JP2011157702A - 建設機械の排土装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建設機械の排土装置は、建設機械の下部走行体(3)と排土板(21)とを接続する左右の平行リンク機構(29)と、これら平行リンク機構(29)を介して排土板(21)を昇降させる油圧シリンダ(24)と、平行リンク機構(29)の上段リンク(22)に回動自在にて取り付けられ、排土板(21)と当接状態にある可動カバー(30)とを備え、可動カバー(30)は、排土板(21)の昇降に連動して回動される。
【選択図】図2
Description
このような不具合に対し、下部走行体に固定カバーを取付け、この固定カバーにより油圧シリンダ及び平行リンクを覆うことが考えられる。しかしながら、排土板の昇降、即ち、平行リンクの回動を可能にするためには、固定カバーの下方に平行リンクや油圧シリンダの回動に必要な空間を確保する必要がある。このため、固定カバーでは平行リンクや油圧シリンダを好適に覆うことができず、平行リンクや油圧シリンダの破損を防ぐことができない。
また、請求項3記載の建設機械の排土装置によれば、可動カバーの側壁は、平行リンク機構を側方から覆っていてもよく、この場合、平行リンク機構の上方から平行リンク機構間への土砂等の入り込みを低減するだけでなく、平行リンク機構自体を保護可能である。
また、請求項5記載の建設機械の排土装置によれば、可動カバーの当接端は弾性部材によって形成されているのが望ましく、この場合、弾性部材は排土作業中、可動カバーに伝達される振動を吸収する。従って、弾性部材は排土板の上面に良好に密着した状態に維持される。
図1に示すホイール式油圧ショベル1は、前後に車輪2を有する下部走行体3と、この下部走行体3に旋回ベアリング4を介して旋回可能に設けられた上部旋回体5とを備えている。この上部旋回体5の前部には、運転室6及び作業アタッチメント8が設けられており、この作業アタッチメント8の先端部にはバケット10が取付けられている。一方、上部旋回体5の後部には燃料タンク及び作動油タンクから構成されるタンク装置14やエンジン建屋12が設けられ、このエンジン建屋12内にエンジン(図示しない)が配置されている。
上述した油圧ショベルはその下部走行体3の前端部及び後端部に同様なフロント及びリア側の排土装置20をそれぞれ備えており、図2はリア側の排土装置20を示す。
排土装置20は排土板21を備え、この排土板21は下部走行体3の幅と同程度の幅を有し、下部走行体3の後方に向けて凹んだ形状をなしている。排土板21と下部走行体3とは左右一対の平行リンク機構29によって互いに接続されている。詳しくは、各平行リンク機構29は、上段リンク22及び下段リンク23からなり、これらリンク22,23の両端部には接続孔(図示せず)がそれぞれ形成されている。
アウタブラケット26aの中央及びインナブラケット26cの下端には上段及び下段リンク22,23における基端の接続孔と対応する貫通孔がそれぞれ形成され、また、ブラケット26bの上下には上限及び下段リンク22,23における先端の接続孔に対応する貫通孔がそれぞれ形成されている。従って、各貫通孔に対応するリンクの接続孔をそれぞれ合致させ、これら貫通孔及び接続孔にピン27を挿通させることで、排土板21は上段及び下段リンク22,23を介して下部走行体3に回動自在に接続されている。
固定カバー25は左右のインナブラケット26c間に跨る大きさを有し、これらインナブラケット26cの上部に固定されている。詳しくは、固定カバー25はインナブラケット26cから排土板21に向けて延びる上壁と、この上壁から下方に延びる左右の側壁及び前壁をそれぞれ有し、この前壁の下部はインナブラケット26c側に向けて傾斜されている(図4参照)。このような固定カバー25は油圧シリンダ24の上部、即ち、そのシリンダ外筒を少なくとも上方及び後方から覆っている。
具体的には、可動カバー30は、前記領域に配置された上壁31と、左右の上段リンク22の上側に配置された左右の側壁32とからなり、側壁32の下端部にて上段リンク22に回動自在に取り付けられている。
図4(a)は、油圧シリンダ24が最長のストロークまで伸長されたときの排土装置20を示す。この場合、排土板21の底面21bは車輪2よりも下方の最下位置に位置付けられた状態で接地し、下部走行体3の車輪2を地面から浮かせている。つまり、フロント及びリア側の排土装置20の排土板20が共に最下位置にあるとき、これら排土板20はアウトリガとして機能することから、バケット10による掘削作業時、油圧ショベル1の姿勢を安定させるものとなる。
排土作業の完了後、油圧シリンダ24が更に収縮されると、排土板21は平行リンク機構29を介して更に上昇し、図4(c)に示す最上位置に位置付けられる。
排土板21が最上位置にあるとき、排土板21の底面21bは地面を離れ、油圧ショベル1は車道を走行可能となる。
排土作業に伴う振動が排土板21及び可動カバー30に伝わり、排土板21の上面21uから支持棒57が離れる方向に可動カバー30が回動しようとしても、ここでの回動はストッパ51がストッパ受53における開口部54の開口縁にて制限され、支持棒57は排土板21の上面21uに接触した状態に維持される。
更に、図6に示すように、固定手段50として弾性部材を用いても良い。具体的には、可動カバー30における上壁31の下面及び排土板21の上面21uにはそれぞれ取付台59が設けられており、これら取付台59同士は引っ張りコイルばね55により接続されている。この場合、排土作業に伴う振動が排土板21及び可動カバー30に伝わり、排土板21の上面21uから可動カバー30が離れる方向に回動しようとしても、引っ張りコイルばね55はその付勢力により可動カバー30の回動を阻止し、排土板21の上面21uに対する支持棒57の接触を確実に維持する。従って、支持棒57が排土板21の上面21uを叩くようなことはない。なお、引っ張りコイルばね55が前述した可動カバー30の相対移動を許容することは言うまでもない。
また、可動カバー30に上側及び下側のラバー板34が取り付けられている場合、これらラバー板34は排土作業中、可動カバー30に伝達される振動を吸収する。従って、これらラバー板34は固定カバー24の前壁及び排土板21の上面に良好に密着した状態に維持される。
例えば、図7に示すように、可動カバー30はその側壁32が対応する側の上段及び下段リンク22,23を側方から覆うべく、更に下方に延びていても良く、この場合、上段リンク22ではなく下段リンク23にカラー41を介して回動自在に取り付けられていてもよい。
また、ホイール式油圧ショベル1以外の建設機械にも本発明を適用可能である。
2 車輪
3 下部走行体
4 旋回ベアリング
5 上部旋回体
6 運転席
8 作業アタッチメント
10 バケット
12 エンジン建屋
14 タンク装置
20 排土装置
21 排土板
21u 上面
22 上段リンク(昇降手段、平行リンク機構)
23 下段リンク(昇降手段、平行リンク機構)
24 油圧シリンダ(昇降手段)
25 固定カバー
26a アウタブラケット
26b ブラケット
26c インナブラケット
27、28 ピン
29 平行リンク機構
30 可動カバー
31 上壁
32 側壁
33 貫通孔
34 ラバー板(弾性部材)
36 固定プレート
38 ボルト
39 保護カバーユニット
41 カラー
43 ボルト
45 取り付け座
47 ワッシャ
50 固定手段
51 ストッパ
53 ストッパ受
54 開口部
55 引っ張りコイルばね
57 支持棒
59 取付台
Claims (6)
- 建設機械の下部走行体に設けられ、排土作業に使用される排土装置において、
前記下部走行体の幅方向に延びる排土板と、
前記下部走行体に対し前記排土板を昇降可能に接続する昇降手段と、
前記昇降手段を覆う保護手段と
を備え、
前記保護手段は、
前記排土板から前記下部走行体に向けて延び、前記昇降手段を上方から覆うとともに前記排土板の昇降に連動して昇降する可動カバーを含むことを特徴とする建設機械の排土装置。 - 前記昇降手段は、前記下部走行体と前記排土板とを接続し、上下方向に回動自在な左右一対の平行リンク機構と、これら平行リンク機構を上下方向に回動させる油圧シリンダとを含み、
前記可動カバーは、前記排土板に上方から当接する当接端を有する上壁と、この上壁から下方に延び、対応する側の平行リンク機構のリンクに回動自在に連結された左右の側壁とを含むことを特徴とする請求項1に記載の建設機械の排土装置。 - 前記可動カバーの前記側壁は、前記平行リンク機構を側方から覆っていることを特徴とする請求項2記載の建設機械の排土装置。
- 前記可動カバーの当接端と前記排土板とを当接状態に維持する固定手段を更に備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の建設機械の排土装置。
- 前記可動カバーの当接端は弾性部材によって形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の建設機械の排土装置。
- 前記保護手段は、前記下部走行体側に固定して設けられ、前記下部走行体側の前記昇降手段の部位を覆う固定カバーを更に含み、
前記可動カバーの前記上壁は、前記固定カバーに接触可能な接触端を更に有し、この接触端は弾性部材から形成されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の建設機械の排土装置。
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