JP2011156743A - 眼鏡用プラスチックレンズの製造方法およびその検査方法 - Google Patents
眼鏡用プラスチックレンズの製造方法およびその検査方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011156743A JP2011156743A JP2010020010A JP2010020010A JP2011156743A JP 2011156743 A JP2011156743 A JP 2011156743A JP 2010020010 A JP2010020010 A JP 2010020010A JP 2010020010 A JP2010020010 A JP 2010020010A JP 2011156743 A JP2011156743 A JP 2011156743A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- spectacles
- plastic lens
- absorption peak
- isocyanate group
- polymerizable composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Eyeglasses (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Abstract
【解決手段】ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物とを含む重合性組成物を調合する調合工程と、前記重合性組成物を成形モールドに充填する充填工程と、所定の温度条件下で硬化させて重合体を得る硬化工程と、前記重合体の検査を行う検査工程とを備えた眼鏡用プラスチックレンズの製造方法であって、前記検査工程は前記重合体の赤外線吸収スペクトルを測定し、その測定結果におけるイソシアネート基に基づく吸収ピークのスペクトル強度を用いて合否判定を行う。
【選択図】図2
Description
しかし、このような異常レンズは機械的強度や耐熱性といった基本物性が正常レンズよりも著しく劣っており、本来の物性規格を満足しないことが多い。このため、製造工程において、このような調合トラブル等により生じた異常レンズが製品として出荷されることがないように異常レンズと正常レンズとを判別する検査体制を組むことが重要になっている。
上記判別方法として特許文献1には、ウレタン系レンズの重合合否を判定するためにディップ染色法を用いた眼鏡用プラスチックレンズの製造方法が記載されている。このディップ染色法では、(i)眼鏡用プラスチックレンズを製造するための重合工程、(ii)眼鏡用プラスチックレンズを安定して染色させるためのアニール工程、(iii)眼鏡用プラスチックレンズを染色する染色工程、(iv)染色した眼鏡用プラスチックレンズの染色濃度から物性を判定する重合合否判定工程、の四つの工程により重合合否判定を行っている。また、ディップ染色法では、製造した眼鏡用プラスチックレンズを重合合否判定用として染色している。
本発明の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法は、少なくとも1種のポリイソシアネート化合物と少なくとも1種のポリチオール化合物とを含む重合性組成物を調合する調合工程と、前記重合性組成物を成形モールドに充填する充填工程と、所定の温度条件下に前記成形モールドを曝すことによって前記重合性組成物を硬化させて重合体を得る硬化工程と、を備えた眼鏡用プラスチックレンズの製造方法であって、前記重合体の赤外線吸収スペクトルを測定し、その測定結果におけるイソシアネート基に基づく吸収ピークのスペクトル強度を用いて合否判定を行う検査工程を含むことを特徴とする。
なお、前記検査工程は、全数検査であってもサンプリング検査であっても良いが、調合工程での攪拌が十分であれば、同一調合ロットの重合性組成物から重合された重合体の合否は、1枚から数枚のサンプリング検査で事足りる。また、生産効率からサンプリング検査が好ましい。
よって、眼鏡用プラスチックレンズの生産性を大幅に向上させることができる。
なお、赤外線吸収スペクトルの測定は、イソシアネート基に基づく吸収ピークのスペクトル強度を解析するため、FT−IR法を用いることが好ましい。
なお、赤外線吸収スペクトルを透過光で測定した場合、測定物の厚みによってスペクトル強度が大きく変わってしまうため、赤外線吸収スペクトルを透過光で測定した結果をレンズの合否判定に用いるには、何らかの工夫が必要である。工夫の例として、一定の厚みの測定用試料を作成することが考えられるが、この場合、試料作成の手間がかかると共にレンズを破壊することになり、生産効率が悪くなる。
なお便宜上、以降の本発明の明細書、特許請求の範囲及び図面では、狙い組成比で作成することのできた重合体を基準重合体と呼ぶ。
また、前記基準重合体の前記イソシアネート基に基づく吸収ピークのスペクトル強度(Ib)と、前記メチレン基に基づく吸収ピークのスペクトル強度(Mb)を求める。
そして、(Ib/Mb)を1として規格化した際の(I/M)の値、すなわち{(I/M)/(Ib/Mb)}が0.3から1.4までの範囲のものを合格品とすることで、前記基準重合体の残留イソシアネート基の濃度を基準として、前記重合体の残留イソシアネート基の濃度が一定範囲内にあるものを合格とすることができ、容易かつ簡便に合否判定を行うことができる。
なお便宜上、以降の本発明の明細書、特許請求の範囲及び図面では、(Ib/Mb)を基準吸光度比、{(I/M)/(Ib/Mb)}を判定吸光度比と呼ぶ。
よって、眼鏡用プラスチックレンズの生産性を大幅に向上させることができる。
なお、赤外線吸収スペクトルの測定は、イソシアネート基に基づく吸収ピークのスペクトル強度を解析するため、FT−IR法を用いることが好ましい。
[レンズ製造装置の構成]
図1は本実施形態における眼鏡用プラスチックレンズの製造装置の概略図である。
図1に示すように、製造装置100は、樹脂原料を収納するタンク110と、タンク110内部で樹脂原料の反応により生成した重合性組成物の粘度を測定する粘度計120と、重合性組成物を重合硬化させるモールド130と、タンク110からモールド130の内部に重合性組成物を供給する原料供給装置140と、重合性組成物の供給や反応の進捗を制御する制御部150と、を備えている。
粘度計120としては、一般に市販されている粘度計を使用することができる。例えば、CBC株式会社製のシールド型粘度計「FVM80A−ST」(商品名)などのインライン型粘度計を好適に使用することができる。
原料供給装置140は、モールド130の内部に重合性組成物を注入するディスペンサ141と、このディスペンサ141の基端部に下端部が接続される原料流通管142と、を備え、原料流通管142の他端部は、タンク110内の重合性組成物に浸漬された状態となっている。ディスペンサ141は、重合性組成物の注入を調整する本体部1411と、重合性組成物を吐出するノズル1412と、を有している。
第一の制御部151は、ディスペンサ141からの重合性組成物の注入量を調整したり、原料流通管142を流通する重合性組成物の流量を調節したり、モールド130の内部に重合性組成物が所定位置まで注入されたことを検知したりする。
さらに、第二の制御部152は、重合性組成物の粘度に応じて、モールド130への注入の可否の判断を行う。重合性組成物の粘度が問題ない粘度であれば、モールド130に注入する。粘度がある一定値を超えると品質が劣化するため、モールド130に注入せず、使用をとりやめる。
次に、製造装置100による眼鏡用プラスチックレンズ製造方法を説明する。
本実施形態において、レンズ基材の製造方法では、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物とを含む重合性組成物を調合する調合工程と、前記重合性組成物を成形モールドに充填する充填工程と、所定の温度条件下に前記成形モールドを曝すことによって前記重合性組成物を硬化させて重合体を得る硬化工程と、を備えている。そして、得られたレンズ基材については、所定の検査工程を備えている。以下、具体的に説明する。
(重合性組成物)
ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物は、特に限定はされない。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m−キシレンジイソシアネート、イソフォロンイソシアネート等が挙げられ、ポリチオール化合物としては、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)、ジメルカプトメチルジチアン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン等が挙げられる。
これらの中でも、特に、ポリイソシアネート化合物がビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンであって、ポリチオール化合物がペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)ないしはジメルカプトメチルジチアンであると好ましい。
これら組成物は、必要に応じ、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物以外の成分として、通常、眼鏡用プラスチックレンズの添加物として用いられる物質を含んでいても良く、例えば、エピチオ基を有する化合物等が挙げられる。
上述の重合性組成物におけるポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物の割合は、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物のみからなる場合にはNCO基/SH基のモル比は通常0.9〜1.2の範囲であり、好ましくは0.98〜1.05の範囲である。NCO基/SH基のモル比が0.9以上であれば未反応のSH基が残らず、組成物が十分硬化し、耐熱性、耐湿性、耐光性に優れた樹脂が得られ、NCO基/SH基の比率が1.2以下であれば未反応のNCO基が残らず耐熱性、耐湿性、耐光性に優れた樹脂が得られ、未反応のNCO基を減らすために反応温度を上げる必要もなく、プラスチックレンズ材料として好ましい。
撹拌時のタンク温度は、一般的には、−10℃〜80℃であり、より好ましくは、0℃〜40℃である。あまり高温で行うと、早期に重合反応が始まってしまったり、重合性組成物が黄色に着色したりといった問題点がある。また、あまり低温で行うと、粉末(固体)の重合性組成物や、紫外線吸収剤等の粉末(固体)の各種添加剤の溶解が不可能であったり、溶解が可能にしても、非常に時間がかかったりといった問題が起こり易い。また、撹拌前、もしくは撹拌途中に、重合開始剤、重合触媒を添加してもよい。ただし、これらは、重合性組成物のポットライフとの関係で、後述する脱気工程の前、または、後で添加しても良い。
また、重合性組成物の調合にあたっては、上記の様に最初からタンク110を用いても良いし、あるいは、他のタンクを用いて、重合性組成物を調合した後で、調合済みの重合性組成物をタンク110へ移送して使用することも可能である。
さらに、重合性組成物によっては、タンク110内で予備反応を行ってもよい。予備反応を行う場合には、単に、タンク温度を加温することによって反応させることも可能であるが、必要に応じて、予備反応用の重合開始剤、または重合触媒を少量添加してもよい。予備反応を行うことによって、重合成型時の重合収縮を低減させ、モールドと成型材料が重合途中で剥がれることを防止する効果がある。また、原料の種類によっては、予備反応を行うことにより、成型後の樹脂の透明性を改善する効果もある。
このようにして、重合性組成物の調製後、または予備反応終了後に、続いて脱気工程を行うことが一般的である。脱気工程は、撹拌中に巻き込んだ、微小な気泡を重合性組成物中から無くすことで、重合成型後の硬化物に気泡がそのまま残り、外観不良となることを避ける効果がある。また、ウレタン樹脂用またはチオウレタン樹脂用の原料性組成物を用いた場合には、重合性組成物中に、極微量の水分が含まれていると、重合成型中に、気泡不良が発生することがあり、脱気工程を行うことで、水分量を減らすことが可能となり、気泡不良を低減する効果もある。
脱気工程は、一般的には、0.001torr〜100torrの減圧下で、−10℃〜80℃、1分間〜24時間行う。ただし、重合性組成物によっては、あまり減圧をしすぎると、組成物中に含まれるモノマー自身が揮発してしまう問題があり、最適な圧力、温度、時間等は重合性組成物によって異なる。
脱気工程が終了した後、原料供給装置140により、タンク110内の重合性組成物を、原料流通管142、ディスペンサ141を介してモールド130のキャビティ内に注入する。このとき、原料流通管142の内部を流通する重合性組成物は、ヒーターにより加温されてもよい。
なお、原料流通管142のディスペンサ141の直前における重合性組成物の粘度を測定するために、原料流通管142に粘度計を設けてもよい。
重合性組成物を挟んだモールド130を、通常の条件に従い、所定の温度と時間に設定された環境下に曝すことによって、重合性組成物を最終的に重合(硬化)させる。
モールド130から剥離されてプラスチックレンズ基材である重合体が形成される。
上述の<レンズ基材の製造方法>で得られた重合体から任意にサンプリングされた被検査体について、赤外線吸収スペクトルを測定し、図2に示すように、イソシアネート基に基づく吸収ピークのスペクトル強度として230000m−1近傍におけるイソシアネート基に基づく吸収ピークの吸光度(I)を、硬化工程によってスペクトル強度が変化することの無い基の吸収ピークとして290000m−1近傍におけるメチレン基の吸収ピークの吸光度(M)を求める。
また、基準重合体について赤外線吸収スペクトルを測定し、230000m−1近傍におけるイソシアネート基に基づく吸収ピークの吸光度(Ib)と、290000m−1近傍におけるメチレン基の吸収ピークの吸光度(Mb)を求める。
そして、判定吸光度比{(I/M)/(Ib/Mb)}が0.3から1.4までの範囲のものを合格品として合否判定する。
(1)本実施形態では、製造されたレンズ基材からサンプリングされた被検査体の赤外線吸収スペクトルを測定し、その結果におけるイソシアネート基に基づく吸収ピークのスペクトル強度を用いて合否判定を行う。それにより、重合後に残留するイソシアネート基の濃度を容易に確認でき、レンズの合否をただちに判別できる。このため、本実施形態では、ディップ染色法により合否判定する場合に比べ、アニール工程も染色工程も不要である。さらに、ディップ染色法では、合否判定までにかなりの時間を要するが、本実施形態では重合体の赤外線吸収スペクトルを測定するだけでよく、ディップ染色法による合否判定に比べて要する時間を大幅に削減することができる。
よって、眼鏡用プラスチックレンズの生産性を大幅に向上させることができる。
なお、赤外線吸収スペクトルの測定は、イソシアネート基に基づく吸収ピークのスペクトル強度を解析するため、FT−IR測定を用いることが好ましい。
(2)本実施形態では、イソシアネート基に基づく吸収ピークのスペクトル強度を、イソシアネート基に基づく吸収ピークを測定した際に測定した、硬化工程によってスペクトル強度が変化することの無い基の吸収ピークのスペクトル強度に対する相対強度として測定することで、測定条件によって生じる誤差を補正し、より正確にイソシアネート基の濃度を確認することができる。
(3)本実施形態では、前記イソシアネート基に基づく吸収ピークが230000m−1近傍における吸収ピークであり、前記硬化工程によってスペクトル強度が変化することの無い基の吸収ピークが290000m−1近傍におけるメチレン基の吸収ピークである。これらの吸収ピークを選択することにより、非常に安定かつ確実にイソシアネート基の濃度を確認することができる。
(4)本実施形態では、前記重合体の前記イソシアネート基に基づく吸収ピークの吸光度(I)と、前記メチレン基に基づく吸収ピークの吸光度(M)を求め、基準重合体の前記イソシアネート基に基づく吸収ピークの吸光度(Ib)と、前記メチレン基の吸収ピークの吸光度(Mb)を求める。
そして、基準吸光度比(Ib/Mb)を1と規格化した際の吸光度比(I/M)、つまり判定吸光度比{(I/M)/(Ib/Mb)}が0.3から1.4までの範囲のものを合格品とするので、容易かつ簡便に合否判定を行うことができる。
[実施例1]
(レンズ基材の製造方法)
プラスチックレンズ原料として、A化合物(m−キシレンジイソシアネート)とB化合物(4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン或いは4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン或いは5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンの混合物)とを表1に示す各組成比で混合した。
上述の混合物に対し、紫外線吸収剤として商標名「SEESORB701」(シプロ化成工業製)を1.2g、内部離型剤として商標名「MR用内部離型剤」(三井化学社製)を0.1g添加し、混合した後、十分に撹拌して、完全に分散または溶解させたプラスチックレンズ原料中に、触媒としてジブチル錫ジクロライドを100ppm添加し、室温で十分に撹拌して均一液とした。
ついで、この組成物を5mmHgに減圧して攪拌しながら30min脱気を行った。この原料を、出来上がったレンズの度数が約−3Dとなるような2枚のガラス型を用いて、粘着テープで保持した鋳型中に注入し、大気重合炉中で30℃から120℃まで24時間かけて昇温を行い、重合硬化させた。
以上で作製した全てのプラスチックレンズ基材はすべて無色透明であり、外観上見分けることができないものであった。
装置名 : Nicolet 380 シリアルNo.AGL0802681
測定領域 : 234000m−1(NCO)、292000m−1(CH2)
上述の方法で得た各レンズ基材について、上記FT―IR装置にてATR法により測定を行った。具体的には、N=C=O伸縮振動に基づくピークの吸光度(I)および(Ib)と、CH2伸縮振動に基づくピークの吸光度(M)および(Mb)とから判定吸光度比{(I/M)/(Ib/Mb)}を求めた。
Tgの測定には、2mm厚のフラット板を生成して、測定に使用した。フラット板は、厚みが2mmとなる様にテープにて外周部を封止した2枚のガラス平板中に、樹脂組成物を注入し、レンズ基材の製造条件で、重合硬化、離型およびアニール処理して製造した。
Tgは、熱機械分析装置((株)島津製作所製:TMA60)を用いて、荷重50g、針入プローブ(2mmφ)、昇温スピードが10℃/minの条件により測定した。
プラスチックレンズ原料として、A化合物(m−キシレンジイソシアネート)とB1化合物(ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を主成分とするポリチオール化合物)およびB2化合物(4−メルカプトメチル−3,6−ジチア−1,8−オクタンジチオールを主成分とするポリチオール化合物)とを表2のような組成比で混合した。
そこに紫外線吸収剤として商標名「SEESORB709」(シプロ化成工業製)を2.5g、内部離型剤として商標名「MR用内部離型剤」(三井化学社製)を0.1g添加し、混合した後、十分に撹拌して、完全に分散または溶解させたプラスチックレンズ原料中に、触媒としてジブチル錫ジクロライドを250ppm添加し、室温で十分に撹拌して均一液とした。ついでこの組成物を5mmHgに減圧して攪拌しながら30min脱気を行った。
この原料を、出来上がったレンズの度数が約−3Dとなるような2枚のガラス型を用いて、粘着テープで保持した鋳型中に注入し、大気重合炉中で30℃から130℃まで20時間かけて昇温を行い、重合硬化させた。
以上で作製した全てのプラスチックレンズ基材は実施例1と同様にすべて無色透明であり、外観上見分けることができないものであった。
吸光度およびTgは、実施例1と同様にして測定した。
実施例1と同様のプラスチックレンズを用いて特許文献1と同様にディップ染色法で合否判定を行った。
プラスチックレンズ原料として、A化合物(ビス−(2,3エピチオプロピル)ジスルフィド)とB化合物(4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン或いは4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン或いは5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンのいずれか一種の中から選ばれる化合物の混合物)とを表3のような組成比で混合し、外線吸収剤として商標名「SEESORB701」(シプロ化成工業製)を1.2g添加し、十分に撹拌して、完全に溶解させた。
この原料を、出来上がったプラスチックレンズの度数が約−3Dとなるような2枚のガラス型を用いて、粘着テープで保持した鋳型中に注入し、大気重合炉中で30℃から120℃まで24時間かけて昇温を行い、重合硬化させた。
以上で作製した全てのプラスチックレンズは、実施例1と同様にすべて無色透明であり、外観上見分けることができないものであった。
[実施例1,2]
表1,表2に示すように、判定吸光度比は、組成比により顕著な比例関係となっており、Tgは、狙い組成比からどちらの比率にずれたとしても顕著に低下することがわかる。それ故、本発明の方法によりレンズの合否判定を極めて簡便に行うことが可能となる。
特許文献1と同様の方法でディップ染色法による合否判定を行うと、FT−IR測定と同様の判定が可能であった。
しかし、ディップ染色法では染色槽の準備、プラスチックレンズ染色の安定性のためのアニール処理が必要であり、レンズも複数枚必要であり、合否判定までにFT−IR測定の場合よりも非常に長い時間を要した。
比較例2のチオエポキシ系レンズでは、290000m−1近傍におけるメチレン基の吸収ピークのみならず、どの波長領域においても有位差のある吸収ピークは観察されなかった。
Claims (7)
- 少なくとも1種のポリイソシアネート化合物と少なくとも1種のポリチオール化合物とを含む重合性組成物を調合する調合工程と、前記重合性組成物を成形モールドに充填する充填工程と、所定の温度条件下に前記成形モールドを曝すことによって前記重合性組成物を硬化させて重合体を得る硬化工程と、を備えた眼鏡用プラスチックレンズの製造方法であって、
前記重合体の赤外線吸収スペクトルを測定し、その測定結果におけるイソシアネート基に基づく吸収ピークのスペクトル強度を用いて合否判定を行う検査工程を含む
ことを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。 - 請求項1に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法において、
前記イソシアネート基に基づく吸収ピークが230000m−1近傍における吸収ピークであることを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法において、
前記赤外線吸収スペクトルの測定方法がATR法であることを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法において、
前記イソシアネート基に基づく吸収ピークのスペクトル強度を、前記イソシアネート基に基づく吸収ピークを測定した際に測定した、硬化工程によってスペクトル強度が変化することの無い、基又は骨格の吸収ピークのスペクトル強度に対する相対強度として測定する
ことを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。 - 請求項4に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法において、
前記硬化工程によってスペクトル強度が変化することの無い基の吸収ピークが290000m−1近傍におけるメチレン基の吸収ピークである
ことを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。 - 請求項5に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法おいて、
前記重合体の、前記イソシアネート基に基づく吸収ピークのスペクトル強度(I)と、前記メチレン基に基づく吸収ピークのスペクトル強度(M)を求め、
基準重合体の、前記イソシアネート基に基づく吸収ピークのスペクトル強度(Ib)と、前記メチレン基に基づく吸収ピークのスペクトル強度(Mb)を求め、
{(I/M)/(Ib/Mb)}が0.3から1.4までの範囲のものを合格品とする
ことを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。 - 少なくとも1種のポリイソシアネート化合物と少なくとも1種のポリチオール化合物とを含む重合性組成物を重合させた重合体の、赤外線吸収スペクトルを測定し、
その測定結果におけるイソシアネート基に基づく吸収ピークのスペクトル強度を用いて検査を行うことを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010020010A JP5588187B2 (ja) | 2010-02-01 | 2010-02-01 | 眼鏡用プラスチックレンズの製造方法およびその検査方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010020010A JP5588187B2 (ja) | 2010-02-01 | 2010-02-01 | 眼鏡用プラスチックレンズの製造方法およびその検査方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011156743A true JP2011156743A (ja) | 2011-08-18 |
JP5588187B2 JP5588187B2 (ja) | 2014-09-10 |
Family
ID=44589144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010020010A Expired - Fee Related JP5588187B2 (ja) | 2010-02-01 | 2010-02-01 | 眼鏡用プラスチックレンズの製造方法およびその検査方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5588187B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT515958A1 (de) * | 2014-06-30 | 2016-01-15 | Engel Austria Gmbh | Kunststoffherstellung auf Basis eines diskontinuierlich polymerisierenden Monomers |
JP2017113535A (ja) * | 2015-12-23 | 2017-06-29 | ブリヂストンスポーツ株式会社 | ゴルフボールの製造方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001507255A (ja) * | 1996-12-23 | 2001-06-05 | ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト | 反応性被覆 |
JP2006065036A (ja) * | 2004-08-27 | 2006-03-09 | Hoya Corp | 眼鏡用プラスチックレンズの製造方法 |
JP2007196397A (ja) * | 2006-01-23 | 2007-08-09 | Fujifilm Corp | 凹凸状シートの製造方法及び装置 |
JP2007277438A (ja) * | 2006-04-07 | 2007-10-25 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 樹脂用組成物 |
-
2010
- 2010-02-01 JP JP2010020010A patent/JP5588187B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001507255A (ja) * | 1996-12-23 | 2001-06-05 | ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト | 反応性被覆 |
JP2006065036A (ja) * | 2004-08-27 | 2006-03-09 | Hoya Corp | 眼鏡用プラスチックレンズの製造方法 |
JP2007196397A (ja) * | 2006-01-23 | 2007-08-09 | Fujifilm Corp | 凹凸状シートの製造方法及び装置 |
JP2007277438A (ja) * | 2006-04-07 | 2007-10-25 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 樹脂用組成物 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT515958A1 (de) * | 2014-06-30 | 2016-01-15 | Engel Austria Gmbh | Kunststoffherstellung auf Basis eines diskontinuierlich polymerisierenden Monomers |
AT515958B1 (de) * | 2014-06-30 | 2016-03-15 | Engel Austria Gmbh | Kunststoffherstellung auf Basis eines diskontinuierlich polymerisierenden Monomers |
JP2017113535A (ja) * | 2015-12-23 | 2017-06-29 | ブリヂストンスポーツ株式会社 | ゴルフボールの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5588187B2 (ja) | 2014-09-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6077146B2 (ja) | ウレタン系光学材料用樹脂の製造方法、樹脂組成物、及び製造された光学材料 | |
JP2009169391A (ja) | 光学物品の製造方法および製造装置 | |
JP7141529B2 (ja) | 光学材料用重合性組成物、光学材料用重合性プレポリマー組成物、硬化物及び光学材料の製造方法 | |
JP7434526B2 (ja) | 光学材料用重合性組成物、光学材料用重合性プレポリマー組成物、硬化物及び光学材料の製造方法 | |
WO2016153061A1 (ja) | 重合性組成物、光学部材、プラスチックレンズ、及び眼鏡レンズ | |
JP5588187B2 (ja) | 眼鏡用プラスチックレンズの製造方法およびその検査方法 | |
WO2019066039A1 (ja) | 光学部材用樹脂の製造方法、光学部材用樹脂、眼鏡レンズ及び眼鏡 | |
JP2004209968A (ja) | プラスチックレンズの製造方法及び原料貯蔵供給装置 | |
EP3017938B1 (en) | Process for preparing spectacle lenses | |
JP7036502B2 (ja) | 光学部材用樹脂の製造方法、光学部材用樹脂、眼鏡レンズ及び眼鏡 | |
US8394300B2 (en) | Manufacturing method of optical goods | |
CN108084386B (zh) | 一种光学材料用聚硫氨酯树脂及其制造方法 | |
JP2000047003A (ja) | プラスチックレンズの製造方法 | |
CN109070505B (zh) | 眼镜片以及用于制备眼镜片的方法 | |
WO2022113955A1 (ja) | 光学材料の製造方法、光学材料用重合性組成物、光学材料製造システム、光学部材の製造方法、光学部材製造用フィルム、光学部材製造用モールド及び硬化物 | |
CN115335425B (zh) | 制备用于高折射率光学材料的低雾度聚合物组合物的方法 | |
JP2020531674A (ja) | オンラインストイキオメトリ制御を用いた多成分混合および計量機器 | |
CN112300361B (zh) | 一种聚氨酯光学树脂制备方法及其应用 | |
EP4289879A1 (en) | Optical material production method, polymerizable composition for optical material, and optical material | |
CN116529048A (zh) | 光学材料的制造方法、光学材料用聚合性组合物、光学材料制造系统、光学构件的制造方法、光学构件制造用膜、光学构件制造用模具及固化物 | |
JP2009143164A (ja) | 光学物品の製造方法および製造装置 | |
WO2024074596A1 (en) | Method of curing a polythiourethane based substrate with a salt catalyst | |
JP2006113094A (ja) | 染色プラスチックレンズの製造方法 | |
JP2006065036A (ja) | 眼鏡用プラスチックレンズの製造方法 | |
CN112188954A (zh) | 硫代氨基甲酸酯类光学材料用单体的模具自动注入方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20121221 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20130418 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140326 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140401 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140630 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140715 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140725 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5588187 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |