JP2011152500A - 静電霧化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放電電極に結露水を生成するための冷却能力は確保したうえで、装置全体をコンパクト化することのできる静電霧化装置を提供する。
【解決手段】本発明において放電電極1を冷却する熱交換手段は、対をなす熱電素子2と、熱電素子2の放熱側に機械的且つ電気的に接続される放熱用通電基板3とを備える。放熱用通電基板3は、熱電素子2を半田接合するための実装面32を入熱面の反対側に有するランド部30と、ランド部30とは空隙をあけて位置する基板本体部31と、ランド部30と基板本体部31とを繋ぐ三本のランド支持部34とから成る。三本のランド支持部34によって、互いに相違する複数方向からランド部30を支持する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明において放電電極1を冷却する熱交換手段は、対をなす熱電素子2と、熱電素子2の放熱側に機械的且つ電気的に接続される放熱用通電基板3とを備える。放熱用通電基板3は、熱電素子2を半田接合するための実装面32を入熱面の反対側に有するランド部30と、ランド部30とは空隙をあけて位置する基板本体部31と、ランド部30と基板本体部31とを繋ぐ三本のランド支持部34とから成る。三本のランド支持部34によって、互いに相違する複数方向からランド部30を支持する。
【選択図】図1
Description
本発明は静電霧化装置に関し、詳しくは、静電霧化用の水を結露させるための技術に関する。
帯電微粒子水を発生させることのできる静電霧化装置として、冷却により生成した結露水に電圧を印加することによって帯電微粒子水を生成するものが知られている(特許文献1参照)。この静電霧化装置は図12に示すようなもので、複数対の熱電素子2を両側から回路板50で挟み込むことによって熱交換ブロック60を構成している。回路板50は、絶縁基板51の片面に回路パターン52を形成したものであって、一方の回路板50の回路パターン52によって熱電素子2の放熱側(図中下側)の端部同士を電気接続させ、他方の回路板50の回路パターン52によって熱電素子2の吸熱側(図中上側)の端部同士を電気接続させている。
そして、上記熱交換ブロック60の吸熱側の回路板50に高熱伝導性の冷却板70を接続させ、この冷却板70上に、放電電極1を立設させている。また、上記熱交換ブロック60の放熱側の回路板50に、専用の放熱部材71を機械的に接続させている。
上記構成の静電霧化装置において、外部電源により熱電素子2への通電を行うと、熱電素子2の吸熱側が回路パターン52、絶縁基板51、冷却板70を経て放電電極1を冷却させ、放電電極1の表面に結露水を生成させる。放電電極1には高圧リード線80を接続させており、該高圧リード線80を介して放電電極1表面の結露水に高電圧を印加することで、静電霧化現象によって帯電微粒子水を生成させる。
しかし、上記した従来の静電霧化装置では、装置全体が大型化するという問題がある。というのも、熱交換手段として、上記のように一対の回路板50で多数の熱電素子2を挟み込んだような大型の熱交換ブロック60が必要になり、また、この熱交換ブロック60からの放熱を効率的に行うために、さらに専用の放熱部材71を配置する必要があるからである。
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、結露水を生成するための冷却能力は確保したうえで装置全体をコンパクト化し、衝撃に対する信頼性も確保することのできる静電霧化装置を提供することを、課題とする。
上記課題を解決する本発明は、放電電極1と、放電電極1を冷却してその表面に結露水を生成する熱交換手段とを備え、放電電極1が保持する結露水に高電圧を印加して帯電微粒子水を生成する静電霧化装置である。上記熱交換手段は、対をなす熱電素子2と、熱電素子2の放熱側に機械的且つ電気的に接続される放熱用通電基板3とを備えたものである。上記放熱用通電基板3は、熱電素子2を半田接合するための実装面32と入熱面33を互いに反対側に有するランド部30と、ランド部30とは空隙35をあけて位置する基板本体部31と、ランド部30と基板本体部31とを繋ぐ複数本のランド支持部34とから成る。複数本のランド支持部34によって、互いに相違する複数方向からランド部30を支持している。
本発明の静電霧化装置によれば、熱電素子2に接続した放熱用通電基板3によって、熱電素子2の放熱と通電を共に行う構成であるから、放電電極1を冷却するための熱交換手段、ひいては装置全体が大幅にコンパクト化される。そして、この放熱用通電基板3では、ランド部30を基板本体部31からは区画して設けてあるので、ランド部30上での半田によるセルフアライメント性が確保されるとともに、ランド部30はランド支持部34により複数方向から確実に支持しているので、落下時等の衝撃が加わった際の信頼性は確保されている。
また、本発明の静電霧化装置において、上記放熱用通電基板3は、ランド部30及びその周囲部分を他の部分よりも薄肉に形成したものであることや、ランド支持部34をランド部30よりも薄肉に形成したものであることが好ましい。このようにすることで、熱電素子2を半田接合するために入熱面33側からランド部30を局所的に加熱するときの、ランド部30以外の場所への熱リークを、効果的に抑制することができる。
また、上記放熱用通電基板3は、入熱面33側においてランド支持部34をランド部30よりも凹ませることで、ランド支持部34をランド部30よりも薄肉化したものであることがさらに好ましい。このようにすることで、半田接合時のランド部30から周囲への熱リークを、より効果的に抑制することができる。
また、上記放熱用通電基板3は、導電性の振動吸収体36によりランド支持部34を形成したものであることや、振動吸収体37の表面を導電性膜38で被覆してランド支持部34を形成したものであることも好ましい。このようにすることで、ランド部30やこれに接合される熱電素子2の耐衝撃性をさらに向上させることができる。
そして、本発明の静電霧化装置においては、対をなす熱電素子2の吸熱側同士を、放電電極1または放電電極1の表面に形成した回路パターンを介して電気接続させることで、熱電素子2と放電電極1を一体化させてあることが好ましい。このようにすることで、多数の熱電素子2を配置せずとも放電電極1を高効率で冷却することができ、装置全体のさらなるコンパクト化や省エネルギー化が実現される。
本発明の静電霧化装置によれば、熱交換手段として、対をなす熱電素子と、熱電素子の放熱側に機械的且つ電気的に接続される放熱用通電基板とを備え、さらに、放熱用通電基板が有するランド部と基板本体部とを、複数本のランド支持部によって互いに相違する複数方向から繋いでいるので、放電電極に結露水を生成するための冷却能力を確保したうえで装置全体をコンパクト化し、衝撃に対する信頼性も確保することができるという効果を奏する。
本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1、図2には、本発明の実施形態における第1例の静電霧化装置を概略的に示している。本例の静電霧化装置は、熱電素子2をP型とN型で一対備え、両熱電素子2の吸熱側に、放電電極1を接合させたものである。熱電素子2としては、BiTe系のペルチェ素子を用いる。熱電素子2の配置は一対に限定されず、P型とN型を複数対備えた配置であってもよい。
放電電極1は、平板状の基台部1aの中央部分から柱状の放電部1bを突設した形状であり、真鍮、アルミニウム、銅、タングステン、チタン等の導電性の金属からなる。なお、放電電極1の材質は金属に限定されず、電気伝導性の高い材質であれば、導電性の樹脂、カーボン等の他の材質を用いてもよい。
導電性材料からなる放電電極1の基台部1aの底面には、各熱電素子2の吸熱側を、半田又は導電性接着剤で直接的に接合させ、放電電極1と各熱電素子2を一体化させている。つまり、対をなす熱電素子2の吸熱側同士が、冷却対象である放電電極1を介して電気接続され、N型の熱電素子2からP型の熱電素子2への通電によって、該放電電極1が冷却される構造である。
一対の熱電素子2のそれぞれの放熱側には、導電性および熱伝導性の材料(例えばアルミニウム、銅等)からなる放熱用通電基板3を一体に接続させている。放熱用通電基板3は、熱電素子2の通電方向(図中の上下方向)がその厚み方向となるように配置した薄板状の部材である。
一対の放熱用通電基板3は、筒状をなす筐体10の側周壁10aに貫通し、熱電素子2が実装される側の端部を、側周壁10aで囲まれる収納空間S内に突出させた状態で、保持される。筐体10は、絶縁性材料からなる。各放熱用通電基板3の筐体10から外側に突出した側の端部同士は、直流電源20を介して電気接続され、熱交換用の電気回路6を形成する。
つまり、筒状をなす筐体10は、その収納空間Sに放電電極1と熱電素子2と放熱用通電基板3の端部とを収容するものであり、筐体10の底壁部分には、各放熱用通電基板3が有する入熱面33を外部に露出させる入熱開口部10bを貫設している。入熱面33は、半田接合用のビーム入射等を行う部分であり、詳しくは後述する。
さらに、本例の静電霧化装置では、放電電極1の放電部1bと対向する位置(図中上方の位置)に、対向電極11を配している。対向電極11は、中央に放出孔12を貫通形成したリング状のものである。対向電極11には、高電圧を印加するための電圧印加部7を電気的に接続させている。対向電極11は筐体10により支持してもよいし、筐体10とは別の構造で支持してあってもよい。
上記構成からなる本例の静電霧化装置においては、以下のようにして帯電微粒子水を生成する。
つまり、直流電源20によって、放電電極1を通じてN型の熱電素子2からP型の熱電素子2に電流が流れるように電圧を印加すると、各熱電素子2の吸熱によって放電電極1が直接的に冷却され、該放電電極1の表面上に結露水が生成される。ここで、対向電極11側に接続させてある電圧印加部7によって、該対向電極11に対してプラスの高電圧を印加すると、放電電極1と対向電極11との間に電界が形成される。この電界により、放電部1bが保持する結露水に対してマイナスの高電圧が印加され、該結露水を基にして帯電微粒子水が生成される。
このとき、各熱電素子2からの放熱は、各熱電素子2の放熱側に半田接合される放熱用通電基板3を通じて、効率的に行われる。そのため、本例の静電霧化装置では、特別な放熱部材を別途装着することなく、一対の熱電素子2と一対の放熱用通電基板3を機械的且つ電気的に接合させたコンパクトな構造によって、効率的な放熱(ひいては放電電極1の効率的な冷却)が可能になっている。また、放熱用通電基板3を通じての放熱が筐体10を介しても行われ、さらに効率的な放熱が可能となる。
なお、対向電極11を備えない場合であっても、放電電極1の結露水に静電霧化現象を生じさせ、帯電微粒子水を生成することは可能である。具体的には、放電電極1、熱電素子2、放熱用通電基板3および直流電源20をつなぐ電気回路6中に、該回路全体にマイナスの高電圧を印加するための高圧印加部(図示略)を接続する。これによれば、高電圧印加部によって電気回路6全体にマイナスの高電圧を印加したうえで、電気回路6中の直流電源20によって両熱電素子2間にオフセット電圧を印加し、電流を流すことができる。両熱電素子2間の通電により放電電極1を冷却するとその表面に結露水が生成され、高電圧印加部によって放電電極1に印加されたマイナスの高電圧が、放電電極1表面の結露水に静電霧化現象を生じさせる。
また、対をなす熱電素子2同士を放電電極1自体で電気接続させるのでなく、図示はしないが、例えば絶縁性材料からなる放電電極1の基台部1a表面に回路パターンを形成しておき、該回路パターンを介して電気接続させる構成であってもよい。この場合であっても、放電電極1と熱電素子2をコンパクトに一体化させることができる。
以下においては、本例の静電霧化装置が具備する放熱用通電基板3の構成について、さらに詳述する。
図3等に示すように、熱電素子2に対する通電と該熱電素子2からの放熱とを一部材で行う放熱用通電基板3は、平面視にて長尺矩形状の外形を有する。放熱用通電基板3の長手方向端部には、熱電素子2を実装するためのランド部30を形成している。ランド部30は、放熱用通電基板3の大部分をなす基板本体部31よりも幅狭に形成されたものであり、平面視略正方形状の外形を有している。チップ状であるランド部30の片面側が、熱電素子2の放熱側端部を半田接合する実装面32となり、もう片面側が入熱面33となる。つまり、実装面32と入熱面33は、ランド部30の表裏の位置にある。
四辺で囲まれる矩形状のランド部30と、ランド部30よりも幅広である基板本体部31とは、三本のランド支持部34によって一体に■がれている。三本のランド支持部34は、互いに相違する三方向からランド部30を支持するものであり、ここでは、ランド部30を中心とした放射状にランド支持部34が形成されている。
基板本体部31とランド部30とは、ランド支持部34を介してのみ連結されており、ランド支持部34以外の部分では、基板本体部31とランド部30の間に空隙35を形成している。言い換えれば、平面視にて長尺矩形状の外形を有する基板の長手方向一端部に二箇所の空隙35部分を貫設し、これにより、該基板の一端部にランド部30とこれを支持する複数本のランド支持部34を形成し、該基板のそれ以外の部分を基板本体部31とした構造である。
上記の放熱用通電基板3によれば、ランド部30すなわち実装面32を周囲とは区画し、この実装面32を熱電素子2の接合面(図中の一点鎖線で囲まれる矩形面を参照)に沿った外形としているので、実装面32上で溶融された半田は、熱電素子2に対してこれを実装面32の中央位置に寄せるような表面張力を作用させる。つまり、空隙35を介して周囲と区画した実装面32上において、半田によるセルフアライメント性が良好に発揮される。しかも、チップ状のランド部30は複数方向から強固に支持してあるので、落下等で衝撃が加わった際にも、ランド部30上の熱電素子2に破損が生じることは防止される。
ランド支持部34は互いに相違する複数方向からランド部30を支持する構成であればよく、図4(a)、(b)に示すように二方向から支持する構成や、或いは四以上の方向から支持する構成であってもよい。なお、いずれの場合も、ランド部30を囲む複数辺(本例では四辺)のうち一辺30aが放熱用通電基板3の端縁の一部を構成するように設け、ランド支持部34は、ランド部30を囲む他辺から延設することが好ましい。また、ランド支持部34は、各他辺の全部分からではなく、その一部分から延設することが好ましい。
図5には、放熱用通電基板3の比較例を示している。図5(a)に示す構造では、強度は高いものの、ランド部30を周囲と区画して設けていないため、熱電素子2を接合する際の半田によるセルフアライメント性が低いという問題がある。また、図5(b)に示す構造ではランド部30を周囲とは区画しているためセルフアライメント性が確保されるが、一方向からしか支持していないため強度が低く、衝撃に弱いという問題がある。
次に、本発明の実施形態における第2例の静電霧化装置について、図6、図7に基づいて述べる。なお、第2例の基本的構成は第1例と同様であるため、以下においては第2例の特徴的な構成についてのみ詳述する。
図6に示すように、第2例の放熱用通電基板3では、ランド部30及びその周囲部分を、他の部分よりも薄肉に形成している。具体的には、ランド部30と、ランド部30を支持する全てのランド支持部34と、基板本体部31のうちランド部30およびランド支持部34を囲む一部領域とを、基板本体部31の他の領域よりも薄肉に設けている。基板本体部31の上記一部領域と他の領域と境界(図6(a)中の点線を参照)は、図示形状に限定されるわけでなく、少なくともランド部30とランド支持部34を他より薄肉にするような境界であればよい。
ランド部30の実装面32上で熱電素子2を半田接合するにあたっては、筐体10の入熱開口部10b(図2等参照)を通じて入熱面33に高エネルギービームを入射させる等して、実装面32を加熱して半田を溶融させる。このとき、少なくともランド部30とこれに連続するランド支持部34とが薄肉に設けてあることで、半田接合用のビーム入射のように局所的に且つ短時間で加熱された部分から周囲への熱リークが、効果的に抑制される。したがって、より低い入熱量での半田付けが可能となる。
なお、熱リークの抑制と機械的強度確保の両立を考慮すれば、放熱用通電基板3のベースとなる基板の厚み(つまり、基板本体部31の上記他の領域の厚み)を0.3〜1mm程度とし、薄肉部分の厚み(つまり、ランド部30やランド支持部34の厚み)を該基板の厚みの30〜70%程度に設定することが好ましい。
ところで、上記薄肉部分を形成するにあたって、図6(b)では、実装面32側(図中上側)と入熱面33側(図中下側)の両方を他部分より凹ませているが、図7(a)のように実装面32側だけを凹ませてもよいし、図7(b)のように入熱面33側だけを凹ませてもよい。
次に、本発明の実施形態における第3例の静電霧化装置について、図8、図9に基づいて述べる。なお、第3例の基本的構成は第1例と同様であるため、以下においては第3例の特徴的な構成についてのみ詳述する。
図8に示すように、第3例の放熱用通電基板3では、ランド支持部34を、ランド部30および基板本体部31よりも薄肉化している。ランド部30と基板本体部31とは同程度の厚みである。
第3例においても第2例の場合と同様に、半田接合用のビーム入射のように局所的に且つ短時間で加熱された部分から周囲への熱リークが、薄肉化されたランド支持部34が介在することで抑制され、より低い入熱量での半田付けが可能となる。
ところで、上記薄肉部分を形成するにあたって、ランド支持部34を実装面32側と入熱面33側の両方から凹ませているが、図9(a)のように実装面32側からだけ凹ませることや、図9(b)のように入熱面33側からだけ凹ませることも好適である。図9(a)と図9(b)には、ビーム入射時の温度分布を概略的に示しているが、図示のように、入熱面33側においてランド支持部34をランド部30よりも凹ませた場合には、ビーム入射時の熱リークが一層抑制される。なお、実装面32側においてランド支持部34をランド部30よりも凹ませた場合には、実装面32上での半田によるセルフアライメント性が向上するという利点もある。
本例においても、熱リークの抑制と機械的強度確保の両立を考慮すれば、基板本体部31やランド部30の厚みは0.3〜1mm程度とし、ランド支持部34の厚みをこれらの30〜70%程度に設定することが好ましい。
次に、本発明の実施形態における第4例の静電霧化装置について、図10に基づいて述べる。なお、第4例の基本的構成は第1例と同様であるため、以下においては第4例の特徴的な構成についてのみ詳述する。
図10に示すように、第4例の放熱用通電基板3では、各ランド支持部34を、基板本体部31やランド部30とは別部材の振動吸収体36により形成している。振動吸収体36は弾性および導電性を有するものであり、具体的には導電性ゴムや導電性多孔質体からなる。各振動吸収体36は、基板本体部31やランド部30に対して導電性接着剤等を用いて接合させる。
本例の放熱用通電基板3によれば、多数のランド支持部34でランド部30を多方向から強固に支持し、且つ、各ランド支持部34自体で振動を吸収することができる。そのため、落下等で衝撃が加わった際にランド部30上の熱電素子2に破損を生じることが、さらに確実に防止される。
次に、本発明の実施形態における第5例の静電霧化装置について、図11に基づいて述べる。なお、第5例の基本的構成は第1例と同様であるため、以下においては第5例の特徴的な構成についてのみ詳述する。
図11に示すように、第5例の放熱用通電基板3では、基板本体部31とランド部30とを複数の振動吸収体37によって複数方向から連結支持させ、各振動吸収体37の表面を導電性膜38で被覆することで、各ランド支持部34を形成している。
振動吸収体37は、シリコンやウレタンゴム等の弾性を有するものであればよいが、さらに導電性を付与してもよい。導電性膜38は、部分めっき、スパッタ、蒸着等の方法で成膜することができ、厚みは数μm〜数十μm程度とすることが好ましい。
導電性膜38は、図11(b)のように実装面32と入熱面33の両面側に成膜してもよいし、実装面32側にだけ成膜してもよい。本例では、導電性膜38を、振動吸収体37を跨いで基板本体部31とランド部30(実装面32)の両側に至る範囲で被覆させており、導電性膜38の実装面32上の部分において、熱電素子2を半田接合させている。熱電素子2を導電性膜38上に直接接合させる場合には、導電性膜38の材質を銅、ニッケル、スズ、銀等とすることが好ましい。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記各例の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、各例において適宜の設計変更を行うことや、各例の構成を適宜組み合わせて適用することが可能である。
例えば、第2例と第3例を組み合わせた場合には、放熱用通電基板3のランド部30及びその周囲部分を、他の部分よりも薄肉に形成したうえで、さらに、ランド支持部34をランド部30よりも薄肉に形成したものとなる。他の組み合わせも、当業者であれば容易に理解されるものである。
1 放電電極
2 熱電素子
3 放熱用通電基板
30 ランド部
31 基板本体部
32 実装面
33 入熱面
34 ランド支持部
35 空隙
36 振動吸収体
37 振動吸収体
38 導電性膜
2 熱電素子
3 放熱用通電基板
30 ランド部
31 基板本体部
32 実装面
33 入熱面
34 ランド支持部
35 空隙
36 振動吸収体
37 振動吸収体
38 導電性膜
Claims (7)
- 放電電極と、放電電極を冷却してその表面に結露水を生成する熱交換手段とを備え、放電電極が保持する結露水に高電圧を印加して帯電微粒子水を生成する静電霧化装置において、上記熱交換手段は、対をなす熱電素子と、熱電素子の放熱側に機械的且つ電気的に接続される放熱用通電基板とを備えたものであり、上記放熱用通電基板は、熱電素子を半田接合するための実装面と入熱面を互いに反対側に有するランド部と、ランド部とは空隙をあけて位置する基板本体部と、ランド部と基板本体部とを繋ぐ複数本のランド支持部とから成り、複数本のランド支持部によって、互いに相違する複数方向からランド部を支持していることを特徴とする静電霧化装置。
- 上記放熱用通電基板は、ランド部及びその周囲部分を、他の部分よりも薄肉に形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の静電霧化装置。
- 上記放熱用通電基板は、ランド支持部をランド部よりも薄肉に形成したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電霧化装置。
- 上記放熱用通電基板は、入熱面側においてランド支持部をランド部よりも凹ませることで、ランド支持部をランド部よりも薄肉化したものであることを特徴とする請求項3に記載の静電霧化装置。
- 上記放熱用通電基板は、導電性の振動吸収体によりランド支持部を形成したものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
- 上記放熱用通電基板は、振動吸収体の表面を導電性膜で被覆してランド支持部を形成したものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
- 対をなす熱電素子の吸熱側同士を、放電電極または放電電極の表面に形成した回路パターンを介して電気接続させることで、熱電素子と放電電極を一体化させたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
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