JP2011152998A - 岸壁クレーン - Google Patents

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Abstract

【課題】脚構造物とスライド式ブームを有する岸壁クレーン(ロープロファイルクレーン)において、クレーンの重量増加量を抑制し、且つ、低コストで、制振構造を導入したクレーンを提供する。
【解決手段】岸壁クレーン1に上部構造物30又は脚構造物31と、スライド式ブーム2の相対移動を減衰する振動減衰機構を設置し、上部構造物30又は脚構造物31に、スライド式ブーム2を支持する支持機構8を設置し、第1の条件下では、支持機構8でスライド式ブーム2を支持し、スライド式ブーム2とローラ3の接触を禁止する制御を行い、第2の条件下では、支持機構8によるスライド式ブーム2の支持を解除して、スライド式ブーム2とローラ3を接触させ、スライド式ブーム2を揺動自在とする制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、港湾や内陸地のコンテナターミナルなどでコンテナの荷役に使用するクレーン等に、地震対策を施した岸壁クレーンに関するものである。
港湾や内陸地等のコンテナターミナルでは、岸壁クレーン、門型クレーン、コンテナトレーラによって、船舶及びトレーラ間のコンテナの荷役を行っている。図6に、脚構造物31とスライド式ブーム(以下、ブームという)2を有する岸壁クレーン(以下、ロープロファイルクレーン、又はクレーンという)1Xの荷役時の様子を示す。
クレーン1Xは、コンテナ船40に搭載したコンテナ41をトロリ33で吊上げ、岸壁35で待機しているトレーラ36に搭載する荷役作業を行っている。又は、クレーン1Xは、コンテナ41をトレーラ36からコンテナ船40に積み込む荷役作業を行っている。また、この荷役作業において、クレーン1Xは、岸壁35に沿って(図6の紙面奥、又は手前方向に)走行装置34で移動し、荷下ろしあるいは積み込み位置を変更しながら荷役作業を行っている。
次に、ロープロファイルクレーン1Xの構造について説明する。クレーン1Xは、海側脚32a及び陸側脚32bを有する脚構造物31の上部に、枠状の上部構造物30を有している。この上部構造物30の内部に、スライド式ブーム(以下、ブームという)2を配置している。また、上部構造物30は、スライドローラ(以下、ローラという)3を有している。このローラ3上に、ブーム2を移動自在に配置している。ブーム2は、図6の左右方向に移動することができる。なお、上部構造物30は、下方を開放したC字型であり、この開放部分をトロリ33が通過できるように構成している。
また、上部構造物30にワイヤロープドラム(以下、ドラムという)4を設置している。このドラム4から、第1ワイヤロープ6aと、第2ワイヤロープ6bを繰り出し、又は巻き取るように構成している。この第1ワイヤロープ6aは、ドラム4から出て、ブーム2の先端に固定している。同様に、第2ワイヤロープ6bは、ドラム4から出て、ブーム2の先端に固定している。
なお、上部構造物30とブーム2の隙間が小さく、第1ワイヤロープ6a及び第2ワイヤロープ6bが上部構造物30と干渉する場合は、上部構造物30に海側固定シーブ5a及び陸側固定シーブ5b、又は回転体等を設けて干渉を防止するように構成している。また、ドラム4は、例えば、第1ワイヤロープ6aを巻き取った際は、同量の長さの第2ワイヤロープ6bを繰り出すように構成している。
次に、ロープロファイルクレーン1Xの動作について説明する。クレーン1Xは、コンテナ41の荷役を行う際には、図6に示す様に、ブーム2を海側のコンテナ船40上方まで移動する。また、クレーン1Xは、休止時には、図7に示す様に、ブーム2を陸側に移動する。
これは、コンテナ船40の接岸又は離岸時に、コンテナ船40の船橋等とブーム2の干渉を避けるためである。岸壁クレーンの中には、コンテナ船40との干渉を避けるために、ブームを上方に跳ね上げて、船橋等をかわすように構成しているものもある。しかし、空港付近のコンテナターミナルなど、全高制限が設けられている地区では、ブームの跳ね上げができないため、ロープロファイルクレーン1Xを採用している。
また、ブーム2の移動は、ドラム4でワイヤロープ6(6a及び6b)を巻き上げて行う。例えば、ブーム2を海側に移動するとき(図7から図6の状態とするとき)、ドラム4の回転により、第1ワイヤロープ6aを繰り出し、同量の長さの第2ワイヤロープ6bを巻き取る。このドラム4の動作により、ブーム2には海側方向の力が働き、ブーム2が移動する。このブーム2の移動に伴い、ローラ3が受動的に回転するように構成している。
ところで、近年、地震対策として免震構造を採用した岸壁クレーンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この免震構造とは、地盤とクレーンの絶縁により、クレーンが地震力を受けないようにするものである。この免震構造は、走行輪上部の脚部にアイソレータやダンパーを設置し、その上にクレーン構造物を設置して、地盤の揺れにクレーンが追従しないように構成するものである。具体例としては、薄いゴムシートと鋼板を交互に積層し、接着した積層ゴム等のアイソレータを、クレーンの走行輪と脚部の間に設置する構造などがある。
しかしながら、特許文献1に記載の発明のように、アイソレータを利用した免震構造では、地震対策が不十分であるという問題を有している。つまり、現行のアイソレータは、海陸方向に±300mm程度の水平方向変形を吸収することができるが、近年の要求は、海陸方向に±1000mm程度の水平方向変形を吸収することであり、不十分となっている。また、±1000mm程度の水平方向変形を吸収するアイソレータの利用を考えると、このアイソレータは高コストとなり、更に、走行装置と脚構造物の間に設置するスペースが取れない、あるいは走行装置と脚構造物の芯ずれにより走行装置に過大な転倒モーメントが発生するという問題を有している。
他方で、地震対策として免震構造の他に制振構造(制震構造とも言う)もある。この制振構造とは、地震動をエネルギーとして捉え、構造物に組み込んだエネルギー吸収構造により、このエネルギーを減衰する構造である。この制振構造は、構造物の揺れを抑え、構造物の損傷を軽減することができるため、繰り返しの地震に有効である。更に、免震構造に比べて低コストで実現することができる。
具体的には、例えばビル等の建築物であれば、屋上にマスダンパーと呼ばれるおもり(制振マス)を設置し、建築物の振動を減衰する。制振マスには水槽等を利用することができ、この重量が大きいほど制振の作用効果が高まる。また、建築物の柱と柱の間に、建築物内の地震エネルギーを吸収するダンパーを設置する方法もある。
しかしながら、上記の制振構造を岸壁クレーンに適用することは困難であった。つまり、クレーンに制振構造を適用する場合、制振マスやダンパー等を新たに設置する必要があり、クレーンの重量が増加してしまうという問題を有している。クレーンの重量は、クレーンを設置する岸壁の強度により制限されている。そして、ほとんどの岸壁において、クレーンの重量増加が不可能な状況である。
特開2005−75608号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、脚構造物とスライド式ブームを有する岸壁クレーン(ロープロファイルクレーン)において、クレーンの重量
増加量を抑制し、且つ、低コストで、制振構造を導入したクレーンを提供することを目的とする。更に、高い制振効果を発揮し、且つ応答性及び安定性が高い制振構造を有したクレーンを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る岸壁クレーンは、脚構造物と、前記脚構造物の上部に設置した上部構造物と、前記上部構造物又は前記脚構造物に設置したローラと、前記ローラ上にスライド可能に設置したスライド式ブームを有した、海上輸送用コンテナの荷役に使用する岸壁クレーンにおいて、前記岸壁クレーンに前記上部構造物又は前記脚構造物と、前記スライド式ブームの相対移動を減衰する振動減衰機構を設置し、前記上部構造物又は前記脚構造物に、前記スライド式ブームを支持する支持機構を設置し、第1の条件下では、前記支持機構で前記スライド式ブームを支持し、前記スライド式ブームと前記ローラの接触を禁止する制御を行い、第2の条件下では、前記支持機構による前記スライド式ブームの支持を解除して、前記スライド式ブームと前記ローラを接触させ、前記スライド式ブームを揺動自在とする制御を行うことを特徴とする。
この構成により、クレーンの自重をほとんど増加せずに、制振構造を適用することができるため、低コストでクレーンに地震対策を施すことが可能となる。ロープロファイルクレーンの超重量物(例えば300〜400t)であるスライド式ブームを、制振マスとして利用できるため、高い制振効果を得ることができる。ここで、第1の条件下とは、クレーンがコンテナの荷役作業等を行う通常時を想定しており、第2の条件下とは地震発生時を想定している。
また、振動減衰機構は、揺動自在となったスライド式ブームと、脚構造物又は上部構造物の相対移動を減衰する機構である。例えば、スライド式ブームが海側に移動した場合、振動減衰機構は、スライド式ブームの移動を引き戻す力を発生する。具体的には、脚構造物又は上部構造物と、スライド式ブームを、バネ機構とダンパー機構でそれぞれ連結して実現することができる。
なお、ロープロファイルクレーンの全体重量は、例えば1500〜1600t程度であるため、クレーン全体重量の約25%程度を占めているスライド式ブームは、超大型制振マスであると言える。
上記の岸壁クレーンにおいて、前記上部構造物又は前記脚構造物上に前記ローラ及び前記支持機構を設置し、前記ローラ及び前記支持機構の上方に前記スライド式ブームが位置するように配置し、前記第1の条件下では、前記支持機構を前記ローラよりも上方に突出させ、前記スライド式ブームを支持し、前記スライド式ブームと前記ローラの接触を禁止する制御を行い、前記第2の条件下では、前記支持機構を前記ローラよりも下方に降下させ、前記スライド式ブームの支持を解除し、前記スライド式ブームと前記ローラを接触させ、前記スライド式ブームを揺動自在とする制御を行うことを特徴とする。
この構成により、通常時は支持機構で支持(固定)しているスライド式ブームを、地震発生時には開放することができる。具体的には、支持機構を自重又はスライド式ブームの重量により降下させるのみで、スライド式ブームを回転自在のローラ上に載置し、揺動可能とすることができる。つまり、支持機構の移動方向を下方、特に鉛直下向きとすると、移動のための動力が不要となり、地震に伴い停電が発生した場合であっても、応答性及び安定性の高い制振効果を得ることができる。
上記の岸壁クレーンにおいて、前記支持機構を、油圧シリンダを介して前記上部構造物又は前記脚構造物に設置し、第2の条件下で前記油圧シリンダの圧力を開放するように構
成したことを特徴とする。この構成により、クレーンの制振効果が、油圧シリンダの圧力開放をスイッチとして発生するため、極めて応答性の高い制振構造とすることができる。つまり、地震発生直後に、スライド式ブームが制振マスとして揺動することができる。
上記の岸壁クレーンにおいて、前記ローラにモータを設置し、前記スライド式ブームが移動する際には、前記モータの駆動により前記ローラが回転するように制御し、地震発生時には、前記スライド式ブームの揺動により回転する前記ローラの回転力を、前記モータで減衰することを特徴とする。
この構成により、ローラに設置するモータは、スライド式ブームが移動する際には、スライド式ブームに動力を加える駆動装置として作用する。また、地震によりスライド式ブームが揺動する際には、このスライド式ブームの揺動を減衰する振動減衰機構として作用する。つまり、モータが発電機として、ローラの回転力を吸収する。
上記の目的を達成するための本発明に係る岸壁クレーンの制御方法は、脚構造物と、前記脚構造物の上部に設置した上部構造物と、前記脚構造物又は前記上部構造物に設置したローラと、前記ローラ上にスライド可能に設置したスライド式ブームを有し、海上輸送用コンテナの荷役に使用する岸壁クレーンであり、前記岸壁クレーンに前記脚構造物又は前記上部構造物と、前記スライド式ブームの相対移動を減衰する振動減衰機構を設置し、前記脚構造物又は前記上部構造物に、前記スライド式ブームを支持する支持機構を設置した岸壁クレーンの制御方法において、前記海上輸送用コンテナを荷役する際には、前記スライド式ブームを前記支持機構で支持し、前記スライド式ブームと前記ローラの接触を禁止する制御を行い、前記スライド式ブームをスライドする際には、前記支持機構による前記スライド式ブームの支持を解除し、前記スライド式ブームと前記ローラを接触させ、前記スライド式ブームをスライドする制御を行い、地震が発生した際には、前記支持機構による前記スライド式ブームの支持を解除し、前記スライド式ブームを前記ローラと接触させ、前記スライド式ブームを揺動自在とする制御を行うことを特徴とする。この構成により、前述の岸壁クレーンと同様の作用効果を得ることができる。
本発明に係る岸壁クレーンによれば、クレーンの重量増加量を抑制し、且つ、低コストで、制振構造を導入したクレーンを提供することができる。また、高い制振効果を発揮し、且つ応答性及び安定性が高い制振構造を有したクレーンを提供することができる。
本発明に係る実施の形態の岸壁クレーンの概略を示した図である。 本発明に係る実施の形態の岸壁クレーンのスライド式ブームを支持した状態を示した図である。 本発明に係る実施の形態の岸壁クレーンのスライド式ブームの移動の状態を示した図である。 本発明に係る実施の形態の岸壁クレーンの支持機構の回路を示した図である。 本発明に係る実施の形態の岸壁クレーンの振動減衰機構の1例を示した図である。 従来の岸壁クレーンを示した図である。 従来の岸壁クレーンを示した図である。
以下、本発明に係る実施の形態の岸壁クレーン(以下、ロープロファイルクレーン又はクレーンという)について、図面を参照しながら説明する。図1に、ロープロファイルク
レーン1の概略を示す。
図1に示すクレーン1は、脚構造物31上、又は上部構造物30にローラ3を有し、このローラ3の近傍に支持機構8を有するように構成している。また、ローラ3の上端よりも支持機構8を突出するように構成し、この支持機構8でスライド式ブーム2を支持するように構成している。
図2及び3に支持機構8の概略を示す。支持機構8は、ローラ3の間から上方に突出するように構成しており、油圧、又は電力等の動力により上下移動するように構成している。また、図2に示す様に、支持機構8は、上方に突出した場合は、その上端がローラ3よりも高い位置となり、スライド式ブーム2を、ローラ3に触れないように支持することができる。更に、図3に示す様に、支持機構8は、下方に降下した場合は、その上端がローラ3よりも低い位置隣、スライド式ブーム2をローラ3上に載置することができる。
なお、本発明に係る支持機構8の構成は、上記に限定されるものではなく、実質的には、スライド式ブーム2とローラ3の接触及び分離を制御することのできる構造であればよい。
次に、支持機構8の動作について説明する。支持機構8は、例えば油圧や電力等により、上昇及び降下するように構成している。図2は、クレーン1が荷役を行う際(以下、通常時という)の支持機構8の状態を示している。このとき、支持機構8は上方に突出し、スライド式ブーム2を支持した状態にある。つまり、スライド式ブーム2は、上部構造物30及び脚構造物31に対して固定した状態にある。
図3は、地震が発生した際の支持機構8の状態を示している。このとき、支持機構8は降下し、スライド式ブーム2の支持を解除した状態にある。スライド式ブーム2を、ローラ3上に載置しているため、スライド式ブーム2は、このローラ3の回転により海陸方向(図3の左右方向)に揺動できる状態となる。つまり、地震動により揺動するスライド式ブーム2は、回転自在のローラ3(無動力)上で自由に移動することができる。
ここで、コンテナ船40の接岸に伴うスライド式ブーム2の移動(図6及び7参照)は、支持機構8が降下し、ローラ3がモータ等の動力により回転して実現することができる。
なお、図2及び3では、ローラ3及び支持機構8を上部構造物30上に設置しているが、脚構造物31上に設置してもよい。また、ローラ3及び支持機構8を、上部構造物30から吊るように配置してもよい。
上記の構成により、以下のような作用効果を得ることができる。すなわち、地震により脚構造物31及び上部構造物30が振動した場合、この振動と異なる周期でブーム2が揺動して、クレーン1に発生する振動を減衰することができる。つまり、クレーン1は、超重量物(300〜400t)であるスライド式ブーム2を制振マスとして利用できるため、クレーン1の自重を増加することなく、高い制振効果を得ることができる。
また、スライド式ブーム2の開放(固定解除)を、支持機構8の降下により実現しているため、支持機構8を自重又はスライド式ブーム2の重量により降下させるのみで実現することができる。つまり、支持機構8の移動方向を下方、特に鉛直下向きとすると、この支持機構8の降下のための動力が不要となり、地震に伴い停電が発生した場合であっても、応答性及び安定性の高い制振効果を得ることができる。
なお、ブーム2を利用した制振構造により減衰する振動は、主に海陸方向(図3の左右方向)の振動となる。岸壁に平行な方向(図3の紙面手前から奥の方向)の振動は、従来と同様にクレーン1の走行装置34(図1参照)がすべり移動することにより減衰するように構成するとよい。
図4に、支持機構8の動力として両ロッドの油圧シリンダ11を設置した場合の油圧回路を示す。図4に示す様に、支持機構8を構成する油圧シリンダ11に、流体(油)の流れる方向を制御する制御バルブ13を介して油圧ポンプ14で油圧をかけるように構成している。また、油圧シリンダ11に対して並列にリリーフバルブ12を設置している。なお、リリーフバルブ12及び制御バルブ13は、ソレノイドバルブで構成することが望ましい。
次に、油圧回路の制御について説明する。通常時には、ソレノイドバルブで構成したリリーフバルブ12に電圧をかけ、油圧回路を閉止するように制御する。また、ソレノイドバルブで構成した制御バルブ13で、流体の流れる方向を制御することができる。この制御により、支持機構8の上昇及び降下を能動的に制御及び調整することができる。つまり、この油圧回路では、支持機構8でスライド式ブーム2を支持した状態を保つために、油圧シリンダ11内(図4のシリンダ11内の下方の部屋)の圧力を一定に保つように制御する。この圧力が低下した場合(支持機構8が下がった場合)、制御バルブ13が自動的に図4の下方に動き、この圧力を上昇するように制御する。そして、内圧が予め定めた規定値に達すると、制御バルブ13を閉止状態(図4に示す状態)となるように制御する。また、コストを下げる目的で、内圧が上がりすぎたときに、制御バルブ13が図4の上方に動き、内圧を下げる回路(クロス回路)を有さないように構成してもよい。
地震発生時には、リリーフバルブ12を開放して、油圧シリンダ11にかかる油圧を開放するように制御する。このリリーフバルブ12の開放に伴い、油圧シリンダ11は外力(スライド式ブーム2の重量等)により自由に降下することが可能となる。つまり、地震発生時には、支持機構8でスライド式ブーム2を支持した状態を解除し、スライド式ブーム2が制振マスとして、ローラ3上を揺動自在な状態となる。
なお、リリーフバルブ12は、電圧がかからない状態では、バネ等の作用により、自動的に開放側に制御できるソレノイドバルブで構成することが望ましい。この構成により、地震と共に、停電が発生した場合であっても、リリーフバルブ12を開放することができる。また、クレーン1を地震発生後に復旧する際には、制御バルブ13を制御して、支持機構8を上昇し、スライド式ブーム2を支持するように制御する。
なお、地震の検知は、クレーン1に設置した加速度計や地震計等で行うことができる。この地震の検知信号に基づき、リリーフバルブ12に流れる電気を停止し、スライド式ブーム2の固定を開放する制御により、応答性の高い制振効果を得ることができる。また、せん断ピンによりリリーフバルブ12を機械的に固定し、地震発生時には、せん断ピンの折損によってリリーフバルブを開放するように構成してもよい。
図5に、上部構造物30又は脚構造物31とスライド式ブーム2の相対運動を減衰する振動減衰機構9の1例(一部透視図)を示す。この振動減衰機構9は、ローラ3に組み込んでおり、スライドローラ3の回転軸21に、クラッチ機構17、バネ機構18、ダンパー機構19を設置している。
このバネ機構18は、ローラ3の回転力を、回転軸21を介して蓄積するように構成している。また、ダンパー機構19は、油等を充填したケース内で、抵抗羽根20が回転するように構成している。
次に、振動減衰機構9の動作について説明する。図3に示す様に、地震が発生した際、スライド式ブーム2はローラ3上で揺動する。このとき、図5に示すローラ3が、スライド式ブーム2から力を受けて回転する。この回転力を、回転軸21を介してねじりバネ(バネ機構18)に蓄積する。このねじりバネが戻ろうとする力により、スライドローラ3が逆回転し、スライド式ブーム2は、引き戻し力を受ける。また、回転ダンパー(ダンパー機構19)は、回転軸21を介して、スライドローラ3の回転エネルギーを減衰する。
ここで、地震発生時には、クラッチ機構17はつながっている状態となっている。このクラッチ機構17は、スライド式ブーム2をローラ3の回転で能動的に移動する場合(コンテナ船接岸時等、図7参照)のみ解除するように構成している。例えば、リリーフバルブ等を利用して、電圧をかけたときのみクラッチ機構17の連結を解除し、その他の場合には、クラッチ機構17が連結している状態となるように制御することができる。
上記の構成により、揺動自在のスライド式ブーム2と、上部構造物30及び脚構造物31の相対運動を減衰することができる。つまり、スライド式ブーム2を制振マスとする制振効果を得ることができる。
なお、振動減衰機構9の構成は、上記に限られるものではなく、スライド式ブーム2と上部構造物30の間に、バネ機構とダンパー機構を設置する構成であれば、他の構造でも実現することができる。例えば、スライド式ブーム2の移動方向に沿って、スライド式ブーム2と上部構造物30又は脚構造物31の間に、バネ機構とダンパー機構を設置する構成でもよい。
また、ローラ3にモータ及び発電機を組み込んだ構成としてもよい。具体的には、スライド式ブーム2を能動的に移動する場合は、モータに電気を供給し、ローラ3の回転によりスライド式ブーム2を海側又は陸側(図6及び7参照)に移動する。地震が発生した場合には、モータを発電機として利用し、スライド式ブーム2の揺動に伴うローラ3の回転力を、電気に変換して減衰する。
以上より、地震発生に伴い、たとえ停電が発生した場合であっても、スライド式ブーム2を制振マスとして利用し、クレーン1の振動を効率的に減衰する制振構造を有したロープロファイルクレーン1を提供することが可能となる。
なお、クレーン1に従来の免震装置を適用することも可能であり、免震機構と制振機構の両方を有した極めて耐震性の高いクレーンとすることもできる。ここで、制振機構と同時に採用する免震機構は、従来よりも小型で低コストなアイソレータを採用することができる。
1 岸壁クレーン(ロープロファイルクレーン)
2 スライド式ブーム(ブーム)
3 スライドローラ(ローラ)
8 支持機構
9 振動減衰機構
11 油圧シリンダ
12 リリーフバルブ
13 制御バルブ
14 油圧ポンプ
30 上部構造物
31 脚構造物

Claims (5)

  1. 脚構造物と、前記脚構造物の上部に設置した上部構造物と、前記上部構造物又は前記脚構造物に設置したローラと、前記ローラ上にスライド可能に設置したスライド式ブームを有した、海上輸送用コンテナの荷役に使用する岸壁クレーンにおいて、
    前記岸壁クレーンに前記上部構造物又は前記脚構造物と、前記スライド式ブームの相対移動を減衰する振動減衰機構を設置し、前記上部構造物又は前記脚構造物に、前記スライド式ブームを支持する支持機構を設置し、
    第1の条件下では、前記支持機構で前記スライド式ブームを支持し、前記スライド式ブームと前記ローラの接触を禁止する制御を行い、
    第2の条件下では、前記支持機構による前記スライド式ブームの支持を解除して、前記スライド式ブームと前記ローラを接触させ、前記スライド式ブームを揺動自在とする制御を行うことを特徴とする岸壁クレーン。
  2. 前記上部構造物又は前記脚構造物上に前記ローラ及び前記支持機構を設置し、前記ローラ及び前記支持機構の上方に前記スライド式ブームが位置するように配置し、
    前記第1の条件下では、前記支持機構を前記ローラよりも上方に突出させ、前記スライド式ブームを支持し、前記スライド式ブームと前記ローラの接触を禁止する制御を行い、
    前記第2の条件下では、前記支持機構を前記ローラよりも下方に降下させ、前記スライド式ブームの支持を解除し、前記スライド式ブームと前記ローラを接触させ、前記スライド式ブームを揺動自在とする制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーン。
  3. 前記支持機構を、油圧シリンダを介して前記上部構造物又は前記脚構造物に設置し、第2の条件下で前記油圧シリンダの圧力を開放するように構成したことを特徴とする請求項2に記載の岸壁クレーン。
  4. 前記ローラにモータを設置し、
    前記スライド式ブームが移動する際には、前記モータの駆動により前記ローラが回転するように制御し、
    地震発生時には、前記スライド式ブームの揺動により回転する前記ローラの回転力を、前記モータで減衰することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の岸壁クレーン。
  5. 脚構造物と、前記脚構造物の上部に設置した上部構造物と、前記脚構造物又は前記上部構造物に設置したローラと、前記ローラ上にスライド可能に設置したスライド式ブームを有し、海上輸送用コンテナの荷役に使用する岸壁クレーンであり、
    前記岸壁クレーンに前記脚構造物又は前記上部構造物と、前記スライド式ブームの相対移動を減衰する振動減衰機構を設置し、前記脚構造物又は前記上部構造物に、前記スライド式ブームを支持する支持機構を設置した岸壁クレーンの制御方法において、
    前記海上輸送用コンテナを荷役する際には、前記スライド式ブームを前記支持機構で支持し、前記スライド式ブームと前記ローラの接触を禁止する制御を行い、
    前記スライド式ブームをスライドする際には、前記支持機構による前記スライド式ブームの支持を解除し、前記スライド式ブームと前記ローラを接触させ、前記スライド式ブームをスライドする制御を行い、
    地震が発生した際には、前記支持機構による前記スライド式ブームの支持を解除し、前記スライド式ブームを前記ローラと接触させ、前記スライド式ブームを揺動自在とする制御を行うことを特徴とする岸壁クレーンの制御方法。
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