JP2011163627A - ガスバーナ及び燃焼機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気比λ=1.3となる希薄混合ガスを燃焼させて火炎F1を形成する一方、火炎F1の形成に用いる混合ガスよりも一次空気の混合率が低い全一次混合ガスを燃焼させ、火炎F1とは別に検知用火炎F2を形成し、当該検知用火炎F2を熱電対14により監視することで燃焼不良を検知するように構成した。つまり、フィルター詰まり等による空気不足により燃料ガスへ混合する一次空気の酸素が不足した際、その影響が早期に現れる検知用火炎F2を別途形成して監視する。したがって、低NOx化を実現した上で、酸欠による燃焼不良は勿論のこと、空気不足による燃焼不良をも未然且つ確実に検知することができる。
【選択図】図6
Description
一方、燃焼機器においては、燃焼に伴い生じるNOxの発生量の低減が求められており、特許文献1に記載のガスバーナでは、上面に二次炎孔が開設された箱体をバーナ本体に設置し、炎孔板の表面で燃焼されなかった未燃成分については、二次炎孔から噴出した時点で二次炎孔の周りから吸引される二次空気を利用して二次燃焼させるとした所謂二段燃焼構造とすることで、火炎温度を低下させて、NOxの発生量の低減を図っている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、主燃焼部と検知用燃焼部とが複数の炎孔を備えた同一の炎孔板を共用しており、当該炎孔板の表面に、希薄混合ガスを燃焼させることによる火炎と、検知用混合ガスを燃焼させることによる火炎との両方を形成させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、炎孔板の表面の10%が検知用混合ガスを燃焼させる検知エリアであり、残りの90%が希薄混合ガスを燃焼させる主燃焼エリアであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、箱状の本体部材の内部空間を仕切部材によって仕切り、一方の内部空間に第1混合管を、他方の内部空間に第2混合管を夫々設置することにより、主バーナ本体部と検知用バーナ本体部とを構成したことを特徴とする。
一方、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項5に記載の発明は、燃焼機器において、請求項1〜4の何れかに記載のガスバーナと、熱電素子が接続され、熱電素子の検出状態に応じて燃焼部全体における燃焼不良を検知すると所定の動作を実行する制御部とが設置されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、主燃焼部と検知用燃焼部とが複数の炎孔を備えた同一の炎孔板を共用しており、当該炎孔板の表面に、希薄混合ガスを燃焼させることによる火炎と、検知用混合ガスを燃焼させることによる火炎との両方を形成させるため、部材点数を削減することができ、低コスト化、省スペース化を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、炎孔板の表面の10%を検知用混合ガスを燃焼させる検知エリアとし、残りの90%を希薄混合ガスを燃焼させる主燃焼エリアとしているため、検知エリアに無駄がなく、燃焼不良の確実な検知を可能とした上で、加熱効率が最も良い構成とすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、箱状の本体部材の内部空間を仕切部材によって仕切り、一方の内部空間に第1混合管を、他方の内部空間に第2混合管を夫々設置しているため、主バーナ本体部と検知用バーナ本体部とを別の箱状部材を用いて構成するものと比較して部品点数を削減することができ、一層の低コスト化、省スペース化を図ることができる。
ガスバーナ4は、バーナ本体11と、バーナ本体11の上面に取り付けられる炎孔板12と、炎孔板12の上方を覆うようにバーナ本体11に固着される箱体13と、熱電対14と、図示しない点火用電極と、上記制御装置とを備えてなる。バーナ本体11は、上面にのみ開口する箱状の本体部31と、本体部31に対して左側(図3における左側)から差し込まれた希薄混合管32と、本体部31に対して右側(図3における右側)から差し込まれた全一次混合管33と、両混合管32、33間で本体部31の内部空間を仕切る仕切り壁34とを備えている。希薄混合管32は、空気比λ=1.3となる希薄混合ガスを生成し、本体部31の内部空間で希薄混合管32が位置する第1空間31aへ希薄混合ガスを供給するようになっている。一方、全一次混合管33は、空気比λ=1.0の全一次混合ガス(検知用混合ガス)を生成し、本体部31の内部空間で全一次混合管33が位置する第2空間31bへ全一次混合ガスを供給するようになっている。さらに、仕切り板34は、本体部31の開口において、第1空間31aの開口と第2空間31bの開口との面積比が90:10となるような位置に設けられており、第1空間31aと第2空間31bとで混合ガスが行き来することを阻止している。尚、本体部31の外側に位置する各混合管32、33の基端部には、燃料ガスを供給するためのガス供給管のノズル35が接続されているとともに、一次空気を吸引するための吸引口36が設けられている。
加えて、箱体13は、炎孔板12の上方を覆うようにバーナ本体11の上面に固着されており、当該箱板13によって炎孔板12の上方に副燃焼室15が形成されている。また、箱板13の上面には、燃焼により加熱された空気を送り出すための開口16が設けられている。
ファンヒータ1を作動させるべくトップパネル8が操作されると、ファン5が回転するとともに、各混合管32、33へガス供給管35から燃料ガスが噴出され、その噴出に伴い吸引口36から各混合管32、33へ一次空気が取り込まれ、希薄混合管32では空気比λ=1.3となる希薄混合ガスが、全一次混合管33では空気比λ=1.0となる全一次混合ガスが夫々生成される。生成された希薄混合ガスは、第1空間31aへ供給された後、炎孔21を通って副燃焼室15へ噴出する。そして、点火用電極によって着火されると、炎孔板12の主燃焼エリア23の表面に、図5に示すような火炎F1が形成される。この燃焼は、燃料ガスに予め燃焼に必要な空気以上の空気が混合された希薄混合ガスによる燃焼であるため、従来の一次空気比λ=0.5〜0.7とされた混合ガスを燃焼させるタイプのものと比較して、火炎温度が低くなっており、NOxの発生量を従来以上に低減するようになっている。尚、箱体13を炎孔板12を加工用にバーナ本体11に固着しているため、希薄混合ガスを炎孔板12の表面で燃焼させる際に外部から二次空気が供給されることはない。
一方、全一次混合ガスは、第2空間31bに供給された後、炎孔21を通って副燃焼室15へ噴出する。そして、上記加熱用火炎F1からの火移りによって着火されると、炎孔板12の検知エリア22の表面に、図5に示すような検知用火炎F2が形成される。この検知用火炎F2は、上記希薄混合ガスよりも空気比λの低い全一次混合ガスの燃焼により形成されるものであるため、火炎F1と比較して上下方向(混合ガスの噴出方向)に短い。そして、当該検知用火炎F2が熱電対14によって検知されることになる。
さらに、炎孔板12の表面の10%を検知エリア22とし、残りの90%を主燃焼エリア23としているため、検知エリア22に無駄がなく、燃焼不良の未然且つ確実な検知を可能とした上で、加熱効率が最も良い構成となっている。
加えて、バーナ本体11の本体部31の内部空間を仕切り壁34によって第1空間31aと第2空間31bとに仕切り、第1空間31aには希薄混合管32を、第2空間31bには全一次混合管33を夫々設置している。したがって、第1空間31aを有する本体部と第2空間31bを有する本体部とを別途設ける構成と比較して、構造の簡素化、省スペース化を図ることができる。
さらに、主燃焼エリア23と検知エリア22との割合についても設計変更可能であって、上記実施形態では90:10としているが、炎孔板12の表面の略80%以上が主燃焼エリア23となっていれば効率の良い加熱が可能であるし、炎孔板12の表面の略5%以上が検知エリア22となっていれば燃焼不良の確実な検知が可能となる。
また、炎孔板を主燃焼用と燃焼不良の検知用とで別体にすることも可能であるし、第1空間31aを構成する本体部と第2空間31bを構成する本体部とを別体に設けてもよい。さらに、上記実施形態では、点火用電極を主燃焼エリア23に臨ませており、火炎F1の形成後に検知用火炎F2を火移りによって形成させるとしているが、検知エリア22に点火用電極を臨ませ、検知用火炎F2を形成した後に火移りによって火炎F1を形成させるように構成する等、適宜変更可能である。さらにまた、混合ガスを燃焼させる燃焼部についての構成は、上記実施形態の如く炎孔板の表面に火炎を形成させるとした所謂表面燃焼の構成に何ら限定されることはない。
加えて、上記実施形態では燃焼機器の一実施例であるファンヒータ1について説明しているが、ガスバーナ4をガスストーブ等の他の燃焼機器に適用しても何ら問題はない。
Claims (5)
- 燃料ガスと一次空気とを混合し、空気比λ=1.1以上となる希薄混合ガスを生成する第1混合管が設置された主バーナ本体部と、前記希薄混合ガスを燃焼させる主燃焼部とを備えたガスバーナであって、
燃料ガスと一次空気とを混合し、前記希薄混合ガスよりも空気比の小さい検知用混合ガスを生成する第2混合管が設置された検知用バーナ本体部と、前記検知用混合ガスを燃焼させる検知用燃焼部とを設けるとともに、
前記検知用燃焼部に火炎を検知する熱電素子を設置し、当該熱電素子の検出状態にもとづいて燃焼部全体における燃焼不良を検知可能としたことを特徴とするガスバーナ。 - 前記主燃焼部と前記検知用燃焼部とが複数の炎孔を備えた同一の炎孔板を共用しており、当該炎孔板の表面に、前記希薄混合ガスを燃焼させることによる火炎と、前記検知用混合ガスを燃焼させることによる火炎との両方を形成させることを特徴とする請求項1に記載のガスバーナ。
- 前記炎孔板の表面の10%が前記検知用混合ガスを燃焼させる検知エリアであり、残りの90%が前記希薄混合ガスを燃焼させる主燃焼エリアであることを特徴とする請求項2に記載のガスバーナ。
- 箱状の本体部材の内部空間を仕切部材によって仕切り、一方の内部空間に前記第1混合管を、他方の内部空間に前記第2混合管を夫々設置することにより、前記主バーナ本体部と前記検知用バーナ本体部とを構成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガスバーナ。
- 請求項1〜4の何れかに記載のガスバーナと、前記熱電素子が接続され、前記熱電素子の検出状態に応じて燃焼部全体における燃焼不良を検知すると所定の動作を実行する制御部とが設置されていることを特徴とする燃焼機器。
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