JP2011156467A - 有害物質洗浄装置及び有害物質洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有害物質が付着している筒状の容器10内を洗浄するための洗浄本体部1を備えている。洗浄本体部1は、有害物質を吸収させる吸収材7を収容するタンク2と、タンク2に収容される吸収材7の上方に設けられ、容器10を下に開口した状態で配置させると共に、流体を上から下へ通過させ得る配置部3と、配置部3に配置された容器10内に挿入させ当該容器10の内周面に過熱水蒸気を吹き付ける噴出手段4とを有している。
【選択図】 図2
Description
このように、PCBが残留しているトランスの容器については、解体作業やリサイクル作業を行うのが困難であるので、数十年以上にわたって廃棄されることなく、厳重に管理された状態で保管する必要があった。
さらに、過熱水蒸気を容器の内周面に吹き付けるため、洗浄後、容器の内周面は迅速に乾いた状態となり、また、前記吸収材に吸収される水分量を少なくすることができる。このため、吸収材に多量の有害物質を吸収させることができる。
また、有害物質を吸収材に吸収させ、この吸収材を、タンクから取り出し、例えば有害物質の濃度を低下させる別の処理装置に投入することで、有害物質を簡単に処理する(例えば濃度の低下を行う)ことができる。
通電したフラーレンの発熱によって水蒸気を加熱して過熱水蒸気を生成し、その加熱水蒸気を容器の内周面に吹き付けると、容器内に付着している有機系の有害物質をより効果的に加熱して分解することができる。すなわち、本願発明者は、鋭意研究の結果、通電したフラーレンの発熱によって加熱して生成した過熱水蒸気を、有機系の有害物質に与えると、当該有害物質をより効果的に分解処理することができるとの知見を得、かかる知見に基づいて本構成を完成したものである。
この場合、容器に対して噴出手段のヘッド部が上下方向の中心線回りに回転する構成となり、ヘッド部が回転することで、より少ない過熱水蒸気量で容器の内周面を全周にわたって効果的に洗浄することができる。
この場合、配管部が上下方向に伸縮することで、噴出口が形成されているヘッド部が上下に移動可能となり、配管部の全高を高くすることなく、容器の内周面に対して、上下方向の広い範囲で過熱水蒸気を吹き付けることができる。
本発明によれば、容器内に付着している有害物質を洗い落とすことができる。そして、洗い落とされた有害物質は、その下に設けられている吸収材に吸収される。このように、容器内に有害物質が残留していても、当該有害物質を容器内から取り除くことができる。
さらに、過熱水蒸気を容器の内周面に吹き付けるため、洗浄後、容器の内周面は迅速に乾いた状態となり、また、前記吸収材に吸収される水分量を少なくすることができる。このため、吸収材に多量の有害物質を吸収させることができる。
また、有害物質を吸収材に吸収させ、この吸収材を例えば有害物質の濃度を低下させる処理装置に投入することで、有害物質を簡単に処理することができる。
図1は、本発明の有害物質洗浄装置の実施の一形態を示す縦断面図である。図2は、図1のA矢視における断面図である。本発明の有害物質洗浄装置は、有機性の有害物質が付着している筒状の容器10内を洗浄するための洗浄本体部1と、加熱装置36(図2参照)とを備えている。
なお、本実施形態では、洗浄本体部1が、密閉型の箱形荷室31を有する被牽引車両32の当該箱形荷室31内に設けられている場合として説明する。つまり、荷室31が、容器10を洗浄する処理室となる。この被牽引車両32は、荷室31の左右両側に扉33が設けられており、各扉33を上下に回動させることで室内を開閉するウイング車である。
また、本実施形態では、容器10は、筒部及び底部を有する有底の筒状構造であり、底部が上に向けられた状態、つまり下に開口させた状態で、荷室31内に配置される。
前記タンク2は、荷室31の下側部分からなり、荷室31の底部から所定の高さhまで、吸収材7を蓄積させる。吸収材7は、液体を吸収可能なおが屑又は木片であり、この吸収材7に、PCBを吸収させることができる。PCBを吸収した吸収材7は、扉33(図2参照)を開けることにより、外部へ排出することができ、さらに、新しい吸収材7を投入することができる。
このために、洗浄本体部1は、加熱装置36と接続する接続部37を有している。加熱装置36は、水を溜めるタンク38、ボイラ36a、及び、過熱水蒸気生成部36bを有し、タンク38の水から過熱水蒸気を生成する。また、加熱装置36はポンプ39を有し、生成した過熱水蒸気は、ポンプ39によって接続部37へ供給される。
そして、接続部37に供給された過熱水蒸気は、噴出手段4へ送られ、さらに、噴出手段4から噴出され、この過熱水蒸気によって容器10の内周面が洗浄される。
過熱水蒸気生成部36bが有するヒータは、セラミックスからなる板状の支持体の表面にフラーレン層が形成された積層体を、所定の隙間を設けて複数列並べた構成である。
フラーレンを構成するフラーレンとしては、C60フラーレン、C70フラーレンなどである。フラーレン層は、例えば、バインダーによって固められた状態で支持体に焼き付けすることにより接合されている。
このヒータは、フラーレン層を支持する支持体が耐熱性に優れるセラミックにより構成されているので、熱に対して優れた耐久性を有する。ただし、支持体としては、セラミック製のものに代えて、耐食性などに優れたステンレス鋼(例えば、SUS304)製のものを用いることもできる。
過熱水蒸気生成部36bが有するヒータのフラーレン層は、通電することにより発熱する。過熱水蒸気生成部36bの内部に導入された水蒸気は、このフラーレン層を通過することによって、例えば、350〜1200℃に加熱されて、無酸素状態の過熱水蒸気を生成する。そして、この過熱水蒸気が、配管を通じて、前記噴出手段4へと導入される。
このための構成を備えた噴出手段4について説明する。
噴出手段4は、荷室(処理室)31内に複数配置されている。図2において、噴出手段4は、過熱水蒸気を噴出するヘッド部21と、このヘッド部21へ過熱水蒸気を供給するための上下方向に長い配管部22と、ヘッド部21を配管部22の上部に取り付けている回転取り付け部23とを有している。
図3は、洗浄処理前(洗浄処理後)の状態にある噴出手段4及びその周囲を示している説明図であり、図4は、洗浄処理中の状態にある説明図である。
図4において、ヘッド部21は、容器10の内周面に対して過熱水蒸気を噴出する噴出口24を有している。噴出口24は斜め上方に向かって加熱水蒸気を噴出する方向に開口している。
そして、回転取り付け部23は、ヘッド部21を、上下方向の中心線回りに回転可能で、かつ、軸方向に移動不能として配管部22に取り付けている。これにより、ヘッド部21の噴出口24が上下方向の中心線回りに回転可能となる。
外管26は、上部以外が吸収材7に埋設された状態にあり、内管25の上端部にヘッド部21が取り付けられている。本実施形態では、外管26は荷室(処理室)31内に固定された状態にあり、この外管26に対して内管25が上下移動可能な構成である。
そして、図4の配管部22が伸張している状態から、第二ポート42に作動流体を供給し、第一ポート41から作動流体を排出することで、流体シリンダー15は短縮し、内筒25は降下する(図3参照)。図3に示している降下状態では、ヘッド部21が配置部3の上面よりも低い位置に存在する。
制御装置には所定のプログラムに設定されており、制御装置は、流体圧ユニットを制御して、ヘッド部21に所定の上下動作を実行させる。
さらに、本実施形態では、過熱水蒸気を用いているため、容器10の内周面に過熱水蒸気を吹き付けて洗浄した後、迅速に容器10の内周面は乾いた状態となる。
そして、ヘッド部21を上下方向に移動させながら、回転する噴出口24から過熱水蒸気を噴出させた場合には、噴出口24は、螺旋状の軌道に沿って移動することも可能となり、この噴出口24から過熱水蒸気が噴出され、容器10の内周面を広い範囲で洗浄することができる。
ドレン部6は、荷室(処理室)31の床に形成され、荷室31の内外を貫通する孔28、及び、開閉バルブ29を有している。容器10内を洗浄して配置部3及び吸収材7を下に通り抜けた液体を、タンク10の底部において回収してドレン部6から外部へ排出することが可能となる。
密閉容器17内には、回転する羽付き撹拌部材18が設けられており、PCBが吸収された吸収材7を撹拌しながらPCBを分解処理することができる。
なお、この処理装置11で用いられる過熱水蒸気も、フラーレンに通電することによって発熱するヒータにより、水又は飽和水蒸気が過熱されて生成されたものである。つまり、過熱水蒸気生成部13が有するヒータは、セラミックスからなる板状の支持体の表面にフラーレン層が形成された積層体を、所定の隙間を設けて複数列並べた構成である。
また、本実施形態では、図1に示しているように、洗浄本体部1が、荷室31を有する被牽引車両32の当該荷室31に設けられていることから、PCBが付着している容器(トランス)10が保管されている場所に、洗浄本体部1を運ぶことが容易となり、容器(トランス)10の解体作業を促進させることが可能となる。
そして、洗い落とされたPCBを吸収材7に吸収させ、この吸収材7を例えば図5の処理装置11に投入することで、PCBを簡単に処理する(PCBの濃度を低下させる)ことができる。
洗浄本体部1を備えている有害物質洗浄装置は、処理装置11(図5参照)を、更に備えていてもよい。そして、洗浄本体部1、加熱装置36及び処理装置11を集約して設置してもよい。
2 タンク
3 配置部
4 噴出手段
5 開口部
6 ドレン部
7:吸収材
10:容器
21:ヘッド部
22:配管部
23:回転取り付け部
24:噴出口
25:内管
26:外管
31:箱形荷室
32:被牽引車両
Claims (8)
- 有機系の有害物質が付着している容器内を洗浄する有害物質洗浄装置であって、
前記有害物質を吸収させる吸収材を収容するタンクと、
前記タンクに収容される前記吸収材の上方に設けられ、前記容器を下に開口した状態で配置させると共に、流体を上から下へ通過させ得る配置部と、
前記配置部に配置された前記容器内に挿入させ当該容器の内周面に過熱水蒸気を吹き付ける噴出手段と、
を有していることを特徴とする有害物質洗浄装置。 - 前記過熱水蒸気は、通電したフラーレンの発熱によって加熱されて生成されたものである請求項1に記載の有害物質洗浄装置。
- 前記噴出手段と前記容器とを上下方向の中心線回りに相対回転させる回転手段を備えている請求項1又は2に記載の有害物質洗浄装置。
- 前記噴出手段は、前記容器の内周面に対して前記過熱水蒸気を噴出する噴出口が形成されているヘッド部と、前記ヘッド部へ前記過熱水蒸気を供給するための配管部と、上下方向の中心線回りに回転可能に前記ヘッド部を前記配管部に取り付けている回転取り付け部と、を有している請求項1〜3のいずれか一項に記載の有害物質洗浄装置。
- 前記配管部は、上下方向に伸縮可能となるように上下方向に相対移動可能に設けられた径方向内側の内管及び径方向外側の外管を有する二重管構造を有している請求項4に記載の有害物質洗浄装置。
- 前記ヘッド部には、単一の噴出口が形成されている請求項4又は5に記載の有害物質洗浄装置。
- 前記吸収材は、流体を吸収可能な木片又はおが屑である請求項1〜6のいずれか一項に記載の有害物質洗浄装置。
- 有害物質が付着している筒状の容器内を洗浄する有害物質洗浄方法であって、
前記容器を下に開口させた状態として配置し、
前記容器の内周面に過熱水蒸気を吹き付け、当該容器から流れ落ちた前記有害物質を当該容器の下に設けられている吸収材に吸収させることを特徴とする有害物質洗浄方法。
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