JP2011165330A - 防水コネクタ用の弾性シール部材及び防水コネクタ - Google Patents

防水コネクタ用の弾性シール部材及び防水コネクタ Download PDF

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Abstract

【課題】単純な成形型で成形することができると共に、端子挿入時に挿通孔を閉塞する閉止膜が一様な破れ方をする防水コネクタ用の弾性シール部材を提供する。
【解決手段】アウタハウジング10の電線引出部19に配設されるマットシール20であって、端子5及び電線6がそれぞれ挿入される複数の挿通孔22を有した厚肉板状をなし、各挿通孔に端子及び電線が挿入されることにより、電線の外周に内周リップを密着させるものにおいて、各挿通孔の端子挿入側の入口部22aに端子挿入時に、挿入される端子によって突き破られる閉止膜24が設けられている。閉止膜24は、外面が、挿通孔22の入口部22aの直径方向の一端側24aから他端側24bに行くほど端子挿入方向の手前側から奥側に傾斜した傾斜面として形成されており、しかもその膜厚が、挿通孔22の入口部22aの直径方向の他端側24bから一端側24aに行くほど薄くなるように設定されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、防水コネクタ用の弾性シール部材(防水栓、防水ゴム栓、あるいはマットシールとも称される)、及び、その弾性シール部材を用いた防水コネクタに関するものである。
例えば、端子収容室を有したコネクタハウジングの後部の電線引出部に、厚肉板状のマットシール(弾性シール部材)を配設し、コネクタハウジング内に収容された端子から後方へ延びる電線を、マットシールの各挿通孔にそれぞれ挿通させて、挿通孔の内周面に設けた環状シールリップを電線の外周に密着させ、それにより電線とコネクタハウジングとの間をシールする防水コネクタが知られている。
この種のマットシールを使用した防水コネクタを組み立てる場合には、予めコネクタハウジングに装着してあるマットシールの各挿通孔に、マットシールの後方から電線の先端に取り付けてある端子を挿入することで、電線の外周に対してマットシールの挿通孔の内周面を密着させている。この場合、マットシールの挿通孔は、コネクタハウジングの端子収容室に対応して設けられており、マットシールの挿通孔を通過した端子は、対応する端子収容室に挿入されて位置決め固定される。
ところで、防水コネクタを作るに当たり、全部の端子収容室にそれぞれに端子を配置する場合は空きが出ないので問題ないが、端子を設けない空端子箇所が発生する場合は、不具合を生じることになる。即ち、その場合は、端子のない箇所においては電線が存在しないので、マットシールの当該箇所の挿通孔が開口状態のまま残ってしまうことになる。従って、そのような場合、現状では、空端子箇所の挿通孔に個別に埋め栓を嵌め込んで挿通孔を塞いでいる。
しかし、埋め栓の装着は手間やコストがかかる。
そこで、予めマットシールの挿通孔の内部に、端子挿入時に端子自身によって突き破られる閉止膜を設けておくことで、個別の埋め栓装着作業を廃止できるようにしたマットシール(弾性シール部材)が例えば特許文献1において開示されている。
図10は上記特許文献1に開示されたマットシールの挿通孔の拡大断面図である。
このマットシール120においては、図10(a)に示すように、挿通孔122の内周面に形成された複数の環状シールリップ123の間に位置させて、挿通孔122を閉塞する閉止膜126が設けられている。この閉止膜126は、図10(b)に示すように、端子102が挿入されたとき、端子102によって突き破られるものであり、挿通孔122の直径方向の両側の半分未満の部分が、肉厚部126a、126bとして形成され、それら肉厚部126a、126bの間を繋ぐ部分が、肉薄部126fとして形成されている。しかも、両側の肉厚部126a、126bは、端子挿入方向(つまり挿通孔122の軸線方向)に位置をずらして配置されており、薄肉部126fとの繋ぎ目には、端子挿入方向に平行な段差126c、126dが設けられている。
仏国特許発明第2844645号明細書
しかし、図10の従来のマットシール120においては、閉止膜126が挿通孔122の内部の環状シールリップ123間に配置されているので、挿通孔122を成形するのに挿通孔122の両側にそれぞれピン型を配設しなければならず、成形型が複雑になるという問題があった。また、端子挿入方向と平行な段差126c、126dを介して肉厚部126a、126bと薄肉部126fが繋がっているので、端子102に押されて閉止膜126が破れる際に、図10(b)に示すように肉薄部126fの真ん中で一様に破れればよいが、段差126c、126dの部分で破れる可能性も多くあり、そうなると、片方の破片だけが長く伸びて、シールリップ123と電線との密着部分に影響が出たり、端子102に絡んで切れカスが接点部分に付着したりして、コネクタ性能に悪影響が出るおそれがあった。また、破れる位置が一様でない場合には、破れる際の力のバラツキが生じやすくなるため、端子102の挿入作業性が悪くなることも考えられる。
本発明は、上記事情を考慮し、単純な成形型で成形することができると共に、端子挿入時に挿通孔を閉塞する閉止膜が一様な破れ方をすることで、コネクタ性能に悪影響が出たりすることなく、またバラツキなく適度の力で端子を挿入することができて、良好な端子挿入作業性を確保することのできる防水コネクタ用の弾性シール部材、及び、その防水コネクタを用いた防水コネクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明の弾性シール部材は、コネクタハウジングの後部の電線引出部に配設されることで、前記コネクタハウジング内に収容された端子から後方へ延びる電線と前記コネクタハウジングとの間を止水する弾性シール部材であって、前記端子及び電線がそれぞれ挿入される複数の挿通孔を有した厚肉板状をなし、前記各挿通孔に端子及び電線が挿入されることにより、前記電線の外周に前記挿通孔の内周面の環状シールリップを密着させて、該挿通孔と電線との隙間をシールする防水コネクタ用の弾性シール部材において、前記各挿通孔の端子挿入側の入口部に、前記端子の非挿入時に前記挿通孔を閉塞し且つ前記端子の挿入時に、挿入される端子によって突き破られる閉止膜が設けられ、該閉止膜は、その外面が、前記挿通孔の入口部の直径方向の一端側から他端側に行くほど端子挿入方向の手前側から奥側に傾斜した傾斜面として形成され、かつその膜厚が、前記挿通孔の入口部の直径方向の他端側から一端側に行くほど薄くなるように設定されていることを特徴とする。
請求項2の発明の弾性シール部材は、コネクタハウジングの後部の電線引出部に配設されることで、前記コネクタハウジング内に収容された端子から後方へ延びる電線と前記コネクタハウジングとの間を止水する弾性シール部材であって、前記端子及び電線がそれぞれ挿入される複数の挿通孔を有した厚肉板状をなし、前記各挿通孔に端子及び電線が挿入されることにより、前記電線の外周に前記挿通孔の内周面の環状シールリップを密着させて、該挿通孔と電線との隙間をシールする防水コネクタ用の弾性シール部材において、前記各挿通孔の端子挿入側の入口部に、前記端子の非挿入時に前記挿通孔を閉塞し且つ前記端子の挿入時に、挿入される端子によって突き破られる閉止膜が設けられ、該閉止膜は、前記挿通孔の入口部の直径方向の一端側の肉厚半円部と他端側の肉厚半円部と、それら両肉厚半円部の互いに近接する直線縁同士を繋ぐ薄肉部とからなり、前記両肉厚半円部は、端子挿入方向の手前側と奥側に位置をずらして配置され、互いに近接する直線状の端面が先端縁に行くほど肉薄となるよう傾斜面で形成され、その肉薄となった先端縁同士が結合されることにより前記薄肉部が形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明の防水コネクタは、請求項1または2に記載の防水コネクタ用の弾性シール部材と前記コネクタハウジングとが、2色成形またはインサート成形により一体に形成されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、弾性シール部材の挿通孔に電線の先端に取り付けてある端子を挿入する際に、挿通孔の入口部に設けてある閉止膜の外面に端子の前端を突き当てて押し込むことにより、膜厚の最小の部分(薄肉部)から閉止膜を突き破ることができる。つまり、閉止膜の外面が傾斜面になっており、最初に端子が当たる部分が薄肉部になっているので、その薄肉部を起点として閉止膜を端子によって無理なく適度の力で突き破ることができる。従って、そのまま閉止膜を突き破りながら端子を挿入することにより、挿通孔の内周面の環状シールリップを電線の外周に密着させることができ、電線と挿通孔の間の隙間を確実にシールすることができる。
この際、閉止膜の端部を起点として閉止膜が必ず一様に破れることになるので、不必要に長く閉止膜が伸びることがなく、シールリップと電線との密着部分に影響が出たり、端子に絡んで切れカスが端子の接点部分に付着したりすることもなく、必要なコネクタ性能を保証することができる。また、閉止膜が破れる位置が一様になることから、破れる際の力のバラツキが生じにくくなり、端子の挿入作業性が良くなる。また、閉止膜が挿通孔の入口部に配置されているので、挿通孔を成形するのに挿通孔の片側だけにピン型を配設しておけばよくなり、成形型の複雑化を避けることができる。また、端子を挿入しない空端子箇所は、閉止膜によって挿通孔が閉塞されたまま残るので、埋め栓を個別に装着するといった面倒も必要なくなり、コスト削減が図れる。
請求項2の発明によれば、弾性シール部材の挿通孔に電線の先端に取り付けてある端子を挿入する際に、挿通孔の入口部に設けてある閉止膜の外面に端子の前端を突き当てて押し込むことにより、膜厚の最小の部分(薄肉部)から閉止膜を突き破ることができる。つまり、閉止膜の中央に薄膜部が位置しているので、その薄肉部を起点として閉止膜を端子によって無理なく適度の力で突き破ることができる。従って、そのまま閉止膜を突き破りながら端子を挿入することにより、挿通孔の内周面の環状シールリップを電線の外周に密着させることができ、電線と挿通孔の間の隙間を確実にシールすることができる。
この際、閉止膜の中央の薄膜部を起点として閉止膜が必ず一様に破れることになるので、不必要に長く閉止膜が伸びることがなく、シールリップと電線との密着部分に影響が出たり、端子に絡んで切れカスが端子の接点部分に付着したりすることもなく、必要なコネクタ性能を保証することができる。また、閉止膜が破れる位置が一様になることから、破れる際の力のバラツキが生じにくくなり、端子の挿入作業性が良くなる。また、閉止膜が挿通孔の入口部に配置されているので、挿通孔を成形するのに挿通孔の片側だけにピン型を配設しておけばよくなり、成形型の複雑化を避けることができる。また、端子を挿入しない空端子箇所は、閉止膜によって挿通孔が閉塞されたまま残るので、埋め栓を個別に装着するといった面倒も必要なくなり、コスト削減が図れる。
請求項3の発明によれば、弾性シール部材とコネクタハウジングが一体化されていることにより、部品の取り扱いが容易になる。
本発明の第1実施形態の防水コネクタの主要部品であるマットシール付きアウタハウジングの構成を示す斜視図である。 同マットシール付きアウタハウジングの構成を示す正面図である。 同マットシール付きアウタハウジングの構成を示す背面図である。 同マットシール付きアウタハウジングの構成を示す断面図である。 マットシールだけを取り出して示す要部を断面とした斜視図である。 図5のX−X矢視断面図である。 本発明の第2実施形態の防水コネクタの主要部品であるマットシール付きアウタハウジングの断面図である。 マットシールだけを取り出して示す要部を断面とした斜視図である。 図8のY−Y矢視断面図である。 (a)は従来のマットシールの挿通孔の拡大断面図、(b)は端子の挿入によって閉止膜が破られた状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明の実施形態の防水コネクタ1は、硬質合成樹脂の成形品よりなるアウタハウジング(コネクタハウジング)10及びインナハウジング(図示省略)と、ゴム等の弾性材料の成形品よりなるマットシール(弾性シール部材)20と、電線6の先端に取り付けられた複数の端子5と、から構成されている。
図1〜図4は、第1実施形態の防水コネクタにおけるインナハウジングを装着する前のマットシール付きアウタハウジング10の一体構成品を示している。また、図5はマットシール20だけの構成を拡大して示し、図6はその要部断面を示している。
図示していないが、インナハウジングには、電線6の先端に取り付けられた端子5(図4参照)を後端より挿入可能な複数の端子収容室が設けられており、これら複数の端子収容室の後端が開口するハウジング後壁面が、マットシール20の前面21Aに密着するシールセット面になっている。
アウタハウジング10は、前方に延びる筒状のフード部11と、フード部11の後端を塞ぐ後壁12とを有しており、後壁12には、インナハウジングの端子収容室が形成された領域よりも大きいサイズの角孔13が形成され、この角孔13を通して、インナハウジングの各端子収容室に端子を挿入できるようになっている。
マットシール20は、アウタハウジング10の後部の電線引出部19(図4参照)に配設されることで、アウタハウジング10及びインナハウジングと電線6との間を止水するものであって、アウタハウジング10の角孔13を覆うように、アウタハウジング10の後壁12の内面側に一体に成形されており、このマットシール20の前面21Aにインナハウジングの後端のシールセット面が密着するようになっている。
マットシール20は、前面21Aと後面21Bが平行な面とされた厚肉の略矩形板状のシール本体21を備えており、シール本体21には、電線引出部19を通る電線6がそれぞれ挿通する複数の挿通孔22が設けられている。各挿通孔22の内周面には、電線6の外周に密着する環状の内周リップ(環状シールリップ)23が軸線方向に間隔をおいて複数段に設けられており、電線6の先端に取り付けた端子5を、マットシール20の弾性を利用して挿通孔22を押し広げながらに挿通孔22に挿通させることにより、端子5が挿通孔22を抜け切った後で、端子5から後方へ延びる電線6の外周に内周リップ23が密着し、それにより挿通孔22と電線6との隙間がシールされるようになっている。
図4がら図6に示すように、マットシール20の各挿通孔22の端子挿入側の入口部22aには、端子5の非挿入時に挿通孔22を閉塞する閉止膜24が一体に設けられている。こられの閉止膜24は、端子5の挿入時に、挿入される端子5によって突き破られる膜であり、各閉止膜24は、その外面が、挿通孔22の入口部22aの直径方向の一端側24aから他端側24bに行くほど端子挿入方向の手前側から奥側に傾斜した傾斜面として形成されており、しかもその膜厚が、挿通孔22の入口部22aの直径方向の他端側24bから一端側24aに行くほど薄くなるように設定されている。
マットシール20はアウタハウジング10と別体で構成された上でアウタハウジング10の電線引出部19に取り付けられていてもよいが、本実施形態では、アウタハウジング10の内部の後壁12の前面に一体に成形されている。また、インナハウジングは、マットシール20付きのアウタハウジング10のフード部11の内側に挿入されるもので、フード部11との間に相手コネクタハウジングの挿入される環状挿入空間15を確保した状態で配置される。マットシール20のシール本体21の外周には、環状挿入空間15に相手コネクタハウジングが挿入されてきたときに、相手コネクタハウジングの内周に密着して相手コネクタハウジングとインナハウジングとの間を止水する外周リップ29が設けられている。
次に、アウタハウジング10とマットシール20の一体成形の構造について述べる。
アウタハウジング10は、溶融した熱可塑性プラスチック樹脂を金型内に注入する射出成形によって成形されている。マットシール20は、成形されたアウタハウジング10に対して二色成形(あるいはインサート成形)を行うことで成形されており、アウタハウジング10を成形型の一部として利用することで、アウタハウジング10の後壁12の内面に対して隙間なく密着している。
マットシール20は、アウタハウジング10を構成する熱可塑性プラスチック樹脂に対しては接着力を発揮するが、射出成形金型を構成する金属材(クロム鋼)に対しては接着力を発揮しない選択接着性を有する成形材料である例えば信越化学製の「ポリアミド樹脂用液状シリコーンゴム選択接着材料」(製品番号:X−34−1625A/B)等を用いて成形されているため、成形と同時にアウタハウジング10との接着が行われており、マットシール20の後端面の外周部とバリ28は、アウタハウジング10の後壁12の内面の余裕スペース14の内側の領域に接着されている。尚、シリコーンゴム成形材料としては、PBTやLCP等のシリコーンゴムを用いた接着付与剤も有効である。
このアウタハウジング10とマットシール20の一体部品を製作するには、まず、溶融した熱可塑性プラスチック樹脂を金型に注入してアウタハウジング10を成形する。次に、アウタハウジング10の熱可塑性プラスチック樹脂が固化したところで、アウタハウジング10の後壁の内面を成形する金型を、マットシール20を成形する金型に交換した上で、液状のシリコーンゴム成形材料を金型に注入する。
ここで、アウタハウジング10を構成する熱可塑性プラスチック樹脂の融点がシリコーンゴム成形材料の融点よりも高くなるように設定されているため、上記手順で二色成形を行った際に、アウタハウジング10が溶融することはない。また、シリコーンゴム成形材料は、金型を構成する金属に対して接着力を発揮しないため、アウタハウジング10とマットシール20の接着箇所を損なうことなく、マットシール20はその後端面の外周部とバリ28がアウタハウジング10の後壁12の内面の接合箇所に接着した状態で、アウタハウジング10及びマットシール20が金型から取り外される。
このようにして、一体成形したアウタハウジング10およびマットシール20を得た後、インナハウジングをアウタハウジング10の内部に挿入して、インナハウジングの後端のシールセット面をマットシール20の前面21Aに密着させる。
次に、電線6の先端に取り付けた端子5を、アウタハウジング10の角孔13及びマットシール20の挿通孔22を通して、インナハウジングの端子収容室まで挿入し、各端子を端子収容室内に固定する。
その際、挿通孔22の入口部の閉止膜24を端子5で突き破りながら、端子22を挿通孔22に挿入する。即ち、マットシール20の挿通孔22に端子5を挿入する際には、挿通孔22の入口部に設けてある閉止膜24の外面に端子5の前端を突き当てて押し込むことにより、閉止膜24を破りながら挿入する。
このとき、挿通孔22の入口部22aに設けてある閉止膜24の外面に端子5の前端を突き当てて押し込むことにより、膜厚の最小の部分(薄肉部)から閉止膜24を突き破ることができる。つまり、閉止膜24の外面が傾斜面になっており、最初に端子が当たる部分が薄肉部(一端側24a)になっているので、その薄肉部を起点として閉止膜24を端子5によって無理なく適度の力で突き破ることができる。従って、そのまま閉止膜24を突き破りながら端子5を挿入することにより、挿通孔22の内周面の内周リップ23を電線6の外周に密着させることができ、電線6と挿通孔22の間の隙間を確実にシールすることができる。
この際、閉止膜24の端部(一端側24a)を起点として閉止膜24が必ず一様に破れることになるので、不必要に長く閉止膜24が伸びることがなく、内周リップ23と電線6との密着部分に影響が出たり、端子5に絡んで切れカスが端子5の接点部分に付着したりすることもなく、必要なコネクタ性能を保証することができる。また、閉止膜24が破れる位置が一様になることから、破れる際の力のバラツキが生じにくくなり、端子5の挿入作業性が良くなる。
また、閉止膜24が挿通孔22の入口部22aに配置されているので、挿通孔22を成形するのに挿通孔22の片側だけにピン型を配設しておけばよくなり、成形型の複雑化を避けることができる。また、端子5を挿入しない空端子箇所は、閉止膜24によって挿通孔22が閉塞されたまま残るので、従来のように埋め栓を個別に装着するといった面倒も必要なくなり、コスト削減が図れる。
また、本実施形態では、予めマットシール20をアウタハウジング10に一体化しておくので、部品の取り扱いが容易になるうえに、安定した状態でマットシール20を保持しておくことができ、インナハウジングとアウタハウジング10およびマットシール20との組み合わせもスムーズに行うことができる。
次いで、図示しない相手コネクタを、本実施形態の防水コネクタと嵌合させる。そうすると、相手コネクタハウジングがアウタハウジング10のフード部11の内側の環状挿入空間15に挿入され、インナハウジングと嵌合すると同時に、インナハウジングの端子収容室に収容された端子が相手コネクタハウジングに収容された端子と嵌合し、電線同士の接続が行われる。
このように嵌合させた状態で、マットシール20の挿通孔22に挿通された電線6の外周には、マットシール20の内周リップ23が弾性的に密着しているので、水などがインナハウジング内に浸入するのを確実に防止できる。また、マットシール20の外周リップ29が相手コネクタハウジングとインナハウジングとの間を止水するので、相手コネクタハウジングの内部の端子とインナハウジングの内部の端子との接続空間を確実に止水することができる。
図7は、第2実施形態の防水コネクタにおけるインナハウジングを装着する前のマットシール付きアウタハウジング1の一体構成品を示している。また、図8はマットシールだけの構成を拡大して示し、図9はその要部断面を示している。
この実施形態の防水コネクタ1Bのマットシール20Bでは、挿通孔22の入口部22aに設けられた閉止膜25が、挿通孔22の入口部22aの直径方向の一端側の肉厚半円部25aと他端側の肉厚半円部25bと、それら両肉厚半円部25a、25bの互いに近接する直線縁同士を繋ぐ薄肉部25cとからなる。両肉厚半円部25a、25bは、端子挿入方向の手前側と奥側に位置をずらして配置されており、互いに近接する直線状の端面が先端縁に行くほど肉薄となるよう傾斜面25d、25eで形成され、その肉薄となった先端縁同士が結合されることによって薄肉部25cが形成されている。
この第2実施形態の防水コネクタにおいても、マットシール20Bの挿通孔22に端子5を挿入する際に、挿通孔22の入口部22aに設けてある閉止膜25の外面に端子5の前端を突き当てて押し込むことにより、膜厚の最小の部分(薄肉部25c)から閉止膜25を突き破ることができる。つまり、閉止膜25の中央に薄膜部25cが位置しているので、その薄肉部25cを起点として閉止膜25を端子5によって無理なく適度の力で突き破ることができる。従って、そのまま閉止膜25を突き破りながら端子5を挿入することにより、挿通孔22の内周リップ23を電線6の外周に密着させることができ、電線6と挿通孔22の間の隙間を確実にシールすることができる。
この際、閉止膜25の中央の薄膜部25cを起点として閉止膜25が必ず一様に破れることになるので、不必要に長く閉止膜25が伸びることがなく、内周リップ23と電線6との密着部分に影響が出たり、端子5に絡んで切れカスが端子5の接点部分に付着したりすることもなく、必要なコネクタ性能を保証することができる。また、閉止膜25が破れる位置が一様になることから、破れる際の力のバラツキが生じにくくなり、端子5の挿入作業性が良くなる。
また、閉止膜25が挿通孔22の入口部22aに配置されているので、挿通孔22を成形するのに挿通孔22の片側だけにピン型を配設しておけばよくなり、成形型の複雑化を避けることができる。また、端子5を挿入しない空端子箇所は、閉止膜25によって挿通孔22が閉塞されたまま残るので、埋め栓を個別に装着するといった面倒も必要なくなり、コスト削減が図れる。
1 マットシール付きアウタハウジング(防水コネクタ)
5 端子
6 電線
10 アウタハウジング(コネクタハウジング)
19 電線引出部
20 マットシール(弾性シール部材)
22 挿通孔
22a 入口部
23 内周リップ(環状シールリップ)
24 閉止膜
24a 一端側
24b 他端側
25 閉止膜
25a,25b 肉厚半円部
25c 薄肉部

Claims (3)

  1. コネクタハウジングの後部の電線引出部に配設されることで、前記コネクタハウジング内に収容された端子から後方へ延びる電線と前記コネクタハウジングとの間を止水する弾性シール部材であって、前記端子及び電線がそれぞれ挿入される複数の挿通孔を有した厚肉板状をなし、前記各挿通孔に端子及び電線が挿入されることにより、前記電線の外周に前記挿通孔の内周面の環状シールリップを密着させて、該挿通孔と電線との隙間をシールする防水コネクタ用の弾性シール部材において、
    前記各挿通孔の端子挿入側の入口部に、前記端子の非挿入時に前記挿通孔を閉塞し且つ前記端子の挿入時に、挿入される端子によって突き破られる閉止膜が設けられ、該閉止膜は、その外面が、前記挿通孔の入口部の直径方向の一端側から他端側に行くほど端子挿入方向の手前側から奥側に傾斜した傾斜面として形成され、かつその膜厚が、前記挿通孔の入口部の直径方向の他端側から一端側に行くほど薄くなるように設定されていることを特徴とする防水コネクタ用の弾性シール部材。
  2. コネクタハウジングの後部の電線引出部に配設されることで、前記コネクタハウジング内に収容された端子から後方へ延びる電線と前記コネクタハウジングとの間を止水する弾性シール部材であって、前記端子及び電線がそれぞれ挿入される複数の挿通孔を有した厚肉板状をなし、前記各挿通孔に端子及び電線が挿入されることにより、前記電線の外周に前記挿通孔の内周面の環状シールリップを密着させて、該挿通孔と電線との隙間をシールする防水コネクタ用の弾性シール部材において、
    前記各挿通孔の端子挿入側の入口部に、前記端子の非挿入時に前記挿通孔を閉塞し且つ前記端子の挿入時に、挿入される端子によって突き破られる閉止膜が設けられ、該閉止膜は、前記挿通孔の入口部の直径方向の一端側の肉厚半円部と他端側の肉厚半円部と、それら両肉厚半円部の互いに近接する直線縁同士を繋ぐ薄肉部とからなり、
    前記両肉厚半円部は、端子挿入方向の手前側と奥側に位置をずらして配置され、互いに近接する直線状の端面が先端縁に行くほど肉薄となるよう傾斜面で形成され、その肉薄となった先端縁同士が結合されることにより前記薄肉部が形成されていることを特徴とする防水コネクタ用の弾性シール部材。
  3. 請求項1または2に記載の防水コネクタ用の弾性シール部材と前記コネクタハウジングとが、2色成形またはインサート成形により一体に形成されていることを特徴とする防水コネクタ。
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