JP2011162524A - 非希釈液体口腔用組成物及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第4級アンモニウム塩型殺菌剤及びグリチルリチン酸二カリウムの少なくともいずれか((A)成分)と、多価アルコール及び糖アルコールの少なくともいずれか((B)成分)と、ヒドロキシエチルセルロース((C)成分)と、を少なくとも含有し、25℃における粘度が10mPa・s〜100mPa・sである非希釈液体口腔用組成物であり、前記多価アルコールが、ポリエチレングリコール、少なくとも3重合であるポリプロピレングリコール、グリセリン、及びポリグリセリンの少なくともいずれかであり、前記(B)成分の含有量が5質量%〜20質量%であり、前記(C)成分の重量平均分子量が10万〜110万である非希釈液体口腔用組成物である。
【選択図】なし
Description
したがって、殺菌作用や抗炎症作用と、保湿作用とを兼ね備えた口腔用組成物が求められているのが現状である。
しかし、界面活性能を有する第4級アンモニウム塩型殺菌剤や、消炎剤であるグリチルリチン酸二カリウムは、口腔内で製剤を移動させたり、うがいをしたりすると泡立つ性質を有しており、口腔内を保湿する目的で高濃度で使用したり、口腔用組成物にとろみを付与すると使用性の悪さが問題となる。
このような苦味や刺激を低下し、口腔内に保湿感を付与する目的で高分子や多価アルコールを配合した場合、更に泡立ちが増強されてしまう問題がある。
そこで、携帯性がよく、泡立ちが少なく、使用後にべたつきを感じることなく口腔内の保湿感に優れ、かつ殺菌作用及び抗炎症作用を有し、苦味及び刺激のない使用感のよい非希釈液体口腔用組成物及びその使用方法の提供が望まれているのが現状である。
また、炭素数2〜6のアルカンジオール((D)成分)を更に含有することで、泡立ち抑制作用が向上することを見出した。
<1> 第4級アンモニウム塩型殺菌剤及びグリチルリチン酸二カリウムの少なくともいずれか((A)成分)と、多価アルコール及び糖アルコールの少なくともいずれか((B)成分)と、ヒドロキシエチルセルロース((C)成分)と、を少なくとも含有し、25℃における粘度が10mPa・s〜100mPa・sである非希釈液体口腔用組成物であり、前記多価アルコールが、ポリエチレングリコール、少なくとも3重合であるポリプロピレングリコール、グリセリン、及びポリグリセリンの少なくともいずれかであり、前記(B)成分の含有量が5質量%〜20質量%であり、前記(C)成分の重量平均分子量が10万〜110万であることを特徴とする非希釈液体口腔用組成物である。
<2> 炭素数2〜6のアルカンジオール((D)成分)を更に含有し、前記(D)成分の含有量が5質量%〜20質量%である前記<1>に記載の非希釈液体口腔用組成物である。
<3> 含嗽剤である前記<1>から<2>のいずれかに記載の非希釈液体口腔用組成物である。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の非希釈液体口腔用組成物を希釈せずに用いることを特徴とする使用方法である。
本発明の非希釈液体口腔用組成物は、第4級アンモニウム塩型殺菌剤及びグリチルリチン酸二カリウムの少なくともいずれか((A)成分)と、多価アルコール及び糖アルコールの少なくともいずれか((B)成分)と、ヒドロキシエチルセルロース((C)成分)と、を少なくとも含有し、必要に応じて、更に炭素数2〜6のアルカンジオール((D)成分)、その他の成分を含有する。
本発明の使用方法は、本発明の前記非希釈液体口腔用組成物を希釈せずに用いる方法である。
以下、前記非希釈液体口腔用組成物の説明と併せて、前記非希釈液体口腔用組成物の使用方法についても説明する。
前記(A)成分である第4級アンモニウム塩型殺菌剤及びグリチルリチン酸二カリウムの少なくともいずれかは、殺菌作用及び抗炎症作用の少なくともいずれかを付与する目的で配合される。
前記第4級アンモニウム塩型殺菌剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記グリチルリチン酸二カリウムは、C42H60K2O16で表される抗炎症作用を有する化合物である。
前記グリチルリチン酸二カリウムを入手する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成する方法、植物より抽出する方法、市販品を用いる方法などが挙げられる。
前記非希釈液体口腔用組成物における前記(A)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.001質量%〜0.02質量%が好ましく、0.002質量%〜0.01質量%がより好ましい。前記(A)成分の含有量が、0.001質量%未満であると、殺菌作用及び抗炎症作用の少なくともいずれかが低下することがある。
前記(A)成分が第4級アンモニウム塩型殺菌剤である場合、前記第4級アンモニウム塩型殺菌剤の含有量が0.02質量%を超えると、苦味が強くなり使用が困難となることがある。
前記(A)成分がグリチルリチン酸二カリウムである場合、前記グリチルリチン酸二カリウムの含有量が0.02質量%を超えると、甘味が強くなり使用が困難となることがある。
前記(B)成分である多価アルコール及び糖アルコールの少なくともいずれかは、口腔内に保湿によるうるおい感を付与する目的で配合される。
前記(B)成分が糖アルコールである場合、その種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マルチトール、キシリトール、イノシトール、ソルビトールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記(B)成分は、香味と保湿感付与の観点から、グリセリン、ソルビトールが好ましい。
前記(C)成分であるヒドロキシエチルセルロースは、口腔内に保湿によるうるおい感を付与する目的で配合される。
一方、前記重量平均分子量が10万〜110万であると、うがい時の泡立ちやべたつき感が少なく、使用感を向上させることができる点で好ましい。
オートサンプラー(model123、システムインスツルメンツ製)
ポンプ(DS−4、昭和電工株式会社製)
カラムオーブン(SSC−2100、株式会社センシュー科学製)
多角度光散乱検出器(MALLS:検出波長632.8nm)(DAWN DSP−F、Wyatt Technology製)
示差屈折率計(RI−71:D2ランプ、昭和電工株式会社製)
カラム:α−M+α−2500(東ソー株式会社製)
試料濃度:1,000ppm
試料溶媒、移動相:0.1mol/L塩化ナトリウム
温度:40℃
流速:0.5mL/分間
標準物質:プルラン(SHODEX P−50(分子量5万)、昭和電工株式会社製)
前記BM型粘度計で測定する際、前記(C)成分の粘度が10mPa・s以上1,000mPa・s未満の場合は、試料温度25℃にて、ローターNo.2、回転数30rpm、1分間後の粘度を測定することが好ましい。
前記(C)成分の粘度が1,000mPa・s以上10,000mPa・s未満の場合は、試料温度25℃にて、ローターNo.4、回転数60rpm、1分間後の粘度を測定することが好ましい。
前記非希釈液体口腔用組成物は、更に(D)成分である炭素数2〜6のアルカンジオールを配合することが、泡立ちを抑制する点で好ましい。
これらの中でも、前記(D)成分は、プロピレングリコールが、泡立ちを抑制する作用が高い点で好ましい。
前記非希釈液体口腔用組成物の粘度としては、10mPa・s〜100mPa・sであるが、10mPa・s〜60mPa・sが好ましい。前記粘度が10mPa・s未満であると、十分な保湿感を実感することができないことがあり、100mPa・sを超えると、べたつきが強くなり使用感が悪くなることがある。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、デンプン、エタノール等の薬理学的に許容され得る担体や各種添加剤などが挙げられる。
前記非希釈液体口腔用組成物における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて適宜選択することができる。
前記非希釈液体口腔用組成物において、組成物に防腐力を付与するためにエタノールを配合する場合がある。また、使用感を向上させるため前記香料などを一般的に配合することがあるが、該香料などの配合成分からエタノールがキャリーオーバーすることがある。その場合、エタノールを実質的に含まないことで、エタノールに対して過敏な人や子供の使用において、刺激やほてりを感じることなく使用することができる点で好ましい。
前記非希釈液体口腔用組成物は、1種単独で使用してもよいし、他の成分を有効成分とする非希釈液体口腔用組成物と併せて使用してもよい。また、前記非希釈液体口腔用組成物は、他の成分を有効成分とする非希釈液体口腔用組成物に、配合された状態で使用してもよい。
前記非希釈液体口腔用組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記(C)成分を除く成分により混合液を調製した後、該混合液を攪拌しながら前記(C)成分を少量ずつ添加しながら膨潤させる方法が好ましい。これにより、前記非希釈液体口腔用組成物に適度な粘度を付与することができる。
前記非希釈液体口腔用組成物は、希釈せずに使用するものである。前記非希釈液体口腔用組成物を希釈せず用いることで、前記非希釈液体口腔用組成物中の各成分が高濃度で口腔内に作用することができ、保湿感を向上させることができ、その持続性も向上させることができる。更に、希釈に用いる水が不用であるためいつでも使用することができ、携帯性に優れる点でも好ましい。
前記非希釈液体口腔用組成物は、携帯性がよく、泡立ちが少なく、使用後にべたつきを感じることなく口腔内の保湿感に優れ、かつ殺菌作用及び抗炎症作用を有し、苦味及び刺激がなく使用感がよいため、含嗽液、口中清涼液、洗口液等として好適に利用可能である。
また、前記非希釈液体口腔用組成物の使用方法は、口腔内を殺菌し、炎症を抑制しながら保湿する方法として好適に利用可能である。
実施例1〜19及び比較例1〜4の非希釈液体口腔用組成物は、以下のように調製した。
約40℃の温度条件下で、表1〜4の組成に従い、(A)成分、(B)成分、及び精製水をビーカーに添加し、攪拌子で攪拌して混合液を調製した。(D)成分を配合する場合(実施例17〜19)は、前記混合液に(D)成分を更に添加する。この混合液を攪拌しながら、少量ずつ(C)成分を添加し、膨潤させることで、実施例1〜19及び比較例1〜4の非希釈液体口腔用組成物を得た。
実施例1〜19及び比較例1〜4において、表1〜4の組成に代えて、表5の組成に従い(C)成分を添加しなかったこと以外は、実施例1〜19及び比較例1〜4と同様の方法で比較例5の非希釈液体口腔用組成物を得た。
実施例1〜19及び比較例1〜4において、表1〜4の組成に代えて、表5の組成に従い、(C)成分に代えて(C’)成分を配合したこと以外は、実施例1〜19及び比較例1〜4と同様の方法で比較例6〜9の非希釈液体口腔用組成物を得た。
実施例1〜19及び比較例1〜9の粘度は、BM型粘度計(株式会社東京計器製)を用いて、試料温度25℃にて、ローターNo.1、回転数60rpm、1分間後の粘度を測定した。結果を表1〜5に示す。
実施例1〜19及び比較例1〜9の非希釈液体口腔用組成物10gを使用し、10秒間うがいした時の泡立ちについて、パネリスト10名により下記評価基準に従い官能評価を行った。パネリスト10名の評価の平均値を算出し、下記判定基準に基づき判定を行った。結果を表1〜5に示す。
[評価基準]
5点:全く泡立たない
4点:やや泡立つが、口からこぼれない
3点:泡立ち、口の縁まで泡がくるが、口からこぼれない
2点:かなり泡立ち、泡が口の縁から出て、破泡飛沫が顔にかかる
1点:非常に泡立ち、泡が口の縁から流れ出る
[判定基準]
◎ :4.5点以上5.0点以下
◎〜○:4.0点以上4.5未満
○ :3.0点以上4.0点未満
△ :2.0点以上3.0点未満
× :2.0点未満
実施例1〜19及び比較例1〜9の非希釈液体口腔用組成物10gを使用し、10秒間うがいし、吐き出した後の口の中のうるおい感について、パネルリスト10名により下記評価基準に従い官能評価を行った。パネリスト10名の評価の平均値を算出し、下記判定基準に基づき判定を行った。結果を表1〜5に示す。
[評価基準]
5点:非常にうるおいを感じる
4点:かなりうるおいを感じる
3点:うるおいを感じる
2点:ややうるおいを感じる
1点:うるおいを感じない
[判定基準]
◎ :4.5点以上5.0点以下
◎〜○:4.0点以上4.5未満
○ :3.0点以上4.0点未満
△ :2.0点以上3.0点未満
× :2.0点未満
実施例1〜19及び比較例1〜9の非希釈液体口腔用組成物10gを使用し、10秒間うがいし、吐き出した後の口の中のべたつき感について、パネルリスト10名により下記評価基準に従い官能評価を行った。パネリスト10名の評価の平均値を算出し、下記判定基準に基づき判定を行った。結果を表1〜5に示す。
[評価基準]
5点:全くべたつきを感じない
4点:わずかにべたつきを感じる
3点:ややべたつきを感じる
2点:べたつきを感じる
1点:かなりべたつきを感じる
[判定基準]
◎ :4.5点以上5.0点以下
◎〜○:4.0点以上4.5未満
○ :3.0点以上4.0点未満
△ :2.0点以上3.0点未満
× :2.0点未満
実施例1〜19及び比較例1〜9の非希釈液体口腔用組成物10gを使用し、10秒間うがいし、吐き出した後の口の中の苦味について、パネルリスト10名により下記評価基準に従い官能評価を行った。パネリスト10名の評価の平均値を算出し、下記判定基準に基づき判定を行った。結果を表1〜5に示す。
[評価基準]
5点:苦味がない
4点:わずかに苦味がある
3点:やや苦味がある
2点:苦味がある
1点:かなり苦味がある
[判定基準]
◎ :4.5点以上5.0点以下
◎〜○:4.0点以上4.5未満
○ :3.0点以上4.0点未満
△ :2.0点以上3.0点未満
× :2.0点未満
実施例1〜19及び比較例1〜9の非希釈液体口腔用組成物製剤10gを使用し、10秒間うがいし、吐き出した後の口の中の刺激について、パネルリスト10名により下記評価基準に従い官能評価を行った。パネリスト10名の評価の平均値を算出し、下記判定基準に基づき判定を行った。結果を表1〜5に示す。
[評価基準]
5点:刺激がない
4点:わずかに刺激がある
3点:やや刺激がある
2点:刺激がある
1点:かなり刺激がある
[判定基準]
◎ :4.5点以上5.0点以下
◎〜○:4.0点以上4.5未満
○ :3.0点以上4.0点未満
△ :2.0点以上3.0点未満
× :2.0点未満
非希釈液体口腔用組成物は、エタノールを実質的に含まないことが望ましい。そこで、エタノールの影響について検討した。
実施例1〜19及び比較例1〜4において、表1〜4の組成に代えて、表6の組成に従いエタノールを更に配合したこと以外は、実施例1〜19及び比較例1〜4と同様の方法で実施例20の非希釈液体口腔用組成物を得た。
実施例1〜19及び比較例1〜4において、表1〜4の組成に代えて、以下の組成に従ったこと以外は、実施例1〜19及び比較例1〜4と同様の方法で実施例21の非希釈液体口腔用組成物を得た。
塩化セチルピリジニウム(*1) 0.005%
グリチルリチン酸二カリウム(*4) 0.005%
グリセリン 10.0%
ヒドロキシエチルセルロース(重量平均分子量12万)(*6) 2.9%
プロピレングリコール 10.0%
メントール 0.005%
ユーカリ油(*15) 0.0005%
黄色5号 0.00015%
青色1号 0.00005%
香料 0.1%
サッカリンナトリウム水和物 0.0005%
精製水 残部
合計 100%
粘度 30mPa・s(25℃)
また、前記非希釈液体口腔用組成物の使用方法は、口腔内を殺菌し、炎症を抑制しながら保湿する方法として好適に利用可能である。
Claims (4)
- 第4級アンモニウム塩型殺菌剤及びグリチルリチン酸二カリウムの少なくともいずれか((A)成分)と、多価アルコール及び糖アルコールの少なくともいずれか((B)成分)と、ヒドロキシエチルセルロース((C)成分)と、を少なくとも含有し、25℃における粘度が10mPa・s〜100mPa・sである非希釈液体口腔用組成物であり、
前記多価アルコールが、ポリエチレングリコール、少なくとも3重合であるポリプロピレングリコール、グリセリン、及びポリグリセリンの少なくともいずれかであり、
前記(B)成分の含有量が5質量%〜20質量%であり、
前記(C)成分の重量平均分子量が10万〜110万であることを特徴とする非希釈液体口腔用組成物。 - 炭素数2〜6のアルカンジオール((D)成分)を更に含有し、前記(D)成分の含有量が5質量%〜20質量%である請求項1に記載の非希釈液体口腔用組成物。
- 含嗽剤である請求項1から2のいずれかに記載の非希釈液体口腔用組成物。
- 請求項1から3のいずれかに記載の非希釈液体口腔用組成物を希釈せずに用いることを特徴とする使用方法。
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