JP2011152041A - 固定子及び密閉型圧縮機及び回転機 - Google Patents

固定子及び密閉型圧縮機及び回転機 Download PDF

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Kazuhiko Baba
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Abstract

【課題】固定子鉄心外周部の摩擦係数を大きくするか、又はハウジングを固定子鉄心外周部の凹部に食い込ませること等により、ハウジングが固定子鉄心を保持する力を強化することができる固定子を提供する。
【解決手段】この発明に係る固定子は、回転機のハウジングに焼嵌又は圧入により固定される固定子において、固定子は、外径の異なる複数の電磁鋼板を積層して構成される固定子鉄心と、固定子鉄心に巻回されるコイルとを備え、固定子鉄心の外周形状を、軸方向にテーパーとなるテーパー形状としたことを特徴とする。
【選択図】図6

Description

この発明は、密閉容器又はフレーム等のハウジングに焼嵌、圧入等により固定される固定子鉄心に関するもので、特に固定子鉄心のハウジングとの接触面の摩擦係数を大きくして、ハウジングへの固定子鉄心の固定力を強化した固定子に関する。また、その固定子を用いた密閉型圧縮機及び回転機に関するものである。
ハウジングの締め付け力によってステータを保持する構造を採用しながら、回転機の効率の低下を低減することができる技術を提供するために、ステータの外周面は、ハウジングの内周面と当接する当接面、ハウジングの内周面との間に空隙を形成する非当接面が形成され、当接面の中心角度が130度の範囲内に設定されるステータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−191702号公報(第7頁、第3図) 特開2005−261158号公報 特開2005−143214号公報 特開2003−324869号公報 特開平09−275669号公報 特開平06−141509号公報 特開2005−295744号公報 特開平04−255436号公報
ハウジングに電動機の固定子を焼嵌、圧入等により固定する際、固定子鉄心内部には締め付け力(例えば、焼嵌時のハウジングの収縮により発生する)に応じた圧縮応力が発生する。この圧縮応力により固定子鉄心を構成する電磁鋼板の透磁率が低下し、且つ鉄損が増加する。上記特許文献1の固定子は、固定子鉄心の外周部にハウジングの内周面との間に空隙を形成する非当接面を設けることにより、固定子鉄心に作用する締め付け力を緩和していたが、ハウジングが固定子鉄心を保持する力も低下するという課題があった。
この発明は、上記のよう課題を解決するためになされたもので、固定子鉄心外周部の摩擦係数を大きくするか、又はハウジングを固定子鉄心外周部の凹部に食い込ませること等により、ハウジングが固定子鉄心を保持する力を強化することができる固定子及びそれを用いた密閉型圧縮機及び回転機を提供することを目的とする。
また、ハウジングが固定子鉄心を保持する力を強化することができるので、所定の保持力を得るための締め付け力を低減して、固定子鉄心内部に発生する圧縮応力を緩和し、焼嵌、圧入による電動機の効率低下を抑制できる固定子及びそれを用いた密閉型圧縮機及び回転機を提供することを目的とする。
この発明に係る固定子は、回転機のハウジングに焼嵌又は圧入により固定される固定子において、
固定子は、
外径の異なる複数の電磁鋼板を積層して構成される固定子鉄心と、
固定子鉄心に巻回されるコイルとを備え、固定子鉄心の外周形状を、軸方向にテーパーとなるテーパー形状としたことを特徴とする。
この発明に係る固定子は、テーパー形状となるように積層することにより、固定子鉄心の外周面の摩擦係数を上げるだけでなく、固定子鉄心をハウジングに焼嵌時に、ハウジングがテーパー形状の凹部に食い込むためより抜けにくい構成となる。
実施の形態1を示す図で、密閉容器4を焼嵌後の密閉型圧縮機内の電動要素1付近の縦断面図。 実施の形態1を示す図で、密閉容器4を焼嵌後の密閉型圧縮機内の電動要素1付近の横断面図。 実施の形態1を示す図で、第1の変形例の電動要素1付近の縦断面図。 実施の形態1を示す図で、第2の変形例の電動要素1付近の縦断面図。 実施の形態1を示す図で、第3の変形例の電動要素1付近の縦断面図。 実施の形態1を示す図で、第4の変形例の電動要素1付近の縦断面。 実施の形態2を示す図で、密閉容器4を焼嵌後の密閉型圧縮機内の電動要素1付近の縦断面図。 実施の形態2を示す図で、図7の変形例の電動要素1付近の縦断面図。 実施の形態3を示す図で、密閉容器4に固定子鉄心5を焼嵌又は圧入した後の電動要素1の縦断面図。 実施の形態4を示す図で、密閉容器4に焼嵌又は圧入後の電動要素1の横断面図。 実施の形態4を示す図で、第1の変形例の横断面図。 実施の形態4を示す図で、第2の変形例の横断面図。 実施の形態5を示す図で、密閉容器4に固定子鉄心5を焼嵌又は圧入した後の電動要素1の縦断面図。 実施の形態5を示す図で、密閉容器4に固定子鉄心5を焼嵌又は圧入した後の電動要素1の縦断面図。
実施の形態1.
図1乃至図6は実施の形態1を示す図で、図1は密閉容器4を焼嵌後の密閉型圧縮機内の電動要素1付近の縦断面図、図2は密閉容器4を焼嵌後の密閉型圧縮機内の電動要素1付近の横断面図、図3は第1の変形例の電動要素1付近の縦断面図、図4は第2の変形例の電動要素1付近の縦断面図、図5は第3の変形例の電動要素1付近の縦断面図、図6は第4の変形例の電動要素1付近の縦断面図である。
この実施の形態では、密閉型圧縮機に組み込まれ、冷媒を圧縮する圧縮要素を駆動する電動要素1(密閉容器がない固定子と回転子だけのもの)を例に説明する。但し、この発明は、密閉型圧縮機以外に、ハウジング(フレーム)を用いる回転機にも適用される。
図1において、電動要素1は、固定子2と回転子3とを備える。電動機の種類は、ブラシレスDCモータ(永久磁石型モータの一例)である。固定子2は、例えば焼嵌により密閉容器4に固定される。ここで、焼嵌について説明する。常温において、密閉容器4の内径よりも固定子2の外径を大きく設定し、密閉容器4を高温(例えば、200℃)に加熱して膨張させて、常温の固定子2の外径よりも密閉容器4の内径を大きくし、高温の密閉容器4に常温の固定子2を挿入する。密閉容器4の温度が下がると、密閉容器4は収縮するので両者は固定される。これを、焼嵌という。焼嵌後の固定子2には、密閉容器4の締め付け力により圧縮応力が生じる。本実施の形態は、この圧縮応力を低減する具体例について説明する。
固定子2は、固定子鉄心5を備える。固定子鉄心5は、厚さ0.1〜0.7mm程度の電磁鋼板を所定の形状に打ち抜き、所定枚数を積層して構成される。その外径は、密閉容器4の内径よりも僅かに大きいドーナツ形状である。常温における固定子鉄心5の外径と、密閉容器4の内径との差を焼嵌代という。焼嵌代は、固定子2の重量により異なるが(固定子2の重量が大きくなると、焼嵌代も大きくする)、数十〜数百μm程度である。
固定子鉄心5は、電磁鋼板を積層後に、打ち抜き時の歪みを緩和するために焼鈍処理が行われる。
本実施の形態は、固定子鉄心5の構成、特に外周部の形状に特徴があるが、これについては後述する。ここでは、固定子鉄心5は、二種類の電磁鋼板、即ち第1の電磁鋼板5a、第2の電磁鋼板5bを組み合わせるということだけ言っておく。
密閉容器4は、厚さ3mm程度の鋼板を絞り加工により円筒形状に形成される。
回転子3については、本実施の形態の特徴に関係しないので、詳しい説明は省略する。回転子3は、その中心部の孔に回転子軸13が嵌合する。
また、固定子2と回転子3との間には、0.3〜1mm空隙12が設けられ、回転子3が回転子軸13を中心に回転可能になっている。
図2の横断面図により、固定子2と、回転子3との構成を少し詳しく説明する。固定子鉄心5には、その内径側に周方向に略等間隔に9個のスロット6(空間である)が放射状に形成されている。そして、隣接するスロット6間の鉄心部を磁極ティース7と呼ぶ。磁極ティース7は、径方向に形成され、外径側から内径側にかけてその周方向の幅は略等しい。内径側の先端部は、両サイドが周方向に広がる傘状の形状になっている。
磁極ティース7には、回転磁界を発生させるコイル8が巻かれている。コイル8は、マグネットワイヤーを絶縁体を介して磁極ティース7に直接巻き付けて形成される。この巻線方式を、集中巻線という。そして、コイル8は、3相Y結線に結線される。コイル8のターン数や線径は、要求される特性(回転数やトルク等)、電圧仕様、スロットの断面積に応じて定まる。本実施の形態では、例えば、線径φ0.5mm程度のマグネットワイヤーを各磁極ティース7に100ターン程度巻き付けている。
固定子2の中心付近に、回転可能な回転子軸13が配置される。回転子軸13に回転子9が嵌合する。回転子9は、外周部近傍に略正六角形をなす6個の磁石挿入穴10が形成されている。磁石挿入穴10には、N極とS極とが交互になるように、着磁された6枚の平板形状のネオジウム、鉄、ボロンを主成分とする希土類永久磁石11が挿入されている。
次に、本実施の形態の特徴である、固定子鉄心5の外周部の形状について説明する。固定子鉄心5は、通常は外径の等しい電磁鋼板を積層することにより構成される。本実施の形態では、図1に示すように、例えば、外径の異なる二種類の電磁鋼板、第1の電磁鋼板5a、第2の電磁鋼板5bを一枚毎に交互に積層して固定子鉄心5を構成する。第1の電磁鋼板5aの外径d1は、第2の電磁鋼板5bの外径d2よりも大きい。第1の電磁鋼板5aの外径d1と第2の電磁鋼板5bの外径d2との差Δd(d1−d2)は、固定子鉄心5が磁気飽和を起さない値とする。具体的には、Δd≦d1/100とする。且つ、Δd≦0.4mmが好ましい。
図1に示す例は、第1の電磁鋼板5aの外径と第2の電磁鋼板5bとを、一枚毎に交互に積層しているが、これに限定されるものではなく、順序は問わない。さらに、図1では二種類の電磁鋼板を使用しているが、外径の異なる二種類より多い種類の電磁鋼板を積層してもよい。
例えば、図3の第1の変形例は、外径の大きい第1の電磁鋼板5aを一枚、外径の小さい第2の電磁鋼板5bを三枚という順序で積層している。
このように、外径の異なる電磁鋼板を積層することで、固定子鉄心5の外周表面には、軸方向に微小な凹凸(数十〜数百μm程度)が形成される。この微小な凹凸により、固定子鉄心5の外周表面の軸方向の摩擦係数を、凹凸がない場合よりも大きくすることができる。
固定子鉄心5の外周表面の軸方向の摩擦係数が大きくなることにより、固定子鉄心5を密閉容器4に固定した場合に、密閉容器4の固定子鉄心5を軸方向に保持する力が大きくなる。そのため、例えば、密閉容器4の固定子鉄心5を締め付ける力を低減し(具体的には、焼嵌代を小さくする)、固定子鉄心5内部に発生する圧縮応力を緩和することができる。それにより、固定子鉄心5の圧縮応力に起因する鉄損増加を抑制できる。
鉄損の応力劣化は、磁束密度が高い程大きい。コイル8が巻線密度が高い集中巻線で、且つ回転子3に希土類永久磁石11を使用した電動要素1は、磁束密度が高いので、固定子鉄心5の外周表面の軸方向の摩擦係数を大きくし、保持力を保ったまま密閉容器4の固定子鉄心5を締め付ける力を低減することによる鉄損の応力劣化の抑制効果は特に大きくなる。
また、固定子鉄心5を密閉容器4に固定した場合に、密閉容器4が固定子鉄心5の凹凸の凹部(第2の電磁鋼板5bの外側)に食い込むため、固定子鉄心5の軸方向に荷重が加わる場合に、固定子鉄心5が軸方向に抜けにくいという効果もある。
本実施の形態では、焼嵌で密閉容器4に固定子2を固定する例を説明したが、その他に、冷し嵌(固定子2を冷却する方法)、あるいは圧入等の方法により密閉容器4に固定子2を固定する場合でも、本実施の形態を適用できる。
本実施の形態の電動機は、図2に示すようなブラシレスDCモータを例に説明したが、誘導電動機等の永久磁石を用いない電動機であっても、同様の効果を得ることができる。
また、固定子鉄心5は、密閉容器4の焼嵌による締め付け力を低減することにより、固定子2に発生する振動、騒音を密閉容器4に伝わりにくくし、振動、騒音の低減にも有効である。
図1、図3に示すように、固定子鉄心5は外径の異なる二種類の電磁鋼板、第1の電磁鋼板5aと、第2の電磁鋼板5bとをそれぞれ所定枚数を一定の間隔で積層して構成されるものについて説明したが、図4の第2の変形例に示すような3次元形状で、軸方向中央部がくびれるような形状に積層することにより、固定子鉄心5の外周面の摩擦係数を上げるだけでなく、固定子鉄心5を密閉容器4に焼嵌時に、密閉容器4がくびれの凹部に食い込むためより抜けにくい構成となる。尚、図4の第2の変形例では、外径の異なる5種類の電磁鋼板を使用している。但し、これは一例であり、外径の異なる何種類の電磁鋼板を使用してもよい。
また、図5の第3の変形例に示すような3次元形状で、軸方向中央部及び両端部がくびれるような形状(くびれ形状)に積層することにより、固定子鉄心5の外周面の摩擦係数を上げるだけでなく、固定子鉄心5を密閉容器4に焼嵌時に、密閉容器4がくびれの凹部に食い込むためより抜けにくい構成となる。尚、図5の第3の変形例では、外径の異なる5種類の電磁鋼板を使用している。但し、これは一例であり、外径の異なる何種類の電磁鋼板を使用してもよい。
また、図6の第4の変形例に示すような3次元形状で、テーパー形状となるように積層することにより、固定子鉄心5の外周面の摩擦係数を上げるだけでなく、固定子鉄心5を密閉容器4に焼嵌時に、密閉容器4がテーパー形状の凹部に食い込むためより抜けにくい構成となる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、固定子鉄心5を構成する電磁鋼板の外径を変えて積層することにより、固定子鉄心5外周表面に微小な凹凸を設け、固定子鉄心5の外周表面の摩擦係数を大きくするようにしたが、次に電磁鋼板の外径を変えずに、摩擦係数を大きくする実施の形態2を説明する。
図7、図8は実施の形態2を示す図で、図7は密閉容器4を焼嵌後の密閉型圧縮機内の電動要素1付近の縦断面図、図8は図7の変形例の電動要素1付近の縦断面図である。
図7に示すように、固定子鉄心5は、ヤング率(張力/歪みで表される物体の定数)の異なる二種類の電磁鋼板、第3の電磁鋼板5c、第4の電磁鋼板5dを一枚毎に交互に積層して構成される。電磁鋼板は、例えば、Si(シリコン)の含有量が多いと、硬く、低鉄損になる。また、Si(シリコン)の含有量が少ないと、軟らかく、高鉄損になる。
図7に示す例は、第3の電磁鋼板5cと、第4の電磁鋼板5dとを、一枚毎に交互に積層しているが、これに限定されるものではなく、順序は問わない。さらに、図7では二種類の電磁鋼板を使用しているが、ヤング率の異なる二種類より多い種類の電磁鋼板を積層してもよい。
例えば、図8の変形例は、一枚の第3の電磁鋼板5cと、二枚の第4の電磁鋼板5dとを交互に積層している。
図7、図8のように構成された固定子鉄心5を、密閉容器4に焼嵌又は圧入した場合、ヤング率の小さい材料の方が弾性変形しやすいため、密閉容器4が軸方向にわずかに凹凸形状に歪み、密閉容器4と固定子鉄心5との軸方向の摩擦係数を上げることができる。また、焼嵌したシェルが凹部に食い込むため軸方向に荷重がかかった場合に引っかかりの役割も果たし、抜けにくい構成となる。
以上のように、ヤング率の異なる複数の電磁鋼板を積層して固定子鉄心5を構成し、密閉容器4と固定子鉄心5との間の摩擦係数を上げることにより、密閉容器4が固定子鉄心5を保持する力が大きくなり、固定子鉄心5を締め付ける力を低減することができる。
また、本実施の形態の固定子鉄心5を用いることにより、密閉容器4が固定子鉄心5を締め付ける力を低減でき、固定子鉄心5内部に発生する圧縮応力が緩和され、圧縮応力による鉄損劣化を小さくすることができる。
電磁鋼板は、打ち抜き歪みを解消するために焼鈍処理が行われるが、焼鈍により材料特性が変化する。そのため、ヤング率の異なる材料の代わりに、焼鈍処理の有無の電磁鋼板を積層して構成した固定子鉄心5でも同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
上記実施の形態1及び実施の形態2では、異なる外径、材料の電磁鋼板を積層することにより、固定子鉄心5を軸方向に抜けにくい構成にしたが、次に同一の電磁鋼板を積層させた場合にも固定子鉄心5を軸方向に抜けにくくした実施の形態3を説明する。
図9は実施の形態3を示す図で、密閉容器4に固定子鉄心5を焼嵌又は圧入した後の電動要素1の縦断面図である。
電磁鋼板は打ち抜き時に、打ち抜き方向に微小なバリ5fを生じる。そのため同一方向に打ち抜いた電磁鋼板を積層するとバリ5fの向きによって摩擦係数の大きい方向と小さい方向が生じる。
図9に示す固定子鉄心5は、固定子鉄心5を約1/2積層したところで、打ち抜きの方向を逆にしている。そして、バリ5fの向きは、それぞれ軸方向の外側に向いている。従って、それぞれが軸方向の外側の向きに摩擦係数が大きく、抜け難い構成になっている。
尚、図9に示す固定子鉄心5のバリ5fの向きを逆にしても、同様の効果が得られる。少なくとも、一部の電磁鋼板のバリ5fの向きが、他の電磁鋼板のバリ5fの向きと逆になる構成であればよい。
実施の形態4.
上記実施の形態1乃至3では、固定子鉄心5を軸方向に抜けにくい構成にしたが、次に固定子鉄心5を周方向に動きにくい構成にした実施の形態4を説明する。
図10乃至図12は実施の形態4を示す図で、図10は密閉容器4に焼嵌又は圧入後の電動要素1の横断面図、図11は第1の変形例の横断面図、図12は第2の変形例の横断面図である。
図10に示すように、固定子鉄心5はその外周面に径方向の寸法が微小で、周方向に細長い切欠き14が、複数箇所(図10では12箇所)に形成されている。切欠き14の径方向の寸法は、固定子鉄心5が磁気飽和を起さない微小な寸法とする。例えば、固定子鉄心5外径dの100分の1程度が望ましい。且つ、d≦0.4mmが好ましい。本来は、磁極ティース7の外側に切欠き14を設けるのが望ましいが、切欠き14の径方向の寸法が、固定子鉄心5が磁気飽和を起さない微小であるから、スロット6の外側でも構わない。周方向の任意の位置でよい。
図10では、比較的周方向に長く、数の少ない切欠き14を示したが、図11及び図12のように、周方向に短く、数の多い切欠き14としてもよい。図11の切欠き14は、形状が四角形である。また、図12の切欠き14は、形状が三角形である。
図10乃至図12のように固定子鉄心5の外周面に周方向に複数の切欠き14を設けることにより、固定子鉄心5を密閉容器4に焼嵌又は圧入した場合に、固定子鉄心5の外周接触面の表面粗さにより密閉容器4と固定子鉄心5との周方向の静摩擦係数を上げることができる。それにより、固定子鉄心5に周方向に回転力が働いた場合に、固定子鉄心5が周方向に動きにくい構成となる。
また、焼嵌した密閉容器4が凹部に食い込むため周方向に回転力が働いた場合に引っかかりの役割も果たし、固定子鉄心5が周方向に動きにくい構成となる。
実施の形態5.
図13、図14は実施の形態5を示す図で、密閉容器4に固定子鉄心5を焼嵌又は圧入した後の電動要素1の縦断面図である。
上記実施の形態1〜4は電磁鋼板を、固定子鉄心5外周面の摩擦係数が大きくなるように積層し固定子鉄心5を構成したが、図13に示すように、固定子鉄心5の外周表面にローレット加工部5gを施すことにより固定子鉄心5軸方向、周方向の摩擦係数を大きくして、同様の効果を得ることができる。
ローレットとはフランス語でギザギザ形状のことを意味し、英語ではナーリングと呼ばれる。日本での製造現場では、一般的にはローレットと呼ばれ、主に丸物の外周にすべり止めとしての役割がある。例えば、圧入部品(インサート)の接続部に摩擦係数を上げたり、内径にそのギザギザを食付かせたりして抜け止め、回り止めとして使用される。
また、図14に示すように、固定子鉄心5の外周表面に接着剤5h(又はワニス)を塗布して、密閉容器4に焼嵌もしくは圧入固定することにより、固定子鉄心5軸方向、周方向の摩擦係数を大きくして、同様の効果を得ることができる。
実施の形態6.
以上の実施の形態1乃至5は、固定子鉄心5が一体形状のもので説明したが、固定子鉄心5が分割コアを組み合わせて構成されるものであっても電磁鋼板の積層の方法が同じであれば、同様の効果を得ることができる。
1 電動要素、2 固定子、3 回転子、4 密閉容器、5 固定子鉄心、5a 第1の電磁鋼板、5b 第2の電磁鋼板、5c 第3の電磁鋼板、5d 第4の電磁鋼板、5f バリ、5g ローレット加工部、5h 接着剤、6 スロット、7 磁極ティース、8 コイル、10 磁石挿入穴、11 希土類永久磁石、12 空隙、13 回転子軸、14 切欠き。

Claims (6)

  1. 回転機のハウジングに焼嵌又は圧入により固定される固定子において、
    前記固定子は、
    外径の異なる複数の電磁鋼板を積層して構成される固定子鉄心と、
    前記固定子鉄心に巻回されるコイルとを備え、前記固定子鉄心の外周形状を、軸方向にテーパーとなるテーパー形状としたことを特徴とする固定子。
  2. 回転機のハウジングに焼嵌により固定される固定子において、
    前記固定子は、ヤング率の異なる複数の電磁鋼板を、夫々一枚毎もしくは複数枚毎に交互に積層して構成される固定子鉄心と、
    前記固定子鉄心に巻回されるコイルとを備え、
    前記固定子鉄心を前記ハウジングに焼嵌する場合、前記ハウジングが軸方向にわずかに凹凸形状に歪むことを特徴とする固定子。
  3. 密閉容器内に、冷媒を圧縮する圧縮要素と、この圧縮要素を駆動する電動要素とを備え、前記電動要素に請求項1又は請求項2記載の固定子を用いたことを特徴とする密閉型圧縮機。
  4. ハウジング内に、固定子と、永久磁石を用いた回転子とを備えた永久磁石型モータであり、前記固定子に請求項1又は請求項2記載の固定子を用いたことを特徴とする回転機。
  5. 前記固定子の固定子鉄心は複数の磁極ティースを備え、巻線方式は、前記磁極ティースに前記コイルが直接巻回される集中巻線であることを特徴とする請求項4記載の回転機。
  6. 前記回転子の前記永久磁石に、希土類永久磁石を用いたことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の回転機。
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