JP2011157900A - 燃料供給装置 - Google Patents

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伸一郎 堀底
Taichi Nakamura
太一 中村
Bunji Honma
文司 本間
Takao Ikaruga
孝夫 鵤木
Naoki Takeuchi
直樹 竹内
Yoshiharu Nakano
由晴 中野
Keizo Hayama
恵三 葉山
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

【課題】ハーネスの共有化を図り、製造コストを低減できる燃料供給装置を提供する。
【解決手段】燃料タンク内に配置され、燃料タンク内の燃料を汲み上げて内燃機関へと圧送する燃料ポンプ3と、燃料タンクに固定され、燃料ポンプ3を内包するアッパーカップ5を有するホルダ部4と、アッパーカップ5の外周面側でホルダ部4に設けられ、燃料タンクの内外を導通させるコネクタ端子22と、アッパーカップ5に形成された開口窓52を介して燃料ポンプ3とコネクタ端子22との間に配索され、これら燃料ポンプとコネクタ端子22とを電気的に接続するためのハーネス9とを備え、ホルダ部4に、アッパーカップ5の外周面側に配索されたハーネス9の移動を規制するカバー55を着脱可能に設けた。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば自動二輪車や四輪車に用いられ、燃料タンクから内燃機関に燃料を供給するための燃料供給装置に関するものである。
一般に、自動二輪車や四輪車の車両用の燃料供給装置として、燃料タンク内に燃料ポンプを配置し、燃料タンク内の燃料に燃料供給装置を浸漬する、所謂インタンク式を採用する場合が多い。この種の燃料供給装置の燃料ポンプは、下部に燃料を汲み上げて内燃機関(エンジン)へと圧送するポンプ部を備えている。また、このポンプ部の上部に、ポンプ部を駆動するモータ部が設けられている。
このように構成された燃料ポンプは、燃料タンクの壁面に固定されているフランジユニット、およびアッパーカップ(筒部)を介して燃料タンク内に固定されている。アッパーカップは、燃料ポンプを内包するように円筒状に形成されており、フランジユニットと協働して燃料ポンプを支持するようになっている。フランジユニットは、燃料タンクの壁面に固定可能に形成されている。
そして、燃料タンクに形成されている燃料取付孔から燃料ポンプを挿入し、燃料取付孔をフランジユニットによって閉塞するような状態で、このフランジユニットを燃料タンクの壁面に固定する。これによって、燃料タンク内に燃料ポンプを配置することができるようになっている。すなわち、フランジユニットは、燃料タンクの壁面の一部を構成しており、燃料タンクの内部と外部とを隔てている。
また、フランジユニットには電源コネクタが設けられている。この電源コネクタは、外部電源を燃料ポンプに供給するためのものであって、複数の端子を有している。複数の端子は、燃料タンクの内外を導通させるように形成されている。そして、電源コネクタの燃料タンクよりも外側には、外部電源に接続された外部コネクタが嵌着される。一方、電源コネクタの燃料タンクよりも内側には、燃料ポンプに一端が接続されているハーネスの他端が接続される。
ここで、アッパーカップに燃料流入孔(開口窓)を形成すると共に、この開口窓に複数の端子を露出させ、開口窓を介してアッパーカップの内外にハーネスを配索させる場合がある。このように構成することで、端子にハーネスの他端をアッパーカップの外周面側で接続させることができるので、作業者が容易に目視確認でき、接続作業性が向上する。
また、このような場合、アッパーカップの外周面側にハーネスが配索されるので、燃料タンクに燃料ポンプを挿入する際、ハーネスが邪魔になり、組み付け作業が煩わしくなる。このため、アッパーカップの外周面であって、かつハーネスの配索経路の途中に、ハーネスを束ねるためのフックを形成する場合がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−52427号公報
ところで、フランジユニットやアッパーカップは、軽量化、生産性等の観点から樹脂により形成される場合が多い。ここで、上述の実施形態において、アッパーカップを形成する金型の構造上、フックの形成位置が制約され、ハーネスの配索経路の途中に適正にフックを形成することが困難になる場合がある。
このような場合、フックの形成可能箇所に応じて無駄にハーネスを長く設定したり、燃料供給装置のバリエーションごとに異なる長さのハーネスを用意したりする必要がある。このため、燃料供給装置の製造コストが増大するという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ハーネスの共有化を図り、製造コストを低減できる燃料供給装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、燃料タンク内に配置され、前記燃料タンク内の燃料を汲み上げて内燃機関へと圧送する燃料ポンプと、前記燃料タンクに固定され、前記燃料ポンプを内包する筒部を有するホルダ部と、前記筒部の外周面側で前記ホルダ部に設けられ、前記燃料タンクの内外を導通させる端子と、前記筒部に形成された開口窓を介して前記燃料ポンプと前記端子との間に配索され、これら燃料ポンプと端子とを電気的に接続するためのハーネスとを備え、前記ホルダ部に、前記筒部の外周面側に配索された前記ハーネスの少なくとも一部の移動を規制する規制手段を着脱可能に設けたことを特徴とする。
このように構成することで、ホルダ部を樹脂により形成した場合、ハーネスの移動を規制する規制手段が筒部と別体に形成されるので、規制手段の取り付け位置が制約を受けることがない。このため、最適な位置に規制手段を設け、効果的にハーネスを抑えることができる。よって、無駄にハーネスを長く設定したり、燃料供給装置のバリエーションごとに異なる長さのハーネスを用意したりする必要がなくなる。この結果、ハーネスを共有化でき、製造コストを低減できる。
請求項2に記載した発明は、前記端子の近傍に、前記規制手段を設けたことを特徴とする。
このように、複数のハーネスがばらけにくい端子近傍に規制手段を設けることにより、さらに効率よく複数のハーネスの移動を規制することが可能になる。
請求項3に記載した発明は、前記ホルダ部における前記端子のハーネス側端末部に対応する位置に、ハーネス接続部を設け、前記ハーネス接続部は、前記ハーネス側端末部の周囲を囲繞するように形成され、かつ前記ハーネスを挿入可能な開口部を有し、前記規制手段に、前記開口部を閉塞するシール部を設けたことを特徴とする。
このように構成することで、燃料の飛散による端子やハーネスの腐食を効率よく、かつ確実に防止できると共に、端子とハーネスとの接続部分の絶縁性を向上させることができる。
請求項4に記載した発明は、前記規制手段に弾性変形可能な係止片を設け、この係止片、および前記ハーネス接続部の外面の何れか一方に係合凸部を形成し、他方に、この係合凸部と係合可能な係合孔を形成したことを特徴とする。
このように構成することで、規制手段を容易に取り付けることが可能になり、作業効率を向上させることができる。
請求項5に記載した発明は、前記規制手段は、前記筒部の外周面側に配索されている前記ハーネスの全体を覆うように形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、例えば燃料タンクに燃料ポンプを挿入する際、ハーネスが邪魔になるのを防止でき、組み付け作業性を向上させることができる。
本発明によれば、ホルダ部を樹脂により形成した場合、ハーネスの移動を規制する規制手段が筒部と別体に形成されるので、規制手段の取り付け位置が制約を受けることがない。このため、最適な位置に規制手段を設け、効果的にハーネスを抑えることができる。よって、無駄にハーネスを長く設定したり、燃料供給装置のバリエーションごとに異なる長さのハーネスを用意したりする必要がなくなる。この結果、ハーネスを共有化でき、製造コストを低減できる。
本発明の第一実施形態における燃料供給装置の側面図である。 本発明の第一実施形態におけるホルダ部の斜視図である。 図2のB矢視図である。 本発明の第一実施形態におけるカバーの斜視図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 本発明の第二実施形態における燃料供給装置の側面図である。 本発明の第三実施形態における燃料供給装置の側面図である。 本発明の第四実施形態における燃料供給装置の側面図である。
(第一実施形態)
(燃料供給装置)
次に、この発明の第一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、燃料供給装置1の側面図である。
同図に示すように、燃料供給装置1は、例えば自動車や自動二輪車などの燃料タンク2内に燃料に浸漬されて配置され、燃料タンク2内の燃料を汲み上げて不図示の内燃機関に圧送するものである。なお、以下において、説明を簡単にするために、燃料供給装置1の燃料タンク2よりも外側方向(図1における上側)を単に上側、燃料タンク2の内側方向(図1における下側)を単に下側などと表現する場合がある。
燃料供給装置1は、燃料タンク2の上壁2aに形成されている開口部2bから挿入するように取り付けられている。燃料供給装置1は、燃料タンク2内に配置される燃料ポンプ3と、燃料タンク2の上壁2aに取り付けられ燃料ポンプ3を内包するアッパーカップ5を有するホルダ部4と、アッパーカップ5に取り付けられ、燃料ポンプ3を支持するロワーカップ6と、ロワーカップ6の下側、つまり、燃料ポンプ3の吸入側に配設されたフィルタユニット7とを備えている。
(燃料ポンプ)
燃料ポンプ3は、燃料を汲み上げるためのポンプ部Pと、このポンプ部Pの上部に設けられ、ポンプ部Pを駆動するためのモータ部Mとを有している。
ポンプ部Pは不図示のインペラ等によって構成されており、下部に不図示の吸入管が軸方向に下方に向かって立設されている。この他に、ポンプ部Pの下部には、ポンプ部P内で発生したベーパを排出する不図示の脱気孔が形成されている。
ポンプ部Pによって汲み上げられた燃料は、モータ部M内に流入する。モータ部Mの上部には、ポンプ部Pによって汲み上げられた燃料を吐出するための吐出ポート10が形成されている。吐出ポート10は、ホルダ部4に設けられた後述の燃料取出し管18に連通している。燃料ポンプ3によって汲み上げられた燃料は、燃料取出し管18を介して内燃機関へと圧送される。
また、モータ部Mの上部には端子8が立設されおり、ここに複数のハーネス9の一端が接続されている。ハーネス9の他端は、ホルダ部4に一体形成されている後述のコネクタ11に接続されている。
(ホルダ部)
図2は、ホルダ部4の斜視図、図3は、図2のB矢視図である。
図1〜図3に示すように、ホルダ部4は樹脂成形されたものであって、燃料タンク2の上壁2aに取り付けられるフランジユニット12と、燃料ポンプ3を内包するアッパーカップ5とを有し、両者12,5が溶着等により一体化されている。
なお、フランジユニット12とアッパーカップ5とを互いに溶着する構造にせず、両者12,5を一体成形としてもよい。
フランジユニット12は、有底筒状のユニット本体13と、ユニット本体13の周壁13aに設けられ、燃料タンク2の上壁2aに形成されている開口部2bを閉塞する外フランジ部14とが一体成形されたものである。
外フランジ部14には、周方向に4箇所切り欠き部15が形成されている。この切り欠き部15にボルトやビスなどを挿通し、燃料タンク2の上壁2aに設けられている雌ネジ部やビス孔などを利用してフランジユニット12を上側から固定するようになっている。すなわち、フランジユニット12の外フランジ部14よりも上側は、燃料タンク2の外部に露出した状態になる。
また、外フランジ部14の下面側には、燃料タンク2の開口部2bにインロー嵌合する円筒状のシール部16が形成されている。シール部16の外周面には、不図示のOリング溝が形成されており、ここにOリング59が装着されている。これにより、燃料タンク2とホルダ部4との間のシール性が確保されるようになっている。
さらに、シール部16の周囲に軸方向平面視円弧状のガイド部17が4箇所形成されており、シール部16、ガイド部17、および燃料タンク2の上壁2aとで囲まれる空間にシール部材(不図示)を配置できるようになっている。
ユニット本体13の上部には、燃料取出し管18が設けられている。この燃料取出し管18は、燃料ポンプ3から汲み上げられた燃料を内燃機関へと圧送するためのものであって、先端が不図示の内燃機関に接続されている。
ユニット本体13の底部13bには、燃料ポンプ3の吐出ポート10に対応する位置に、吐出ポート10を内嵌可能な接続管40が突設されている。この接続管40の内部は、燃料取出し管18に連通されており、吐出ポート10から吐出された燃料が接続管40、燃料取出し管18を介して不図示の内燃機関に圧送されるようになっている。
また、接続管40には、チェックバルブ19(図1参照)が収納されている。チェックバルブ19は、吐出ポート10から燃料取出し管18へと圧送される燃料の逆流を防止するためのものである。
さらに、ユニット本体13の上側には、径方向中央を中心にして燃料取出し管18とは反対側に、コネクタ20が一体成形されている。
コネクタ20は、不図示の外部電源の電力を燃料ポンプ3のモータ部Mに給電するためのものであって、コネクタハウジング21と、アッパーカップ5の外周面に設けられている後述のハーネス接続部51と、コネクタハウジング21からハーネス接続部51に至る間に延在し、ユニット本体13にインサート成型されているコネクタ端子22とを有している。
コネクタハウジング21は、不図示の外部電源に接続されている外部コネクタ23を嵌着可能に形成されており、外部コネクタ23を受け入れ可能な受け入れ口21aを有している。外部コネクタ23としては、例えば5つの雌端子が一列に配置されている既存の汎用コネクタ等が用いられる。
コネクタ端子22は、ユニット本体13にインサート成型され、燃料タンク2の内外を導通させるものである。コネクタ端子22は、外部コネクタ23に対応するように、5つの端子により構成されている。
ユニット本体13の下部周縁、つまり、外フランジ部14の下面側であって、かつシール部16よりも径方向内側には、燃料ポンプ3を内包するアッパーカップ5が設けられている。アッパーカップ5は、燃料ポンプ3の外周面を覆うように略円筒状に形成されている。
アッパーカップ5のユニット本体13側には、開口窓52が形成されている。この開口窓52を介し、燃料ポンプ3に接続されている複数のハーネス9の他端が径方向外側へと引き出される。開口窓52の内周縁には、ハーネス9が引き出される部位にフック49が一体形成されている。このフック49と開口窓52の内周縁とによりハーネス9が挟持され、開口窓52近傍でのハーネス9の振動が抑制されるようになっている。
アッパーカップ5の外周面とシール部16との間には、開口窓52を避けた位置にハーネス接続部51が軸方向に沿って延在するように5つ設けられている。ハーネス接続部51は、コネクタ端子22と、燃料ポンプ3に一端が接続されている複数のハーネス9の他端とを接続するためのものであって、コネクタ端子22のハーネス側端末部24の周囲を囲繞するように略円筒状に形成されている。
また、ハーネス接続部51は、この上端が外フランジ部14に接合された状態になっており、下端に開口部51aを有している。この開口部51aに、ハーネス9の他端がそれぞれ挿入されるようになっている。
すなわち、燃料ポンプ3から開口窓52を介して径方向外側に引き出された複数のハーネス9は、アッパーカップ5の外周面側において、軸方向下方に向かって一旦弛ませた後、軸方向上側に向かって折り返すように湾曲されている。そして、各ハーネス接続部51の開口部51aに、それぞれ対応するハーネス9の他端が挿入され、各ハーネス接続部51の内部でコネクタ端子22とハーネス9の他端とが接続される。これにより、不図示の外部電源と燃料ポンプ3とが電気的に接続されるようになっている。
なお、アッパーカップ5の開口窓52周縁から、アッパーカップ5の外周面側に配索されたハーネス9の最下部に至る間の長さ、つまり、ハーネス9の弛み量L1は、約80mm程度以下であることが望ましい。このように弛み量L1を設定することにより、ハーネス9の接続作業性を悪化させることなく、車両走行時等にハーネス9の振動が大きくなってしまうのを防止できる。
さらに、5つのハーネス接続部51のうち、最外側に位置しているハーネス接続部51には、各ハーネス接続部51の配列方向外側に係合凸部54が形成されている。この係合凸部54は、後述のカバー55をスナップフィット固定するためのものであって、その下部に傾斜面54aが形成されている。
(カバー)
図4は、カバー55の斜視図、図5は、図1のA−A線に沿う断面図である。
図1、図4、および図5に示すように、カバー55は、アッパーカップ5の外周面側に配索された各ハーネス9の車両走行時の振動を抑えるためのものである。カバー55は、ハーネス接続部51の開口部51aを閉塞するように、周方向に沿って長く形成された平板状のフランジ部81を有している。
フランジ部81の上面81a、つまり、ハーネス接続部51側の面には、各ハーネス接続部51の開口部51aに対応する部位に、この開口部51aに内嵌可能なシール部82がそれぞれ突設されている。
シール部82は、ハーネス接続部51の内周面に沿うように、断面略U字状に形成されている。すなわち、シール部82の内面側(図4における紙面手前側)には、軸方向に沿う溝82aが形成された状態になっている。
ハーネス9は、溝82aを介してハーネス接続部51内に挿入されている。これにより、ハーネス9とハーネス接続部51との間の間隙がシール部82によって閉塞され、ハーネス接続部51内への燃料や塵埃の侵入が防止される。
フランジ部81の長手方向両端、つまり、フランジ部81における5つのハーネス接続部51の最外側に対応する部位には、軸方向上側に向かって1対の係止片57,57が立設されている。これら係止片57,57は、5つのハーネス接続部51の最外側を覆うように、かつ弾性変形可能に形成されている。
また、各係止片57には、ハーネス接続部51に形成されている係合凸部54に対応する位置に、この係合凸部54に係合可能な係合孔58が形成されている。これにより、カバー55の係止片57とハーネス接続部51の係合凸部54とがスナップフィットし、ハーネス接続部51にカバー55が固定される。
さらに、フランジ部81の下面81bには、アッパーカップ5の外周面側に配索されているハーネス9を覆うカバー本体56が一体成形されている。
カバー本体56は、アッパーカップ5のハーネス接続部51よりも下方の大部分を覆うように周方向に長く形成された第1カバー部56aと、第1カバー部56aにおけるアッパーカップ5の開口窓52側に設けられ、軸方向に長く形成された第2カバー部56bとにより構成されている。
第2カバー部56bは、第1カバー部56aよりも上側に向かって延出しており、その上部は、開口窓52の一部を覆っている。
すなわち、第1カバー部56aは、ハーネス9のうち、ハーネス接続部51の下方に垂下がる部位を覆っている。一方、第2カバー部56bは、アッパーカップ5の開口窓52から下方に垂下がる部位を覆っている。
また、第2カバー部56bの第1カバー部56aとは反対側の側部には、径方向内側、つまり、アッパーカップ5側に向かって曲折された側壁56cが一体成形されている。この側壁56cにより、カバー55よりも周方向外側へのハーネス9の移動を規制することができるようになっている。
図1、図2に示すように、アッパーカップ5の下部に形成されている開口部5aには、軸方向下方に向かって延出する係止片61が4箇所形成されている。この係止片61は、ロワーカップ6にスナップフィットすることによって、アッパーカップ5にロワーカップ6を取り付けるためのものである。係止片61は、この先端が径方向外側に向かって、つまり、拡径する方向に向かって弾性変形可能に形成されている。
4つの係止片61には、それぞれ係合孔62が形成されている。係合孔62は、後述するロワーカップ6の係合凸部63と係合し、アッパーカップ5にロワーカップ6を取り付けるためのものである。
(ロワーカップ)
図1に示すように、アッパーカップ5の下側には、ロワーカップ6が取り付けられている。ロワーカップ6は有底筒状に形成されたものであって、燃料ポンプ3の下部を保持するようになっている。ロワーカップ6の外径は、このロワーカップ6の周壁6aに燃料ポンプ3を内嵌可能で、かつアッパーカップ5にロワーカップ6を内嵌可能に設定されている。
すなわち、ロワーカップ6は、アッパーカップ5の内面側に嵌まり込む形で取り付けられ、アッパーカップ5と一体となって燃料ポンプ3を保持する。ロワーカップ6の周壁6aには、アッパーカップ5の係合孔62に対応する位置に、この係合孔62と係合可能な係合凸部63が形成されている。この係合凸部63に、アッパーカップ5の係止片61がスナップフィットするようになっている。
また、ロワーカップ6の周壁6aには、底壁6b寄りにゲージ取り付け部64が立設されている。ゲージ取り付け部64は、不図示のセンダゲージを取り付けるためのものであって、ロワーカップ6の周壁6aから突出するアーム部64aと、アーム部64aの先端に一体成形された取付け座面64bとで構成されている。
なお、センダゲージは、燃料タンク2内の燃料の残量を検出するための検出装置である。
さらに、ロワーカップ6の底壁6bには、燃料ポンプ3の下部から突設された不図示の吸入管を挿入可能な開口部(不図示)が形成されており、この開口部を介して不図示の吸入管が下方に向かって突出している。そして、不図示の吸入管にフィルタユニット7が取り付けられる。
(フィルタユニット)
フィルタユニット7は、サクションフィルタ71と、燃料ポンプ3の吸入管(不図示)とを連結するための吸入ポート72とを有している。
サクションフィルタ71は、濾材71aと、濾材71aの外周縁を溶着し形成された溶着部71bとで構成されている。
濾材71aは、例えば、メッシュ状のナイロン布を折り曲げたものであって、袋状に形成されている。溶着部71bは、袋状に形成された濾材71aが開いてしまうことを防止するためのものである。
吸入ポート72は、略円筒状に形成されたものであって、ポンプ部Pの吸入管43に外嵌可能に形成されている。そして、フィルタユニット7を介して汲み上げられる燃料が吸入ポート72、および燃料ポンプ3の不図示の吸入管を介してポンプ部Pに流入される。
このような構成のもと、燃料ポンプ3のモータ部Mを駆動させると、燃料タンク2内の燃料がサクションフィルタ71を介して濾過された状態で吸入ポート72から吸入される。そして、燃料がモータ部Mを介して吐出ポート10、チェックバルブ19を通過し、燃料取出し管18から不図示の内燃機関へと圧送される。
(作用)
次に、ホルダ部4へのカバー55の取り付け方法について説明する。
カバー55を取り付けるにあたって、まず、ハーネス9の一端を接続した燃料ポンプ3をホルダ部4のアッパーカップ5内に組み付け、アッパーカップ5の開口窓52からハーネス9の他端を引き出しておく。この状態でアッパーカップ5にロワーカップ6を組み付け、ホルダ部4、およびロワーカップ6により燃料ポンプ3を支持させる。
なお、フィルタユニット7は、予めロワーカップ6に取り付けておいてもよいし、アッパーカップ5にロワーカップ6を組み付けた後、このロワーカップ6に組みつけてもよい。
次に、各ハーネス9の他端をそれぞれ対応するハーネス接続部51の開口部51aに挿入し、コネクタ端子22のハーネス側端末部24にハーネス9を接続する。そして、この状態でホルダ部4にカバー55を取り付ける。
このとき、まずカバー55に形成されている各シール部82を、それぞれ対応するハーネス接続部51の開口部51aに向ける。この後、カバー55を軸方向上方に向かってスライド移動させ、各ハーネス接続部51にそれぞれシール部82を挿入する。
シール部82には、溝82aが形成されているので、シール部82によってハーネス9が損傷する虞がない。ハーネス接続部51にシール部82を挿入することにより、このシール部82、およびカバー55のフランジ部81によって、ハーネス側端末部24近傍に存在するハーネス9が保持される。
また、ハーネス接続部51にシール部82を挿入するのと同時に、カバー55の係止片57がハーネス接続部51の係合凸部54にスナップフィットされる。
このとき、まず係合凸部54の下部に形成されている傾斜面54aに、係止片57の先端が当接する。この状態から係止片57を上方に向かって、つまり、フランジユニット12側に向かってスライド移動させると、係止片57が弾性変形して係合凸部54を乗り上げる。さらに、係止片57をスライド移動させると、係止片57の係合孔58が係合凸部54に到達する。すると、係止片57に復元力が生じ、係合凸部54に係合孔58が勘合する。これにより、係合凸部54と係止片57とが係合され、ホルダ部4へのカバー55の取り付けが完了する。
ホルダ部4にカバー55を取り付けた状態にあっては、カバー本体56により、アッパーカップ5の外周面側に配索されたハーネス9が覆われた状態になる(図1、図5参照)。このため、例えば車両走行時など、燃料供給装置1が振動した場合であっても、ハーネス9の移動が規制される。
なお、ホルダ部4に取り付けられているカバー55の係止片57を押し広げ、軸方向下方に向かってスライド移動させると、ホルダ部4からカバー55を取り外すことができる。
(効果)
したがって、上述の第一実施形態によれば、ホルダ部4にカバー55を着脱可能に設けることによって、ホルダ部4を樹脂で形成した場合であっても取り付け位置に制約を受けることなく、カバー55を取り付けることができる。
このため、アッパーカップ5の外周面側に配索されたハーネス9を無駄に長く設定したり、燃料供給装置1のバリエーションごとに異なる長さのハーネス9を用意したりする必要なく、ハーネス9の移動を規制することが可能になる。よって、ハーネス9を共有化でき、燃料供給装置1の製造コストを低減できる。
また、ハーネス接続部51を利用してカバー55を取り付け、このカバー55のフランジ部81によって、コネクタ端子22のハーネス側端末部24近傍に存在するハーネス9を確実に押さえている。このため、ハーネス側端末部24から離れた位置で複数のハーネス9を押さえる場合と比較して、効率よく複数のハーネス9をカバー55を用いて押さえることができる。
さらに、ハーネス接続部51と、カバー55に形成されているシール部82とにより、コネクタ端子22とハーネス9との接続部分を閉塞しているので、この接続部分への燃料の飛散や塵埃の付着を防止できる。このため、ハーネスの腐食を効率よく、かつ確実に防止できると共に、端子とハーネスとの接続部分の絶縁性を向上させることができる。
そして、ハーネス接続部51に係合凸部54を形成すると共に、カバー55に係合凸部54に係合する係止片57を形成し、ハーネス接続部51にカバー55をスナップフィットさせている。このため、カバー55を容易に取り付けることができるので、組み付け作業効率を向上させることができる。
また、ホルダ部4からカバー55を取り外す際、カバー55の係止片57を押し広げ、軸方向下方に向かってスライド移動させるだけでよいので、カバー55の取り外し作業も容易に行うことができる。このため、例えばハーネス9の交換作業等のメンテナンスを容易に行うことが可能になる。
さらに、アッパーカップ5の外周面側に配索されているハーネス9の全体をカバー本体56により覆うので、例えば燃料タンク2に燃料供給装置1を挿入する際、ハーネスが邪魔になるのを防止できる。このため、燃料供給装置1の燃料タンク2への組み付け作業性を容易化できると共に、信頼性の高い燃料供給装置1を提供することが可能になる。
(第二実施形態)
次に、この発明の第二実施形態を図6に基づいて説明する。なお、第一実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する(以下の実施形態についても同様)。
図6は、この第二実施形態の燃料供給装置101の側面図である。
この第二実施形態において、燃料供給装置1は、燃料タンク2の上壁2aに形成されている開口部2bから挿入するように取り付けられている点、燃料供給装置1は、燃料タンク2内に配置される燃料ポンプ3と、燃料タンク2の上壁2aに取り付けられ燃料ポンプ3を内包するアッパーカップ5を有するホルダ部4と、アッパーカップ5に取り付けられ、燃料ポンプ3を支持するロワーカップ6と、ロワーカップ6の下側、つまり、燃料ポンプ3の吸入側に配設されたフィルタユニット7とを備えている点、アッパーカップ5のユニット本体13側に、開口窓52が形成されている点、この開口窓52を介し、燃料ポンプ3に接続されている複数のハーネス9の他端が径方向外側へと引き出される点、アッパーカップ5の外周面とシール部16との間には、開口窓52を避けた位置にハーネス接続部51が軸方向に沿って延在するように5つ設けられている点、ユニット本体13の上側には、コネクタ20が一体成形されており、コネクタハウジング21からハーネス接続部51に至る間に延在するコネクタ端子22が設けられている点等の基本的構成は、前述した第一実施形態と同様である(以下の実施形態についても同様)。
ここで、図6に示すように、第一実施形態と第二実施形態との相違点は、第一実施形態のカバー55のカバー本体56が第1カバー部56aと第2カバー部56bとにより構成されているのに対し、第二実施形態のカバー155のカバー本体156は、第1カバー部56aのみで構成されている点にある。
すなわち、第二実施形態のカバー155は、フランジ部81の上面81aに形成されたシール部82によってハーネス接続部51の開口部51aをシールしている一方、フランジ部81の下面81bに形成されたカバー本体156によってハーネス9のうち、ハーネス接続部51の下方に垂下がる部位を覆っている。
このように、アッパーカップ5の外周面側に配索されているハーネス9の一部をカバー155により覆うことにより、車両走行時等のハーネス9全体の振動を抑制することができる。
したがって、上述の第二実施形態によれば、上述の第一実施形態と同様の効果に加え、カバー155の材料コストを低減することが可能になる。
なお、上述の第一実施形態、および第二実施形態では、ホルダ部4に設けられているハーネス接続部51に係合凸部54を形成する一方、カバー55,155の係止片57に係合凸部54に係合可能な係合孔58を形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、カバー55,155の係止片57に係合凸部54を形成する一方、ハーネス接続部51に係合凸部54に係合可能な係合孔58を形成してもよい。
(第三実施形態)
次に、この発明の第三実施形態を図7に基づいて説明する。
図7は、この第三実施形態の燃料供給装置201の側面図である。
同図に示すように、第二実施形態と第三実施形態との相違点は、第二実施形態のカバー155には、フランジ部81、およびシール部82が設けられているのに対し、第三実施形態のカバー255には、フランジ部81、およびシール部82が設けられていない点にある。
カバー255のカバー本体256には、長手方向(図7における左右方向)両端に係合爪257が形成されている。一方、アッパーカップ5の係合爪257に対応する部位には、この係合爪257に係合可能な係合孔258が形成されている。これにより、アッパーカップ5にカバー255を着脱可能に設けることができる。
したがって、上述の第三実施形態によれば、アッパーカップ5の外周面側に配索されているハーネス9の一部をカバー255によって覆っているので、車両走行時等のハーネス9全体の振動を抑制することができる。
(第四実施形態)
次に、この発明の第四実施形態を図8に基づいて説明する。
図8は、この第四実施形態の燃料供給装置301の側面図である。
同図に示すように、第三実施形態と第四実施形態との相違点は、第三実施形態のカバー255がハーネス接続部51の下方に垂下がるハーネス9を保持しているのに対し、第四実施形態のカバー355は、アッパーカップ5の開口窓52から下方に垂下がるハーネス9を保持している点にある。
このように構成した場合であっても、アッパーカップ5の外周面側に配索されているハーネス9の一部をカバー355によって覆っているので、前述の第三実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、燃料供給装置1,101,201,301は、燃料タンク2の上壁2aに形成されている開口部2bから挿入され、燃料タンク2の上壁2aに取り付けられるタイプである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、燃料タンク2の底壁から挿入し、この底壁に取り付けられる燃料供給装置にも本実施形態のカバー55,155,255,355を適用することが可能である。
1,101,201,301 燃料供給装置
2 燃料タンク
2b 開口部
3 燃料ポンプ
4 ホルダ部
5 アッパーカップ(筒部)
6 ロワーカップ
9 ハーネス
22 コネクタ端子(端子)
23 外部コネクタ
24 ハーネス側端末部
51 ハーネス接続部
51a 開口部
52 開口窓
55,155,255,355 カバー
56,156,256 カバー本体
56a 第1カバー部
56b 第2カバー部
56c 側壁
57 係止片
58,258 係合孔
63 係合凸部
81 フランジ部
82 シール部
257 係合爪(係合凸部)

Claims (5)

  1. 燃料タンク内に配置され、前記燃料タンク内の燃料を汲み上げて内燃機関へと圧送する燃料ポンプと、
    前記燃料タンクに固定され、前記燃料ポンプを内包する筒部を有するホルダ部と、
    前記筒部の外周面側で前記ホルダ部に設けられ、前記燃料タンクの内外を導通させる端子と、
    前記筒部に形成された開口窓を介して前記燃料ポンプと前記端子との間に配索され、これら燃料ポンプと端子とを電気的に接続するためのハーネスとを備え、
    前記ホルダ部に、前記筒部の外周面側に配索された前記ハーネスの少なくとも一部の移動を規制する規制手段を着脱可能に設けたことを特徴とする燃料供給装置。
  2. 前記端子の近傍に、前記規制手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
  3. 前記ホルダ部における前記端子のハーネス側端末部に対応する位置に、ハーネス接続部を設け、
    前記ハーネス接続部は、前記ハーネス側端末部の周囲を囲繞するように形成され、かつ前記ハーネスを挿入可能な開口部を有し、
    前記規制手段に、前記開口部を閉塞するシール部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料供給装置。
  4. 前記規制手段に弾性変形可能な係止片を設け、この係止片、および前記ハーネス接続部の外面の何れか一方に係合凸部を形成し、他方に、この係合凸部と係合可能な係合孔を形成したことを特徴とする請求項3に記載の燃料供給装置。
  5. 前記規制手段は、前記筒部の外周面側に配索されている前記ハーネスの全体を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の燃料供給装置。
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