JP2011153954A - 温度センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋳造品を成形する金型2の被測定部位3の温度を測定する温度センサ1は、金型2に取り付けられる取付部11を有するボディ10と、被測定部位3の温度を測定する測温部31aを有すると共に、ボディ10の内部に形成された収納空間14と金型2とに渡って延びて配置されるシース31と、収納空間14内でシース31と接続されると共に、収納空間14からボディ10の外部に延びているリード線32と、ボディ10と非接触状態で収納空間14内に配置されると共に、シース31とリード線32との接続部34を収納する収納体33と、収納空間14内に配置されると共に、シース31を押圧して測温部31aを被測定部位3に当接させるスプリング35とを備える。
【選択図】図1
Description
さらに、測定子を被測定部位に当接させるために付勢部材により測定子を押圧するには、付勢部材がその付勢力を作用させる部材を測定子に取り付ける必要があるので、部品点数が増加して、温度センサのコストを増加させる原因になる。
そして、本発明は、さらに、測定子とリード線との接続部を収納する収納体を介して測定子を押圧することにより、温度センサのコスト削減を図ることを目的とする。
これによれば、接続部を収納する収納体を利用して、付勢部材の付勢力を該収納体に作用させることにより、付勢部材が測定子を押圧する。この結果、付勢部材の付勢力を測定子に作用させるための専用の部材が不要になるので、温度センサの部品点数の削減によるコスト削減が可能になり、また温度センサを小型化できる。
これによれば、収納体がボディに接近する方向に移動したとき、収納体に保持された付勢部材が収納体よりも先にボディに接触することにより、収納体がボディに接近する動きを抑制できるので、ボディに対して収納体を非接触状態に維持するための安定性が向上する。
これによれば、放熱面積増加手段により、取付部を通じての伝熱や放射熱により収納空間を形成するボディへの伝熱量が低減する。この結果、ボディおよび収納空間の温度上昇が抑制されるので、収納体および接続部の過熱を防止できる。
これによれば、取付部に近い溝ほど溝径が大きいので、取付部を測定対象物に螺合させるためにボディを回動させるときの捩り剛性を高めることができて、測定対象物に着脱される温度センサの耐久性が向上する。
これによれば、外側部分の長さが内側部分の長さよりも短いので、付勢部材に押圧されている測定子に曲折が発生しにくくなり、測定子の耐久性が向上する。
これによれば、金型の温度を測定する温度センサにおいて、請求項1〜7のいずれか1項記載の発明の効果が奏される。
本発明によれば、さらに、測定子とリード線との接続部を収納する収納体を介して測定子を押圧することにより、温度センサのコスト削減が可能になる。
図1を参照すると、本発明の実施形態である温度センサ1は、機械である内燃機関の構成部品を、成形品である鋳造品として、成形加工としての鋳造により成形する鋳型である金型2に取り付けられる。
前記構成部品は、成形材料としての金属、ここでは軽金属(例えば、アルミニウム合金)から形成されるシリンダヘッドであり、金属加工としての鋳造、たとえば低圧鋳造により成形される。
熱絶縁材料よりも熱伝導率が大きい材料、例えば金属から形成される単一の部材であるボディ10は、直線である中心軸線Lbを有する軸状または柱状の部材であり、小径部から構成される取付部11のほかに、取付部11の外径よりも大きな外径の大径部から構成される本体部12を有する。本体部12は、ボディ10が金型2に取り付けられた状態で周囲空間8に露出している。
これにより、ボディ10における前記締付用工具の係合位置の自由度が大きくなり、取付部11の周辺に配置される部材による前記締付用工具の操作に対する制約が小さくなって、温度センサ1の取付性が向上する。なお、別の例として、本体部12の一部が工具用係合部であってもよい。
そして、取付部11が被取付部4の雌ネジ部に螺合することで、ボディ10が金型2に着脱可能に取り付けられる。被取付部4にボディ10が取り付けられた状態で、取付孔5aおよび挿入孔5bは、中心軸線Lb上に位置し、そして挿入孔5bは後記挿通空間13の延長上にその全体が位置し、さらに取付孔5aおよび挿入孔5bの中心線が中心軸線Lbに一致する。
挿通空間13は、取付部11および本体部12に渡って軸線方向に平行に延びていて、その一端部でボディ10における軸線方向での両端面11e,12eのうちの取付部側端面11eに開口し、他端部で収納空間14に開口する。挿通空間13の径はシース31の外径の2倍未満である。
孔16は、本体部12において軸線方向に平行に延びていて、その一端部で挿通空間13に連なり、他端部で本体部側端面12eに開口する。
また、溝群20において、溝の深さは、軸線方向で取付部11に近い溝ほど浅くなり、溝21が最も浅く、溝24が最も深い。そして、各溝21〜24の底面21a〜24aの径である溝径dまたは中心軸線Lbからの最小距離は、軸線方向で取付部11に近い溝ほど大きくなり、溝21が最も大きく、溝24が最も小さい。各底面21a〜24aは、中心軸線Lbを中心とする円柱面である。さらに、溝幅Aは、軸線方向で取付部11い近いほど小さくなり、溝21が最も狭く、溝24が最も広い。
保持部材36は、収納空間14を構成する孔16の端部16bにおいて、リード線32が貫通する部分を除いて、少なくとも収納空間14を部分的に塞ぐ蓋部材でもある。
シース31の先端部は、被測定部位3と当接して該被測定部位3の温度を測定する測温部31aを構成し、収納体33に固定されて保持される基端部は、収納体33の内部においてリード線32と接続される接続部34を構成する。したがって、温度センサ1は、熱電対を使用した温度センサである。
具体的には、スプリング35の最大外径は、収納体33と本体部12との接触を防止すべく、収納体33の外径よりも大きく設定される。そのために、最大外径は、例えば、スプリング35と収納空間14の周壁12cとの間に径方向(または収納体33が周壁12cに近づく方向)での所定間隔が形成されるように、例えば収納空間14の径よりも僅かに小さく設定される。そして、該所定間隔は、収納体33が径方向に移動して周壁12cに接触しようとする動きが発生したとき、収納体33に保持されたスプリング35が先に周壁12cに当接することで、収納体33が本体部12に接触することが防止される大きさに設定される。これにより、収納体33が本体部12に接触することを防止することができて、本体部12に対する収納体33の非接触状態が維持される。
導出空間36eの径は、径方向でのリード線32の移動を規制して、リード線32が径方向に移動するときの移動量を極力小するために、リード線32の外径よりも僅かに大きく設定され、例えばリード線32の外径の2倍未満に設定される。
先ず、本体部12に係合させた工具により、取付部11を被取付部4に螺合させることで、温度センサ1においてボディ10のみが金型2に取り付けられる。次いで、ユニット化されたセンサ部30が、孔16の端部16bから、シース31、収納体33、スプリング35および保持部材36の順で収納空間14に挿入される。このセンサ部30の挿入過程で、直線状の形状にされているシース31が、収納空間14から挿通空間13に該挿通空間13の周壁に案内されつつ挿入され、さらに挿通空間13から金型2の挿入孔5bに該挿入孔5bの周壁に案内されつつ挿入される。
そして、保持部材36が、工具により本体部12の端部に螺合されて、ボディ10に対するセンサ部30の装着が完了して、金型2への温度センサ1の取付が完了する。
この状態で、シース31は、収納体33を介してスプリング35により押圧されて、測温部31aが被測定部位3に当接して、金型2の温度測定が可能になる。
溶湯から鋳造品を成形する金型2の被測定部位3の温度を測定する温度センサ1は、金型2に取り付けられる取付部11を有すると共に周囲空間8に配置されるボディ10と、被測定部位3の温度を測定する測温部31aを有すると共に、ボディ10の内部に形成された収納空間14と金型2とに渡って延びて配置されるシース31と、収納空間14内でシース31と接続されると共に、収納空間14からボディ10の外部に延びているリード線32と、ボディ10と非接触状態で収納空間14内に配置されると共に、シース31とリード線32との接続部34を収納する収納体33と、収納空間14内に配置されると共に、シース31を押圧して測温部31aを被測定部位3に当接させるスプリング35とを備える。
この構造により、シース31とリード線32との接続部34を収納する収納体33は、ボディ10の内部の収納空間14内に配置され、しかもボディ10に対して接触しない状態で配置されるので、ボディ10から収納体33への接触による伝熱が防止されるので、金型2からの伝熱(熱放射も含む。)による接続部34の加熱が抑制される。このため、接続部34および収納体33を金型2に近づけて配置して、シース31の長さを短くした場合にも、接続部34の過熱を防止できるので、接続部34が過熱状態になることに起因する測温精度の低下を防止できる。この結果、接続部34の過熱を防止しながら、シース31の長さを短くできるので、温度センサ1の小型化が可能になり、さらにシース31を屈曲しにくくすることができて、シース31の耐久性の向上が可能になる。
また、溝の深さは、取付部11から収納空間14に近づくほど深くなるので、その分、放熱面積が増加して、放熱量が増加する。この結果、ボディ10および収納空間14の温度上昇が抑制されるので、収納体33および接続部34の過熱を防止できる。
ボディ10は、複数の部材が結合されて一体に構成されてもよい。
収納体33は、ボディ10と収納体33との間に介在する熱絶縁材料からなる部材に支持されて、ボディ10と非接触状態で収納空間14内に配置されてもよい。
溝群2を構成する溝は、環状溝の代わりに、軸線方向において平行または螺旋状に延びている軸方向溝であってもよく、さらに環状溝および軸方向溝の組合せであってもよい。
放熱部19を構成する放熱面積増加手段は、径方向で外方に突出する1以上のフィンであってもよく、また該フィンと溝との組合せであってもよい。
成形加工は、樹脂加工であり、成形型は、成形材料としての樹脂から成形品を成形する金型であってもよい。
溝群20を構成する複数の溝の深さは、取付部11に近づくほど深くなるように設けられてもよく、この場合には、取付部寄り部分12bにおいて、金型2に近いために比較的温度が高い部分での表面積が大きくなるので、放熱量を多くすることができる。また、この場合、前記締付用工具は、軸線方向で取付部11に最も近い溝と、取付部11の間で係合することが望ましい。
シース31は、外側部分31oが内側部分31iよりも長いものであってもよい。
シース31は、熱電対31b以外の測温素子(例えば、抵抗体)を収納したシースであってもよく、金属製の保護管を備えていないものであってもよい。
測定対象物は、金型2以外の鋳型であってもよく、樹脂加工で使用される金型であってもよい。また、測定対象物は、成形加工に使用されるもの以外の物であってもよく、さらにその温度が、成形加工で使用される成形型よりも低温または高温の物であってもよい。
成形品は、内燃機関以外の機械の構成部品であってもよい。
2 金型
3 被測定部位
8 周囲空間
10 ボディ
11 取付部
14 収納空間
19 放熱部
21〜24 溝
30 センサ部
31 シース
31a 測温部
32 リード線
33 収納体
34 接続部
35 スプリング
36 保持部材
A 溝幅
d 溝径
Claims (7)
- 測定対象物が置かれる周囲空間における雰囲気温度よりも高温の前記測定対象物における被測定部位の温度を測定する温度センサにおいて、
前記測定対象物に取り付けられる取付部を有すると共に、前記周囲空間に配置されるボディと、
前記被測定部位の温度を測定する測温部を有すると共に、前記ボディの内部に形成された収納空間と前記測定対象物とに渡って延びて配置される測定子と、
前記収納空間内で前記測定子と接続されると共に、前記収納空間から前記ボディの外部に延びているリード線と、
前記ボディと非接触状態で前記収納空間内に配置されると共に、前記測定子と前記リード線との接続部を収納する収納体と、
前記収納空間内に配置されると共に、前記測定子を押圧して前記測温部を前記被測定部位に当接させる付勢部材と、を備えることを特徴とする温度センサ。 - 前記付勢部材は、前記収納体に保持された前記測定子を、前記収納体を介して押圧することにより、前記測温部を前記被測定部位に当接させることを特徴とする請求項1記載の温度センサ。
- 前記収納体に保持される前記付勢部材は、前記収納体が前記ボディに接近する方向に移動したとき、前記収納体よりも先に前記付勢部材が前記ボディに接触する大きさであることを特徴とする請求項1または2記載の温度センサ。
- 前記ボディには、前記取付部と前記収納空間との間の外周面部分に、前記外周面部分の面積を増加させる放熱面積増加手段が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の温度センサ。
- 前記放熱面積増加手段は、複数の溝であり、
前記複数の溝の溝径は、前記取付部に近い溝ほど大きくなり、
前記取付部は、前記ボディを回動させることにより前記測定対象物に螺合することを特徴とする請求項4記載の温度センサ。 - 前記測定子は、前記ボディに収納される内側部分と、前記ボディの外部に露出する外側部分とに二分され、
前記ボディが前記測定対象物に取り付けられた状態で、前記外側部分の長さは前記内側部分の長さよりも短いことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の温度センサ。 - 前記測定対象物は、溶融した成形材料から成形品を成形する金型であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の温度センサ。
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