降装置SAでは、便座STが後方に動き、且つ便座STの先端STaがその後端STbよりも下がるように回動しながら便座ST全体が上方に動くように駆動されている(前端STaの位置STa1〜STa4、後端STbの位置STb1〜STb4)。
このように、便座STが後方に動くことに加えて、便座STの先端STaが下端STbよりも下がるように回動するので、使用者Hの膝Hbの関節を確実に広げて伸ばす(図2参照)ように便座STを動かすことができる。このように使用者Hの膝Hbの関節も広げて伸ばしつつ足首Haの関節も広げて伸ばしながら(図2参照)、便座ST全体が上方に動くように動かしているので、使用者Hを便座STの上に安定して着座したまま立ち上がる体勢へとより自然に移行させることができる。
また図5に示すように、便座STを着座位置である位置STa1,STb1から動かすにあたって、便座STが回動せずに後方且つ上方に動き(前端STaの位置STa1〜STa2、後端STbの位置STb1〜STb2)、その後便座STが回動するように駆動されている。
このように、便座STが回動する前に、便座STを着座位置から後方且つ上方に動かすので、便座STが回動して前方に体重がかかりやすくなる前に、便座STを後方且つ上方に動かすことで使用者Hの膝Hbの関節を広げることができる。従って、膝Hbの関節が十分に広がっていない状態で体重が前方にかかることを確実に防止することができ、使用者Hを便座STの上に安定して着座したまま立ち上がる体勢へとより自然に移行させることができる。
また図5に示すように、便座STが回動せずに後方且つ上方に動いた後、便座STは回動する(前端STaの位置STa2〜STa4、後端STbの位置STb2〜STb4)。換言すれば、便座STの回動角度の変化量が第一変化量である第一領域(前端STaの位置STa1〜STa2、後端STbの位置STb1〜STb2)の後に、便座STの回動角度の変化量が第二変化量である第二領域(前端STaの位置STa2〜STa4、後端STbの位置STb2〜STb4)が形成されるように駆動され、第一変化量は0であるから、第一変化量よりも第二変化量が大きいように駆動されている。
このように便座STを動かすことで、第一領域(前端STaの位置STa1〜STa2、後端STbの位置STb1〜STb2)においては便座STの回動角度を比較的小さく保ちつつ便座STを後方且つ上方に動かすことになり、使用者Hの膝Hbの関節を確実に広げて起立姿勢における膝Hbの関節の角度に近づけることができる。第一領域の後に形成される第二領域(前端STaの位置STa2〜STa4、後端STbの位置STb2〜STb4)においては、膝Hbの状態が起立して体を支える状態に近づいている使用者Hを起立姿勢に移行させるために、便座STの回動角度を比較的大きくし、使用者Hを起立させやすくしている。このように構成することで、膝Hbの関節が十分に広がっていない状態で便座STが過度に回動してしまい、重心が足より前方に移動してしまったり、起立する準備が整っていない足側にかかる荷重が臀部側に比較して増えてしまったりする結果として使用者Hがバランスを崩すことを確実に回避できる。
また図5に示すように、便座STが前方に動き、且つ便座STの先端STaがその後端STbよりも下がるように回動しながら便座ST全体が上方に動くように駆動されている(前端STaの位置STa4〜STa9、後端STbの位置STb4〜STb9)。
このように、便座STが前方に動くことに加えて、便座STの先端STaが下端STbよりも更に下がるように回動するので、使用者Hの足裏が床から離れないように便座STを動かすことができる。このように使用者Hの膝Hbの関節も広げて伸ばしつつ足首Haの関節も広げて伸ばした後に、便座ST全体が前方且つ上方に動くように動かしているので、足裏を床から離れないように当接させながら立ち上がる体勢及び起立姿勢へとより自然に移行させることができる。
また図5に示すように、便座STが後方に動く際の垂直上方への移動距離である第一上昇移動量Y1が、便座STが前方に動く際の垂直上方への移動距離である第二上昇移動量Y2よりも小さくなるように駆動されている。
本実施形態では、上述したように便座STを後方且つ上方に動かして、使用者Hの足首Haの関節及び膝Hbの関節を広げた後に、便座STを前方に動かしている。このように便座STを動かすことで、使用者Hが便座STにもたれかかった状態を維持したまま足首Haの関節及び膝Hbの関節を広げて立ち上がる準備をし、その準備が整って立ち上がる体勢となった後に便座STを前方に動かして起立姿勢に移行させている(図2参照)。従って、主に使用者Hが足首Haの関節及び膝Hbの関節を広げて立ち上がる準備をする段階である便座STの後方移動段階では、まだ完全には立ち上がる準備ができていない場合もあり、その点について十分な配慮が求められる。そこで本実施形態では、便座STが後方に動く際の垂直上方への移動距離である第一上昇移動量Y1が、便座STが前方に動く際の垂直上方への移動距離である第二上昇移動量Y2よりも小さくなるようにすることで、まだ立ち上がる準備ができていないおそれがある段階での便座STの上昇を抑制し、便座STの過度の上昇によって使用者Hが便座からずり落ちたり、膝Hbの関節が十分に広がっておらず荷重を受け止められない状態で足に荷重が掛かってしまったりといった事態の発生を確実に回避することができる。
また図5に示すように、便座STが前方に動く際に、便座STの先端STaが便器TBの先端の位置BFよりも更に前方の位置STa9に位置するまで動くように駆動されている。
本実施形態では、便座STを前方に動かしている段階であっても、実際には使用者Hは便座STに少なくとも体重の一部を預けて寄りかかった状態となっている場合が多い。そこで本実施形態では、便座STが前方に動く際に、便座STの先端STaが便器TBの先端の位置BFよりも更に前方の位置STa9に位置するまで動かしているので、使用者Hは両膝Hbの関節が十分に伸びた段階で起立姿勢になるように両足への体重移動を円滑に行うことができる。従って、下肢の筋肉が弱っている方々であっても、起立するまでに無理に体重を支えることがなく、起立する準備と呼応させて使用者Hを起立させることができる。
図6に示すように、本実施形態に係る便座昇降装置SAでは、便座STが後方に動き且つ便座STの先端STaがその後端STbよりも下がって回動する際の回動角度の変化量Δθ1が、便座STが前方に動き且つ便座STの先端STaがその後端STbよりも下がって回動する際の回動角度の変化量Δθ2よりも小さくなるように駆動されている。ここで、変化量Δθ1は、位置STa1,STb1における便座STの角度を基準として、位置STa4,STb4における便座STの角度の変化量を示すものである。また、変化量Δθ2は、位置STa4,STb4における便座STの角度を基準として、位置STa9,STb9における便座STの角度の変化量を示すものである。
このように便座STを動かすことで、主に使用者Hが足首Haの関節及び膝Hbの関節を広げて立ち上がる準備をする段階である便座STの後方移動段階においては、便座STの回動角度を比較的抑制することで使用者Hの重心を十分に後方に下げ、足首Haの関節及び膝Hbの関節の広がりを確保することができる。また、使用者Hが足首Haの関節及び膝Hbの関節を広げて立ち上がる準備をした後で、主に使用者Hが立ち上がる体勢(図2の(b)に示す体勢)から起立姿勢(図2の(d)に示す姿勢)に移行する段階である便座STの前方移動段階においては、便座STの回動角度を比較的大きくすることで起立姿勢への移行をより円滑に補助することができる。
図7に示すように、本実施形態に係る便座昇降装置SAでは、便座STが前方に動く際に、便座STの回動角度の変化量が第三変化量Δθ3である第三領域(前端STaの位置STa4〜STa6、後端STbの位置STb4〜STb6)の後に、便座STの回動角度の変化量が第四変化量Δθ4である第四領域(前端STaの位置STa7〜STa9、後端STbの位置STb7〜STb9)が形成されるように駆動され、第四変化量Δθ4よりも第三変化量Δθ3が大きくなるように駆動されている。
このように便座STを動かすことで、主に使用者Hが足首Haの関節及び膝Hbの関節を広げて立ち上がる準備をする段階である便座STの後方移動段階を経て、主に使用者Hが立ち上がる体勢(図2の(b)に示す体勢)から起立姿勢(図2の(d)に示す姿勢)に移行する段階である便座STの前方移動段階に移行した後の初期段階において、立ち上がる体勢ができている使用者Hを早期に起立姿勢に移行させて、使用者Hにとっての立ち上がり動作の違和感を低減させている。
図8に示すように、便座STが前方に動く際に、便座STの回動角度の変化量が第五変化量Δθ5である第五領域(前端STaの位置STa5〜STa6、後端STbの位置STb5〜STb6)の後に、便座STの回動角度の変化量が第六変化量Δθ6である第六領域(前端STaの位置STa8〜STa9、後端STbの位置STb8〜STb9)が形成されるように駆動するものであって、第六変化量Δθ6よりも第五変化量Δθ5が大きい。図8に示すように、第五領域(前端STaの位置STa5〜STa6、後端STbの位置STb5〜STb6)は、便座STの先端STaが便器TBの先端の位置BFよりも後方に位置する領域に形成され、第六領域(前端STaの位置STa8〜STa9、後端STbの位置STb8〜STb9)は、便座STの先端STaが便器TBの先端の位置BFよりも前方に位置する領域に形成されている。
このように、便座STの先端STaが便器TBの先端の位置BFよりも後方に位置する領域に、便座STの回動角度が比較的大きい第五領域(前端STaの位置STa5〜STa6、後端STbの位置STb5〜STb6)が形成され、便座STの先端STaが便器TBの先端の位置BFよりも前方に位置する領域に、便座STの回動角度が比較的小さい第六領域(前端STaの位置STa8〜STa9、後端STbの位置STb8〜STb9)が形成されている。本実施形態では、使用者Hは両膝関節が十分に伸びた段階で起立姿勢になるように両足への体重移動を円滑に行うために、便座STの先端STaが便器TBの先端の位置BFよりも更に前方における位置STa9に位置するまで動かしているので、この段階で便座STの回動角度を大きくすると、使用者Hは後方から突き飛ばされるような感覚を受けてしまう。そこで便座STの回動角度を抑制することで、使用者Hが後方から突き飛ばされるような感覚を受けることなく、両膝関節が十分に伸びた段階で起立姿勢になるように両足への体重移動を円滑に行うことができる。
尚、便座STの先端STaが便器TBの先端の位置BFよりも前方に動く領域では、便座STを回動させないように駆動することも好ましい態様である。このように、便座STの先端STaが便器TBの先端の位置BFよりも前方に動く領域では便座STを回動させないようにすることで、確実に使用者Hが後方から突き飛ばされるような感覚を受けることなく、両膝関節が十分に伸びた段階で起立姿勢になるように両足への体重移動を円滑に行うことができる。
尚、本実施形態では、便座支持部16は、便座STをその上に戴置し固定することで便座STを支持するように構成したけれども、便座支持部16が便座STを支持する態様はこれに限られるものではない。例えば、便座支持部16と便座STとを一体的に構成することも好ましい。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
TB:大便器
SA:便座昇降装置
ST:便座
10:装置本体
12:駆動機構部
14:駆動リンク部
16:便座支持部
18:肘掛け

Claims (12)

  1. 使用者が着座するための座面を有する便座を昇降させることで、使用者の大便器に対する立ち座りを補助する便座昇降装置であって、
    前記便座を支持する便座支持部と、
    前記大便器に対する前記便座の相対的な位置及び姿勢の少なくとも一方が変化するように前記便座支持部を駆動する駆動部と、を備え、
    前記駆動部は、前記便座支持部を前記大便器に近接させることで前記便座を着座位置に位置させ、この着座位置の前記便座に使用者が着座した状態における足裏の接地位置からその足を動かすことなく、その足裏全体が接地した状態で足首関節の角度を広げるために、前記便座が前記着座位置から後方且つ上方に動くように前記便座支持部を駆動することを特徴とする便座昇降装置。
  2. 前記駆動部は、前記便座が後方に動き、且つ前記便座の先端がその後端よりも下がるように回動しながら前記便座全体が上方に動くように、前記便座支持部を駆動することを特徴とする請求項1に記載の便座昇降装置。
  3. 前記駆動部は、前記便座の回動角度の変化量が第一変化量である第一領域の後に、前記便座の回動角度の変化量が第二変化量である第二領域が形成されるように前記便座支持部を駆動するものであって、前記第一変化量よりも前記第二変化量が大きいことを特徴とする請求項2に記載の便座昇降装置。
  4. 前記駆動部は、前記便座支持部が支持する前記便座を着座位置から動かすにあたって、前記便座が回動せずに後方且つ上方に動き、その後前記便座が回動するように前記便座支持部を駆動することを特徴とする請求項3に記載の便座昇降装置。
  5. 前記駆動部は、前記便座が後方に動いた後に前方に動くように前記便座支持部を駆動することを特徴とする請求項1に記載の便座昇降装置。
  6. 前記駆動部は、前記便座が前方に動き、且つ前記便座の先端がその後端よりも下がるように回動しながら前記便座全体が上方に動くように、前記便座支持部を駆動することを特徴とする請求項5に記載の便座昇降装置。
  7. 前記駆動部は、前記便座が後方に動き且つ前記便座の先端がその後端よりも下がって回動する際の回動角度の変化量が、前記便座が前方に動き且つ前記便座の先端がその後端よりも下がって回動する際の回動角度の変化量よりも小さくなるように、前記便座支持部を駆動することを特徴とする請求項6に記載の便座昇降装置。
  8. 前記駆動部は、前記便座が前方に動く際に、前記便座の回動角度の変化量が第三変化量である第三領域の後に、前記便座の回動角度の変化量が第四変化量である第四領域が形成されるように前記便座支持部を駆動するものであって、前記第四変化量よりも前記第三変化量が大きいことを特徴とする請求項6に記載の便座昇降装置。
  9. 前記駆動部は、前記便座が後方に動く際の垂直上方への移動距離である第一上昇移動量が、前記便座が前方に動く際の垂直上方への移動距離である第二上昇移動量よりも小さくなるように、前記便座支持部を駆動することを特徴とする請求項5に記載の便座昇降装置。
  10. 前記駆動部は、前記便座が前方に動く際に、前記便座の先端が前記便器の先端の位置よりも更に前方に位置するまで動くように、前記便座支持部を駆動することを特徴とする請求項5に記載の便座昇降装置。
  11. 前記駆動部は、前記便座が前方に動く際に、前記便座の回動角度の変化量が第五変化量である第五領域の後に、前記便座の回動角度の変化量が第六変化量である第六領域が形成されるように前記便座支持部を駆動するものであって、
    前記第六変化量よりも前記第五変化量が大きく、
    前記第五領域は、前記便座の先端が前記便器の先端の位置よりも後方に位置する領域に形成され、
    前記第六領域は、前記便座の先端が前記便器の先端の位置よりも前方に位置する領域に形成されることを特徴とする請求項10に記載の便座昇降装置。
  12. 前記駆動部は、前記便座の先端が前記便器の先端の位置よりも前方に動く領域では、前記便座を回動させないように前記便座支持部を駆動することを特徴とする請求項11に記載の便座昇降装置。
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