JP2011156983A - 車両の制動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両の制動装置の大型化をすることなく、高制動負荷時の制動性能の要求に対応すべく、制動力の配分が変更されるよう構成された制動力配分制御を提案すること。
【解決手段】 本発明の制動力制御装置は、制動実行処理の間隔及び回数に基づいて高制動負荷状態であるか否かを判定する判定手段と、高制動負荷状態であるとの判定が為されたときに車両の前後輪制動力配分を変更する配分制御手段とを含む。高制動負荷状態は、例えば、所定の制動力を超える制動力を要求する制動実行処理と所定の駆動力を超える駆動力を要求する駆動実行処理とを交互に実行する場合であって、制動実行処理が所定時間より短い制動実行間隔にて所定回数を超える回数実行されたことをもって検出されてよく、前後輪制動力配分の変更は、前輪の制動力の低減と後輪の制動力の増大により為されてよい。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両の制動力制御装置に係り、より詳細には、車両の走行中の制動装置の過熱防止のために制動力の配分を変更するよう構成された装置に係る。
自動車等の車両に於いて、ディスク・ブレーキ、ドラム・ブレーキなどの摩擦制動装置による制動力は、摩擦要素(パッド又はシュー)と車輪とともに回転するロータ(ディスク又はドラム)と間の摩擦力によって発生され、これらの部材間の摩擦によって車輪の回転運動エネルギー(車両の運動エネルギー)が熱エネルギーに変換され、かかる熱エネルギーが大気中へ放出されることにより車両の制動が達成される。従って、摩擦要素に於けるロータに対する摩擦力の大きさが、制動装置の制動性能を決定する一つの重要な因子となる。しかしながら、摩擦要素に於けるそれらの摩擦力の大きさは、それらの部材の温度により変動するので、制動時の発熱と放熱の状態に依存して各輪にて発生する制動力の大きさが変動し、所望の制動力或いは制動性能の確保が困難となる場合がある。そこで、従来より、制動装置の摩擦力を発生する部位の温度を検出して、その温度に基づいて制動装置の作動を修正又は補正する構成がいくつか提案されている。例えば、特許文献1では、前輪にディスク・ブレーキ、後輪にドラム・ブレーキが採用されている車両に於いて、ディスク・ブレーキの制動力の温度依存性がドラム・ブレーキの制動力の温度依存性よりも大きいことに起因して、前輪の制動装置が低温である時と高温である時との間で或るブレーキ圧に対する発生制動力の前後輪のバランスが異なってしまうことに鑑み、ディスク・ブレーキのパッドに設けられた温度センサにて検出される温度値によって前後輪の制動装置へ供給されるブレーキ圧の配分を変更する構成が提案されている。また、特許文献2は、各輪制動装置に於いて温度上昇に伴う(ブレーキ圧に対する)発生制動力の大きさの低減に対処すべく、各輪の制動装置に各輪の制動能(ブレーキの効き)を検出する手段、例えば、温度センサなど、を設け、制動能の低下した車輪の制動力負担を低減した態様にて制動力配分制御を行う構成を提案している。
特開昭62−299460 特開2004−352112
車両の制動装置の制動性能に関して、上記の摩擦力の大きさと伴に、車両の運動エネルギーから変換された熱エネルギーを吸収し放熱により車外に放出する熱的な性能、即ち、制動装置の熱的な容量も考慮されるべき重要な因子の一つである。ディスクとパッド又はドラムとシューに於いて、大きな摩擦力が得られたとしても、熱エネルギーを吸収するのに十分な熱的な容量の余裕が無ければ、パッド又はシューが直ぐに過熱状態となってしまい、十分な制動力或いは制動性能を得ることが困難となる。従って、車両に搭載される制動装置は、想定される車両の走行条件の全範囲に亘って、即ち、一般的な使用環境では発生頻度の少ない制動負荷の高い条件であっても満足のいく制動性能を与え得るだけの熱的な容量に余裕を有するものである必要がある。特に、近年の自動車用駆動装置の加速性能の向上によって、従前に比して、車速をより短時間に高いレベルまで上昇させることが可能となり、従って、車両が大きな運動エネルギーを有する状態となる頻度が増大し、例えば、短期間に急加速・急減速が繰り返される状態などの高い制動負荷状態が発生して制動時又は減速時に吸収されるべきエネルギーも(過渡的に)大きくなる機会が多くなり得るので、制動装置に於いては、そのような大きなエネルギーを吸収した際の過熱状態を防止するために、大きな容量が要求される状況が多くなり得る。しかしながら、そのような高い制動負荷状態に対応する大きな容量は、一般的な使用状況に於いては、過剰性能であると言うことができ、また、そのような高制動負荷時の過熱状態防止のために、大きな容量を有する大型の制動装置を車両に搭載することは車両の製造コスト増にも繋がる。
ところで、自動車等の車両に於いては、一般的には、制動時の安定性を確保するために、所定の割合にて前輪制動力が後輪制動力よりも大きくなるよう調整される(前後輪制動力配分制御)。即ち、一般的には、後輪側の制動装置の熱的な容量には、前輪側に比して比較的余裕があると考えられる。従って、一般的な使用環境に比して制動負荷が高い場合には、一時的に、前輪制動装置の制動容量又は制動性能の不足を後輪制動装置により補うよう制動力の配分制御を実行することにより、制動装置の大型化をすることなく、高制動負荷時に要求される制動性能又は制動容量が実現可能となると考えられる。
かくして、本発明の主な課題は、車両の制動装置の大型化をすることなく、高制動負荷時の制動装置の過熱防止のための大きな熱エネルギーを吸収する容量又は高い制動性能の要求が満されるように、制動力の配分が変更されるよう構成された制動力配分制御を提案することである。
しかしながら、一般的には、上記の如き前輪制動力>後輪制動力となる前後輪制動力配分によって後輪の熱的な容量の余裕が相対的に大きいと想定されるとしても、現実の車両の走行中の制動力配分は、積載状態、制動履歴、使用履歴、走行パターン等によって変化し、後輪の容量の余裕が常に十分であるとは限らない。そこで、本発明のもう一つの課題は、上記の如き制動力配分制御が、後輪の熱的な容量の余裕を考慮して実行される制御構成を提案することである。
本発明によれば、上記の課題を解決する一つの手段として、自動車等の車両の走行中に急加速と急減速が繰り返されるなどして、高制動負荷状態、即ち、制動装置で吸収されるべきエネルギーが通常の運転状態よりも大きくなったときには、制動時の制動力配分を変更して熱的な容量に余裕の少ない制動装置から熱的な容量に余裕のある制動装置へ負荷を移し、これにより、高制動負荷状態時には、車両全体の制動装置の熱的な容量を有効に利用できるようにする制動力制御装置が提案される。
具体的には、まず、制動負荷が高いか否かは、制動実行処理の回数と複数回実行される制動実行処理の間隔(一つの制動実行処理と次の制動実行処理との時間間隔)を参照することにより判定することが可能である。従って、本発明による車両の制動力制御装置は、制動実行処理の間隔及び制動実行処理の回数に基づいて高制動負荷状態であるか否かを判定する判定手段と、判定手段が高制動負荷状態であるとの判定をしたときに車両の前後輪制動力配分を変更する配分制御手段とを含むようになっていてよい。
上記の構成に於いて、「制動実行処理」とは、運転者による制動操作だけでなく、任意の自動走行制御装置による制動処理を含んでいてよい。特に、制動実行処理の間隔が短いときには、制動装置の冷却時間が短くなり、制動実行処理の回数が多くなるほど、発熱時間が長くなるので、前記の判定手段は、所定時間より短い間隔にて所定回数を超える回数の制動実行処理が為されたときに高制動負荷状態であるとの判定をするようになっていてよい。また、制動実行処理の発生制動力が低い場合には、制動による発熱量は問題とならないので、上記の構成に於いて、「制動実行処理」は、所定の制動力を超える制動力を要求する処理に限定されるようになっていてもよい。更に、車速が或る程度よりも低い場合にも制動による発熱量は問題とならないので、車速が所定速度より低いときには、高制動負荷状態との判定が為されないようになっていてもよい。この点に関し、制動実行処理が複数回繰り返される間、或る程度より高い駆動力にて車両の加速が実行されない場合には、車速は、低減していくことになるので、結局、上記の判定手段は、前記の所定回数を超える制動回数の制動実行処理に於いて隣接する制動実行処理の間に於いて所定の駆動力を超える駆動力を要求する処理が実行されているときに、高制動負荷状態であるとの判定をするようになっていてよい。
実施の形態に於いて、前記の判定手段は、所定の制動力を超える制動力を要求する制動実行処理と所定の駆動力を超える駆動力を要求する駆動実行処理とを交互に実行する場合であって、制動実行処理が所定時間より短い制動実行間隔にて所定回数を超える回数実行されたときに高制動負荷状態であると判定するようになっていてよい。かかる構成によれば、急加速と急減速とが繰り返されることにより制動時の制動負荷が高くなることが、特別なセンサ等の手段を用いることなく推定することが可能となる。
また、上記の前後輪制動力配分の変更は、熱的な容量に余裕の少ない制動装置から熱的な容量に余裕のある制動装置へ負荷を移すよう実行されるところ、既に触れた通り、典型的には、前後輪制動力配分は、所定の割合にて前輪制動力>後輪制動力となるように実行されているので、前後輪制動力配分を変更する場合には、通常の状態よりも後輪制動力の配分割合が高くなるように、つまり、前輪の制動力を低減するとともに後輪の制動力を増大するように配分の変更が為されるようになっていてよい。特に、現在の制動実行処理に於いて車両全体に要求されている制動力の総計に変化がないようにするために、前輪の制動力の低減量と後輪の制動力の増大量とが実質的に等しくなるよう配分割合が変更されるようになっていてよい。
かくして、上記の一連の構成によれば、制動実行処理の回数と制動実行処理の間隔とに基づいて、即ち、車両の制動処理の履歴に基づいて、制動負荷が高い状態か否かを判定し、制動負荷が高いことが判定されたときには、制動力の配分を修正して、制動装置の熱的な容量を有効に利用できるようになり、負荷の集中による制動装置の過熱状態の防止が期待されることとなる。
しかしながら、既に触れた如く、制動力配分の変更により配分割合が増大される車輪の制動装置に於ける熱的な容量に余裕が相対的に又は絶対的に無いときには、かかる制動力配分の変更は実行されるべきではない。従って、上記の構成に於いて更に任意の手法で各輪の制動装置の温度情報を取得し、それらの温度情報に基づいて更に制動力配分の変更の実行の可否を判定するようになっていてよい。具体的には、通常時に所定の割合にて前輪制動力>後輪制動力となるよう配分が為される場合には、前輪の制動装置の温度から後輪の制動装置の温度を差し引いた差分が所定の閾値を越えており且つ後輪の制動装置の温度が所定温度より低いときにのみ前記の車両の前後輪制動力配分の変更処理を実行するようになっていてよい。各輪の制動装置の温度情報は、各輪制動装置に温度センサを設け、かかる温度センサから取得されるようになっていてもよいが、制動装置の各々の動作履歴に基づいて推定するようになっていれば、温度センサを設置することなく、制御が実行できる点でより好ましい。なお、判定手段が高制動負荷状態を判定しているにもかかわらず、配分制御手段が車両の前後輪制動力配分の変更処理を実行しないときには、制動装置の負荷を軽減するために、車両の変速段の低減を行い、エンジンブレーキによって車両の減速が達成されるようになっていてよい。
実施の形態に於いては、本発明の制動力制御装置は、所定の制動力を超える制動力を要求する制動実行処理と所定の駆動力を超える駆動力を要求する駆動実行処理とを交互に実行する場合であって、制動実行処理が所定時間より短い制動実行間隔にて所定回数を超える回数実行されたときに高制動負荷状態であると判定する判定手段と、高制動負荷状態であるとの判定が為され且つ車両の前輪及び後輪の制動装置の各々の動作履歴に基づいて推定される前輪の制動装置温度から後輪の制動装置の温度を差し引いた差分が所定の閾値を越えており且つ後輪の制動装置の温度が所定温度より低いときに、車両の前輪の制動力を低減するとともに後輪の制動力を増大する配分制御手段とを含むようになっていてよい。その場合にも、判定手段が高制動負荷状態を判定し且つ配分制御手段が車両の前後輪制動力配分の変更処理を実行しないときには、車両の変速段の低減を行うようになっていてよい。
総じて、本発明の制動力制御装置は、一般的な制動装置の使用環境下での目標性能に安全率を見込んで制動力配分が設計され調整された車両に於いて、急加減速が繰り返されるなどによって高制動負荷状態となったときには、制動負荷を、熱的に余裕のある制動装置に一時的に相対的に多く振り分けることによって、特定の制動装置の過熱状態を防止することが可能となる。かかる構成によれば、車両に搭載される制動装置について、高制動負荷状態の発生のためだけに備えて熱的な容量の大きな大型の装置を採用する必要性が低減され、製造コスト増を回避できることが期待される。また、高制動負荷状態自体の判定は、制動実行処理の実行頻度に基づいて決定され、温度センサ等を用いる必要もなくなる。もっともいくつかの態様に於いて、制動力配分変更の可否を判定するために、各輪制動装置の温度情報が参照され、その際に、温度センサが用いられてもよいが、各輪制動装置の温度情報は、実施形態の欄にて記載されている如く、制動装置の作動履歴に基づいて推定可能であるので、そのような推定手法を採用する場合には、温度センサが必須の構成ではなくなり、製造コスト増を回避することが可能となる。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
図1(A)は、本発明による制動力制御装置の好ましい実施形態が組み込まれる自動車の模式図を示している。図1(B)は、本発明の装置により制御される油圧式制動装置の配管構成の模式図である。図中、マスタシリンダカット弁50F、50R、油圧保持弁54iは、常開型のソレノイド弁であり、減圧弁58iは、常閉型のソレノイド弁である。 図2は、本発明の制動力制御装置の内部構成を制御ブロックの形式で表した図である。 図3(A)は、高制動負荷状態が発生する状態での車速の時間変化の例を示したグラフ図である。図3(B)は、前後輪の制動力配分を変更する際の前後輪制動力Fbf、Fbrと前後輪ブレーキ圧Pbf、Pbrとの関係を表す相図である。 図4は、本発明の装置の制動負荷判定部に於ける高制動負荷状態判定のための制御処理をフローチャートの形式で表した図である。 図5(A)は、本発明の装置の配分変更可否判定部に於ける制御処理をフローチャートの形式で表した図であり、図5(B)は、制動力配分を実行する際の後輪の増分を決定する際に用いられるマップをグラフの形式で表した図である。
10…車体
12FL、FR、RL、RR…車輪
20…駆動系装置
26…変速機
30FL、FR、RL、RR…車輪速センサ
40…制動系装置
42FL〜42RR…制動装置(ホイールシリンダ)
46…油圧回路
44…ブレーキペダル
45…マスタシリンダ
52F、R…ポンプ
54i…油圧保持弁
58i…減圧弁
56F、R…リザーバ
60…電子制御装置
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
装置の構成
図1(A)は、本発明の制動力制御装置の好ましい実施形態が搭載される自動車を模式的に示している。同図に於いて、左右前輪12FL、12FRと、左右後輪12RL、12RRを有する車両10には、通常の態様にて、運転者によるアクセルペダル14の踏込みに応じて各輪(図示の例では、後輪駆動車であるから、後輪のみ)に制駆動力を発生する駆動系装置20と、各輪に制動力を発生する制動系装置40とが搭載される。駆動系装置20は、図示の例では、エンジン22から、トルクコンバータ24、自動変速機26、差動歯車装置28等を介して、出力される駆動トルク或いは回転力が後輪12RL、12RRへ伝達されるよう構成されているが、エンジン22に代えて電動機が用いられる電気式、或いは、エンジンと電動機との双方を有するハイブリッド式の駆動系装置であってもよい。なお、簡単のため図示していないが、車両10には、通常の車両と同様に前輪又は前後輪の舵角を制御するためのステアリング装置が設けられる。
制動系装置40は、運転者によるブレーキペダル44の踏込みに応答して作動されるマスタシリンダ45に連通した油圧回路46によって、各輪に装備をされたホイールシリンダ42FL、42FR、42RL、42RR内のブレーキ圧、即ち、各輪に於ける制動力が調節される形式の電子制御式の油圧式制動装置である。図1(B)は、かかる油圧回路46の内部の配管構成の典型例の模式図を示している。同図を参照して、油圧回路46は、左右前輪の対のホイールシリンダ42FL、42FRのブレーキ圧を制御する回路46Fと、左右後輪の対のホイールシリンダ42RL、42RRのブレーキ圧を制御する回路46Rを含み、通常の作動に於いては、ブレーキペダル44の踏込みに応答して、マスタシリンダ45の圧力が、回路46F、Rを介して、それぞれのホイールシリンダ42i(i=FL、FR、RL、RR)へ供給される。各輪のホイールシリンダ42iは、供給されたブレーキ圧に対応して伸長し、これにより、車輪の内側にて、図示していない摩擦要素(ブレーキパッド又はシュー)がロータ(ブレーキディスク又はドラム)に押し付けられ、摩擦要素とロータとの間に摩擦力が生じ、制動力が発生される。
一方、前後輪制動力配分制御又はその他の制動力の電子制御が実行される場合には、電子制御装置60の指令に基づいて、回路46F、Rのマスタシリンダに直接に接続されたマスタシリンダカット弁50F、50Rが閉弁され、油圧回路内に設けられた油圧ポンプ52F、52Rが作動して、マスタシリンダカット弁50F、50Rと各輪のホイールシリンダ42iとの間の油圧を昇圧する。各輪のホイールシリンダ42iには、それぞれ、油圧ポンプ52F、R側に油圧保持弁54i、バッファリザーバ56F、R側には、減圧弁58iが設けられており、各輪のホイールシリンダの油圧を増圧する際には、油圧保持弁54iが開弁されて、ホイールシリンダがポンプからの圧力を受け入れ、ブレーキ圧を減圧する際には、減圧弁58iが開弁して、リザーバへ圧力を解放する。即ち、各輪に対応する油圧保持弁54i及び減圧弁58iの開閉作動を個別に制御することにより、車輪毎にブレーキ圧が調節され、これにより、各輪の制動力が別々に調節される。また、図示していないが、各輪のホイールシリンダ42iには、それぞれ、ブレーキ圧を検出するセンサが設けられ、油圧保持弁54i及び減圧弁58iの作動は、対応する圧力センサの検出値に基づいて、各輪のホイールシリンダ内のブレーキ圧がそれぞれの目標圧に合致するよう制御されるようになっていてよい。なお、制動系装置40は、空気圧式又は電磁式に各輪に制動力を与える形式又はその他当業者にとって任意の形式のものであってよい。また、油圧回路は、クロス配管方式のものでもよい。
制動系装置40の作動を制御する電子制御装置60は、通常の形式の、双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路を含んでいてよい。電子制御装置60には、ブレーキペダルセンサからのブレーキペダル踏込量θbを表す信号、アクセルペダルセンサからのアクセルペダル踏込量θaを表す信号、各輪に搭載された車輪速センサ30i(i=FL、FR、RL、RR)からの車輪速Vwiを表す信号、各輪のホイールシリンダ内の圧力Pbiを表す信号等が入力される。なお、上記以外に、例えば、前後Gセンサ値など、本実施形態の車両に於いて実行されるべき各種制御に必要な種々のパラメータを得るための各種検出信号が入力されてよい。本発明による制動力制御装置は、電子制御装置60内のメモリ等の記憶装置に予め記憶されたプログラムに従ったCPU及びその他の要素の処理作動により実現される。
図2は、上記の電子制御装置60に於いて実現される本発明による制動力制御装置の実施形態の内部の構成を制御ブロックの形式で表したものである。同図を参照して、制動力制御装置に於いては、概して述べれば、ブレーキペダル踏込量θb、アクセルペダル踏込量θa、車速V(車輪速センサ30iからの車輪速情報に基づいて車速決定部62に於いて任意の手法により決定されてよい。)とに基づいて、制動負荷が高い状態(高制動負荷状態)となっているか否かを判定する制動負荷判定部60aと、各輪の車輪速Vwi、車速V、外気温To及びブレーキ圧Pbi(目標値であっても、実測値であってもよい。)から各輪制動装置(ディスクとパッド又はドラムとシュー)に於ける温度を推定する制動装置温度推定部60bと、制動負荷判定部60aからの高制動負荷状態の発生と各輪制動装置の温度情報とに基づいて前後輪制動力配分制御に於ける前後輪の配分の変更をするか否かの判定とその指示の送信又は変速機の変速段のシフトダウンを実行するか否かの判定とその指示の変速機制御装置66への送信を行う配分変更実行可否判定部60cと、前後輪制動力の配分の変更を実行する判定が為された際に車速V等を参照して配分の変分を決定して制動制御装置64へその変分を送信するブレーキ圧変分決定部60dとが設けられる。
以下、上記の制動力制御装置に於ける制御作動について説明する。
装置の作動
前後輪制動力配分の変更制御の概要
「発明の開示」の欄に於いて述べた如く、短期間に急加速・急減速が繰り返され、制動装置で吸収すべきエネルギーが高くなった状態、即ち、制動負荷が高い状態となったときに、制動実行処理の間隔が短く且つ制動実行処理の回数が多くなってくると、制動装置に於いて吸収した熱エネルギーを放出する冷却期間が不足し、制動装置の摩擦部材(ディスクとパッド又はドラムとシュー)が過熱状態となり得る。この点に関し、通常、車両の制動時に於いては、後輪の早期ロックを回避して車両挙動の安定性を確保するために、前輪制動力が後輪制動力よりも大きくなるよう調整されるので、特に、前輪側の制動装置の摩擦部材が後輪側に比して過熱状態に陥り易くなる。そこで、本発明の制動力制御装置に於いては、まず、急加速・急減速が繰り返される際に、所定の期間よりも短い間隔にて制動実行処理が所定回数を超えて実行されたときには、高制動負荷状態と判定し、その場合には、後輪の制動装置の温度が所定温度よりも下回っていることを条件として、前輪のブレーキ圧を低減する一方で後輪のブレーキ圧を増大し(制動力配分の変更)、これにより、前輪側の制動負荷の軽減が図られる。そして、制動力配分の変更した後に、更に、前後輪の制動負荷が限界に達した際には、変速機の変速段のシフトダウンを行い、エンジンブレーキの寄与を増やして、前後輪の制動装置の負荷を抑制する処置が実行される。
かくして、本実施形態の制動力制御装置では、下記の処理が実行される。
A.高制動負荷状態の判定
B.各輪制動装置の温度推定
C.制動力配分変更の可否判定
D.制動力配分変更処理
以下、各処理について詳細に説明する。
A.高制動負荷状態の判定
図3(A)に例示されている如く、急加速と急減速とが交互に実行されて比較的短い期間に車速が昇降を繰り返す走行パターンに於いて、各輪制動装置では、減速処理(制動実行処理)の期間(td)に熱が発生し、一つの制動実行処理の終了時から次の制動実行処理の開始時までの期間(ta)に於いて放熱が為される。このような走行パターンに於いて、期間taが比較的短い状態で、車速が所定速度を超えた状態から制動実行処理が繰り返される場合、制動装置の冷却(放熱)が十分でないまま、高い運動エネルギーから変換された熱エネルギーが次々に発生する状態が継続することとなり(高制動負荷状態)、制動装置が(特に、前輪側に於いて)過熱状態に陥り易くなる。そこで、本実施形態の制動力装置の制動負荷判定部60aは、上記の如き急加速と急減速とが交互に実行されることを検出し、これにより、高制動負荷状態となったか否かを判定するよう構成される。
本実施形態の制動負荷判定部60aでは、端的に述べれば、前回の制動実行処理の終了時から所定の時間(tao:制動装置が内部に蓄積した熱を外部に十分に放出するのに要する時間であり、実験的に又は理論的に決定されてよい。)を経過しないうちに(期間ta>所定期間taoが成立しないうちに)開始される制動実行処理の制動実行処理の回数がカウントされ、そのカウントが所定値を超えたときに制動負荷が高い状態となったとの判定がなされ(高制動負荷状態ON設定)、或る制動実行処理の終了時から所定期間taoを超えても次の制動実行処理が実行されなかったときには、制動負荷が通常の状態に戻ったとの判定が為される(高制動負荷状態OFF設定)。なお、かかる処理に於ける制動実行処理のカウントに於いては、軽度の若しくは短期間の制動実行処理及び開始時の車速が低速であるときの制動実行処理は、発熱量が比較的小さいので、カウントの対象とはせず、次の条件を満たす制動実行処理のみがカウントの対象とされる。
(1)ブレーキペダル踏込量(θb)が所定値(θbo)を超えた(制動力が所定のレベルを超えた)場合。(θboは、踏込量がその値を超えると、各輪制動装置に有意な制動力が発生する値であり、実験的に又は理論的に決定されてよい。)
(2)制動開始時に車速Vが所定速度Voを超えている場合(Voは、車速がその値を超えている状態で条件(1)を満たす制動力が付与されたときに制動装置に有意な発熱を生ずる速度であり、実験的に又は理論的に決定されてよい。)、又は、前回の制動終了時から今回の制動開始時までに所定レベルを超える加速又は駆動(アクセルペダル踏込量(θa)が所定値(θao)を超える加速)の実行期間の総計(Ca)が所定期間(Cato)を超えて実行された場合。(θaoは、踏込量がその値を超えると、車両に於いて有意な駆動力又は加速が生ずる値であり、実験的に又は理論的に決定されてよい。また、Ctaoは、単位時間の駆動実行処理の回数Caがその値を超えると、車両の運動エネルギー又は車速に於いて有意な増大が生ずる値であり、実験的に又は理論的に決定されてよい。)
(3)制動実行時間(td)が所定時間(tdo)を超えて継続した場合。(tdoは、制動実行時間がその時間を超えると、発熱量が有意な量となる時間であり、実験的に又は理論的に決定されてよい。)
図4は、上記の制動負荷判定部60aによる高制動負荷状態を検出する制御処理の例をフローチャートの形式にて表した図である。なお、かかるフローチャートの処理は、車両の走行中、所定のサイクル時間(運転者によるペダル操作時間よりも十分に短い時間)にて反復して実行される。同図の制御処理に於いては、端的に述べれば、上記の条件(1)と(2)を満たす制動実行処理の期間を計測するためのタイマ(td)と、上記の条件(1)〜(3)を満たす一つの制動実行処理が終了してから次の制動実行処理が開始されるまでの期間を計測するためのタイマ(ta)と、上記の条件(1)〜(3)を満たす制動実行処理の回数をカウントするためのカウンタ(Nd)と、駆動実行処理の期間を計測するカウンタ(Cta)とが設けられる。そして、これらのタイマ又はカウンタがブレーキペダル踏込量、アクセルペダル踏込量、車速の各状態によって、スタート又はストップが為されるよう構成される。
具体的には、下記の如く処理が実行される(括弧[]内は、ステップの流れを示している。)。なお、初期に於いて、タイマ(td)、タイマ(ta)、カウンタ(Nd)、カウンタ(Cta)は全て0に設定されているものとする。
(a)通常の車両の走行中、即ち、ブレーキペダル踏込量がθb>θboとなる制動操作が実行されていないときには、各タイマ、カウンタの変化は発生しない。[ステップ10→14→24→38→リターン]
(b)ブレーキペダル踏込量がθb>θboとなったとき(前回の踏込量θ_preがθ_pre<θboを満たし、且つ、今回の踏込量θbがθb>θboを満たすとき)、即ち、所定のレベルを超える制動実行処理が開始されたときに、車速Vが所定速度Voを超えている場合には、上記の条件(1)〜(2)を満たす制動実行処理が開始されたことになるので、その制動実行処理の長さを計測するためのタイマ(td)がスタートされる[ステップ10→14→16→18→リターン]。タイマ(td)値は、その後、処理サイクルが繰り返される間に亘って増大し[ステップ10→14→24→38→リターン]、ブレーキペダル踏込量がθb<θboとなったとき(前回の踏込量θ_preがθ_pre>θboを満たし、且つ、今回の踏込量θbがθb<θboを満たすとき)、タイマ(td)が停止され、そのときにタイマ(td)値がtd>tdoを満たすか否か、即ち、今回の制動実行処理が所定時間を超えて継続したか否かが判定される。[ステップ10→14→24→26→28]ここで、td>tdoが成立しているときには、条件(1)〜(3)を満たす実効的な制動実行処理が実行されたと判定されて、その回数をカウントするためのカウンタ(Nd)が1増大される。[ステップ28→30]
かくして、通常の走行状態から、初めて実効的な制動実行処理が実行されたことが検出されると、次の制動実行処理の開始までの間隔の計測をするタイマ(ta)がスタートされる。[ステップ32→34→36→リターン](一方、ステップ28で、td>tdoが成立していないときには、制動実行処理の期間が短期間であると判定され、実効的な制動実行処理としてカウントされず、従って、タイマ(ta)もスタートされない。なお、ステップ28の結果によらず、制動実行処理の終了時には、タイマ(td)は、0にリセットされる[ステップ32]。)
(c)上記の如く実効的な制動実行処理があったと判定された後に、ブレーキペダル踏込量θbがθboを超えることなく処理サイクルが繰り返される間に於いては、タイマ(ta)値が増大し続けると伴に、アクセルペダル踏込量がθa>θaoとなったとき、即ち、実効的な加速又は駆動実行処理が実行されたときには、そのことを記憶するためにカウンタ(Cta)が増大される。[ステップ10→14→24→38→40→リターン]即ち、カウンタ(Cta)は、駆動実行処理が断続的か連続的かによらず、次回の制動実行処理が開始されるまでの期間に於ける駆動実行処理の実行時間に比例して増大することとなる。
(d)その後、処理サイクルが繰り返される間に、ta>taoが成立することなく、即ち、前回の実効的な制動実行処理の終了時から所定時間taoが経過する前にブレーキペダル踏込量θb>θboとなるブレーキペダル操作があったとき、車速Vが所定速度Voを超えている場合或いはカウンタ(Cta)値が所定値Ctaoを超えている場合(前回の制動実行処理後に再び車両が有意に加速されたことに相当する。)には、タイマ(ta)を一旦停止するとともに、タイマ(td)のスタートが為され、制動実行処理の期間の計測が開始される[ステップ10→14→16→38→40→リターン]。そして、処理サイクルが繰り返される間にブレーキペダル踏込量θb>θboが成立しなくなったときには、処理(b)の場合と同様に、td>tdoが成立している場合には、実効的な制動実行処理が実行されたと判定され、その回数をカウントするためのカウンタ(Nd)が1増大される[ステップ10→14→24→26→28→30]。なお、この場合には、タイマ(ta)とカウンタ(Cta)がそれぞれ0にリセットされる。また、一旦、実行的な制動実行処理が実行されているときには、カウンタ(Nd)が1以上となっているので、タイマ(ta)がスタートされる。[ステップ34→36→リターン]
(e)かくして、一旦、実効的な制動実行処理が為された後、ta>taoが成立することなく、上記の処理(c)及び(d)が繰り返されるとき、即ち、制動実行処理と駆動実行処理とが交互に実行され、しかも、実効的な制動実行処理が所定時間taoより短い間隔にて繰り返され続けるときには、カウンタ(Nd)が増大し続けることとなる。そして、処理サイクルが繰り返される間に、ブレーキペダル踏込量θb>θboとなる制動実行処理が開始され[ステップ14]、且つ、そのときにCta>Ctao(又は車速V>Vo)が成立し[ステップ16]、ステップ20に到達したときに、制動回数を表すカウンタ(Nd)が所定回数Ndoを超えている場合には、制動装置の十分な冷却時間が確保できないまま、実効的な制動実行処理が繰り返されて制動負荷が高い状態となっていると判定され、高制動負荷状態がON設定とされる。[ステップ22](Ndoは、実験的に又は理論的に任意に設定されてよい。)なお、この高制動負荷状態のON設定は、ta>taoが成立することなく、上記の処理(c)及び(d)が繰り返される間、維持されることとなる。
(f)一方、処理サイクルが繰り返される間、或る制動実行処理の終了後、所定時間taoを超えても次の実効的な制動実行処理が実行されないときには、ステップ10に於いて、ta>taoが成立し、これにより、制動装置の十分な冷却時間が確保できる状態となったと判定されて、高制動負荷状態がOFF設定にされる。[ステップ12]その場合、タイマ(td)、タイマ(ta)、カウンタ(Nd)、カウンタ(Cta)は全て0にリセットされる。
以上の如く、上記の処理構成によれば、図3(A)に例示されている如く、制動開始時の車速が比較的高い状態で比較的大きな制動力が生成されることにより有意な発熱を生ずる制動実行処理(実効的な制動実行処理)がその実行の度に検出されるとともに、そのような実効的な制動実行処理の実行間隔が監視されて、実行間隔が所定時間よりも短い状態にて、即ち、十分な冷却時間が確保されることなく、実効的な制動実行処理が所定回数を超えて繰り返されると、高制動負荷状態であることが判定されることとなる。そして、高制動負荷状態がON設定となると、その情報が、後に説明される制動力配分変更の可否判定に用いられる。
なお、上記の一連の処理に於いて、ブレーキペダル踏込量θb>θboが成立したときに車速V>Vo又はCta>Ctaoが成立していない場合[ステップ14→16→リターン]、及び、ブレーキペダル踏込量θb>θboが成立しなくなったときにtd>tdoが成立していないとき[ステップ24→26→28→32]には、これらの制動処理は、有意な発熱のある制動とはならないので、実効的な制動実行処理として又はそのカウントに於いて考慮されないようになっていてよい。また、上記の処理に於いて、ブレーキペダル踏込量θb>θboが成立したときに、その処理を実効的な制動実行処理として考慮するか否かの判断するステップ16に於いて、車速V>Voであるか否かとCta>Ctaoであるか否かの二つの判定基準を用いているが、二つの制動実行処理の間に於いて駆動実行処理が相当程度にて実行されたときには、車速が増大していると考えられるので、上記のうちのいずれか一方の判定基準のみが用いられるようになっていてもよい。車速のみを判定基準に用いる場合には、ステップ38、40は省略されてよい。
B.各輪制動装置の温度推定
上記の如く高制動負荷状態が判定されたときには、後に詳細に説明される如く、前後輪の制動力配分が通常の場合よりも後輪側に偏倚させられ、前輪の制動負荷の軽減する一方で後輪側の制動負荷の増大が図られることとなる。しかしながら、そのような制動力配分の変更を実行する際には、後輪側に於いて、前輪側に比して、相対的に制動負荷に対する容量に余裕があることが必要である。そこで、各輪の制動負荷に対する容量を監視するために、各輪制動装置の温度が参照されるようになっていてよい。この点に関し、各輪制動装置の温度情報は、各制動装置に温度センサ等の温度検出手段を設けて、直接に検出されるようになっていてもよいが、その場合には、温度検出手段を設けるための手間及び費用がかかり、車両の製造コスト増につながる。そこで、そのような製造コスト増を回避すべく、本実施形態に於いては、各輪制動装置の温度として、制動装置温度推定部60bに於いて各輪の制動装置の部材の(予め検知可能な)熱的特性を参照しながら、制動装置の作動履歴、即ち、車輪の回転状態とブレーキ圧状態の履歴に基づいて推定された値が用いられる。
制動装置温度推定部60bに於いては、具体的には、各輪の制動装置の摩擦要素(ブレーキパッド又はシュー)の温度がその単位時間当たりの温度変化量(推定値)ΔTを積算することにより与えられるようになっていてよい。より詳細には、各輪の摩擦要素の温度推定値Twiは、下記の式により与えられてよい。
Twi=To+ΣΔT …(1)
ここに於いて、Toは、温度の初期値、例えば、車両の運転開始時又は所定時間以上に亘って制動装置が作動されなかったときの外気温度(摩擦要素温度が外気温に等しいと判断されるときのその外気温度)であり、ΣΔTは、摩擦要素温度が外気温度と見做される時点から現在までの単位時間当たりの温度変化量(推定値)ΔTの累積値である。上記の式に於いては、ΔTは、単位時間当たりの摩擦要素温度の上昇幅Thと単位時間当たりの摩擦要素温度の下降幅Tcとを用いて、
ΔT=Th−Tc …(2)
により与えられる。
かかる式(2)に於いて、温度上昇幅Thは、下記の式により与えられる。
Th=((Fp・Dr)/(Cd・Md))・Kp …(3)
ここに於いて、分子(Fp・Dr)は、ロータ(ディスク又はドラム)が吸収したエネルギーであり、分母(Cd・Md)は、ロータの熱容量であり(Cdは、ロータの比熱、Mdは、ロータ質量である。)、Kpは、摩擦要素への熱遷移率(摩擦要素に移送されるエネルギーの割合)である。式(3)に於いて、Fpは、摩擦要素がロータ(ディスク又はドラム)に作用する摩擦力であり、Drは、摩擦要素のロータ上での移動距離であるところ、Fpは、ブレーキ圧Pwi、ピストン面積Ap、摩擦係数μを用いて、
Fp=2μ・Pwi・Ap …(4)
により算出され、Drは、車輪速Vwi、制動有効半径Rb、タイヤ半径Ri及び推定演算周期時間δtとを用いて、
Dr=Vwi・Rb/Ri・δt …(5)
により与えられる。
一方、温度下降幅Tcは、現在の摩擦要素の温度Twi、外気温度To及び冷却係数Kcとを用いて、
Tc=(Twi−To)・Kc …(6)
により与えられるところ、この場合、冷却係数Kcは、車速Vに依存の関数であり、下記の式により算出される。
Kc=1−exp[−(ko・V0.8+yo)・δt] …(7)
ここで、ko、yoは、車速が0のときの摩擦要素の冷却係数の傾きと切片である。
上記の式(1)〜(7)に於いて、ロータ質量Md、ピストン面積Ap、制動有効半径Rb、タイヤ半径Riは、車両の諸元値であり、ロータの比熱Cd、熱遷移率Kp、摩擦係数μ、冷却係数の傾きko、冷却係数の切片yoは、定数として取り扱われる値であり、予め実験的に決定される。従って、作動に於いて、制動装置温度推定部60bは、各輪について、推定演算開始時(車両の運転開始時又は所定時間以上に亘って制動装置が作動されなかったとき)に外気温度Toを取得した後、時々刻々、ブレーキ圧Pwi、車輪速Vwi、車速Vを変数として上記の定数値及び式(2)〜(7)からΔTを算出し、更に、式(1)によりΔTを積算して、これにより、各輪の推定温度値Twiを算出する(即ち、各輪の推定温度値Twiは、ブレーキ圧Pwi、車輪速Vwiの作動履歴に基づいて決定されることとなる。)。かくして算出された推定温度値Twiは、後に説明される制動力配分変更の可否判定に用いられる。
C.制動力配分変更の可否判定
配分変更実行可否判定部60cは、既に触れた通り、制動負荷判定部60aに於いて高制動負荷状態が判定されたとき(高制動負荷状態がON設定となったとき)に、制動装置温度推定部60bに於いて算出される各輪の制動装置の推定温度値Twiを参照して、制動力配分の変更を実行するか或いは変速機の変速段のシフトダウンを実行するかを判定する。図5(A)は、かかる配分変更実行可否判定部60cに於ける制御処理をフローチャートの形式にて表したものである。なお、同図のフローチャートの処理も、車両の走行中、所定のサイクル時間(運転者によるペダル操作時間よりも十分に短い時間)にて反復して実行される。
同図を参照して、作動に於いて、配分変更実行可否判定部60cでは、まず、高制動負荷状態がON設定となっているか否か、即ち、現在に於いて制動負荷が高い状態になっているか否かが判定される(ステップ10)。そして、高制動負荷状態がON設定となったときには、後輪側の制動装置の推定温度Twrが所定温度Tmaxより高いか否か(ステップ110)及び既に配分変更が実行されているか否か(ステップ120)がそれぞれ判定される。ここで、所定温度Tmaxは、制動装置の温度がその温度を超えると制動負荷に余裕がない状態(過熱状態となっているかそのおそれがある状態)となる温度であり、実験的に予め決定されてよい。そして、TwrがTmaxに到達しておらず、また、配分変更が実行されていない場合には、前輪側の制動装置の推定温度Twfと後輪側の制動装置の推定温度Twrの差ΔTE(=Twf−Twr)が算出され(ステップ130)、かかる温度差ΔTEが所定温度差ΔTE0より大きいか否かが判定される(ステップ140)。もしΔTE>ΔTE0が成立しているとき、即ち、後輪制動装置の温度が前輪よりも十分に低いときには、後輪の制動負荷の余裕が前輪の制動負荷の余裕よりも十分に大きいと判断されるので、後述の如き態様にて、前後輪の制動力配分を通常よりも後輪側へ偏倚する要求(配分変更要求)が発生される(ステップ160)。
かくして、配分変更要求が出された後、処理サイクルが繰り返される際、高制動負荷状態がON設定となっている限り、基本的には、配分変更要求が出力され続けることとなる。しかしながら、配分変更の実行中に前輪側の制動装置の推定温度Twfが所定温度値Tmaxに到達した場合(ステップ150)には、配分変更制御のみでは、前輪の制動負荷の軽減が不十分であると考えられるので、その場合には、それまでの配分変更制御を中止し、変速機制御装置66(図2参照)に対して変速機の変速段のシフトダウンを要求し(ステップ170)、これにより、エンジンブレーキを増大させ、制動装置にかかる負荷の軽減が図られる。また、配分変更の実行中であるかによらず、ステップ110に於いて、後輪側の制動装置の推定温度Twrが所定温度Tmaxに到達しているときには、前後輪の制動力配分を通常よりも後輪側へ偏倚する配分変更制御を実行することは好ましくないので、前記と同様に、変速機の変速段のシフトダウン要求が出力されるようになっていてよい。
配分変更要求又は変速段のシフトダウン要求が出力された後、処理サイクルが繰り返される間に高制動負荷状態がOFF設定となったときには、前記の要求はリセットされ(ステップ180)、通常の制動力配分又は変速段の設定が為される状態に復帰される。
D.制動力配分変更処理
配分変更実行可否判定部60cに於いて制動力配分変更要求が出力されると、ブレーキ圧変分決定部60dに於いて、前後輪のブレーキ圧の変分ΔPwf、ΔPwrが決定され、制動制御装置64へ出力される。図3(B)は、本実施形態に於けるブレーキ圧の変分の決定手法を説明する前後輪の制動力とブレーキ圧との状態を示す相図を示している。同図を参照して、通常の作動に於いて制動制御装置は、制動時の早期の後輪ロックを回避し、挙動の安定性を確保すべく、前後輪制動力の配分を、図中の第1象限(Fbf軸とFbr軸とに挟まれた領域)中の実線にて示されている如く、前輪制動力>後輪制動力が成立する所定の割合となるよう設定する。従って、通常時に車両全体の制動力が増大する場合には、前後輪制動力の状態は、例えば、図中α上の「0」にて示された点からβ上の「1」にて示された点に移動することとなる。しかしながら、その場合、図から理解される如く、前輪制動力Fbfの値が大きくなり、十分な冷却時間が確保されないときには、これにより制動負荷が大きくなって、過熱状態に陥り易くなる。そこで、前記の高制動負荷状態のときには、図中の矢印にて示されているように、等減速度線に沿って(つまり、車両全体の制動力を変えずに)、前輪制動力が小さくなる方向に、例えば、前後輪制動力の状態が、図中β上の「1」からβ’上の「2」へ移動するように、前後輪制動力の配分の変更が実行される。その際、前輪制動力Fbfと前輪ブレーキ圧Pbfの関係(図中第2象限)と、後輪制動力Fbrと後輪ブレーキ圧Pbrの関係(図中第4象限)とは、それぞれ、
Fbf=kf・Pbf;Fbr=kr・Pbr …(8)
にて表される状態に維持されるので(kf、krは、前後輪のブレーキ係数)、結局、前後輪のブレーキ圧の状態は、図中第3象限のIにて示された点からIIにて示された点へ移動されることとなる。
作動に於いて、ブレーキ圧変分決定部60dでは、制動力配分変更要求を受信すると、まず、後輪のブレーキ圧の増圧量ΔPbrが
ΔPbr=δP・Pbr …(9)
により決定されてよい。ここで、Pbrは、通常の制動力配分比にて決定された後輪ブレーキ圧の目標値であり、例えば、下記の式により与えられる。
Pbr=γ・Fb_total/kr …(10)
ここに於いて、Fb_totalは、車両全体で要求される制動力であり(ブレーキペダル踏込量θbに基づいて制動制御装置66により任意の手法で決定されてよい。)、γは、通常の制動時の後輪へ配分される制動力の比である。また、式(9)のδPは、後輪低減係数であり、図5(B)にてグラフの形式にて表された車速Vをパラメータとするマップにより決定されてよい。なお、同図に於いて、車速Vが高いほどδPが低減しているのは、車速が高いときには、挙動安定性を確保する必要性が高いためである。かくして、ΔPbrが決定されると、かかる増分に対応する制動力の変化分が前輪制動力から低減されるので、結局、前輪ブレーキ圧の減圧量は、
ΔPbf=(kr/kf)ΔPbr=(kr/kf)δP・Pbr …(11)
と決定される。
上記の如く前後輪のブレーキ圧の変分ΔPbf、ΔPbrが決定されると、それらの値は、制動制御装置64へ送信される。制動制御装置64では、典型的には、ブレーキペダル踏込量θbに基づいて通常の制動時のブレーキ圧の目標値Pbf、Pbrを決定しているところ、前後輪のブレーキ圧の変分ΔPbf、ΔPbrを受信したときには、ブレーキ圧の目標値が
Pbf←Pbf−ΔPbf;Pbr←Pbr+ΔPbr …(12)
と変更され、かかる変更された目標値を実現すべく、油圧回路46の各部に制御指令が発せられる。
かくして、上記の構成によれば、急加速と急減速とが繰り返される走行パターンが実行されて制動負荷が高くなったと判定されるときには、まず、相対的に高い制動力にて作動されている前輪制動装置の制動負荷を軽減すべく、前後輪制動力配分を後輪側へ偏倚するよう変更して、前輪制動装置が過熱状態に陥ることの防止が図られ、しかる後、かかる配分の変更でも制動負荷の軽減が不十分なときには、変速機の変速段を下げて、制動装置に対する負荷の増大が抑制されることとなる。かかる構成によれば、高制動負荷時には、容量に余裕を有する車輪に制動負荷が通常より多く分配され、車両全体の制動装置の容量を有効に使うことが可能となり、これにより、車両に於いて、高制動負荷時に備えるためだけに容量の大きな制動装置を搭載する必要性が低減されることとなる。また、本実施形態に於いては、各輪制動装置に温度センサ等の検出器を装備することなく、上記の如き制動負荷状態を検出し且つ制動力配分の変更を達成することが可能である点で有利である。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
例えば、高制動負荷状態の判定のアルゴリズムは、図4に例示のものに限らず、他の手法にて制動実行処理の間隔及び回数を検出しそれらの値に基づいて制動負荷を判定する任意のものが用いられてよく、そのような場合も本発明の範囲に属する。また、制動実行処理又は駆動実行処理は、運転者によるペダル操作に限らず、任意の自動走行制御装置による制駆動処理が含まれていてよい。更に、制動力配分の変更の際の前後輪のブレーキ圧の変分は、後輪側を増大し、前輪側を低減するものであれば、ここで紹介したアルゴリズムとは別の態様に従って決定されてもよい。例えば、後輪ブレーキ圧の増分は、その大きさが車速又はその他のパラメータから直接に決定されるようになっていてもよい。

Claims (11)

  1. 車両の制動力制御装置であって、制動実行処理の間隔及び前記制動実行処理の回数に基づいて高制動負荷状態であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が高制動負荷状態であるとの判定をしたときに前記車両の前後輪制動力配分を変更する配分制御手段とを含むことを特徴とする装置。
  2. 請求項1の装置であって、所定時間より短い間隔にて所定回数を超える回数の制動実行処理が為されたときに前記判定手段が高制動負荷状態であるとの判定をすることを特徴とする装置。
  3. 請求項1の装置であって、前記制動実行処理が所定の制動力を超える制動力を要求する処理であることを特徴とする装置。
  4. 請求項1の装置であって、前記高制動負荷状態であるとの判定が為されるときには、前記所定回数を超える制動回数の制動実行処理に於いて、隣接する前記制動実行処理の間に於いて所定の駆動力を超える駆動力を要求する処理が実行されていることを特徴とする装置。
  5. 請求項1の装置であって、前記判定手段が所定の制動力を超える制動力を要求する制動実行処理と所定の駆動力を超える駆動力を要求する駆動実行処理とを交互に実行する場合であって、制動実行処理が所定時間より短い制動実行間隔にて所定回数を超える回数実行されたときに高制動負荷状態であると判定することを特徴とする装置。
  6. 請求項1の装置であって、前記配分制御手段が前記車両の前後輪制動力配分を変更する際に前輪の制動力を低減するとともに後輪の制動力を増大することを特徴とする装置。
  7. 請求項6の装置であって、前記車両の前後輪制動力配分を変更する際の前輪の制動力の低減量と後輪の制動力の増大量とが実質的に等しいことを特徴とする装置。
  8. 請求項1の装置であって、前記配分制御手段が、前記前輪の制動装置の温度から前記後輪の制動装置の温度を差し引いた差分が所定の閾値を越えており且つ前記後輪の制動装置の温度が所定温度より低いときにのみ前記車両の前後輪制動力配分の変更処理を実行することを特徴とする装置。
  9. 請求項8の装置であって、前記前輪及び後輪の制動装置の温度の各々が前記制動装置の各々の動作履歴に基づいて推定されることを特徴とする装置。
  10. 車両の制動力制御装置であって、所定の制動力を超える制動力を要求する制動実行処理と所定の駆動力を超える駆動力を要求する駆動実行処理とを交互に実行する場合であって、制動実行処理が所定時間より短い制動実行間隔にて所定回数を超える回数実行されたときに高制動負荷状態であると判定する判定手段と、高制動負荷状態であるとの判定が為され且つ前記車両の前輪及び後輪の制動装置の各々の動作履歴に基づいて推定される前記前輪の制動装置の温度から前記後輪の制動装置の温度を差し引いた差分が所定の閾値を越えており且つ前記後輪の制動装置の温度が所定温度より低いときに、前記車両の前輪の制動力を低減するとともに後輪の制動力を増大する配分制御手段とを含むことを特徴とする装置。
  11. 請求項8又は10の装置であって、前記判定手段が前記高制動負荷状態を判定し且つ前記配分制御手段が前記車両の前後輪制動力配分の変更処理を実行しないときには、前記車両の変速段の低減を行うことを特徴とする装置。
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