JP2011157922A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ECU50は、所定の運転領域D−Bでは調整弁21を開きかつ調整弁22を閉じることにより、タービン9上流に新気の一部をバイパスさせることができる。また、ECU50は、所定の運転領域Bでは調整弁21を閉じかつ調整弁22を開放することにより、スタート触媒14下流に新気を流すことができる。これにより運転領域に応じて複数の新気バイパス通路24、25を適切に使い分けることができる。
【選択図】図1
Description
内燃機関の吸気通路に設けられたコンプレッサおよび前記内燃機関の排気通路に設けられた排気タービンを備える過給機と、
前記排気タービンの下流に設けられた触媒と、
前記吸気通路における前記コンプレッサ下流と前記排気通路における前記排気タービン上流とを連通させる第1バイパス通路と、前記吸気通路における前記コンプレッサ下流と前記排気通路における前記触媒の下流とを連通させる第2バイパス通路とを含むバイパス系と、
前記バイパス系に設けられ、前記第1バイパス通路および前記第2バイパス通路の連通状態を変更可能な1つまたは複数の弁と、
を有する内燃機関を制御する制御装置であって、
所定の第1運転領域において前記第1バイパス通路を開放し前記第1運転領域に比して高い回転数域に定めた所定の第2運転領域において前記第2バイパス通路を開放するように前記弁を制御する制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
前記第1運転領域は、低回転数かつ高負荷の領域に定めた所定領域であって、
前記第2運転領域は、前記第1運転領域よりも高負荷側の領域である高負荷側領域と、前記第1運転領域に比して高回転数かつ軽負荷の領域である高回転軽負荷領域と、前記高負荷側領域と前記高回転軽負荷領域との間に定めた中回転数かつ中負荷の領域である中回転中負荷領域とを含むものであることを特徴とする。
前記制御手段は、前記内燃機関の加速時に前記第1バイパス通路と前記第2バイパス通路の両方が閉鎖されるように前記弁を制御する加速時バイパス禁止手段を含むことを特徴とする。
前記内燃機関のノッキングを検出するためのノッキング検出手段と、
前記第1運転領域において前記ノッキング検出手段でノッキングが検出された場合に、前記第1バイパス通路を介して流れる空気量を増加する第1バイパス量増加手段と、
をさらに備えることを特徴とする。
前記内燃機関の前記過給器がウエストゲートバルブを有しており、
前記内燃機関のノッキングを検出するためのノッキング検出手段と、
前記第2運転領域において前記ノッキング検出手段でノッキングが検出された場合であって前記ウエストゲートバルブが開いているときに、当該ウエストゲートバルブの開度を小さくしかつ前記第2バイパス通路を介して流れる空気量を増加するウエストゲートバルブ開時バイパス量増加手段と、
を備えることを特徴とする。
前記ウエストゲートバルブ開時バイパス量増加手段が、前記ウエストゲートバルブを閉じ且つ前記第2バイパス通路を介して流れる空気量を増加する手段を含むことを特徴とする。
前記内燃機関の前記過給器がウエストゲートバルブを有しており、
前記第2運転領域において前記ノッキング検出手段でノッキングが検出された場合であって前記ウエストゲートバルブが閉じているときに、前記第2バイパス通路を介して流れる空気量を増加するウエストゲートバルブ閉時バイパス量増加手段と、
を備えることを特徴とする。
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置の構成を、これが適用される内燃機関とともに示す図である。車両等の移動体に好適である。図1には便宜上1つの気筒を示すが、多気筒内燃機関であってもよい。
以下、図2および図3を用いて、実施の形態1の内燃機関の制御装置の動作について説明する。
新気の一部を排気通路にバイパスさせるシステム構成とする。このとき、コンプレッサ下流(スロットル上流)とタービン入口とを連通させ、コンプレッサ下流(スロットル上流)とスタート触媒の下流を連通させる。これらの連通を切り換えることができるようにし、必要に応じて両方の連通を遮断できるようにする。
低速高負荷の場合には、燃焼変動が悪化しやすい。これに対しては、燃料密度を高めることによって燃焼を安定化させることができる。燃焼が安定することで未燃燃料の排出が抑制され、後燃えがなくなり、タービン入口ガス音やスタート触媒床温の高温化を抑制できる。このため、低速低負荷の場合には、タービン前に新気をバイパスさせることは問題とならない。
また、タービン前に新気をバイパスさせるため、次のような利点がある。すなわち、タービンを通過する空気量はバイパスがなされない場合と同等である。燃焼室では理論空燃比より濃い混合気となり排気ガス温度が低い場合でも、バイパスされた新気によってタービン入口部では理論空燃比とすることができるため、バイパスがなされないときと同等の排気ガス温度が得られる。
以上から、タービン前に新気をバイパスさせる構成によれば、バイパスが行われない場合と比べても排気エネルギーを同等にすることができ、過給空気量や応答性を確保維持することができる。
コンプレッサ下流(スロットル上流)から新気をバイパスさせるのは、高速軽負荷域でもコンプレッサ出口圧>サージタンク圧という状態になるためであり、排気論空燃比域の拡大が図れる。
排気通路への新気バイパス作動中に加速判定(例えばスロットル開度変化を監視するなどによる判定)がなされた場合には、新気のバイパスを停止する。
新気のバイパスを停止することでスロットル前後圧を高めることができ、相対的に燃焼室空気量が増加する。このためエンジン出力が増加し、加速度を高めることができる。また、温度(例えばスタート触媒床温)は瞬時に上昇するわけではないので、過渡時においてはこのような新気バイパス停止は問題とはならない。
領域B:λ1運転の場合にはタービン9の入口ガス温度またはスタート触媒14の床温が所定温度より高くなる領域
領域C:λ1運転の場合にはアンダーフロア触媒(実施の形態1ではメイン触媒15)の床温が許容所定値を超える領域
領域D:λ1運転の場合には燃焼変動が悪化する領域、燃焼変動が大きい領域
領域E:スロットル前(コンプレッサ出口)圧力>タービン出口圧となる領域
領域D−Bでは、調整弁21を開き、調整弁22を閉じる。すなわち新気バイパス通路24を介してタービン9上流に新気をバイパスさせる。これにより、燃焼室空燃比をリッチ化し、燃料密度を高め、燃焼を安定させることができる。
燃焼が安定することで未燃燃料が抑制され、後燃えがなくなり、タービン9入口ガス温度やスタート触媒14床温の高温化を抑制することができる。また、前述したように、タービン9の前に新気をバイパスさせる構成によれば、タービン通過空気量や排気ガス温度を確保できる。その結果、過給空気量や応答性を確保維持することができる。
領域Bでは、調整弁21を閉じて、調整弁22を開放する。これにより、スタート触媒14下流に新気のバイパスを行う。その結果、タービン9入口やスタート触媒14を通過する排気ガスの空燃比を理論空燃比よりも濃い状態にして温度上昇を抑制することができる。メイン触媒15の前に新気をバイパスさせることによりメイン触媒15では理論空燃比とすることができるので、排気浄化性能も良好に維持することができる。
領域Aおよび領域Cでは、調整弁21および調整弁22を閉じる。これにより、新気のバイパスは行わない。
上記(1−2)で述べたように、新気バイパスを停止することでスロットル6の前後圧を高めることができ、相対的に燃焼室空気量が増加する。このため内燃機関本体1のエンジン出力が増加し、加速度を高めることができる。また、新気バイパスを停止してもスタート触媒14の床温は瞬時に上昇するわけではないので、過渡時におけるこのような新気バイパス停止は問題とはならない。
なお、加速判定の具体的手法については、公知の各種技術を適宜に使用すれば良いため詳述はしないが、例えばECU50にスロットル開度変化を監視する処理を実行させたり加速要求の有無を判定したりするなど、種々の加速判定技術を利用することができる。
実施の形態2の内燃機関の制御装置は、図1に示した実施の形態1の構成と同様のハードウェア構成を備える。ただし、実施の形態2では、内燃機関本体1におけるノッキングの発生を検出する構成が備えられているものとする。ノッキング検出用の構成は、具体的にはノッキングセンサを内燃機関本体1のシリンダブロック等に取り付けるなど、各種公知技術を用いて実現すればよく、新規な事項ではないため、詳細な説明は行わない。
実施の形態2では、過給エンジンで新気を排気通路にバイパスさせるシステムを有する構成において、過給圧>排気圧となる運転領域で下記のような動作(2−1)〜(2−4)を実現する。
吸入空気量計測後の新気を燃焼室と排気に分割していることにより、バイパス量に応じて燃焼室内空燃比がリッチ化する。その結果、燃料密度が高まり、燃焼が安定化する。
また、吸入空気量計測値に基づいて排気ガス空燃比が理論空燃比となるように燃料制御されているため、排気浄化性能にも悪影響が無い。
点火時期の遅角を行うと、本来の燃焼変動抑制効果が低下するとともに後燃えが問題となり、タービンに流入するガス温度や触媒床温の上昇といった問題が発生するからである。
一方、バイパスさせる新気の量を増量することにより、燃焼空気量が減少且つ燃焼室内空燃比がリッチ化する。この分の出力低下は生じるものの、他への影響(燃焼変動、排気浄化への影響)なく、ノッキングの抑制を行うことができる。
この領域においてタービン9に流れる排気ガス量を制御するウエストゲートバルブ12が開いている領域(一般には中回転域〜高回転域)でノッキングが検出された場合には、下記のステップSt1、St2、St3に述べる措置とる。
新気のバイパス量増量により燃焼空気量が減少する分に関しては、過給圧を高めることで新気供給量を増加させて燃焼空気量を同等にできる。このため、トルク低下はリッチ化分のみの影響で済む。
燃焼空気量が減少し、かつ燃焼室内空燃比がリッチ化する。
燃料性状等の影響でプレイグニッションが発生するおそれがあると判断されるような異常状態における、有効な回避策となる。
これにより、前述の(2−2)において述べたのと同じ作用効果を得ることができる。すなわち、バイパスさせる新気の量を増量することにより、燃焼空気量が減少且つ燃焼室内空燃比がリッチ化する。この分の出力低下は生じるものの、他への影響(燃焼変動、排気浄化への影響)なく、ノッキングの抑制を行うことができる。
実施の形態2では、上記に述べた各動作のうち、上記(2−2)に述べた点と、ウエストゲートバルブ12の開閉状態に応じて上記の(2−3)と(2−4)の制御を切り換える点と、ノッキング抑制状態において(2−3)のステップSt1をステップSt2に切り換えるという点を、ECU50に各運転領域に応じて実行させることにした。
領域D−B:燃焼変動抑制のため、新気のバイパスについては、調整弁21を開く調整弁22を閉じるように制御し、燃焼室内空燃比をリッチに、タービン9前排気空燃比を理論空燃比となるようにする。
領域A:調整弁21、22の両方を閉じ、燃焼室内が理論空燃比となるように運転する。
領域B:温度抑制のため、調整弁21を閉じ調整弁22を開くように制御を行い、スタート触媒14を通過する排気ガスの空燃比をリッチ化し、メイン触媒15前において排気ガスの空燃比を理論空燃比とする。
ノッキングが検出されると、ECU50は、下記のように、運転領域に応じてその制御内容を変更する。
Stb1:ウエストゲートバルブ12が閉じているときには、調整弁22の開度を増大させるように、ECU50が調整弁22を制御する。燃焼室の空気量が減ること、燃焼室空燃比が更にリッチになることからノッキングを抑制できる。
Stb2:ウエストゲートバルブ12が開いているときには、ウエストゲートバルブ12の開度を絞り、調整弁22の開度を増大させるように、ECU50が調整弁22およびウエストゲートバルブ12を制御する。燃焼室への空気量を保持しつつ空燃比リッチによるノッキング抑制を行う。
また、ノッキング抑制不可時は、次の措置として、ウエストゲートバルブ12の開度を正規の開度に戻し、調整弁22の開度を更に拡大する。これにより燃焼室の空気量低減、空燃比の更なるリッチ化を行うことによって、ノッキングを回避する。
2 エアクリーナ
3 空気計量部
4 コンプレッサ
5 インタークーラ
6 スロットルバルブ
7 サージタンク
8 エキゾーストマニホールド
9 タービン
10 燃料噴射弁
11 ターボチャージャー
12 ウエストゲートバルブ
13 空燃比センサ
14 スタート触媒
15 メイン触媒
21、22 調整弁
23、24、25 新気バイパス通路
Claims (7)
- 内燃機関の吸気通路に設けられたコンプレッサおよび前記内燃機関の排気通路に設けられた排気タービンを備える過給機と、
前記排気タービンの下流に設けられた触媒と、
前記吸気通路における前記コンプレッサ下流と前記排気通路における前記排気タービン上流とを連通させる第1バイパス通路と、前記吸気通路における前記コンプレッサ下流と前記排気通路における前記触媒の下流とを連通させる第2バイパス通路とを含むバイパス系と、
前記バイパス系に設けられ、前記第1バイパス通路および前記第2バイパス通路の連通状態を変更可能な1つまたは複数の弁と、
を有する内燃機関を制御する制御装置であって、
所定の第1運転領域において前記第1バイパス通路を開放し前記第1運転領域に比して高い回転数域に定めた所定の第2運転領域において前記第2バイパス通路を開放するように前記弁を制御する制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記第1運転領域は、低回転数かつ高負荷の領域に定めた所定領域であって、
前記第2運転領域は、前記第1運転領域よりも高負荷側の領域である高負荷側領域と、前記第1運転領域に比して高回転数かつ軽負荷の領域である高回転軽負荷領域と、前記高負荷側領域と前記高回転軽負荷領域との間に定めた中回転数かつ中負荷の領域である中回転中負荷領域とを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記制御手段は、前記内燃機関の加速時に前記第1バイパス通路と前記第2バイパス通路の両方が閉鎖されるように前記弁を制御する加速時バイパス禁止手段を含むことを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
- 前記内燃機関のノッキングを検出するためのノッキング検出手段と、
前記第1運転領域において前記ノッキング検出手段でノッキングが検出された場合に、前記第1バイパス通路を介して流れる空気量を増加する第1バイパス量増加手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。 - 前記内燃機関の前記過給器がウエストゲートバルブを有しており、
前記内燃機関のノッキングを検出するためのノッキング検出手段と、
前記第2運転領域において前記ノッキング検出手段でノッキングが検出された場合であって前記ウエストゲートバルブが開いているときに、当該ウエストゲートバルブの開度を小さくしかつ前記第2バイパス通路を介して流れる空気量を増加するウエストゲートバルブ開時バイパス量増加手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。 - 前記ウエストゲートバルブ開時バイパス量増加手段が、前記ウエストゲートバルブを閉じ且つ前記第2バイパス通路を介して流れる空気量を増加する手段を含むことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記内燃機関の前記過給器がウエストゲートバルブを有しており、
前記第2運転領域において前記ノッキング検出手段でノッキングが検出された場合であって前記ウエストゲートバルブが閉じているときに、前記第2バイパス通路を介して流れる空気量を増加するウエストゲートバルブ閉時バイパス量増加手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
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