JP2011153189A - カーボンブラック分散液及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像濃度、吐出安定性及び保存安定性に優れるカーボンブラック分散液及び該カーボンブラック分散液の製造方法、該カーボンブラック分散液が容器に収容されているインクカートリッジ並びに該カーボンブラック分散液を用いる画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】カーボンブラック分散液は、カーボンブラック、リグニンスルホン酸塩及び水を含み、リグニンスルホン酸塩は、分画分子量が6000以下である限外濾過膜又は透析膜を透過した成分である。
【選択図】なし
【解決手段】カーボンブラック分散液は、カーボンブラック、リグニンスルホン酸塩及び水を含み、リグニンスルホン酸塩は、分画分子量が6000以下である限外濾過膜又は透析膜を透過した成分である。
【選択図】なし
Description
本発明は、カーボンブラック分散液、カーボンブラック分散液の製造方法、インクカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
インクジェット用黒色顔料インクは、一般に、水、アルコール類等の水性溶媒中にカーボンブラックを予備分散させた顔料分散液をサンドミル等のメディア型分散機を用いて所定の程度まで分散させた後、所定の濃度に希釈することにより調製されている。インクジェット用顔料インクは、疎水性のカーボンブラックを水性溶媒中に分散させるために、界面活性剤、水溶性樹脂等の分散剤を用いるのが一般的であるが、画像濃度、吐出安定性及び保存安定性に優れるインクジェット用黒色顔料インクが得られていないという問題があった。
そこで、特許文献1には、チャンネルブラック及びガスブラックの少なくともいずれかと、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物と、水とを含む顔料分散液が開示されている。このとき、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物における、ナフタレンスルホン酸の2量体、3量体及び4量体の合計含有量が20〜80質量%である。
しかしながら、インクジェット用黒色顔料インクの画像濃度の改良が望まれている。
本発明は、上記従来技術が有する問題に鑑み、画像濃度、吐出安定性及び保存安定性に優れるカーボンブラック分散液及び該カーボンブラック分散液の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、該カーボンブラック分散液が容器に収容されているインクカートリッジ並びに該カーボンブラック分散液を用いる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、カーボンブラック、リグニンスルホン酸塩及び水を含むカーボンブラック分散液であって、前記リグニンスルホン酸塩は、分画分子量が6000以下である限外濾過膜又は透析膜を透過した成分であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカーボンブラック分散液において、前記カーボンブラックに対する前記リグニンスルホン酸塩の質量比が0.005以上1以下であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のカーボンブラック分散液において、インクジェット用インクであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のカーボンブラック分散液において、インクジェット用インクを製造するために用いられることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、カーボンブラック、リグニンスルホン酸塩及び水を含むカーボンブラック分散液を製造する方法であって、分画分子量が6000以下である限外濾過膜又は透析膜を用いて、リグニンスルホン酸塩を分画する工程を有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、インクカートリッジにおいて、請求項3に記載のカーボンブラック分散液が容器に収容されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、画像形成装置において、請求項3に記載のカーボンブラック分散液を画像支持体に吐出する吐出手段を有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、画像形成方法において、請求項3に記載のカーボンブラック分散液を画像支持体に吐出する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、画像濃度、吐出安定性及び保存安定性に優れるカーボンブラック分散液及び該カーボンブラック分散液の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該カーボンブラック分散液が容器に収容されているインクカートリッジ並びに該カーボンブラック分散液を用いる画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
本発明のカーボンブラック分散液は、カーボンブラック、リグニンスルホン酸塩及び水を含み、リグニンスルホン酸塩は、分画分子量が6000以下、好ましくは、5000〜6000である限外濾過膜又は透析膜を透過した成分である。このとき、リグニンスルホン酸塩は、カーボンブラック分散液中のカーボンブラックの表面に分散安定化するために十分な負の電荷を付与するため、本発明のカーボンブラック分散液は、吐出安定性及び保存安定性に優れると考えられる。また、本発明のカーボンブラック分散液を画像支持体に吐出して、本発明のカーボンブラック分散液中の液体成分の濃度が低下すると、粘度が増大し、カーボンブラックが凝集して画像支持体の表面近傍に多く留まるため、画像濃度に優れると考えられる。
限外濾過膜又は透析膜の分画分子量が6000を超えると、画像濃度が低下する。
リグニンスルホン酸塩は、限外濾過膜又は透析膜の分画分子量よりも高分子量のリグニンスルホン酸塩を含む亜硫酸パルプ排液を限外濾過膜又は透析膜により分画することにより得られる。
なお、限外濾過膜又は透析膜の分画分子量は、以下のようにして求めることができる。まず、分子量の異なる数種類のマーカー分子を用いて、阻止率を測定する。次に、阻止率を分子量に対してプロットした分画曲線から阻止率が90%の分子量を求め、分画分子量とする。
マーカー分子としては、スクロース、ラフィノース、ビタミンB12、バシトラシン、インシュリン、チトクロームC、ミオグロビンが用いられる。
リグニンスルホン酸塩としては、特に限定されないが、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カルシウム、リグニンスルホン酸マグネシウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、チャンネルブラック、ガスブラック、ファーネスブラック等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
カーボンブラックに対するリグニンスルホン酸塩の質量比は、0.005〜1であることが好ましく、0.01〜0.5がさらに好ましい。カーボンブラックに対するリグニンスルホン酸塩の質量比が、0.005未満であると、カーボンブラック分散液の吐出安定性及び保存安定性が低下することがあり、1を超えると、カーボンブラック分散液の粘度が増大して吐出することが困難になることがある。
本発明のカーボンブラック分散液は、カーボンブラックの体積平均粒子径(D50)が70〜180nmであり、カーボンブラックの粒子径の標準偏差がD50の1/2以下であることが好ましい。これにより、画像濃度、カーボンブラック分散液の吐出安定性及び保存安定性を向上させることができる。
なお、カーボンブラックの粒度分布は、粒度分布計UPA(日機装社製)を用いて、23℃、55%RHの環境で測定することができる。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、10.0〜30.0nmであることが好ましく、15.0〜20.0nmがさらに好ましい。
なお、カーボンブラックの平均一次粒子径は、電子顕微鏡を用いて撮影した画像から算出することができる。
カーボンブラックのBET比表面積は100〜400m2/gであることが好ましく、150〜300m2/gがさらに好ましい。
なお、カーボンブラックのBET比表面積は、窒素吸着によるBET法により測定することができる。
本発明のカーボンブラック分散液は、水溶性有機溶媒をさらに含んでもよい。
水溶性有機溶媒としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のモノアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のポリアルコール;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン誘導体;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のポリアルコールのモノアルキルエーテル;2,2'−チオジエタノール等のチオジアルコール;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
本発明のカーボンブラック分散液は、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、消泡剤、防腐防カビ剤、防錆剤、pH調整剤、比抵抗調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、粘度調整剤等の添加剤をさらに含んでもよい。
本発明のカーボンブラック分散液は、カーボンブラック、リグニンスルホン酸塩及び水、必要に応じて、水溶性有機溶媒、添加剤を、サンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等の公知の分散機を用いて湿式分散させることにより得られる。このとき、フィルター、遠心分離装置等を用いて粗大粒子を除去し、必要に応じて、脱気してもよい。
本発明のカーボンブラック分散液は、インクジェット用インクに適用することができる。
本発明のカーボンブラック分散液をインクジェット用インクに適用する場合、インクジェット用インク中のカーボンブラックの含有量は、1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%がさらに好ましい。インクジェット用インク中のカーボンブラックの含有量が1質量%未満であると、画像濃度が低下することがあり、20質量%を超えると、インクジェット用インクの吐出安定性及び保存安定性が低下したり、インクジェット用インクの粘度が増大して吐出することが困難になったりすることがある。
インクジェット用インクは、吐出安定性、保存安定性及び画像の耐擦過性を向上させるために、水分散性樹脂粒子をさらに含むことが好ましい。
水分散性樹脂粒子を構成する樹脂成分としては、特に限定されないが、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ポリウレタン、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
インクジェット用インク中の水溶性有機溶媒の含有量は、0〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%がさらに好ましく、10〜35質量%が特に好ましい。
インクジェット用インクは、カーボンブラック、リグニンスルホン酸塩及び水を含むカーボンブラック分散液を予め製造した後、カーボンブラック及びリグニンスルホン酸塩以外の成分を混合することにより製造することが好ましい。
カーボンブラック分散液中のカーボンブラックの含有量は、5〜25質量%であることが好ましく、10〜20質量%がさらに好ましい。カーボンブラック分散液中のカーボンブラックの含有量が5質量%未満であると、生産性が低下することがあり、25質量%を超えると、分散液の粘度が増大してカーボンブラックを分散させることが困難になることがある。
カーボンブラック分散液は、上記の水溶性有機溶媒や上記の添加剤をさらに含んでもよい。
本発明のインクカートリッジは、インクジェット用インクが容器中に収容されており、さらに必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有する。本発明のインクカートリッジは、各種画像形成装置本体に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明の画像形成装置本体に着脱可能に装着して用いることが特に好ましい。
容器としては、特に限定されず、形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋等を有するもの等が挙げられる。
図1に、本発明のインクカートリッジの一例を示す。インクカートリッジ(200)は、インクジェット用インクをインク注入口(242)からインク袋(241)内に充填し、排気した後、インク注入口(242)が融着により閉じられている。インクカートリッジ(200)を使用する時は、ゴム部材からなるインク排出口(243)に画像形成装置本体の針を刺して画像形成装置にインクジェット用インクが供給される。
インク袋(241)は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。
図2に、本発明のインクカートリッジの他の例を示す。インクカートリッジ(200')は、プラスチック製のカートリッジケース(244)内にインク袋(241)が収容されており、各種画像形成装置本体に着脱可能に装着して用いることができる。
本発明の画像形成装置は、インク吐出手段を有し、さらに必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有する。
本発明の画像形成方法は、インク吐出工程を有し、さらに必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程等を有する。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により実施することができ、インク吐出工程は、インク吐出手段により実施することができる。また、その他の工程は、その他の手段により実施することができる。
インク吐出工程は、インクジェット用インクに、刺激を付与し、インクジェット用インクを画像支持体に吐出する工程である。
インク吐出手段は、インクジェット用インクに、刺激を付与し、インクジェット用インクを画像支持体に吐出する手段である。インク吐出手段としては、特に限定されないが、各種のノズル等が挙げられる。
本発明においては、インクジェットヘッドの液室部、流体抵抗部、振動板及びノズル部材の少なくとも一部がシリコン及びニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されていることが好ましい。
また、ノズル孔の径は、通常、30μm以下であり、1〜20μmが好ましい。
また、インクジェットヘッド上にインクジェット用インクを供給するためのサブタンクを有し、サブタンクにインクカートリッジから供給チューブを介してインクが補充されるように構成することが好ましい。
刺激発生手段により発生させることができる刺激としては、特に限定されないが、熱(温度)、圧力、振動、光等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、熱、圧力が好ましい。
刺激発生手段としては、特に限定されないが、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト等が挙げられる。具体的には、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等が挙げられる。
インクジェット用インクの吐出の態様としては、特に限定されないが、刺激の種類等に応じて異なる。例えば、インクジェットヘッド内のインクジェット用インクに、信号に対応した熱エネルギーを、例えば、サーマルヘッド等を用いて付与し、熱エネルギーによりインクジェット用インクに気泡を発生させ、気泡の圧力により、インクジェットヘッドのノズル孔からインクジェット用インクを吐出する方法等が挙げられる。また、例えば、インクジェットヘッドのインク流路内にある圧力室に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、インクジェットヘッドのノズル孔からインクジェット用インクを吐出する方法等が挙げられる。
インクジェット用インクを吐出する際は、吐出される液滴の大きさを3〜40plとすることが好ましく、吐出される液滴の速さを5〜20m/秒とすることが好ましく、駆動周波数を1kHz以上とすることが好ましく、解像度を300dpi以上とすることが好ましい。
図3に、本発明の画像形成装置の一例を示す。画像形成装置本体(101)は、用紙を装填するための給紙トレイ(102)と、画像が形成された用紙をストックするための排紙トレイ(103)と、インクカートリッジ装填部(104)とを有する。インクカートリッジ装填部(104)の上面には、操作キーや表示器等の操作部(105)が配置されている。また、インクカートリッジ装填部(104)は、インクカートリッジ(200)を着脱するための開閉可能な前カバー(115)を有する。
また、キャリッジ(133)は、図4及び図5に示すように、左右の側板(不図示)に横架したガイドロッド(131)とステー(132)とで主走査方向に摺動自在に保持されており、主走査モータ(不図示)により、図5の矢示方向に移動走査される。
キャリッジ(133)は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインクジェット用インクを吐出する4個のインクジェットヘッドからなる記録ヘッド(134)を、複数の吐出口が主走査方向と交叉する方向に配列し、インクジェット用インクの吐出方向が下方に向くように、装着している。
記録ヘッド(134)を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等を、インクジェット用インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたもの等を使用することができる。
また、キャリッジ(133)には、記録ヘッド(134)に各色のインクジェット用インクを供給するための各色のサブタンク(135)を搭載している。サブタンク(135)には、インクジェット用インク供給チューブ(不図示)を介して、インクカートリッジ装填部(104)に装填されたインクカートリッジ(200)からインクジェット用インクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ(102)の用紙積載部(圧板)(141)上に積載した用紙(142)を給紙するための給紙部は、用紙積載部(141)から用紙(142)を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)及び給紙コロ(143)に対向する、摩擦係数が大きい材質からなる分離パッド(144)を備え、分離パッド(144)は、給紙コロ(143)側に付勢されている。
給紙部から給紙された用紙(142)を記録ヘッド(134)の下方側で搬送するための搬送部は、用紙(142)を静電吸着して搬送するための搬送ベルト(151)と、給紙部からガイド(145)を介して送られる用紙(142)を搬送ベルト(151)との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ(152)と、略鉛直上方に送られる用紙(142)を略90°方向転換させて搬送ベルト(151)上に倣わせるための搬送ガイド(153)と、押さえ部材(154)で搬送ベルト(151)側に付勢された先端加圧コロ(155)と、搬送ベルト(151)の表面を帯電させる帯電ローラ(156)を備える。
搬送ベルト(151)は、無端状ベルトであり、搬送ローラ(157)とテンションローラ(158)との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。搬送ベルト(151)は、例えば、厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、表層と同材質でカーボンにより抵抗が制御された裏層(中抵抗層、アース層)とを有する。搬送ベルト(151)の裏側には、記録ヘッド(134)による画像形成領域に対応して、ガイド部材(161)が配置されている。なお、記録ヘッド(134)で画像が形成された用紙(142)を排紙するための排紙部は、搬送ベルト(151)から用紙(142)を分離するための分離爪(171)と、排紙ローラ(172)及び排紙コロ(173)を備え、排紙ローラ(172)の下方に排紙トレイ(103)が配されている。
画像形成装置本体(101)の背面部には、両面給紙ユニット(181)が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット(181)は、搬送ベルト(151)の逆方向の回転で戻される用紙(142)を取り込んで反転させて再度カウンタローラ(152)と搬送ベルト(151)との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット(181)の上面には手差し給紙部(182)が設けられている。
画像の形成が終了した信号又は用紙(142)の後端が画像形成領域に到達した信号を受けることにより、画像を形成する動作を終了して、用紙(142)を排紙トレイ(103)に排紙する。
そして、サブタンク(135)内のインクジェット用インクの残量のニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ(200)から所要量のインクジェット用インクがサブタンク(135)に補給される。
インクカートリッジ(200)中のインクジェット用インクが使い切られた時には、インクカートリッジ(200)における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジ(200)は、縦置きで前面装填構成としても、安定してインクジェット用インクを供給することができる。したがって、画像形成装置本体(101)の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納されている、又は、画像形成装置本体(101)の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ(200)を容易に交換することができる。
なお、ここでは、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)画像形成装置に適用した例を説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型画像形成装置にも同様に適用することができる。
また、本発明の画像形成装置は、インクジェット記録方式による各種画像形成装置に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機等に特に好適に適用することができる。
次に、インクジェットヘッドについて、図6及び図7を用いて説明する。
図6のインクジェットヘッドは、図6の表面方向から奥方向(紙の裏面方向)に向かってインクジェット用インクを供給するインク供給口(不図示)と共通液室(12)となる彫り込みを形成したフレーム(10)と、流体抵抗部(21)、加圧液室(22)となる彫り込み及びノズル(31)に連通する連通口(23)を形成した流路板(20)と、ノズル(31)を形成するノズル板(30)と、凸部(61)、ダイヤフラム部(62)及びインク流入口(63)を有する振動板(60)と、振動板(60)に接着層(70)を介して接合された積層圧電素子(50)と、積層圧電素子(50)を固定しているベース(40)を備える。ベース(40)は、チタン酸バリウム系セラミックからなり、積層圧電素子(50)を2列配置して接合している。
積層圧電素子(50)は、厚さが10〜50μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層(51)と、厚さが数μmの銀・パラジウム(AgPd)からなる内部電極層(52)とが交互に積層されている。内部電極層(52)は、両端で外部電極(53)に接続している。
積層圧電素子(50)は、ハーフカットのダイシング加工により櫛歯上に分割され、1つ毎に駆動部(56)と支持部(57)(非駆動部)として使用する(図7参照))。
図6の表面方向又は奥方向(紙の裏面方向)で内部電極層(52)の一端に連なる外部電極(53)の外側端は、ハーフカットのダイシング加工で分割されるように、切り欠き等の加工により長さが制限されており、複数の個別電極(54)となる。他方の外部電極(53)は、ダイシングでは分割されずに導通しており、共通電極(55)となる。
駆動部の個別電極(54)にはFPC(80)が半田接合されている。また、共通電極(55)は積層圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPC(80)のGnd電極に接合している。FPC(80)にはドライバIC(不図示)が実装されており、駆動部(56)への駆動電圧の印加を制御している。
振動板(60)は、薄膜のダイヤフラム部(62)と、ダイヤフラム部(62)の中央部に形成した駆動部(56)となる積層圧電素子(50)と接合する島状凸部(アイランド部)(61)と、支持部(不図示)に接合する梁を含む厚膜部と、インク流入口(63)となる開口が、電鋳工法によるNiメッキ膜を2層重ねて形成されている。ダイヤフラム部は、厚さが3μm、幅が35μm(片側)である。
振動板(60)の島状凸部(61)と積層圧電素子(50)の可動部(56)、振動板(60)とフレーム(10)は、ギャップ材を含んだ接着層(70)をパターニングして接着されている。
流路板(20)は、流体抵抗部(21)と、加圧液室(22)となる彫り込みと、ノズル(31)に対応する位置に形成されている連通口(23)からなる貫通口が、シリコン単結晶基板を用いて、エッチング工法でパターニングされている。
エッチングで残された部分が加圧液室(22)の隔壁(24)となる。また、エッチング幅を狭くする部分を設けて、流体抵抗部(21)とした。
ノズル板(30)は、金属材料、例えば、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成されており、液滴を吐出するための微細な吐出口であるノズル(31)が多数形成されている。ノズル(31)は、内部形状(内側形状)がホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい)となるように形成されている。また、ノズル(31)は、インクジェット用インクが吐出する出口側の直径が約20〜35μmである。また、各列のノズルピッチは150dpiである。
ノズル板(30)は、インクジェット用インクが吐出する側(ノズルの表面側)の面に、撥インク層(90)が設けられている。撥インク層(90)としては、PTFE−Ni共析メッキ、フッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えば、フッ化ピッチ等)を蒸着コートしたもの、シリコーン系樹脂及びフッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等のインク物性に応じて選定した撥水処理膜が設けられている。これにより、液滴の形状、吐出特性を安定化し、高品位の画像品質が得られる。例えば、フッ素系樹脂としては、変性パーフルオロポリオキセタンのオプツールDSX(ダイキン工業社製)を厚さが30〜100Åとなるように蒸着することにより、良好な撥水性が得られる。
インク供給口と共通液室(12)となる彫り込みを形成するフレーム(10)は、樹脂成形により作製される。
インクジェットヘッドにおいては、信号に応じて駆動部(56)に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することにより、駆動部(56)に積層方向の変位が生起し、ノズル板(30)を介して加圧液室(22)が加圧されて圧力が上昇し、ノズル(31)からインクジェット用インクが吐出される。
その後、インクジェット用インクの吐出の終了に伴い、加圧液室(22)内の圧力が低減し、インクジェット用インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室(22)内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、インクタンクから供給されたインクジェット用インクは、共通液室(12)に流入し、共通液室(12)からインク流入口(63)及び流体抵抗部(21)を経て、加圧液室(22)内に充填される。
流体抵抗部(21)は、インクジェット用インクを吐出した後の残留圧力の減衰に効果がある反面、表面張力による最充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部を適宜選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインクジェット用インクを吐出する動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くすることができる。
以下、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。なお、部は、質量部を意味する。
[シリコーン変性アクリル樹脂粒子の分散液の調製]
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えたフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、アクアロンRN−20(第一工業製薬社製)10g、過硫酸カリウム1g及び純水286gを仕込み、65℃に昇温した。次に、メタクリル酸メチル150g、アクリル酸2−エチルヘキシル100g、アクリル酸20g、ビニルトリエトキシシラン20g、アクアロンRN−20(第一工業製薬社製)10g、過硫酸カリウム4g及び純水398.3gの混合液を2.5時間でフラスコ内に滴下した。さらに、80℃で3時間加熱熟成した後、冷却し、水酸化カリウムでpHが7〜8となるように調整すると共に、純水で固形分濃度が30質量%となるように調整し、シリコーン変性アクリル樹脂粒子の分散液を得た。
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えたフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、アクアロンRN−20(第一工業製薬社製)10g、過硫酸カリウム1g及び純水286gを仕込み、65℃に昇温した。次に、メタクリル酸メチル150g、アクリル酸2−エチルヘキシル100g、アクリル酸20g、ビニルトリエトキシシラン20g、アクアロンRN−20(第一工業製薬社製)10g、過硫酸カリウム4g及び純水398.3gの混合液を2.5時間でフラスコ内に滴下した。さらに、80℃で3時間加熱熟成した後、冷却し、水酸化カリウムでpHが7〜8となるように調整すると共に、純水で固形分濃度が30質量%となるように調整し、シリコーン変性アクリル樹脂粒子の分散液を得た。
[実施例1]
ナトリウムベース亜硫酸パルプ排液のpHを5.0に調整した後、分画分子量が5000の限外濾過膜マイクローザUF(旭化成ケミカルズ社製)により分画した。限外濾過膜を透過した液を濃縮し、5℃まで冷却した後、沈殿物をデカンテーションした。このとき、リグニンスルホン酸ナトリウムの含有量は31質量%であった。さらに、純水で希釈し、リグニンスルホン酸ナトリウムの含有量が10質量%の分散剤液を得た。
ナトリウムベース亜硫酸パルプ排液のpHを5.0に調整した後、分画分子量が5000の限外濾過膜マイクローザUF(旭化成ケミカルズ社製)により分画した。限外濾過膜を透過した液を濃縮し、5℃まで冷却した後、沈殿物をデカンテーションした。このとき、リグニンスルホン酸ナトリウムの含有量は31質量%であった。さらに、純水で希釈し、リグニンスルホン酸ナトリウムの含有量が10質量%の分散剤液を得た。
平均一次粒子径が20nm、BET比表面積が150m2/gのガスブラックNIPEX160−IQ(degussa社製)150部、分散剤液95部及び純水755部の混合物を、直径が3mmのジルコニアビーズを用いて、ボールミルにより分散させた。次に、直径が0.3mmジルコニアビーズを用いて、ディスクタイプのビーズミルKDL型バッチ式(シンマルエンタープライゼス社製)により、周速10m/秒、液温10℃で5分間分散させた。さらに、遠心分離機Model−3600(久保田商事社製)により、粗大粒子を遠心分離し、カーボンブラック分散液を得た。
カーボンブラック分散液53.3質量%、グリセリン8.5質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール17.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、2−ピロリドン2.0質量%、シリコーン変性アクリル樹脂粒子の分散液10.0質量%、有効成分が40質量%のフッ素系界面活性剤FS−300(DuPont社製)2.5質量%、防腐防カビ剤プロキセルLV(アベシア社製)0.05質量%、アミン系有機pH調整剤0.6質量%及び純水(残余)を30分間攪拌した。次に、孔径が0.8μmのメンブランフィルターでろ過した後、真空脱気してインクジェット用インクを得た。このとき、ガスブラックは、体積平均粒子径(D50)が124.8nmであり、粒子径の標準偏差が49.8nmであった。
[実施例2]
マグネシウムベース亜硫酸パルプ排液のpHを5.0に調整した後、分画分子量が5000の限外濾過膜マイクローザUF(旭化成ケミカルズ社製)により分画した。限外濾過膜を透過した液を濃縮し、5℃まで冷却した後、沈殿物をデカンテーションした。このとき、リグニンスルホン酸マグネシウムの含有量は29質量%であった。さらに、純水で希釈し、リグニンスルホン酸マグネシウムの含有量が10質量%の分散剤液2を得た。
マグネシウムベース亜硫酸パルプ排液のpHを5.0に調整した後、分画分子量が5000の限外濾過膜マイクローザUF(旭化成ケミカルズ社製)により分画した。限外濾過膜を透過した液を濃縮し、5℃まで冷却した後、沈殿物をデカンテーションした。このとき、リグニンスルホン酸マグネシウムの含有量は29質量%であった。さらに、純水で希釈し、リグニンスルホン酸マグネシウムの含有量が10質量%の分散剤液2を得た。
得られた分散剤液を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット用インクを得た。このとき、ガスブラックは、体積平均粒子径(D50)が126.2nmであり、粒子径の標準偏差が51.2nmであった。
[実施例3]
ナトリウムベース亜硫酸パルプ排液のpHを5.0に調整した後、分画分子量が6000の限外濾過膜マイクローザUF(旭化成ケミカルズ社製)により分画した。限外濾過膜を透過した液を濃縮し、5℃まで冷却した後、沈殿物をデカンテーションした。このとき、リグニンスルホン酸ナトリウムの含有量は33質量%であった。さらに、純水で希釈し、リグニンスルホン酸ナトリウムの含有量が10質量%の分散剤液を得た。
ナトリウムベース亜硫酸パルプ排液のpHを5.0に調整した後、分画分子量が6000の限外濾過膜マイクローザUF(旭化成ケミカルズ社製)により分画した。限外濾過膜を透過した液を濃縮し、5℃まで冷却した後、沈殿物をデカンテーションした。このとき、リグニンスルホン酸ナトリウムの含有量は33質量%であった。さらに、純水で希釈し、リグニンスルホン酸ナトリウムの含有量が10質量%の分散剤液を得た。
得られた分散剤液を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット用インクを得た。このとき、カーボンブラックは、体積平均粒子径(D50)が122.6nmであり、粒子径の標準偏差が48.3nmであった。
[実施例4]
平均一次粒子径が20nm、BET比表面積が150m2/gのガスブラックNIPEX160−IQ(degussa社製)の代わりに、平均一次粒子径が25nm、BET比表面積が110m2/gのガスブラックNIPEX150(degussa社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして、インクジェット用インクを得た。このとき、ガスブラックは、体積平均粒子径(D50)が116.6nmであり、粒子径の標準偏差が42.5nmであった。
平均一次粒子径が20nm、BET比表面積が150m2/gのガスブラックNIPEX160−IQ(degussa社製)の代わりに、平均一次粒子径が25nm、BET比表面積が110m2/gのガスブラックNIPEX150(degussa社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして、インクジェット用インクを得た。このとき、ガスブラックは、体積平均粒子径(D50)が116.6nmであり、粒子径の標準偏差が42.5nmであった。
[実施例5]
平均一次粒子径が20nm、ET比表面積が150m2/gのガスブラックNIPEX160−IQ(degussa社製)の代わりに、平均一次粒子径が17nm、BET比表面積が200m2/gのチャンネルブラックcolor Black FW18(degussa社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして、インクジェット用インクを得た。このとき、ガスブラックは、体積平均粒子径(D50)が132.4nmであり、粒子径の標準偏差が59.4nmであった。
平均一次粒子径が20nm、ET比表面積が150m2/gのガスブラックNIPEX160−IQ(degussa社製)の代わりに、平均一次粒子径が17nm、BET比表面積が200m2/gのチャンネルブラックcolor Black FW18(degussa社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして、インクジェット用インクを得た。このとき、ガスブラックは、体積平均粒子径(D50)が132.4nmであり、粒子径の標準偏差が59.4nmであった。
[比較例1]
ナトリウムベース亜硫酸パルプ排液のpHを5.0に調整した後、分画分子量が10000の限外濾過膜マイクローザUF(旭化成ケミカルズ社製)により分画した。限外濾過膜を透過した液を濃縮し、5℃まで冷却した後、沈殿物をデカンテーションした。このとき、リグニンスルホン酸ナトリウム含有量は40質量%であった。さらに、純水で希釈し、リグニンスルホン酸ナトリウムの含有量が10質量%の分散剤液を得た。
ナトリウムベース亜硫酸パルプ排液のpHを5.0に調整した後、分画分子量が10000の限外濾過膜マイクローザUF(旭化成ケミカルズ社製)により分画した。限外濾過膜を透過した液を濃縮し、5℃まで冷却した後、沈殿物をデカンテーションした。このとき、リグニンスルホン酸ナトリウム含有量は40質量%であった。さらに、純水で希釈し、リグニンスルホン酸ナトリウムの含有量が10質量%の分散剤液を得た。
得られた分散剤液を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット用インクを得た。このとき、ガスブラックは、体積平均粒子径(D50)が120.1nmであり、粒子径の標準偏差が44.1nmであった。
[比較例2]
ナトリウムベース亜硫酸パルプ排液のpHを5.0に調製した後、濃縮し、5℃まで冷却した後、沈殿物をデカンテーションした。このとき、リグニンスルホン酸ナトリウムの含有量は57質量%であった。さらに、純水で希釈し、リグニンスルホン酸ナトリウムの含有量が10質量%の分散剤液を得た。
ナトリウムベース亜硫酸パルプ排液のpHを5.0に調製した後、濃縮し、5℃まで冷却した後、沈殿物をデカンテーションした。このとき、リグニンスルホン酸ナトリウムの含有量は57質量%であった。さらに、純水で希釈し、リグニンスルホン酸ナトリウムの含有量が10質量%の分散剤液を得た。
得られた分散剤液を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット用インクを得た。このとき、ガスブラックは、体積平均粒子径(D50)が118.5nmであり、粒子径の標準偏差が56.8nmであった。
[比較例3]
化学式
化学式
BET比表面積が150m2/gのガスブラックNIPEX160−IQ(degussa社製)150部、分散剤液150部及び純水700部の混合物を、直径が3mmのジルコニアビーズを用いて、ボールミルにより分散させた。次に、直径が0.3mmジルコニアビーズを用いて、ディスクタイプのビーズミルKDL型バッチ式(シンマルエンタープライゼス社製)により、周速10m/秒、液温10℃で5分間分散させた。さらに、遠心分離機Model−3600(久保田商事社製)により、粗大粒子を遠心分離し、カーボンブラック分散液を得た。
得られたカーボンブラック分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット用インクを得た。このとき、ガスブラックは、体積平均粒子径(D50)が138.2nmであり、粒子径の標準偏差が70.3nmであった。
[比較例4]
ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物パイオニンA−45−PN(竹本油脂社製)を純水で希釈し、POE−β−ナフチルエーテルの含有量が10質量%の分散剤液を得た。
ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物パイオニンA−45−PN(竹本油脂社製)を純水で希釈し、POE−β−ナフチルエーテルの含有量が10質量%の分散剤液を得た。
得られた分散剤液を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット用インクを得た。このとき、カーボンブラックは、体積平均粒子径(D50)が124.8nmであり、粒子径の標準偏差が48.1nmであった。
[画像濃度の評価]
インクジェットプリンタGX5000(リコー社製)を用いて、普通紙−はやい(カラーマッチング−しない)モードで、PPC用紙4200紙(ゼロックス社製)に、インク付着量が8.2g/m2の黒ベタ画像を形成した。X−Rite濃度計(X−Rite社製)を用いて、黒ベタ画像の画像濃度を測定した。
インクジェットプリンタGX5000(リコー社製)を用いて、普通紙−はやい(カラーマッチング−しない)モードで、PPC用紙4200紙(ゼロックス社製)に、インク付着量が8.2g/m2の黒ベタ画像を形成した。X−Rite濃度計(X−Rite社製)を用いて、黒ベタ画像の画像濃度を測定した。
[吐出安定性の評価]
上記の黒ベタ画像を形成した後、プリンタヘッドにキャップした状態で、インクジェットプリンタGX5000(リコー社製)を40℃の環境下で1ヶ月間放置した。放置後のインクジェットプリンタGX5000(リコー社製)の吐出状態が、クリーニング動作により、初期の吐出状態に回復するか否かを評価した。なお、1回のクリーニング動作により回復する場合を○、2〜3回のクリーニング動作により回復する場合を△、3回のクリーニング動作により回復しない場合を×として、判定した。
上記の黒ベタ画像を形成した後、プリンタヘッドにキャップした状態で、インクジェットプリンタGX5000(リコー社製)を40℃の環境下で1ヶ月間放置した。放置後のインクジェットプリンタGX5000(リコー社製)の吐出状態が、クリーニング動作により、初期の吐出状態に回復するか否かを評価した。なお、1回のクリーニング動作により回復する場合を○、2〜3回のクリーニング動作により回復する場合を△、3回のクリーニング動作により回復しない場合を×として、判定した。
[保存安定性の評価]
インクジェット用インクをポリエチレン容器に入れて密封し、70℃で2週間保存した後の粒子径、表面張力及び粘度を測定し、初期の物性に対する変化率を評価した。なお、粒子径、表面張力及び粘度の変化率が5%未満である場合を◎、10%未満である場合を○、30%未満である場合を△、粒子径、表面張力及び粘度の少なくとも一つの変化率が30%以上である場合を×として、判定した。
インクジェット用インクをポリエチレン容器に入れて密封し、70℃で2週間保存した後の粒子径、表面張力及び粘度を測定し、初期の物性に対する変化率を評価した。なお、粒子径、表面張力及び粘度の変化率が5%未満である場合を◎、10%未満である場合を○、30%未満である場合を△、粒子径、表面張力及び粘度の少なくとも一つの変化率が30%以上である場合を×として、判定した。
表1に、画像濃度、吐出安定性及び保存安定性の評価結果を示す。
10 フレーム
12 共通液室
20 流路板
21 流体抵抗部
22 加圧液室
23 連通口
24 隔壁
30 ノズル板
31 ノズル
40 ベース
50 積層圧電素子
51 圧電層
52 内部電極層
53 外部電極
54 個別電極
55 共通電極
56 駆動部(可動部)
57 支持部
60 振動板
61 島状凸部
62 ダイヤフラム部
63 インク流入口
70 接着層
80 FPC
90 撥インク層
101 画像形成装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200、200' インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装(ケース)
12 共通液室
20 流路板
21 流体抵抗部
22 加圧液室
23 連通口
24 隔壁
30 ノズル板
31 ノズル
40 ベース
50 積層圧電素子
51 圧電層
52 内部電極層
53 外部電極
54 個別電極
55 共通電極
56 駆動部(可動部)
57 支持部
60 振動板
61 島状凸部
62 ダイヤフラム部
63 インク流入口
70 接着層
80 FPC
90 撥インク層
101 画像形成装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200、200' インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装(ケース)
Claims (8)
- カーボンブラック、リグニンスルホン酸塩及び水を含むカーボンブラック分散液であって、
前記リグニンスルホン酸塩は、分画分子量が6000以下である限外濾過膜又は透析膜を透過した成分であることを特徴とするカーボンブラック分散液。 - 前記カーボンブラックに対する前記リグニンスルホン酸塩の質量比が0.005以上1以下であることを特徴とする請求項1に記載のカーボンブラック分散液。
- インクジェット用インクであることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンブラック分散液。
- インクジェット用インクを製造するために用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンブラック分散液。
- カーボンブラック、リグニンスルホン酸塩及び水を含むカーボンブラック分散液を製造する方法であって、
分画分子量が6000以下である限外濾過膜又は透析膜を用いて、リグニンスルホン酸塩を分画する工程を有することを特徴とするカーボンブラック分散液の製造方法。 - 請求項3に記載のカーボンブラック分散液が容器に収容されていることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項3に記載のカーボンブラック分散液を画像支持体に吐出する吐出手段を有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項3に記載のカーボンブラック分散液を画像支持体に吐出する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010014655A JP2011153189A (ja) | 2010-01-26 | 2010-01-26 | カーボンブラック分散液及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010014655A JP2011153189A (ja) | 2010-01-26 | 2010-01-26 | カーボンブラック分散液及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011153189A true JP2011153189A (ja) | 2011-08-11 |
Family
ID=44539388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010014655A Pending JP2011153189A (ja) | 2010-01-26 | 2010-01-26 | カーボンブラック分散液及びその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011153189A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021151783A (ja) * | 2017-03-28 | 2021-09-30 | セイコーエプソン株式会社 | インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 |
CN116715994A (zh) * | 2022-03-07 | 2023-09-08 | 精工爱普生株式会社 | 喷墨油墨组合物、记录方法以及记录物 |
-
2010
- 2010-01-26 JP JP2010014655A patent/JP2011153189A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021151783A (ja) * | 2017-03-28 | 2021-09-30 | セイコーエプソン株式会社 | インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 |
JP7140233B2 (ja) | 2017-03-28 | 2022-09-21 | セイコーエプソン株式会社 | インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 |
CN116715994A (zh) * | 2022-03-07 | 2023-09-08 | 精工爱普生株式会社 | 喷墨油墨组合物、记录方法以及记录物 |
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