JP2011156713A - 樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品の製造方法および、その一体成型品 - Google Patents

樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品の製造方法および、その一体成型品 Download PDF

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Abstract

【課題】成形金型を複雑に加工することなしに、プレート部材の所期したとおりの位置に、樹脂発泡体を適正に一体化させることができる、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品の製造方法および、その一体成型品を提供する。
【解決手段】プレート部材20に、プレート部材本体部21の端部から外方へ突出する二以上の迫出し部22を設け、前記プレート部材20を、成形金型10の下型11内に嵌め込んで、プレート部材20を、下型の側面間に、該プレート部材20の二以上の迫出し部22のそれぞれで、直接的ないしは間接的に摩擦係合させて位置決めし、該プレート部材20上に発泡樹脂原料を注入し、その後、上型12と下型11とを型締めして、成形金型10の内部の前記キャビティ13内で発泡樹脂原料を発泡させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、上型および下型からなる成形金型の下型内に、プレート部材を配置して、そのプレート部材上に発泡樹脂原料を注入し、上型と下型との型締め状態で、成形金型の内部に画成されるキャビティ内で、前記発泡樹脂原料を発泡させて成形する、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品の製造方法および、その一体成型品に関するものであり、とくに、キャビティ内での、発泡樹脂原料の発泡・膨脹に起因する、プレート部材の、下型に対する位置ずれを有効に防止して、所期したとおりの一体成型品を製造する技術を提案するものである。
合成樹脂材料からなるプレート部材の片面に、熱可塑性の樹脂発泡体を一体的に設けてなる一体成型品は、たとえば、車両のドアパネルの内側に、前記樹脂発泡体が車両の室内側に向く姿勢で配設することで使用に供することができる。
この場合、車両のドアパネルの内側のこの一体成型品は、車両の側面衝突時等に、衝突衝撃を、ドアパネルに近接して位置するプレート部材で分散させるとともに、衝撃エネルギーを、車室内側に位置する樹脂発泡体の崩壊によって吸収して、乗員への衝撃を緩和するべく機能する。
このような一体成型品を製造するに当っては、上型と下型とからなる成形金型の下型内に、プレート部材を位置決め配置して、そのプレート部材上に液体状の発泡樹脂原料を注入し、上型と下型との型締め状態で画成されるキャビティ内で、前記発泡樹脂原料を発泡・固化させてプレート部材と一体化させ、その後、成形金型を型開きして、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品を下型から取出す場合がある。
しかるに、上記の製造方法では、プレート部材を下型内に配置するに当って、プレート部材の、下型への位置決めを確実に行い得ないことから、成形金型の内部のキャビティ内で、発泡樹脂原料を発泡・固化させる際の、発泡樹脂原料の膨脹や、液体状の発泡樹脂原料がプレート部材に及ぼす浮力等に起因して、プレート部材の、下型内での配置位置にずれが生じ、これにより、樹脂発泡体が、プレート部材の所期した位置とは異なる部分に一体的に配設された状態で、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品が製造される場合があった。
そしてこのことは、樹脂発泡体が、プレート部材の周縁から食み出すような態様で、両者の一体成型品を製造する場合にとくに重大であり、この場合は、プレート部材の周縁を下型側面から距離をおいて位置させることが必要になって、プレート部材を、下型の側面によって有効に支持できないことから、発泡成形時に、下型内でのプレート部材の位置が大きくずれるおそれがあった。
発泡樹脂原料の発泡成形工程での、プレート部材のこのような位置のずれを防止するためには、成形金型の下型内に、ピン、突起もしくはボルト等の固定手段を設け、プレート部材を下型内に位置決め配置する際に、このような固定手段でプレート部材を下型に一時的に仮止め固定し、発泡成形工程の終了後に前記固定手段を外して、一体成型品を下型から取出すという方法が考えられるが、この方法では、成形金型の下型内に固定手段を予め配設することが必要になるのみならず、発泡成形工程の終了後の、一体成型品の取出しに当って、困難さを伴う場合があった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、成形金型の下型内にプレート部材を配置するに際して、プレート部材を、下型に対して十分確実に位置決め固定して、発泡樹脂原料の発泡成形工程での、プレート部材の位置のずれを防止することにより、成形金型を複雑に加工することなしに、プレート部材の所期したとおりの位置に、樹脂発泡体を適正に一体化させることができる、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品の製造方法および、その一体成型品を提供することにある。
この発明の、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品の製造方法は、上型および下型からなる成形金型の下型内に、プレート部材を配置するとともに、該プレート部材上に発泡樹脂原料を注入し、上型と下型との型締め状態で、成形金型の内部に画成されるキャビティ内で、前記発泡樹脂原料を発泡させて、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品を製造するに際し、前記プレート部材に、プレート部材本体部の端部から外方へ突出する二以上の迫出し部を設け、前記プレート部材を、成形金型の下型内に嵌め込んで、プレート部材を、下型の側面間に、該プレート部材の二以上の迫出し部のそれぞれで、直接的ないしは間接的に摩擦係合させて位置決めし、該プレート部材上に発泡樹脂原料を注入し、その後、上型と下型とを型締めして、成形金型の内部の前記キャビティ内で発泡樹脂原料を発泡させるにある。
なおここで、発泡樹脂原料およびプレート部材のそれぞれに、相互の固着性を有する材質を用いる場合は、上記の成形キャビティ内での発泡成形によって、樹脂発泡体をプレート部材に強固に一体化させることができ、この一方で、それらの部材のそれぞれに、相互の固着性を有しない材質を用いる場合は、たとえば、プレート部材を下型内に嵌め込んで位置決め配置した後に、このプレート部材上に接着剤を塗布する等の接着処理を施すことによって、樹脂発泡体をプレート部材に一体化させることができる。
ここで好ましくは、プレート部材の二以上の迫出し部の少なくとも一個を、前記プレート部材本体部に対して水平に突出させ、該迫出し部が、プレート部材本体部に比し、プレート部材本体部側へ弾性変形し易い易変形部分を有し、前記プレート部材を、成形金型の下型内に嵌め込んで、プレート部材を、下型の側面間に、該プレート部材の二以上の迫出し部のそれぞれで、前記易変形部分の弾性変形の下にて摩擦係合させて下型内に位置決めし、該プレート部材上に発泡樹脂原料を注入する。
ここでいう「易変形部分」は、たとえば、プレート部材の迫出し部に、一以上の切欠きもしくは貫通穴を形成したり、あるいは、迫出し部の延在方向の途中もしくは端部等に盛上り箇所を設けたりすることにより、プレート部材本体部に向かう向きの弾性率を小さくした部分をいうものとする。
また好ましくは、プレート部材の二以上の迫出し部の少なくとも一個が、該迫出し部の迫出し方向の途中で折れ曲がって延びる屈曲部分を有し、前記プレート部材を、成形金型の下型内に嵌め込んで、プレート部材を、下型の側面間に、該プレート部材の二以上の迫出し部のそれぞれで、前記屈曲部分の弾性変形の下にて摩擦係合させて下型内に位置決めし、該プレート部材上に発泡樹脂原料を注入する。
なお好ましくは、プレート部材の迫出し部の前記屈曲部分の、プレート部材本体部に対する折れ曲がり角度を、下型の側面の、下型底面に対する立上り角度よりも大きくし、前記プレート部材を、成形金型の下型内に嵌め込んで、プレート部材を、下型の側面間に、該プレート部材の二以上の迫出し部のそれぞれで、前記屈曲部分の弾性変形の下にて摩擦係合させて下型内に位置決めし、該プレート部材上に発泡樹脂原料を注入する。
ここでまた好ましくは、下型の成形面に倣った形状の離型フィルムを具える成形金型により、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品を製造するに当り、プレート部材を、前記成形金型の下型内に嵌め込んで、プレート部材を、下型の側面間に、該プレート部材の二以上の迫出し部のそれぞれで、間接的に摩擦係合させて下型内に位置決めした後に、該プレート部材上に発泡樹脂原料を注入し、発泡樹脂原料の、前記キャビティ内での発泡工程の終了後、成形金型の上型を型開きするとともに、離型フィルムを下型の成形面から離隔させて、離型フィルムを、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品とともに下型成形面から持ち上げて、該一体成型品を下型から取出す。
また、この発明の、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品は、プレート部材が、プレート部材本体部から外方に突出する二以上の迫出し部を有し、樹脂発泡体が、プレート部分本体部からの食み出し状態で、前記プレート部材に一体的に固定されてなるものである。
ここで好ましくは、プレート部材本体部が少なくとも一の孔を有し、樹脂発泡体の一部を、前記孔内に入り込ませる。
また好ましくは、プレート部材本体部の、樹脂発泡体との接触面が、樹脂発泡体に向けて突出する少なくとも一のリブを有し、該リブを、樹脂発泡体の内部に埋め込む。
この発明の、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品の製造方法によれば、プレート部材を下型内に嵌め込むに際して、プレート部材を、下型側面間に、プレート部材本体部の端部から外方へ突出する二以上の迫出し部のそれぞれで、直接的ないしは間接的に摩擦係合させて位置決めすることにより、たとえば、迫出し部の端面と下型側面との間の摩擦力に基き、プレート部材が下型内で突っ張ることになって、発泡樹脂材料の発泡成形工程での、プレート部材の、下型に対する位置ずれが防止されることになるので、樹脂発泡体を、プレート部材の所期したとおりの位置に、適正に一体化させることができる。
しかも、この製造方法では、従来の成形金型を、複雑に加工することなしに用いることができる。また、発泡成形工程終了後の取出しの困難さを抑制できる。
ここで、プレート部材の迫出し部の少なくとも一個を、プレート部材本体部に対して水平に突出させるとともに、その迫出し部に、プレート部材本体部に比し、プレート部材本体部側へ弾性変形し易い易変形部分を形成し、プレート部材を、下型の側面間に、プレート部材の迫出し部のそれぞれで、前記易変形部分の弾性変形の下にて摩擦係合させたときは、弾性変形下の易変形部分の復元力に基き、プレート部材の迫出し部を下型側面に十分大きな力で摩擦係合させることができるので、発泡樹脂原料を発泡させる際の、プレート部材の位置ずれを効果的に防止することができる。
またこの場合には、プレート部材の迫出し部に設けた易変形部分が、プレート部材本体部に比し弾性変形し易いことから、プレート部材の、下型側面間に対する寸法の精度のいかんによらず、プレート部材の、下型内への嵌込み配置を容易かつ確実なものとして、プレート部材の、下型内に対する位置ずれを効果的に防止することができる。
そしてまた、プレート部材の迫出し部の少なくとも一個が、迫出し部の迫出し方向の途中で折れ曲がって延びる屈曲部分を有するものとし、プレート部材を、下型側面間に、プレート部材の迫出し部のそれぞれで、前記屈曲部分の弾性変形の下にて摩擦係合させたときは、迫出し部の屈曲部分が、その屈曲部分の外表面で下型側面に面接触して摩擦係合することになるので、発泡成形時の、プレート部材の位置ずれを防止する効果をより高めることができる。
ここにおいて、迫出し部の前記屈曲部分の、プレート部材本体部に対する折れ曲がり角度を、下型側面の、底面に対する立上り角度よりも大きくしたときは、プレート部材を下型内に嵌め込むに際して、弾性変形した前記屈曲部分の復元力に基き、その屈曲部分が、下型側面により強く押し付けられることになるため、プレート部材の、下型側面間への位置決め配置が一層確実なものとなる。
またここで、たとえば真空成形法により、下型の成形面に倣った形状に成形された離型フィルムを具える成形金型を用いて、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品を製造する場合には、発泡成形工程が終了した後に、たとえば、離型フィルムの下面側への加圧空気等の吹き込みに基く、その一体成型品のエジェクト作用等により、離型フィルムを下型の成形面から離隔させることで、一体成型品の、下型からの取出しが極めて容易なものとなって、一体成型品の生産性を向上させることができる。
この一方で、離型フィルムを具える成形金型では、下型の成形面に倣った形状の離型フィルムの存在の故に、金型側に、先に述べたような、プレート部材を一時的に固定する、ボルト等の固定手段を設けることはより一層難しくなるが、ここでは、プレート部材を、金型の側面に、プレート部材の迫出し部のそれぞれで間接的に摩擦係合させて、プレート部材を下型内に位置決め固定することによって、発泡成形時の、プレート部材の位置ずれを防止できるので、一体成型品の生産性を高めてなお、プレート部材の所期したとおりの位置に、樹脂発泡体を適正に一体化させることができる。
また、この発明の、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品によれば、プレート部材が、プレート部材本体部から外方に突出する二以上の迫出し部を有することにより、上述のとおり、樹脂発泡体の、プレート部材への配設位置精度が高まって、材料歩止りを大きく向上することができる。
ここで、樹脂発泡体の一部を、プレート部材本体部に設けた孔内に入り込ませたときは、上述したような、接着剤等による、部材相互の固着に加え、プレート部材本体部の孔内に入り込んだ、発泡樹脂原料の一部が発泡成形時に膨脹して、固化した樹脂発泡体のその部分が、前記孔の周縁と摩擦係合することになるので、樹脂発泡体とプレート部材との一体化がより強固なものとなる。
またここで、プレート部材本体部の、樹脂発泡体との接触面に設けたリブを、樹脂発泡体の内部に埋め込んだときは、プレート部材本体部のリブと、樹脂発泡体との摩擦係合により、樹脂発泡体を、プレート部材により一層強固に固定することができる。
この発明の製造方法の実施の形態の、それぞれの工程を示す断面図である。 図1に示す製造方法に用いるプレート部材の斜視図である。 プレート部材の迫出し部を例示する要部斜視図である。 他の製造方法の実施の形態に用いるプレート部材の斜視図である。 プレート部材の側壁の立上り角度および、下型側面の立上り角度のそれぞれを示す断面図である。 他の製造方法の実施の形態を示す、各製造工程の断面図である。 この発明の物の実施の形態を示す断面図である。
以下に図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。
図中10は、この発明の、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品の製造に用いる成形金型を示し、20は、成形金型10の内部に配置されるプレート部材を、30は、成形金型10の成形キャビティ内で発泡成形されて、プレート部材20と一体化された樹脂発泡体を、そして、40は、プレート部材20と樹脂発泡体30との一体成型品をそれぞれ示す。
成形金型10は、図に示すところでは、内側に側面11aを有し、断面が略U字状の成形面を形成する下型11と、型締め状態で下型11に嵌まり込む上型12とからなり、上型12と下型11との型締め状態の下では、それらの間に成形キャビティ13が画成される。このキャビティ13内で、発泡樹脂原料を発泡させるとともに成形して固化させてなる樹脂発泡体30がプレート部材20に一体化される。
ここで、プレート部材20は、プレート部材本体部21の端部から外方へ突出する二以上の迫出し部22を設けてなり、ここでは、図2に斜視図で例示するように、多角形の平板状のプレート部材に、三個の迫出し部22を設けたものとする。
なお、この迫出し部22は、発泡成形時の、プレート部材20の位置ずれを防止するためには、プレート部材本体部21の端部から二個以上設けることが必要であるが、プレート部材20の、図1の奥行き方向への変位をも抑制して、より確実に位置ずれを防止するためには、三個以上設けることが好ましい。また、プレート部材本体部21の形状は、たとえば三角形等の多角形、円形その他の形状とすることができる。
またここで、プレート部材20は、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、ABS樹脂その他の合成樹脂材料から形成することができるが、生産コストの観点からポリプロピレン製とすることが好ましい。
一方、樹脂発泡体30は、たとえば、ポリヒドリキシ化合物とポリイソシアネート化合物とを主成分とする硬質ポリウレタンフォームからなるものとすることができ、これにさらに、触媒、発泡剤、整泡材、難燃剤等の助剤を含むものとすることもできる。
成形金型10により、樹脂発泡体30とプレート部材20との一体成型品40を製造するに当っては、はじめに、図1(a)に示すように、上型12を型開きした状態で、下型11内に、プレート部材20を、プレート部材本体部21が下型11の底面11bを向く姿勢で嵌め込む。
このとき、図1(b)に示すように、プレート部材20を、下型11の側面間に、ここでは三個の迫出し部22のそれぞれの作用の下で、たとえば直接的に摩擦係合させて、プレート部材20を下型11内に位置決め配置する。なお、図に示すところでは、プレート部材20を下型11に位置決め配置した状態で、プレート部材本体部21が下型11の底面11bに、対向して向き合うものとする。
次いで、図1(c)に示すように、プレート部材20上へ、所定量の液体状の発泡樹脂原料を注入した後、(d)に示すように、下型11に対して上型12を型締めして、キャビティ13内で発泡樹脂原料を発泡・膨脹させて、成形・固化させる。
この場合ここでは、プレート部材20の迫出し部22の、下型側面11a間への摩擦係合により、発泡樹脂原料の発泡・膨脹等に起因する、プレート部材20の、下型11に対する位置ずれが防止されることになる。
このようにして樹脂発泡体30がプレート部材20の所定位置に一体化された後は、図示は省略するが、上型12を型開きして、樹脂発泡体30とプレート部材20との一体成型品40を下型11から取出す。
ここにおいて、プレート部材20の迫出し部22の少なくとも一個を、プレート部材本体部21に対して水平に突出するとともに、その迫出し部22が、プレート部材本体部21に比し、プレート部材本体部側へ変形し易い易変形部分23を有するものとすることができ、これによれば、プレート部材20の寸法の誤差によらず、プレート部材20を下型側面11a間に容易に摩擦係合させることができる。
迫出し部22の一部をなすこの易変形部分23としては、たとえば、図3(a)に示すように、迫出し部22の側部から内側に延びる切欠き23aを設けたもの、図3(b)に示すように、迫出し部22の両側部から一対の切欠き23aを設けるとともに、迫出し方向の先端に貫通穴23bを形成したもの、あるいは、図3(c)に示すように、図では迫出し方向の先端に、盛上り箇所23cを設けたもの等とすることができる。
またここでは、上述したような易変形部分23を設けることに代えて、もしくは加えて、図4に示すように、プレート部材20の迫出し部22の少なくとも一個が、その迫出し部22の途中で折れ曲がって延びる屈曲部分24を有するものとすることが好ましい。
この場合には、プレート部材20を下型11内に配置するに当って、プレート部材20の迫出し部22の屈曲部分24が、下型側面11aに、その屈曲部分24の弾性変形下で面接触して摩擦係合することになって、プレート部材20の位置ずれを防止する効果が高まることになる。
そしてまた、このように迫出し部22に屈曲部分24を設ける場合において、その屈曲部分24と下型11内との間の摩擦係合力をより一層増大させるためには、図5に示すように、その屈曲部分24の、プレート部材本体部21に対する折れ曲がり角度αを、下型側面11aの、下型底面11bに対する立上り角度βよりも大きくすることができる。
なお、このような易変形部分23および屈曲部分24は、いずれか一方を選択して、プレート部材20の二以上の迫出し部22の少なくとも一個に設けることができる他、図示は省略するが、プレート部材20の二以上の迫出し部22のうち、少なくとも一個に易変形部分23を設けるとともに、それ以外の少なくとも一個に屈曲部分24を設ける等の様々な組合せが可能である。
またここで、このように、迫出し部22の易変形部分23、屈曲部分24を設ける場合や、屈曲部分24の折れ曲がり角度αを変更する場合は、発泡成形工程で、成形金型10への十分な摩擦係合力を発揮させて、プレート部材20の位置ずれを有効に防止してなお、発泡成形後に、成形金型10から無理なく取出すことができるような、形状ないしは大きさに容易に調整できる点で有利である。
ところで、樹脂発泡体30とプレート部材20との一体成型品40の生産性、なかでも一体成型品40の取出性を高めるためには、成形金型10を、たとえば図6に示すように、下型11の成形面に倣った形状の離型フィルム14を具えるものとすることが好ましい。
なおここで、離型フィルム14は、真空成形法、圧空成形法もしくはプレス成形法等を用いることにより、下型11の成形面に倣った形状に成形することができる。離型フィルム14を真空成形する場合は、発泡樹脂原料とプレート部材20との一体発泡成形を行う成形金型10を用いるか、あるいは、図示しない別個の成形金型を用いることができる。なお、生産性の観点からは、一体発泡成形を行う成形金型10とは別個の成型金型を用いて、離型フィルム14の真空成形を行うことが好ましい。
また、離型フィルム14の材質としては、シリコン系樹脂材料、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂材料、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂材料、あるいはその他の合成樹脂材料とすることができる。
離型フィルム14を具えるこの成形金型10では、具体的には、下型11の下方に空気室15を設け、下型11の底部に、空気室15と下型11の内側とを連通させる連通孔16を形成する。そしてまた、空気室15と、成形金型10の外部に設けた加圧・減圧装置18とを、圧力調整バルブ17を具えた流路で連結する。
図6に示す成形金型10により、樹脂発泡体30とプレート部材20との一体成型品40を製造する場合は、図示しないエアシール部材等によって、下型周縁に周囲を密封固定した離型フィルム14を具える成形金型10において、図6(a)に示すように、加圧・減圧装置18を用いて、空気室15ならびに、連通孔16でこの空気室15と連通させた、下型11の成形面と離型フィルム14との間の空間を減圧することで、下型11の成形面に倣った形状に予め成形した離型フィルム14を、下型11の成形面に貼り付ける。
そして、プレート部材20を、下型11内に嵌め込んで、図6(b)に示すように、プレート部材20の迫出し部22を、下型11のそれぞれの側面11a間に、離型フィルム14を介して間接的に摩擦係合させて、プレート部材20を下型11内に位置決めした後に、プレート部材20上に発泡樹脂原料を注入し、成形金型10の型締めの下で、発泡樹脂原料を発泡させる。
発泡樹脂原料が発泡し、成形されて固化した後、上型12を型開きし、次いで、図6(c)に例示するように、加圧・減圧装置18を用いて、空気室15を加圧することにより、離型フィルム14を下型11の成形面から離隔させて、その離型フィルム14を一体成型品40とともに押上げて、一体成型品40を下型11から取出す。
ここにおいて、離型フィルム14の背面側を加圧することに代えて、たとえば離型フィルム14の周縁を下型11の外側方向に引っ張ることにより、離型フィルム14を一体成型品40とともに持ち上げて、一体成型品40を下型11から取出すこともできる。
離型フィルム14を具えるこのような成形金型10では、発泡樹脂原料を発泡、成形および固化させた後、離型フィルム14を、エアブロー等によって、一体成型品40とともに押し上げることで、一体成型品40を下型11から容易にかつ、適正に抜き出すことができるので、一体成型品40の生産性が有効に高まることになる。
また、このような離型フィルム14を用いる製造方法によれば、発泡成形工程の後、一体成型品40を成形金型10から取出す際に、樹脂発泡体30の、プレート部材20からの剥離の発生が抑制されることから、極めて顕著な効果を有する。
以上のような製造工程を経て製造された一体成型品40において、樹脂発泡体30の、プレート部材20への固定を、より一層確実なものとするために、プレート部材20に、図7(a)に示すような、ここではプレート部材本体部21を貫通するものとした孔25を設けることができる他、図7(b)に示すように、プレート部材本体部21の、樹脂発泡体30との接触面に、樹脂発泡体30に向けて突出する、図では二条のリブ26を形成することもできる。なお、図示は省略するが、このリブ26の先端部は、それ以外の部分に比して大きく形成することが、樹脂発泡体30を強固に固定する観点から好ましい。
10 成形金型
11 下型
11a 対向側面
11b 底面
12 上型
13 成形キャビティ
14 離型フィルム
15 空気室
16 連通孔
17 圧力調整バルブ
18 加圧・減圧装置
20 プレート部材
21 プレート部材本体部
22 迫出し部
23 易変形部分
23a 切欠き
23b 貫通穴
23c 盛上り箇所
24 屈曲部分
25 孔
26 リブ
30 樹脂発泡体
40 一体成型品
α プレート部材側壁の立上り角度
β 下型側面の立上り角度

Claims (8)

  1. 上型および下型からなる成形金型の下型内に、プレート部材を配置するとともに、該プレート部材上に発泡樹脂原料を注入し、上型と下型との型締め状態で、成形金型の内部に画成されるキャビティ内で、前記発泡樹脂原料を発泡させて、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品を製造するに際し、
    前記プレート部材に、プレート部材本体部の端部から外方へ突出する二以上の迫出し部を設け、
    前記プレート部材を、成形金型の下型内に嵌め込んで、プレート部材を、下型の側面間に、該プレート部材の二以上の迫出し部のそれぞれで、直接的ないしは間接的に摩擦係合させて位置決めし、該プレート部材上に発泡樹脂原料を注入し、その後、上型と下型とを型締めして、成形金型の内部の前記キャビティ内で発泡樹脂原料を発泡させる、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品の製造方法。
  2. プレート部材の二以上の迫出し部の少なくとも一個を、前記プレート部材本体部に対して水平に突出させ、該迫出し部が、プレート部材本体部に比し、プレート部材本体部側へ弾性変形し易い易変形部分を有し、
    前記プレート部材を、成形金型の下型内に嵌め込んで、プレート部材を、下型の側面間に、該プレート部材の二以上の迫出し部のそれぞれで、前記易変形部分の弾性変形の下にて摩擦係合させて下型内に位置決めし、該プレート部材上に発泡樹脂原料を注入する、請求項1に記載の、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品の製造方法。
  3. プレート部材の二以上の迫出し部の少なくとも一個が、該迫出し部の迫出し方向の途中で折れ曲がって延びる屈曲部分を有し、
    前記プレート部材を、成形金型の下型内に嵌め込んで、プレート部材を、下型の側面間に、該プレート部材の二以上の迫出し部のそれぞれで、前記屈曲部分の弾性変形の下にて摩擦係合させて下型内に位置決めし、該プレート部材上に発泡樹脂原料を注入する、請求項1または2に記載の、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品の製造方法。
  4. プレート部材の迫出し部の前記屈曲部分の、プレート部材本体部に対する折れ曲がり角度を、下型の側面の、下型底面に対する立上り角度よりも大きくし、
    前記プレート部材を、成形金型の下型内に嵌め込んで、プレート部材を、下型の側面間に、該プレート部材の二以上の迫出し部のそれぞれで、前記屈曲部分の弾性変形の下にて摩擦係合させて下型内に位置決めし、該プレート部材上に発泡樹脂原料を注入する、請求項3に記載の、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品の製造方法。
  5. 下型の成形面に倣った形状の離型フィルムを具える成形金型により、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品を製造するに当り、
    プレート部材を、前記成形金型の下型内に嵌め込んで、プレート部材を、下型の側面間に、該プレート部材の二以上の迫出し部のそれぞれで、間接的に摩擦係合させて下型内に位置決めした後に、該プレート部材上に発泡樹脂原料を注入し、
    発泡樹脂原料の、前記キャビティ内での発泡工程の終了後、成形金型の上型を型開きするとともに、離型フィルムを下型の成形面から離隔させて、離型フィルムを、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品とともに下型成形面から持ち上げて、該一体成型品を下型から取出す、請求項1〜4のいずれかに記載の、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品の製造方法。
  6. プレート部材が、プレート部材本体部から外方に突出する二以上の迫出し部を有し、
    樹脂発泡体が、プレート部分本体部からの食み出し状態で、前記プレート部材に一体的に固定されてなる、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品。
  7. プレート部材本体部が少なくとも一の孔を有し、樹脂発泡体の一部を、前記孔内に入り込ませてなる、請求項6に記載の、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品。
  8. プレート部材本体部の、樹脂発泡体との接触面が、樹脂発泡体に向けて突出する少なくとも一のリブを有し、該リブを、樹脂発泡体の内部に埋め込んでなる、請求項6または7に記載の、樹脂発泡体とプレート部材との一体成型品。
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