JP2011151974A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力変換装置において、スイッチング素子のオンオフの状態が切り替わっても直ちに相電圧が切り替わらない場合にも、適正な出力電圧誤差の補償を行えるようにする。
【解決手段】入力電力が供給される母線(P,N)間で直列接続されたスイッチング素子(3a,3a)を複数組備えたインバータ回路(3)と、直列接続のスイッチング素子(3a,3a)の両方がオフの期間であるデッドタイム(Td)を設けつつ、該直列接続されたスイッチング素子(3a,3a)のオンオフの関係を逆転制御するスイッチング制御部(5)を設ける。そして、スイッチング制御部(5)では、デッドタイム(Td)の開始から相電圧(Vx,Vz)が切り替わるまでの期間において変化する相電圧(Vx,Vz)に応じて、出力電圧誤差の補償量を設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、いわゆるデッドタイムに起因する出力電圧誤差の補償機能を有した電力変換装置に関するものである。
空気調和機等の冷凍装置では、圧縮機を駆動するモータに交流電力を供給するために、電力変換装置が用いられることが多く、このような電力変換装置には、いわゆるインバータ回路を有したものがある。例えば、インバータ回路には、2つのスイッチング素子を互いに直列接続してなる複数のスイッチングレグが直流母線間で並列接続され、各スイッチングレグのスイッチング素子のオンオフ動作によって、直流電圧を交流電圧に変換して出力するようになっているものがある。この構成のインバータ回路では、前記オンオフ動作の際に、何れかのスイッチングレグで直列接続のスイッチング素子が同時にオンになると直流母線間で短絡が起こることから、スイッチングレグを構成する2つのスイッチング素子が共にオフの期間であるデッドタイムを設けつつ、前記オンオフ動作を行うようになっている。このようにデッドタイムを設けると出力電圧が所望の電圧値からずれるので、出力電圧誤差の補償を行う機能を有したインバータ回路がある。出力電圧誤差の補償には種々の方法があるが、例えば、スイッチング素子のオンとオフが切り換わるタイミングを、相電流の向きに応じて補正するものがある(例えば特許文献1を参照)。
特開2009−106110号公報
しかしながら、例えば、チラーを有した空気調和機等の用途では、一般家庭用の空気調和機よりも大きな電流(例えば400Aの電流)を流す必要があるものがあり、このような大きな電流を取り扱うインバータ回路で前記出力電圧誤差の補償を行うときに、相電流の値がより小さく制御されると、目標値に対する出力電圧のずれが却って大きくなるという現象が起こる場合があることを本願発明者は見出した。これは、後に詳述するように、スイッチング素子内に形成されたコンデンサ成分の影響により、スイッチング素子のオンオフの状態が切り替わっても直ちには相電圧が切り替わらず、想定した誤差電圧(出力電圧の目標値と実際の出力電圧との差)と異なる誤差を生ずる場合があるためと考えられる。
本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、電力変換装置において、スイッチング素子のオンオフの状態が切り替わっても直ちに相電圧が切り替わらない場合にも、適正な出力電圧誤差の補償を行えるようにすることを目的としている。
上記の課題を解決するため、第1の発明は、
入力電力をスイッチングして所定の交流電力に変換する電力変換装置において、
前記入力電力が供給される母線(P,N)間で直列接続されたスイッチング素子(3a,3a)の組を複数有して前記交流電力を所定の負荷(6)に供給するインバータ回路(3)と、
前記直列接続のスイッチング素子(3a,3a)の両方がオフの期間であるデッドタイム(Td)を設けつつ、該直列接続されたスイッチング素子(3a,3a)のオンオフの関係を逆転制御するとともに、前記デッドタイム(Td)を設けたことによる前記インバータ回路(3)の出力電圧誤差を補償するスイッチング制御部(5)と、
を備え、
前記スイッチング制御部(5)は、前記デッドタイム(Td)の開始から相電圧(Vx,Vz)が切り替わるまでの期間において変化する相電圧(Vx,Vz)に応じて、前記出力電圧誤差の補償量を設定することを特徴とする。
この構成では、前記デッドタイム(Td)の開始(すなわち一方のスイッチング素子(3a)のオンオフの状態の切り替わり)から相電圧が切り替わるまでの期間において変化する相電圧が考慮されて、前記出力電圧誤差の補償量が設定される。これにより、スイッチング素子のオンオフの状態が切り替わっても直ちに相電圧が切り替わらない場合にも、適切に補償量が決定される。
また、第2の発明は、
第1の発明の電力変換装置において、
前記スイッチング制御部(5)は、オン状態の前記スイッチング素子(3a)がオフ状態に切り替わってから該スイッチング素子(3a)と直列接続の前記スイッチング素子(3a)がオン状態になるまでの期間に変化した相電圧(Vx,Vz)に応じて、前記補償量を設定することを特徴とする。
この構成では、オン状態のスイッチング素子(3a)(すなわち電流が流れているスイッチング素子(3a))がオフ状態に切り替わった後に、このスイッチング素子(3a)と対になるスイッチング素子(3a)がオンになると相電圧(Vx,Vz)が切り替わる場合がある。このような場合でも、オン状態のスイッチング素子(3a)がオフに切り替わってから該スイッチング素子(3a)と直列接続のスイッチング素子(3a)がオンになるまでの期間に変化した相電圧(Vx,Vz)に応じて、前記補償量を設定することで、より正確な補償量の設定が可能になる。
また、第3の発明は、
第1又は第2の発明の電力変換装置において、
前記補償量と前記相電流(Iu,Iw)との関係を示す、折れ線グラフ、近似曲線、又はテーブルを格納した記憶部(5a)を備え、
前記スイッチング制御部(5)は、前記記憶部(5a)に記憶された補償量に基づいて前記出力電圧誤差の補償を行うことを特徴とする。
この構成では、記憶部(5a)に記憶された情報(例えば折れ線グラフで示された、前記補償量と前記相電流(Iu,Iw)との関係を示す情報)と、相電流(Iu,Iw)の大きさ等とを比較すれば補償量を求めることができる。
また、第4の発明は、
第1から第3の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記記憶部(5a)に記憶した補償量は、インバータ回路(3)における線間電圧に基づいて設定されたものであることを特徴とする。
この構成では、前記補償量と前記相電流(Iu,Iw)との関係がより正確に設定され、これにより補償量をより適切に定めることが可能になる。
また、第5の発明は、
第1から第4の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記スイッチング制御部(5)は、前記相電流(Iu,Iw)の値が小さくなるにしたがって、前記補償量を低減、又は前記出力電圧誤差の補償を中止することを特徴とする。
この構成では、スイッチング素子内に形成されたコンデンサ成分が出力電圧に影響を与えやすい条件下で、前記補正量が適切に設定される。
第1の発明によれば、デッドタイムが開始しても相電圧が切り替わらない場合にも、適切に補償量が決定されるので、電力変換装置において、目標値により近い出力電圧を得ることが可能になる。
また、第2の発明によれば、より正確に前記補償量を求めることが可能になり、より適正に出力電圧誤差の補償を行うことが可能になる。
また、第3の発明によれば、容易に前記補償量を求めることが可能になる。
また、第4の発明によれば、より正確に前記補償量を求めることが可能になるので、より適正に出力電圧誤差の補償を行うことが可能になる。
また、第5の発明によれば、相電流(Iu,Iw)が比較的小さい領域で、出力電圧が適正に制御され、目標値により近い出力電圧を得ることが可能になる。
図1は、本発明の実施形態に係る電力変換装置の構成を示すブロック図である。 図2は、(A)が、キャリア信号の1周期中に各スイッチング素子にそれぞれ与えるスイッチング指令の波形を例示した図であり、(B)は、前記スイッチング指令を印加した場合に想定される相電圧を示す図である。 図3は、インバータ回路の出力電圧の目標値を示す電圧指令と実際の相電圧との差(誤差電圧)を示す図である。 図4は、スイッチング制御部で行う出力電圧誤差の補償の概念を説明するブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以下では、本発明の実施形態として、チラーを有した空気調和機に用いられる電力変換装置の例を説明する。チラーを有した空気調和機などの用途では、一般家庭用の空気調和機よりも大きな電流(例えば400Aの電流)を流す必要がある。本実施形態の電力変換装置でもこのような大きさの電流を取り扱う。
《電力変換装置の構成》
図1は、本発明の実施形態に係る電力変換装置(1)の構成を示すブロック図である。この例では、電力変換装置(1)は、直流電源部(2)、インバータ回路(3)、検出部(4)、及びスイッチング制御部(5)を備えている。直流電源部(2)は、インバータ回路(3)に対し直流電力(電圧(Vdc))を供給するようになっている。また、インバータ回路(3)は、直流電源部(2)の出力を所定電圧の交流に変換して接続された負荷(例えばモータ(6))に出力するようになっている。図1において、モータ(6)は、インダクタンス成分(L)と直流抵抗成分(R)とで模式的に示してある。
本実施形態のインバータ回路(3)は、具体的には、複数のスイッチング素子(3a)がブリッジ結線されている。この例ではスイッチング素子(3a)は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)で形成されたスイッチング素子であり、それぞれのスイッチング素子(3a)には、還流ダイオード(3b)が逆並列接続されている。インバータ回路(3)では出力交流が単相交流であり、該インバータ回路(3)には4個のスイッチング素子(3a)が必要になる。すなわち、インバータ回路(3)は、2つのスイッチング素子(3a,3a)を互いに直流母線(P,N)(図1を参照)の間で直列接続してなるスイッチングレグ(L1,L2)を2組備え、2組のスイッチングレグ(L1,L2)が互いに並列に接続されてなるものである。各スイッチングレグ(L1,L2)の中間点(M1,M2)が単相交流の各相(U,W)に対応した出力ノード(Pu,Pw)であり、これらの出力ノード(Pu,Pw)にモータ(6)(負荷)が接続される。そして、インバータ回路(3)では、これらのスイッチング素子(3a)のオンオフ動作によって、直流電力を交流電力に変換し、各出力ノード(Pu,Pw)から前記負荷に出力する。
検出部(4)は、インバータ回路(3)の所定箇所の電流あるいは電圧を検出し、出力交流の各相(U,W)の相電流(Iu,Iw)の向き及び大きさをスイッチング制御部(5)に出力するようになっている。なお、検出部(4)は、相(U,W)毎に電流や電圧を検出するように構成してもよいし、負側の直流母線(N)で電流(電圧)を測定し、その測定値から各相(U,W)の相電流値を演算して求めるようにしてもよい。
スイッチング制御部(5)は、インバータ回路(3)に対してPWM制御(PWM:Pulse Width Modulation)を行う。具体的には、スイッチング制御部(5)は、各スイッチング素子(3a)のゲートに印加するスイッチング指令(Tu,Tx,Tw,Tz)を生成して各スイッチング素子(3a)のオンオフを制御する。このPWM制御では、直列接続のスイッチング素子(3a,3a)が同時にオンになって直流母線(P,N)間が短絡しないようするために、直列接続のスイッチング素子(3a,3a)の両方ともがオフの期間(いわゆるデッドタイム)を設けつつ、直列接続のスイッチング素子(3a)のオンオフの関係を逆転制御する。
図2(A)は、キャリア信号の1周期(キャリア周期(Ts))中に各スイッチング素子(3a)にそれぞれ与えるスイッチング指令(Tu,Tx,Tw,Tz)の波形を例示した図である。この図では、W相の相電流(Iw)が出力ノード(Pw)からモータ(6)(負荷)側に流れだす向きを正とし、該相電流(Iw)が正の場合(すなわち相電流(Iu)が負の場合)のスイッチング指令(Tu,Tx,Tw,Tz)を例示している。図2(A)において、スイッチング指令(Tu)及びスイッチング指令(Tx)は、スイッチングレグ(L1)の上アーム側(直流母線(P)側)、及び下アーム側(直流母線(N)側)のスイッチング素子(3a)にそれぞれ与えるスイッチング指令である。同様に、スイッチング指令(Tw)及びスイッチング指令(Tz)は、スイッチングレグ(L2)の上アーム側、及び下アーム側のスイッチング素子(3a)にそれぞれ与えるスイッチング指令である。
図2(A)では、各スイッチング指令(Tu,Tx,Tw,Tz)がハイレベル(Hレベル)に表示されている期間は、そのスイッチング指令に対応したスイッチング素子(3a)がオンであり、逆に、スイッチング指令(Tu,Tx,Tw,Tz)がローレベル(Lレベル)に表示されている期間は、そのスイッチング指令に対応したスイッチング素子(3a)がオフである。図2(A)に示すように、このインバータ回路(3)では、スイッチング指令(Tu)は、スイッチング指令(Tx)の立下りから所定期間(デッドタイム(Td))経過後に立上がり、スイッチング指令(Tx)は、スイッチング指令(Tu)の立下りからデッドタイム(Td)だけ経過後に立上がっている。また、スイッチング指令(Tw)は、スイッチング指令(Tz)の立下りからデッドタイム(Td)だけ経過後に立上がり、スイッチング指令(Tz)は、スイッチング指令(Tw)の立下りからデッドタイム(Td)だけ経過後に立ち上がっている。すなわち、スイッチング制御部(5)は、デッドタイム(Td)を設けることによって、インバータ回路(3)において上下アーム間が短絡しないように制御している。
そして、この電力変換装置(1)では、スイッチング制御部(5)によって、デッドタイム(Td)を設けたことによる出力電圧誤差の補償機能を実現している。具体的には、スイッチング制御部(5)では、インバータ回路(3)の出力電圧の目標値を示す電圧指令(V*)を補正することによって、出力電圧誤差の補償を行う。本実実施形態では、この電圧指令(V*)の補償量の設定に特徴がある。
図2(B)は、図2(A)のスイッチング指令(Tu,Tx,Tw,Tz)を印加した場合に想定される相電圧(Vx,Vz)を示す図である。より詳しくは、図2(B)では、実線が、従来の知見で想定される相電圧波形を示し、破線が、本願発明者が新たに知得した現象であり、本実施形態のように大きな電流を取り扱うインバータ回路(以下、大容量インバータ回路という)において想定される相電圧波形を示している。一般的にはインバータ回路では、本来ならば、スイッチング指令(Tx)がLレベルに切り替わると相電圧(Vx)が切り替わると考えられていた。しかしながら、インバータ回路(3)では、図2(B)に示すように、デッドタイム(Td)が開始しても(すなわち一方のスイッチング素子(3a)のオンオフの状態が切り替わっても)、直ちには相電圧(Vx)がVdc電圧へと切り替わっていない。図2(B)の例ではスイッチング指令(Tu)が立上がってから相電圧(Vx)が切り替わっている。同様に、スイッチング指令(Tw)をLレベルに切り換えると相電圧(Vz)がVdc電圧に切り替わるはずであるが、スイッチング指令(Tz)が立上がるまでは相電圧(Vz)が徐々に変化している。
このような現象が起こるのは、本実施形態のような大容量のスイッチング素子(3a)ではコレクタ・エミッタ間に存在するコンデンサの容量が比較的大きいため、相電流が小さく制御される場合(例えばスイッチング素子(3a)の定格の1/10程度に制御される場合)には、該コンデンサの電荷が相電圧に影響を及ぼすと考えられるからである。図3は、インバータ回路(3)に対する電圧指令(V*)と実際の相電圧との差(誤差電圧)を示す図である。図3に示すように、デッドタイム(Td)を設けたこと自体による誤差電圧(V-V*)は、相電流の大きさによらず概ね一定であると考えられる(図3における「デッドタイム(Td)相当の誤差電圧」を参照)。しかしながら、インバータ回路(3)では、図3に示すように、相電流の大きさに応じて変化している(図3における「大容量インバータ回路の誤差電圧」を参照)。この変化には種々の原因が考えられるが、比較的大電流を取り扱うインバータ回路(3)では、相電流値(Iu,Iw)が比較的小さく制御された場合には、デッドタイム(Td)の影響に加え、スイッチング素子(3a)のコレクタ・エミッタ間に存在するコンデンサの影響で、出力電圧の誤差を生ずるのである。
前記の現象を発見した本願発明者は、前記デッドタイム(Td)の開始(スイッチング素子(3a)の切り替わり)から相電圧(Vx,Vz)が切り替わるまでの期間において変化する相電圧(Vx,Vz)に応じて、前記出力電圧誤差の補償量を設定するようにスイッチング制御部(5)を構成したのである。とりわけ、オン状態のスイッチング素子(3a)がオフ状態に切り替わってから、該スイッチング素子(3a)と直列接続のスイッチング素子(3a)がオン状態になるまでの期間に変化した相電圧(Vx,Vz)を考慮して補償量を設定している。これは、インバータ回路(3)では、上アーム若しくは下アームのスイッチング素子(3a)のオフ状態に切り替わった後に、このスイッチング素子(3a)と対になるスイッチング素子(3a)がオン状態に切り替わることで相電圧(Vx,Vz)が切り替わることに起因している。例えば、図2の例では、W相(上アーム)のスイッチング素子(3a)がオフになってから、それと対になるZ相(下アーム)のスイッチング素子(3a)がオンになるまでの期間に相電圧(Vz)が徐々に変化し、Z相(下アーム)のスイッチング素子(3a)がオンなると相電圧(Vz)が切り替わっている。そこで、この例では、W相のスイッチング素子(3a)がオン状態(すなわち相電流が流れている状態)からオフ状態に切り替わってから、Z相のスイッチング素子(3a)がオンになるまでの期間に変化した相電圧(Vz)を考慮して補償量を設定している。このようにすることで、より正確な補償量の設定が可能になる。
本実施形態では、スイッチング制御部(5)は、前記補償量と前記相電流との関係を示す情報を格納した記憶部(5a)(例えば不揮発性メモリ)を備え、検出部(4)から得た相電流値及び相電流の向きの情報と、該記憶部(5a)の情報とを考慮して補償量を決定するようになっている(具体的な動作は後述する)。この「補償量と相電流との関係を示す情報」を用いれば、デッドタイム(Td)の開始から相電圧(Vx,Vz)が切り替わるまでの期間において変化する相電圧(Vx,Vz)に応じて、補償量を設定することができる。この例では、記憶部(5a)に格納しておく情報は、電力変換装置(1)において採用する実際のデッドタイム(Td)で、種々の目標電圧に対してスイッチングを行って予め測定した相電圧に基づいて、前記補償量と前記相電流との関係を示す折れ線グラフの各ポイントを求めて設定している。図3から分かるように、相電流が小さいほど誤差電圧が小さくなっているので、相電流が小さくなるにつれて、補償量は小さくなる。このように電力変換装置(1)の実際の運転状態で相電圧を測定することで、デッドタイム(Td)が開始してから相電圧が切り替わるまでの間に変化した相電圧も考慮されて、補償量が設定されることになる。なお、相電圧を測定する場合には、線間電圧(図1の例ではVxとVzの差)を検出できるように測定するのが好ましい。また、インバータ回路(3)の特性によっては、補償量がゼロ、すなわち出力電圧誤差の補償を中止するという制御を、スイッチング制御部(5)において行ってもよい。
なお、記憶部(5a)に格納する、前記補償量と前記相電流との関係を示す情報は、近似曲線やテーブルの形で格納してもよい。また、スイッチング素子の電圧降下を加味して相電圧の補正を行うようにスイッチング制御部(5)を構成してもよい。この場合には、電圧降下による補償量も、相電流が小さくなるにつれて低減するようにするのが好ましい。
《電力変換装置(1)の出力電圧誤差の補償動作》
図4は、スイッチング制御部(5)で行う出力電圧誤差の補償の概念を説明するブロック図である。本実施形態のスイッチング制御部(5)は、電圧指令としてVdef(n+1)が与えられると、まず、検出部(4)の情報(現在の相電流値(I(n))及び相電流の向き)を用いて、次に目標とする電流値I(n+1)を求める。次に、スイッチング制御部(5)は、求めた電流値I(n+1)と、記憶部(5a)の情報とを比較し補償量を決定する。そして、スイッチング制御部(5)は、その補正値をVdef(n+1)に加算した値を新たな電圧指令(V*)として求め、インバータ回路(3)に与えるスイッチング指令(Tu,Tx,Tw,Tz)を生成するのである。この新たな電圧指令(V*)により、スイッチング指令(Tu,Tx,Tw,Tz)のデューティー比が決定されることになる。このスイッチング指令(Tu,Tx,Tw,Tz)により、インバータ回路(3)にて各スイッチング素子(3a)のスイッチングが行われると、補正された相電圧(Vx,Vz)で各出力ノード(Pu,Pw)から交流電力が負荷(モータ(6))に供給される。
《本実施形態の効果》
以上のように、電力変換装置(1)では、相電流の向きに加え、相電流の大きさも検出し、前記デッドタイム(Td)の開始から相電圧が切り替わるまでの期間において変化する相電圧を考慮して補償量を決定している。これにより、スイッチング素子(3a)のオンオフの状態が切り替わっても相電圧が切り替わらない場合に、適正に出力電圧誤差の補償を行うことが可能になる。したがって、本実施形態によれば、目標値により近い出力電圧(相電圧(Vx,Vz))を得ることが可能になる。
《その他の実施形態》
なお、インバータ回路(3)の回路構成は例示であり、他の回路構成を有した、出力電圧誤差の補償を行う電力変換装置に対しても適用が可能である。すなわち、本発明は、スイッチング素子のオンオフの状態が切り替わっても相電圧が切り替わらないという現象の発生が想定されるインバータ回路に対して有用である。
また、インバータ回路(3)は三組のスイッチングレグを設けて、三相交流を出力するように構成してもよい。
また、インバータ回路(3)で取り扱う電流の大きさも例示である。
本発明は、いわゆるデッドタイムに起因する出力電圧誤差の補償機能を有した電力変換装置として有用である。
1 電力変換装置
3 インバータ回路
3a スイッチング素子
5 スイッチング制御部
5a 記憶部
6 モータ(負荷)

Claims (5)

  1. 入力電力をスイッチングして所定の交流電力に変換する電力変換装置において、
    前記入力電力が供給される母線(P,N)間で直列接続されたスイッチング素子(3a,3a)の組を複数有して前記交流電力を所定の負荷(6)に供給するインバータ回路(3)と、
    前記直列接続のスイッチング素子(3a,3a)の両方がオフの期間であるデッドタイム(Td)を設けつつ、該直列接続されたスイッチング素子(3a,3a)のオンオフの関係を逆転制御するとともに、前記デッドタイム(Td)を設けたことによる前記インバータ回路(3)の出力電圧誤差を補償するスイッチング制御部(5)と、
    を備え、
    前記スイッチング制御部(5)は、前記デッドタイム(Td)の開始から相電圧(Vx,Vz)が切り替わるまでの期間において変化する相電圧(Vx,Vz)に応じて、前記出力電圧誤差の補償量を設定することを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1の電力変換装置において、
    前記スイッチング制御部(5)は、オン状態の前記スイッチング素子(3a)がオフ状態に切り替わってから該スイッチング素子(3a)と直列接続の前記スイッチング素子(3a)がオン状態になるまでの期間に変化した相電圧(Vx,Vz)に応じて、前記補償量を設定することを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1又は請求項2の電力変換装置において、
    前記補償量と前記相電流(Iu,Iw)との関係を示す、折れ線グラフ、近似曲線、又はテーブルを格納した記憶部(5a)を備え、
    前記スイッチング制御部(5)は、前記記憶部(5a)に記憶された補償量に基づいて前記出力電圧誤差の補償を行うことを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1から請求項3のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記記憶部(5a)に記憶した補償量は、インバータ回路(3)における線間電圧に基づいて設定されたものであることを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1から請求項4のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記スイッチング制御部(5)は、前記相電流(Iu,Iw)の値が小さくなるにしたがって、前記補償量を低減、又は前記出力電圧誤差の補償を中止することを特徴とする電力変換装置。
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