JP2011153654A - 鉄鋼圧延機用転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内輪10と外輪20との間に、複数の転動体30を転動自在に配設すると共に潤滑用のグリースGを封入してなる鉄鋼圧延機用転がり軸受100であって、前記グリースGは、鉱油および合成油の少なくとも1種からなる基油に、カルボン酸系防錆添加剤とカルボン酸塩系防錆添加剤とアミン系防錆剤との3種の防錆剤を配合し、グリース全量に対するそれら防錆剤の総添加量が0.2〜8質量%となるよう添加する。これによって、水が混入した場合であっても水から発生する水素を起因とした剥離および水より生じる腐食を効果的に抑制することができる。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明に係る鉄鋼圧延機用転がり軸受100の1つである圧延機用ロールネック軸受の実施の一形態を示したものである。
本発明の係るグリースGに使用可能な基油としては、特に限定されるものでなく、通常の潤滑油の基油として使用されている油であれば全て使用することが可能である。好ましくは、低温起動時の異音発生や、高温で油膜が形成され難いために起こる焼付きを避けるために、40℃における動粘度が10〜600mm2/s、より好ましくは70〜250mm2/s、さらに好ましくは100〜400mm2/sである基油が望ましい。
増ちょう剤はゲル構造を形成し、基油をゲル構造中に保持する能力があれば、特に制約はない。例えば、Li、Naなどからなる金属石けん、Li、Na、Ba、Caなどから選択される複合金属石けんなどの金属石けん類、ベントン、シリカゲル、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物などの非石けん類を適宜選択して使用できるが、グリースGの耐熱性を考慮するとNアルキル置換モノアミド酸のリチウム基と二塩基酸のリチウム塩、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物または、これらの混合物が好ましい。
カルボン酸系防錆剤としては、モノカルボン酸では、ラウリン酸、ステアリン酸などの直鎖脂肪酸、ナフテン核を有する飽和カルボン酸が挙げられ、ジカルボン酸では、コハク酸、アルキルコハク酸、アルキルコハク酸ハーフエステル、アルケニルコハク酸、アルケニルコハク酸ハーフエステル、コハク酸イミドなどのコハク酸誘導体、ヒドロキシ脂肪酸、メルカプト脂肪酸、ザルコシン誘導体、またはワックスやペトロラタムの酸化物などの酸化ワックスなどを挙げることができるが、なかでもコハク酸ハーフエステルが好適である。
カルボン酸塩系防錆剤としては、脂肪酸、ナフテン酸、アビエンチ酸、ラノリン脂肪酸、アルケニルコハク酸、アミノ酸誘導体などの金属塩などが挙げられる。また、金属元素としては、コバルト、マンガン、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、バリウム、リチウム、マグネシウム、銅などが挙げられるが、なかでもナフテン酸亜鉛が好適である。
アミン系防錆剤としては、アルコキシルフェニルアミン、脂肪酸のアミン塩、二塩基性カルボン酸の部分アミドなどを挙げることができるが、脂肪酸のアミン塩が好適である。
摩耗防止剤としては、ジチオカルバミン酸亜鉛やトリフェニルホスホロチオエートジアルキルジオカルバミン酸化合物、ジアルキルジチオリン酸化合物などの有機金属化合物及び硫黄−リン系からなる少なくとも1種を用いることができる。金属種にはSb、Bi、Sn、Fe、Cu、Mo、Znから選択できる。
本発明で用いるグリースGには、各種性能をさらに向上させるために、所望により種々の添加剤を混合しても良い。例えば、酸化防止剤、防錆剤、極圧剤、油性向上剤、金属不活性化剤などグリースGに一般に使用される添加剤を、単独または2種以上混合して用いることができる。
次に、本発明の実施例および比較例の耐水試験について説明する。
(実施例1)
以下の表1に示すように、鉱油からなる基油(動粘度200mm2/s)に増ちょう剤としてジウレア化合物を配合し、これに防錆剤として、ナフテン酸亜鉛(カルボン酸塩系防錆剤)と、コハク酸ハーフエステル(カルボン酸系防錆剤)と、脂肪酸のアミン塩(アミン系防錆剤)を4質量(mass)%の割合で添加した試験グリースを調整した。そして、この試験グリースを鉄鋼圧延機用転がり軸受に使用される円錐ころ軸受の1つである、NSK製円すいころ軸受「HR30205(内径:25mm、外径52mm、幅:16.25mm)」に封入すると共に水を1質量%封入し、90℃、ラジアル荷重98N、アキシアル荷重1470N、回転速度3500rpmにて100時間連続回転させて錆の発生(防錆試験)および剥離の発生(剥離試験)の有無を確認した。さらに、試験後軸受外輪に生成した酸化膜厚さをオージェ電子分光装置により測定し、比較例1の酸化膜厚さを1とした酸化膜厚比を算出し、比較した(酸化膜形成性試験)。この結果、表1の下欄に示したように、本発明に係る実施例1では錆や剥離が発生することなく、厚い酸化膜を形成して良好な特性を発揮した。
以下の表1に示すように、基油としてポリαオレフィン(動粘度160mm2/s)を用いると共に防錆剤の添加量を2質量(mass)%とし、さらに有機金属化合物(有機化合物塩)からなる摩耗防止剤としてジチオカルバミン酸亜鉛1質量(mass)%添加した他は、実施例1と同様な組成の試験グリースを調整した。そして、この試験グリースを実施例1と同様な軸受に封入し、同様な条件で防錆試験および剥離試験、酸化膜形成性試験を行った。この結果、表1の下欄に示したように、本発明に係る実施例2でも錆や剥離が発生することなく、厚い酸化膜を形成して良好な特性を発揮した。
以下の表1に示すように、基油としてポリオールエステル(動粘度120mm2/s)を用いると共に防錆剤の添加量を3質量(mass)%とし、さらに有機金属化合物(有機化合物塩)からなる摩耗防止剤としてジチオカルバミン酸亜鉛1質量(mass)%添加した他は、実施例1と同様な組成の試験グリースを調整した。そして、この試験グリースを実施例1と同様な軸受に封入し、同様な条件で防錆試験および剥離試験、酸化膜形成性試験を行った。この結果、表1の下欄に示したように、本発明に係る実施例3でも錆や剥離が発生することなく、厚い酸化膜を形成して良好な特性を発揮した。
以下の表1に示すように、増ちょう剤としてリチウム複合石けんを用いると共に防錆剤の添加量を1.5質量(mass)%とした他は、実施例1と同様な組成の試験グリースを調整した。そして、この試験グリースを実施例1と同様な軸受に封入し、同様な条件で防錆試験および剥離試験、酸化膜形成性試験を行った。この結果、表1の下欄に示したように、本発明に係る実施例4でも錆や剥離が発生することなく、厚い酸化膜を形成して良好な特性を発揮した。
以下の表1に示すように、動粘度400mm2/sの基油を用いると共に、防錆剤の添加量を4質量(mass)%とし、有機金属塩として1質量(mass)%のトリフェニルホスホロチオエートを用いた他は、実施例4と同様な組成の試験グリースを調整した。そして、この試験グリースを実施例1と同様な軸受に封入し、同様な条件で防錆試験および剥離試験、酸化膜形成性試験を行った。この結果、表1の下欄に示したように、本発明に係る実施例5でも錆や剥離が発生することなく、厚い酸化膜を形成して良好な特性を発揮した。
以下の表2に示すように、防錆剤としてバリウムスルフォン酸塩を2質量(mass)%添加とした他は、実施例1と同様な組成の試験グリースを調整し、この試験グリースを実施例1と同様な軸受に封入して同様な条件で防錆試験および剥離試験、酸化膜形成性試験を行った。この結果、表2の下欄に示したように防錆結果は良好であったが、剥離が発生し、酸化膜も薄かった。
以下の表2に示すように、基油としてポリ-α-オレフィン(動粘度80mm2/s)を用いると共に防錆剤を一切添加しない他は実施例2と同様な組成の試験グリースを調整し、この試験グリースを実施例1と同様な軸受に封入して同様な条件で防錆試験および剥離試験、酸化膜形成性試験を行った。この結果、表2の下欄に示したように剥離が発生することはなかったが、錆が発生し、酸化膜も薄かった。
以下の表2に示すように、防錆剤としてナフテン酸亜鉛(カルボン酸塩系防錆剤)と、コハク酸ハーフエステル(カルボン酸系防錆剤)のみを2質量(mass)%添加とした他は、実施例1と同様な組成の試験グリースを調整し、この試験グリースを実施例1と同様な軸受に封入して同様な条件で防錆試験および剥離試験、酸化膜形成性試験を行った。この結果、表2の下欄に示したように防錆結果は良好であったが、剥離が発生し、酸化膜も薄かった。
以下の表2に示すように、防錆剤としてナフテン酸亜鉛(カルボン酸塩系防錆剤)と、脂肪酸のアミン塩(アミン系防錆剤)のみを2質量(mass)%添加とした他は、実施例1と同様な組成の試験グリースを調整し、この試験グリースを実施例1と同様な軸受に封入して同様な条件で防錆試験および剥離試験、酸化膜形成性試験を行った。この結果、表2の下欄に示したように防錆結果は良好であったが、剥離が発生し、酸化膜も薄かった。
以下の表2に示すように、防錆剤を9質量(mass)%添加とした他は、実施例5と同様な組成の試験グリースを調整し、この試験グリースを実施例1と同様な軸受に封入して同様な条件で防錆試験および剥離試験、酸化膜形成性試験を行った。この結果、表2の下欄に示したように防錆結果は良好であったが、剥離が発生し,酸化膜も薄かった。
10a 複列内輪
20 外輪
20a 複列外輪
30 転動体
40、50 間座
60 環状シール部材
61 中間シール部材
70 保持器
G グリース
Claims (2)
- 内輪と外輪との間に、複数の転動体を転動自在に配設すると共に潤滑用のグリースを封入してなる鉄鋼圧延機用転がり軸受であって、前記グリースは、鉱油および合成油の少なくとも1種からなる基油に、カルボン酸系防錆剤とカルボン酸塩系防錆剤とアミン系防錆剤との3種の防錆剤を、グリース全量に対するそれら防錆剤の総添加量が0.2〜8質量%となるよう添加することを特徴とする鉄鋼圧延機用転がり軸受。
- 請求項1に記載の鉄鋼圧延機用転がり軸受において、前記グリースは、さらに有機金属化合物及び硫黄リン系の少なくとも1種からなる摩耗防止剤を含むことを特徴とする鉄鋼圧延機用転がり軸受。
Priority Applications (1)
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JP2010014889A JP2011153654A (ja) | 2010-01-27 | 2010-01-27 | 鉄鋼圧延機用転がり軸受 |
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Cited By (1)
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WO2014102988A1 (ja) * | 2012-12-27 | 2014-07-03 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受及びそれに用いられるグリース組成物 |
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2010
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