JP2011162546A - 蛍光化合物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 蛍光標識剤や蛍光プローブなどとして利用できる新規な蛍光化合物とその製造法を提供する。
【解決手段】 エステル構造を有するベンゾフラン誘導体とアセトアミド構造を有するベンゾフラン誘導体とを反応させて、蛍光性化合物である3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミド等のベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物を得、これら化合物を蛍光標識剤や蛍光プローブとする。
【選択図】 なし
【解決手段】 エステル構造を有するベンゾフラン誘導体とアセトアミド構造を有するベンゾフラン誘導体とを反応させて、蛍光性化合物である3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミド等のベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物を得、これら化合物を蛍光標識剤や蛍光プローブとする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、蛍光法に用いられる新規な蛍光化合物及びその製造方法に関する。
従来、簡便かつ高感度な光分析法として蛍光法が汎用されており、例えば、非特許文献1に示されるように、クマリンやフルオレセインなど多くの蛍光物質が蛍光標識剤や蛍光プローブとして用いられている。しかしながら、実用性の高いベンゾフラン骨格を有する蛍光試薬の開発は未だなされておらず、またベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する蛍光化合物の開発はされておらず、それら蛍光特性や分光特性は不明であった。
Chemical Reviews 109, 190-212, 2009
本発明の目的は、蛍光標識剤や蛍光プローブなどとして利用できる有用なベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する新規蛍光性化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、新規なベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物及びその製造方法を見出し、またその化合物が新規蛍光性化合物であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の蛍光化合物は、請求項1に記載のとおり、ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物であることを特徴とする。
請求項2記載の蛍光化合物は、請求項1記載の蛍光化合物において、前記蛍光化合物が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする。
(式中、R1、R2は同一でも異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基、メトキシ基、あるいは、フェニル基であり、R3は炭素数1〜2のアルキル基、あるいは、ベンジル基を表す。)
また、請求項3に記載の蛍光化合物は、請求項1に記載の蛍光化合物において、前記蛍光化合物が3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミド[3,4-bis(3-benzofuranyl)maleimide]であることを特徴とする。
また、本発明の蛍光標識剤は、請求項4に記載のとおり、ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物を含むものであることを特徴とする。
また、請求項5に記載の蛍光標識剤は、請求項4に記載の蛍光標識剤において、前記化合物が3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミドであることを特徴とする。
また、本発明の蛍光プローブは、請求項6に記載のとおり、ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物を含むものであることを特徴とする。
また、請求項7に記載の蛍光プローブは、請求項6に記載の蛍光プローブにおいて、前記化合物が3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミドであることを特徴とする。
また、本発明の蛍光化合物の製造方法は、請求項8に記載のとおり、ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物の製造方法であって、エステル構造を有するベンゾフラン誘導体とアセトアミド構造を有するベンゾフラン誘導体とを反応させることを特徴とする。
また、請求項9に記載の蛍光化合物の製造方法は、請求項8に記載の蛍光化合物の製造方法において、前記エステル構造を有するベンゾフラン誘導体がベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセト酢酸メチルエステル(Benzofuran-3-yl-oxo-acetic acid methyl ester)であって、前記アセトアミド構造を有するベンゾフラン誘導体が2−ベンゾフラン−3−イル−アセトアミド(2-Benzofuran-3-yl-acetamide)であることを特徴とする。
即ち、本発明の蛍光化合物は、請求項1に記載のとおり、ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物であることを特徴とする。
請求項2記載の蛍光化合物は、請求項1記載の蛍光化合物において、前記蛍光化合物が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の蛍光化合物は、請求項1に記載の蛍光化合物において、前記蛍光化合物が3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミド[3,4-bis(3-benzofuranyl)maleimide]であることを特徴とする。
また、本発明の蛍光標識剤は、請求項4に記載のとおり、ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物を含むものであることを特徴とする。
また、請求項5に記載の蛍光標識剤は、請求項4に記載の蛍光標識剤において、前記化合物が3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミドであることを特徴とする。
また、本発明の蛍光プローブは、請求項6に記載のとおり、ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物を含むものであることを特徴とする。
また、請求項7に記載の蛍光プローブは、請求項6に記載の蛍光プローブにおいて、前記化合物が3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミドであることを特徴とする。
また、本発明の蛍光化合物の製造方法は、請求項8に記載のとおり、ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物の製造方法であって、エステル構造を有するベンゾフラン誘導体とアセトアミド構造を有するベンゾフラン誘導体とを反応させることを特徴とする。
また、請求項9に記載の蛍光化合物の製造方法は、請求項8に記載の蛍光化合物の製造方法において、前記エステル構造を有するベンゾフラン誘導体がベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセト酢酸メチルエステル(Benzofuran-3-yl-oxo-acetic acid methyl ester)であって、前記アセトアミド構造を有するベンゾフラン誘導体が2−ベンゾフラン−3−イル−アセトアミド(2-Benzofuran-3-yl-acetamide)であることを特徴とする。
本発明によれば、構造内にベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する新規蛍光化合物3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミドを得られ、水含有溶媒中で蛍光可能な蛍光標識剤や蛍光プローブを提供することができる。
本発明の蛍光化合物は、前記のとおり、ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物である。
前記蛍光化合物は、下記一般式(1)で表される蛍光化合物であることが好ましい。
(式中、R1、R2は同一でも異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基、メトキシ基、あるいは、フェニル基であり、R3は炭素数1〜2のアルキル基、あるいは、ベンジル基を表す。)
前記ベンゾフラン骨格としては、前記一般式(1)で表したとおり、4,5,6及び7位にアルキル基(メチル基、エチル基)、メトキシ基及びフェニル基が置換基として導入された誘導体等が好ましい。
また、前記マレイミド骨格を有する化合物としては、前記一般式(1)で表したとおり、アルキル基(メチル基、エチル基)及びベンジル基が置換基として導入された誘導体等が好ましい。
また、前記ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物としては、例えば、3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミド、3,4−ビス(4,4’−ジメチルベンゾフラニル)マレイミド、4−ビス(4,4’−ジメトキシベンゾフラニル)マレイミド及び4−ビス(4,4’−ジフェニルベンゾフラニル)マレイミド等が挙げられる。
前記蛍光化合物は、下記一般式(1)で表される蛍光化合物であることが好ましい。
(式中、R1、R2は同一でも異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基、メトキシ基、あるいは、フェニル基であり、R3は炭素数1〜2のアルキル基、あるいは、ベンジル基を表す。)
前記ベンゾフラン骨格としては、前記一般式(1)で表したとおり、4,5,6及び7位にアルキル基(メチル基、エチル基)、メトキシ基及びフェニル基が置換基として導入された誘導体等が好ましい。
また、前記マレイミド骨格を有する化合物としては、前記一般式(1)で表したとおり、アルキル基(メチル基、エチル基)及びベンジル基が置換基として導入された誘導体等が好ましい。
また、前記ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物としては、例えば、3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミド、3,4−ビス(4,4’−ジメチルベンゾフラニル)マレイミド、4−ビス(4,4’−ジメトキシベンゾフラニル)マレイミド及び4−ビス(4,4’−ジフェニルベンゾフラニル)マレイミド等が挙げられる。
本発明蛍光化合物の化合物を蛍光標識剤や蛍光プローブとして使用する場合、本発明蛍光化合物の化合物によって蛍光標識、あるいは、蛍光プローブとして使用される物質の種類は特に制限されないが、ペプチド、タンパク質、核酸、脂質や糖鎖などの生理活性物質、あるいは、アガロースやセルロースなどの高分子担体などであってもよい。
本発明蛍光化合物の化合物を上記物質に結合する方法としては、化学的結合や物理的結合が挙げられる。化学的結合の場合、本発明蛍光化合物の側鎖にカルボキシル基やアミノ基を導入し、上記物質の置換基に反応させる方法が挙げられる。また、本発明蛍光化合物の化合物はリンカーを介して上記物質に結合してもよい。例えば、本発明蛍光化合物の化合物を固相に結合させてそれ自体を蛍光発光のセンサーとして用いることもできる。
本発明蛍光化合物の化合物を上記物質に結合する方法としては、化学的結合や物理的結合が挙げられる。化学的結合の場合、本発明蛍光化合物の側鎖にカルボキシル基やアミノ基を導入し、上記物質の置換基に反応させる方法が挙げられる。また、本発明蛍光化合物の化合物はリンカーを介して上記物質に結合してもよい。例えば、本発明蛍光化合物の化合物を固相に結合させてそれ自体を蛍光発光のセンサーとして用いることもできる。
本発明の蛍光標識剤は、ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物であるが、具体的には、水酸化カリウム及びピリジンなどの塩基存在下、アルキルハライド及び酸塩化物などと反応し、マレイミド骨格に新たな置換基が導入された蛍光体が生成される。また、マレイミド骨格に更にマレイミド基を導入した化合物は、SH基を有するシステインを含んだタンパク質の標識に使用される。
本発明の蛍光化合物の製造方法は、エステル構造を有するベンゾフラン誘導体とアセトアミド構造を有するベンゾフラン誘導体とを反応させるものである。
前記エステル構造を有するベンゾフラン誘導体としては、ベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセト酢酸メチルエステル、4-メチルベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセト酢酸メチルエステル、4-メトキシベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセト酢酸メチルエステル、4-フェニルベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセト酢酸メチルエステル等が挙げられる。
また、前記アセトアミド構造を有するベンゾフラン誘導体としては、ベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセトアミド、4-メチルベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセトアミド、4-メトキシベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセトアミド、4-フェニルベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセトアミドなどが挙げられる。
前記エステル構造を有するベンゾフラン誘導体としては、ベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセト酢酸メチルエステル、4-メチルベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセト酢酸メチルエステル、4-メトキシベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセト酢酸メチルエステル、4-フェニルベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセト酢酸メチルエステル等が挙げられる。
また、前記アセトアミド構造を有するベンゾフラン誘導体としては、ベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセトアミド、4-メチルベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセトアミド、4-メトキシベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセトアミド、4-フェニルベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセトアミドなどが挙げられる。
前記エステル構造を有するベンゾフラン誘導体と前記アセトアミド構造を有するベンゾフラン誘導体との反応は、前記エステル構造を有するベンゾフラン誘導体のテトラヒドロフラン溶液中、塩基であるtert-ブトキシカリウム存在下、前記アセトアミド構造を有するベンゾフラン誘導体を加え、室温で攪拌後、塩酸を加え還流する。その反応溶液に酢酸エチル及び水を加え、有機層をカラムクロマトグラフィーより精製すればよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されることはない。
(実施例1)
<3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミドの製造>
以下に示す化学反応式1乃至4の反応経路を経て3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミド(化合物D)を製造した。
<3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミドの製造>
以下に示す化学反応式1乃至4の反応経路を経て3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミド(化合物D)を製造した。
(1)化合物Aの合成
パラジウムジアセテート(0.22 g, 98 mmol)、2−ヨードフェノール(10.3 g, 47 mmol)、2,5−ジメトキシ−2,5−ジヒドロフラン(8.5 mL, 70 mmol)、エチルジイソプロピルアミン(16 mL, 93 mmol)及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(10.6 g, 47 mmol)をジメチルホルムアミド(120 mL)に溶解し、その溶液を70℃で7時間加熱する。その反応溶液をセライトでろ過し、ろ液にジエチルエーテルを加え、5 %食塩水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で有機層を洗浄する。その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、そのろ液を減圧濃縮した。その残渣のジクロロメタン溶液(150 mL)に、トリフルオロボロンアセテート(17 mL, 140 mmol)を加え、室温で9時間撹拌した。その反応溶液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、そのろ液を減圧濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=8:1、メタノール:クロロホルム=1:10)により化合物A(黄色オイル、収量1.94 g、収率21.9 %)を得た。化合物Aの1H-NMR測定結果及びFAB-MS測定結果は以下のとおりである。
1H-NMR (CDCl3): 3.69 (s, 2H, -CH2), 3.71 (s, 3H, -OCH3), 7.22-7.25 (m, 1H, ArH), 7.27-7.30 (m, 1H, ArH), 7.45-7.47 (m, 1H, ArH), 7.53-7.55 (m, 1H, ArH), 7.61 (s, 1H, ArH).
FAB-MS: m/z = 190 [M]+
パラジウムジアセテート(0.22 g, 98 mmol)、2−ヨードフェノール(10.3 g, 47 mmol)、2,5−ジメトキシ−2,5−ジヒドロフラン(8.5 mL, 70 mmol)、エチルジイソプロピルアミン(16 mL, 93 mmol)及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(10.6 g, 47 mmol)をジメチルホルムアミド(120 mL)に溶解し、その溶液を70℃で7時間加熱する。その反応溶液をセライトでろ過し、ろ液にジエチルエーテルを加え、5 %食塩水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で有機層を洗浄する。その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、そのろ液を減圧濃縮した。その残渣のジクロロメタン溶液(150 mL)に、トリフルオロボロンアセテート(17 mL, 140 mmol)を加え、室温で9時間撹拌した。その反応溶液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、そのろ液を減圧濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=8:1、メタノール:クロロホルム=1:10)により化合物A(黄色オイル、収量1.94 g、収率21.9 %)を得た。化合物Aの1H-NMR測定結果及びFAB-MS測定結果は以下のとおりである。
1H-NMR (CDCl3): 3.69 (s, 2H, -CH2), 3.71 (s, 3H, -OCH3), 7.22-7.25 (m, 1H, ArH), 7.27-7.30 (m, 1H, ArH), 7.45-7.47 (m, 1H, ArH), 7.53-7.55 (m, 1H, ArH), 7.61 (s, 1H, ArH).
FAB-MS: m/z = 190 [M]+
(2)化合物Bの合成
化合物A(0.96 g, 5.05 mmol)及び二酸化セレン(1.33 g, 11.9 mmol)にジオキサン(30 mL)を加え、その溶液を25時間還流する。その反応溶液をセライトでろ過し、セライト上を酢酸エチルで洗浄し、そのろ液を減圧濃縮する。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により化合物B(黄色固体、収量0.95 g、収率92 %)を得た。化合物Bの物性、1H-NMR測定結果、FAB-MS測定結果及び元素分析結果は以下のとおりである。
mp: 68-71℃.
1H-NMR (CDCl3): 3.97 (s, 3H, -OCH3), 7.38-7.42 (m, 2H, ArH), 7.53-7.56 (m, 1H, ArH), 8.26-8.28 (m, 1H, ArH), 8.88 (s, 1H, ArH).
FAB-MS: m/z = 205 [M+H]+.
元素分析 C11H8O4
計算値(%) 実測値(%)
C 64.71 64.60
H 3.95 3.98
化合物A(0.96 g, 5.05 mmol)及び二酸化セレン(1.33 g, 11.9 mmol)にジオキサン(30 mL)を加え、その溶液を25時間還流する。その反応溶液をセライトでろ過し、セライト上を酢酸エチルで洗浄し、そのろ液を減圧濃縮する。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により化合物B(黄色固体、収量0.95 g、収率92 %)を得た。化合物Bの物性、1H-NMR測定結果、FAB-MS測定結果及び元素分析結果は以下のとおりである。
mp: 68-71℃.
1H-NMR (CDCl3): 3.97 (s, 3H, -OCH3), 7.38-7.42 (m, 2H, ArH), 7.53-7.56 (m, 1H, ArH), 8.26-8.28 (m, 1H, ArH), 8.88 (s, 1H, ArH).
FAB-MS: m/z = 205 [M+H]+.
元素分析 C11H8O4
計算値(%) 実測値(%)
C 64.71 64.60
H 3.95 3.98
(3)化合物Cの合成
化合物A(0.98 g, 5.15 mmol)に0℃(氷冷下)で28 %アンモニア水溶液(30 mL)を加え、窒素雰囲気下、その溶液を50℃で57時間加熱する。その反応溶液を減圧濃縮し、酢酸エチル及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム:メタノール=5:1)により化合物C(無色固体、収量0.51 g、収率56.5 %)を得た。化合物Cの物性、1H-NMR測定結果、FAB-MS測定結果及び元素分析結果は以下のとおりである。
mp: 189-190℃.
1H-NMR (DMSO-d6): 3.47 (s, 2H, -CH2), 6.93 (bs, 1H, NH2), 7.22-7.31 (m, 2H, ArH), 7.49 (bs, 1H, NH2), 7.52-7.54 (d, 1H, J = 8 Hz, ArH), 7.61-7.63 (d, 1H, J = 7 Hz, ArH), 7.8 (s, 1H, ArH)
FAB-MS: m/z = 176 [M+H]+.
元素分析 C10H9NO2
計算値(%) 実測値(%)
C 68.56 68.48
H 5.18 5.20
N 8.00 7.97
化合物A(0.98 g, 5.15 mmol)に0℃(氷冷下)で28 %アンモニア水溶液(30 mL)を加え、窒素雰囲気下、その溶液を50℃で57時間加熱する。その反応溶液を減圧濃縮し、酢酸エチル及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム:メタノール=5:1)により化合物C(無色固体、収量0.51 g、収率56.5 %)を得た。化合物Cの物性、1H-NMR測定結果、FAB-MS測定結果及び元素分析結果は以下のとおりである。
mp: 189-190℃.
1H-NMR (DMSO-d6): 3.47 (s, 2H, -CH2), 6.93 (bs, 1H, NH2), 7.22-7.31 (m, 2H, ArH), 7.49 (bs, 1H, NH2), 7.52-7.54 (d, 1H, J = 8 Hz, ArH), 7.61-7.63 (d, 1H, J = 7 Hz, ArH), 7.8 (s, 1H, ArH)
FAB-MS: m/z = 176 [M+H]+.
元素分析 C10H9NO2
計算値(%) 実測値(%)
C 68.56 68.48
H 5.18 5.20
N 8.00 7.97
(4)化合物Dの合成
化合物B(0.43 g, 2.1 mmol)及び化合物C(0.37 g, 2.1 mmol)にテトラヒドロフラン(46 mL)を加え、室温で5分間攪拌する。窒素雰囲気下、0℃(氷冷下)でその溶液に1Mのtert-ブチルオキシカリウムのテトラヒドロフラン溶液(6 mL, 6 mmol)を滴下し、室温で46時間撹拌する。その反応溶液に35%塩酸水溶液(1 mL)を加え、室温で2時間撹拌し、更に50℃で1時間加熱する。その反応溶液に酢酸エチル(200 mL)及び水(70 mL)を加え、その有機層を5%食塩水(120 mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ベンゼン100 %、ヘキサン:テトラヒドロフラン=4:1)により化合物D(黄色固体、収量0.04 g、収率5.7 %)を得た。
化合物B(0.43 g, 2.1 mmol)及び化合物C(0.37 g, 2.1 mmol)にテトラヒドロフラン(46 mL)を加え、室温で5分間攪拌する。窒素雰囲気下、0℃(氷冷下)でその溶液に1Mのtert-ブチルオキシカリウムのテトラヒドロフラン溶液(6 mL, 6 mmol)を滴下し、室温で46時間撹拌する。その反応溶液に35%塩酸水溶液(1 mL)を加え、室温で2時間撹拌し、更に50℃で1時間加熱する。その反応溶液に酢酸エチル(200 mL)及び水(70 mL)を加え、その有機層を5%食塩水(120 mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ベンゼン100 %、ヘキサン:テトラヒドロフラン=4:1)により化合物D(黄色固体、収量0.04 g、収率5.7 %)を得た。
得られた化合物Dについて化合物Bの物性、1H-NMR(500 MHz、測定温度:30℃、測定溶媒:DMSO(ジメチルスルホキシド))測定結果及びFAB-MS(マトリックス:グリセロール、ポジティブ測定)測定結果は以下のとおりである。また、1H-NMR測定結果を図1に示した。また、図2にFAB-MSの測定結果を示した。
mp: 207-211℃.
1H-NMR (DMSO-d6): 6.95-6.97 (m, 2H, ArH), 6.98 (d, J = 1.5 Hz, 2H, ArH), 7.23-7.26 (m, 2H, ArH), 7.6 (d, J = 8.5 Hz, 2H, ArH), 8.36 (s, 2H, ArH), 11.4 (s, 1H, maleimide NH).
FAB-MS: m/z = 330 [M+H]+.
1H-NMR (DMSO-d6): 6.95-6.97 (m, 2H, ArH), 6.98 (d, J = 1.5 Hz, 2H, ArH), 7.23-7.26 (m, 2H, ArH), 7.6 (d, J = 8.5 Hz, 2H, ArH), 8.36 (s, 2H, ArH), 11.4 (s, 1H, maleimide NH).
FAB-MS: m/z = 330 [M+H]+.
得られた化合物Dについて、元素分析結果は以下のとおりである。
元素分析 C20H11NO4
計算値(%) 実測値(%)
C 72.95 72.87
H 3.37 3.48
N 4.25 4.25
計算値(%) 実測値(%)
C 72.95 72.87
H 3.37 3.48
N 4.25 4.25
得られた化合物Dを各種の溶媒に溶かした場合の蛍光スペクトルを測定した。その測定結果を表1及び図3に示した。
*b Φf 蛍光量子収率
*c 50%MeOH水溶液中に溶かした場合を100とする蛍光強度
*d Φf及びRFIはフォトブリーチングのため測定不可
表1において、100 % DMF中に溶かした場合、フォトブリーチングが起こり、25分程度でほとんど蛍光がみられなくなった。100 % MeOH中に溶かした場合、フォトブリーチングは少し起ったが、100 % DMF に溶かした場合と比べて、強くなかった。50 % DMFおよび50 % MeOH水溶液中に溶かした場合、フォトブリーチングは見られなかった
本願発明の蛍光化合物は、蛍光現象研究用の試薬やバイオ分野における蛍光標識剤や蛍光プローブとしての利用が可能である。
Claims (9)
- ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物であることを特徴とする蛍光化合物。
- 前記蛍光化合物が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光化合物。
- 前記蛍光化合物が3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミドであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光化合物。
- ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物を含むものであることを特徴とする蛍光標識。
- 前記化合物が3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミドであることを特徴とする請求項4に記載の蛍光標識。
- ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する化合物を含むものであることを特徴とする蛍光プローブ。
- 前記化合物が3,4−ビス(3−ベンゾフラニル)マレイミドであることを特徴とする請求項6に記載の蛍光プローブ。
- ベンゾフラン骨格及びマレイミド骨格を有する蛍光化合物の製造方法であって、エステル構造を有するベンゾフラン誘導体とアセトアミド構造を有するベンゾフラン誘導体とを反応させることを特徴とする蛍光化合物の製造方法。
- 前記エステル構造を有するベンゾフラン誘導体がベンゾフラン−3−イル−オキソ−アセト酢酸メチルエステルであって、前記アセトアミド構造を有するベンゾフラン誘導体が2−ベンゾフラン−3−イル−アセトアミドであることを特徴とする請求項8に記載の蛍光化合物の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019044739A1 (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-07 | 国立大学法人京都工芸繊維大学 | 蛍光体及びその利用 |
-
2011
- 2011-02-07 JP JP2011023774A patent/JP2011162546A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019044739A1 (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-07 | 国立大学法人京都工芸繊維大学 | 蛍光体及びその利用 |
JPWO2019044739A1 (ja) * | 2017-08-31 | 2020-12-03 | 国立大学法人京都工芸繊維大学 | 蛍光体及びその利用 |
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