JP2008056840A - グリース組成物及び車両用ハブユニット軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】水による腐食及び水から発生する水素に起因する剥離を抑える効果に優れるグリース組成物、並びに前記グリース組成物を封入してなり、耐水性に優れる車両用ハブユニット軸受を提供する。
【解決手段】鉱油及び合成油の少なくとも一種からなる基油と増ちょう剤とを含み、かつ、グリース全量に対し、無機腐食抑制剤を0.1〜5質量%及び有機酸塩を0.01〜0.5質量%添加してなることを特徴とするグリース組成物、並びに前記グリース組成物を封入した車両用ハブユニット軸受。
【選択図】図1
【解決手段】鉱油及び合成油の少なくとも一種からなる基油と増ちょう剤とを含み、かつ、グリース全量に対し、無機腐食抑制剤を0.1〜5質量%及び有機酸塩を0.01〜0.5質量%添加してなることを特徴とするグリース組成物、並びに前記グリース組成物を封入した車両用ハブユニット軸受。
【選択図】図1
Description
本発明は、水と接触する環境で使用される軸受に封入される耐水性を有するグリース組成物に関する。また、本発明は、自動車や鉄道等に組み込まれる車両用ハブユニット軸受に関する。
自動車や鉄道車両等の車両用軸受として、例えば図1に示すような、シール付の密封タイプの所謂「ハブユニット軸受」が多用されている。図示されるハブユニット軸受において、内輪素子1と共に内輪相当部材を構成するハブ2の外端部(図中の左端部)外周面には、車輪(図示せず)を固定するための外向フランジ3が形成され、中間部外周面には内輪軌道4aと段部5とが形成されている。また、ハブ2の中間部内端寄り(図中の右寄り)外周面には、その外周面に同じく内輪軌道4bが形成された内輪素子1が、その外端面(図中の左端面)を段部5に突き当てた状態で外嵌支持されている。
また、ハブ2の内端寄り部分には、雄ねじ部6が形成されている。そして、この雄ねじ部6にナット7を螺合し、更に緊締することにより内輪素子1がハブ2の外周面の所定部分に固定される。ハブ2の周囲に配置した外輪8の中間部外周面には、この外輪8を懸架装置(図示せず)に固定するための、外向フランジ状の取付部9が設けられている。また、外輪8の内周面には、それぞれが各内輪軌道4a,4bに対向する外輪軌道10a,10bが形成されている。そして、内輪軌道4a,4bと一対の外輪軌道10a,10bとの間に、それぞれ複数個ずつの転動体11,11を設けて外輪8の内側でのハブ2の回転を自在としている。尚、これら各転動体11,11は、各列毎にそれぞれ保持器12,12により転動自在に保持されている。
また、外輪8の外端部(図中の左端部)内周面と、ハブ2の外周面との間には、ニトリル系ゴム組成物に代表される弾性材料からなるシールリング13が装着されており、このシールリング13により外輪8の内周面と、ハブ2及び内輪素子1の外周面との間に存在し、複数個の転動体11,11を設けた空間15の外端開口部28を塞いでいる。更に、外輪8の内端(図中の右端)開口部はカバー14で塞がれており、この内端開口部から空間15内への塵芥や雨水等の異物の侵入防止及びこの空間15内に充填したグリース(図示せず)の漏洩防止が図られている。
尚、自動車では、図示されるような複列玉軸受のユニット軸受が使用されるが、大型自動車では図1の転動体11として円すいころを用いた複列円すいころ軸受のユニット軸受が、また、鉄道車両では同様の円すいころ軸受のユニット軸受、あるいは転動体11として円筒ころを用いた複列円筒ころ軸受のユニット軸受が使用されることが多い。
一方、封入グリースは、ハブユニットが雨水や洗浄時の水と接触するため、耐水性を有することが要求されている。封入グリースに水分が混入すると、軸受寿命を大きく低下させることが知られており、例えば、古村らは、潤滑油(#180タービン油)に6%の水分が混入すると、混入しない場合に比べて転がり疲れ寿命が数分の1から20分の1にまで低下することを報告している(古村恭三郎、城田伸一、平川清:表面起点および内部起点の転がり疲れについて、NSK Bearing Journal、No.636、p.1-10、1977)。また、Schatzbergらは、潤滑油中に僅か100ppmの水分が混入するだけで鋼の転がり強さが32〜48%も低下することを報告している(P.Schtzberg、I.M.Felsen:Effects of water and oxygen during rolling contact lubrication、Wear 12、p.331-342、1968)。
このような寿命低下は、混入した水分から発生した水素が軸受材料に作用し、白色組織剥離と呼ばれる金属剥離を引き起こすことが考えられている。このような剥離を防ぐために、亜硝酸ナトリウム等の不動態酸化剤を添加したグリース(例えば、特許文献1参照)、有機アンチモン化合物や有機モリブデン化合物を添加したグリース(例えば、特許文献2参照)、粒径2μm以下の無機系化合物を添加したグリース(例えば、特許文献3参照)等のように、グリースを改良することが行われている。これらは、転がり接触部に添加剤に由来する被膜を生成して軸受材料への水素の浸入を防いでいるが、被膜が形成されるまでの間に振動や速度変化による転動体の滑りが起こると、転がり接触部で金属剥離が起こる場合がある。
グリースの改良以外の対策として、軸受材料にステンレス鋼を使用したり(例えば、特許文献4参照)、転動体をセラミックス製にすること(例えば、特許文献5参照)等が提案されているが、これら材料からなる軸受は一般に高価となる。
また、軸受鋼のような鉄は、水により容易に腐食(錆)が生じ、軸受から異音が発生するという問題がある。水の混入が考えられるハブユット軸受では、耐腐食性を有することも非常に重要であり、上記と同様の方法により耐腐食性を同時に付与することがなされているが、錆の発生を抑制する効果が十分に得られていない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、水による腐食及び水から発生する水素に起因する剥離を抑える効果に優れるグリース組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、このようなグリース組成物を封入してなり、耐水性に優れる車両用ハブユニット軸受を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下に示すグリース組成物及び車両用ハブユニット軸受を提供する。
(1)鉱油及び合成油の少なくとも一種からなる基油と増ちょう剤とを含み、かつ、グリース全量に対し、無機腐食抑制剤を0.1〜5質量%及び有機酸塩を0.01〜0.5質量%添加してなることを特徴とするグリース組成物。
(2)無機腐食抑制剤が亜硝酸塩、硝酸塩、クロム酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩及びタングステン酸塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)記載のグリース組成物。
(3)内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の転動体とを備え、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記転動体が配設された空隙部内に、上記(1)または(2)記載のグリース組成物を封入してなることを特徴とする車両用ハブユニット軸受。
(1)鉱油及び合成油の少なくとも一種からなる基油と増ちょう剤とを含み、かつ、グリース全量に対し、無機腐食抑制剤を0.1〜5質量%及び有機酸塩を0.01〜0.5質量%添加してなることを特徴とするグリース組成物。
(2)無機腐食抑制剤が亜硝酸塩、硝酸塩、クロム酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩及びタングステン酸塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)記載のグリース組成物。
(3)内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の転動体とを備え、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記転動体が配設された空隙部内に、上記(1)または(2)記載のグリース組成物を封入してなることを特徴とする車両用ハブユニット軸受。
本発明のグリース組成物は、無機腐食抑制剤と有機酸塩との相乗効果により、これまでより優れた耐水性が得られ、水による腐食及び水から発生する水素に起因する剥離をより抑制できる。従って、このような優れた耐水性を有するグリース組成物を封入してなる車両用ハブユニット軸受も耐水性により優れたものとなる。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
本発明のグリース組成物の基油には、鉱油及び合成油を用いる。鉱油は、減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を、適宜組み合わせて精製したものを用いることができる。
合成油としては、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。炭化水素系油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンコオリゴマー等のポリ−α−オレフィンまたはこれらの水素化物等が挙げられる。芳香族系油としては、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン、あるいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン等が挙げられる。エステル系油としては、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレート等のジエステル油、あるいはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油、更にはトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンベラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネート等のポリオールエステル油、更にはまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等が挙げられる。エーテル系油としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコール、あるいはモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油等が挙げられる。これらの潤滑油は、単独または混合物として用いることができる。
また、基油は、低温起動時の異音発生や、高温で油膜が形成され難いために起こる焼付きを避けるために、40℃における動粘度が10〜400mm2/sであることが好ましく、より好ましくは20〜250mm2/sであり、更に好ましくは40〜150mm2/sである。
増ちょう剤は、特に制限されず、有機系及び無機系の増ちょう剤を使用できる。好ましくは、リチウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム等を金属種とする金属石けんまたは金属複合石けん、ウレア化合物、ベントナイト、シリカ、カーボンブラック等を使用できる。中でも、金属複合石けん及びウレア化合物が好ましい。また、これら増ちょう剤は、混合して使用してもよい。
また、増ちょう剤の含有量は、上記基油とともにグリースを形成し維持できる範囲であれば制限はないが、グリース全量に対して5〜40質量%であることが好ましい。増ちょう剤の含有量が5質量%未満では、グリース状態を維持することが困難となり、40質量%を超えるとグリースが硬くなりすぎて潤滑状態を十分に発揮することが困難となり、何れも好ましくない。
グリース組成物には、無機腐食抑制剤及び機酸塩が添加される。
無機腐食抑制剤としては、亜硝酸塩、硝酸塩、クロム酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩またはタングステン酸塩が好ましく、それぞれのリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩がより好ましい。特に好ましくは、亜硝酸ナトリウム及びモリブデン酸ナトリウムである。これらは、それぞれ単独で使用でもよく、2種以上を併用してもよい。
無機腐食抑制剤の添加量は、グリース全量に対し0.1〜5質量%である。無機腐食抑制剤の添加量が0.1質量%未満では剥離を抑制するために十分な厚さの酸か防止被膜を形成することができず、5質量%を超えて添加しても酸化被膜の成形性の更なる向上が見られない。
また、有機酸塩を併用することにより、無機腐食抑制剤による酸化防止被膜の形成が促進される。有機酸塩には制限がなく、酢酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、牛脂肪酸、ステアリン酸、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、サビニン酸、リシノール酸等の1価脂肪酸、マロン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、セバシン酸、ブラシル酸、フマル酸、マレイン酸等の2価脂肪酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸等の各金属塩を好適に使用できる。中でも、セバシン酸ナトリウム及びコハク酸ナトリウムが好ましい。これらはそれぞれ単独で使用でもよく、2種以上を併用してもよい。
有機酸塩の添加量は、グリース全量に対し0.01〜0.5質量%である。有機酸塩の添加量が0.1質量%未満では無機腐食抑制剤による酸化防止被膜の形成性を向上させる効果が十分ではなく、0.5質量%を超えて添加してもこのような効果の更なる向上が見られない。
グリース組成物には、各種性能を更に向上させるために、所望によりその他の添加剤を添加してもよい。例えば、酸化防止剤、防錆剤、極圧剤、油性向上剤、金属不活性化剤等をそれぞれ単独で、あるいは2種以上を混合して添加することができる。
酸化防止剤は、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛等が挙げられるが、アミン系酸化防止剤及びフェノール系酸化防止剤が好適である。アミン系酸化防止剤としては、フェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、オレイルアミドアミン、フェノチアジン等が挙げられる。また、フェノール系酸化防止剤としては、p−t−ブチル−フェニルサリシレート、2,6−ジ−t−ブチル−p−フェニルフェノール、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−t−オクチルフェノール)、4、4´−ブチリデンビス−6−t−ブチル−m−クレゾール、テトラキス〔メチレン−3−(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、n−オクタデシル−β−(4´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2−n−オクチル−チオ−4,6−ジ(4´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−ブチル)フェノキシ−1,3,5−トリアジン、4、4´−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2−(2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
防錆剤としては、多塩基カルボン酸及び多価アルコールの部分エステルであるソルビタンモノラウレート、ソルビタントルステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリエレエート等のソルビタンエステル類、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のアルキルエステル類度が挙げられる。
極圧剤としては、リン系極圧剤、ジチオリン酸亜鉛、有機モリブデン化合物等が挙げられる。
油性向上剤としては、オレイン酸やステアリン酸等の脂肪酸、ラウリルアルコールやオレイルアルコール等のアルコール、ステアリルアミンやセチルアミン等のアミン、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル、動植物油等が挙げられる。
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
これらその他の添加剤の添加量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば制限はないが、通常はグリース全量の0.1〜20質量%である。添加量が0.1質量%未満では添加効果が十分ではなく、20質量%を超えて添加しても効果が飽和するとともに、基油の量が相対的に少なくなるため潤滑性が低下するおそれがある。
本発明のグリース組成物は上記の各成分を含有するが、その製造方法には制限がないが、一般的には基油中で増ちょう剤を反応させた後、無機腐食抑制剤及び有機酸塩を所定量添加し、ニーダやロールミル等で十分に混練して得られる。尚、この処理に際し、加熱することも有効である。また、その他の添加剤を添加する場合は、無機腐食抑制剤及び有機酸塩と同時に添加することが工程上好ましい。
また、本発明は、上記のグリース組成物を封入してなる車両用ハブユニット軸受を提供する。車両用ハブユニットには制限がなく、例えば図1に示したものを例示でき、空間15内に上記のグリース組成物を封入すればよい。また、円すいころ軸受や円筒ころ軸受のユニット軸受とすることもできる。グリース組成物の封入量にも制限がなく、従来と同様で構わない。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1〜4、比較例1〜4)
表1に示す配合にて試験グリースを調製した。そして、試験グリースについて下記に示す軸受耐水性試験を行った。結果を表1に併記する。
表1に示す配合にて試験グリースを調製した。そして、試験グリースについて下記に示す軸受耐水性試験を行った。結果を表1に併記する。
・軸受耐水性試験
日本精工(株)製円すいころ軸受「HR32017(内径85mm、外径130mm)」に試験グリースを封入し、ラジアル荷重35.8kN、アキシアル荷重15.7kN、回転速度1500rpmにて外部から水を軸受内部に20ml/hの割合で注入しながら連続回転させた。そして、回転中に振動が発生したときに剥離が発生したと判断し、回転開始から100時間以内に振動が発生した回数(剥離発生数)を計数した。試験は各試験グリースとも10回行い、下記式から剥離発生確率を算出した。
剥離発生確率(%)=(剥離発生数/試験数)×100
日本精工(株)製円すいころ軸受「HR32017(内径85mm、外径130mm)」に試験グリースを封入し、ラジアル荷重35.8kN、アキシアル荷重15.7kN、回転速度1500rpmにて外部から水を軸受内部に20ml/hの割合で注入しながら連続回転させた。そして、回転中に振動が発生したときに剥離が発生したと判断し、回転開始から100時間以内に振動が発生した回数(剥離発生数)を計数した。試験は各試験グリースとも10回行い、下記式から剥離発生確率を算出した。
剥離発生確率(%)=(剥離発生数/試験数)×100
表1から、無機腐食抑制剤を0.1〜5質量%と有機酸塩を0.01〜0.1質量%の割合で含有する実施例1〜4の試験グリースは優れた耐水性を示すことがわかる。これに対し、比較例2、3のように、無機腐食抑制剤が規定値未満であると、規定量の有機酸塩と組み合わせても耐水性の向上効果は殆んど得られない。また、比較例4のように有機酸塩を単独で使用しても耐水性の向上効果は全く見られない。
1 内輪素子
2 ハブ
4a,4b 内輪軌道
5 段部
6 雄ねじ部
7 ナット
8 外輪
10a,10b 外輪軌道
11 転動体
12 保持器
13 シールリング
2 ハブ
4a,4b 内輪軌道
5 段部
6 雄ねじ部
7 ナット
8 外輪
10a,10b 外輪軌道
11 転動体
12 保持器
13 シールリング
Claims (3)
- 鉱油及び合成油の少なくとも一種からなる基油と増ちょう剤とを含み、かつ、グリース全量に対し、無機腐食抑制剤を0.1〜5質量%及び有機酸塩を0.01〜0.5質量%添加してなることを特徴とするグリース組成物。
- 無機腐食抑制剤が亜硝酸塩、硝酸塩、クロム酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩及びタングステン酸塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
- 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の転動体とを備え、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記転動体が配設された空隙部内に、請求項1または2記載のグリース組成物を封入してなることを特徴とする車両用ハブユニット軸受。
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JP2006237394A JP2008056840A (ja) | 2006-09-01 | 2006-09-01 | グリース組成物及び車両用ハブユニット軸受 |
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---|---|---|---|---|
WO2009110507A1 (ja) | 2008-03-06 | 2009-09-11 | アサヒビール株式会社 | サッカロマイセス・セレビシエ変異株、及び該変異株を用いたrna高含有酵母の製造方法 |
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