JP2011153318A - 接着性シート、太陽電池充填材用シート及びそれを用いた太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性に優れ、架橋しなくても接着力を有し、特に太陽電池用充填材として有用な接着性シートの提供。
【解決手段】少なくとも0.01質量%以上のアルコキシシランを共重合成分として含有し、融点が80℃以上120℃以下であり、かつ、80℃における剪断弾性率が3×105Pa以上である変性エチレン系樹脂層が、80℃における剪断弾性率が3×105Pa以上のポリエチレン又はエチレン−αオレフィン共重合体を主としたエチレン系樹脂層の少なくとも片側表面に積層されてなる接着性シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐久性に優れた接着性シートに関し、特に太陽電池モジュールにおけるセルの固定や裏面シートとの接合に使われる太陽電池用充填材に適した接着性シート及びそれを用いた太陽電池に関する。
近年太陽電池が電力供給源として普及してきた。それに伴い設置環境の多様性や長期耐久性が求められるようになり、太陽電池に用いられる各種部材について厳しい環境下で長期にわたって信頼性のあるものが求められている。
太陽電池用充填材は、かかる部材の一つで、接着剤としての機能と、外部からの衝撃から光起電力素子(セル)を保護する機能を奏することが要求され、従来からEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)系、PVB(ポリビニルブチラール)系、シリコーン系などの樹脂が提案されている。
従来、実用的な充填材としては、価格、加工性、耐湿性等の観点より、EVA系の樹脂が最も多く用いられている。しかしながら、EVA系のものは、基本的に長期にわたって使用された場合、黄変、亀裂入り、発泡などの劣化・変質が起こり、これがセルの腐食などによる発電量の低下を招く一因と考えられていた。また、同様の劣化・変質現象は、環境条件が少し厳しくなったり、新たに付加されたりすると、容易に発生し、そのため用途が限定されていた。
これらはEVA系樹脂が、このような劣化・変質を引き起こすのは、その組成上の問題として、加水分解性の高いエステル構造や熱架橋のために添加される有機過酸化物や多官能ビニル化合物などの架橋剤、架橋剤残渣・反応生成物、EVA架橋点の高級炭素や反応末端などの活性点が、予め添加されている紫外線吸収剤、酸化防止剤などによる抑制効果に打ち勝って徐々にかかる劣化・変質を引き起こすものと推定される。
本特許は、EVA系樹脂と同等の優れた性能を持ち、しかも、その劣化・変質問題を解決するエチレン系樹脂からなる接着性シート、ならびに太陽電池充填材用シートを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の発明を提供するものである。
[1]少なくとも0.01質量%以上のアルコキシシランを共重合成分として含有し、融点が80〜120℃であり、かつ、80℃における剪断弾性率が3×105Pa以上である変性エチレン系樹脂層が、80℃における剪断弾性率が3×105Pa以上のポリエチレン又はエチレン−αオレフィン共重合体を主としたエチレン系樹脂層の少なくとも片側表面に積層されてなる接着性シート。
[2]前記変性エチレン系樹脂層が、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エステル共重合体からなる群から選ばれる1種又は2種以上のエチレン系樹脂にアルコキシシランがグラフト共重合されている樹脂、又は該グラフト共重合されている樹脂と該グラフト共重合されている樹脂以外のエチレン系樹脂との混合物からなる、[1]に記載の接着性シート。
[3]前記変性エチレン系樹脂層が前記エチレン系樹脂層の両表面に積層されてなる、[1]又は[2]に記載の接着性シート
[4]前記変性エチレン系樹脂層と前記エチレン系樹脂層とが共押出し法により積層されてなる、[1]から[3]のいずれか1項に記載の接着性シート。
[5][1]から[4]のいずれか1項に記載の接着性シートを用いた太陽電池充填材用シート。
[6][5]に記載の太陽電池充填材用シートが、太陽電池セルの少なくとも非受光面に積層・接着されてモジュール化されてなる太陽電池。ここで非受光面とは、太陽電池セルの受光面とは反対側の面のことを言う。
本発明の接着性シートは、耐久性に優れ、架橋しなくても接着力を発揮するので、例えば太陽電池用充填材においては、モジュール化工程において、低温・短時間化が可能であるため、製造効率が上げられ、また、穏やかなラミネート条件となるため、残留応力などのストレスが低く抑えられる結果、耐久性においても有利となる。このように、本発明のシラン変性エチレン系樹脂を主体としてなる接着性シートは、従来のEVA系樹脂の充填材に比較して各種環境下での弊害が低く抑えられる結果、太陽電池モジュールの信頼性が大きく向上するという効果を奏する。
本発明の太陽電池の一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池の他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するアルコキシシランを共重合成分として含有する変性エチレン系樹脂としてはポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などのエチレン系樹脂に対し、アルコキシシランをグラフトしたもの、あるいは前記エチレン系樹脂を重合する課程において、アルコキシシランを共重合させたものが挙げられる。
そして、好ましくはポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体のいずれか、若しくはそれらの2種類以上の混合物、若しくはこれらと、これらアルコキシシランがグラフトされた変性エチレン系樹脂以外のエチレン系樹脂との混合物である。
本発明においては、このような共重合成分のベースとなるエチレン系樹脂として、ポリエチレンやエチレン−αオレフィン共重合体を使用することにより、従来のEVA系樹脂における組成上の問題の一つである加水分解性の寄与を実質的に皆無にでき、耐久性において好適な結果を与えることができる。また、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を使用した場合は、加水分解性を低レベルとすることができ、同様に耐久性を大幅に向上させることができる。一方、エチレン−酢酸ビニル共重合体の場合は、従来のEVA系樹脂において架橋のために添加される架橋剤や架橋点に起因する劣化を抑えることができるので、耐久性においてかなりの改良効果を奏することができる。
なお、本発明において、この変性エチレン系樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、加工助剤、結晶核剤など各種添加剤を加えることができる。特に、この変性エチレン系樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合体を実質的に含まない場合は、加水分解性の高いエステル構造を含まないため、その寄与による劣化の程度を越えない範囲で架橋剤を添加することができる。
本発明において、アルコキシシランを共重合成分として含有するエチレン系樹脂は、融点が80〜120℃のものが使用される。融点が120℃を超えると、接着に必要な温度が高くなり、例えば太陽電池モジュールを組み立てる工程において、設備や他の材料からくる制約のために、モジュールを充分加温できない結果、その構造材料が軟化・溶融せず、また、セル、受光ガラス、裏面シートと充分接着しないため好ましくない。また、融点が80℃未満では、接着性シートとしての耐熱性がないため、例えば太陽電池充填材として使用した場合、当該太陽電池モジュールを設置した環境下において、接着力低下によるずれ・剥離を起こすおそれがあるため好ましくない。
変性エチレン系樹脂の融点は、共重合成分の種類、量や他に混合して使用されるアルコキシシランを共重合成分として含有するエチレン系樹脂、及びアルコキシシランを共重合成分として含有するエチレン系樹脂以外のエチレン系樹脂の融点、混合の割合などによって所望の範囲に制御することができる。なお、融点は、JIS K7121に従い測定された値(複数の場合最も高い値)とする。
本発明において、アルコキシシランを共重合成分として含有するシラン変性エチレン系樹脂は、80℃における剪断弾性率が3×105Pa以上のものが使用される。剪断弾性率が3×105Pa未満では、接着性シートとしての耐熱性がなく、例えば太陽電池用充填材として使用した場合に、太陽電池モジュールを設置した環境下において接着力低下によるずれ・剥離を起こすため好ましくない。なお、剪断弾性率は、変性エチレン系樹脂の融点、添加剤によって制御することができる。本発明において、剪断弾性率は、通常の粘弾性測定装置(例えば岩本製作所製動的粘弾性測定装置)により周期2πrad、振幅歪み0.5%の条件で測定された値とする。
本発明の接着性シートは、アルコキシシランを共重合成分として含有していることにより、空気中や樹脂中の水分と反応してシラノール基を生成し、このシラノール基が被接着体と反応して結合を形成することにより優れた接着力を発揮するものと考えられる。
本発明において、エチレン系樹脂にグラフトまたは共重合されるアルコキシシランとしては、ビニルアルコキシシラン、イソプロペニルアルコキシシラン、アリルアルコキシシラン等のラジカル重合性の官能基(アルケニル基)を有するアルケニルアルコキシシランが好ましく使用される。例えば、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルプロポキシシラン、ビニルブトキシシラン等のビニルアルコキシシランなどが好ましく用いられ、このビニル基などの官能基を利用して対象とするエチレン系樹脂にグラフト反応により付加される。そのグラフト量は0.01質量%以上であり、好ましくは0.1質量%以上であり、それ未満では、例えば太陽電池用充填材として使用した場合に、受光ガラス、セルとの接着性が損なわれるため好ましくない。このグラフト量はアルコキシシランの量・種類、反応温度、時間、触媒・膨潤剤などの添加剤などのグラフト反応条件によって制御できる。
また、グラフト量として10質量%以上にしても、剪断弾性率の向上効果が頭打ちになり、価格が上昇するばかりなので、10質量%未満が好ましい。実用上、最も好ましくは0.1乃至1.5質量%である。
グラフト方法はエチレン系樹脂を溶媒中で不飽和アルコキシシランを添加し、ラジカル開始剤の存在下で加熱する方法、エチレン系樹脂と不飽和アルコキシシラン及びラジカル開始剤の混合物を押出機中で加熱する方法等公知の方法により製造できる。
アルコキシシランを共重合成分として含有する変性エチレン系樹脂は、単独シートで接着性シートとして、さらに太陽電池用充填材とすることできるが、(以下、これを「単層系」と称する。)、他の樹脂シート(芯材)と積層シートとしてもよい。太陽電池用充填材とする場合は、少なくともセル、受光ガラス(表面保護材)、裏面シートと接触する表面側(片面)のみを当該アルコキシシランを共重合成分として含有する変性エチレン系樹脂とし、反対側(場合により芯側)には、ポリエチレン若しくはエチレン−αオレフィン共重合体を主としたエチレン系樹脂が接着積層された積層シートとしてもよい。また、芯材の両表面に変性エチレン系樹脂を積層した積層シートとすることも可能である(以下、これらを「積層系」と称する。)。
なお、積層されるポリエチレンもしくはエチレン−αオレフィン共重合体を主としたエチレン系樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、加工助剤、結晶核剤などを添加でき、またこれには、加水分解性のエステル構造を実質的に含まないので、その寄与による劣化の程度を越えない程度の範囲で架橋剤も加えた各種添加剤を加えてもよい。
積層されるポリエチレン等の弾性率は、アルコキシシランを共重合成分として含有する変性エチレン系樹脂と同様の理由で、80℃における剪断弾性率が3×105Pa以上であり、この数値は、すでに述べたのと同様の方法により、制御することができる。
アルコキシシランを共重合成分として含有する変性エチレン系樹脂シートは、一般に行われるカレンダー法、押出し法などの熱可塑樹脂において通常行われる成形加工方法により得ることができる。この場合、成型加工条件は、当該シートにグラフトされているアルコキシシランの反応温度以下で行い、シート成形直後には、得られた樹脂シートにおいて、アルコキシシランが実質的に未反応の状態で存在しているようにする必要がある。この場合、特に、太陽電池用モジュールの加工条件を穏やかにするためアルコキシシランの反応触媒を加える際には、さらに加工温度を低くすることが好ましい。
そして、本発明の太陽電池充填材用シートが太陽電池セルの少なくとも非受光面に積層・接着され、受光面には、他の充填材を用いても良い。
また、本発明の接着性シートとして、変性エチレン系樹脂層を、エチレン−αオレフィン共重合体等を主とするエチレン系樹脂層と積層して用いる積層系の場合は、共押出し法、押出しコート法、熱ロールラミネート法などにより、積層シートを得ることが可能である。なお、変性エチレン系樹脂シートの表面には、モジュールを加工する工程における各種層間の気泡残りを抑えるためにエンボス加工することもできる。
本発明において使用する変性エチレン系樹脂シートの厚さは、特に限定するものではないが、太陽電池用充填材として使用する場合は、セルの凹凸に追従しての当該シートの固定の確保、受光ガラス・裏面シートのうねりへの追従などを考慮して、単層系としては、通常50〜1000μm、好適には100〜600μm程度である。また積層系の場合には、総厚さは通常50〜1000μm、好適には100〜600μm程度であり、そのうちアルコキシシランがグラフトされた変性エチレン系樹脂シートの厚さは、0.1〜100μm、好適には1〜30μm程度である。
本発明における接着性シートを充填材として使用して太陽電池モジュールを得るには、単層系の場合、積層系の場合、いずれもそれ自体従来の充填材と同様のプロセスにより、充填材として接着性シートを含む各種部材をセッティングし、ラミネート加工するモジュール化工程により太陽電池モジュールとすることができる。また、本発明の接着性シートを予め受光ガラスに積層しておき、これに太陽電池セルや裏面シートを後工程で積層することもできる。
本発明においては、架橋工程を割愛することができるので、モジュール化工程において、それだけ低温・短時間化が可能であり、製造効率を上げられる。従ってまた、穏やかなラミネート条件となるため、残留応力などのストレスが低く抑えられる結果、耐久性においても有利となる。さらにまた、従来のEVA系樹脂の充填材に比較して各種環境下での弊害が低く抑えられる結果、太陽電池モジュールの信頼性が大きく向上する。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
(参考例1)
(1)融点84℃、アルコキシシラン0.8質量%がグラフトされたシラン変性エチレン−エチルアクリレート共重合体にヒンダードアミン系光安定剤0.5質量部、フェノール系酸化防止剤0.1質量部を加えて150℃で押出し法により厚さ300μmのシート1に成形し、これを評価用の充填材とした。なお、80℃におけるシートの剪断弾性率は5.0×105Paであった。
(2)太陽電池セルを想定してその代替として0.3mm厚さのアルミニウム板を使用し、評価用サンプルを組み立てた。すなわち、3mm厚さのフロートガラス(=受光ガラス)、0.3mm厚さの上記同シート1、0.3mm厚さのアルミニウム板(=セル代替)、0.3mm厚さの上記同シート1、0.08mm厚さの表面易接着処理ポリフッ化ビニル・アルミ箔積層フィルム(=裏面シート)の順にセッティングし、耐熱ゴム袋中で130℃で20分間真空加熱・加圧加工して、太陽電池モジュールを想定した評価用サンプルとし、以下の各種耐久性試験・評価を行った。
1)サンシャインウェザーメーターによる2000時間静置処理
2)85℃、85%RH雰囲気中における2000時間静置処理
(JIS C8917に準ずる)
3)23℃の水酸化ナトリウム10%水溶液中で200時間静処理
(JIS K7114に準ずる)
この1)〜3)における各処理後、目視で
(i)充填材層の黄変・亀裂・発泡の有無、
(ii)ガラス・裏面シートからの剥離の有無、及び
(iii)アルミ板の腐食の有無
の3種各6項目計18項目を処理前と比較して以下の3段階評価を行った。
◎:18項目の比較において僅かな変化が生じたものが10項目以内であり、大きな変化は無い。
○:18項目の比較において僅かな変化が生じたものが11項目以上であるが、大きな変化は無い。
×:18項目の比較において大きな変化が1項目以上あった。
この結果、接着性シート1を充填材として使用した場合の評価は○であることがわかった。
(参考例2)
(1)融点114℃、アルコキシシラン1.0質量%がグラフトされたシラン変性エチレン−αオレフィン共重合体を180℃で押出し法により厚さ300μmのシート2を成形した。このシート2の80℃における剪断弾性率は1.9×107Paであった。
(2)このシート2について、参考例1と同様に太陽電池モジュール相当の評価用サンプルを作成し、同様にして耐久試験を行い評価した。この結果、接着性シート2を充填材として使用した場合の評価は◎であることがわかった。
(実施例1)
(1)融点112℃、80℃における剪断弾性率1.3×107Paの低密度ポリエチレンを芯側とし、また参考例1で使用した融点84℃、アルコキシシラン0.8質量%がグラフトされたシラン変性エチレン−エチルアクリレート共重合体にヒンダードアミン系光安定剤0.5質量部、フェノール系酸化防止剤0.1質量部を加えたものをこの芯の両表面側とし、180℃で共押出し法により2種3層の積層系のシート3を成型した。このシート3の表面側の厚みは各25μm、芯側300μm、総厚さ350μmであった。
(2)この接着性シート3について、参考例1と同様に太陽電池モジュール相当の評価用サンプルを作成し、同様にして耐久性試験を行い評価した。この結果、接着性シート3を充填材として使用した場合の評価は○であった。
(比較例1)
市販の熱架橋性EVA系シート(厚み:400μm)を用いて耐熱ゴム袋中での真空加熱・加圧加工を130℃で20分間行った後、オーブン中150℃で20分間加熱し当該EVAの架橋を行う他は参考例1と同様に太陽電池モジュール相当の評価用サンプルを作成し、同様にして耐久試験を行い評価した。この結果、熱架橋性EVAシートを充填材として使用した場合の評価は×であることがわかった。
(比較例2)
(1)融点95℃のエチレン−エチルアクリレート共重合体にヒンダードアミン系光安定剤0.5質量部、フェノール系酸化防止剤0.1質量部を加えて180℃で押出し法により厚さ300μmのシート4に成形した。このシート4の80℃におけるシートの剪断弾性率は1.7×106Paであった。
(2)このシート4について、参考例1と同様に太陽電池モジュール相当の評価用サンプルを作成し、同様にして耐久試験を行い評価した。この結果、シート4を充填材として使用した場合の評価は×であることがわかった。
(比較例3)
(1)融点122℃、アルコキシシラン0.6質量%がグラフトされたシラン変性エチレン−αオレフィン共重合体を180℃で押出し法により厚さ300μmのシート5を成形した。80℃におけるシートの剪断弾性率は4.1×107Paであった。
(2)このシート5について、参考例1と同様に太陽電池モジュール相当の評価用サンプルを作成し、同様にして耐久試験を行い評価した。この結果、シート5を充填材として使用した場合の評価は×であることがわかった。
(比較例4)
(1)融点75℃、アルコキシシラン1.7質量%がグラフトされたシラン変性エチレン−エチルアクリレート共重合体にヒンダードアミン系光安定剤0.5質量部、フェノール系酸化防止剤0.1質量部を加えて120℃で押出し法により厚さ300μmのシート6に成形した。このシート6の80℃におけるシートの剪断弾性率は1.7×105Pa であった。
(2)このシート6について、参考例1と同様に太陽電池モジュール相当の評価用サンプルを作成し、同様にして耐久試験を行い評価した。この結果、シート6を充填材として使用した場合の評価は×であることがわかった。
1 太陽電池充填材用シート
2 受光ガラス
3 太陽電池セル
31 非受光面
32 受光面
4 裏面シート

Claims (6)

  1. 少なくとも0.01質量%以上のアルコキシシランを共重合成分として含有し、融点が80〜120℃であり、かつ、80℃における剪断弾性率が3×105Pa以上である変性エチレン系樹脂層が、80℃における剪断弾性率が3×105Pa以上のポリエチレン又はエチレン−αオレフィン共重合体を主としたエチレン系樹脂層の少なくとも片側表面に積層されてなる接着性シート。
  2. 前記変性エチレン系樹脂層が、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及び、エチレン−アクリル酸エステル共重合体からなる群から選ばれる1種又は2種以上のエチレン系樹脂にアルコキシシランがグラフト共重合されている樹脂、又は、該グラフト共重合されている樹脂と該グラフト共重合されている樹脂以外のエチレン系樹脂との混合物からなる、請求項1に記載の接着性シート。
  3. 前記変性エチレン系樹脂層が、前記エチレン系樹脂層の両表面に積層されてなる、請求項1又は2に記載の接着性シート
  4. 前記変性エチレン系樹脂層と前記エチレン系樹脂層が共押出し法により積層されてなる、請求項1から3のいずれか1項に記載の接着性シート。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の接着性シートを用いた太陽電池充填材用シート。
  6. 請求項5に記載の太陽電池充填材用シートが、太陽電池セルの少なくとも非受光面に積層・接着されてモジュール化されてなる太陽電池。
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