JP2011154125A - サウンドマスキングを行うための装置およびプログラム - Google Patents

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Abstract


【課題】 ターゲット音の聴き取りを妨害するマスカ音を発生する際、マスカ音が聴者に与える喧騒感や不快感を軽減する。
【手段】 サウンドマスキング装置10は、ターゲット音が発生する部屋100内において、部屋100への入室を示す信号をセンサ110から取得したとき、第2マスカ音の発生を開始し、所定時間経過後に第1マスカ音の発生を開始する。ここで、第1マスカ音は、ターゲット音の聴き取りを妨害する音である。また、第2マスカ音は、第1マスカ音が聴者に与える喧騒感や不快感を軽減する音である。
【選択図】図1

Description

本発明は、マスキング効果を利用して音の漏れ聴こえを防ぐ技術に関する。
マスキング効果は、例えば2種類の音を同じ空間内に放射した場合に、一方の音の存在によって他方の音の聴き取りが妨げられる現象である。このマスキング効果を利用して、例えば会議の話し声が会議室から隣室へ、あるいはパーティションで区切られた会議スペースから外部へ漏れ聴こえるのを防止するサウンドマスキング装置が各種提案されている。このサウンドマスキング装置は、会議室または会議スペースにおいて会議が行われる場合に、会議室の隣室または会議スペースの外に、人の話し声の聴き取りを妨げるマスカ音を放音するものである。この場合のマスカ音は、広い帯域にスペクトルを有するノイズ音でもよいが、聴き取りを妨げる対象となる音(以下、ターゲット音という)と類似したスペクトルエンベロープを持った音の方が高いマスキング効果の得られることが知られている。特許文献1は、このような人の声をターゲット音とするサウンドマスキング装置に用いるマスカ音の生成方法を開示している。この特許文献1に開示の方法では、人の話し声の音声波形を一音節分の各区間に区切り、区切った各区間を並べ替えるスクランブル処理を施すことによりマスカ音を生成する。この方法により得られるマスカ音は、人の声のような音質ではあるが、話の内容を聴き取って理解することは困難である。従って、このマスカ音をサウンドマスキング装置により放音することにより高いマスキング効果が得られる。
また、このような会議用のサウンドマスキング装置以外に、マスキング効果を利用した技術として、トイレ用擬音装置がある。この技術では、トイレの利用時の排泄音をターゲット音とし、トイレ外の人に排泄音が聴こえるのを妨げる擬音をマスカ音として放音するものである。このようなマスキング効果を利用したトイレ用擬音装置に関する文献として特許文献2がある。同文献に開示されたトイレ用擬音装置では、トイレへの人の入室を人体検知センサにより検出して、マスカ音たる擬音を発生させる。
特開2008−233671号公報 特開2004−197459号公報
しかしながら、上述した会議用サウンドマスキング装置では、暗騒音に比べて音量の大きなマスカ音が会議室または会議スペースの外に突然放音され、そのマスカ音が会議室または会議スペース内の入室者に聴こえるため、会議室または会議スペース内で会議をする人に喧騒感や不快感を与えるという問題があった。また、上述したトイレ用擬音装置の場合も、排泄音の聴き取りを妨げるマスカ音は暗騒音に比べて大音量になる。このため、トイレの利用者やトイレの周辺の人に喧騒感や不快感を与えるという問題があった。
本発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、マスカ音の放音により聴者に与えられる喧騒感や不快感を軽減する技術的手段を提供することを目的とする。
この発明は、ターゲット音の聴き取りを妨害する第1マスカ音が聴覚に与える影響を緩和する第2マスカ音を発生する第2マスカ音発生手段を具備し、前記第1マスカ音の発生に先行して前記第2マスカ音発生手段による第2マスカ音の発生を行わせることを特徴とするマスカ音緩和装置を提供する。また、この発明は、コンピュータを、ターゲット音の聴き取りを妨害する第1マスカ音が聴覚に与える影響を緩和する第2マスカ音を発生する第2マスカ音発生手段と、前記第1マスカ音の発生に先行して前記第2マスカ音発生手段による第2マスカ音の発生を行わせる手段として機能させるプログラムを提供する。
かかる発明によれば、聴者は、第2マスカ音を聴き、聴覚が第2マスカ音に順応した後、ターゲット音の聴き取りを妨害する第1マスカ音を聴くこととなる。従って、第1マスカ音を聴いた聴者に与えられる喧騒感や不快感を軽減することができる。
この発明の一実施形態によるマスカ音緩和装置を含むサウンドマスキングシステムの構成を示す図である。 同サウンドマスキング装置の構成を示すブロック図である。 同実施形態において発生される第1マスカ音および第2マスカ音の音量の時間変化の例を示す図である。 この発明の他の実施形態において発生される第1マスカ音および第2マスカ音の音量の時間変化の例を示す図である。 この発明の他の実施形態において発生される第1マスカ音および第2マスカ音の音量の時間変化の例を示す図である。
以下、図面を参照し、この発明の実施形態について説明する。
この発明では、ターゲット音の聴き取りを妨害するために第1マスカ音を発生するとともに、それに先行して、この第1マスカ音が聴者に与える喧騒感や不快感を軽減するために第2マスカ音を発生する。ここで、第1マスカ音の内容はターゲット音に合わせて決定し、第2マスカ音の内容は第1マスカ音に合わせて決定することが好ましい。例えば次の通りである。
(1)ターゲット音が大音量かつ不快な音である場合
ターゲット音が排泄音のように暗騒音に対して大きな音量を有する場合(例えば50dBA以上)、一般的に流水音に似た音が第1マスカ音とされる。そこで、第1マスカ音に類似した音、例えば木琴音やハープ音等のように小川の水の流れる音に似た音色を持った楽音で、第1マスカ音に時間波形が類似した音を作り、これを第1マスカ音とは異なるスペクトルエンベロープを持った楽音または環境音等の音の中に断続的または継続的に混合して第2マスカ音を生成する。さらに第2マスカ音の平均音量、すなわち、Leq(等価騒音レベル)は、第1マスカ音のLeqよりも小さく、かつ、第1マスカ音および第2マスカ音が再生される空間の暗騒音のレベルよりは大きく、しかも当該暗騒音に対する音量の変化が不快に感じないレベル変化量(例えば音の大きさが2倍以内の変化とみなせる10dBA以内の変化量)とする。このように第1マスカ音とは異なるスペクトルエンベロープを持った音(以下、第2マスカ音の第1の成分という)に対して、第1マスカ音に類似した音(以下、第2マスカ音の第2の成分という)を混合し、第1マスカ音と聴感的に親和性のあるマスカ音を第2マスカ音とすることが、大音量のターゲット音をマスキングする大音量の第1マスカ音の喧騒感や不快感を軽減することに有効に働く。この第1マスカ音の喧騒感や不快感を軽減する効果を得るために、第2マスカ音の第2の成分の音量は、第2マスカ音の第1の成分によってマスキングされない程度の音量である必要がある。一例として、第2の成分は、第1の成分の音量に対して−10dB以上の音量であれば、第1の成分によってマスキングされず、第1マスカ音の喧騒感や不快感を軽減する効果を発生する。
(2)ターゲット音が人の話し声で、暗騒音と同程度の音量(50dBA以下)である場合
この場合、第1マスカ音として、人の声と同様のスペクトルエンベロープを持つノイズマスカまたは人の声から合成した音声マスカを使用することとなる。このため、第2マスカ音は、第1マスカ音と異なるスペクトルエンベロープを有する音、例えば楽音または環境音(人為的または人工的な音でなく自然環境にある音)とする。暗騒音、第2マスカ音、第1マスカ音の平均音量(Leq)の大小関係は上記(1)と基本的に同様である。ただし、ターゲット音の音量が暗騒音と同程度の小音量である場合には、第1マスカ音の音量が暗騒音よりも僅かに大きな音量であれば必要なマスキング効果が得られる。このような状況では、第2マスカ音の音量を暗騒音の音量と第1マスカ音の音量との中間の音量とするよりは、むしろ第1マスカ音の音量よりも僅かに大きな音量とした方が、第1マスカ音の喧騒感や不快感をより軽減することができる場合がある。
以下、このような第1および第2マスカ音を利用してサウンドマスキングを行うサウンドマスキング装置の実施形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態によるマスカ音緩和装置を含むサウンドマスキングシステムの構成を示す図である。このサウンドマスキングシステムにおいて、サウンドマスキング装置10には、センサ110およびスピーカ130が接続されている。そして、サウンドマスキング装置10は、センサ110およびスピーカ130とともに部屋100に設置される。本実施形態において、部屋100はトイレであり、サウンドマスキング装置10はトイレ用擬音装置である。サウンドマスキング装置10は、トイレの利用時の排泄音をターゲット音とし、このターゲット音の部屋100外への漏れ聴こえを妨げる第1マスカ音を発生する。また、サウンドマスキング装置10は、このようなターゲット音の漏れ聴こえを妨げるサウンドマスキング機能に加えて、この発明の一実施形態によるマスカ音緩和装置として機能を備えており、第1マスカ音が部屋100の入室者や部屋の周囲で待つ人に与える喧騒感や不快感を軽減するための第2マスカ音を第1マスカ音に先行して発生する。
ここで、第1マスカ音は、流水音に似た音質の音である。また、第2マスカ音は、例えば楽音または環境音であり、水の音に類似した楽音(例えば水滴音を模した木琴の音や流水音を模したハープの音)等を継続的に含んでいる。第2マスカ音の平均音量は、第1マスカ音よりも小さく、かつ、暗騒音に対する音量の変化が不快感を与えない平均音量(Leq)とされる。すなわち、暗騒音、第2マスカ音、第1マスカ音の平均音量の大小関係は、暗騒音<第2マスカ音<第1マスカ音となっている。
センサ110は、部屋100への人の入室を検知して、入室検知信号をサウンドマスキング装置10に供給するセンサである。この入室検知信号はサウンドマスキング装置10に第2マスカ音および第1マスカ音を順次発生させるトリガとなる。ある好ましい態様において、センサ110は、赤外線を放射して人体から反射される赤外線を検知する赤外線センサである。他の好ましい態様において、センサ110は、部屋100のドアが開く動きを検知するセンサである。さらに他の好ましい態様において、センサ110は、部屋100内の床に加わる人体の重量を検知するセンサである。
図2は、図1におけるサウンドマスキング装置10の構成を示すブロック図である。サウンドマスキング装置10は、制御部14と、バッファ15と、発音制御部16と、D/A変換部17とを有する。制御部14は、RAM21、ROM22およびCPU20を有する。CPU20は、RAM21をワークエリアとして利用しつつ、ROM22に記憶されたプログラムを実行する。このプログラムは、CPU20を、第2マスカ音制御部31、第2マスカ音出力部32、第1マスカ音制御部33、第1マスカ音出力部34および加算部35として機能させるものである。これらの各部のうち第2マスカ音制御部31および第2マスカ音出力部32がマスカ音緩和装置としての機能を営む部分である。ROM22には、第1マスカ音の波形のサンプルデータ列である第1マスカ音データと、第2マスカ音の波形のサンプルデータ列である第2マスカ音データが格納されている。バッファ15は、放音対象である音のサンプレデータ列を記憶する手段である。発音制御部16は、バッファ15から音波形のサンプルデータを順次読み出してD/A変換部17に出力する回路である。D/A変換部17は、発音制御部16を介して順次供給されるデジタル形式のサンプルデータをアナログ信号に変換し、スピーカ130から音として出力する。
次に制御部14について説明する。上述したセンサ110が出力する入室検知信号は第2マスカ音制御部31および第1マスカ音制御部33に与えられる。第2マスカ音制御部31は、センサ110から入室検知信号を受信したとき、ROM22から第2マスカ音データを繰り返し読み出して第2マスカ音出力部32に供給する動作を開始する。第2マスカ音出力部32は、第2マスカ音制御部31から供給される第2マスカ音データを加算部35に出力する。第1マスカ音制御部33は、センサ110から入室検知信号を受信した後、所定時間が経過したとき、ROM22から第1マスカ音データを繰り返し読み出して第1マスカ音出力部34に供給する動作を開始する。ここで、第1マスカ音制御部33がセンサ110からの入室検知信号を受信してから第1マスカ音データの読み出しを開始するまでの時間は、人間の聴覚が第2マスカ音を聴き始めてから第2マスカ音に順応するまでの所要時間よりも長い時間であり、本実施形態では例えば3秒である。第1マスカ音出力部34は、第1マスカ音制御部33から供給される第1マスカ音データを加算部35に出力する。加算部35は、第2マスカ音データのみが供給される間はその第2マスカ音データをバッファ15に書き込み、第1マスカ音データおよび第2マスカ音データが供給される間は両者を加算して加算結果であるサンプルデータをバッファ15に書き込む。このようにしてバッファ15に書き込まれるサンプルデータが先に書き込まれたものから順に発音制御部16により読み出され、D/A変換部17によってアナログ信号に変換され、音としてスピーカ130から出力される。
次に本実施形態の動作を説明する。図3は、本実施形態における部屋100内での第1マスカ音および第2マスカ音の発生状況の時間経過を例示する図である。この図3において、横軸は時刻、縦軸は音量レベルである。図3に示す例では、時刻t1に人が部屋100に入室して入室検知信号がサウンドマスキング装置10に与えられている。
時刻t1において入室検知信号がサウンドマスキング装置10に与えられると、サウンドマスキング装置10では、第2マスカ音データが第2マスカ音制御部31によりROM22から読み出され、第2マスカ音出力部32、加算部35、バッファ15、発音制御部16を経てD/A変換部17に供給され、スピーカ130から第2マスカ音として放音される。
その後、時刻t1から所定時間が経過した時刻t2において、サウンドマスキング装置10では、時刻t1以降から行われている第2マスカ音の放音が継続されるとともに、これと並行し、第1マスカ音の放音が行われる。すなわち、第1マスカ音データが第1マスカ音制御部33によりROM22から読み出され、第1マスカ音出力部34、加算部35、バッファ15、発音制御部16を経てD/A変換部17に供給され、スピーカ130から第1マスカ音として放音される。
この時点において、部屋100の入室者や周囲で待つ人の聴覚は、先行して放音されている第2マスカ音の音量に順応している。このため、部屋100内の人や周囲で待つ人が第1マスカ音を聴くことにより感じる喧騒感や不快感は全くないか、あるとしても極めて軽度である。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1マスカ音に先行して、暗騒音よりも大きく第1マスカ音よりも小さな平均音量の第2マスカ音が放音され、部屋100の入室者や周囲で待つ人の聴覚が第2マスカ音に順応するので、部屋100の入室者や周囲で待つ人が第1マスカ音を聴いたときに受ける喧騒感または不快感を軽減することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態があり得る。例えば、以下の通りである。
(1)図4に例示するように、断続的なピークを有する音を第2マスカ音としてもよい。この図4に示す例において、第2マスカ音は、暗騒音よりも大きく、かつ、第1マスカ音よりも小さいLeqを有しているが、第2マスカ音には、ピークが断続的に発生している。この第2マスカ音に断続的に現れるピークは、図示のように第1マスカ音のLeqを越えるレベルであってもよいが、第1マスカ音にマスキングされないで聴こえるのであれば、第1マスカ音のLeqよりも低いレベルであってもよい。この態様によれば、第1マスカ音の発生前、部屋10の入室者や周囲で待つ人は、第1マスカ音より小さいLeqを有する第2マスカ音を聴くとともに、この第2マスカ音に断続的に含まれている第1マスカ音によりマスキングされないピークを聴くことになるので、第1マスカ音の音量に対して強い聴覚的な順応が引き起こされる。従って、第1マスカ音の発生時、部屋10の入室者が第1マスカ音に対して感じる喧騒感や不快感をより効果的に軽減することができる。
(2)楽音または環境音からなる第1の成分に対して、第1マスカ音と類似の音からなる第2の成分を断続的に混合することにより、断続的なピークを有する第2マスカ音を合成してもよい。図5はこの態様による第2マスカ音を例示する図である。図5に例示するように、第1の成分のLeqは、暗騒音よりも大きく、かつ、第1マスカ音よりも小さいレベルとする。また、断続的に発生する第2の成分のピークは、第1マスカ音によりマスキングされないで聴こえるレベルとする。この態様によれば、第1マスカ音の発生前、部屋10の入室者や周囲で待つ人は、第1マスカ音より小さいLeqを有する第2マスカ音の第1の成分を聴くとともに、この第2マスカ音に断続的に含まれている第1マスカ音によりマスキングされないピークを持った第2の成分を聴くことになる。従って、部屋10の入室者や周囲で待つ人は、第1マスカ音の音量に対して強い聴覚的な順応が引き起こされる。また、第2マスカ音に断続的に含まれ、第1マスカ音によりマスキングされないピークを持った第2の成分は、第1マスカ音と類似の音からなる成分であるので、部屋10の入室者や周囲で待つ人は、第1マスカ音の音質に対して強い聴覚的な順応が引き起こされる。従って、第1マスカ音の発生時、部屋10の入室者や周囲で待つ人が第1マスカ音に対して感じる喧騒感や不快感をより効果的に軽減することができる。
(3)上記(1)または(2)の態様において、第2マスカ音に生じる断続的なピークの大きさや時間間隔をランダムに変化させてもよい。
(4)上記実施形態において、センサ110の代わりにプッシュスイッチを設置し、部屋100に入室した人がそのプッシュスイッチを押下したとき、第2マスカ音を放音させ、その所定時間経過後に第1マスカ音の放音させるようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、センサ110による入室の検出という共通のトリガに従って、第2マスカ音を発生させ、次いで第1マスカ音を発生させた。しかし、第1マスカ音を発生させるためのトリガに先行して、あるいは同時に発生する事象がある場合には、その事象を検出して第2マスカ音を発生させるためのトリガをサウンドマスキング装置10に与えてもよい。例えば上記実施形態において、部屋100に入室する前に必ず通過しなければならないゲートがある場合に、人がそのゲートを通過したことをセンサにより検出し、第2マスカ音を発生させるためのトリガとする態様が考えられる。
(6)サウンドマスキング装置10の電源がONである間は、部屋100への入室者の存在に関わらず、第2マスカ音を常時放音させ、部屋100への入室が検知された後、所定時間経過後に第1マスカ音の放音を開始させてもよい。
(7)上記実施形態において、操作部と表示部をサウンドマスキング装置10を設けるとともに、ROM22に複数の種類の第1マスカ音データおよび第2マスカ音データを記憶させ、操作部の操作により第1マスカ音の生成に用いる第1マスカ音データおよび第2マスカ音の生成に用いる第2マスカ音データを選択させるようにしてもよい。
(8)サウンドマスキング装置10を、第1マスカ音を発生するマスカ音生成装置と、第2マスカ音を発生するマスカ音緩和装置に分け、両者を併用してもよい。この場合において、マスカ音生成装置による第1マスカ音の放音に対して、マスカ音緩和装置による第2マスカ音の放音を所定時間だけ先行させるため、マスカ音緩和装置およびマスカ音生成装置を次のような構成としてもよい。
<構成A>第1マスカ音または第2マスカ音の発生を指令するトリガ信号を受け取るためのトリガ入力端子をマスカ音緩和装置およびマスカ音生成装置の各々に設ける。そして、上記実施形態の例では、入室検出信号をトリガ信号としてマスカ音緩和装置およびマスカ音生成装置の各トリガ入力端子に与える。マスカ音緩和装置は、トリガ入力端子にトリガ信号が与えられたとき、即時に第2マスカ音の放音を開始する。マスカ音生成装置は、トリガ入力端子にトリガ信号が与えられた後、所定時間が経過したとき、第1マスカ音の放音を開始する。なお、マスカ音生成装置の外部に遅延回路を設けて、トリガ信号をこの遅延回路によって所定時間だけ遅延させてマスカ音生成装置のトリガ入力端子に与えるようにしてもよい。この場合、マスカ音生成装置は、トリガ入力端子にトリガ信号が与えられたとき、即時に第1マスカ音の放音を開始する構成としてもよい。
<構成B>マスカ音緩和装置にトリガ入力端子およびトリガ出力端子を設け、マスカ音生成装置にはトリガ入力端子を設け、マスカ音緩和装置のトリガ出力端子とマスカ音生成装置のトリガ入力端子とを信号線により接続する。そして、上記実施形態の例では、入室検出信号をトリガ信号としてマスカ音緩和装置のトリガ入力端子に与える。マスカ音緩和装置は、トリガ入力端子にトリガ信号が与えられたとき、即時に第2マスカ音の放音を開始するとともに、トリガ入力端子に与えられたトリガ信号を所定時間だけ遅延させたトリガ信号をトリガ出力端子を介してマスカ音生成装置のトリガ入力端子に供給する。マスカ音生成装置は、トリガ入力端子にトリガ信号が与えられたとき、即時に第1マスカ音の放音を開始する。この態様は、第1マスカ音を発生するマスカ音生成装置として、既存のトイレ用擬音装置等のサウンドマスキング装置をそのまま使用することができる利点がある。
(9)上記(8)の一形態として次のような実施形態も考えられる。すなわち、近接して位置する複数の個別領域に当該個別領域内への人の入場を検知してから所定時間経過後に当該個別領域内に第1マスカ音を放音する機能を有するマスカ音生成装置を設け、これら複数の個別領域を包含する共有領域に当該共有領域内への人の入場を検知して各個別領域に第2マスカ音を放音するマスカ音緩和装置を設ける態様である。具体的には、例えば1つの大きな部屋に複数の個室トイレが設けられている場合、個々の個室トイレ内には、当該個室トイレへの入室を検知した後、所定時間経過したときに第1マスカ音の放音を開始する第1マスカ音発生装置を設ける。また、各個室トイレに共用となるマスカ音緩和装置を各個室トイレからほぼ等距離の位置(例えば各個室トイレを収容する大きな部屋のほぼ中央の位置)に設ける。そして、マスカ音緩和装置は、複数の個室トイレを含む大きな部屋の中に1人でも入室があった場合に、第2マスカ音を、各個室トイレ内に放音する。また、入室があった個室トイレ内のマスカ音生成装置は、入室から所定時間経過後に当該個室トイレ内に第1マスカ音を放音するのである。ここで、個室トイレへの入室検知から所定時間経過後に第1マスカ音を放音させるのは、個室トイレ内に放音される第2マスカ音を個室トイレに入室した者に所定時間聴かせて第2マスカ音に順応させてから第1マスカ音を聴かせるためである。
(10)上記(9)の態様は、包含関係をなす共有領域と複数の個別領域とからなる空間に対してマスカ音緩和装置およびマスカ音生成装置を設置したが、この発明は共有領域と複数の個別領域とが近接しているような状況にも適用可能である。具体的には、共有のスペース(ロビー等)に隣接して、複数の会議室または会議スペースが近接配置されているような状況への適用が考えられる。すなわち、個別領域である各会議室または各会議スペースには、当該会議室または会議スペースへの入場を検知した後、所定時間が経過したときに第1マスカ音の放音を開始するマスカ音生成装置をそれぞれ設け、各会議室または各会議スペースで共有のスペースに当該共有スペースへの人の入場を検知して全ての会議室または会議スペースに第2マスカ音を放音を開始するマスカ音緩和装置を設置するのである。
(11)上記(9)および(10)の態様の変形例として、共有領域、複数の個別領域のいずれかの領域に人が入場している場合に、共有領域と全ての個別領域に第2マスカ音を放音させる態様が考えられる。この態様において、共有領域に入場した者は、第2マスカ音を聴きながらいずれかの個別領域に入場する。従って、人間の聴覚が第2マスカ音を聴き始めてから第2マスカ音に順応するまでの所要時間T1と、共有領域に入場してから個別領域に入場するまでの所要時間T2との間に、T1<T2の関係がある場合には、個別領域への入場が検知されたとき即時に第1マスカ音を放音させるようにしてもよい。
(12)上記実施形態において、第1マスカ音の発生が開始される前に、第2マスカ音の音量を小さい音量(例えば暗騒音より僅かに大きな音量)から第1マスカ音の喧騒感や不快感を軽減するのに十分な音量まで段階的に上昇させてもよい。この場合、第2マスカ音の発生開始時点における第2マスカ音の暗騒音からのレベル変化を小さくすることができ、また、第2マスカ音の発生開始後における音量の変化幅を小さくすることができるので、第2マスカ音の発生の発生開始および音量変化が聴者に与える不快感を軽減することができる。
10…サウンドマスキング装置、15…バッファ、14…制御部、16…発音制御部、17…D/A変換部、20…CPU、21…RAM、21…ROM、31…第2マスカ音制御部、32…第2マスカ音出力部、33…第1マスカ音制御部、34…第1マスカ音出力部、35…加算部、100…部屋、110…センサ、130…スピーカ。

Claims (6)

  1. ターゲット音の聴き取りを妨害する第1マスカ音が聴覚に与える影響を緩和する第2マスカ音を発生する第2マスカ音発生手段を具備し、前記第1マスカ音の発生に先行して前記第2マスカ音発生手段による第2マスカ音の発生を行わせることを特徴とするマスカ音緩和装置。
  2. 前記第2マスカ音発生手段は、前記第2マスカ音として前記第1マスカ音と異なるスペクトルエンベロープを有する音に対して、前記第1マスカ音と類似したスペクトルエンベロープを有する音を継続的にまたは断続的に混合した音を発生することを特徴とする請求項1に記載のマスカ音緩和装置。
  3. 前記第2マスカ音発生手段は、前記第2マスカ音として前記第第1マスカ音と類似しないスペクトルエンベロープを有する音を発生することを特徴とする請求項1に記載のマスカ音緩和装置。
  4. 前記第2マスカ音発生手段は、前記第2マスカ音として前記第1マスカ音によりマスキングされない音量の断続的なピークを有する音を発生することを特徴とする請求項1に記載のマスカ音緩和装置。
  5. ターゲット音の聴き取りを妨害する第1マスカ音を発生する第1マスカ音発生手段と、
    請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載のマスカ音緩和装置と
    を具備することを特徴とするサウンドマスキング装置。
  6. コンピュータを、
    ターゲット音の聴き取りを妨害する第1マスカ音が聴覚に与える影響を緩和する第2マスカ音を発生する第2マスカ音発生手段と、
    前記第1マスカ音の発生に先行して前記第2マスカ音発生手段による第2マスカ音の発生を行わせる手段と
    して機能させるプログラム。
JP2010014721A 2010-01-26 2010-01-26 サウンドマスキングを行うための装置およびプログラム Expired - Fee Related JP5682115B2 (ja)

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