JP2011162173A - 垂直離着陸飛行機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】課題を解決する為、以下の様に装置する。
1,主翼と尾翼と垂直尾翼を有する一般的な飛行機の構造に対して、主翼を、前主翼と後主翼の2つとし、それぞれの主翼に、左右一対の推進用プロペラを装置する。
2,前後の主翼を、略水平から略垂直まで、段階的に可変させる事で、離着陸時は、合計4個のプロペラを上向きとし、ヘリコプターの様な垂直上下動を可能にする。
3,前主翼及び、前主翼に取り付けられた推進用プロペラによる乱気流で、後主翼の空力性能が低下するのを防ぐ為、後主翼に取り付けるプロペラは、前主翼のプロて、真後の位置から若干ずらす。
4,主翼の、厚さが最も厚い位置に回転軸を備え、この回転軸は、胴体を貫いて左右の主翼を連結する。
【選択図】図1
Description
即ち、実用化された垂直離着飛行機の技術はハリアーのみであり、複雑な計算が不要で、経済的かつ実用的な垂直離着陸飛行機の技術は存在しなかった。その為、無線操縦による活火山の観測などには、もっぱら無人ヘリコプターが活用されてきた。しかし、ヘリコプターは操縦が難しく、水平飛行速度や燃費性能が飛行機に劣り、結局の所、利便性が悪かった。
また、機体の重量を上まわる推進力を発揮する、強力な動力源を用いなくても、極めて狭いスペースから離陸可能で、なおかつ、超低速飛行が可能な、経済的で実用性の高い飛行機の技術が求められており、無線操縦の無人飛行機だけでは無く、有人実用飛行機にも採用可能な技術も求められている。以上の要求機能を全て満足する事が、本発明の課題である。
1,主翼と尾翼と垂直尾翼を有する一般的な飛行機の構造に対して、主翼を、前主翼と後主翼の2つとし、それぞれの主翼に、左右一対の推進用プロペラを装置する。
2,前後の主翼を、略水平から略垂直まで、段階的に可変させる事で、離着陸時は、合計4個のプロペラを上向きとし、ヘリコプターの様に、安定した垂直上下動を可能にする。
3,前主翼及び、前主翼の推進用プロペラによる乱気流で、後主翼の空力性能が低下するのを防ぐ為、後主翼のプロペラは、前主翼のプロペラに対して、真後からずらす。
4,主翼の、厚さが最も厚い位置に回転軸を備え、この回転軸は、胴体を貫いて左右の主翼を連結する。
既存の技術で垂直に離着陸させる為には、機体の重量を持ち上げる為の強大な推進力を発揮する動力源が必要となるが、本発明であれば、例えば主翼の迎角を45度にする事で、一般の飛行機と同程度の出力の動力源でも、ほとんど滑走路での滑走を必要とせずに、離陸できる。また、水平飛行性能は一般的な飛行機とほぼ同等の為、例えば農薬散布用の無線操縦機に採用すれば、限られたスペースから離陸し、素早く作業現場まで飛行し、散布作業時は、農作物の上空を極低速で移動しながら農薬散布を行うなど、飛行機とヘリコプターの両方の長所を備えた航空機として、極めて利便性・実用性が高く、産業の発展に大きく寄与できる。
図2は、前主翼2の部分側面図である。回転軸10は、翼断面形状の最も厚さの大きい部分、即ち、上下寸法が最大となる部分で主翼に挿入され、一体で回転する様に主翼に固定されている。水平飛行の状態では、主翼の取り付け角度、即ち翼の迎角は、略0度に保持される。
図3は、前主翼2の部分側面図を表す。垂直離着陸(垂直上昇及び垂直下降)の際は、回転軸10を回転させ、主翼の取り付け角度を約90度とし、上向きの推進力を得る。この結果、4つのプロペラの推力によって垂直に上昇と下降が可能となり、また、4つのプロペラによって、機体のバランスを崩す事も無い。主翼の取り付け角度は、水平飛行の状態である約0度から、垂直離着陸時用の約90度まで、段階的に可変する様に装置する事で、制御が簡単になる。また、段階的な制御であれば、各段階の状態で、機械的に回転をロックする事が可能となり、角度を可変させる為のモーターへの負担を軽減する事が可能となる。
以上が、本発明の請求項1に記載された内容の一例である。
図2は、前主翼2の部分上面図であり、胴体内に装置したモーター11に、プーリー13を取り付け、ベルト14を介して、左右一対のプロペラ6の回転軸に取り付けた、プーリー12を駆動する。この構成により、駆動用モーターの数を、4個から2個に減らす事が可能で、機体全体の軽量化を図る事ができる。以上が、本発明の請求項2に記載された内容の一例である。
回転軸10には、プーリー18が取り付けられ、胴体1の内部に装置された、モーター15の回転軸に取り付けたプーリー17とは、ベルト16で連結されている。この構成により、モーター15の回転駆動力が、回転軸10に伝わり、各主翼の取り付け角度(迎角)を可変できる。
但し、上記の構成だけでは、長時間の水平飛行時に、ベルトとプーリーとのスリップなどによって、主翼の取り付け角度が微妙に変わってしまうとの問題が発生する。そこで、所定の角度の状態で、図には記載されていないロックピンを回転部に挿入し、機械的に回転軸10の回転をロックすれば良く、回転軸に摩擦材を押し付け、摩擦力でブレーキを掛けても良い。尚、ロックピンは、主翼の角度を可変する可動部と、胴体側の非可動部を合せて貫通すれば、どの様な形状でも機能を果たす事が可能で、遠隔操作によるピンの抜き差しをすれば、操作性が高まる。
以上が、本発明の請求項4に記載された内容の一例である。
この構成ならば、水平飛行時は後主翼3に装置したプロペラ7を停止させても、空気抵抗を軽減できるので、前主翼2に装置した2つのプロペラ6だけで巡航する事が可能となり、長距離航行時の燃料消費量を減らす事ができる。また、プロペラを折りたたまなくても、ピッチ(ねじれ角)を進行方向に対して0度に制御すれば、同様に、回転停止時の空気抵抗を減らす事ができる。
以上が、本発明の請求項5に記載された内容の一例である。
特に、無線操縦による無人飛行機の分野では、滑走路が不要で利便性が高く、有人機では危険な火山の調査や、狭い農地への農薬散布などへの活用が期待できる。
2、前主翼
3、後主翼
4、一般的な飛行機と同構造の、水平尾翼
5、一般的な飛行機と同構造の、垂直尾翼
6、前主翼に左右一対で装置された、推進用プロペラ
7、後主翼に左右一対で装置された、推進用プロペラ
8、前主翼の推進用プロペラを回転させる、モーター
9、後主翼の推進用プロペラを回転させる、モーター
10、主翼の角度(迎角)を可変させる、回転軸
11、左右のプロペラを同時に回転させる為の、モーター
12、プロペラの回転軸に設けられた、プーリー
13、推進用モーターの回転軸に設けられた、プーリー
14、プロペラの回転軸を駆動させる為の、ベルト
15、主翼の角度を可変させる為の、モーター
16、主翼の回転軸を回転させる為の、ベルト
17、主翼の角度可変用モーターの回転軸に設けられた、プーリー
18、主翼の角度を可変させる回転軸に設けられた、プーリー
19、胴体に固定され、引っ張りスプリングの端部を引っ掛ける、フック
20、引っ張りスプリング
21、主翼の角度を可変させる回転軸に設けられた、ステー
22、折りたたまれた状態の、推進用プロペラ
23、垂直着陸(着地)時用の脚を取り付ける、主翼の後端部
Claims (5)
- 略円筒状、又は細長い筒状、又は細長い棒状、又は板状の胴体に、前主翼・後主翼・水平尾翼・及び垂直尾翼を備え、各主翼に、それぞれ左右一対の推進用プロペラを装置した飛行機において、各主翼の取り付け角度、即ち迎角を、水平飛行状態の進行方向に対して、略平行から略垂直まで、3段階以上の段階的に変更可能に装置した事を特徴とする、垂直離着陸飛行機。尚、3段階以上とは、無数の段階による段階的制御、即ち、デジタル制御による無段可変も含み、各翼の後端や前端に、可動式のフラップや舵を備えた構成も含まれる。また、プロペラとは、回転軸の周りに、ねじれをもつ羽根を2枚以上取り付けた、周知の推進用プロペラの他、遠心式多翼送風機や軸流式送風機や斜流式送風機も含み、それらを組み合わせて使用する推進装置も含まれる。
- 各プロペラを駆動する動力源は、電動モーター、レシプロエンジン、ターボプロップエンジンのいずれかとし、プロペラの駆動方法や各主翼への取り付け方法は、以下のいずれかである事を特徴とする、請求項1に記載の、垂直離着陸飛行機。
1,プロペラの回転軸と、動力源の出力回転軸とを、直結又は一体とし、4個の動力源で、4個のプロペラを駆動する。
2,胴体の内部、又は胴体の外面近傍、又は主翼の付け根付近に動力源を装置し、ギア、ベルト、チェーン、ドライブシャフト、フレキシブルワイヤーのいずれかを介して、1箇所から4箇所のプロペラの回転軸と、動力源の出力回転軸とを連結する構造により、1個又は2個の動力源で、4個のプロペラを駆動する。尚、動力原とプロペラの回転軸との間に、ギア、流体、又はベルトによる、減速又は増速装置を介在させた構成も含む。
3,トラブル等により、4個のプロペラの動力源の内、1個が停止した場合、同時に対角線上の動力源、又は同じ主翼上の動力源を停止させ、バランスを取る制御を行う。
4,前主翼は、機体全体の重心位置に対して、略同位置又は前側に取り付け、後主翼は、機体全体の重心位置に対して、略同位置又は後側に取り付けた。
5,前後の主翼の間の位置で、機体の下部側に、主脚を装置した。尚、主脚は、ヒンジで接合する事により、折りたたみ、又は格納可能とした構成も含む。 - 各主翼の、進行方向に対する取り付け角度、即ち迎角を可変する装置は、以下のいずれかである事を特徴とする、請求項1又は2に記載の、垂直離着陸飛行機。
1,左右の翼は、胴体を貫通する回転軸に取り付けられ、この回転軸が回転する事で、翼の角度を可変する。尚、胴体を貫通する回転軸は、主翼の右側から左側まで一体となった軸の他、左右1対の回転軸を連結用ステー等で連結し、左右の翼が一体的に回転可能に装置した構成を含み、胴体内に設けた軸受け装置や貫通孔で、回転自在に保持される。
2,左右の翼の回転軸は、翼の断面の最も厚さが大きい部分、即ち、一般的な翼型における最も上下寸法の大きい部分、又はその近傍に取り付けられている。
3,胴体内部に角度可変用のモーターを装置し、このモーターの駆動軸に直列で、翼の回転軸を取り付けた、又は一体とした。尚、モーターの駆動軸とは、モーターに、ギア、又はベルト、又はチェーン、又は流体による減速装置を設け、減速された駆動軸も含む。
4,各主翼は、胴体を貫通した回転軸、又は胴体に設けたヒンジによって、角度可変自在に胴体に取り付けられ、胴体内部に設置したモーターと、リンク装置、又はベルト、又はチェーン、又はこれらに類する動力伝達装置で連結され、取り付け角度が可変される。尚、モーターと各動力伝達装置の間に、減速装置を介在させる構成も含まれる。
5,乱気流等で主翼の角度が勝手に変わる事を防止する為の、ロック装置を設けた。尚、ロック装置とは、摩擦ブレーキによって駆動軸の回転を制動する構成や、可動部と非可動部との間に、双方を貫くピンなどを差し込み、物理的に可動を止める構成を指す。
6,主翼の取り付け角度を、略水平、又は所定の迎角にて、自動的に保持する装置を設けた。尚、自動的に保持する装置とは、可動部に突起を設け、非可動部に凹部を設け、所定の角度に達した時に、突起が凹部に嵌る事で可動が制限される構成や、摩擦により可動に抵抗が生じる構成や、これらに類する構成を指す。
7,主翼又は回転軸と、胴体とをスプリングで連結し、モーターによる駆動力が加わっていない場合、主翼の迎角は、スプリングの付勢力によって所定の角度に保持される。
8,主翼の前側で、プロペラの回転軸を含む部分のみを、主翼にヒンジを介して結合又は、回転軸に取り付け、主翼の残り部分を固定翼とし、推進用のプロペラ部分のみを、角度可変とした。
9,回転軸の断面形状は、胴体内の軸受け部分及びその近傍では円形であり、主翼の内側では、全体又は部分的に、多角形やH型等の異形断面とし、回転軸と主翼とが、滑らずに一体で回転する様に構成した。尚、円形断面の回転軸に、ピンを貫通させるなど、別の部品を取付ける事で主翼との滑りを止める構成や、回転軸を折り曲げる事で主翼との滑りを止める構成や、回転軸の表面を粗面にする構成も含む。
10,前後の主翼をリンク機構で接続し、片方の主翼を回転させると、他方の主翼も同期して回転する様に構成した。尚、リンク機構とは、各主翼の外表面に、突起又はステーを設け、その先端部近傍に開けた貫通孔どうしを、ロッドで連結する構成や、これに類する構成を指す。 - 胴体、各翼、及びプロペラの配置は、略左右対称とし、以下の全て、又は、いずれかの特徴を有する、請求項1から3に記載の、垂直離着陸飛行機。尚、以下に記載の上下方向は、機体が地面に対して平行に進行している状態、即ち、水平飛行状態における上下方向を指す。
1,前主翼のプロペラの回転軸を、後に延長した仮想直線に対して、後主翼のプロペラの回転軸の位置を、プロペラの直径寸法の範囲内で、左右方向にずらした。
2,前主翼のプロペラの回転軸を、後に延長した仮想直線に対して、後主翼のプロペラの回転軸の位置を、プロペラの直径寸法の範囲内で、上下方向にずらした。
3,後主翼の取り付け位置を、前主翼の取り付け位置に対して、プロペラの直径寸法の範囲内で、上側又は下側にずらした。
4,後主翼の幅寸法を、前主翼の幅寸法に対して、プロペラの直径寸法の範囲内で、大きくした、又は小さくした。
5,前主翼のみ、又は後主翼のみ、又は前後両方の主翼に、上反角を付けた。
6,前主翼と後主翼の回転軸を、リンク装置、又はベルト、又はギアにより連結し、前主翼と後主翼の角度を連動して可変させる様に構成した。尚、前後の回転軸をそれぞれ別のモーターで駆動し、主翼の角度センサーとモーターの回転角度の制御によって、連動させる構成も含む。
7,各プロペラは、各主翼の前端近傍に装置した、又は、後端近傍に装置した。
8,各プロペラの回転軸は、翼断面の上下方向の中心線、即ち翼弦線上に配置、又は、上下方向に離れて配置され、その距離は、0以上でプロペラの直径以内とする。
9,前主翼のプロペラと、後主翼のプロペラの直径を、異なる寸法とした。
10,胴体を双胴とした。尚、双胴とは、前部のみや後部のみなど、機体の一部分だけを一般的な単胴とし、残りの部分を双胴とした構成も含む。 - 以下の全て、又は、いずれかの特徴を有する、請求項1から4に記載の、垂直離着陸飛行機。
1,推進用プロペラ及び駆動用動力源の代わりに、ジェットエンジンを主翼に装備した。
2,少なくとも後主翼に装置した推進用プロペラのピッチを、無駆動時は0として、進行方向からの風による空気抵抗を軽減する様に構成した。
3,少なくとも後主翼に装置した推進用プロペラは、その回転軸にピン結合され、回転停止時は、プロペラが折りたたまれ、駆動力を受けて回転すると、遠心力によってプロペラが所定の形状に広がる様に構成した。尚、プロペラと回転軸を弾性部材で連結し、駆動力を受けていない時は、折りたたまれた状態で保持される構成も含む。
4,主翼の後端部近傍に、機体を支える為の、接地用の脚、突起、又は車輪を装置した。
5,主翼の取り付け角度を、約150度まで可変とし、空中静止からのバックも可能とした。
6,胴体又は主翼の下部に、カメラや散布装置等を吊下げる、フックやステーを備えた。
7,主翼の前部で、プロペラの回転軸を含む回転部分のみを、主翼にヒンジを介して結合し、又は、回転軸に取り付け、主翼の大半の部分を固定翼とし、推進用のプロペラ及びその周辺部分のみを、角度可変とした。
8,有人飛行機において、操縦席の床に、真下を直視可能な窓を設けた。
9,有人飛行機において、胴体又は各翼の下部に、真下及びその周辺を撮影するカメラを備え、操縦席には、その映像を見る事が可能な、モニター画面を備えた。尚、無線操縦の無人機の場合は、無線操縦装置にモニター画面を備える構成とする。
10,主翼の両端部に推進用プロペラを備え、少なくとも、プロペラの回転軸とプ、ロペラの取り付け角度を可変させる構成とした。
11,ジェットエンジン又は、請求項1に記載の各種推進装置を主翼に備え、これらの推進装置から噴出する気流を、筒状のダクトで整流し、このダクトの吹き出し口の向きを可変自在に装置した。尚、可変自在とは、請求項3に記載のいずれかの構成により、ダクトの一部又は全体の取り付け角度を変更し、気流の噴出し方向を可変する構成を指す。
12,後主翼を取り付ける前後方向の位置を、胴体の中央部から最後尾の間とし、水平尾翼を後主翼と一体化した、又は、水平尾翼を廃止した。
13,胴体に固定された主翼の上面と下面を貫通し、プロペラの直径よりも若干直径の大きい貫通孔を設け、この貫通孔の内部にプロペラを装置し、プロペラの角度を可変自在に装置した。尚、可変自在とは、請求項3に記載のいずれかの構成により、プロペラの回転軸の取り付け角度を可変する構成を指す。
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