JP2011155565A - クロック・データリカバリ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】デュアルレートPONシステムにおけるクロック・データリカバリ回路を1つのクロック・データリカバリ回路の構成で実現し、かつ、双方のビットレートのシステムにおける上位層との接続インターフェースを備えたマルチレート対応のクロック・データリカバリ回路を提供する。
【解決手段】入力データのタイミングに合うように位相を調整し、入力データとタイミングのあったクロック信号を出力するクロック出力回路と、クロック信号に基づいて入力データを識別し、入力データを再生した再生データを出力する識別回路と、クロック信号を分配し、第1のクロック信号と第2のクロック信号とを出力する第1の分配器と、第2のクロック信号を入力として、この第2のクロック信号をn(nは整数)分周したn分周クロック信号を出力する第1の分周器とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、クロック・データリカバリ回路に関し、特に、異なるデータレートの入力データと位相が同期したクロックを出力して、このクロックによりデータレート毎に入力データのリタイミングを行うクロック・データリカバリ回路に関する。
近年、実用化されているFTTH(Fiber To The Home)を実現するPON(Passive Optical Network)方式では、バーストデータを扱うため、局側で非同期に受信するバーストデータに対して瞬時に位相同期を確立してクロックを出力し、このクロックに同期して入力データをリタイミングするクロック・データリカバリ(CDR:Clock Data Recovery)回路が必須である。
従来のCDR回路の構成例を図6に示す。
従来のCDR回路は、ゲーティング回路420、ゲート付きのVCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)であるG−VCO(ゲーティットVCO)430、VCO450、周波数比較器440、フリップフロップ(F/F)回路410とから構成されている。
図6に示す従来のCDR回路の動作を簡単に説明すると、ゲーティング回路420に入力データAが入力されると、入力データAのエッジに同期したパルスがゲーティング回路420から出力される。このパルス信号がG−VCO430に入力されると、G−VCO430は、当該入力データAのタイミング、すなわち、電圧値偏移点をトリガとして、その発振位相が入力データAの位相と合うように調整される。
G−VCO430から取り出された発振信号は、位相が調整されて入力データAとの位相が合った再生クロックCとしてF/F回路410のクロック端子に入力され、入力データAのリタイミングを行う。
これにより、F/F回路410から再生データBが出力される。
一方、G−VCO430と同一構成のVCO450が周波数比較器440とともにPLL(Phase-Locked Loop)を形成しており、入力データAのデータレートと等しい周波数またはその周波数の整数分の1の周波数の参照クロックEの周波数と同じ周波数で発振している。また、周波数比較器440から出力される制御信号Fは、G−VCO430の周波数制御端子とVCO450の周波数制御端子に同時に供給され、G−VCO430から出力される再生クロックCとVCO450の出力とが同一の周波数となるよう制御する。
図6に示す従来のCDR回路の構成によれば、入力データAのデータレートとG−VCO430から出力される再生クロックCとが常に同一の周波数を有するため、入力データAが入力されたときには、G−VCO430は再生クロックCの位相を合わせるだけで、瞬時に入力データAとの同期を確立することができる(非特許文献1)。
M. Nogawa, et al., "A 10Gb/s Burst-Mode CDR IC in 0.13 μm CMOS," in 2005 IEEE International Solid-State Circuits Conference Digest, pp.228-229, Feb. 2005. P.-S. Han, et al., "1.25/2.5-Gb/s Dual Bit-Rate Burst-Mode Clock Recovery Circuits in 0.18-μm CMOS Technology," IEEE Trans. Circuits Syst. II. Exp. Briefs, vol. 54, no. 1, pp.38-42, Jan. 2007.
しかしながら、非特許文献1に記載されたCDR回路では、対応できるデータレートが限定されてしまい、デュアルレートのPONシステムにおいては適用することが困難であるといった問題がある。
例えば、現在運用されているGE−PON(Gigabit Ethernet(登録商標)-Passive Optical Network)と高速データレートの10G−EPON(10 Gigabit-Ethernet Passive Optical Network)とが混在することになるデュアルレートPONシステムでは、局側装置にGE−PONのデータレートに対応したCDR回路と10G−EPONのデータレートに対応したCDR回路と、2つのCDR回路が必要となる。これらCDR回路は、MAC(Media Access Control)層との接続インターフェースが、10G−EPONにおいては16ビットインターフェースのXSBI、GE−PONにおいては10ビットインターフェースのTBIであるように、異なる接続インターフェースであるため、これらCDR回路には周波数が異なる参照クロックが供給されてしまう。
よって、このようにデータレートによって参照クロックの周波数が異なる場合には、非特許文献1に記載された従来のCDR回路そのままでデュアルレートPONシステムの1G用と10G用の両方に適用することはできない。
これに対し、デュアルレート対応のCDR回路の一例が非特許文献2には開示されている。しかし、非特許文献2に記載されているCDR回路は、原理的に倍または半分のビットレートにしか対応できず、かつ、出力インターフェースを入力データに応じて変更することができないといった問題があった。
したがって、本発明は上述した問題を解決すべく、デュアルレートPONシステムにおけるCDR回路を1つのCDR回路構成で実現し、かつ、双方のビットレートのシステムにおける上位層との接続インターフェースを備えたマルチレート対応のCDR回路を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、クロック・データリカバリ回路に、入力データのタイミングに合うようにクロック信号の位相を調整して、前記入力データとタイミングの合ったクロック信号を出力するクロック出力回路と、前記クロック信号に基づいて前記入力データを識別し、前記入力データを再生した再生データを出力する識別回路と、前記クロック信号を分配し、第1のクロック信号と第2のクロック信号とを出力する第1の分配器と、前記第2のクロック信号を入力として、この第2のクロック信号をn(nは整数)分周したn分周クロック信号を出力する第1の分周器とを備えることを特徴とする。
また、本発明におけるクロック・データリカバリ回路は、前記第1のクロック信号と前記n分周クロック信号とのいずれか一方を選択して出力する第1の選択回路をさらに備え、この第1の選択回路は、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック出力回路から出力される前記クロック信号の周波数と同一の周波数である場合には第1のクロック信号を選択し、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック信号の1/n倍である場合には前記n分周クロック信号を選択しても良い。
また、本発明におけるクロック・データリカバリ回路は、前記識別回路から出力される前記再生データを分配し、第1の再生データと第2の再生データとを出力する第2の分配器と、この第2の分配器から出力される前記第1の再生データを入力とする1入力p(pは整数)出力の第1のデマルチプレクサと、前記第2の分配器から出力される前記第2の再生データを入力とする1入力q(qは整数)出力の第2のデマルチプレクサとをさらに備え、前記第2の分配器は、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック信号の周波数と同一である場合には、前記第1の再生データを前記第1のマルチプレクサに出力し、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック信号の周波数と異なる場合には、前記第2の再生データを前記第2のマルチプレクサに出力しても良い。
また、本発明におけるクロック・データリカバリ回路は、前記第1の分配器から出力される前記第1のクロック信号から、この第1のクロック信号をp分周したp分周クロック信号を出力する第2の分周器と、前記第1の分周器から出力される前記n分周クロック信号から、このn分周クロック信号をq分周したq分周クロック信号を出力する第3の分周器とをさらに備えても良い。
また、本発明における前記第1および第2の分配器は、1つの信号を2つの信号経路に分配するスイッチとしても良い。
また、本発明における前記クロック出力回路は、入力データが遷移したときにパルスを出力するゲーティング回路と、このゲーティング回路からの前記出力パルスによって入力データの位相と合うように制御され、制御信号によって周波数が制御されたクロックを出力するゲーティッドVCOと、前記制御信号によって周波数が制御されたクロックを出力する電圧制御発振器と、この電圧制御発振器から出力される前記クロックを分周比m(mは整数)で分周する第4の分周器と、前記電圧制御発振器の出力をm分周した信号と基準信号とを比較して周波数差が小さくなるように前記ゲーティットVCOおよび前記電圧制御発振器の前記制御信号を出力する周波数比較器と、参照クロック信号の周波数をj/k倍とする(j,kは整数)周波数制御部と、前記参照クロック信号とこの参照クロック信号の周波数をj/k倍した信号とのうちいずれかを前記入力データのビットレートに応じて前記周波数比較器に入力される前記基準信号として選択するセレクタとを備え、前記セレクタは、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック信号の周波数と同一である場合には、前記参照クロック信号を前記基準信号として選択し、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック信号の周波数とは異なる場合には、前記周波数制御部によって周波数がj/k倍された前記参照クロック信号を前記基準信号として選択しても良い。
また、本発明における前記クロック出力回路は、前記参照クロック信号を入力とし、この参照クロック信号を前記セレクタまたは前記周波数制御部に選択的に出力する第3のスイッチをさらに備え、この第3のスイッチは、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック信号の周波数と同一である場合には、前記参照クロック信号を前記セレクタに出力し、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック信号の周波数とは異なる場合には、前記参照クロック信号を前記周波数制御部に出力しても良い。
また、本発明における前記周波数制御部は、入力される信号の周波数をjで逓倍する逓倍器とkで分周する分周器とから構成しても良い。
本発明によれば、それぞれの周波数に応じた再生クロックを供給できるようにしたので、再生データのビットレート周波数と再生クロックの周波数とを常に一致させることができる。
よって、非整数倍のビットレートのデュアルレートPONシステムのクロック・データリカバリ回路も1つのデータ・クロックリカバリ回路の構成でマルチレート対応とすることができることから、局側装置の小型化および低コスト化を図ることが可能となる。
また、このマルチレート対応のクロック・データリカバリ回路の量産効果による低コスト化も期待することができる。
本発明の第1の実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路の変形例の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路の変形例の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路の構成を示すブロック図である。 従来のクロック・データリカバリ回路の構成を示すブロック図である。
以下、図を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路の構成を示すブロック図である。
本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路は、図1に示すように、クロック出力回路110と、フリップフロップ(F/F)回路120と、分配器130と、分周器140とから構成されている。
クロック出力回路110は、入力データAの遷移に応じて発振位相が制御されたクロック信号を出力する。
F/F回路120は、クロック出力回路110によって出力されたクロック信号に基づいて入力データAのリタイミングを行い、リタイミングがなされた入力データAを再生データBとして出力する。
分配器130は、クロック出力回路110によって出力されたクロック信号を2つの信号経路へ第1のクロック信号と第2のクロック信号として分配する。
分周器140は、分配器130によって分配された第2のクロック信号を入力として、第2のクロック信号の周波数をn(nは整数)分周したn分周クロック信号を出力する。
次に本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路の動作について、説明する。
本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路は、入力データAがクロック出力回路110とF/F回路120とに入力されると、クロック出力回路110では、入力データAのデータレート周波数のクロック信号が生成され、このクロック信号を用いてF/F回路120で入力データAのリタイミングが実行され、リタイミングがなされた入力データAを再生データとして出力する。
一方、クロック出力回路110によって生成されたクロック信号は、F/F回路120に入力されるとともに分配器130へ入力され、分配器130によって2つのクロック信号、すなわち、第1のクロック信号と第2のクロック信号として出力される。
分配器130から出力される第2のクロック信号は、分周器140に入力され、n分周されたn分周クロック信号として出力される。
ここで、GE−PONと10G−EPONとが混在するデュアルレートPONシステムにおけるクロック・データリカバリ回路として具体的に説明する。
本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路のクロック出力回路110は、入力データレートが10〜10.3125Gbpsのデータ信号からデータレート周波数に応じた10〜10.3125GHzのクロックを出力できる特性を有した回路とする。このような特性は、クロック出力回路110に3%程度の周波数可変範囲を備えた発振回路を備えることで得られるものであり、従来からの集積回路技術などを駆使して実現が可能である。
上記の特性を有するクロック出力回路110を備えた本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路に、10G−EPONによる10.3125Gbpsのバーストデータである入力データAが入力された場合、クロック出力回路110によって出力されるクロック信号の周波数は、入力データAのビットレート周波数と同一の10.3125GHzであり、このクロック信号を再生クロックC1として出力する。
また、F/F回路120は、クロック出力回路110によって出力された10.3125GHzのクロック信号を用いて入力データAのリタイミングを実行し、10.3125Gbpsの再生データBを出力する。
よって、10G−EPONによるバーストデータである入力データAに対して、位相同期を確立した10.3125GHzの再生クロックC1を出力し、この再生クロックC1に同期して入力データAのリタイミングがなされた10.3125Gbpsの再生データBを出力することができる。
一方、GE−PONによる1.25Gbpsのバーストデータである入力データAがクロック・データリカバリ回路に入力された場合、クロック出力回路110によって出力されるクロックは、1.25Gbpsの8倍に相当する10GHzとなる。
F/F回路120は、10GHzのクロック信号を用いることで1.25Gbpsの入力データAに対する8倍のオーバーサンプリングによるリタイミングを実行し、1.25Gbpsの再生データBを出力する。
ここで、分周器140の分周比nを8と設定すれば、クロック出力回路110によって出力されたクロック信号を8分周した1.25GHzのクロック信号を分周器140は再生クロックC2として出力する。
よって、GE−PONによるバーストデータである入力データAに対して、位相同期を確立した10GHzのクロック信号により入力データAのリタイミングがなされた1.25Gbpsの再生データBと、位相同期を確立した10GHzのクロック信号を8分周した1.25GHzの再生クロックC2を出力することができる。
このように、本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路によれば、10G−EPONとGE−PONとが混在したデュアルレートPONシステムからのバースト信号が入力される場合でも、入力データのビットレートに応じた位相同期を確立した再生クロックとこの再生クロックに基づいてリタイミングがなされた再生データとを出力することができ、1つのクロック・データリカバリ回路の構成によってマルチレート対応のクロック・データリカバリ回路を実現することが可能となる。
なお、本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路の動作は、バーストデータが入力されることを前提に説明したが、連続データが入力される場合にも同様の効果を得ることができる。具体的には、例えば、図1に示すクロック・データリカバリ回路のクロック出力回路110は、入力データAがバーストデータまたは連続データのいずれの場合においても入力データAの遷移に応じて発振位相が制御されたクロック信号を出力する。
図2には、図1に示す本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路の変形例の構成を示す。図2に示すクロック・データリカバリ回路は、図1に示すクロック・データリカバリ回路の分配器130をSW130へ置換し、セレクタ150を追加した構成である。
SW130とセレクタ150とは、上位層からのビットレート判定信号Dに応じて、クロック出力回路から出力されるクロック信号の出力経路および選択信号を切り替えることにより、再生クロックCを出力するものである。
具体的には、10G−EPONによるバーストデータである入力データAが入力された場合には、図2に示すように、10.3125Gbpsの入力データであることを示すビットレート判定信号Dに応じて、クロック出力回路110によって出力されたクロック信号は、SW130によりC1の信号経路を経てセレクタ150で選択され再生クロックCとして出力される。
一方、GE−PONによるバーストデータであるデータAが入力された場合には、図2に示すように、1.25Gbpsの入力データであることを示すビットレート判定信号Dに応じて、クロック出力回路110によって出力されたクロック信号は、SW130により分周器140に入力されセレクタ150により分周器140の出力が選択され、分周器140からの出力クロック信号を再生クロックCとして出力される。
このように、SW130とセレクタ150とを設けることにより、10G−EPONとGE−PONとが混在したデュアルレートPONシステムからのバースト信号が一括して入力される場合でも、MAC層などの上位プロトコルレイヤによるビットレート判定信号Dに基づいてSW130とセレクタ150とを動的に制御することで入力データのビットレートに応じた位相同期を確立した再生クロックとこの再生クロックに基づいてリタイミングがなされた再生データとを出力することができ、1つのクロック・データリカバリ回路の構成によってマルチレート対応のクロック・データリカバリ回路を実現することができる。
さらに、再生クロックの出力経路にスイッチとセレクタを設けることにより、必要な信号を必要な信号経路へ出力することができるため、クロストークなどのノイズに対する耐性を向上させたクロック・データリカバリ回路を構成することができ、よって、より安定したデータ識別再生およびクロック再生動作を可能としたクロック・データリカバリ回路を実現することが可能となる。
また、再生クロックを1つの出力端子から出力することができるため、クロック・データリカバリ回路の所要端子数の削減ができ、装置の小型化およびコスト削減が可能となる。
[第2の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路を示す図である。
本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路は、第1の実施の形態において説明したクロック・データリカバリ回路のクロック出力回路110の構成について、入力データ信号のビットレートに応じて生成するクロック信号の周波数を制御する構成としたものである。
なお、本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路の各構成要素について、第1の実施の形態において説明したクロック・データリカバリ回路の各構成要素と同一のものについては、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図3に示すように、本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路は、クロック出力回路210と、フリップフロップ(F/F)回路120と、SW130と、分周器140と、セレクタ150とから構成されている。
以下、クロック出力回路210の構成と作用について説明する。
クロック出力回路210は、逓倍器201と、分周器202と、セレクタ203と、周波数比較器204と、VCO205と、分周器206と、入力データAが遷移したときにパルスを出力するゲーティング回路211と、ゲーティング回路211から出力されるパルスによって発振位相が制御されるとともに、制御信号Fにより発振周波数が制御されるゲート付きのVCOであるゲーティットVCO212とから構成されている。
好ましくはVCO205は、ゲーティットVCO212と同様にゲート付きのVCOとし、このゲート付きのVCO(VCO205)のゲート回路の一方の入力端子がプルアップされ、他の入力端子にはVCO205の出力クロックのみが入力されるようにする。このように、VCO205とゲーティットVCO212を同一構成とすれば、同一の制御信号Fに対して、同一の周波数で発振させることができる。
逓倍器201は、外部から供給される参照クロック信号をj(jは整数)倍に逓倍する。 分周器202は逓倍器201の出力に接続され、逓倍器201によってj逓倍された参照クロック信号を1/k(kは整数)に分周する。
周波数比較器204は、VCO205の出力をm(mは整数)分周したフィードバック信号の周波数と基準信号の周波数とを比較して、この比較結果に基づいた制御信号Fを出力する。
VCO205は、周波数比較器204から出力される制御信号Fにより発振周波数が制御され、分周器206は、VCO205の出力を分周比mで分周し、m分周したVCO205の出力を周波数比較器204へフィードバックする。
セレクタ203は、MAC層などの上位プロトコルレイヤからのビットレート判定信号Dに基づいて、参照クロック信号と、逓倍器201と分周器202とによってj逓倍されk分周された参照クロック信号とのうちいずれかを、入力データAのビットレートに応じて周波数比較器204へ入力する基準信号として選択する。
GE−PONと10G−EPONとが混在したデュアルレートPONシステムにおいて、GE−PONによる1.25Gbpsのデータ信号と10G−EPONによる10.3125Gbpsのデータ信号とが入力データAとして入力される場合のクロック出力回路210の作用について、以下に具体的に説明する。
分周器206の分周比mが64であるとすると、10G−EPONにおける入力データAが入力された場合では分周後の周波数は約161MHzに、GE−PONにおける入力データAが入力された場合では分周後の周波数は約156MHzになる。
10G−EPONによる入力データAが入力された場合、MAC層などの上位プロトコルレイヤから約161MHz(10.3125G/64)の参照クロック信号を利用できる。
セレクタ203は、この参照クロック信号を基準信号として選択して周波数比較器204へ入力することにより、周波数比較器204から出力される制御信号FによってVCO205から参照クロック信号に同期した高安定な10.3125GHzのクロックを出力させることができる。
また、周波数比較器204から出力される制御信号FをG−VCO212へ入力することにより、G−VCO212においても10.3125GHzの発振を実現することができる。
したがって、上位レイヤに標準に装備された参照クロック信号を用いて、10.3125Gbpsデータ入力から、リタイミングされた10.3125Gbpsの再生データと10.3125GHzの再生クロックとを出力することができる。
一方、GE−PONによる入力データAが入力された場合、MAC層などの上位プロトコルレイヤから125MHz(1.25G/10)の参照クロック信号が利用できるが、この参照クロック信号をそのまま周波数比較器204へ入力しても、VCO205における発振周波数が例えば8GHzにしか安定化できず、クロック・データリカバリ回路として正常動作しない。
そこで、j=10の逓倍器201と、k=8の分周器202を参照クロック信号へ適用すれば、125MHzから156.25MHzの参照クロック信号を生成することができ、正常動作に必要な10GHzのクロックを出力できるようになる。
すなわち、セレクタ203は、j=10の逓倍器201とk=8の分周器202とを適用された参照クロック信号を選択して周波数比較器204へ入力することにより、周波数比較器204から出力される制御信号FによってVCO205から参照クロック信号に同期した高安定な10GHzのクロックを出力させることができる。
また、周波数比較器204から出力される制御信号FをG−VCO212へ入力することにより、G−VCO212においても10GHzの発振を実現することができる。
したがって、上位レイヤに標準に装備された参照クロックを用いて、1.25Gbpsデータ入力から、リタイミングされた1.25Gbpsの再生データBと1.25GHzの再生クロックC2とを出力することができる。なお、逓倍器201と分周器202の配置は、互いに逆であっても良い。
図4には、図3に例示した本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路の変形例の構成を示す。
図4のクロック・データリカバリ回路の構成と図3に示す構成との相違は、参照クロックの入力端子を1つの端子でまかなうようSW207を追加したものである。これにより、クロック・データリカバリ回路の所要端子数を削減することができる。
なお、図4に示すクロック・データリカバリ回路では、追加したSW207もビットレート判定信号Dに応じて出力経路を切り替えるようになっている。
また、バースト対応のクロック出力回路を適用しているため、10G−EPONによる入力データとGE−PONによる入力データとが一括して入力される場合、MAC層などの上位プロトコルレイヤからのビットレート判定信号Dに基づいて、セレクタ203およびSW207に加え、第1の実施の形態において説明したSW130とセレクタ150とを動的に制御することにより、10G−EPONによる入力データが入力された場合には、10.3125Gbpsデータ入力から、リタイミングされた10.3125Gbpsの再生データと10.3125GHzの再生クロックとを出力することができる。
一方、GE−PONによる入力データが入力された場合には、1.25Gbpsデータ入力から、リタイミングされた1.25Gbpsの再生データと1.25GHzの再生クロックを出力することができる。
このように、本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路によれば、入力データのビットレートに応じて参照クロック信号を選択することにより、入力データのビットレートに応じた位相同期を確立した再生クロックとこの再生クロックに基づいてリタイミングがなされた再生データとを出力することができる。
また、参照クロックのクロック出力回路への入力経路や再生クロックの出力経路にスイッチとセレクタを設けることにより、必要な信号を必要な信号経路へ供給することができるため、クロストークなどのノイズに対する耐性を向上させたクロック・データリカバリ回路を構成することができ、よって、より安定したデータ識別再生およびクロック再生動作を可能としたクロック・データリカバリ回路を実現することが可能となる。
[第3の実施の形態]
図5は、本発明の第3の実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路の構成を示すブロック図である。
本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路は、第2の実施の形態において説明したクロック・データリカバリ回路の構成と比較して、F/F回路120の出力にSW301と1入力p出力(pは整数)のデマルチプレクサである第1のDEMUX302と1入力q出力のデマルチプレクサである第2のDEMUX303と、再生クロックC1をpで分周する分周器304と、再生クロックC2をqで分周する分周器305とをさらに備えたものである。
なお、本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路の各構成要素について、第2の実施の形態において説明したクロック・データリカバリ回路の各構成要素と同一のものについては、同一の符号を付し、その説明は省略する。
また、本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路について、GE−PONと10G−EPONとが混在したデュアルレートPONにおける入力信号が入力されるクロック・データリカバリ回路を例として説明する。
本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路における分周器304および分周器305の分周比pおよびqは、p=16,q=10に設定されることが望ましい。
10.3125Gbpsの信号が入力される場合、本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路は、SW301の出力を第1のDEMUX302へ、SW130の出力を分周器304へ制御することで、10G−EPON等のMAC層に標準に装備されたインターフェースであるXSBIに適合した、再生データを16パラレル展開した644.5Mbpsのデータ信号と、再生クロックC1を16分周した644.5MHzのクロック信号を出力する。
一方、1.25Gbpsの信号が入力される場合、本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路は、SW301の出力を第2のDEMUX303へ、SW130の出力を分周器305へ制御することで、GE−PON等のMAC層に標準に装備されたインターフェースであるTBIに適合した、再生データを10パラレル展開した125Mbpsのデータ信号と、再生クロックC2を10分周、すなわち再生クロックC1を合計で80分周した125MHzのクロック信号を出力する。
図5に例示した実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路では、追加したSW301もビットレート判定信号Dに応じて出力経路を切り替えるようになっている。
また、バースト対応のクロック出力回路を適用しているため、10G−EPONによる入力データとGE−PONによる入力データとが一括して入力される場合、MAC層などの上位プロトコルレイヤからのビットレート判定信号Dに基づいて、SW301に加え、第2の実施の形態において説明したセレクタ203およびSW207、第1の実施の形態において説明したSW130およびセレクタ150とを動的に制御することにより、10.3125Gbpsのデータが入力された場合には、リタイミングされたXSBI信号を、1.25Gbpsのデータが入力された場合には、リタイミングされたTBI信号を出力することができる。
なお、好ましくは、DEMUX302およびDEMUX303のクロック信号としては、それぞれ再生クロックC1および再生クロックC2を供給するように構成される。
このように、本実施の形態にかかるクロック・データリカバリ回路によれば、入力データのビットレートに応じて、異なるインターフェース(例えば、XSBI信号とTBI信号。)に対応した位相同期された再生クロックとこの再生クロックに基づいてリタイミングがなされた再生データとを出力することができる。
なお、本発明の実施の形態において説明したクロック・データリカバリ回路に入力される入力データのビットレートとしては、10.3125Gbpsと1.25Gbpsとに限定されない。例えば、10Gbpsと2.5Gbpsとのビットレートの入力データが入力された場合には、n=4と分周比を設定することによって、本発明における機能を実現することができる。
また、本発明の実施の形態において例示したクロック出力回路は、バースト信号からクロックを出力できる機能を有する構成であれば、いかなる構成であっても構わない。例えば、図3に示すゲーティング回路211とG−VCO212との間に、ジッタ低減などを目的としたVCOを備えた構成であっても良い。
GE−PONと10G−EPONとが混在するようなマルチレートPONシステムにおける局側装置に搭載されるクロック・データリカバリ回路に利用可能である。
110、210…クロック出力回路、120…フリップフロップ(F/F)回路、130…分配器(SW)、140…n分周器、150…セレクタ、201…逓倍器、202…k分周器、203…セレクタ、204…周波数比較器、205…電圧制御発振器(VCO)、206…m分周器、207…SW、211…ゲーティング回路、212…ゲーティットVCO(G−VCO)、301…SW、302…第1のDEMUX、303…第2のDEMUX、304…p分周器、305…q分周器、A…入力データ、B…再生データ、C…再生クロック、D…ビットレート判定信号、E…参照クロック信号、F…制御信号。

Claims (8)

  1. 入力データのタイミングに合うようにクロック信号の位相を調整して、前記入力データとタイミングの合ったクロック信号を出力するクロック出力回路と、
    前記クロック信号に基づいて前記入力データを識別し、前記入力データを再生した再生データを出力する識別回路と、
    前記クロック信号を分配し、第1のクロック信号と第2のクロック信号とを出力する第1の分配器と、
    前記第2のクロック信号を入力として、この第2のクロック信号をn(nは整数)分周したn分周クロック信号を出力する第1の分周器と
    を備えることを特徴とするクロック・データリカバリ回路。
  2. 請求項1に記載のクロック・データリカバリ回路において、
    前記第1のクロック信号と前記n分周クロック信号とのいずれか一方を選択して出力する第1の選択回路をさらに備え、
    この第1の選択回路は、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック出力回路から出力される前記クロック信号の周波数と同一の周波数である場合には第1のクロック信号を選択し、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック信号の1/n倍である場合には前記n分周クロック信号を選択することを特徴とするクロック・データリカバリ回路。
  3. 請求項1または2に記載のクロック・データリカバリ回路において、
    前記識別回路から出力される前記再生データを分配し、第1の再生データと第2の再生データとを出力する第2の分配器と、
    この第2の分配器から出力される前記第1の再生データを入力とする1入力p(pは整数)出力の第1のデマルチプレクサと、
    前記第2の分配器から出力される前記第2の再生データを入力とする1入力q(qは整数)出力の第2のデマルチプレクサと
    をさらに備え、
    前記第2の分配器は、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック信号の周波数と同一である場合には、前記第1の再生データを前記第1のマルチプレクサに出力し、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック信号の周波数と異なる場合には、前記第2の再生データを前記第2のマルチプレクサに出力することを特徴とするクロック・データリカバリ回路。
  4. 請求項3に記載のクロック・データリカバリ回路において、
    前記第1の分配器から出力される前記第1のクロック信号から、この第1のクロック信号をp分周したp分周クロック信号を出力する第2の分周器と、
    前記第1の分周器から出力される前記n分周クロック信号から、このn分周クロック信号をq分周したq分周クロック信号を出力する第3の分周器と
    をさらに備えることを特徴とするクロック・データリカバリ回路。
  5. 請求項3または請求項4に記載のクロック・データリカバリ回路において、
    前記第1および第2の分配器は、1つの信号を2つの信号経路に分配するスイッチであることを特徴とするクロック・データリカバリ回路。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のクロック・データリカバリ回路において、
    前記クロック出力回路は、
    入力データが遷移したときにパルスを出力するゲーティング回路と、
    このゲーティング回路からの前記出力パルスによって入力データの位相と合うように制御され、制御信号によって周波数が制御されたクロックを出力するゲーティッドVCOと、
    前記制御信号によって周波数が制御されたクロックを出力する電圧制御発振器と、
    この電圧制御発振器から出力される前記クロックを分周比m(mは整数)で分周する第4の分周器と、
    前記電圧制御発振器の出力をm分周した信号と基準信号とを比較して周波数差が小さくなるように前記ゲーティットVCOおよび前記電圧制御発振器の前記制御信号を出力する周波数比較器と、
    参照クロック信号の周波数をj/k倍とする(j,kは整数)周波数制御部と、
    前記参照クロック信号とこの参照クロック信号の周波数をj/k倍した信号とのうちいずれかを前記入力データのビットレートに応じて前記周波数比較器に入力される前記基準信号として選択するセレクタと
    を備え、
    前記セレクタは、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック信号の周波数と同一である場合には、前記参照クロック信号を前記基準信号として選択し、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック信号の周波数とは異なる場合には、前記周波数制御部によって周波数がj/k倍された前記参照クロック信号を前記基準信号として選択することを特徴とするクロック・データリカバリ回路。
  7. 請求項6に記載のクロック・データリカバリ回路において、
    前記クロック出力回路は、前記参照クロック信号を入力とし、この参照クロック信号を前記セレクタまたは前記周波数制御部に選択的に出力する第3のスイッチをさらに備え、
    この第3のスイッチは、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック信号の周波数と同一である場合には、前記参照クロック信号を前記セレクタに出力し、前記入力データのビットレート周波数が前記クロック信号の周波数とは異なる場合には、前記参照クロック信号を前記周波数制御部に出力することを特徴とするクロック・データリカバリ回路。
  8. 請求項6または請求項7に記載のクロック・データリカバリ回路において、
    前記周波数制御部は、入力される信号の周波数をjで逓倍する逓倍器とkで分周する分周器とから構成されることを特徴とするクロック・データリカバリ回路。
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