JP2004209314A - 過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法および処理装置 - Google Patents

過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法および処理装置 Download PDF

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雅文 黒田
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徹 丹羽
Yukinori Echigo
幸憲 越後
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Abstract

【課題】高温の過熱水蒸気により廃棄物などを再資源化・エネルギー化・無害化する方法を提供する。
【解決手段】300℃以上の略常圧の過熱水蒸気を大気雰囲気から遮蔽された容器内で、廃棄物に接触させ、過熱水蒸気の熱エネルギー、反応活性および過熱水蒸気の冷却による凝縮作用を利用し、有機性廃棄物を熱分解ガス化し、水性ガス化して、発電などに利用可能なガスに再資源化し、土壌や焼却飛灰などからダイオキシン類などを揮発、脱ハロゲン化、分解により無害化し、重金属含有廃棄物を重金属類の揮散により無害化し、重金属を濃化回収し再資源化し、熱分解ガス、気化タール、揮散ダイオキシン類と廃水蒸気とからなる混合気体のみを800℃〜1200℃に過熱し、ダイオキシンを分解し、水性ガス化し、残留炭化物をガス化し、処理に用いた過熱水蒸気を凝縮して循環使用する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は過熱水蒸気を用いた廃棄物などの処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
先ず、有機性廃棄物のガス化技術の現状では、これまで例えば木質系バイオマスなどの有機性廃棄物をガス化し、得られたガスを発電用燃料などに利用することを目的に、種々のガス化方法が提案されている。すなわち、有機性廃棄物を熱分解すると、炭化水素主体のガスやタールや炭化物すなわちチャーが生成される。
【0003】
ところで、単純なガス化方法としては、外熱により無酸素雰囲気で加熱して熱分解する、いわゆる蒸し焼きにする方法がある。しかし、これはガス生成とともに炭化物やタールも多く残留し、ガス変換率が低い。さらに、加熱に必要な熱量を全て外部から供給する必要がある。
【0004】
一方、酸化ガスとして空気や酸素を導入して有機物を一部分自己燃焼させ、その燃焼熱で熱分解させる部分燃焼(部分酸化)法が提案されている。しかし、この方法では、部分燃焼により有機物が消費され、生成できるガス量が減少する問題がある。特に、有機性廃棄物中の水分量が増加すると、多くの燃焼が必要になるという問題がある。
【0005】
さらに、有機性廃棄物を熱分解によりガス化すると、タールやチャーが残留する。タールの発生は、熱分解ガスが冷却されると、液化し配管などに付着するなど、いわゆるタールトラブルとしてガス利用を困難にしている。タールをガス化するために1200℃以上の高温で熱分解させる方法があるが、部分燃焼量を増したり、酸素を吹き込むなどが必要になるとともに、ガスの顕熱が高くなり、余分な熱エネルギーが必要になるという問題がある。そこで、できるだけ低温でタールを分解・ガス化する技術が望まれている。
【0006】
ガス化できないタールやチャーは不用物として処分するか、燃焼してその熱を利用しているが、利用の効率が低いのが現状である。そこで、チャーも利用価値の高いガスに効率的に変換する技術が望まれている。
【0007】
さらに、炭化水素主体の熱分解ガスを水性ガスに改質して利用することが求められている。すなわち、熱分解ガスを発電燃料やメタノール合成用のガスとするために、H2/CO比を調整するため、一般的には水蒸気改質が行われている。水蒸気による、熱分解ガスの水性ガス化(ガス改質)の方法として、熱分解で得られたガスから、タールやチャーを分離し、改質炉内で水蒸気と反応される方法がある。
【0008】
この場合、水蒸気は水性ガス化反応物質として飽和水蒸気が導入され、1000℃以上の反応温度を維持するために、処理炉を外熱で加熱する必要がある。そこで、熱分解ガス化炉内に水蒸気を吹き込む方法も提案されているが、いずれにしても、水性ガス化反応で水素を多く生成させるためには、水蒸気量を増す必要があるが、水蒸気吹き込みによる温度低下と、反応ガス中の水蒸気量の増加による水性ガスのエネルギーの低下という問題がある。そこで、水性ガス化の吸熱反応熱を水蒸気の保有する顕熱でまかなうことと、効率的に加熱する方法が望まれる。
【0009】
以下に、有機性廃棄物に対する水蒸気利用及びガス化に関する引用文献について説明する。
有機性廃棄物などの熱分解による炭化処理などの減容化において、加熱時のダイオキシンの発生の問題から水蒸気を用いることが提案されている。例えば、過熱水蒸気を用いた有機物の再資源化方法と装置に関して開示されているように、過熱水蒸気中で有機物を加熱して、乾留ガス及び炭化物を生成し、乾留ガスは水蒸気発生装置の熱源や酢液原料として利用し、炭化物は炭素材料として利用したり、ガス化炉で水素と一酸化炭素ガスを生成し、ロータリーエンジンを駆動し、発電に利用することが開示されている(特許文献1参照)。
【0010】
この開示の例では、過熱水蒸気は、非酸化性雰囲気化して熱源として有機物の熱分解炭化に利用されているに過ぎず、ガス化炉での水性ガス化への過熱水蒸気の利用は示されていない。
【0011】
過熱水蒸気の製造は、先ず、従来の蒸気ボイラで発生させた水蒸気を300℃以上に加熱して過熱水蒸気を得る。加熱する方法は、貫通孔を有する金属などからなる誘導加熱可能な蓄熱体を用いて誘導加熱し、蓄熱体の貫通孔に水蒸気を気流させることで、水蒸気を加熱する(特許文献2参照)。
【0012】
また、過熱水蒸気により有機性廃棄物の炭化方法と装置が開示されているが、過熱水蒸気の水性ガス化反応より、炭化物の分解を促進し、より効率よく有機性廃棄物を炭化することが示されている(特許文献3参照)。しかし、過熱水蒸気を水性ガス製造に利用することは示されていない。その他、過熱水蒸気雰囲気を用いた炭化方法が開示されている(特許文献4参照)が、有機性廃棄物の乾留炭化のための均質な熱源としての水蒸気の利用に過ぎない。
【0013】
さらに、水蒸気改質方法及び装置が開示されているが、外熱式の熱分解炉もしくは熱分解ガスを引き入れた改質炉内に高温水蒸気を吹き込み、熱分解したガスと800℃以上の高温の過熱水蒸気とを反応させる方法である(特許文献5参照)。水蒸気は高温に加熱されており、水性ガス化反応熱を補う効果は有しているが、水蒸気は水性ガス化反応の物質として扱われており、過熱水蒸気の反応性に着目したものではない。また、熱分解促進やタール分解へ水蒸気の持つ特性は利用していない。
【0014】
本発明者らは、水蒸気による有機物の炭化において、飽和水蒸気に比べ、過熱水蒸気化で処理する方が、炭化が低い温度でより多く進行することを見いだし、この過熱水蒸気の特性を利用した有機物の新しい炭化方法を提案している(特許文献6参照)。
【0015】
次いで、過熱水蒸気によるダイオキシン類などを含有する土壌・灰無害化処理について、従来の技術を説明する。
【0016】
先ず、ダイオキシン類やPCBなど有機ハロゲン化合物を含む土壌や灰の無害化技術の現状について述べる。土壌や灰や廃棄物中の有機ハロゲン化合物は、直接もしくは揮発抽出・洗浄抽出して分解・無害化されるが、分解する方法として、過熱脱塩化処理、化学処理、触媒脱塩素化、生物分解、超臨界処理など様々な方法が提案されている。
【0017】
廃棄物の焼却で問題になるダイオキシン類の発生を抑制するためには、800℃以上で燃焼し、200℃以下に急冷する方法が取られている。このようにダイオキシン類などは高温で加熱すれば分解は進むが、ガスが冷却されて400〜180℃の温度の範囲で再合成されることも判明している。
【0018】
低温でのダイオキシンの分解と再合成防止の方法として、金属触媒とともに300〜500℃に酸素欠乏状態で加熱することによりダイオキシン類を分解する方法が提案されているが、急冷しないと、再合成するなどの問題がある。
【0019】
このような熱分解によりダイオキシン類を無害化する方法において、被処理物中からダイオキシン類は残留せず、無害化できているが、処理で発生する排ガス、集塵灰や水分の凝縮水などの排出物中に再合成や未分解によるダイオキシン類などが含まれており、排ガスを二次燃焼させたり、灰や廃水を溶融や高温焼却するなど二次処理が必要になるなどの問題がある。
【0020】
一方、ダイオキシンの低温の分解と再合成を抑制する方法として、上記したように本発明者らは300℃以上の略常圧の過熱水蒸気でダイオキシン類を含む土壌や焼却灰などの被処理物を直接加熱し、水蒸気中で冷却することによりダイオキシン類が分解し、再合成しないことを既に見いだしている(特許文献7参照)。すなわち、過熱水蒸気により有機ハロゲン化合物が揮散、酸化分解され、排ガスが冷却排気されるまで、水蒸気雰囲気中に保たれており、ダイオキシン類の再合成を防止する効果もある。
【0021】
しかし、この方法によって被処理物は無害化できるが、排出される廃水蒸気や集塵灰などに微量のダイオキシン類が残留するなどの問題を残している。
【0022】
さらに、水銀、砒素、亜鉛など重金属を含む、土壌や灰あるいは廃棄物の無害化技術の現状について述べる。土壌や灰中の重金属類は加熱処理や化学処理などにより抽出し無害化することもできるが、より簡便な方法として、土壌や灰を有害物質が環境基準以下にしか溶出しないように固定化する方法が取られている。すなわち溶融固化し封じ込めたり、焼成処理で安定な酸化物にしたり、化合物にして溶出しないようにしている。
【0023】
しかし、このような方法を用いた廃棄物処理は特に土壌処理や焼却灰を再資源化する場合において、重金属を含む化合物を環境中に拡散させることになる。また資源としての重金属の再資源化がなされないという問題がある。
【0024】
【特許文献1】
特開2002−80854号公報
【特許文献2】
特開2000−65312号公報
【特許文献3】
特開平10−66951号公報
【特許文献4】
特開2001−279253号公報
【特許文献5】
特開2000−290666号公報
【特許文献6】
特開2002−194362号公報
【特許文献7】
特開2001−252644号公報
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らの過熱水蒸気の特性を利用した有機性廃棄物の新しい炭化方法の提案のように、本発明は、過熱水蒸気の持つ高い熱エネルギーと、高い反応活性とに着目し、土壌、焼却灰や廃棄物などの被処理物に対して、過熱水蒸気を効率的な熱源、キャリアガス、反応物質として利用するもので、水蒸気を加熱し過熱水蒸気を被処理物に接触させる、あるいは過熱水蒸気との接触により被処理物から発生するガスと、接触に用いた廃水蒸気との混合ガスを加熱することにより、廃棄物の熱分解ガス化、タール気化および残差炭化物の熱分解ガス化ならびに廃水蒸気と発生ガスとの混合ガスを加熱し、水性ガス化して、廃棄物から利用価値の高い水素主体のガスを効率的に得ようとするものである。さらに土壌や焼却灰や廃棄物などに含有されるダイオキシンなどの有機ハロゲン化合物や重金属を安全に揮散あるいは分解し、被処理物を無害化するとともに、有害物質を排出しないようなクローズドシステムにしようとするものである。
【0026】
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、過熱水蒸気により有機性廃棄物を高効率でガス化し、さらに高効率に水性ガス化する方法を提供することである。本発明の目的は有機性廃棄物から水素リッチなガスを製造し、発電等に有効利用することにある。
【0027】
さらに、本発明は過熱水蒸気によりダイオキシン類やPCBなど有機ハロゲン化合物を含む、土壌や灰や廃棄物などを無害化する方法を提供する。本発明の目的は、過熱水蒸気により有機ハロゲン化合物を分解するとともに、再合成防止し、処理で生じる集塵灰・排ガス・凝縮水への有害物質の含有を防止することにある。
【0028】
また、さらに本発明は過熱水蒸気により重金属を含む土壌、灰や廃棄物などを無害化するとともに、重金属を濃化し再資源化を可能にする方法を提供する。本発明の目的は、過熱水蒸気により土壌、灰あるいは廃棄物中の重金属を取り除き、それらの再資源化を可能にするとともに、重金属も濃化回収し、再資源化することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物を含む土壌や廃棄物などの無害化処理における問題を解決するため、本発明者らがすでに見いだした過熱水蒸気の持つ熱的および化学的性質を利用するものであり、処理で生じる灰、排ガス、凝縮水にダイオキシン類などを残留させずに処理できるようにしたことを特徴とするものである。また、たとえ凝縮水にダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物が含有しても、凝縮水を過熱水蒸気の原料水として循環させることにより、分解するとともに、処理施設の外に排出されないようにしたことを特徴とするものである。
【0030】
すなわち、有機性廃棄物のガス化について述べると、大気雰囲気から遮蔽した容器内で450℃以上の略常圧の過熱水蒸気を有機性廃棄物に接触させるものであり、過熱水蒸気の持つエネルギーとその反応性を利用することで有機性廃棄物は効率的にガス化する。このとき、過熱水蒸気の温度、量、時間を十分なものとし、有機性廃棄物を物理的に攪拌することにより、過熱水蒸気を有機性廃棄物に十分に接触させ、有機性廃棄物を歩留りよく熱分解し、発生するタールの分解を促進させる。
【0031】
有機性廃棄物を熱分解するために、上記のように過熱水蒸気の温度を450℃以上とすることが必要である。ところで、温度が高いほど熱分解は進むが、処理物と処理炉を高温に加熱することはエネルギーの損失である。そこで熱分解ガスと発生した気化タールと廃水蒸気との混合ガスだけを加熱するものとする方が効率が良い。有機性廃棄物に過熱水蒸気を接触させると、小量の炭化物が残滓として残留することになるが、この小量の炭化物の残滓を回収して高温で熱分解してガス化する方が効率が良い。
【0032】
有機性廃棄物の熱分解を過熱水蒸気で熱分解する理由を説明する。過熱水蒸気は空気や窒素などのガスに比べて同一温度でも高いエネルギーを有している。そのため、ある温度で有機性廃棄物が熱分解する過程においても、過熱水蒸気は有機性廃棄物の内部にまで容易に浸透するとともに、接触した有機性廃棄物を構成する有機物質に効率的に熱伝達され、有機物質の熱分解を促進する。本発明はこのように過熱水蒸気の持つエネルギーと反応性が有機性廃棄物の高効率ガス化に非常に有効であることを見いだし、利用する手段とするものである。
【0033】
本発明の手段は、さらに、上記の300℃以上の略常圧の過熱水蒸気を大気雰囲気から遮蔽された容器内でダイオキシン類やPCBなど有機ハロゲン化合物を含む土壌や灰あるいは廃棄物などの被処理物に接触させ、過熱水蒸気の持つエネルギーと反応性により被処理物から有機性塩素化合物を揮散および分解し、未分解のガス、分解ガスおよび廃水蒸気からなる混合ガスを800℃以上に加熱することにより、ダイオキシン類などの有機性塩素化合物を分解し、分解により得られた排ガスを冷却して水蒸気を凝縮させることを特徴とする。
【0034】
被処理物に300℃以上の過熱水蒸気を接触させ、処理炉内で十分に分解できる滞留時間を設けることにより、ダイオキシン類などの有機性塩素化合物を分解、無害化することができるが、土壌や灰などの被処理物及び処理炉全体を高温に加熱することは、エネルギー効率が極めて悪くなる。また連続処理のためにロータリーキルンなどを用いた場合、800℃以上のプロセスにするためには、過熱水蒸気や揮散ガス、分解ガスなどのシールなど実操業での課題も多くなる。
【0035】
本発明では、まず300℃〜600℃の過熱水蒸気を被処理物に接触させ、被処理物から発生したダイオキシン類など有機ハロゲン化合物と廃水蒸気との混合ガスのみを800℃以上に加熱することにより、有機ハロゲン化合物を分解無害化でき、かつ、混合気体を加熱すれば良く、短い時間で反応し未分解のまま排出されることなく、またエネルギー効率も高くすることができる。
【0036】
高温で分解されていることと、水蒸気中で冷却されることにより、ダイオキシン類は再合成することなく、ガスは冷却され、水蒸気は凝縮される。集塵ダストや凝縮水にダイオキシン類の有機ハロゲン化合物が含まれることがない。
【0037】
さらに、本発明の手段では、300℃以上の略常圧の過熱水蒸気を、大気雰囲気から遮蔽された容器内で、重金属を含む土壌や灰あるいは廃棄物に接触させ、過熱水蒸気の持つ熱エネルギーと反応性により、被処理物から重金属を脱離・揮散し、廃水蒸気と共に排出する。重金属あるいはそれら化合物と廃水蒸気からなる混合ガスあるいは粒子状物質を含む流体を、冷却凝縮あるいは集塵により、重金属を濃化回収する。これは熱およびガスのキャリアとしての過熱水蒸気は冷却により容易に凝縮されることと、重金属などの液化温度との差が大きいことにより容易に分離することができるためである。
【0038】
すなわち、上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、300℃以上の常圧の過熱水蒸気を土壌、焼却灰、廃棄物などに連続的に接触させ、該廃棄物などのうち有機性廃棄物をガス化、乾燥および炭化して減容すると共に、土壌、焼却灰、廃棄物などから含有のダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物を揮散、分解し、あるいは、土壌、焼却灰、廃棄物などから含有の重金属を揮散、回収する方法において、高い熱エネルギーと高い反応活性と高い凝縮性を有する過熱水蒸気を土壌、焼却灰、廃棄物などに接触することにより、有機性廃棄物を灰分などの無機系残滓を除いて熱分解によりガス化、気化タール化、並びに、炭化し、臭気成分を含む炭化水素主体の熱分解ガスおよび気化タールを水性ガス化すると共に、土壌、焼却灰、廃棄物などに含有される重金属およびダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物のうち、ダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物などを含む排ガスを揮散、分解し、該分解プロセスで発生する排水や集塵灰中にダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物を含ませることなく、土壌、焼却灰、廃棄物などを無害化し、かつ、重金属を揮散、凝縮して濃化させることにより土壌、焼却灰、廃棄物などを再資源化すること特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法である。
【0039】
請求項2の発明では、請求項1の手段の過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法において、有機性廃棄物の熱分解により発生する炭化水素主体の熱分解ガスおよび気化タールからなる臭気成分を含む排ガスと、有機性廃棄物の乾燥、炭化により生成する臭気成分を含む排ガスと、土壌、焼却灰、廃棄物などから揮散、分解したダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物などを含む排ガスとに、過熱水蒸気による廃棄物の処理炉から排出される廃水蒸気とが混合したガスを800〜1200℃に加熱することにより、炭化水素主体の熱分解ガスや気化タールを、H2、CO主体の水性ガスに変換して、臭気成分を含む排ガスを分解・無害化・無臭化し、ダイオキシンなどの有機ハロゲン化合物を分解・無害化することを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法である。
【0040】
請求項3の発明では、請求項1の手段の過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法において、過熱水蒸気による廃棄物処理後の廃水蒸気を含む高温のガスを100〜250℃に冷却してろ布からなるバグフィルターでろ過することにより水蒸気の結露を防止して集塵することを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法である。
【0041】
請求項4の発明では、請求項1の手段の過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法において、過熱水蒸気による廃棄物処理後の廃水蒸気を含む高温のガスを100℃以下に冷却、凝縮して凝縮水を生成し、該凝縮水を過熱水蒸気発生の供給水として蒸気ボイラに循環させることにより凝縮水中に含まれる有害物質をシステム内に閉じ込めたことを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法である。
【0042】
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれか1項の手段の過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法において、廃棄物などのうち有機性廃棄物が、木材や枝葉などを含む木質廃棄物、農畜産廃棄物を含む有機性廃棄物、食品製造もしくは醸造工程で排出される食品系廃棄物、紙屑、繊維屑、厨芥などの一般可燃ごみ、廃プラスチック、廃タイヤなどの有機高分子化合物のいずれか1種以上からなることを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法である。
【0043】
請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれか1項の手段の過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法において、過熱水蒸気による処理で有機性廃棄物から残留する炭化物を被処理物として処理炉内で過熱水蒸気によりガス化することを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法である。
【0044】
請求項7の発明では、請求項1〜6のいずれか1項の手段の過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法を実施するための処理装置であって、誘導加熱により常圧で300℃以上の過熱水蒸気を発生させる過熱水蒸気発生装置と、発生された該過熱水蒸気を廃棄物などの被処理物に連続的に接触させるための大気から遮蔽された処理炉と、処理炉から排出される廃水蒸気と被処理物から生成されるガスとの混合ガスを800℃〜1200℃に加熱する二次加熱装置と、被処理物などの処理後の廃水蒸気を含む高温ガスをガス冷却するガス冷却装置と、冷却されたガスから集塵する集塵機と、廃水蒸気を含むガスを凝縮させる凝縮器と、廃水蒸気を含むガスの凝縮に伴うガス容積減少による外気などの逆流を防止する装置とを備えることを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置である。
【0045】
請求項8の発明では、請求項7の手段の過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置において、処理炉から排出される廃水蒸気と被処理物から生成するガスとの混合ガスを800℃〜1200℃に加熱する二次加熱装置は、誘導加熱あるいは電気抵抗発熱体で間接加熱する連続孔あるいは貫通孔を有する金属またはセラミックの蓄熱体からなり、加熱された該蓄熱体中に混合ガスを気流して空気などの混入を無くして加熱することを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置である。
【0046】
請求項9の手段では、請求項7の手段の過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置において、処理後の廃水蒸気の凝縮にともなうガス容積減少による外気吸引の防止と、廃棄物などから発生する水に不溶かつ常温で気体のガスを回収し、ガス利用設備に供給するための装置として、圧力調整作用のサイフォンとガス発生回収量とガス消費量の変動を緩衝する容積自在可変のガスホルダーから構成したことを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置である。
【0047】
請求項10の発明では、請求項7の手段の過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置において、過熱水蒸気を廃棄物などの被処理物に連続的に接触させるための大気から遮蔽された処理炉は、外部より加熱できる補助加熱装置を有し、該補助加熱装置が熱風加熱、バーナー加熱あるいは電気抵抗加熱によるものであることを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置である。
【0048】
請求項11の発明では、請求項6〜10のいずれか1項の手段の過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置において、有機性廃棄物からの生成ガスをエンジンなどのガス使用機器に利用するために生成ガスを脱ハロゲン、脱硫、脱珪素する精製手段を配設したことを特徴とする、過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置である。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
実施の形態1
本発明の実施の形態1の過熱水蒸気による廃棄物などの処理プロセス並びにそのシステムにつき、プロセス順に図1により説明する。先ず、通常の蒸気ボイラ(1)より発生した水蒸気を過熱水蒸気発生装置(2)により300℃以上に加熱し、略常圧で300℃以上の過熱水蒸気とする。水蒸気の加熱方法は、過熱水蒸気発生装置(2)に貫通孔を有する金属などからなる誘導加熱可能な蓄熱体を用意し、この蓄熱体の貫通孔に蒸気ボイラ(1)より発生した水蒸気を気流させながら誘導加熱する。各種の廃棄物などの被処理物(4)の目的とする処理に必要な過熱水蒸気の温度と量は、被処理物の比熱や反応熱を考慮して設定し、試行によりその最適値を決めるものとする。
【0050】
このようにして得た略常圧の300℃以上の過熱水蒸気を反応炉やガス化炉などである処理炉(3)で供給装置(5)から装入した各種の廃棄物などの被処理物(4)に接触させる。この処理炉(3)は、外気の浸入を防止できる構造ものとする。この処理炉(3)は連続処理するためにはロータリーキルン方式にすることができる。処理反応上に必要な温度は過熱水蒸気のみをその熱源として供給しても良いが、エネルギー効率など考慮すると、処理炉(3)を外部から補助加熱装置(6)により補助的に加熱することが好ましい。補助加熱の方法としては灯油やガスなどの燃焼による熱風発生炉(7)で発生させた熱風を用いることができる。その他、灯油やガスなどのバーナーあるいは電気ヒーターなどで直接容器外部を加熱する方法も用いることができる。しかし、熱流体で加熱する方が、処理炉(3)内を均一に加熱できるため好ましい。補助加熱装置(6)で使用した排熱風は排熱ボイラ(17)で熱源とした後、排気ファン(18)で排気筒(19)に送って排気する。
【0051】
処理炉(3)での処理温度は、その処理する対象により好ましい温度範囲が異なるので、後記の個別の実施の形態で説明するが、被処理物(4)の乾燥にも用いることができ、この場合には、過熱水蒸気は200℃以上の温度とすることで乾燥できる。
【0052】
供給装置(5)から処理炉(3)に供給した被処理物(4)に過熱水蒸気を処理炉(3)で接触し、被処理物(4)から分解・揮散した熱分解ガスや気化ガスなどの種々のガスが過熱水蒸気の廃水蒸気と共に混合気体となって排出される。この排出された廃水蒸気を含む混合気体を二次加熱装置(8)で800℃以上に加熱する。
【0053】
上記の処理炉(3)内で被処理物(4)に800℃以上の過熱水蒸気を接触させることは可能であるが、炉体および被処理物(4)全体を800℃以上に加熱するよりも、処理炉(3)の温度は被処理物(4)をガス化し、被処理物(4)から除去すべき物質を離脱させるために必要な温度に抑え、処理炉(3)で得られたガス成分だけを反応や分解に必要な温度に後工程で加熱する方が、エネルギー効率的にも、装置としての構造的にも好ましい。
【0054】
そこで本発明の実施の形態の手段では、処理炉(3)で得られたガス成分だけを反応や分解に必要な温度に加熱する二次加熱装置(8)を用い、被処理物(4)からのガス成分を800℃以上の温度に加熱して処理するようにしたことを特徴としている。上記の二次加熱装置(8)による二次加熱温度とその作用については、それぞれの処理に応じた個別の実施の形態で説明する。
【0055】
二次加熱装置(8)により加熱する方法は、ガスを気流させる管を外部から加熱する方法でも可能である。しかし、本発明の実施の形態では、過熱水蒸気を加熱する方法と同様に貫通孔や連続孔を有する蓄熱体を加熱し、ガスをこの蓄熱体の貫通孔や連続孔に気流させる方法とするのが好ましい。この方法によりコンパクトな加熱装置で効率的にガスを加熱できる。さらに蓄熱体を金属として電磁誘導加熱することもできるが、800℃以上の高温にする必要がある。従って、セラミックスの蓄熱体を外熱で加熱することがより好ましい。このようにセラミックスの蓄熱体を用いることで、被処理物(4)から発生する腐食性ガスに対する適性も金属による蓄熱体よりも向上する。
【0056】
さらに、二次加熱装置(8)から分解して排出された高温の排ガスを集塵可能な温度に冷却する手段として、蒸気ボイラのような熱交換方式のガス冷却装置(9)を用いることができる。冷却水をガス冷却装置(9)に供給して排ガスを冷却する。冷却水は加熱されて水蒸気になるので、ガス冷却装置(9)から過熱水蒸気発生装置(2)への蒸気供給源として利用可能であり、余剰の水蒸気は他の施設への熱源として供給することも可能である。蒸気供給源として利用する水蒸気は上記の排熱ボイラ(17)で補助加熱装置からの排熱風と熱交換されて加熱されて過熱水蒸気発生装置(2)へ循環される。
【0057】
被処理物(4)を過熱水蒸気で処理すると、多少なりとも粉塵が過熱水蒸気の廃水蒸気流によって処理炉(3)外に排出されるので、集塵して除去する必要がある。高温の状態で集塵することは可能であるが、例えば600℃の高温に耐え、かつ微粒子を捕集できるろ布などのフィルターは高価であり、さらに構造躯体に耐熱性を付与する必要から経済的ではない。一方、排ガスを冷却すると一般的なろ布で集塵可能であるが、水蒸気を含むため露点以下になると粉塵が泥化し、ろ布が目詰まりするなど問題を生じる。そのため、上記のガス冷却装置(9)により高温の排ガスを集塵可能な温度に冷却して集塵機(10)の集塵部のガス温度は100〜250℃にし、廉価な一般的なろ布からなるバグフィルターを備えた集塵機(10)で集塵することとした。その結果、比較的安価なろ布で結露することなく集塵できる。集塵ダストは無害であるから、溶融固化などにより、路盤材などに再資源化することができる。
【0058】
集塵後の気体から不用物となった水蒸気を水として回収するため、凝縮する手段として凝縮器(11)を設ける。凝縮器(11)には冷却水を循環させて冷却する。できるだけ低温に冷却する方が水蒸気の回収は増えるが、経済性の点などから一般的なクーリングタワー方式の循環冷却水の適応が好ましい。
【0059】
凝縮水中には対象とする被処理物(4)と処理条件により、水に可溶な物質が溶け込んでいる。これをシステム外に排出するには、さらに水処理が必要になり経済的ではない。本発明のシステムでは、凝縮器(11)から排出される凝縮水を過熱水蒸気発生装置(2)の水源として蒸気ボイラ(1)に循環させる。このようにすることで有害物質をシステム外に排出しないという効果がある。
【0060】
凝縮後のガスの様態は、処理の内容により異なる。従って、この凝縮器(11)以降のシステムは後記の個別の実施の形態で説明する。
【0061】
実施の形態2
この実施の形態は、本発明のうち、有機性廃棄物を利用可能なガスに変換することを目的とするプロセスおよびシステムである。この実施の形態のガス化システムの構成とプロセスについて、以下に図2によりプロセス順に説明する。
【0062】
この実施の形態では、被処理物(4)である有機性廃棄物として廃木材や剪定枝など木質系の廃棄物、食品加工残渣や厨芥、農水産廃棄物、畜産廃棄物など生物由来の有機物、あるいは、プラスチックや廃タイヤなど化石燃料由来の有機物などを対象とする。これらの被処理物(4)を過熱水蒸気により熱分解してガス化するとともに、熱分解残渣である炭化物すなわちチャーもガス化が可能である。そこで、分解ガス化不可能な灰分など無機物質の残留やガス中の有害ガス発生などで差異はあるが、有機化合物であればどのようなものでも、この実施の形態のガス化システムを適応できる。
【0063】
このガス化システムでは、被処理物(4)の有機性廃棄物と過熱水蒸気とを接触させる温度は450℃以上が好ましい。これはほとんどの有機物が熱分解し得る温度であることによる。450℃未満でも熱分解は起こるが、有機性廃棄物の多くをガス化することを目的としており、木材のガス化の実施例1においても、450℃以上で被処理物の半分以上がガス化していることがわかる。ガス化のためにはより高温で分解するのが好ましいが、最適な温度はシステムの最適化として、全体のエネルギー効率および炭化物残渣の再熱分解ガス化あるいはマテリアル利用などを勘案し、被処理物(4)に応じた最適な処理温度を設定すればよい。
【0064】
有機性廃棄物を単に熱分解させると、メタンと二酸化炭素などの炭化水素を主体とする熱分解ガスと、気化タールが発生し炭化物が残留する。このような熱分解ガスだけでは、その量が限られているのでガスとしての利用価値も低い上に、気化タールの発生は気化タールのガスが冷却されると固着し配管の閉塞などトラブルの原因になる。そこでこの実施の形態では、熱分解ガスと気化したタールなどを過熱水蒸気により水素と一酸化炭素を主体とする水性ガスに変換すなわち改質するものである。
【0065】
水性ガス化の方法は、実施の形態1で説明した二次加熱装置(8)を用いる。加熱温度は、表2に示す実施例2によると、タールは750℃の過熱水蒸気によりほぼ全量ガス化できること、さらに表1に示す実施例1によると、過熱水蒸気の温度が高いほど水素ガスの割合が増し、850℃でガス中の水素濃度が50%を超えることがわかった。以上のことからこのシステムでの二次加熱の温度は800℃以上が好ましい。
ガス冷却および集塵は上記した実施の形態1で説明した通りとする。
【0066】
水蒸気を含む排ガスは、凝縮器(11)によって水蒸気を水として回収するが、気体が液体になることによる大きな体積収縮をともない、凝縮器(11)内は負圧になり、ガス使用機器側などから外気を吸引するという問題を生じる。そこで本実施の形態においては、ガス使用機器との間に容量が可変のガスホルダー(15)を設けている。なお、凝縮器(11)で得られたガスは硫装置(12)を経てさらに精製装置(13)で脱ハロゲンや脱珪素などのガス精製をした後にガスホルダー(15)に供給される。ガスホルダー(15)は伸縮自在なゴム製バルーンや上下動可能なガスタンクなどを用いる。ガスホルダー(15)により、凝縮による圧力変動を緩衝し、システム内を略常圧に保つことができる。
【0067】
有機性廃棄物のガス化システムにおいては、得られたガスによりガスエンジンあるいは水素燃料電池などにより発電し、電気エネルギーとして回収することがエネルギー利用の汎用性の点で好ましい。ガス利用機器に使用するためにはガスを浄化する必要がある。本実施の形態では、酸化鉄ペレットを充填した脱硫装置(12)などに生成ガスを気流させて脱硫する。さらに、塩化水素などの腐食性ガスやシロキサンなどは活性炭などの吸着材により除去する精製装置(13)を用いる。
【0068】
実施の形態3
この実施の形態は、本発明のうち、ダイオキシン類やPCBなどの有機ハロゲン化合物を含有する土壌や焼却飛灰あるいは廃棄物から有機ハロゲン化合物を取り除き無害化するとともに、有害な有機ハロゲン化合物を酸化し、脱塩素化し、分解するなどして、無害化し、処理プロセスから有害物質を排出させないようにすることを目的とするプロセスおよびシステムである。この実施の形態のダイオキシン類やPCBなどの有機ハロゲン化合物の無害化システムの構成とプロセスについて、以下に図3によりプロセス順に説明する。
【0069】
この実施の形態では、有機ハロゲン化合物を含有する廃棄物などの被処理物(4)と過熱水蒸気とを処理炉(4)で接触させる。接触させる温度は300℃以上が好ましい。これは、土壌や焼却灰に含まれるダイオキシン類やPCBなどが、過熱水蒸気の作用によって揮散し、被処理物中にはほとんど残留しなくなる。すなわち被処理物(4)が無害化できるからである。
【0070】
このことは、表3に示す実施例3において、300℃で土壌中のダイオキシン類が毒性当量で99.7%以上除去できていることからわかる。PCB類においても、200℃以上で揮散することが知られている。
【0071】
過熱水蒸気は、窒素などの気体元素に比べると、同一温度でも、高い熱エネルギーを有しており、被処理物(4)の内部にまで熱エネルギーを与え、短時間で加熱するため、付着している有機ハロゲン化合物を揮発させる効果がある。
【0072】
ダイオキシン類などを被処理物から揮散させ、被処理物(4)を無害化するとともに、有機ハロゲン化合物を熱分解して脱塩素化し無害化する必要がある。そのためには、より高温で処理するのが好ましいが、最適な温度はシステムの最適化として、全体のエネルギー効率および残渣である炭化物の再熱分解ガス化あるいはマテリアル利用などを勘案し、被処理物に応じた最適な処理温度を設定すればよい。
【0073】
ダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物を含む被処理物(4)を300℃以上の過熱水蒸気と接触した場合、被処理物からの揮散と同時に酸化分解して脱塩素化するが、完全には分解されない。これは、揮散した有機ハロゲン化合物が過熱水蒸気と反応する温度と時間が十分に与えられないことによる。
【0074】
未分解の有機ハロゲン化合物からなる未分解ガスと揮散に用いた過熱水蒸気の廃水蒸気の両者を二次加熱装置(8)で二次加熱し、分解させるところに本発明の特徴がある。この実施の形態においては、二次加熱を800℃以上とした。これは表3に示す実施例3において800ないし1000℃に加熱することで、二次加熱装置(8)から排出される排ガス、凝縮水、集塵灰(集塵ダスト)からダイオキシン類が非常に少なくなっていることに基づく。
【0075】
さらに、従来の技術において説明したように、この実施の形態においては、過熱水蒸気により有機ハロゲン化合物が揮散・酸化分解され、排ガスが冷却排気されるまで、水蒸気雰囲気中に保たれており、ダイオキシン類の再合成を防止する効果もある。
【0076】
ガス冷却および集塵については実施の形態1で説明した通りガス冷却装置(8)および集塵機(10)によるものとする。
【0077】
この実施の形態においても、排ガスは凝縮器(11)によって水蒸気を水として回収するが、気体が液体になることによる大きな体積収縮をともない、凝縮器内は負圧になり、ガス使用機器側などから外気を吸引するという問題を生じる。もし、プロセス内に空気が混入すると、ダイオキシン類など有機ハロゲン化合物が再合成され、ダストや凝縮水、排ガス中の有機ハロゲン化合物の濃度を高める危険があり好ましくない。そこで本実施の形態においても、最終的な排ガス処理装置(16)との間に、凝縮に伴う容積変化すなわち圧力変動を調整するためのサイフォン(14)とガスホルダー(15)からなる装置を設けている。
【0078】
凝縮器(11)から排出される凝縮水は、実施の形態1に説明した通り、蒸気ボイラ(1)に戻してプロセス内に循環することができる。
【0079】
実施の形態4
この実施の形態は、本発明のうち、水銀や砒素あるいはカドミウムなどの重金属を含む土壌や灰あるいは廃棄物を無害化するとともに、重金属を資源として回収することを目的とするプロセスおよびシステムである。この実施の形態のガス化プロセスの構成とシステムについて、以下に図4によりプロセス順に説明する。
【0080】
重金属を含む被処理物(4)と過熱水蒸気とを処理炉(3)で接触させる温度は、重金属が揮散する温度以上にする必要がある。過熱水蒸気を用いることにより、例えば廃棄物のうち水銀を含む無機系廃棄物から水銀を揮散させ無害化しようとした場合、窒素やアルゴン雰囲気中で処理するより過熱水蒸気で処理した方が、同じ温度でも、揮散が進み、無害化の効果の大きいことを見いだしている。
【0081】
本発明は、この過熱水蒸気の持つ特性に着目してなし遂げられたものである。すなわち、重金属を無害化する場合、重金属は資源として回収することも目的としており、土壌や灰あるいは廃棄物からなる被処理物(4)中から重金属を取り除き、無害化できれば良いとの考え方に基づいており、従って、この場合は、実施の形態2あるいは実施の形態3で説明したダイオキシン類を分解するための二次加熱は必要としない。従って、この場合は重金属を取り除き無害化された被処理物(4)は、処理炉(3)から処理物冷却装置(20)に取り出されて冷却され、回収容器(21)に回収される。
【0082】
一方、この実施の形態においては、処理炉(3)で揮散した重金属を凝縮回収させる必要がある。そこで、被処理物(4)から揮散した重金属のガスと過熱水蒸気などとからなる混合気体を、まず、重金属が凝縮する温度にまで冷却する。冷却方法は実施の形態1〜3で説明した蒸気ボイラ様の熱交換器からなるガス冷却装置(9)でも良いが、重金属が冷却装置内部の冷却部に液化あるいは析出し、この液化あるいは析出した重金属を回収しやすい構造とした重金属凝縮装置(22)とする。
【0083】
次ぎに、集塵ダストおよび使用済みの過熱水蒸気を凝縮させるが、重金属凝縮装置(22)の排ガス温度が高く、廉価な集塵バグフィルターで集塵できない場合は、集塵バグフィルターの耐熱性向上を図るかもしくは集塵機(10)の入口温度を低下させるためのガス冷却装置(9)を設置する。
【0084】
集塵機(10)で集塵した排ガスは凝縮器(11)で冷却される。凝縮器(11)の構造と、凝縮に伴う体積収縮および圧力変動を緩衝させる機構は、実施の形態3で説明したものと同様のサイフォン(14)でよく、さらに被処理物から、重金属以外で水に不溶なガスの発生が多い場合には、ガスホルダー(15)を設けてプロセスの圧力変動を緩衝する。
【0085】
凝縮器(11)から得られた凝縮水は、実施形態1の説明の通り、過熱水蒸気発生装置(2)に戻してプロセス内に循環することができる。
【0086】
【実施例】
実施例1
先ず、本発明の有機性廃棄物のガス化について、すなわち、過熱水蒸気を用いることにより、より低温でしかも残滓が少なく、有機性廃棄物が熱分解しガス化するかについて、過熱水蒸気による処理の実施例1−1、実施例1−2および従来の方法を模した比較例1−1、比較例1−2、比較例1−3による実験結果を表1により説明する。
【0087】
【表1】
Figure 2004209314
【0088】
・有機性廃棄物の一例として、スギ木材のチップを被処理物とした。予めチップに含まれる水分を20%に調整して試料とした。電気式管状炉に試料を100g装填し、加熱し熱分解ガス化した。ガス化温度:450℃、600℃、850℃の3水準に設定した。処理雰囲気を水蒸気、アルゴン、酸素ガスにより任意に選定して実施例および比較例の5水準とした。水蒸気は誘導加熱方式の過熱水蒸気発生装置(2)を用い、所定温度に加熱し管状炉に供給した。処理時間は30分とし、5分、10分、15分の時点で、発生ガスを室温まで冷却し、水蒸気を凝縮させた後、得られた生成ガスをサンプリング分析し、平均ガス組成を算出した。30分経過後、雰囲気ガスを止め、密閉状態で冷却し、被処理物の重量を測定して重量減少率を求めた。
【0089】
実施例1の結果を説明する。
・過熱水蒸気による処理:実施例1−1、実施例1−2
タール生成およびチャー残留が少ない。水素リッチな水性ガスが得られ、ガス回収量多い。
・アルゴン雰囲気処理:従来の蒸し焼きを模擬した比較例1−1
タール発生およびチャー残留が多い。メタン主体の熱分解ガスが生成され、ガス回収量は少ない。
・酸素、アルゴンの混合雰囲気:従来の部分酸化法を模した比較例1−2
タールおよびチャーがやや多い。CO2発生が増える(ガス熱量低下)。ガス回収量ガスが少ない。
・酸素、アルゴン、水蒸気の混合雰囲気:部分酸化熱分解と熱分解炉での水蒸気改質を模擬した、比較例1−3
タールおよびチャーがやや多い。CO2が十分改質されず残留する。ガス回収量がやや少ない。
450℃以上の過熱水蒸気処理により、有機性廃棄物を効率的に熱分解できることが、この実験より証明できる。
【0090】
以上の実験によれば、木材を水蒸気・酸素・アルゴンを種々の割合で混合した雰囲気ガス中で、一定温度で加熱し、ガス組成の分析、タール・チャーの発生状態、及び残留物の量を測定した結果、水蒸気雰囲気中でガス化することにより、タールおよびチャーの残留が少なく、生成ガスの水素濃度の高くなり、同一重量の木材から最も高熱量のガスが得られることがわかった。
【0091】
実施例2
本発明の有機性廃棄物のガス化について、過熱水蒸気を用いることにより、有機性廃棄物が熱分解して生成するタールや残留炭化物(チャー)がより低温でガス化することを表2により説明する。
【0092】
【表2】
Figure 2004209314
【0093】
(方法)
・廃木材として鉄道枕木をチップ化したものを、窒素気流中650℃で加熱し熱分解した。発生するガスを冷却器で冷却し、タールを回収した。得られたタールとチャーを水蒸気とアルゴンの各雰囲気で、所定温度の処理を施し、残留物の状態を評価した。
【0094】
(結果)
・タールは水蒸気雰囲気では850℃で完全に分解したのに対し、アルゴン雰囲気中では1000℃以上でも完全に分解せず、炭化物が残留した。
・チャーは水蒸気雰囲気では1000℃で完全に分解したのに対し、アルゴン雰囲気中では1200℃でも揮発分の分解はあったが、炭化物として多く残留した。
【0095】
請求項2に記載の通り、熱分解ガスと気化タールと廃水蒸気の混合ガスを800℃以上に加熱することにより、従来法ではトラブルの原因になっていたタールを分解し、さらに水素ガス化することが、この実験により証明できる。請求項6に記載の通り、本発明によれば従来ガス化利用できなかった残留炭化物をも過熱水蒸気によりガス化できることを示している。
【0096】
本発明の手段はこの実験結果に基づくものである。過熱水蒸気は有機性廃棄物のガス化を促進し、残滓をほとんど残すことなく高効率にガス化できるとともに、低温でのガス化が可能であり、ガス化システム全体での処理に必要なエネルギーを低く抑えることができる。
【0097】
従来の蒸し焼きによる有機性廃棄物の乾留ガス化では、木材の場合、炭化物(木炭)、タール、木酢液がそれぞれ20〜30%生成し、低分子炭化水素を主体とするガスは、10〜20%しか発生しない。
【0098】
ガス化剤として、酸素と水蒸気を吹き込むガス化炉でも、40〜50%のガスが生成するが、タールが30%〜40%、チャーが10%程度残留する。
【0099】
本発明の過熱水蒸気によるガス化の特徴は、過熱水蒸気の科学的な反応生の高さにより、熱分解により生成するタールやチャーが低温で分解ガス化される。したがって、有機性廃棄物のほとんど全量を利用可能なガスに変換できるところにある。
【0100】
また、ガス変換効率だけでなく、従来では発生するタールの固着など、いわゆるタールトラブルなどの問題により、ガス化発電などの実用化の大きな障害になっていた。本発明はタールが発生しないためこのタールトラブルの問題も解決できる。
【0101】
実施例3
この実施例3−1〜3−4は、被処理物に過熱水蒸気を接触し、ダイオキシン類を分解揮散させ、揮散したダイオキシン類を含む廃水蒸気およびガスをさらに後段の二次加熱装置(8)で高温加熱処理し、ダイオキシン類を分解する方法であり、水蒸気中で冷却して集塵すると集塵後に凝縮する集塵灰や凝縮水中にダイオキシン類はほとんど含まれない。
【0102】
一方、比較例は、処理炉(3)で被処理物に過熱水蒸気を接触し、分解揮散させ、揮散したダイオキシン類を含む排ガスおよび廃水蒸気を、実施例のようにさらに二次加熱による分解・揮散を行わずに、直ちに集塵し、集塵後に冷却して凝縮し、凝縮水にダイオキシンをトラップさせ、このトラップした凝縮水を循環させることによりクローズドシステムとする方法であり、集塵灰と未凝縮のガスを処理炉(3)に再投入して廃棄物をシステムから排出しない方法である。これらについて表3により説明する。
【0103】
【表3】
Figure 2004209314
【0104】
表3において、実施例3−1は、処理炉(3)からの廃水蒸気を二次加熱装置(8)で加熱する温度を600℃とするものであり、この場合、二次加熱温度が低く、揮散ダイオキシンは十分に分解されていない。実施例3−2、実施例3−3、実施例3−4では二次加熱温度が800℃以上と高く、この場合は、集塵灰(集塵ダスト)および凝縮水中のダイオキシンも低減されている。
【0105】
これに対して比較例3−1では、処理炉(3)における過熱水蒸気の温度が250℃と低いもので、処理した土壌からダイオキシンが十分に揮散、分解していない。比較例3−2〜3−4では、過熱水蒸気の温度が300℃以上と高いので、土壌は無害化できるが、比較例3−2では集塵灰や凝縮水にダイオキシンが多い。比較例3−3では分解されずに揮散していることがわかる。比較例3−4では過熱水蒸気の温度が800℃と高温であるのでダイオキシン分解しているが、エネルギー効率が悪い。
【0106】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明は常圧の過熱水蒸気を用いる廃棄物などを処理する方法および装置であって、処理システムをクローズドシステムとすることにより、有害物を排出しないようにした。
有機性廃棄物に対しては、残差をほとんど残すことなく、水素リッチな水性ガスに変換することができる。これは、燃料電池など、クリーンエネルギー源としての汎用性の高い年利用ガスの製造に効果を奏する。
ダイオキシンなどの有機ハロゲン化合物や、水銀など重金属を含有する、土壌や廃棄物に対しては被処理物から有害物質を除去し無害化するとともに、有害物質を分解し無害化するか、凝縮により濃化することができ、ダイオキシンやPCBなどの有害物質の処理方法および装置として、あるいは重金属の回収方法および装置として、本発明のシステムは有効に利用することができる。
本発明のシステムによっても、集塵灰や残差など、が多少発生するが、本発明によるとこれらの中には有害物質が含まれないことから、溶融スラグ化し、レンガ・路盤材などへの再資源化も可能である。
すなわち、本発明のシステムによると、廃棄物の全てを、利用可能な資源に再生することが可能であり、循環社会システム構築の手法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態のシステムおよび方法を示すブロック図である。
【図2】本発明の他の実施の形態のシステムおよび方法を示すブロック図である。
【図3】本発明のさらに他の実施の形態のシステムおよび方法を示すブロック図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態のシステムおよび方法を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 蒸気ボイラ
2 過熱水蒸気発生装置
3 処理炉
4 被処理物
5 供給装置
6 補助加熱装置
7 熱風発生炉
8 二次加熱装置
9 ガス冷却装置
10 集塵機
11 凝縮器
12 脱硫装置
13 精製装置
14 サイフォン
15 ガスホルダー
16 排ガス処理装置
17 排熱ボイラ
18 排気ファン
19 排気筒
20 処理物冷却装置
21 回収容器
22 重金属冷却装置

Claims (11)

  1. 300℃以上の常圧の過熱水蒸気を土壌、焼却灰、廃棄物などに連続的に接触させ、該廃棄物などのうち有機性廃棄物をガス化、乾燥および炭化して減容すると共に、土壌、焼却灰、廃棄物などから含有のダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物を揮散、分解し、あるいは、土壌、焼却灰、廃棄物などから含有の重金属を揮散、回収する方法において、高い熱エネルギーと高い反応活性と高い凝縮性を有する過熱水蒸気を土壌、焼却灰、廃棄物などに接触することにより、有機性廃棄物を灰分などの無機系残滓を除いて熱分解によりガス化、気化タール化、並びに、炭化し、臭気成分を含む炭化水素主体の熱分解ガスおよび気化タールを水性ガス化すると共に、土壌、焼却灰、廃棄物などに含有される重金属およびダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物のうち、ダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物などを含む排ガスを揮散、分解し、該分解プロセスで発生する排水や集塵灰中にダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物を含ませることなく、土壌、焼却灰、廃棄物などを無害化し、かつ、重金属を揮散、凝縮して濃化させることにより土壌、焼却灰、廃棄物などを再資源化することを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法。
  2. 請求項1に記載の過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法において、有機性廃棄物の熱分解により発生する炭化水素主体の熱分解ガスおよび気化タールからなる臭気成分を含む排ガスと、有機性廃棄物の乾燥、炭化により生成する臭気成分を含む排ガスと、土壌、焼却灰、廃棄物などから揮散、分解したダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物などを含む排ガスとに、過熱水蒸気による廃棄物の処理炉から排出される廃水蒸気とが混合したガスを800〜1200℃に加熱することにより、炭化水素主体の熱分解ガスや気化タールを、H2、CO主体の水性ガスに変換して、臭気成分を含む排ガスを分解・無害化・無臭化し、ダイオキシンなどの有機ハロゲン化合物を分解・無害化することを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法。
  3. 請求項1に記載の過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法において、過熱水蒸気による廃棄物処理後の廃水蒸気を含む高温のガスを100〜250℃に冷却してろ布からなるバグフィルターでろ過することにより水蒸気の結露を防止して集塵することを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法。
  4. 請求項1に記載の過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法において、過熱水蒸気による廃棄物処理後の廃水蒸気を含む高温のガスを100℃以下に冷却、凝縮して凝縮水を生成し、該凝縮水を過熱水蒸気発生の供給水として蒸気ボイラに循環させることにより凝縮水中に含まれる有害物質をシステム内に閉じ込めたことを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法において、廃棄物などのうち有機性廃棄物が、木材や枝葉などを含む木質廃棄物、農畜産廃棄物を含む有機性廃棄物、食品製造もしくは醸造工程で排出される食品系廃棄物、紙屑、繊維屑、厨芥などの一般可燃ごみ、廃プラスチック、廃タイヤなどの有機高分子化合物のいずれか1種以上からなることを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法において、過熱水蒸気による処理で有機性廃棄物から残留する炭化物を被処理物として処理炉内で過熱水蒸気によりガス化することを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の過熱水蒸気による廃棄物などの処理方法を実施するための処理装置であって、誘導加熱により常圧で300℃以上の過熱水蒸気を発生させる過熱水蒸気発生装置と、発生された該過熱水蒸気を廃棄物などの被処理物に連続的に接触させるための大気から遮蔽された処理炉と、処理炉から排出される廃水蒸気と被処理物から生成されるガスとの混合ガスを800℃〜1200℃に加熱する二次加熱装置と、被処理物などの処理後の廃水蒸気を含む高温ガスをガス冷却するガス冷却装置と、冷却されたガスから集塵する集塵機と、廃水蒸気を含むガスを凝縮させる凝縮器と、廃水蒸気を含むガスの凝縮に伴うガス容積減少による外気などの逆流を防止する装置とを備えることを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置。
  8. 請求項7に記載の過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置において、処理炉から排出される廃水蒸気と被処理物から生成するガスとの混合ガスを800℃〜1200℃に加熱する二次加熱装置は、誘導加熱あるいは電気抵抗発熱体で間接加熱する連続孔あるいは貫通孔を有する金属またはセラミックの蓄熱体からなり、加熱された該蓄熱体中に混合ガスを気流して空気などの混入を無くして加熱することを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置。
  9. 請求項7に記載の過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置において、処理後の廃水蒸気の凝縮にともなうガス容積減少による外気吸引の防止と、廃棄物などから発生する水に不溶かつ常温で気体のガスを回収し、ガス利用設備に供給するための装置として、圧力調整作用のサイフォンとガス発生回収量とガス消費量の変動を緩衝する容積自在可変のガスホルダーから構成したことを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置。
  10. 請求項7に記載の過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置において、過熱水蒸気を廃棄物などの被処理物に連続的に接触させるための大気から遮蔽された処理炉は、外部より加熱できる補助加熱装置を有し、該補助加熱装置が熱風加熱、バーナー加熱あるいは電気抵抗加熱によるものであることを特徴とする過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置。
  11. 請求項6〜10のいずれか1項に記載の過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置において、有機性廃棄物からの生成ガスをエンジンなどのガス使用機器に利用するために生成ガスを脱ハロゲン、脱硫、脱珪素する精製手段を配設したことを特徴とする、過熱水蒸気による廃棄物などの処理装置。
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