JP2011153651A - 流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造、及びその構造で形成された流体制御弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】薬液弁のアクチュエータ部組付け構造では、カバー20には、径方向に延びる突出部22が形成され、シリンダ10には、突出部22と係止する係止部15が形成され、バネ41を圧縮させ、カバー20の蓋部25でシリンダ10の開口部11を覆い被せた後、突出部22を係止部15と係止させて、シリンダ10とカバー20とが、互いに離れることなく一体的に係留されることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
詳しくは、弁体を付勢する付勢部材を本体の開口部内に配設し、カバーによりシリンダの開口部を塞ぐ流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造と、この構造で形成された流体制御弁に関する。
図13に示すように、薬液弁101は主に、シリンダ110、弁体142、ピストン143、バネ141等を有するアクチュエータコア部、シリンダ110の開口部を塞ぐカバー120、弁座131、入力ポート132、出力ポート133等を有するボディ130、及び当該薬液弁101を固定させる取付板150からなる。
薬液弁101では、弁体142は、コイルスプリング等のバネ141による付勢力と、この付勢力に抗する向きに、加圧した操作エアARによる押圧力とを作用させて、弁座131に対し上下動するようになっている。
カバー120、アクチュエータコア部、ボディ130及び取付板150は、これらを薬液弁101の製造時に一体的に重ね合わせて組付けられ、図14に示すように、カバー120から挿通した第1ボルト160を、シリンダ110、ボディ130を通じて取付板150に螺合させて固定されている。
このような分解時に弁座131等を保護するため、特許文献1は、図13及び図14に示すように、分解時にピン115をインジケータ145に挿入し、弁体142を弁座131から強制的に離間させており、分解作業時の作業性を良くする工夫がなされている。
この問題は、以下の理由で生じていた。
すなわち、薬液弁101の組立て工程では、ピストン143、弁体142、インジケータ145等を一体的に組み付けたものをシリンダ110に装着し、バネ141をピストン143のピストン側支持面143aに配置したアクチュエータコア部を、1つのユニットして予め組み立ておく。
この後、作業者は、カバー120、アクチュエータコア部、ボディ130及び取付板150を一体的に重ね合わせて組付ける全体的な総組付けを行うが、このときの作業性や、薬液弁101のメンテナンスの際における分解時での作業者の作業性を考慮して、全体的な総組付けの前に、アクチュエータコア部とカバー120との仮組付けを前もって行っている。
このような、特にバネ力が大きいバネ141を用いた薬液弁101では、カバー120、アクチュエータコア部等の全体的な総組付けを行う際に、予め仮組付けを行わないと、相当な大きな外力でバネ141を収縮させたまま第1ボルト160を取付板150と螺合する作業は、作業者にとって困難を伴う。また、仮組付けがないと、薬液弁101のメンテナンス時に薬液弁101を分解しようとするときに、第1ボルト160と取付板150との締結が解除され、圧縮した状態でバネ力を有したバネ141が伸張すると、カバー120や当該バネ141自体がいきなり飛び出してしまい、作業上、問題がある。
従って、この仮組付けで、作業者の作業性の向上を確保することはできるようになったが、その一方で、薬液弁101の仮組立に第2ボルトを用いていることで、かえって製品全体の部品点数が増えてしまい、結果的に製品がコストアップになっていた。
(1)弁体を付勢する付勢部材が配設されたシリンダと、シリンダの開口部を塞ぐカバーとを有し、弁体を弁座に当接または離間させて流体の流れを制御する流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造において、シリンダまたはカバーのいずれか一方には、弁体の径方向に延びる突出部が形成され、その他方には、突出部と係止する係止部が形成され、付勢部材を圧縮させ、カバーでシリンダの開口部を覆い被せた後、突出部を係止部と係止させて、シリンダとカバーとが、互いに離れることなく一体的に係留されることを特徴とする。
(2)(1)に記載する流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造において、シリンダは、開口部を形成する内壁を有し、カバーは、シリンダの開口部より径小な環状の円環部を有し、係止部は、シリンダの内壁に対し、径内側に突出すると共に、内壁の周方向に、円弧状で形成されていること、突出部は、カバーの円環部に対し、径外側に突出すると共に、円環部の周方向に、係止部の形状に対応した円弧状に形成されていることを特徴とする。
(3)(2)に記載する流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造において、係止部は、複数箇所に形成され、突出部は、複数箇所に形成され、シリンダとカバーとの組付けでは、カバーを、シリンダと相対的に回転させて、シリンダとカバーとが一体的に係留されることを特徴とする。
(4)(3)に記載する流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造において、シリンダまたはカバーの少なくともいずれかには、カバーがシリンダと相対的に所定角度以上に回転するのを規制するストッパが形成されていることを特徴とする。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載する流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造において、シリンダ及びカバーは、フッ素系樹脂からなることを特徴とする。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載する流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造で形成された流体制御弁。
本発明の流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造では、
(1)シリンダまたはカバーのいずれか一方には、弁体の径方向に延びる突出部が形成され、その他方には、突出部と係止する係止部が形成され、付勢部材を圧縮させ、カバーでシリンダの開口部を覆い被せた後、突出部を係止部と係止させて、シリンダとカバーとが、互いに離れることなく一体的に係留されることを特徴とするので、当該流体制御弁の組付け時において、全体的な総組付けの前に、弁体、付勢部材、シリンダ等によりユニットされたアクチュエータコア部と、カバーとを、前もって仮組付けで一体化させるのに、従来、必要としていたボルトが全く不要となる。
すなわち、流体制御弁は主として、カバーやアクチュエータコア部のほか、弁座、入力ポート、出力ポート等を有するボディ、及び当該流体制御弁を固定させる取付板からなる。作業者は、この流体制御弁の製造時や、使用後のメンテナンス時にこの流体制御弁を分解したときに、カバー、アクチュエータコア部、ボディ、及び取付板を一体的に重ね合わせて組付けて、これらをボルト締結で固定させる全体的な総組付けを行う。
流体制御弁の組立時には、付勢部材をその自然長から収縮させて組み込むため、作業者の作業に困難性を伴い、問題がある。また、流体制御弁の使用後、メンテナンスの分解時には、カバーを取り外すときに、収縮した状態の付勢部材が一気に伸長することから、薬液弁のメンテナンスの際に分解時での作業者の作業性を考慮する必要がある。そのため、全体的な総組付けの前に、アクチュエータコア部とカバーとの仮組付けを前もって行う必要があり、従来、仮組付けのためだけにボルトを使用していた。
従って、本発明の流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造では、仮組付けでボルトが全く不要となり、当該流体制御弁において製品全体の部品点数が削減できることから、当該流体制御弁のコストを低減することができる、という優れた効果を奏する。
また、カバーをシリンダに覆い被せて、カバーとシリンダとを一体的に重ね合わせた後、カバーの突出部をシリンダの係止部と係留する位置まで、シリンダとカバーとを相対的に回転させるだけで、シリンダとカバーとを簡単に係留することができる。
また、アクチュエータ部にあるシリンダとカバーとを一体的に仮組付けをするのに、従来必要としていたボルトが不要となる分、流体制御弁を軽量化することができる。
(4)シリンダまたはカバーの少なくともいずれかには、カバーがシリンダと相対的に所定角度以上に回転するのを規制するストッパが形成されていることを特徴とするので、突出部が係止部と係止した状態で、カバーをシリンダと相対的に回転させるだけで、ストッパにより、シリンダとカバーとの位置合わせができるようになる。
なお、フッ素系樹脂の具体的な材質として、例えば、PVDF(ポリビニリデンフルオライド、別名:2フッ化)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、別名:4フッ化)等のフッ素系樹脂が挙げられる。
本発明の流体制御弁では、
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載する流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造で形成された流体制御弁であることを特徴とするので、当該流体制御弁は、例えば、半導体製造装置や液晶パネル製造装置等に用いられる薬液弁として使用することができ、コスト競争が厳しい半導体製造業界や液晶パネル製造業界等に対しても、コストの低減に貢献することができる。
以下、本発明に係る流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造、及びこのような構造で形成された流体制御弁について、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施形態では、流体制御弁は、例えば、半導体製造装置や液晶パネル製造装置等に用いる薬液弁であり、入力ポートと出力ポートの間にある弁座に対し、弁体が当接または離間することで、入力ポートから出力ポートへの薬液の流れを制御する目的で用いられる。
実施形態に係る薬液弁を、図5に正面図で、図6に斜視図でそれぞれ示す。また、薬液弁のアクチュエータ部の分解斜視図を図1に示し、図12は、薬液弁の全体的な総組付けの説明図である。
薬液弁1は、図5に示すように、主としてアクチュエータ部2、ボディ30及び取付板50からなる。
ボディ30には、図6及び図12に示すように、弁座31、入力ポート32、出力ポート33等が形成され、当該ボディ30の四隅に、ボルト60を挿通する貫通孔34Hが形成されている。ボディ30は、アクチュエータ部2と共に重ね合わされ、後述するように、ボルト60によりアクチュエータ部2とボディ30とを取付板50に一体的に固定させている。
駆動部40では、ピストン43からその軸方向にピストンロッド44が延びており、ピストン43の受圧側とは反対側(反受圧側)の先端部にインジケータ45が取付けられている。このピストンロッド44のうち、受圧側の先端部には、後述するアクチュエータ部2の仮組付け後に、弁体42が連結されるようになっている。
バネ41は、コイル状に形成されており、バネ41の径内に、反受圧側のピストンロッド44とインジケータ45とを挿通させて、当該バネ41の一端を、ピストン43の反受圧側にあるピストン43の支持面43aに載置されている。
シリンダ10は、フッ素系樹脂からなり、本実施形態では、上方から見たときに、操作ポート17を除いた側面の外形形状が略正方形で、射出成形によりPVDF(ポリビニリデンフルオライド、別名:2フッ化)でブロック状に成形されている。シリンダ10は、その一側面に操作ポート17を有し、操作ポート17は、組付け完了状態にある薬液弁1において、ピストン43の受圧側に形成される操作エアAR次室(図13参照)と連通するようになっている。また、シリンダ10は、第1内壁面10aで、Oリング等のシール部材を介してピストン43を摺動可能に装着できるようになっている。
薬液弁1では、弁体42は、バネ41による付勢力と、この付勢力に抗する向きに、加圧した操作エアARによる押圧力とを作用させて、弁座31に対し上下動するようになっている。すなわち、本実施形態では、薬液弁1は、操作エアARによる押圧力が作用しないときに、バネ41の付勢力によって弁体42が弁座31に当接して閉弁し、操作エアARによる押圧力が作用すると、弁体42が弁座31から離間して開弁するノーマルクローズタイプの弁である。
なお、隣り合う係止部15,15の周方向の間隔は、後述するカバー20の各係止部15における周方向の長さ(円弧長)よりも大きくなっている。
カバー20は、フッ素系樹脂からなり、本実施形態では、下方から見たときに、操作ポート17を除いた側面の外形形状が略正方形であり、射出成形によりPVDF(ポリビニリデンフルオライド、別名:2フッ化)でブロック状に成形されている。
カバー20は、図10及び図11に示すように、シリンダ10の開口部11を塞ぐ蓋部25と、この蓋部25から下方に延び、シリンダ10の開口部11より径小な環状で、筒状の円環部21とからなる。
蓋部25は、組付け完了後の薬液弁1において、1次室の操作エアARを排出する排気ポート29を有し、この排気ポート29を除いた当該蓋部25の側面形状がシリンダ10の側面形状と同じ略正方形で形成されている。蓋部25には、円環部21の外周側四隅に、ボルト60が挿通する貫通孔27Hが形成されている。また、カバー20には、円環部21の軸心に、蓋部25と円環部21とを貫通する貫通孔28Hが形成されている。また、カバー20は、円環部21の径内側で、貫通孔28Hの外周側に、バネ41の他端(図1中、上方端)を支持する平面状の支持面26aを有している。
突出部22は、シリンダ10の開口部11内に円環部21を挿入し、シリンダ10上にカバー20を載置したときに、シリンダ10とカバー20とがちょうど合わさった状態で、シリンダ10の係止部15と係留できる位置に配設されている。
また、円環部21には、カバー20でシリンダ10の開口部11を覆い被せ、シリンダ10に対し、カバー20が所定角度で回転した後、それ以上のカバー20の回転を規制するストッパ24が設けられている。
また、シリンダ10の開口部11をカバー20で閉塞したとき、シリンダ10の第2内壁面10bとカバー20の円環部21との間を気密にするOリング等のシール部材を配設するシール溝23が、円環部21に形成されている。
薬液弁1の組立ては、先にアクチュエータ部2の仮組付けを行った後、全体的な総組付けとして、仮組付けを完了したアクチュエータ部2と、ボディ30と、取付板50とを一体的に重ね合わせてこれ等をボルト60で固定して行う。
そこで、まずアクチュエータ部2の仮組付けについて、図1乃至図4を用いて説明する。図2は、アクチュエータ部の仮組付け前の状態を示す説明図である。図3は、図2に示すアクチュエータ部の仮組付けで、アクチュエータコア部にカバーを覆い被せた状態を示す説明図である。図4は、アクチュエータ部の仮組付けを完了した状態を示す説明図である。
具体的には、ピストン43の反受圧側の先端部にインジケータ45を取付けておき、反受圧側のピストンロッド44及びインジケータ45をバネ41の径内に挿通し、バネ41の一端を、ピストン43の支持面43aに載置する。
次いで、図1に示すように、シリンダ10の開口部11側に、弁体42を除いた駆動部40を、ピストン43の反受圧側のピストンロッド44から挿入する。その後、ピストン43の反受圧側のピストンロッド44を、シリンダ10の第1内壁面10aで囲まれた中央位置にある円筒部(図9(a)参照)内に挿通させ、この円筒部上端にピストン43を載置してアクチュエータコア部3を構成する。
この段階では、図2に示すように、バネ41は、自然長の状態にある。
具体的には、ピストンロッド44の先端部にあるインジケータ45をカバー20の貫通孔28Hに挿通させると共に、バネ41の他端(図1中、上方端)を蓋部25の支持面26aに当接させる。当接後、バネ41を、ピストン43の支持面43aと蓋部25の支持面26aの両支持面で支持した状態で収縮させながら、カバー20の蓋部25をシリンダ10に当接するまで、カバー20の円環部21をシリンダ10の開口部11内に挿入する。
なお、円環部21の周方向に対し、シリンダ10とカバー20とが相対的にねじれているため、円環部21の開口部11への挿入時には、カバー20の突出部22とシリンダ10の係止部15とが緩衝することはない。
図3に示すように、カバー20の蓋部25がシリンダ10上に載置されるまで、円環部21が開口部11内に挿入されると、シール溝23に取付けたシール部材がシリンダ10の第1内壁面10aに嵌め込まれ、組立て後の薬液弁1に形成されているエアARの一次室と二次室とがピストン43を挟み区画されることになる。
このとき、開口部11内に挿入された円環部21も、蓋部25の回転に追従して回転し、円環部21の突出部22が、シリンダ10の開口部11にある係止部15と係止して、シリンダ10とカバー20とが互いに離れることなく一体的に係留される。
かくして、図4に示すように、アクチュエータ部2の仮組付けとして、シリンダ10とカバー20とが一体的に係留される。
具体的には、アクチュエータ部2の仮組付けが完了した状態で、ピストン43の受圧側の先端部に弁体42を接続する(図1参照)。
次いで、図12に示すように、アクチュエータ部2においてシリンダ10の貫通孔16Hと位置決めされたカバー20の貫通孔27Hと、ボディ30の貫通孔34Hとを位置合わせしておく。次に、参照する図13及び図14に示すように、弁体42の周縁部をアクチュエータ部2のシリンダ10とボディ30との間に挟持させて、アクチュエータ部2の下方側(シリンダ10の下方側)をボディ30の上方側に嵌め込み、アクチュエータ部2とボディ30とを重ね合わせる。この後、重ね合わさったアクチュエータ部2及びボディ30に加えて、取付板50も重ね合わせてアクチュエータ部2、ボディ30、及び取付板50を一体化する。
次いで、ボルト60を、カバー20の貫通孔27Hから挿入し、シリンダ10の貫通孔16H及びボディ30の貫通孔34Hを通じて取付板50と螺合させて、アクチュエータ部2、ボディ30及び取付板50を固定した後、ボルト60の頭部を覆い被せるゴム製のキャップ61を、カバー20の貫通孔27Hに嵌め込む。
かくして、アクチュエータ部2、ボディ30及び取付板50が一体的に重ね合わせて固定され、薬液弁1の全体的な総組付けが完了する。
本実施形態に係る薬液弁1のアクチュエータ部組付け構造では、カバー20には、弁体42の径方向に延びる突出部22が形成され、シリンダ10には、突出部22と係止する係止部15が形成され、バネ41を圧縮させ、カバー20の蓋部25でシリンダ10の開口部11を覆い被せた後、突出部22を係止部15と係止させて、シリンダ10とカバー20とが、互いに離れることなく一体的に係留されることを特徴とするので、当該薬液弁1の組付け時において、全体的な総組付けの前に、シリンダ10、バネ41、弁体42等によりユニットされたアクチュエータコア部3と、カバー20とを、前もって仮組付けで一体化させるのに、従来、必要としていたボルトが全く不要となる。
薬液弁1の組立時には、バネ41をその自然長から収縮させて組み込むため、作業者の作業に困難性を伴い、問題がある。また、薬液弁1の使用後、メンテナンスの分解時には、カバー20を取り外すときに、収縮した状態のバネ41が一気に伸長することから、薬液弁1のメンテナンスの際に分解時での作業者の作業性を考慮する必要がある。そのため、全体的な総組付けの前に、アクチュエータコア部3とカバー20との仮組付けを前もって行う必要があり、従来、仮組付けのためだけにボルトを使用していた。
従って、本実施形態に係る薬液弁1のアクチュエータ部組付け構造では、仮組付けでボルトが全く不要となり、当該薬液弁1において製品全体の部品点数が削減できることから、当該薬液弁1のコストを低減することができる、という優れた効果を奏する。
また、カバー20をシリンダ10に覆い被せて、カバー20とシリンダ10とを一体的に重ね合わせた後、カバー20の突出部22をシリンダ10の係止部15と係留する位置まで、シリンダ10とカバー20とを相対的に回転させるだけで、シリンダ10とカバー20とを簡単に係留することができる。
また、アクチュエータコア部3にあるシリンダ10とカバー20とを一体的に仮組付けをするのに、従来必要としていたボルトが不要となる分、薬液弁1を軽量化することができる。
また、本実施形態に係る薬液弁1のアクチュエータ部組付け構造では、カバー20の円環部21には、カバー20がシリンダ10と相対的に所定角度以上に回転するのを規制するストッパ24が形成されていることを特徴とするので、突出部22が係止15部と係止した状態で、ストッパ24がシリンダ10の係止部15に当接するまで、カバー20をシリンダ10と相対的に回転させるだけで、シリンダ10とカバー20との位置合わせをも行うことができる。
本実施形態に係る薬液弁1では、上記したような、本実施形態に係る薬液弁1のアクチュエータ部組付け構造で形成された薬液弁1であることを特徴とするので、当該薬液弁1は、例えば、半導体製造装置や液晶パネル製造装置等に用いられる薬液弁として使用することができ、コスト競争が厳しい半導体製造業界や液晶パネル製造業界等に対しても、コストの低減に貢献することができる。
(1)例えば、実施形態では、シリンダ10とカバー20との何れの材質もPVDF(ポリビニリデンフルオライド、別名:2フッ化)とし、シリンダ10及びカバー20を射出成形で成形した。
しかしながら、シリンダ及びカバーの材質を、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、別名:4フッ化)等、他のフッ素系樹脂にしたり、シリンダとカバーとの材質を異なるフッ素系樹脂にしても良い。また、シリンダ及びカバーを切削で形成しても良い。
(2)また、本実施形態では、操作ポート17を除いたシリンダ10の側面形状を略正方形で、蓋部25の側面形状がシリンダ10の側面形状と同じ略正方形で形成したが、シリンダ及びカバーの側面形状は、本実施形態に限定されるものではなく、種々変更可能である。
しかしながら、シリンダに設ける係止部の数、及び係止部を配設する位置は、本実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
また、突出部22も、それぞれ同じ形態で4箇所に設け、蓋部25の各側面にほぼ沿うような形態で、何れの突出部22とも、隣り合う突出部22,22と均等な間隔をもって形成した。係止部と同様に、カバーに設ける突出部の数、及び突出部を配設する位置は、本実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
しかしながら、流体制御弁は、本実施形態のピストン43の受圧側に相当するピストンの一方側と、シリンダの底部側との間に付勢部材を配設し、操作エアによる押圧力が作用しないときに、付勢部材の付勢力によって弁体が弁座から離間して開弁し、操作エアによる押圧力が作用すると、弁体が弁座に当接して閉弁するノーマルオープンタイプの弁としても良い。
なお、ノーマルオープンタイプの流体制御弁では、操作ポートが、ノーマルクローズタイプである本実施形態の薬液弁1の排気ポート29の位置に配設され、排気ポートが、操作ポート17の位置に配設される。
10 シリンダ
11 開口部
12 内壁
15 係止部
20 カバー
21 円環部
22 突出部
31 弁座
41 バネ(付勢部材)
42 弁体
Claims (6)
- 弁体を付勢する付勢部材が配設されたシリンダと、前記シリンダの開口部を塞ぐカバーとを有し、前記弁体を弁座に当接または離間させて流体の流れを制御する流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造において、
前記シリンダまたは前記カバーのいずれか一方には、前記弁体の径方向に延びる突出部が形成され、その他方には、前記突出部と係止する係止部が形成され、
前記付勢部材を圧縮させ、前記カバーで前記シリンダの開口部を覆い被せた後、前記突出部を前記係止部と係止させて、前記シリンダと前記カバーとが、互いに離れることなく一体的に係留されることを特徴とする流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造。 - 請求項1に記載する流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造において、
前記シリンダは、前記開口部を形成する内壁を有し、
前記カバーは、前記シリンダの前記開口部より径小な環状の円環部を有し、
前記係止部は、前記シリンダの前記内壁に対し、径内側に突出すると共に、前記内壁の周方向に、円弧状で形成されていること、
前記突出部は、前記カバーの前記円環部に対し、径外側に突出すると共に、前記円環部の周方向に、前記係止部の形状に対応した円弧状に形成されていることを特徴とする流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造。 - 請求項2に記載する流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造において、
前記係止部は、複数箇所に形成され、
前記突出部は、複数箇所に形成され、
前記シリンダと前記カバーとの組付けでは、前記カバーを、前記シリンダと相対的に回転させて、前記シリンダと前記カバーとが一体的に係留されることを特徴とする流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造。 - 請求項3に記載する流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造において、
前記シリンダまたは前記カバーの少なくともいずれかには、前記カバーが前記シリンダと相対的に所定角度以上に回転するのを規制するストッパが形成されていることを特徴とする流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載する流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造において、
前記シリンダ及び前記カバーは、フッ素系樹脂からなることを特徴とする流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載する流体制御弁のアクチュエータ部組付け構造で形成された流体制御弁。
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