JP2006116741A - 成形機の温度検出装置 - Google Patents

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隆仁 塩入
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Abstract

【課題】 加熱筒等における本来制御したい内周面の温度(樹脂温度)を高精度かつ安定に制御するとともに、省エネルギ性にも寄与する。
【解決手段】 加熱筒2(又はノズル3)の外周面2fに加熱ヒータ4…を付設するとともに、外周面2fから内周面2iに向けて形成した所定深さのセンサ挿入穴5に筒状のセンサホルダ6を外周面2fから突出するように取付け、センサ挿入穴5及びセンサホルダ6に、先端に温度検出部7dsを有する温度センサ7を挿入してなる成形機Mの温度検出装置1を構成するに際して、センサホルダ6の少なくとも外周面6fを断熱部材8aにより覆うことにより、センサホルダ6を介した外部への放熱Fr…を断熱する断熱構造Aを設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、外周面に加熱ヒータを付設した加熱筒等の温度を検出する際に用いて好適な成形機の温度検出装置に関する。
従来、外周面に加熱ヒータを付設した加熱筒又はノズルにおける外周面から内周面に向けて所定深さのセンサ挿入穴を形成するとともに、このセンサ挿入穴に筒状のセンサホルダを外周面から突出するように取付け、センサ挿入穴及びセンサホルダに、先端に温度検出部を有する温度センサを挿入して構成した成形機の温度検出装置としては、特開平11−105106号公報で開示される加熱シリンダにおける熱電対取付け部の構造が知られている。
同公報で開示される熱電対取付け部の構造(温度検出装置)は、加熱シリンダの測温部位に外壁面から内壁面に向けて逐次穿孔された取付け穴及びこの取付け穴よりも小径の熱電対挿入穴(センサ挿入穴)と、取付け穴に一端側が固着された筒状の熱電対受け部材(センサホルダ)と、この熱電対受け部材の他端側に取付け具を介して固着されたコイルスプリングと、熱電対挿入穴に熱電対先端部が密着状態で挿入されるとともに、熱電対受け部材及び取付け具を通して他端側がコイルスプリングを貫通するシース型熱電対(温度センサ)を備え、コイルスプリングの適宜部位が取付け具との間に引張り力を付与した状態でスプリング固定具によりシース型熱電対に固定されており、かつ熱電対受け部位とシース型熱電対との間には断熱部材が介在されるとともに、熱電対受け部材の他端側と取付け具間に介在されたシール部材により熱電対受け部材の他端側と熱電対挿入穴の底面との間が密封されているものである。
特開平11−105106号
しかし、上述した従来の温度検出装置(熱電対取付け部の構造)は、次のような問題点があった。
第一に、熱電対受け部位(センサホルダ)とシース型熱電対(温度センサ)の間に断熱部材を介在させることにより、バンドヒータ等の加熱手段からの熱流が、直接シース型熱電対へ廻り込んでくることが無いようにし、熱電対先端部の周辺部における温度変化を正確に検出することを図っているが、この構造の場合、熱電対に対する断熱は図れるものの、熱電対受け部位における熱流に関しては、何ら考慮されないため、熱電対先端部から離れた位置の温度、即ち、本来検出を行いたい加熱シリンダの内壁面の温度を正確に検出することができない。
第二に、断熱部材は、熱電対先端部の周辺部における温度変化を正確に検出することを目的とし、これ以外の目的に関しては何ら考慮されていないため、例えば、省エネルギ性等の観点からは不十分となる。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した成形機の温度検出装置の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、加熱筒2(又はノズル3)の外周面2fに加熱ヒータ4…を付設するとともに、外周面2fから内周面2iに向けて形成した所定深さのセンサ挿入穴5に筒状のセンサホルダ6を外周面2fから突出するように取付け、センサ挿入穴5及びセンサホルダ6に、先端に温度検出部7dsを有する温度センサ7を挿入してなる成形機Mの温度検出装置1を構成するに際して、センサホルダ6の少なくとも外周面6fを断熱部材8aにより覆うことにより、センサホルダ6を介した外部への放熱Fr…を断熱する断熱構造Aを設けたことを特徴とする。
これにより、センサホルダ6を介した外部への放熱Fr…が有効に断熱される。ところで、断熱構造Aを採用しない場合であっても、センサホルダ6自身の放熱面積は、加熱筒2(又はノズル3)全体から見た場合、僅かであり、絶対的な放熱量(損失)の存在自体は無視できる。しかし、加熱筒2の軸方向位置における径方向の温度勾配に着目した場合、温度センサ7を取付けた位置では局部的に温度勾配が発生するが、この位置よりも軸方向へ僅かに離れた位置では温度勾配がほとんど無くなる。したがって、温度制御に着目した場合、本来検出を行いたい温度は、加熱筒2の内周面2iの温度(樹脂温度)、即ち、温度勾配の端部の温度であるが、実際に検出する温度は、温度勾配の中間部の温度となり、センサホルダ6からの放熱量に基づく径方向における温度勾配の発生は、たとえ僅かであっても、高精度の温度制御を実現する上では無視できない存在となる。本発明は、加熱筒2の軸方向において局部的に発生する径方向における温度勾配の存在に着目し、その有効な対策を図ったものである。
この場合、発明の好適な態様により、断熱構造Aには、センサホルダ6の外周面6f及び端面6sを覆う断熱部材8bを用いることができる。また、断熱構造Aには、センサホルダ6の周囲であって加熱ヒータ4…が存在しない加熱筒2(又はノズル3)の外周面2fを覆う断熱部材8cを用いることができる。さらに、断熱部材8a…の外面は、耐熱性を有する保護部材9a…により覆うことができる。なお、温度センサ7には、熱電対7sを用いることができる。
このような構成を有する本発明に係る成形機Mの温度検出装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 断熱構造Aにより、センサホルダ6を介した外部への放熱Fr…を有効に断熱できるため、温度センサ7を取付けた位置における加熱筒2の径方向の温度勾配がほとんど無くなり、加熱筒2(又はノズル3)における本来制御したい内周面2iの温度(樹脂温度)を高精度かつ安定に制御することができる。
(2) センサホルダ6を介した外部への放熱Fr…を有効に断熱できることから、無用なエネルギ損失が低減され、省エネルギ性にも寄与できるという副次的効果を得ることができる。
(3) 好適な態様により、断熱構造Aに、センサホルダ6の外周面6f及び端面6sを覆う断熱部材8bを用いれば、センサホルダ6に対して更なる放熱Fr…の断熱を図ることができ、より高精度かつ安定した温度制御を実現できる。
(4) 好適な態様により、断熱構造Aに、センサホルダ6の周囲であって加熱ヒータ4…が存在しない加熱筒2(又はノズル3)の外周面2fを覆う断熱部材8cを用いれば、温度センサ7を取付けた位置における径方向の温度勾配を、より確実かつ有効に無くすことができるため、より高精度かつ安定した温度制御を実現できる。
(5) 好適な態様により、断熱部材8a…の外面を、耐熱性を有する保護部材9a…により覆うようにすれば、断熱部材8a…の見掛上の厚さを薄くでき、無用な大型化を回避できるとともに、組付性の向上及び断熱性の向上にも寄与できる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る温度検出装置1を備える射出成形機(成形機)Mの概要について、図2を参照して説明する。
図2は、インラインスクリュ式射出成形機Mの射出装置Miの一部を示す。射出装置Miは、加熱筒2を備え、この加熱筒2の先端には射出ノズル(ノズル)3を有するとともに、後部には不図示のホッパを備える。また、加熱筒2の内部には、不図示の回転駆動部及び進退駆動部により回転制御及び進退制御されるスクリュ11が挿通する。一方、射出ノズル3の外周面には、この射出ノズル3を加熱する加熱ヒータ12を付設するとともに、加熱筒2の外周面2fには、この加熱筒2を加熱する加熱ヒータ4…を付設する。図2は、加熱筒2の前部(メータリングゾーン)に配した加熱ヒータ4…を示すが、加熱筒2の中間部及び後部にも同様の加熱ヒータ4…が付設されている。そして、加熱筒2の前部には、本実施形態に係る温度検出装置1を取付ける。射出成形機Mは、各種制御を司るとともに、加熱筒2に対する温度制御を行うコントローラ15を備える。したがって、コントローラ15の入力側には、温度検出装置1を接続するとともに、ヒータドライバを含むコントローラ15の出力側には、加熱ヒータ4…を接続する。なお、16は設定温度等を設定する設定部を示す。
次に、本実施形態に係る温度検出装置1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
まず、加熱筒2の外周面2fから内周面2iに向けて所定深さのセンサ挿入穴5を形成する。加熱筒2における外周面2fと内周面2i間は、一定の肉厚を有しているため、この肉厚の中間位置までセンサ挿入穴5を形成する。また、センサ挿入穴5を形成する外周面2fの位置は、加熱ヒータ4…が存在しない軸方向前後に配した加熱ヒータ4と4の相互間或いは加熱ヒータ4自身の中間部に設けた開口部等を利用する。センサ挿入穴5は、内周面2i寄りに設けることにより後述する熱電対7s(温度センサ7)がフィットする状態で挿入可能な内径を有するセンサ挿入部5sと、外周面2f寄りに設けることによりセンサ挿入部5sよりも大径に形成するホルダ取付孔部5cからなり、ホルダ取付孔部5cの内周面には雌ネジを形成する。
一方、7は温度センサであり、熱電対7sを用いる。熱電対7sは、全体を丸棒状に形成したケーシング21の内部に収容されており、先端が温度検出部7dsとなる。ケーシング21の外周面の所定位置には、径方向外方に突出した鍔状のストッパ22を一体形成するとともに、ケーシング21の後端開口からは、接続線23…を導出する。
また、6はセンサホルダであり、筒状のホルダ本体部6mと、このホルダ本体部6mの端部(他端部)に装着するキャップ部6cを備える。ホルダ本体部6mは、一端部に、ホルダ取付孔部5cに取付ける比較的小径に形成した加熱筒取付部31を一体に設ける。この場合、加熱筒取付部31の内周面の径は、センサ挿入部5sの内径に一致させるとともに、加熱筒取付部31の外周面には、ホルダ取付孔部5cの内周面に設けた雌ネジに螺着する雄ネジを形成する。ホルダ本体部6mは、内部にコイルスプリング41を収容可能に形成するとともに、ホルダ本体部6mの他端側の外周面には、キャップ部6cを着脱するための左右一対の係止ピン部6mp…を一体に設ける。他方、キャップ部6cは、ホルダ本体部6mの他端部に着脱する筒状に形成した着脱部32と、この着脱部32の一端を閉塞するキャップ本体部33を一体に形成する。この場合、キャップ本体部33は、中心に熱電対7sが挿通する挿通孔33hを有するとともに、着脱部32には、前記係止ピン部6mp…が係合して係止する逆J形に形成した左右一対の係止スリット部32s…を設ける。
さらに、42は、熱電対固定部材であり、熱電対7sが挿通する挿通孔42hを有する筒状に形成し、外周面から内周面に貫通形成したネジ孔には、固定ネジ43を螺合して取付ける。
これにより、温度検出装置1の組立を行う際には、まず、加熱筒2のホルダ取付孔部5cに、ホルダ本体部6mの加熱筒取付部31を螺着する。そして、ホルダ本体部6mの外周面6fの全面に、シート状の断熱部材8aを装着するとともに、さらに、巻回した断熱部材8aの外周面に、耐熱性を有するシート状の保護部材9aを装着して断熱部材8aを覆う。よって、センサホルダ6を介した外部への放熱Fr…を断熱する断熱構造Aを構成できる。このように、保護部材9aを用いて断熱部材8aを覆うようにすれば、断熱部材8aの見掛上の厚さを薄くでき、無用な大型化を回避できるとともに、組付性の向上及び断熱性の向上にも寄与できる。
この場合、断熱部材8aとしては、例えば、断熱素材であるバルクファイバに少量の有機バインダを加え、抄造機により紙状に形成したものが望ましい。このような断熱部材8aは、柔軟性に富み、折り曲げが容易であるため、ホルダ本体部6mの外周面6fに、必要な厚さになるまで巻付けて使用することができる。一方、保護部材9aとしては、例えば、フッ素樹脂を含む熱収縮チューブを用いることができる。なお、ホルダ本体部6mの外周面には、左右一対の係止ピン部6mp…が突出しているため、断熱部材8a及び保護部材9aを装着する際には、断熱部材8a及び保護部材9aに、係止ピン部6mp…が貫通可能な切込み等を設け、これにより、係止ピン部6mp…を逃がせばよい。
次いで、熱電対7sを、ホルダ本体部6mの内部を通してセンサ挿入穴5に挿入する。また、熱電対7sには、後端側からコイルスプリング41,キャップ部6c及び熱電対固定部材42を順次挿通させる。即ち、熱電対7sの後端側を、コイルスプリング41の内部に通した後、キャップ部6cの挿通孔33hに通し、さらに、熱電対固定部材42の挿通孔42hに通せばよい。そして、キャップ部6cを、ホルダ本体部6mの他端部に装着する。この場合、各係止ピン部6mp…をそれぞれ対応する各係止スリット部32s,32sに沿って係合させ、スリット端で係止させる。これにより、キャップ部6cは、ホルダ本体部6mの他端部に装着されるため、コイルスプリング41は、一端がキャップ部6cのキャップ本体部33に当接するとともに、他端は熱電対7sに設けたストッパ22に当接する。この結果、ストッパ22は、圧縮状態となったコイルスプリング41により付勢され、熱電対7sの温度検出部7dsは、センサ挿入穴5の端部に圧接する。
また、この状態で熱電対固定部材42をキャップ部6cの上面に当て、固定ネジ43を締め付けることにより、熱電対固定部材42を熱電対7s(ケーシング21)に固定する。これにより、図1及び図2に示すような温度検出装置1を組立てることができるとともに、同時に、温度検出装置1を加熱筒2に組付けることができる。
次に、本実施形態に係る温度検出装置1の動作(作用)について、図1〜図5を参照して説明する。
温度検出装置1は、基本動作として、熱電対7sの先端における温度検出部7dsにより、加熱筒2の外周面2fと内周面2i間の径方向中間部の温度を検出することができる。検出した温度(検出温度)は、コントローラ15に付与され、設定部16により設定された温度(設定温度)と比較され、検出温度が設定温度に一致するように加熱ヒータ4…が通電制御、即ち、検出温度に対するフィードバック制御が行われる。
ところで、本実施形態に係る温度検出装置1では、断熱構造Aを採用したため、図3に示すように、断熱構造Aを採用しない場合に発生するセンサホルダ6を介した外部への放熱Fr…が有効に断熱される。この結果、熱電対7sを取付けた位置における径方向における温度勾配がほとんど無くなり、加熱筒2における本来制御したい内周面2iの温度(樹脂温度)を高精度かつ安定に制御することができる。以下、この理由について、図3を参照して説明する。
まず、センサホルダ6自身の放熱面積は、加熱筒2全体から見た場合、僅かであるため、断熱構造Aを採用しない場合であっても、絶対的な放熱量(損失)の存在自体は無視できる。しかし、加熱筒2の径方向の温度勾配に着目した場合、センサホルダ6を取付けた位置では、図3に矢印Fr…で示すように、局部的に、このセンサホルダ6を介した外部への放熱が発生するため、熱電対7sを取付けた軸方向の位置Xsでは、図3中、Usで示す温度勾配が発生する。例示の場合、熱電対7s(温度検出部7ds)による検出位置の温度は、概ね200〔℃〕であるが、加熱筒2の外周位置の温度は、概ね198〔℃〕となり、また、加熱筒2の内周位置の温度は概ね202〔℃〕となる。これに対して、放熱Fr…が発生するセンサホルダ6の位置Xsよりも軸方向へ僅かに離れた位置Xrでは、矢印Fh…で示す加熱ヒータ4…による加熱により放熱Fr…の影響がほとんど無くなるため、図3中、Urで示すように、温度勾配はほとんど無くなる。
したがって、温度制御に着目した場合、熱電対7sにより本来検出を行いたい温度は、加熱筒2の内周面2iの温度(樹脂温度)、即ち、温度勾配の端部の温度であるが、実際に検出する温度は、温度勾配の中間部の温度となるため、センサホルダ6からの放熱量に基づく径方向における温度勾配の発生は、たとえ僅かであっても、高精度の温度制御を実現する上では無視できない存在となる。
本実施形態に係る温度検出装置1では、断熱構造Aの採用、即ち、センサホルダ6(ホルダ本体部6m)における外周面6fの全面を断熱部材8a及び保護部材9aにより覆うため、センサホルダ6を介した外部への放熱Fr…が有効に断熱される。そして、熱電対7sを取付けた位置Xsにおける径方向の温度勾配は、図3中、Usrのように、位置XrにおけるUrとほぼ一致し、温度勾配はほとんど無くなる。これにより、加熱筒2における本来制御したい内周面2iの温度(樹脂温度)を高精度かつ安定に制御することができる。しかも、副次的効果として、センサホルダ6を介した外部への放熱Fr…が有効に断熱されるため、無用なエネルギ損失が低減され、省エネルギ性にも寄与できる。
なお、図4には、熱電対7sを取付けた加熱筒2の位置Xs(図3)における径方向の実際の温度分布(温度勾配)を測定した実験データを示す。図4中、Useは、センサホルダ6に対して、断熱構造Aを設ける前の温度分布を示すとともに、Usreは、センサホルダ6に対して、断熱構造Aを設けた後の温度分布を示している。同図から明らかなように、断熱構造Aを設けない場合には、センサホルダ6を介した放熱による温度低下が明確に発生する。
また、図5には、断熱構造Aを設けた場合の効果を確認するための実験データを示す。同図は、まず、断熱構造Aを設けない状態で加熱筒2に対する加熱を行い、そのときのセンサホルダ6の温度Tnを検出するとともに、途中、Xc時点でセンサホルダ6に対して断熱構造Aを付設し、そのときのセンサホルダ6の温度Tiを検出したものである。なお、Tdは熱電対7sによる検出温度を示す。同図から明らかなように、断熱構造Aを設けることにより、センサホルダ6による放熱が断熱され、センサホルダ6の温度Tiが上昇するとともに、安定化させることができる。
実験においては、210〔℃〕,230〔℃〕,250〔℃〕の設定温度に対して、断熱構造Aを設けない場合の実際の樹脂温度は、214.5〔℃〕,232.8〔℃〕,250.3〔℃〕であるのに対して、断熱構造Aを設けた場合の実際の樹脂温度は、214.3〔℃〕,232.5〔℃〕,250.2〔℃〕であった。したがって、断熱構造Aを設けた場合の樹脂温度は、断熱構造Aを設けない場合の樹脂温度よりも0.1〜0.3〔℃〕程度設定温度に近付くことが確認できた。また、断熱構造Aを設けた場合の樹脂温度の方がより安定することを確認できた。
他方、図6及び図7には、変更実施形態に係る温度検出装置1を示す。図6は、断熱構造Aとして、センサホルダ6の外周面6f及び端面6sを覆う断熱部材8bを用いたものである。図1の実施形態では、センサホルダ6(ホルダ本体部6m)の外周面6fにのみ断熱部材8aを付設する場合を示したが、図6の変更実施形態では、センサホルダ6の外周面6fのみならず端面6sを含めて断熱部材8bにより覆うようにしたものである。これにより、センサホルダ6に対して更なる放熱Fr…の断熱を図ることができ、より高精度かつ安定した温度制御を実現できる。なお、図6において、図1と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
図7は、断熱構造Aとして、図6の変更実施形態に加え、センサホルダ6の周囲であって加熱ヒータ4…が存在しない加熱筒2の外周面2fを覆う断熱部材8cを付設したものである。この場合、断熱部材8cは、中心に、センサホルダ6が貫通する円孔8chを有するドーナツ盤状に形成する。また、この断熱部材8cと同一形状に形成した剛性を有する押板51を用意する。この押板51は、センサホルダ6が貫通する円孔51hを有し、かつ加熱筒2の外周面2fの湾曲に沿うように湾曲形成する。そして、組付時には、図7に示すように、センサホルダ6を加熱筒2に取付けた後、断熱部材8c及び押板51をセンサホルダ6の周囲における外周面2fを覆うように付設し、この後、断熱部材8bを付設する。これにより、断熱部材8c及び押板51は、断熱部材8bにより固定される。なお、押板51は、前述した保護部材9aと同様の機能を有し、この保護部材9aを兼用する。よって、図7に示す温度検出装置1は、温度センサ7を取付けた位置における温度勾配を、より確実かつ有効に無くすことができるため、より高精度かつ安定した温度制御を実現できる。なお、図7において、図6と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
以上、最良の実施形態(変更実施形態)について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,手法,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除できる。
例えば、温度検出装置1は、加熱筒2の前部に適用した場合を示したが、加熱筒2の中間部及び後部にも同様に適用できるとともに、射出ノズル3にも同様に適用できる。また、温度センサ7として熱電対7sを例示したが、熱電対7s以外の温度センサ7にも同様に適用できる。さらに、射出成形機Mを例示したが、押出成形機等の他のタイプの成形機にも同様に適用できる。他方、図6及び図7に示した変更実施形態の断熱部材8b…に対しても、図1に示した実施形態と同様の保護部材9a…を付設することができる。
本発明の最良の実施形態に係る温度検出装置を示す一部正面図を含む側面断面図、 同温度検出装置を備える射出成形機の一部を示す断面側面図、 同温度検出装置の作用説明図、 同温度検出装置の作用を説明するための加熱筒の中心からの距離対加熱筒温度特性図、 同温度検出装置の作用を説明するための時間対検出温度特性図、 本発明の変更実施形態に係る温度検出装置を示す模式的構成図、 本発明の他の変更実施形態に係る温度検出装置を示す一部平面図を含む模式的構成図、
符号の説明
1 温度検出装置
2 加熱筒
2f 加熱筒の外周面
2i 加熱筒の内周面
3 ノズル(射出ノズル)
4… 加熱ヒータ
5 センサ挿入穴
6 センサホルダ
6f センサホルダの外周面
6s センサホルダの端面
7 温度センサ
7s 熱電対
7ds 温度検出部
8a 断熱部材
8b 断熱部材
8c 断熱部材
9a… 保護部材
Fr… 放熱
A 断熱構造
M 成形機(射出成形機)

Claims (5)

  1. 加熱筒又はノズルの外周面に加熱ヒータを付設するとともに、前記外周面から内周面に向けて形成した所定深さのセンサ挿入穴に筒状のセンサホルダを前記外周面から突出するように取付け、前記センサ挿入穴及び前記センサホルダに、先端に温度検出部を有する温度センサを挿入して構成した成形機の温度検出装置において、前記センサホルダの少なくとも外周面を断熱部材により覆うことにより、前記センサホルダを介した外部への放熱を断熱する断熱構造を設けたことを特徴とする成形機の温度検出装置。
  2. 前記断熱構造は、前記センサホルダの外周面及び端面を覆う断熱部材を有することを特徴とする請求項1記載の成形機の温度検出装置。
  3. 前記断熱構造は、前記センサホルダの周囲であって前記加熱ヒータが存在しない前記加熱筒又はノズルの外周面を覆う断熱部材を有することを特徴とする請求項1又は2記載の成形機の温度検出装置。
  4. 前記断熱部材の外面は、耐熱性を有する保護部材により覆うことを特徴とする請求項1,2又は3記載の成形機の温度検出装置。
  5. 前記温度センサは、熱電対であることを特徴とする請求項1記載の成形機の温度検出装置。
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