JP2011160530A - バッテリ充電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】高圧バッテリの出力を降圧するコンバータと、内燃機関により駆動されて発電するオルタネータとを良好に協調させて、全体として高い効率で低圧バッテリを充電する。
【解決手段】バッテリ充電システムは、回転電機2に電力を供給すると共に回転電機2により発電された電力を蓄える高圧バッテリ3と、高圧バッテリ3よりも低い定格電圧で電力を蓄える低圧バッテリ4と、高圧バッテリ3の出力を所定の充電電圧に降圧して低圧バッテリ4の充電電力を生成するコンバータ5と、内燃機関1により駆動されて発電し、低圧バッテリ4の充電電力を生成するオルタネータ6と、低圧バッテリ4の充電に要求される要求電力と内燃機関1の回転数とに応じて、コンバータ5及びオルタネータ6のうち低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率が高い方により低圧バッテリ4の充電電力を生成させて低圧バッテリ4を充電する充電制御部7とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】バッテリ充電システムは、回転電機2に電力を供給すると共に回転電機2により発電された電力を蓄える高圧バッテリ3と、高圧バッテリ3よりも低い定格電圧で電力を蓄える低圧バッテリ4と、高圧バッテリ3の出力を所定の充電電圧に降圧して低圧バッテリ4の充電電力を生成するコンバータ5と、内燃機関1により駆動されて発電し、低圧バッテリ4の充電電力を生成するオルタネータ6と、低圧バッテリ4の充電に要求される要求電力と内燃機関1の回転数とに応じて、コンバータ5及びオルタネータ6のうち低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率が高い方により低圧バッテリ4の充電電力を生成させて低圧バッテリ4を充電する充電制御部7とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、駆動源として内燃機関と回転電機とを備えたハイブリッド車両のバッテリ充電システムに関する。
近年、駆動源として回転電機と内燃機関とを併用したハイブリッド車両(自動車)が実用化されている。ハイブリッド車両では、駆動源となる回転電機を駆動するための比較的高電圧(200V以上)の高圧バッテリと、車載電装品(補機)を駆動するための比較的低電圧(12〜24V程度)の低圧バッテリとが備えられる。車載電装品(補機)とは、例えば、車両の灯火装置や、空調システム、音響映像システム、制御系システムなどである。車載電装品(補機)は、内燃機関のみを駆動源とする従来の車両にも搭載されており、このような車両では、上記低圧バッテリに相当する12〜24V程度のバッテリを充電するために内燃機関により駆動されて発電するオルタネータが搭載されている。
ハイブリッド車両では、上述したように高圧バッテリを有しているので、高圧バッテリの電圧をコンバータにより降圧して低圧バッテリを充電することが可能である。但し、コンバータの小型化要求や、車両停止時における低圧バッテリへの充電によって高圧バッテリの容量が減少して発進時における回転電機の駆動に支障をきたすことを抑制するためなどの理由により、ハイブリッド車両にもオルタネータが搭載される場合がある。特開2006−280110号公報(特許文献1)には、コンバータ及びオルタネータの双方により低圧バッテリを充電するハイブリッド車両が示されている。特許文献1に示されたハイブリッド車両では、低圧バッテリの電力消費が比較的小さい時にはコンバータで降圧された電力のみで低圧バッテリを充電し、低圧バッテリの電力消費が比較的大きい時にはコンバータで降圧された電力に加えてオルタネータで発電された電力も用いて低圧バッテリを充電する。
特許文献1では、オルタネータによる発電効率が高圧バッテリの出力をコンバータで降圧する際の効率よりも低いという点に着目して、コンバータを優先的に利用して低圧バッテリを充電している。しかし、オルタネータの発電効率は、必ずしもコンバータによる降圧に対して低効率であるとは限らない。車両の駆動状況や車載電装品の稼働状況によっては、オルタネータを用いた方が効率が良い場合もあり得る。
従って、車両を駆動する回転電機用の高圧バッテリの出力を降圧するコンバータと、内燃機関により駆動されて発電するオルタネータとを良好に協調させて、全体として高い効率で車載電装品用の低圧バッテリを充電する技術が求められる。
上記課題に鑑みて創案された本発明に係るバッテリ充電システムの特徴構成は、
駆動源として内燃機関と回転電機とを備えたハイブリッド車両のバッテリ充電システムであって、
前記回転電機に電力を供給すると共に当該回転電機により発電された電力を蓄える高圧バッテリと、
前記高圧バッテリよりも低い定格電圧で電力を蓄える低圧バッテリと、
前記高圧バッテリの出力を所定の充電電圧に降圧して前記低圧バッテリの充電電力を生成するコンバータと、
前記内燃機関により駆動されて発電し、前記低圧バッテリの充電電力を生成するオルタネータと、
前記低圧バッテリの充電に要求される要求電力と前記内燃機関の回転数とに応じて、前記コンバータ及び前記オルタネータのうち前記低圧バッテリの充電電力を生成する際の効率が高い方により前記充電電力を生成させて前記低圧バッテリを充電する充電制御部と、を備える点にある。
駆動源として内燃機関と回転電機とを備えたハイブリッド車両のバッテリ充電システムであって、
前記回転電機に電力を供給すると共に当該回転電機により発電された電力を蓄える高圧バッテリと、
前記高圧バッテリよりも低い定格電圧で電力を蓄える低圧バッテリと、
前記高圧バッテリの出力を所定の充電電圧に降圧して前記低圧バッテリの充電電力を生成するコンバータと、
前記内燃機関により駆動されて発電し、前記低圧バッテリの充電電力を生成するオルタネータと、
前記低圧バッテリの充電に要求される要求電力と前記内燃機関の回転数とに応じて、前記コンバータ及び前記オルタネータのうち前記低圧バッテリの充電電力を生成する際の効率が高い方により前記充電電力を生成させて前記低圧バッテリを充電する充電制御部と、を備える点にある。
上述したように、オルタネータの発電効率は、必ずしもコンバータによる降圧に対して低効率であるとは限らない。発明者らによる実験やシミュレーションによれば、低圧バッテリの充電に要求される要求電力を生成する際の効率は、コンバータ及びオルタネータの何れを用いる場合も、内燃機関の回転数に応じて変化することが確かめられた。また、効率が最大となる回転数はコンバータを用いて降圧する場合と、オルタネータを用いて発電する場合とで異なる場合が多いことも確かめられた。上述した特徴構成によれば、単純に要求電力のみに依存することなく、要求電力と内燃機関の回転数とに応じて、コンバータ及びオルタネータのうち低圧バッテリの充電電力を生成する際の効率が高い方により低圧バッテリの充電電力を生成させて低圧バッテリを充電する。従って、コンバータとオルタネータとを良好に協調させて、全体として高い効率で低圧バッテリを充電することが可能となる。
また、本発明に係るバッテリ充電システムの前記充電制御部は、前記コンバータにより前記低圧バッテリの充電電力を生成する際の効率が最大となる前記内燃機関の回転数である第1回転数を含む第1回転数帯に前記内燃機関の回転数が含まれる間は、前記コンバータにより前記低圧バッテリの充電電力を生成させて前記低圧バッテリを充電し、前記オルタネータにより前記低圧バッテリの充電電力を生成する際の効率が最大となる前記内燃機関の回転数である第2回転数を含む第2回転数帯に前記内燃機関の回転数が含まれる間は、前記オルタネータにより前記低圧バッテリの充電電力を生成させて前記低圧バッテリを充電すると好適である。この構成によれば、コンバータ及びオルタネータ共に、効率が最大となる回転数を含む回転数帯において低圧バッテリの充電電力を生成することとなるので、コンバータとオルタネータとを良好に協調させて、全体として高い効率で低圧バッテリを充電することが可能となる。尚、当然ながら、第1回転数帯と第2回転数帯とは重複して設定されてもよい。単純に両者を切り換えるための切り換え回転数を設けると、当該切り換え回転数の近傍において、低圧バッテリの充電電力を生成する主体が頻繁に切り替わるハンチングを生じる可能性がある。第1回転数帯と第2回転数帯とを重複させることによって、そのようなハンチングを抑制することも可能である。
ここで、前記第1回転数帯及び前記第2回転数帯は、前記要求電力に応じて設定されていると好適である。発明者らによる実験やシミュレーションによれば、低圧バッテリの充電電力と内燃機関の回転数とには相関関係があることが判っている。従って、第1回転数帯及び第2回転数帯が、固定値ではなく要求電力に応じて設定されると、コンバータ及びオルタネータ共に、効率が最大となる回転数が要求電力に応じて変化する場合にも、当該回転数を含む回転数帯を適切に設定することができる。その結果、コンバータとオルタネータとを良好に協調させて、全体として高い効率で低圧バッテリを充電することが可能となる。
また、本発明に係るバッテリ充電システムは、前記コンバータ及び前記オルタネータが前記要求電力に応じた前記低圧バッテリの充電電力を生成する際の効率を、前記内燃機関の回転数及び前記要求電力の値に基づいて記憶した効率マップを備え、前記充電制御部は、前記効率マップに基づいて前記コンバータ及び前記オルタネータの何れかで前記低圧バッテリの充電電力を生成させるかを決定すると好適である。要求電力と内燃機関の回転数とを引数として効率マップを参照することにより、迅速にコンバータ及びオルタネータの一方を選択することが可能となる。
また、本発明に係るバッテリ充電システムは、前記要求電力と前記内燃機関の回転数とに応じて、前記コンバータ及び前記オルタネータのうち前記低圧バッテリの充電電力を生成する際の効率が高い方が規定された選択マップを備え、前記充電制御部は、前記選択マップに基づいて前記コンバータ及び前記オルタネータの何れかで前記低圧バッテリの充電電力を生成させるかを決定すると好適である。発明者らによる実験やシミュレーションによれば、コンバータ及びオルタネータにより低圧バッテリの充電電力を生成する際の効率が逆転する内燃機関の回転数と、低圧バッテリの充電電力とには相関関係があることが判った。例えば、低圧バッテリの充電電力(要求電力)が大きいほど、効率が逆転する回転数、即ち低圧バッテリの充電電力を生成させる主体を切り換えるべき回転数が高くなる事例が発見された。選択マップには、要求電力と内燃機関の回転数とに応じて、低圧バッテリの充電電力を生成する際の効率が高い方が規定される。従って、要求電力と内燃機関の回転数とを引数として選択マップを参照することにより、迅速にコンバータ及びオルタネータの一方を選択することが可能となる。
また、本発明に係るバッテリ充電システムが搭載される前記ハイブリッド車両において、前記内燃機関の回転数と前記回転電機の回転数とは、前記内燃機関の駆動力が前記回転電機に伝達される状態において線形性を有するものであると好適である。内燃機関により駆動されて低圧バッテリの充電電力を生成するオルタネータの回転数と内燃機関の回転数とは線形性を有する。従って、オルタネータにより発電される低圧バッテリの充電電力と内燃機関の回転数とは相関関係を有する。低圧バッテリの充電電力がコンバータにより生成される際には、高圧バッテリから電力が持ち出される。高圧バッテリを充電するための電力は発電機として動作する際の回転電機により生成される。従って、低圧バッテリの充電電力がコンバータにより生成される際の効率は、発電機として動作する回転電機の効率も影響する。内燃機関の駆動力が回転電機に伝達される状態において、内燃機関の回転数と回転電機の回転数とは線形性を有する。従って、コンバータにより生成される低圧バッテリの充電電力は、オルタネータにより生成される低圧バッテリの充電電力と同様に内燃機関の回転数と相関関係を有する。つまり、オルタネータにより生成される低圧バッテリの充電電力及びコンバータにより生成される低圧バッテリの充電電力の双方が、内燃機関の回転数との間で相関関係を有するので、内燃機関の回転数に基づいてコンバータとオルタネータとを良好に協調させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態に係るハイブリッド車両のハイブリッドシステムは、いわゆるパラレル方式であり、同一の回転軸方向に沿って、エンジン(内燃機関)1、モータ(回転電機)2、変速機構9の各機器が配列されている。つまり、変速機構9への入力軸に沿って、上記各機器が配列され、変速機構9を介して車輪に駆動力が伝達される。尚、図1において、二重線は電力の伝達経路を示している。ハイブリッド車両には、当該車両の駆動源となるモータ(回転電機)2に電力を供給すると共に、発電機として機能する時のモータ2により発電された電力を蓄える高圧バッテリ3と、高圧バッテリ3よりも低い定格電圧で電力を蓄える低圧バッテリ4とが備えられている。高圧バッテリ3は、定格電圧が200〜240Vのバッテリであり、低圧バッテリ4は、定格電圧が12〜24Vのバッテリである。低圧バッテリ4は、例えば、車両の灯火装置や、空調システム、音響映像システム、制御系システムなどの車載電装品(補機)に電力を供給する。
エンジン1は、燃料の燃焼により駆動されるガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの公知の内燃機関である。燃料は、石油などの化石燃料に限らず、各種のアルコールや水素なども含まれる。エンジン1の制御は、車両制御ECU(electronic control unit)10の指令に基づき、EG制御ECU11によって行われる。変速機構9に対する入力軸は、エンジン1のクランクシャフト等の出力回転軸(第1出力回転軸)X1と一体回転するように駆動連結されている。本実施形態では、出力回転軸X1は、ダンパ51及びクラッチ42を介してモータ2のロータ22の回転軸X2に連結される。変速機構9の構成も公知であるので図示並びに詳細な説明は省略するが、モータ2の回転軸X2は、変速機構9の歯車機構の入力軸に連結され、入力軸と同軸上に配置される出力ギヤは車輪に連結される。
エンジン1の駆動力は、さらにオルタネータ(スタータ・オルタネータ:S/A)6にも伝達される。オルタネータ6は、モータ2に比べて小型の回転電機である。オルタネータ6は、力行動作時にはエンジン1を始動するためのスタータとして機能し、回生動作時には発電機として機能する。図示は省略するが、オルタネータ6は、ケーシングに固定されたステータと、このステータの径方向内側に回転自在に支持されたロータとを有している。オルタネータ6のロータの回転軸X6には、クラッチ46を介してオルタネータ出力ギヤ56が連結されている。また、変速機構9への入力軸に沿って、エンジン1に対してモータ2とは反対側に延出するエンジン1の第2出力回転軸X3はエンジン出力ギヤ52に連結されている。オルタネータ出力ギヤ56とエンジン出力ギヤ52とは互いに噛み合っている。従って、クラッチ46が締結されている状態において、オルタネータ6は、モータ2や変速機構9を介することなく、エンジン1に駆動連結される。尚、本実施形態においては、ギヤを介してエンジン1の駆動力がオルタネータ6に伝達される例を示したが、ベルトやチェーンによって伝達される構成であってもよい。
オルタネータ6は、図1に示すように、インバータ回路や整流回路を含むS/A駆動回路17を介して低圧バッテリ4に電気的に接続されている。オルタネータ6は、エンジン1の始動時に、低圧バッテリ4に充電された電力の供給を受け、モータ(スタータ)として機能してエンジン1をクランキングさせる。また、オルタネータ6は、低圧バッテリ4の蓄電量が少ない場合に、発電機として機能し、エンジン1の駆動力により発電した充電電力により低圧バッテリ4を充電する。このようなオルタネータ6の動作制御は、車両制御ECU10からの制御指令に従ってS/A制御ECU16を介して行われる。
低圧バッテリ4は、コンバータ5を介して高圧バッテリ3にも接続されている。コンバータ5は、高圧バッテリ3の出力を所定の充電電圧に降圧して低圧バッテリ4の充電電力を生成する。従って、低圧バッテリ4は、オルタネータ及びコンバータ5により充電可能である。コンバータ5の動作制御は、車両制御ECU10からの制御指令に従ってコンバータ制御ECU15を介して行われる。
エンジン1と共にハイブリッド車両の駆動源となるモータ2は、図1に示すように、ケースに固定されたステータ21と、このステータ21の径方向内側に回転自在に支持されたロータ22とを有している。ロータ22は、変速機構9のギヤなどの入力回転要素(不図示)と一体回転するように駆動連結されている。ステータ21は、図1に示すように、インバータ13を介して高圧バッテリ3に電気的に接続されている。モータ2は、高圧バッテリ3から電力の供給を受けて動力を発生するモータとしての機能(力行動作)と、エンジン1や変速機構9(車輪)から動力の供給を受けて電力を発生する発電機としての機能(回生動作)との双方を果すことが可能である。このようなモータ2の動作は、車両制御ECU10からの制御指令に従ってモータ制御ECU12を介して行われる。
モータ2は、発電機として機能する場合には、発電した電力を高圧バッテリ3に供給して充電する。上述したように、低圧バッテリ4は、高圧バッテリ3の出力を所定の充電電圧に降圧して低圧バッテリ4の充電電力を生成するコンバータ5を介して充電されることもできる。この際、高圧バッテリ3から持ち出される電力は、モータ2による発電によって補われることになる。詳細は後述するが、低圧バッテリ4の充電電力の生成は、車両制御ECU10の充電制御部7の指令に従ってオルタネータ6及びコンバータ5の何れか一方により行われる。この際、充電制御部7は、両者の内、低圧バッテリ4の充電電力を得るための効率が高い方を用いて低圧バッテリ4を充電させる。コンバータ5を用いて高圧バッテリ3の出力を降圧して低圧バッテリ4の充電電力を生成させる際には、コンバータ5による変換効率に加え、高圧バッテリ3から持ち出す電力をモータ2により発電する発電効率も加味される。
上述したように、ハイブリッド車両の駆動システムは、クラッチ42が非係合状態であって当該車両の車輪(駆動輪)への駆動力がモータ2のみから伝達される状態(EVモード)と、クラッチ42が係合状態であって車輪への駆動力がモータ2を介してエンジン1からも伝達される状態(モータアシストモード)との2つの走行モードを少なくとも有する。エンジン1の駆動力がモータ2に伝達される状態であるモータアシストモードにおいては、エンジン1の回転数とモータ2の回転数とは線形性を有する。即ち、モータアシストモードにおいて、エンジン1の回転数とモータ2の回転数とは比例関係にある。これは、モータ2がエンジン1に対してアシストトルクを付加する力行動作の際でも、エンジン1の駆動力により発電機として機能する回生動作の際でも同様である。オルタネータ6のロータの回転数は、当然ながらエンジン1の回転数と比例関係にある。従って、低圧バッテリ4を充電するための電力を作り出す発電機として機能するモータ2及びオルタネータ6が発電する電力は、共にエンジン1の回転数との間に相関関係を有するものとなる。
尚、当然ながら、クラッチ42を有することなく、常にエンジン1とモータ2とが接続される構成であってもよい。クラッチ42を有していない場合でも、低圧バッテリ4を充電するための電力を作り出す発電機として機能するモータ2及びオルタネータ6が発電する電力は、共にエンジン1の回転数との間に相関関係を有するものとなる。
コンバータ5及びインバータ13は、複数のスイッチング素子を有して構成される。スイッチング素子には、IGBT(insulated gate bipolar transistor)やMOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)を適用すると好適である。コンバータ5やインバータ13の構成については、公知であるので詳細な説明及び図示は省略する。
車両制御ECU10、EG制御ECU11、モータ制御ECU12、S/A制御ECU16は、CPU(central processing unit)などの論理演算回路を有したマイクロコンピュータなどのプロセッサを中核として構成される。各ECUは、ハードウェア(プロセッサ)とソフトウェア(プログラム、パラメータ)との協働により、それぞれの機能を実現する。車両制御ECU10において構成される充電制御部7も、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。但し、各機能の実現は、ハードウェアとソフトウェアとの協働に限定されるものではなく、ASIC(application specific integrated circuit)などを利用してハードウェアのみで構成されることを妨げるものではない。
CPUは、例えば、CPUコア、プログラムメモリ、パラメータメモリ、ワークメモリ、通信制御部、A/Dコンバータ、タイマ、ポートなどを有して構成される。CPUコアは、CPUの中核であり、命令レジスタや命令デコーダ、種々の演算の実行主体となるALU(arithmetic logic unit)、フラグレジスタ、汎用レジスタ、割り込みコントローラなどを有して構成される。
プログラムメモリは、充電制御プログラム、モータ制御プログラムなどが格納された不揮発性のメモリである。パラメータメモリは、プログラムの実行の際に参照される種々のパラメータが格納された不揮発性のメモリである。図1に示すマップ8も、パラメータであり、マップ8はパラメータメモリに格納される。尚、パラメータメモリは、プログラムメモリと区別することなく、プログラムメモリに含められていてもよい。プログラムメモリやパラメータメモリは、例えばフラッシュメモリなどによって構成されると好適である。ワークメモリは、プログラム実行中の一時データを一時記憶するメモリである。ワークメモリは、揮発性で問題なく、高速にデータの読み書きが可能なDRAM(dynamic RAM)やSRAM(static RAM)により構成される。
通信制御部は、車両内の他のシステムやセンサなどとの通信を制御する。図1では、車両制御ECU10と他のECUとが直接接続されているように図示しているが、各ECUは、CAN(controller area network)などの車両内のネットワークを介して接続されていてもよい。どのような接続形態にせよ通信制御部を介して各ECUは連携可能である。A/Dコンバータは、アナログの電気信号をデジタルデータに変換する。例えば、モータ2の各ステータコイルに流れるモータ電流の検出結果が不図示の電流センサからアナログ値として出力される際には、当該アナログ値をデジタル値に変換する。また、低圧バッテリ4の電圧値の検出結果が電圧センサ34からアナログ値として出力される際には、当該アナログ値をデジタル値に変換する。
タイマは、CPUのクロック周期を最小分解能として時間を計測する。例えば、タイマは、プログラムの実行周期を監視し、CPUコアの割り込みコントローラに通知する。また、タイマは、コンバータ5やインバータ13のIGBTを駆動するゲート駆動信号の有効時間を計測して、当該ゲート駆動信号を生成する。ポートは、IGBTのゲート駆動信号などをCPUの端子を介して出力したり、CPUに入力される回転検出センサ(31,32,36)からの回転検出信号を受け取ったりする端子制御部である。図1において符号31で示される回転検出センサは、例えばタコメータであり、エンジン1の回転数を検出する。符号32で示される回転検出センサは、例えばレゾルバであり、モータ2の近傍に設置されてロータ22の回転位置や回転数を検出する。符号36で示される回転検出センサは、例えばエンコーダであり、オルタネータ6の回転数を検出する。
上述したように、低圧バッテリ4の充電電力の生成は、車両制御ECU10の充電制御部7の指令に従ってオルタネータ6及びコンバータ5の何れか一方により行われる。以下、充電制御部7による充電制御の詳細について説明する。図2は、低圧バッテリ4の充電電力ごとの回転数に応じた効率特性を示すグラフである。図2において、A*(*:1〜4)で示される曲線は、オルタネータ6により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率特性を示す。また、G*(*:1〜4)で示される曲線は、コンバータ5により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率特性を示す。具体的には、上述したように、高圧バッテリ4から持ち出された電力を発電機として機能するモータ2により発電する際の効率を含めた効率特性である。各効率特性に付された数字1〜4は、生成される電力の大きさを示しており、数字が大きいほど電力も大きい。ここでは、1が1kWであれば4が4kW、1が500Wであれば4が2kWというように、付される数字に比例した電力である場合を例示している。
図2から明らかなように、コンバータ5により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率は、エンジン1の回転数が低いときにピークを迎え、エンジン1の回転数が高くなると低下していく。オルタネータ6により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率は、エンジン1の回転数が低いときにはコンバータ5による生成時に比べて低い。但し、エンジン1の回転数の上昇に伴って効率が上昇し、コンバータ5による生成時の効率が低下し始める回転数よりも高い回転数に達してから効率が低下し始める。同じ充電電力を生成する際の効率特性を比較すると、効率特性A1とG1との効率はエンジン1の回転数がF1の時点を境に逆転し、効率特性A2とG2との効率はエンジン1の回転数がF2の時点を境に逆転し、効率特性A3とG3との効率はエンジン1の回転数がF3の時点を境に逆転し、効率特性A4とG4との効率はエンジン1の回転数がF4の時点を境に逆転する。
車両制御ECU10のマップ8には、図2に示すような効率特性がマッピングされている。つまり、マップ8は、コンバータ5及びオルタネータ6が要求電力に応じた充電電力を生成する際の効率(効率特性G*,A*)を、エンジン1の回転数に応じて要求電力(*1〜*4)の値ごとにマッピングした効率マップとして構成することができる。具体的には、パラメータメモリやプログラムメモリに、コンバータ5及びオルタネータ6が要求電力に応じた充電電力を生成する際の効率が、エンジン1の回転数及び要求電力の値に基づいた効率マップとして記憶される。充電制御部7は、マップ8を参照して、低圧バッテリ4の充電に要求される要求電力とエンジン1の現時点における回転数とに応じて、コンバータ5及びオルタネータ6のうち何れで低圧バッテリ4の充電電力を生成させるかを決定する。そして、充電制御部7は、コンバータ5及びオルタネータ6のうち充電電力を生成する際の効率が高い方により充電電力を生成させて低圧バッテリ4を充電する。具体的には、充電制御部7は、S/A制御ECU16、コンバータ制御ECU15、モータ制御ECU12などを制御して充電電力を生成させる。
ここで、図3のフローチャートも参照して、充電制御部7による処理手順の一例を説明する。初めに、低圧バッテリ4の充電要求の有無が判定される(#1)。例えば、CPUのフラグレジスタに充電要求フラグが設けられ、当該フラグが有効であるか否かが判定される。充電要求は、電圧センサ34により検出された低圧バッテリ4の電圧が所定のしきい値を下回ったときに車両制御ECU10などによって生成される。あるいは、車両制御ECU10は、低圧バッテリ4の電圧の検出結果を用いることなく、車両の灯火装置や、空調システム、音響映像システム、制御系システムなど、車載電装品(補機)の稼働状況から消費電力を算出して、充電要求を生成してもよい。また、低圧バッテリ4に不図示の電流センサが設けられ、低圧バッテリ4に対する電流の入出量から充電要求が生成されてもよい。尚、充電要求が生成される際には、充電に必要な要求電力の値も演算される。演算された要求電力は、例えばCPUの汎用レジスタなどに格納される。
充電要求が有る場合には、充電制御部7は、汎用レジスタなどから要求電力の値を取得すると共に、EG制御ECU11や車内ネットワークを介して回転センサ31(タコメータ)からエンジン1の回転数を取得する(#2)。続いて、充電制御部7は、要求電力とエンジン1の回転数とを引数としてマップ8を参照する(#3)。ここでは、マップ8が、図2に示したような効率特性がマッピングされた効率マップであるとして説明する。要求電力とエンジン1の回転数とを引数として、マップ8からコンバータ5により充電電力を生成する際の効率ηconと、オルタネータ6により充電電力を生成する際の効率ηaltが取得される。
そして、ηconとηaltとを比較してηaltが大きいか否か、つまり、オルタネータ6により充電電力を生成する方が効率が良いか否かが判定される(#4)。この判定は、ηconとηaltとの単純な比較でも良いが、ηconとηaltとの差が所定の判定しきい値よりも大きい場合に大小判定を行い、ηconとηaltとの差が所定の判定しきい値以下の場合には、充電電力を生成する主体(コンバータ5及びオルタネータ6)を変更しないものであるとさらに好適である。つまり、エンジン1の回転数の変動によって、ηconとηaltとの大小関係が頻繁に入れ替わり、それに応じて充電電力を生成する主体が頻繁に入れ替わると、ハンチング現象を生じて安定して充電電力を生成できない可能性がある。上述したように、ηconとηaltとの差が所定の判定しきい値よりも大きい場合には現状維持とすることで、ヒステリシスを有することと同様の効果を得ることができ、そのようなハンチング現象を抑制することができる。
ステップ#4において、オルタネータ6により低圧バッテリ4の充電電力を生成する方が効率が良いと判定された場合、充電制御部7は、S/A制御ECU16に対してオルタネータ6による発電指令を発する(#5)。S/A制御ECU16は、クラッチ46を締結させてオルタネータ6にエンジン1の駆動力を伝達させ、S/A駆動回路17の整流回路を介して発電された電力を低圧バッテリ4に供給して、低圧バッテリ4を充電させる。コンバータ5により低圧バッテリ4の充電電力を生成する方が効率が良い場合には、充電制御部7は、コンバータ制御ECU15に対してコンバータ5による降圧指令を発する(#6)。コンバータ制御ECU15は、高圧バッテリ3の出力を所定の充電電圧に降圧して低圧バッテリ4の充電電力を生成する。尚、この際、高圧バッテリ3から持ち出される電力に対応する電力をモータ2に発電させるべく、モータ制御ECU12も制御されると好適である。
この際、オルタネータ6による発電や、モータ2による発電には、エンジン1の駆動力が用いられる。従って、要求電力に相当する分だけ、エンジン1の駆動力が増加されると好適である。そのようなエンジン1の駆動力の制御は、EG制御ECU11によって実行される。
ところで、マップ8は、上述したようなマッピングに限定されるものではない。図4は、図2に基づいて上述したマップ8の概念とは別の効率マップの概念を示すグラフである。図4には、理解を容易にするために図2に示す効率特性のうち、効率特性A2及びG2を抜き出している。上述したように、エンジン1の回転数がF2の時点において、コンバータ5により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率ηconとオルタネータ6により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率ηaltとが逆転する。従って、この回転数F2を切り換え回転数FSとして、エンジン1の回転数が切り替え回転数FS以下の際には、コンバータ5により低圧バッテリ4の充電電力を生成させ、エンジン1の回転数が切り替え回転数FSより大きい際には、オルタネータ6により低圧バッテリ4の充電電力を生成させてもよい。この場合には、要求電力の値ごとに、切り換え回転数FSが設定されたマップを有していればよい。そして、ステップ#4において、切り換え回転数FSとエンジン1の現時点の回転数とを比較すれば、コンバータ5とオルタネータ6との何れが効率が高いかを判定することができる。
マップ8は、さらに別の概念により規定することも可能である。図4に示すように、要求電力の値ごとに、切り換え回転数FSを境界として、エンジン1の回転数が低い側の第1回転数帯S21(S1)と、エンジン1の回転数が高い側の第2回転数帯S22(S2)とを設定する。第1回転数帯S21(S1)は、コンバータ5により低圧バッテリ4の充電電力を生成する方が効率が高い回転数帯であり、第2回転数帯S22(S2)は、オルタネータ6により低圧バッテリ4の充電電力を生成する方が効率が高い回転数帯である。ステップ#4において、エンジン1の回転数が第1回転数帯S21(S1)の範囲内であるか、第2回転数帯S22(S2)の範囲内であるかを判定することによって、コンバータ5とオルタネータ6との何れが効率が高いかを判定することができる。
尚、第1回転数帯S1及び第2回転数帯S2は、要求電力ごとに設定され、効率が逆転する回転数(F1〜F4)を境界とすることなく、効率特性の最大値によって規定されてもよい。例えば、コンバータ5により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率が最大となるエンジン1の回転数である第1回転数P21を含む回転数帯を第1回転数帯S21(S1)とし、オルタネータ6により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率が最大となるエンジン1の回転数である第2回転数P22を含む回転数帯を第2回転数帯S22(S2)とする。
当然ながら、第1回転数帯S2(例えばS21)と第2回転数帯S2(例えばS22)との境界となる切り換え回転数FSは、効率が逆転する回転数(例えばF2)に関係なく設定されてもよい。この場合には、厳密には相対的に効率が悪い方において充電電力が生成される場合があり得る。しかし、理想値や実験から求められた標準値がマッピングされるマップ8に基づく効率と、実機における現実の効率との間には誤差が常在する。このため、第1回転数帯S1と第2回転数帯S2との境界が、効率が逆転する回転数(例えばF2)に関係なく設定されてもそのような誤差と等価であるので問題はない。
また、第1回転数帯S1と第2回転数帯S2とは、図5に示すように回転数の範囲が重複して設定されてもよい。即ち、第1回転数帯S1(S21)に一方の効率が最大となる第1回転数P1(P21)が含まれ、第2回転数帯S2(S22)に他方の効率が最大となる第2回転数帯P2(P22)が含まれていれば、1つの切り換え回転数FSを境界とすることなく、回転数の範囲を重複させて回転数帯設定されてもよい。1つの切り換え回転数FSにより回転数帯が区切られている場合には、切り換え回転数FSの近傍において、充電電力を生成する主体が頻繁に切り替わる現象であるハンチングを生じる可能性がある。第1回転数帯S1と第2回転数帯S2とを重複させることによって、ヒステリシスを設定したことと同様の効果を得ることができ、そのようなハンチングを抑制することが可能である。
例えば、図5において、エンジン1の回転数が、第1回転数帯S21の範囲を超えた場合、低圧バッテリ4の充電電力を生成する主体は、コンバータ5からオルタネータ6に変更される。ここで、再度エンジン1の回転数が第1回転数帯S21と第2回転数帯S22との重複範囲に低下しても、そこは第2回転数帯S22の範囲内であるから、コンバータ5による充電電力の生成に変更されることなく、オルタネータ6による充電電力の生成が継続される。その後、再度エンジン1の回転数が第1回転数帯S21の範囲を超えた場合には、当然、第2回転数帯S22だけの範囲内であるから継続してオルタネータ6により低圧バッテリ4の充電電力が生成される。このように、効率が逆転する回転数の近傍でエンジン1の回転数が上下に変動しても、その変動を受けることなく、安定して低圧バッテリ4の充電電力を生成することができる。
また、マップ8は、図2、図4、図5に示した効率特性に基づく効率マップに限定されることなく、コンバータ5及びオルタネータ6のうち低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率が高い方が規定された選択マップであってもよい。図6は、そのような選択マップの概念を示すグラフであり、要求電力とエンジン1の回転数との関係を示すグラフである。図2から明らかなように、コンバータ5により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率と、オルタネータ6により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率とが逆転するエンジン1の回転数(F1〜F4)は、要求電力の値が大きいほど大きい。図2においては要求電力の値は比例しているので、縦軸に要求電力、横軸にエンジン1の回転数を取って、効率が逆転する回転数(F1〜F4)をプロットし、プロットされた点を曲線Bに近似したものが図6に示すグラフである。
曲線Bは選択マップにおける境界を意味する。図6において曲線Bよりも上側の領域SGは、コンバータ5により低圧バッテリ4の充電電力を生成する方が効率が高いことが規定された範囲である。一方、図6において曲線Bよりも下側の領域SAは、オルタネータ6により低圧バッテリ4の充電電力を生成する方が効率が高いことが規定された範囲である。尚、効率マップを利用する際と同様に、単純に曲線Bを境界とすると、ハンチング現象を招く可能性がある。従って、図7に示すように、曲線Bを含む所定領域、例えば、曲線Bを縦軸方向の上下に所定量オフセットさせた曲線B1及びB2に挟まれた範囲を緩衝領域Eとして設定すると好適である。ステップ#4の説明や、第1回転数帯S1及び第2回転数帯S2の説明において例示したように、緩衝領域Eにおいては低圧バッテリ4の充電電力を生成する主体(コンバータ5及びオルタネータ6)を変更しないものとすると好適である。エンジン1の回転数の変動や要求電力の変動によって生じる可能性のあるハンチング現象を良好に抑制することができる。
尚、本実施形態においては、コンバータ5及びオルタネータ6により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率特性が図2に示すような特性となる場合を例として説明した。つまり、コンバータ5により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率は、エンジン1の回転数が低いときにピークを迎え、エンジン1の回転数が高くなると低下する特性を例示した。また、オルタネータ6により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率は、エンジン1の回転数が低いときにはコンバータ5による生成時に比べて低く、エンジン1の回転数の上昇に伴って効率が上昇し、コンバータ5による生成時の効率が低下し始める回転数よりも高い回転数に達してから効率が低下し始める特性を例示した。しかし、効率特性は、本実施形態に例示したものに限定されるものではない。
例えば、発電機として機能する際のモータ2の効率は、モータ2の構造や、インバータ13の回路構成などによって異なる。当然ながら、コンバータ5の回路構成によって降圧の際の効率も異なる。また、オルタネータ6による発電効率は、エンジン1とオルタネータ6との接続形態(ギヤやチェーン、ベルトなどの仕様)や、オルタネータ6の構造、S/A駆動回路17の回路構成などによって異なる。従って、コンバータ5により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率と、オルタネータ6により低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率とが、本実施形態とは全く逆となることも有り得る。本発明の要旨は、コンバータ5及びオルタネータ6のうち低圧バッテリ4の充電電力を生成する際の効率が高い方により低圧バッテリ4の充電電力を生成させて低圧バッテリ4を充電することにある。従って、効率特性、効率マップ、選択マップなど、実施形態において例示した、コンバータ5及びオルタネータ6の効率を判定するための基準は例示のものに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能であろうが、そのような改変も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上述した実施形態では、エンジン1の回転速度に比例してモータ2及び車輪の回転速度が定まるように駆動伝達装置が構成された、いわゆるパラレル方式のハイブリッド車両に、本発明に係るバッテリ充電システムを適用した場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、遊星歯車機構等を用いた作動歯車装置を備え、エンジン1からの駆動力を作動歯車装置によりモータ2と車輪とに分配する、いわゆるスプリット方式のハイブリッド車両に、本発明に係るバッテリ充電システムを適用することも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合には、単純にエンジン1の回転数に応じてモータ2による発電量が決まらず、エンジン1により生み出される動力の分配度合いもモータ2による発電量に影響を与えることになる。しかし、予め、動力分配も加味したマップを作成しておけば、本発明を適用可能である。
以上説明したように、本発明によれば、車両を駆動する回転電機用の高圧バッテリの出力を降圧するコンバータと、内燃機関により駆動されて発電するオルタネータとを良好に協調させて、全体として高い効率で車載電装品用の低圧バッテリを充電することが可能となる。
本発明は、駆動源として内燃機関と回転電機とを備えたハイブリッド車両に適用することが可能である。特に、ハイブリッド車両の駆動システムが以下のような構成であると好適である。その駆動システムは、車両の駆動輪への駆動力が回転電機のみから伝達される状態と、回転電機を経由して内燃機関からも伝達される状態とを少なくとも有するものであり、内燃機関の回転数と回転電機の回転数とは、内燃機関の駆動力が回転電機に伝達される状態において線形性を有する構成である。
1:エンジン(内燃機関)
2:モータ(回転電機)
3:高圧バッテリ
4:低圧バッテリ
5:コンバータ
6:オルタネータ
7:充電制御部
8:マップ(効率マップ、選択マップ)
P1:第1回転数
P2:第2回転数
S1,S21:第1回転数帯
S2,S22:第2回転数帯
2:モータ(回転電機)
3:高圧バッテリ
4:低圧バッテリ
5:コンバータ
6:オルタネータ
7:充電制御部
8:マップ(効率マップ、選択マップ)
P1:第1回転数
P2:第2回転数
S1,S21:第1回転数帯
S2,S22:第2回転数帯
Claims (6)
- 駆動源として内燃機関と回転電機とを備えたハイブリッド車両のバッテリ充電システムであって、
前記回転電機に電力を供給すると共に当該回転電機により発電された電力を蓄える高圧バッテリと、
前記高圧バッテリよりも低い定格電圧で電力を蓄える低圧バッテリと、
前記高圧バッテリの出力を所定の充電電圧に降圧して前記低圧バッテリの充電電力を生成するコンバータと、
前記内燃機関により駆動されて発電し、前記低圧バッテリの充電電力を生成するオルタネータと、
前記低圧バッテリの充電に要求される要求電力と前記内燃機関の回転数とに応じて、前記コンバータ及び前記オルタネータのうち前記低圧バッテリの充電電力を生成する際の効率が高い方により前記低圧バッテリの充電電力を生成させて前記低圧バッテリを充電する充電制御部と、を備えるバッテリ充電システム。 - 前記充電制御部は、前記コンバータにより前記低圧バッテリの充電電力を生成する際の効率が最大となる前記内燃機関の回転数である第1回転数を含む第1回転数帯に前記内燃機関の回転数が含まれる間は、前記コンバータにより前記低圧バッテリの充電電力を生成させて前記低圧バッテリを充電し、前記オルタネータにより前記充電電力を生成する際の効率が最大となる前記内燃機関の回転数である第2回転数を含む第2回転数帯に前記内燃機関の回転数が含まれる間は、前記オルタネータにより前記低圧バッテリの充電電力を生成させて前記低圧バッテリを充電する請求項1に記載のバッテリ充電システム。
- 前記第1回転数帯及び前記第2回転数帯は、前記要求電力に応じて設定されている請求項2に記載のバッテリ充電システム。
- 前記コンバータ及び前記オルタネータが前記要求電力に応じた前記低圧バッテリの充電電力を生成する際の効率を、前記内燃機関の回転数および前記要求電力の値に基づいて記憶した効率マップを備え、前記充電制御部は、前記効率マップに基づいて前記コンバータ及び前記オルタネータの何れかで前記低圧バッテリの充電電力を生成させるかを決定する請求項1〜3の何れか一項に記載のバッテリ充電システム。
- 前記要求電力と前記内燃機関の回転数とに応じて、前記コンバータ及び前記オルタネータのうち前記低圧バッテリの充電電力を生成する際の効率が高い方が規定された選択マップを備え、前記充電制御部は、前記選択マップに基づいて前記コンバータ及び前記オルタネータの何れかで前記低圧バッテリの充電電力を生成させるかを決定する請求項1〜3の何れか一項に記載のバッテリ充電システム。
- 前記内燃機関の回転数と前記回転電機の回転数とは、前記内燃機関の駆動力が前記回転電機に伝達される状態において線形性を有するものである請求項1〜5の何れか一項に記載のバッテリ充電システム。
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JP2010018954A JP2011160530A (ja) | 2010-01-29 | 2010-01-29 | バッテリ充電システム |
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JP2010018954A Pending JP2011160530A (ja) | 2010-01-29 | 2010-01-29 | バッテリ充電システム |
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-
2010
- 2010-01-29 JP JP2010018954A patent/JP2011160530A/ja active Pending
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