JP6798873B2 - 口腔用エアゾール剤 - Google Patents

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Description

本発明は、口腔用エアゾール剤に関する。
従来より、口腔内における分散性を高めるうえで、口腔用組成物をエアゾール容器に充填し、使用時に噴射させて適用するのが有効であることが知られており、種々のものが開発されている。
例えば、特許文献1には、アニオン性界面活性剤、グリセリン等の湿潤剤、及びイソプロピルメチルフェノール等を含有する歯磨組成物が、液化ガス等の噴射剤とともに充填されてなるエアゾール歯磨剤組成物が開示され、口腔内におけるイソプロピルメチルフェノールによる殺菌効果を高める試みがなされており、グリチルレチン酸等の有効成分も配合し得ることが示されている。
また、噴射剤として二酸化炭素(炭酸ガス)を用いることにより発泡を生じさせる技術も開発されており、例えば、特許文献2には、アルギニンやカナバニン等と二酸化炭素を含有するガスとを、エアゾール型等の密閉容器に充填し得る口腔用組成物が開示され、トコフェロール等の薬効成分も配合可能である。
特開2011−256125号公報 特開平7−258053号公報
ところで、歯周病等の歯科疾患に罹患していない健常者であっても、加齢とともに歯肉が退縮するなど、歯肉の老化に伴う歯肉トラブルが発生することが知られており、特に中高年層において、歯肉を若々しく保つことに関心が寄せられている。
こうしたなか、本発明者らは、歯肉の健常性を維持するためには、二酸化炭素による血流促進効果が有効であることに着目し、これを噴射剤とするエアゾール口腔用組成物の検討を進めた。
しかしながら、本発明者らが口腔用組成物における有用な成分として種々の薬効成分や香料を含む口腔用組成物を得ようと試みたところ、グリチルレチン酸等の薬効成分や香料のような油溶性成分を配合した場合、二酸化炭素が共存していると、保存中の温度変化によっては組成物が白濁する、組成物中に析出物が発生するという場合があることが新たに判明した。そして、上記特許文献に記載の技術を適用したとしても、こうした白濁や析出物の発生を有効に抑制することは困難であることも判明したため、さらなる検討を要する状況にあった。
すなわち、本発明は、二酸化炭素を含有する噴射剤を用いて歯肉の健常性を維持することに加え、薬効成分や香料による所望の効用や香味等をも充分に享受することのできる口腔用エアゾール剤に関する。
そこで本発明者は、さらなる検討を進めたところ、原液と二酸化炭素を含有する噴射剤とを含む口腔用エアゾール剤において、特定量の薬効成分等の油溶性成分と水を含有しつつ、特定の2価アルコールと特定のノニオン界面活性剤とを特定の量的関係を有するよう含有する原液を用いることにより、低温から高温なる幅広い温度域において高い保存安定性を確保し、二酸化炭素のみならず、薬効成分や香料による所望の作用効果を充分に発揮させることのできる口腔用エアゾール剤が得られることを見出した。
したがって、本発明は、原液(X)と、炭酸ガスを含有する噴射剤(Y)とを含む口腔用エアゾール剤であって、
原液(X)が次の成分(a)、(b)、(c)、及び(d):
(a)20℃で液体の2価アルコール 5質量%以上15質量%以下、
(b)薬効成分、香料、及びp−オキシ安息香酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の油溶性成分 0.1質量%以上1.5質量%以下、
(c)ポリオキシエチレン基を有するノニオン界面活性剤、及び
(d)水 60質量%以上93質量%以下
を含有し、かつ成分(a)の含有量と成分(c)の含有量との質量比((a)/(c))が5以上15以下である口腔用エアゾール剤に関する。
本発明の口腔用エアゾール剤によれば、二酸化炭素の作用効果により歯肉の健常性を維持するとともに、かかる二酸化炭素と油溶性成分とが共存しながらも幅広い温度域において高い保存安定性を確保することができるため、充填されてなるエアゾール容器から噴射された後においても、長期にわたり薬効成分や香料等の油溶性成分による所望の効用や作用等を充分に享受することが可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の口腔用エアゾール剤に含まれる原液(X)は、成分(a)として、20℃で液体の2価アルコールを5質量%以上15質量%以下含有する。かかる成分(a)をこのような量で含有することにより、使用時に噴射剤(Y)由来の二酸化炭素が共存することとなる際にも、後述する成分(c)と相まって、保存中の白濁や析出物の発生を抑制し、温度変化にも左右されることなく良好な保存安定性を確保することができる。
かかる成分(a)としては、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、後述する成分(c)と相まって幅広い温度領域で保存安定性を高める観点、及び口中に含んだ際における風味の観点から、プロピレングリコールが好ましい。
成分(a)の含有量は、幅広い温度域で良好な保存安定性を保持する観点から、原液(X)中に、5質量%以上であって、好ましくは6質量%以上であり、より好ましくは7質量%以上であり、さらに好ましくは8質量%以上である。また、成分(a)の含有量は、幅広い温度領域、特に低温条件下での保存安定性を良好にする観点から、原液(X)中に、15質量%以下であって、好ましくは14質量%以下であり、より好ましくは13質量%以下であり、さらに好ましくは12質量%以下である。そして、成分(a)の含有量は、原液(X)中に、5質量%以上15質量%以下であって、好ましくは6〜14質量%であり、より好ましくは7〜13質量%であり、さらに好ましくは8〜12質量%である。
原液(X)は、成分(b)として、薬効成分、香料、及びp−オキシ安息香酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の油溶性成分を0.1質量%以上1.5質量%以下含有する。これにより、良好な溶解性を保持しながら、成分(b)により本来奏されるべき所望の作用効果を充分に享受することができる。
油溶性成分である薬効成分としては、具体的には、アズレン類、トリクロサン、ヒノキチオール、ジヒドロコレステロール、ジヒドロアビエチン酸、グリチルレチン酸、トコフェロール及びその誘導体、並びにイソプロピルメチルフェノールから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらにより、抗炎症作用、歯槽骨吸収抑制作用、ヒスタミン遊離抑制作用、血行促進作用等をもたらすことができ、また歯周炎や歯周病等の予防改善作用をもたらすことも可能となる。なかでも、グリチルレチン酸、トコフェロール及びその誘導体、並びにイソプロピルメチルフェノールから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
グリチルレチン酸としては、α−グリチルレチン酸、β−グリチルレチン酸、グリチルリチン酸等が挙げられる。なかでもβ−グリチルレチン酸が好ましい。
トコフェロール及びその誘導体としては、トコフェロールの他、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール及びニコチン酸トコフェロール等が挙げられる。なかでも、酢酸トコフェロールが好ましく、酢酸−DL−α−トコフェロールがより好ましい。
油溶性成分である香料としては、ペパーミント油、スペアミント油、シナモン油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、セージクラリー油、ナツメグ油、ファンネル油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、バジル油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ジンジャ−油、グレープフルーツ油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、レモンバーム油、ピメントベリー油、パルマローザ油、オリバナム油、パインニードル油、ペチグレン油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油等の天然香料成分、及びこれら天然香料成分を加工処理した香料成分;メントール、プレゴール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、シトロネリルアセテート、リナロール、リナリルアセテート、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、シトロネロール、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビルアセテート、ジヒドロカルビルアセテート、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、カンファー、ラクトン、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブチルアセテート、イソアミルアセテート、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、メチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料成分;ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料成分が挙げられる。
p−オキシ安息香酸エステルとしては、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル等が挙げられる。
成分(b)の含有量は、成分(b)により本来奏されるべき所望の作用効果を充分に確保する観点から、原液(X)中に、0.1質量%以上であって、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上である。また、成分(b)の含有量は、幅広い温度域で良好な保存安定性を保持する観点から、原液(X)中に、1.5質量%以下であって、好ましくは1.3質量%以下であり、より好ましくは1.1質量%以下である。そして、成分(b)の含有量は、原液(X)中に、0.1質量%以上1.5質量%以下であって、好ましくは0.2〜1.3質量%であり、より好ましくは0.4〜1.1質量%である。
原液(X)における成分(a)の含有量と成分(b)の含有量との質量比((a)/(b))は、保存時における白濁や析出物の発生を抑制し、幅広い温度域で良好な保存安定性を保持する観点から、好ましくは8以上であり、より好ましくは9以上であり、さらに好ましくは10以上である。また、原液(X)における成分(a)の含有量と成分(b)の含有量との質量比((a)/(b))は、成分(b)により本来奏されるべき所望の作用効果と、保存時における白濁や析出物の発生を抑制しつつ、幅広い温度域での良好な保存安定性とをバランスよく発揮させる観点から、好ましくは20以下であり、より好ましくは18以下であり、さらに好ましくは17以下である。そして、原液(X)における成分(a)の含有量と成分(b)の含有量との質量比((a)/(b))は、好ましくは8〜20であり、より好ましくは9〜18であり、さらに好ましくは10〜17である。
原液(X)は、成分(c)として、ポリオキシエチレン基を有するノニオン界面活性剤を含有する。成分(c)は成分(a)と相まって、噴射剤中に存在する二酸化炭素によって組成物の保存安定性が低下してしまうのを有効に抑制することができる。このような効果が得られる理由は定かではないが、成分(a)が有する水酸基と成分(c)が有するポリオキシエチレン基が程よく相互作用し、保存安定性の向上に寄与するものと推測される。
かかる成分(c)としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、モノセチルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体;ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリオキシエチレンラノリン及びラノリンアルコール;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;脂肪酸エタノールアミドから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
また、ポリオキシエチレン基の付加モル数は、20〜80が好ましく、20〜60がより好ましい。
なかでも、成分(a)とともに保存時における白濁や析出物の発生を抑制し、幅広い温度範囲で保存安定性を効果的に高める観点から、ポリオキシエチレン基の付加モル数が20〜60のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及びポリオキシエチレン基の付加モル数が20〜80のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリオキシエチレン基の付加モル数が20〜60のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましい。
成分(c)の含有量は、保存時における白濁や析出物の発生を抑制し、幅広い温度域での良好な保存安定性を確保する観点から、原液(X)中に、好ましくは0.3質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、成分(c)の含有量は、幅広い温度域で良好な保存安定性を保持する観点から、原液(X)中に、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは2.5質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下である。そして、成分(c)の含有量は、原液(X)中に、好ましくは0.3〜3質量%であり、より好ましくは0.4〜2.5質量%であり、さらに好ましくは0.5〜2質量%である。
原液(X)における成分(a)の含有量と成分(c)の含有量との質量比((a)/(c))は、これら成分(a)及び(c)が相まって、噴射剤(Y)由来の二酸化炭素が共存することに伴い、保存時における白濁や析出物の発生を有効に防止し、幅広い温度範囲での保存安定性を向上させる観点、及び組成物の調製を速やかに行う観点から、5以上であって、好ましくは5.5以上であり、より好ましくは6以上であり、さらに好ましくは6.5以上である。また、原液(X)における成分(a)の含有量と成分(c)の含有量との質量比((a)/(c))は、幅広い温度域で良好な保存安定性を保持する観点から15以下であって、好ましくは14.5以下であり、より好ましくは14以下であり、さらに好ましくは13.5以下である。そして、原液(X)における成分(a)の含有量と成分(c)の含有量との質量比((a)/(c))は、5以上15以下であって、好ましくは5.5〜14.5であり、より好ましくは6〜14であり、さらに好ましくは6.5〜13.5であり、よりさらに好ましくは8〜12である。
原液(X)は、成分(d)として、水を60質量%以上93質量%以下含有する。これにより、原液(X)中における各成分の良好な分散又は可溶化や良好な使用感を確保しつつ、噴射剤の良好な溶解性・分散性をも保持することができる。かかる水とは、精製水やイオン交換水等であり、成分(d)の水の含有量とは、各配合した各成分に含まれる水分をも含む、原液(X)中に含まれる全水分量を意味する。
成分(d)の含有量は、原液(X)中における各成分の良好な分散又は可溶化等を確保する観点から、原液(X)中に、60質量%以上であって、好ましくは65質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、93質量%以下であって、好ましくは91質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下である。また、成分(d)の含有量は、60質量%以上93質量%以下であって、好ましくは65〜91質量%であり、より好ましくは70〜90質量%である。
原液(X)において、成分(a)の含有量と成分(d)の含有量との質量比((a)/(d))は、幅広い温度域において良好な保存安定性を保持する観点から、好ましくは0.05以上であり、より好ましくは0.06以上であり、さらに好ましくは0.07以上であり、好ましくは0.25以下であり、より好ましくは0.20以下であり、さらに好ましくは0.18以下である。また、原液(X)において、成分(a)の含有量と成分(d)の含有量との質量比((a)/(d))は、好ましくは0.05〜0.25であり、より好ましくは0.06〜0.20であり、さらに好ましくは0.07〜0.18である。
原液(X)中には、さらに保存安定性を高める観点、及び良質な泡を形成させて噴射剤(Y)由来の二酸化炭素を良好に包埋させる観点から、アニオン界面活性剤(e)を含有するのが好ましい。かかる成分(e)としては、アルキル硫酸エステル塩、アシルグルタミン酸ナトリウムやアシルサルコシンナトリウム等のアシルアミノ酸塩、アルキルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩、高級脂肪酸スルホン化モノグリセリド塩、イセチオン酸の脂肪酸エステル塩、N−メチル長鎖アシルタウリンナトリウム塩、及びポリオキシエチレンモノアルキルリン酸塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、良質な泡を形成する観点、及び使用感の観点から、アルキル硫酸エステル塩、アシルアミノ酸塩、N−メチル長鎖アシルタウリンナトリウム塩が好ましい。
成分(e)の含有量は、良好な泡質、及び幅広い温度域において良好な保存安定性を保持する観点から、原液(X)中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは0.55質量%以上であり、さらに好ましくは0.6質量%以上である。また、成分(e)の含有量は、温度変化に左右されて成分(e)自体が析出するのを有効に防止する観点から、原液(X)中に、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.9質量%以下であり、さらに好ましくは0.85質量%以下である。そして、成分(e)の含有量は、原液(X)中に、好ましくは0.1〜2質量%であり、より好ましくは0.3〜2質量%であり、さらに好ましくは0.5〜1質量%であり、よりさらに好ましくは0.55〜0.9質量%であり、またさらに好ましくは0.6〜0.85質量%である。
本発明で用いる原液(X)には、上記成分(c)のノニオン界面活性剤、及び上記成分(e)のアニオン界面活性剤以外の界面活性剤を適宜含有させることができる。かかる成分(c)及び成分(e)以外の界面活性剤としては、例えば、ノニオン界面活性剤としては、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルグルコシド;ソルビタンモノステアレート、ヤシ油脂肪酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;イソステアリルグリセリルエーテル等のアルキルグリセリルエーテル;モノミリスチン酸ペンタグリセリンやモノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、モノカプリル酸グリセリン、モノベヘン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;ミリスチン酸ポリグリセリルやラウリン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルのグリセリンの縮合度は、2〜20が好ましく、5〜12がさらに好ましい。さらにポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分としては、炭素数6〜24の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられ、好ましくは炭素数10〜20であり、安定性の観点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸の脂肪酸がより好ましい。
両性界面活性剤としては、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルスルホベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルヒドロキシスルホベタイン等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
原液(X)中における上記成分(c)のノニオン界面活性剤、上記成分(e)のアニオン界面活性剤、並びに成分(c)及び成分(e)以外の界面活性剤の合計含有量、すなわち界面活性剤の合計含有量は、原液(X)中における各成分の良好な分散又は可溶化を確保する観点、及び良好な使用感を保持する観点から、原液(X)中に、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは0.8質量%以上であり、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは4質量%以下であり、さらに好ましくは3.5質量%以下である。また、原液(X)中における上記成分(c)のノニオン界面活性剤、上記成分(e)のアニオン界面活性剤、並びに成分(c)及び成分(e)以外の界面活性剤の合計含有量は、原液(X)中に、好ましくは0.5〜5質量%であり、より好ましくは0.8〜4質量%であり、さらに好ましくは1.0〜3.5質量%である。
原液(X)中における3価以上の多価アルコール、及び20℃で固体の多価アルコールは、幅広い温度域における良好な保存安定性を確保する観点から、その含有を制限するのが好ましい。かかる3価以上の多価アルコール、及び20℃で固体の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、トレハロース、及びマルトース等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
かかる3価以上の多価アルコール、及び20℃で固体の多価アルコールの含有量は、具体的には、原液(X)中に、好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは7質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、またさらに好ましくは4質量%以下であり、或いは不可避的に混入する場合を除き、原液(X)中に3価以上の多価アルコール、及び20℃で固体の多価アルコールを含有しないのが好ましい。
なお、アルカリ側へのpH調整剤としても作用する炭酸塩は、これらの混合後や水への溶解後に炭酸ガスを発生させ、噴射剤(Y)中の二酸化炭素による作用を不要に阻害しかねない観点から、原液(X)中におけるこれらの含有を制限するのが好ましい。かかる炭酸塩としては、具体的には、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、及び炭酸カルシウムから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
かかる炭酸塩の含有量は、原液(X)中に、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、或いは原液(X)は、炭酸塩を含有しないのが好ましい。
本発明の口腔用エアゾール剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、原液(X)中に、上記成分のほか、例えば、アラントイン等の上記成分(b)以外の薬効成分;アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、及びメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体等の粘結剤;上記炭酸塩以外の、水酸化ナトリウム、有機酸等のpH調整剤;顔料、色素等の各種成分を含有することができる。
原液(X)の25℃における粘度は、かかる原液(X)をエアゾール容器から良好に噴射させる観点、及び後述する噴射剤(Y)中の二酸化炭素を有効に包埋する観点から、好ましくは500〜20000mPa・sであり、より好ましくは800〜10000mPa・sであり、さらに好ましくは1000〜5000mPa・sである。ここで、原液(X)の粘度は、BM型粘度計(東機産業(株)製)(ローターNo.1〜3、6〜60rpm、1分)にて測定することができる。
原液(X)の25℃におけるpHは、噴霧剤中の二酸化炭素の一部を原液(X)中にも溶存させて歯肉の健常性を維持する観点、及び良好な使用感を確保する観点から、好ましくは4.0〜7.0であり、より好ましくは4.5〜6.5であり、さらに好ましくは5.0〜6.0である。
本発明の口腔用エアゾール剤は、二酸化炭素を含有する噴射剤(Y)を含む。二酸化炭素は、気体として存在するだけでなく、保存中にその一部が原液(X)中にも溶存し得るため、使用時に噴射された後においても、成分(b)等のその他の成分とともに歯肉に適用させることができ、歯肉の血流を促進し、かかる歯肉の健常性を維持することが可能となる。二酸化炭素の含有量は、保存中においてその一部が原液(X)中に溶存し得るが、原液(X)中に二酸化炭素の一部が溶存する前の状態、すなわち、原液(X)と噴射剤(Y)の混合前、又はこれらをエアゾール容器に充填する前における噴射剤(Y)中での含有量を意味し、歯肉の血流を促進し、その健常性を維持する観点から、噴射剤(Y)中に、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは97質量%以上であり、好ましくは100質量%以下であり、さらに好ましくは100質量%である。
なお、噴射剤(Y)において、上記二酸化炭素のほか、ジメチルエーテル、液化石油ガス、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン等の液化ガスを含有させ、二酸化炭素との混合ガスとして用いることもできる。
本発明の口腔用エアゾール剤において、二酸化炭素の作用とともに原液(X)中の薬効成分等とも相まって、歯肉の血流を促進し、その健常性を維持する観点から、原液(X)と噴射剤(Y)との質量比((X):(Y))は、好ましくは95:5〜99:1であり、より好ましくは97:3〜98.5:1.5である。
本発明の口腔用エアゾール剤において、二酸化炭素の一部を原液(X)中にも溶存させて歯肉の健常性を維持する観点から、原液(X)中の成分(d)の水と二酸化炭素との質量比((d)/二酸化炭素)は、好ましくは15〜80であり、より好ましくは25〜53であり、さらに好ましくは30〜50である。
本発明の口腔用エアゾール剤は、噴射剤(Y)を圧縮してエアゾール容器に充填されてなり、必要に応じて使用時に良好な泡を形成させることが可能となる観点から、かかるエアゾール容器は、泡吐出口を備えているのが好ましい。本発明の口腔用エアゾール剤を製造するにあたっては、上記原液(X)を調製した後、これを噴射剤(Y)とともにエアゾール容器に充填し、次いで必要に応じて加圧して封入すればよい。
原液(X)と噴射剤(Y)を充填した後のエアゾール容器内における二酸化炭素の、原液(X)中への溶存量は、効果的に歯肉の血流を促進し、その健常性を維持する観点から、25℃において、好ましくは3000〜15000ppmであり、より好ましくは9000〜14000ppmである。また、エアゾール容器内の圧力は、必要に応じて使用時に良好な泡を形成させる観点から、25℃において、好ましくは0.5〜0.9MPaであり、より好ましくは0.7〜0.8MPaである。
本発明の口腔用エアゾール剤は、使用時に容器から内容物を吐出させた剤を、一旦歯ブラシや指先等に載置した後、所望の部位に適用するのが好ましい。使用1回あたりの本発明の口腔用エアゾール剤の適用量は、好ましくは0.4〜1.5gであり、より好ましくは0.5〜1.0gである。好ましくは、これを一日2〜3回実施し、少なくとも1〜3ヶ月間繰り返し適用すると、より効果的に歯肉の健常性を維持することができる。
上述した本発明の実施態様に関し、さらに以下の口腔用エアゾール剤を開示する。
[1]原液(X)と、二酸化炭素を含有する噴射剤(Y)とを含む口腔用エアゾール剤であって、原液(X)が次の成分(a)、(b)、(c)、及び(d):
(a)20℃で液体の2価アルコール 5質量%以上15質量%以下、
(b)薬効成分、香料、及びp−オキシ安息香酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の油溶性成分 0.1質量%以上1.5質量%以下、
(c)ポリオキシエチレン基を有するノニオン界面活性剤、及び
(d)水 60質量%以上93質量%以下
を含有し、かつ成分(a)の含有量と成分(c)の含有量との質量比((a)/(c))が5以上15以下である口腔用エアゾール剤。
[2]成分(a)が、好ましくはプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはプロピレングリコールである上記[1]の口腔用エアゾール剤。
[3]成分(a)の含有量が、原液(X)中に、好ましくは6質量%以上であり、より好ましくは7質量%以上であり、さらに好ましくは8質量%以上であり、好ましくは14質量%以下であり、より好ましくは13質量%以下であり、さらに好ましくは12質量%以下である上記[1]又は[2]の口腔用エアゾール剤。
[4]成分(b)の薬効成分が、好ましくはアズレン類、トリクロサン、ヒノキチオール、ジヒドロコレステロール、ジヒドロアビエチン酸、グリチルレチン酸、トコフェロール及びその誘導体、並びにイソプロピルメチルフェノールから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはグリチルレチン酸、トコフェロール及びその誘導体、並びにイソプロピルメチルフェノールから選ばれる1種又は2種以上である上記[1]〜[3]いずれか1の口腔用エアゾール剤。
[5]成分(b)の香料が、好ましくは天然香料成分、及びこれら天然香料成分を加工処理した香料成分、単品香料成分、並びに調合香料成分から選ばれる1種又は2種以上である上記[1]〜[4]いずれか1の口腔用エアゾール剤。
[6]成分(b)の含有量が、原液(X)中に、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、好ましくは1.3質量%以下であり、より好ましくは1.1質量%以下である上記[1]〜[5]いずれか1の口腔用エアゾール剤。
[7]原液(X)における成分(a)の含有量と成分(b)の含有量との質量比((a)/(b))が、好ましくは8以上であり、より好ましくは9以上であり、さらに好ましくは10以上であり、好ましくは20以下であり、より好ましくは18以下であり、さらに好ましくは17以下である上記[1]〜[6]いずれか1の口腔用エアゾール剤。
[8]成分(c)が、好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン及びラノリンアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、及び脂肪酸エタノールアミドから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはポリオキシエチレン基の付加モル数が20〜60のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及びポリオキシエチレン基の付加モル数が20〜80のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはポリオキシエチレン基の付加モル数が20〜60のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である上記[1]〜[7]いずれか1の口腔用エアゾール剤。
[9]成分(c)の含有量が、原液(X)中に、好ましくは0.3質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは2.5質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下である上記[1]〜[8]いずれか1の口腔用エアゾール剤。
[10]原液(X)における成分(a)の含有量と成分(c)の含有量との質量比((a)/(c))が、好ましくは5.5以上であり、より好ましくは6以上であり、さらに好ましくは6.5以上であり、好ましくは14.5以下であり、より好ましくは14以下であり、さらに好ましくは13.5以下である上記[1]〜[9]いずれか1の口腔用エアゾール剤。
[11]成分(d)の含有量が、原液(X)中に、好ましくは65質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、好ましくは91質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下である上記[1]〜[10]いずれか1の口腔用エアゾール剤。
[12]原液(X)における成分(a)の含有量と成分(d)の含有量との質量比((a)/(d))は、好ましくは0.05以上であり、より好ましくは0.06以上であり、さらに好ましくは0.07以上であり、好ましくは0.25以下であり、より好ましくは0.20以下であり、さらに好ましくは0.18以下である上記[1]〜[11]いずれか1の口腔用エアゾール剤。
[13]さらにアニオン界面活性剤(e)を含有するのが好ましく、成分(e)としては、好ましくはアシルアミノ酸塩、アルキルリン酸塩、高級脂肪酸スルホン化モノグリセリド塩、イセチオン酸の脂肪酸エステル塩、N−メチル長鎖アシルタウリンナトリウム塩、及びポリオキシエチレンモノアルキルリン酸塩から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはアルキル硫酸エステル塩、アシルアミノ酸塩、N−メチル長鎖アシルタウリンナトリウム塩から選ばれる1種又は2種以上である上記[1]〜[12]いずれか1の口腔用エアゾール剤。
[14]成分(e)の含有量が、原液(X)中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは0.55質量%以上であり、さらに好ましくは0.6質量%以上であり、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.9質量%以下であり、さらに好ましくは0.85質量%以下である上記[13]の口腔用エアゾール剤。
[15]3価以上の多価アルコール、及び20℃で固体の多価アルコールの含有量が、原液(X)中に、好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは7質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、またさらに好ましくは4質量%以下であり、或いは、原液(X)中に3価以上の多価アルコール、及び20℃で固体の多価アルコールを含有しないのが好ましい上記[1]〜[14]いずれか1の口腔用エアゾール剤。
[16]炭酸塩の含有量が、原液(X)中に、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、或いは原液(X)は、炭酸塩を含有しないのが好ましい上記[1]〜[15]いずれか1の口腔用エアゾール剤。
[17]二酸化炭素の含有量が、噴射剤(Y)中に、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは97質量%以上であり、好ましくは100質量%以下であり、さらに好ましくは100質量%である上記[1]〜[16]いずれか1の口腔用エアゾール剤。
[18]原液(X)と噴射剤(Y)との質量比((X):(Y))が、好ましくは95:5〜99:1であり、より好ましくは97:3〜98.5:1.5である上記[1]〜[17]いずれか1の口腔用エアゾール剤。
[19]容器から吐出させて歯ブラシや指先に載置した後、口腔内に適用して使用する上記[1]〜[17]いずれか1の口腔用エアゾール剤の、口腔用組成物としての使用。
[20]容器から吐出させて歯ブラシや指先に載置した後、口腔内に適用して使用する上記[1]〜[17]いずれか1の口腔用エアゾール剤の、歯磨き剤としての使用。
[21]上記[1]〜[17]いずれか1の口腔用エアゾール剤を容器から吐出させて歯ブラシ又は指先に載置した後、口腔内に適用して歯磨きを行う歯磨き方法。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[実施例1〜6、比較例1〜4]
表1に示す処方にしたがって各原液(A)を調製した。調整の際には、成分(a)、成分(b)、成分(c)及びヒドロキシエチルセルロースの混合物を、処方中のそれ以外の成分を成分(d)で溶解させた水溶液に入れることで原液を調整した。また、かかる原液のpHは、各々イオン交換水を用いて10倍に希釈した溶液のpHが5〜6の間になるように調整した。これをエアゾール容器(東洋製罐(株)製)に充填した後、表1に示す処方の噴射剤(B)を封入し、容器内の25℃における圧力を0.75MPaとして、各剤を製造した。
得られた剤を用い、以下の方法にしたがって各測定及び評価を行った。
《原液(X)の粘度》
BM型粘度計(東機産業(株)製)(ローターNo.1〜3、6〜60rpm、1分)にて測定した。
結果を表1に示す。
《保存安定性》
各剤の原液及び噴射剤を合計60gずつガラス容器内に充填し、5℃の恒温槽と45℃の恒温槽の各々に保存し、1ヶ月間にわたり各々の槽における剤の性状を目視により観察し、下記基準にしたがって評価した。
AA:析出物も白濁も生じなかった
A:やや液に曇りがみられるが、透明であった
B:白濁が生じた
C:析出物が生じた
結果を表1に示す。
《泡保持性》
内径21.7mmのOリングを篩(5.5号、3350μm)の上に配置し、次いで各剤1gを容器から吐出させてOリング内に静置した。静置後、吐出した泡状の剤が篩を通過して下方に滴下するか否かを篩の上方から観察した。
吐出直後から15秒以内に剤が1滴も下方に滴下しない場合を「A」(泡保持性が良好)、滴下した場合を「C」(泡保持性が不十分)と評価した。
結果を表1に示す。
《風味の評価》
実施例2,4,6について各剤を市販品歯ブラシにのせてブラッシングを行い、磨いた後に異味が残存することなく良好な風味をもたらすか否かについて、以下の基準に従って評価した。評価は専門パネラー2名で行った。
A:異味を感じることなく、良好な風味であった。
B:わずかに異味を感じた。
C:異味を感じた。
評価の結果、実施例2は「A」、実施例4は「B」、実施例6は「C」であった。
Figure 0006798873

Claims (6)

  1. 原液(X)と、二酸化炭素を含有する噴射剤(Y)とを含む口腔用エアゾール剤であって、
    原液(X)が次の成分(a)、(b)、(c)、及び(d):
    (a)20℃で液体の2価アルコール 5質量%以上15質量%以下、
    (b)薬効成分、香料、及びp−オキシ安息香酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の油溶性成分 0.1質量%以上1.5質量%以下、
    (c)ポリオキシエチレン基を有するノニオン界面活性剤、及び
    (d)水 60質量%以上93質量%以下
    を含有し、3価以上の多価アルコールの含有量が8質量%以下であり、かつ成分(a)の含有量と成分(c)の含有量との質量比((a)/(c))が5以上15以下である口腔用エアゾール剤。
  2. 原液(X)中に、アニオン界面活性剤(e)を0.5質量%以上1質量%以下含有する請求項1に記載の口腔用エアゾール剤。
  3. 成分(b)における薬効成分が、アズレン類、トリクロサン、ヒノキチオール、ジヒドロコレステロール、ジヒドロアビエチン酸、グリチルレチン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、並びにイソプロピルメチルフェノールから選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の口腔用エアゾール剤。
  4. 成分(a)の含有量と成分(b)の含有量との質量比((a)/(b))が、8以上20以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の口腔用エアゾール剤。
  5. 原液(X)中における3価以上の多価アルコール、及び20℃で固体の多価アルコールの含有量が、5質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の口腔用エアゾール剤。
  6. 成分(a)の含有量と成分(d)の含有量との質量比((a)/(d))が、0.05以上0.25以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の口腔用エアゾール剤。
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