JP2011157052A - 車両用圧縮空気供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分岐室38と主ブレーキ用の圧縮空気回路51a,52aとの間に配置されるサービスブレーキ用圧力保護弁44,45と、分岐室38とパーキングブレーキ用の圧縮空気回路53aとの間に配置されるパーキングブレーキ用圧力保護弁48と、このパーキングブレーキ用圧力保護弁48と分岐室38とを繋ぐ供給路41に配置され、主ブレーキ用の圧縮空気回路51a,52aに供給される圧縮空気の圧力が所定圧力値に達するまで閉弁する圧力保護弁47とを備え、この圧力保護弁47をサービスブレーキ用圧力保護弁44,45及びパーキングブレーキ用圧力保護弁48と同一構造とした。
【選択図】図1
Description
そこで、本発明は、装置構成の簡素化を図った車両用圧縮空気供給装置を提供することを目的とする。
図1は、本発明を適用した実施の形態に係る圧縮空気供給システム1の構成を示す図である。
図1に示す圧縮空気供給システム1(車両用圧縮空気供給装置)は、例えば、トラックやバス等の大型車両に搭載されるエアー式ブレーキ装置等に駆動用の圧縮空気を供給する装置であり、コンプレッサー4(空気圧縮機)と、コンプレッサー4を制御するECU2と、コンプレッサー4から吐出された圧縮空気の水分を除去して、上記車両の負荷(例えばブレーキ装置)に乾燥した圧縮空気を供給するエアードライヤーモジュール10とを備えて構成される。
ECU2は、圧縮空気供給システム1を搭載する車両の車速等に基づいて、上記車両のエンジンを制御するとともに、コンプレッサー4及びエアードライヤーモジュール10の動作を制御する。また、ECU2には、車両の車速等に関する情報、車両の走行距離に関する情報等の車両の走行状況に関する情報及びエアードライヤー32の動作状況に関する情報が入力されている。
負荷51〜53は、上記したブレーキ装置を構成するものであり、本実施形態では、負荷51は前輪の主ブレーキ(サービスブレーキ)、負荷52は後輪の主ブレーキ(サービスブレーキ)、負荷53はパーキングブレーキである。また、負荷54,55は、ホーンやクラッチ駆動機構等の圧縮空気で駆動されるアクセサリー類である。
また、負荷51〜55は、圧縮空気が流れる圧縮空気回路(サービスブレーキ回路、パーキングブレーキ回路)51a〜55aを備え、これら圧縮空気回路51a〜55aにはそれぞれエアータンク51b〜55bが接続されている。
エアードライヤーモジュール10は、ECU2の制御によって開閉される電磁弁101、102、及び、エアードライヤーモジュール10の各部における空気圧を検出して、検出値をECU2に出力する圧力センサー121,122,123を備えている。ECU2は、圧力センサー121〜123の検出値に基づいて、電磁弁101,102を開閉させる。
コンプレッサー4とエアードライヤー32との間には、流入管31から分岐した分岐管31Aが接続され、この分岐管31Aには、排気バルブ33と排気口34とが直列に接続されている。この排気バルブ33が開くとエアードライヤー32の本体内の圧縮空気が排気口34から直接外部へ排出される。排気バルブ33は空気圧で制御され、その制御ライン39には電磁弁102が接続されている。電磁弁102は、ECU2の制御により開閉され、開弁状態においてエアードライヤー32下流側の空気圧を排気バルブ33に与える。排気バルブ33は通常時は閉鎖され、電磁弁102から空気圧が加わった場合のみ開弁して、圧縮空気を排気口34から放出する。
サービスブレーキ用圧力保護弁44,45は、絞り及びチェック弁と並列に配置されている。これらサービスブレーキ用圧力保護弁44,45、パーキングブレーキ用圧力保護弁48、及び、アクセサリー用圧力保護弁49は、それぞれ対応する出力ポート21〜24に接続された負荷51〜54において、圧縮空気が流れる圧縮空気回路51a〜54aが失陥、すなわち当該回路での空気圧力が所定の閉弁圧力値を下回った際に閉鎖する。また、サービスブレーキ用圧力保護弁44,45、パーキングブレーキ用圧力保護弁48、及び、アクセサリー用圧力保護弁49は、各圧力保護弁が設けられた供給路内の空気圧力が所定の開弁圧力値を上回った際に開放されるように構成されている。
このため、パーキングブレーキ装置は、エアータンク53b内に圧縮空気が十分に満たされている場合には、この空気圧力によってパーキングブレーキを解除することができる。一方、パーキングブレーキに対応する圧縮空気回路53aが失陥した場合には、パーキングブレーキ用圧力保護弁48が閉弁されることにより、圧縮空気回路53aへの圧縮空気の供給が断たれるため、パーキングブレーキは解除不能となる。
このため、初期状態(例えば、新車時、車検時等でエアータンク51b,52b内の圧力が十分でない場合)には、エアータンク51b,52b内の空気圧が十分となるまで、パーキングブレーキに対応する圧縮空気回路53aに圧縮空気の供給を遮断する必要がある。本構成では、分岐室38に接続される供給路41に圧力保護弁47を設け、この圧力保護弁47の開弁圧力設定値を、上記したサービスブレーキ用圧力保護弁44,45の開弁圧力設定値よりも高く設定しておくことにより、主ブレーキ装置のエアータンク51b,52b内の空気圧が十分となる前に、パーキングブレーキ装置のエアータンク53bに圧縮空気が供給されることを防止できる。
更に、本構成では、ブリードバック通路60を設けることにより、主ブレーキ装置に対応する圧縮空気回路51a,52aが失陥した際に、パーキングブレーキを解除不能としている。具体的には、圧縮空気回路51a,52aが失陥した場合、供給路42内の空気圧が低下するため、ブリードバック通路60の逆止弁61が開放されて、エアータンク53b内の空気がブリードバック通路60を通じて放出される。更に、エアータンク53b内の空気圧の低下に伴い、パーキングブレーキ用圧力保護弁48が閉弁される。これにより、圧縮空気回路53aへの圧縮空気の供給が断たれ、パーキングブレーキは解除不能となる。
また、圧力保護弁47は、上記したサービスブレーキ用圧力保護弁44,45、パーキングブレーキ用圧力保護弁48、及び、アクセサリー用圧力保護弁49と同一構造に構成されている。これにより、各圧力保護弁を共通化することができるため、部品の共通化を図ることができるとともに、従来の制御弁のように、サービスブレーキ回路の検出圧力によって制御されるソレノイドバルブや、このソレノイドバルブから指令圧を出力するラインが不要となり、装置構成の簡素化を実現することができる。
図2は、圧力保護弁47の概略側断面図であり、図2Aは閉弁状態を示し、図2Bは開弁状態を示す。
圧力保護弁47は、図2Aに示すように、バルブ本体(本体)70と、このバルブ本体70の上部側に設けられたカバー体71とを備える。カバー体71の内側には、コイルばね80と、このコイルばね80の上端を受ける第1のばね受け部材81と、コイルばね80の下端を受ける第2のばね受け部材82とを備え、カバー体71の上端部には調整ねじ83が取り付けられている。この調整ねじ83の先端は先細りであって、第2のばね受け部材82の内底部に当接し、ねじ込み深さに応じてコイルばね80を圧しつつ、下降させることが可能である。
また、第2のばね受け部材82の下面には、バルブ本体70の内径と略同じ大きさに形成された弁体84が取り付けられ、第2のばね付け部材82とともに、コイルばね80の軸方向に沿って移動する。
バルブ本体70には、内側空間91及び外側空間92に連通する位置に不図示のポートが形成されており、このポートを通じて図1に示す供給路に連通するように配置されている。
一方、圧力保護弁47の開弁圧力設定値を、サービスブレーキ用圧力保護弁44,45の開弁圧力設定値よりも高く設定した場合には、圧力保護弁47の閉弁圧力設定値もサービスブレーキ用圧力保護弁44,45の閉弁圧力設定値よりも高くなるのが一般的である。
この場合、供給路内の空気圧が所定の閉弁圧力設定値よりも低下すると、最初に圧力保護弁47が閉弁することとなり、不都合が生じる。このため、本構成では、サービスブレーキ用圧力保護弁44,45、及び、パーキングブレーキ用圧力保護弁48については、外側空間92に連通するポートを空気流入口とし、内側空間91に連通するポートを空気流出口として各供給路40A,40B,41Aに接続している。これに対して、圧力保護弁47では、サービスブレーキ用圧力保護弁44,45、及び、パーキングブレーキ用圧力保護弁48とは反対に、内側空間91に連通するポートを空気流入口とし、外側空間92に連通するポートを空気流出口として供給路41に接続している。
この種の圧力保護弁では、外側空間92に連通するポートを空気流入口、内側空間91に連通するポートを空気流出口として使用する場合に比べて、内側空間91に連通するポートを空気流入口、外側空間92に連通するポートを空気流出口として使用する方が、開弁圧力設定値と閉弁圧力設定値との差圧が大きくなることが判明している。
(1)外側空間92に連通するポートを空気流入口、内側空間91に連通するポートを空気流出口として使用する場合。
開弁時の力のつり合いは、
P=4F/π×(1/B2−A2) (1)
となる。
一方、閉弁時の力のつり合いは、
P´=4F/π×(1/B2) (2)
となり、この(1)、(2)式から差圧ΔP1は、
ΔP1=P−P´=4F/π×[A2/B2(B2−A2)] (3)
となる。
(2)内側空間91に連通するポートを空気流入口、外側空間92に連通するポートを空気流出口として使用する場合。
開弁時の力のつり合いは、
P=4F/π×(1/A2) (4)
となる。
一方、閉弁時の力のつり合いは、
P´=4F/π×(1/B2) (5)
となり、この(4)、(5)式から差圧ΔP2は、
ΔP2=P−P´=4F/π×(B2−A2/A2B2) (6)
となる。
本実施形態では、B=(1.5〜2.5)×Aの範囲に設定しているため、これらを(3)、(6)式に代入してみると、
ΔP1<ΔP2 (7)
となり、外側空間92に連通するポートを空気流入口、内側空間91に連通するポートを空気流出口として使用する場合に比べて、内側空間91に連通するポートを空気流入口、外側空間92に連通するポートを空気流出口として使用する方が、開弁圧力設定値と閉弁圧力設定値との差圧が大きくなる。
なお、B>1.5Aとしている理由は、これ以下の条件の場合には、製造工程上、バルブ本体70内に仕切壁90を製造することが困難となるためである。また、B<2.5Aとしている理由は、これ以上の条件の場合には、バルブ本体70が大型化してしまうためである。この条件の中では、B=(1.8〜1.9)×Aとするのが最適であると実験等により判明している。
4 コンプレッサー(空気圧縮機)
31 流入管(吐出ライン)
38 分岐室
40A,40B,41A,41B,42 供給路
41 供給路(経路)
44,45 サービスブレーキ用圧力保護弁
47 圧力保護弁(弁ユニット)
48 パーキングブレーキ用圧力保護弁
49 アクセサリー用圧力保護弁
51〜55 負荷
51a,52a 圧縮空気回路(サービスブレーキ回路)
53a 圧縮空気回路(パーキングブレーキ回路)
51b〜55b エアータンク
60 ブリードバック通路(空気流通管)
61 逆止弁(チェックバルブ)
70 バルブ本体(本体)
84 弁体
90 仕切壁
91 内側空間
92 外側空間
93 弁座
Claims (4)
- 車両に搭載する空気圧縮機を備え、該空気圧縮機から吐出した圧縮空気を車両の複数の負荷にそれぞれ供給する車両用圧縮空気供給装置において、
前記空気圧縮機の吐出ラインに設けられて前記圧縮空気を各負荷に分岐する分岐室と、この分岐室と前記負荷としてのサービスブレーキ回路との間に配置されるサービスブレーキ用圧力保護弁と、前記分岐室と前記負荷としてのパーキングブレーキ回路との間に配置されるパーキングブレーキ用圧力保護弁と、このパーキングブレーキ用圧力保護弁と前記分岐室とを繋ぐ流路に配置され、前記サービスブレーキ回路に供給される圧縮空気の圧力が所定圧力値に達するまで閉弁する弁ユニットとを備え、この弁ユニットを前記各圧力保護弁と同一構造を有する圧力保護弁で形成したことを特徴とする車両用圧縮空気供給装置。 - 前記弁ユニット、前記サービスブレーキ用圧力保護弁及び前記パーキングブレーキ用圧力保護弁は、それぞれ、本体内を内側空間と外側空間とに区分けする仕切壁と、この仕切壁に設けられた弁座と、この弁座に弾性力を介して当接される弁体とを備える構成を有し、前記サービスブレーキ用圧力保護弁及び前記パーキングブレーキ用圧力保護弁は、前記内側空間に空気を流入して前記外側空間から空気を排出する一方、前記弁ユニットは、前記外側空間に空気を流入して前記内側空間から空気を排出するように空気供給路と接続したことを特徴とする請求項1に記載の車両用圧縮空気供給装置。
- 前記弁ユニットは、前記サービスブレーキ用圧力保護弁及び前記パーキングブレーキ用圧力保護弁よりも高い圧力値で開弁し、当該サービスブレーキ用圧力保護弁及びパーキングブレーキ用圧力保護弁よりも低い圧力値で閉弁するように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用圧縮空気供給装置。
- 前記パーキングブレーキ用圧力保護弁の下流側と前記吐出ラインとを接続する空気流通管を設け、この空気流通管に、前記パーキングブレーキ回路の空気圧力が前記吐出ラインの空気圧力より上昇した際に作動するチェックバルブを設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用圧縮空気供給装置。
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