JP2011163150A - 水素ガスの排気方法及び真空ポンプ装置 - Google Patents

水素ガスの排気方法及び真空ポンプ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水素ガスの排気効率を向上させることができる水素ガスの排気方法及び真空ポンプ装置を提供する。
【解決手段】真空ポンプ装置Sは、主ポンプ10、第2ブースターポンプ27、及び第1ブースターポンプ55が直列に接続されるとともに、排気通路での水素ガスの排気方向において第1ブースターポンプ55及び第2ブースターポンプ27が主ポンプ10の上流側に配置されている。真空ポンプ装置Sの駆動中は、半導体製造装置からの水素ガスが最初に吸入される第1ブースターポンプ55の排気口56bに、導入口56c及び導入管70を介して、水素ガスより粘性率の高い窒素ガスを供給し、この窒素ガスの粘性を利用して水素ガスの移送性を向上させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、排気通路での水素ガスの排気方向において副ポンプが主ポンプの上流側にある真空ポンプ装置による水素ガスの排気方法及び真空ポンプ装置に関する。
例えば、半導体製造装置においては、チャンバに反応ガスが導入されて、CVDやドライエッチングなどのプロセスが行われる。チャンバには真空ポンプが接続され、真空ポンプによりチャンバから水素ガス(プロセスガス)が吸引されて大気に排気されるようになっている。水素ガスを大気に排気する際、真空ポンプでは水素ガスの濃度が基準値以下に希釈されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
図4に示すように、特許文献1の燃焼式除害装置90において、チャンバ91には、プロセスガス吸気管93を介して真空ポンプ92が接続されるとともに、真空ポンプ92にはプロセスガス排気管94が接続されている。そして、真空ポンプ92によりチャンバ91から水素ガスが吸引されるようになっている。
また、プロセスガス排気管94は、燃焼式除害装置90の燃焼室90aに接続されている。燃焼室90aの外周には、希釈ガスとしての窒素ガスを輸送する窒素ガス配管96が巻き付けられている。この窒素ガス配管96は、窒素ガス分岐管96a,96bに分岐されている。一方の窒素ガス分岐管96aは真空ポンプ92に接続されるとともに、他方の窒素ガス分岐管96bはプロセスガス排気管94の入口側に接続されている。
そして、窒素ガス配管96に送出された窒素ガスは、燃焼室90aからの発熱により加熱され、加熱された窒素ガスの一部は、一方の窒素ガス分岐管96aを介して真空ポンプ92内に送られる。そして、この窒素ガスにより、真空ポンプ92内で水素ガスの濃度が基準値以下に希釈されるようになっている。
特開2004−200364号公報
ところが、水素ガスは粘性率が非常に低いガスであるため、真空ポンプ92による水素ガスの移送性が悪く、真空ポンプ92による水素ガスの排気効率が悪いという問題があった。特に、大容量の真空ポンプ(3000m/h以上)の場合、真空ポンプ内部のクリアランスが増加するため、水素ガスの排気効率がより顕著に悪化していく。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、水素ガスの排気効率を向上させることができる水素ガスの排気方法及び真空ポンプ装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、水素ガスの排気通路上に設けられ、主ポンプ及び少なくとも1つの副ポンプが直列に接続されるとともに、前記排気通路での水素ガスの排気方向において前記副ポンプが前記主ポンプの上流側に配置された真空ポンプ装置による水素ガスの排気方法である。そして、前記真空ポンプ装置の駆動中は、前記排気通路の水素ガスが最初に吸入される副ポンプの排気領域に、前記水素ガスより粘性率の高い希釈ガスを供給し、該希釈ガスの粘性を利用して前記水素ガスの移送性を向上させる。
また、請求項5に記載の発明は、水素ガスの排気通路上に設けられ、主ポンプ及び少なくとも1つの副ポンプが直列に接続されるとともに、前記排気通路での水素ガスの排気方向において前記副ポンプが前記主ポンプの上流側に配置された真空ポンプ装置である。そして、真空ポンプ装置において、前記排気通路からの水素ガスが最初に吸入される副ポンプの排気領域に、前記水素ガスより粘性率の高い希釈ガスを供給する導入通路を連通させ、前記真空ポンプ装置の駆動中は前記導入通路を介して前記排気領域に前記希釈ガスが供給され、該希釈ガスの粘性を利用して前記水素ガスの移送性を向上させるように構成されている。
これによれば、排気通路の上流側で水素ガスに希釈ガスが混合され、この希釈ガスの粘性により、水素ガスと希釈ガスの混合ガスの粘性率を高めることができる。そして、水素ガスの排気方向において、排気通路における希釈ガスの供給位置より下流側では、粘性率の高められた混合ガスが移送されていくことになる。よって、希釈ガス供給後は、混合ガスの粘性率が高まることによって、水素ガスそのものの移送性が向上され、結果として、真空ポンプ装置における水素ガスの排気効率を向上させることができる。
また、前記排気領域への前記希釈ガスの供給量を、前記主ポンプ及び副ポンプの軸受周辺の保護のために供給される前記希釈ガスの供給量より多くしてもよい。
これによれば、軸受周辺への供給量より多い希釈ガスを排気領域へ供給することにより水素ガスの排気効率を向上させることができるとともに、希釈ガスにより軸受周辺を水素ガスから保護することができる。
また、前記主ポンプは、該主ポンプの回転軸の軸方向に沿って複数段のポンプ室が並設されるとともに前記主ポンプの前記水素ガスの吸入口側のポンプ室から排気口側のポンプ室へ向かうに従い前記ポンプ室の容積が同等以下となるように形成された多段式のポンプであり、前記排気領域への前記希釈ガスの供給量の上限を、前記排気口側に位置する最終段のポンプ室への前記希釈ガスの供給量としてもよい。
これによれば、希釈ガスの供給量の上限を設定することで、水素ガスの排気効率向上のために供給される希釈ガス量が過剰になり、水素ガスそのものの排気量が減ってしまうことを防止することができる。
また、前記排気領域への前記希釈ガスの供給量を、前記水素ガスが最初に吸入される前記副ポンプの排気領域たる排気口での希釈ガスの濃度が5%以上になるように設定してもよい。
これによれば、効率良く水素ガスの排気効率を向上させることができる。
また、真空ポンプ装置において、前記導入通路は、前記副ポンプのロータハウジングに設けられるものでもよい。これによれば、導入通路は、副ポンプのロータハウジングに形成される。したがって、簡単な構成で排気通路に希釈ガスを供給して、水素ガスの排気効率を向上させることができる。
本発明によれば、水素ガスの排気効率を向上させることができる。
実施形態の真空ポンプ装置を示す側断面図。 図1のA−A線断面図。 (a)は水素ガスに対する窒素ガスの混合比率と、混合ガスの粘性率との関係を示すグラフ、(b)は排気口の窒素ガス濃度と圧力比との関係を示すグラフ(c)は吸入口での水素ガス流量と圧力との関係を示すグラフ。 背景技術を示す模式図。
以下、本発明を具体化した真空ポンプ装置による水素ガスの排気方法及び真空ポンプ装置の一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。なお、本実施形態では、5000m
/hの排気速度を有する真空ポンプ装置に具体化して説明する。
図1に示すように、真空ポンプ装置Sは、半導体製造装置H(水素ガス発生源)からの排気通路上に設けられている。そして、真空ポンプ装置Sが、半導体製造装置HのチャンバHaから水素ガス(プロセスガス)を吸引することにより、チャンバHaの水素ガスが排気通路を介して大気に排気されるようになっている。
真空ポンプ装置Sが備える主ポンプ10は、ルーツ型のポンプである。そして、主ポンプ10において、ロータハウジング11の一端にはフロントハウジング12が連結されるとともに、ロータハウジング11の他端にはリヤハウジング13が連結されている。ロータハウジング11、フロントハウジング12及びリヤハウジング13は、主ポンプ10のポンプハウジングを構成する。
ロータハウジング11内には複数の隔壁14が設けられるとともに、フロントハウジング12と隔壁14との間、隣合う隔壁14の間、及びリヤハウジング13と隔壁14との間には、それぞれ第1ポンプ室15、第2ポンプ16、第3ポンプ室17、第4ポンプ室18、及び第5ポンプ室19が区画されている。第1〜第5ポンプ室15〜19は、容積がこの順に小さくなってゆくように形成されている。
また、ロータハウジング11には、第1パージ口11a、第2パージ口11b、及び第3パージ口11cが形成されている。第1パージ口11aは第3ポンプ室17に連通するように形成されるとともに、第2パージ口11bは第4ポンプ室18に連通するように形成されている。また、第3パージ口11cは第5ポンプ室19に連通するよう形成されている。第1パージ口11aには第1パージ分岐管41aが接続されるとともに、第2パージ口11bには第2パージ分岐管41bが接続されている。また、第3パージ口11cには第3パージ分岐管41cが接続されている。これら第1〜第3パージ分岐管41a〜41cは第1パージ管42を介して窒素タンク41に接続されている。この窒素タンク41には、主ポンプ10内で水素ガスを希釈するための窒素ガスが蓄えられている。第1パージ管42上にはレギュレータR及びソレノイドバルブVが設けられている。
第1パージ分岐管41a上には第1逆止弁42aが設けられるとともに、第2パージ分岐管41b上には第2逆止弁42bが設けられている。また、第3パージ分岐管41c上には第3逆止弁42cが設けられている。第1〜第3逆止弁42a〜42cは、第3〜第5ポンプ室17〜19から窒素タンク41への窒素ガスの逆流を阻止するようになっている。そして、第3〜第5ポンプ室17〜19には、水素ガスの希釈のために、窒素タンク41の窒素ガスが、第1パージ管42、第1〜第3パージ分岐管41a〜41c、及び第1〜第3パージ口11a〜11cを介して供給可能になっている。
フロントハウジング12とリヤハウジング13とには回転軸20が軸受Brを介して回転可能に支持されるとともに、フロントハウジング12とリヤハウジング13とには回転軸21が軸受(図示せず)を介して回転可能に支持されている(図2参照)。リヤハウジング13において軸受Brより第1〜第5ポンプ室15〜19側にはオイルシールSeが配設されている。また、互いに平行に配置された回転軸20,21は、各隔壁14に通されている。そして、複数段の第1〜第5ポンプ室15〜19は、この順序で回転軸20,21の軸方向に沿って並設されている。
フロントハウジング12には軸受Br周辺へ窒素ガス(希釈ガス)を供給するための供給口12aが形成されるとともに、リヤハウジング13には軸受Br周辺(軸受Br及びオイルシールSe)へ窒素ガス(希釈ガス)を供給するための供給口13aが形成されている。供給口12a,13aには供給管43a,43bが接続されている。そして、供給管43a,43bは第1パージ管42を介して窒素タンク41に接続されている。各供給管43a,43b上には、軸受Br周辺(軸受Br及びオイルシールSe)へ供給された窒素ガスの窒素タンク41への逆流を阻止する逆止弁44a,44bが設けられている。
主ポンプ10において、回転軸20には複数のロータ22が一体形成されるとともに、図2に示すように、回転軸21には同数のロータ23が一体形成されている。第1〜第5ポンプ室15〜19に収容された複数のロータ22,23は、回転軸20,21の軸方向に見て同形同大の形状をしている。図1に示すように、隣り合う第1〜第5ポンプ室15〜19は、隔壁14内の管14aを介して連通している。主ポンプ10において、リヤハウジング13にはギヤハウジング24が組み付けられるとともに、回転軸20,21は、リヤハウジング13及びギヤハウジング24を通されている。
また、図2に示すように、ギヤハウジング24内の各回転軸20,21には歯車25,26が互いに噛合した状態で止着されている。ギヤハウジング24には電動モータMo(図1参照)が組み付けられている。回転軸20は、電動モータMoによって図2の矢印R1の方向に回転される。回転軸21は、歯車25,26を介して電動モータMoから駆動力を得ており、回転軸21は、図2の矢印R2で示すように回転軸20とは逆方向に回転する。
図1及び図2に示すように、ロータハウジング11には吸入口11eが第1ポンプ室15に連通するように形成されるとともに、ロータハウジング11には排気口11fが第5ポンプ室19に連通するように形成されている。そして、第1〜第5ポンプ室15〜19は、回転軸20,21の軸方向に沿って、吸入口11e側の第1ポンプ室15から排気口11f側の第5ポンプ室19へ向かうに従いポンプ室の容積が小さくなるように形成されている。
吸入口11eから第1ポンプ室15に導入された水素ガスは、第1ポンプ室15から第2〜第5ポンプ室16〜19の順に隣りのポンプ室へ移送される。また、第3〜第5ポンプ室17〜19には、窒素タンク41の窒素ガスが供給されるとともに、この窒素ガスにより水素ガスが基準濃度以下にまで希釈されるようになっている。
本実施形態では、真空ポンプ装置Sの駆動中、第3〜第5ポンプ室17〜19には、水素ガスの濃度に応じて、適宜設定された濃度の窒素ガスが供給されて水素ガスが希釈されるようになっている。所謂、窒素ガス(希釈ガス)による一般的な窒素パージが行われる。主ポンプ10の最終段のポンプ室たる第5ポンプ室19は、容積が最も小さく、第5ポンプ室19へ移送された水素ガスの濃度は最も高くなる。このため、第5ポンプ室19には、水素ガス希釈のための窒素ガスとしては、濃度範囲の中で最も高い濃度の窒素ガスが供給される可能性がある。そして、主ポンプ10では、第1〜第5ポンプ室15〜19で希釈された水素ガスは、排気口11fからロータハウジング11外(大気)へ排出される。
図1に示すように、真空ポンプ装置Sは、副ポンプとしてルーツ型の第2ブースターポンプ27を備える。第2ブースターポンプ27において、ロータハウジング29の一端にはフロントハウジング30が連結されるとともに、ロータハウジング29の他端にはリヤハウジング31が連結されている。ロータハウジング29、フロントハウジング30及びリヤハウジング31は、第2ブースターポンプ27のポンプハウジングを構成する。
第2ブースターポンプ27のロータハウジング29内には単一のポンプ室32が形成されている。図2に示すように、ポンプ室32にはロータ33,34が互いに噛合した状態で収容されている。ロータ33は、回転軸35に一体形成されるとともに、ロータ34は、回転軸36に一体形成されている。図1に示すように、第2ブースターポンプ27において、リヤハウジング31にはギヤハウジング37が組み付けられるとともに、回転軸35,36は、リヤハウジング31及びギヤハウジング37を通されている。
また、図2に示すように、ギヤハウジング37内の各回転軸35,36には歯車38,39が互いに噛合した状態で止着されている。ギヤハウジング37には電動モータM2(図1参照)が組み付けられている。そして、回転軸35は、電動モータM2によって図2の矢印R3の方向に回転される。回転軸36は、歯車38,39を介して電動モータM2から駆動力を得ており、回転軸36は、図2の矢印R4で示すように回転軸35とは逆方向に回転する。
図1に示すように、フロントハウジング30とリヤハウジング31とには回転軸35が軸受Brを介して回転可能に支持されるとともに、回転軸36が軸受(図示せず)を介して回転可能に支持されている(図2参照)。リヤハウジング31において軸受Brよりポンプ室32側にはオイルシールSeが配設されている。フロントハウジング30には軸受Br周辺へ窒素ガス(希釈ガス)を供給するための供給口30aが形成されるとともに、リヤハウジング31には、軸受Br周辺(軸受Br及びオイルシールSe)へ窒素ガスを供給するための供給口31aが形成されている。供給口30a,31aには供給管45a,45bが接続されている。そして、供給管45a,45bは第2パージ管46及び第1パージ管42を介して窒素タンク41に接続されている。各供給管45a,45b上には、軸受Br周辺(軸受Br及びオイルシールSe)へ供給された窒素ガスの窒素タンク41への逆流を阻止する逆止弁47a,47bが設けられている。
第2ブースターポンプ27において、ロータハウジング29には吸入口29a及び排気口29bが形成されている。吸入口29a及び排気口29bは、ポンプ室32に接続されている。また、第2ブースターポンプ27の排気口29bと、主ポンプ10の吸入口11eとは、第2排気管28を介して連通している。
真空ポンプ装置Sは、副ポンプとしてルーツ型の第1ブースターポンプ55を備える。第1ブースターポンプ55において、ロータハウジング56の一端にはフロントハウジング57が連結されるとともに、ロータハウジング56の他端にはリヤハウジング58が連結されている。ロータハウジング56、フロントハウジング57及びリヤハウジング58は、第1ブースターポンプ55のポンプハウジングを構成する。
第1ブースターポンプ55のロータハウジング56内には単一のポンプ室59が形成されている。図2に示すように、ポンプ室59にはロータ60,61が互いに噛合した状態で収容されている。ロータ60は、回転軸62に一体形成されるとともに、ロータ61は、回転軸63に一体形成されている。図1に示すように、第1ブースターポンプ55において、リヤハウジング58にはギヤハウジング64が組み付けられるとともに、回転軸62,63は、リヤハウジング58及びギヤハウジング64を通されている。
また、図2に示すように、ギヤハウジング64内の各回転軸62,63には歯車65,66が互いに噛合した状態で止着されている。ギヤハウジング64には電動モータM1(図1参照)が組み付けられている。そして、回転軸62は、電動モータM1によって図2の矢印R5の方向に回転される。回転軸63は、歯車65,66を介して電動モータM1から駆動力を得ており、回転軸63は、図2の矢印R6で示すように回転軸62とは逆方向に回転する。
図1に示すように、フロントハウジング57とリヤハウジング58とには回転軸62が軸受Brを介して回転可能に支持されるとともに、回転軸63が軸受(図示せず)を介して回転可能に支持されている(図2参照)。リヤハウジング58において軸受Brよりポンプ室59側にはオイルシールSeが配設されている。フロントハウジング57には軸受Br周辺へ窒素ガスを供給するための供給口57aが形成されるとともに、リヤハウジング58には、軸受Br周辺(軸受Br及びオイルシールSe)へ窒素ガスを供給するための供給口58aが形成されている。供給口57a,58aには供給管48a,48bが接続されている。そして、供給管48a,48bは第3パージ管49、第2パージ管46、及び第1パージ管42を介して窒素タンク41に接続されている。各供給管48a,48b上には、軸受Br周辺(軸受Br及びオイルシールSe)へ供給された窒素ガスの窒素タンク41への逆流を阻止する逆止弁50a,50bが設けられている。
第1ブースターポンプ55において、ロータハウジング56には吸入口56a及び排気口56bが形成されている。吸入口56a及び排気口56bは、ポンプ室59に接続されている。第1ブースターポンプ55の排気口56bと第2ブースターポンプ27の吸入口29aとは、第1排気管51を介して連通している。
そして、上記構成の真空ポンプ装置Sでは、第1ブースターポンプ55における電動モータM1が作動すると、ロータ60,61が回転し、半導体製造装置HのチャンバHa内の水素ガスが吸入口56aを経由してポンプ室59へ吸入される。ポンプ室59へ吸入された水素ガスは、ロータ60,61の回転によって、排気口56bへ向けて移送されるとともに、排気口56bから第1排気管51へ排気される。
さらに、第2ブースターポンプ27における電動モータM2の作動によるロータ33,34の回転によって、第1排気管51の水素ガスが吸入口29aを経由してポンプ室32へ吸入される。ポンプ室32へ吸入された水素ガスは、ロータ33,34の回転によって、排気口29bから第2排気管28へ排気される。
さらに、主ポンプ10における電動モータMoの作動によるロータ22,23の回転によって、第2排気管28の水素ガスが吸入口11eを経由して第1ポンプ室15へ吸入される。第1ポンプ室15へ吸入された水素ガスは、ロータ22,23の回転によって、第1〜第5ポンプ室15〜19を移送される。第3〜第5ポンプ室17〜19内での水素ガスの濃度に応じて適宜濃度設定された窒素ガスが供給されて、水素ガスが希釈された後、希釈後の水素ガスは第5ポンプ室19から排気口11fを経由してロータハウジング11外(大気)へ排気される。
よって、本実施形態では、第1ブースターポンプ55、第1排気管51、第2ブースターポンプ27、第2排気管28、及び主ポンプ10が排気通路を構成している。そして、半導体製造装置Hから排気された水素ガスは、真空ポンプ装置Sによって排気通路を排気方向へ流れて大気へ排気される。また、この排気通路では、第2ブースターポンプ27は、主ポンプ10に対して排気通路上で直列になるように、排気通路での水素ガスの排気方向において主ポンプ10の上流側に配置された副ポンプである。また、第1ブースターポンプ55は、第2ブースターポンプ27に対して排気通路上で直列になるように、排気通路での水素ガスの排気方向において第2ブースターポンプ27の上流側に配置された副ポンプである。また、第1ブースターポンプ55は、半導体製造装置Hからの水素ガスが最初に吸入される副ポンプである。
真空ポンプ装置Sの駆動中、各軸受Br周辺(軸受Br及びオイルシールSe)には、供給管43a,43b,45a,45b,48a,48b及び供給口12a,13a,30a,31a,57a,58aを介して窒素ガスが供給される。この窒素ガスの供給は、各軸受Br周辺、すなわち各回転軸20,21,35,36,62,63の支持部及びオイルシールSeの周辺を水素ガスから保護することを目的としている。そして、本実施形態では、各軸受Br周辺(軸受Br及びオイルシールSe)への窒素ガスの供給量は0.1slm(standard liter/min=10−3sccm)に設定されている。
上記構成の真空ポンプ装置Sにおいて、図2に示すように、第1ブースターポンプ55のロータハウジング56には、導入口56cが排気口56bに連通するように形成されるとともに、この導入口56cには導入管70が接続されている。この導入管70は窒素タンク41に接続されている。そして、真空ポンプ装置Sの駆動中には、排気口56b内には、窒素タンク41から窒素ガスが供給され、排気通路を流通する水素ガスに窒素ガスが供給されるようになっている。すなわち、排気通路での水素ガスの排気方向において、排気方向の上流側で水素ガスに窒素ガスが供給されるようになっている。本実施形態では、排気口56bへの窒素ガスの供給量は20slmに設定されている。
ここで、第1ブースターポンプ55において、ロータ60,61及びポンプ室59内面によって区画された空間であり吸入口56aに連通する空間(吸入口56aを含む)を、第1ブースターポンプ55の吸入空間W1とする。これに対し、ロータ60,61及びポンプ室59内面によって区画された空間であり排気口56bに連通する空間(排気口56bを含む)を、第1ブースターポンプ55の排気空間W2とする。さらに、第1排気管51内は、排気口56bに連通しているため、排気空間W2に連通している。また、第2ブースターポンプ27において、ロータ33,34及びポンプ室32内面によって区画された空間であり吸入口29aに連通する空間(吸入口29aを含む)を、第2ブースターポンプ27の吸入空間W3とする。この吸入空間W3は、第1排気管51を介して排気空間W2に連通している。そして、第1ブースターポンプ55の排気空間W2、第1排気管51内、及び第2ブースターポンプ27の吸入空間W3は、同圧の第1ブースターポンプ55の排気領域となっている。
したがって、本実施形態では、半導体製造装置H(水素ガス発生源)からの水素ガスが最初に吸気される第1ブースターポンプ55(副ポンプ)において、その排気領域(排気口56b)には、導入管70及び導入口56cからなる導入通路が連通している。なお、導入管70上には、排気口56bへ供給された窒素ガスの窒素タンク41への逆流を阻止する逆止弁70aが設けられている。
ここで、窒素ガスの粘性率は、0.000018Pa・sであり、低粘性のガスである。また、水素ガスの粘性率は、0.000009Pa・sである。すなわち、窒素ガスは水素ガスよりも粘性率が高くなっている。このため、一般に真空ポンプでは、粘性率の高い窒素ガスの方が水素ガスよりも移送性が高く、窒素ガスの方が水素ガスより排気しやすくなっている。そして、本実施形態では、粘性率の高い窒素ガスを、水素ガスに供給することにより、窒素ガスと水素ガスの混合ガスの粘性率を高め、排気通路で混合ガス中の水素ガスを移送しやすくしている。
また、本実施形態では、排気口56bへの窒素ガスの供給量は、水素ガス希釈のために供給される、第3〜第5ポンプ室17〜19への窒素ガスの供給量より多くなるように設定される。なお、排気口56bへの窒素ガスの供給量の上限は、第3〜第5ポンプ室17〜19へ供給される窒素ガスの供給量のうち、最終段の第5ポンプ室19への供給量と同じになるように設定されている。また、排気口56bへの窒素ガスの供給量は、各軸受Br周辺への窒素ガスの供給量より多くなっている。
ここで、図3(a)のグラフに、水素ガスに対する窒素ガスの混合比率(窒素ガス/水素ガス)と、水素ガスと窒素ガスの混合ガスにおける粘性率の関係を示す。図3(a)のグラフでは、水素ガスに対する窒素ガスの混合比率(窒素ガス濃度)が高くなると、混合ガスの粘性率が高くなることが示されている。特に、混合比率が0%を越えた直後から25%までは、粘性率が急激に高くなることが示され、25%を越えてから60%までは、粘性率が緩やかに高くなることが示されている。一方、混合比率が60%を越えると、粘性率がほとんど上昇しないことが示されている。
本実施形態の真空ポンプ装置Sに図3(a)のグラフを当てはめると、混合ガスの混合比率が0%のときは、水素ガス100%のときであり、真空ポンプ装置Sにおいては、第1ブースターポンプ55の吸入口56aに、半導体製造装置Hからの水素ガスが吸入されたときのことである。そして、本実施形態では、導入通路を介して、第1ブースターポンプ55の排気口56bで、排気通路内の水素ガスに窒素ガスを供給し、排気通路で混合ガスの粘性率を高めるようにしている。このため、排気口56bへの窒素ガスの供給量は、混合ガスの粘性率の高めるという目的から、吸入口56aでの水素ガス量に対し5〜60%(排気口56bでの混合ガスの窒素ガス濃度が5〜60%)に設定されるのが好ましい。また、排気口56bで水素ガスに供給される窒素ガスの量が多いと(窒素ガス濃度が高いと)、混合ガスにおける水素ガスの量が減ってしまい、真空ポンプ装置Sによる水素ガスの排気量が減ってしまう。また、排気口56bで水素ガスに供給される窒素ガスの量が少ないと(窒素ガス濃度が低いと)、混合ガスの粘性率が低くなってしまう。このため、排気口56bへの窒素ガスの供給量は、吸入口56aでの水素ガス量に対し15〜25%(排気口56bでの窒素ガス濃度が15〜25%)に設定されるのがより好ましい。そして、粘性率を好適に高め、さらに、窒素ガスの供給量が過剰にならないようにするために、排気口56bへの窒素ガスの供給量は、吸入口56aでの水素ガス量に対し20%(排気口56bでの窒素ガス濃度が20%)に設定されるのが特に好ましい。
そして、本実施形態の真空ポンプ装置Sにおいては、その駆動中、導入通路及び排気口56bを介して、排気通路を流通する水素ガスに窒素ガスが供給される。すると、排気通路の下流側では、粘性率の高められた混合ガスが移送されていく。
さらに、図3(b)に、真空ポンプ装置Sによる水素ガス排気時と、窒素ガス排気時における、第1ブースターポンプ55(最上段の副ポンプ)における排気口56bの窒素ガス濃度(希釈ガス濃度)と圧力比の関係を示す。窒素ガス濃度5%の領域では、真空ポンプ装置Sの排気性能が水素ガスのみを排気した時に比べて約50%改善されており、通常使用時を考慮すると、同出力の真空ポンプ装置Sの台数を半分にすることができるということが理解できる。また、窒素ガス濃度が15%では、窒素ガスのみを排気した時と同等の圧力比(排気性能)に近づく。なお、窒素ガス濃度が25%以上の領域では、圧力比は窒素ガス濃度が20%の場合と同等であり、窒素ガス濃度が高くなるほど、真空ポンプ装置Sの消費電力が増加していくのみで、窒素ガス濃度を高めても排気性能を向上させる効果が薄まる。
ここで、図3(c)に、真空ポンプ装置Sの第1ブースターポンプ55における吸入口56aでの圧力と、吸入口56aでの水素ガスの流量との関係を表すグラフを示す。図3(c)の破線のグラフに、排気口56bに水素ガスの移送性を向上させるための窒素ガスを供給しなかった場合の、吸入口56aでの圧力と流量を示す。なお、軸受Br周辺のみへは0.1slmの窒素ガスが供給されているものとする。また、図3(c)の実線のグラフに、排気口56bに水素ガスの移送性を向上させるための窒素ガスを供給した場合の、吸入口56aでの圧力と流量を示す。なお、軸受Br周辺にも0.1slmの窒素ガスが供給されているものとする。図3(c)の実線のグラフに示すように、排気口56bに水素ガスの移送性を向上させるための窒素ガスを供給することにより、吸入口56aの圧力が低下するとともに、排気口56bに水素ガスの移送性を向上させるための窒素ガスを供給しない場合と比べると、水素ガスの流量が増加していることが示された。吸入口56aでの水素ガス流量が増加することは、真空ポンプ装置Sによる水素ガスの吸引力が向上したことを示しており、結果として、水素ガスの排気効率が向上したことが示された。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、真空ポンプ装置Sの駆動中は、半導体製造装置Hからの水素ガスが最初に吸入される第1ブースターポンプ55における排気口56bに、窒素ガスを供給するようにした。このため、排気通路の上流側で水素ガスに窒素ガスが供給されることとなり、排気通路における窒素ガスの供給位置(排気口56b)より下流側では、粘性率の高められた混合ガスが移送されていくことになる。よって、窒素ガス供給後は、窒素ガスの粘性を利用して水素ガスの移送性を向上させることができ、真空ポンプ装置Sを用いた水素ガスの排気効率を向上させることができる。
(2)主ポンプ10の第3〜第5ポンプ室17〜19には窒素ガスが供給されて、一般的な窒素パージによる水素ガスの希釈が行われる。本実施形態では、この窒素パージとは別に、排気通路の上流側で水素ガスに窒素ガスを供給することで、混合ガスの粘性率を高め、水素ガスの排気効率を向上させることができる。
(3)排気口56bへの窒素ガスの供給量は、窒素パージによる第3〜第5ポンプ室17〜19への窒素ガスの供給量より多くなっている。すなわち、排気通路の上流側(排気口56b)で、敢えて窒素パージより多い量の窒素ガスを水素ガスに供給することで、水素ガスの希釈目的よりも水素ガスの排気効率の向上という目的を達成することができる。
(4)排気口56bへの窒素ガスの供給量の上限を、窒素パージによる第5ポンプ室19(最終段のポンプ室)への窒素ガスの供給量に設定した。第5ポンプ室19への窒素ガスの供給量は、他の第3及び第4ポンプ室17,18への窒素ガスの供給量より多く、窒素パージに関して最大量になっている。よって、窒素ガスの供給量の上限を、第5ポンプ室19への供給量に設定することで、水素ガスの排気効率向上のために供給される窒素ガス量が過剰になって水素ガスそのものの排気量が減ってしまうことを防止することができる。
(5)排気口56bへの窒素ガスの供給量は、第1ブースターポンプ55の吸入口56aでの水素ガス量の15〜25%(排気口56bでの混合ガスの窒素ガス濃度15〜25%)に設定した。図3(a)のグラフに示すように、水素ガスに対する窒素ガスの供給量が0%を越えてから25%に達するまでは、窒素ガスと水素ガスの粘性率が急激に上昇し、25%を越えてからは粘性率は緩やかに上昇する。また、窒素ガスの供給量が0%を越えた直後では、混合ガスの粘性率が低く、25%を越えてからは粘性率の上昇が緩やかである上、窒素ガスの供給量が多くなることになる。このため、窒素ガスの供給量は、吸入口56aでの水素ガス量の15〜25%に設定することで、過剰に窒素ガスを供給することなく混合ガスの粘性率を好適に向上させることができる。
(6)本実施形態では、第1ブースターポンプ55における排気口56bに、窒素ガスを供給するようにし、窒素ガスにより混合ガスの粘性率を高めて水素ガスの排気効率を向上させることができる。排気口56bに供給される窒素ガスは、窒素タンク41から供給されるが、窒素タンク41は半導体製造装置Hを備える工場内では複数箇所に常備されているものである。したがって、水素ガスの排気効率を向上させるために、新たに装置を設けたりする必要がなく、安価で簡単に水素ガスの排気効率を向上させることができる。
(7)本実施形態では、第1ブースターポンプ55における排気口56bに、窒素ガスを供給するようにし、窒素ガスにより混合ガスの粘性率を高めて水素ガスの排気効率を向上させることができる。排気口56bは、第1ブースターポンプ55における排気領域であり、第1ブースターポンプ55における吸入空間W1とは区画された領域である。したがって、水素ガス排気効率を向上させるために供給される窒素ガスが、吸入空間W1へ導出されて第1ブースターポンプ55外へ排気されてしまうことを抑制して、排気通路での水素ガスに効率良く窒素ガスを供給することができる。
(8)水素ガスの排気効率を向上させるために排気通路に供給される窒素ガスは、第1ブースターポンプ55の排気口56bに連通する導入通路(導入口56c及び導入管70)を介して供給される。導入口56cは、ロータハウジング56を孔加工するだけで形成することができ、その導入口56cに導入管70を接続するだけで導入通路が形成される。したがって、簡単な構成で排気通路に窒素ガスを供給して、水素ガスの排気効率を向上させることができる。
(9)軸受Br周辺(軸受Br及びオイルシールSe)の保護のために用いられる希釈ガスと、混合ガスの粘性率を向上させるために用いられる希釈ガスは、同じ窒素ガスである。そして、窒素ガスは、窒素タンク41から供給されるが、窒素タンク41は半導体製造装置Hを備える工場内では複数箇所に常備されているものである。よって、例えば、軸受Br周辺(軸受Br及びオイルシールSe)の保護用と、混合ガスの粘性率向上用とで用いる希釈ガスを変える場合と比べると、簡単に水素ガスの排気効率を向上させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 希釈ガスとして窒素ガスを排気口56bに常時供給するようにしてもよい。また、混合ガスの粘性率を向上させ、水素ガスの排気効率を向上できるのであれば、希釈ガス(窒素ガス)は間欠的に供給してもよい。
○ 実施形態では、導入通路を第1ブースターポンプ55の排気口56bに連通させたが、導入通路を、ポンプ室59の排気空間W2、第1排気管51内、又は第2ブースターポンプ27の吸入空間W3(吸入口29a)に連通させてもよい。すなわち、導入通路を連通させる位置は、排気領域であれば如何なる位置でもよい。
○ 真空ポンプ装置Sにおいて、副ポンプは第1ブースターポンプ55と第2ブースターポンプ27の2つにしたが、1つだけでもよく、3つ以上でもよい。
○ 実施形態では、主ポンプ10、第1ブースターポンプ55、及び第2ブースターポンプ27をルーツ型としたが、ポンプ形式は変更してもよい。
○ 実施形態では、主ポンプ10を、第1〜第5ポンプ室15〜19までの5段式にしたが、主ポンプ10のポンプ室の段数は1〜4段でもよいし、6段式以上でもよい。なお、この場合、複数段のポンプ室は、水素ガスの吸入口側のポンプ室から排気口側のポンプ室へ向かうに従いポンプ室の容積が同等以下となるように形成されている。
○ 実施形態では、真空ポンプ装置Sを5000m/hの排気速度を有する真空ポンプ装置Sに具体化して説明したが、真空ポンプ装置Sは3000m/h以上の排気速度を有する真空ポンプ装置Sであってもよい。
○ 実施形態では、水素ガス発生源として半導体製造装置Hに具体化したが、水素ガス発生源は半導体製造装置Hに限定されず他の装置や他の発生源であってもよい。
Br…軸受、S…真空ポンプ装置、10…主ポンプ、11e…主ポンプの吸入口、11f…主ポンプの排気口、15〜19…第1〜第5ポンプ室、20,21…回転軸、27…副ポンプとしての第2ブースターポンプ、55…水素ガスが最初に吸入される副ポンプとしての第1ブースターポンプ、56…ロータハウジング、56a…水素ガスが最初に吸入される副ポンプの吸入口、56b…排気領域としての排気口。

Claims (6)

  1. 水素ガスの排気通路上に設けられ、主ポンプ及び少なくとも1つの副ポンプが直列に接続されるとともに、前記排気通路での水素ガスの排気方向において前記副ポンプが前記主ポンプの上流側に配置された真空ポンプ装置による水素ガスの排気方法であって、
    前記真空ポンプ装置の駆動中は、前記排気通路の水素ガスが最初に吸入される副ポンプの排気領域に、前記水素ガスより粘性率の高い希釈ガスを供給し、該希釈ガスの粘性を利用して前記水素ガスの移送性を向上させることを特徴とした水素ガスの排気方法。
  2. 前記排気領域への前記希釈ガスの供給量を、前記主ポンプ及び副ポンプの軸受周辺の保護のために供給される前記希釈ガスの供給量より多くしたことを特徴とする請求項1に記載の水素ガスの排気方法。
  3. 前記主ポンプは、該主ポンプの回転軸の軸方向に沿って複数段のポンプ室が並設されるとともに前記主ポンプの前記水素ガスの吸入口側のポンプ室から排気口側のポンプ室へ向かうに従い前記ポンプ室の容積が同等以下となるように形成された多段式のポンプであり、前記排気領域への前記希釈ガスの供給量の上限を、前記排気口側に位置する最終段のポンプ室への前記希釈ガスの供給量としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水素ガスの排気方法。
  4. 前記排気領域への前記希釈ガスの供給量を、前記水素ガスが最初に吸入される前記副ポンプの排気領域たる排気口での希釈ガスの濃度が5%以上になるように設定したことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の水素ガスの排気方法。
  5. 水素ガスの排気通路上に設けられ、主ポンプ及び少なくとも1つの副ポンプが直列に接続されるとともに、前記排気通路での水素ガスの排気方向において前記副ポンプが前記主ポンプの上流側に配置された真空ポンプ装置において、
    前記排気通路からの水素ガスが最初に吸入される副ポンプの排気領域に、前記水素ガスより粘性率の高い希釈ガスを供給する導入通路を連通させ、前記真空ポンプ装置の駆動中は前記導入通路を介して前記排気領域に前記希釈ガスが供給され、該希釈ガスの粘性を利用して前記水素ガスの移送性を向上させるように構成された真空ポンプ装置。
  6. 前記導入通路は、前記副ポンプのロータハウジングに設けられる請求項5に記載の真空ポンプ装置。
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