JP2011151898A - モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プリントコイル61が取り付けられたステータ6と、軸心X周りの周方向で磁極が交互に変化する磁石58が取り付けられたロータ5と、を備え、磁石58とプリントコイル61がロータ5の軸心X方向で対向配置されたモータ1において、プリントコイル61を支持して、プリントコイル61と共にステータ6を構成する筒状部材7を備え、筒状部材7の端部を径方向に延設してフランジ部71を形成し、フランジ部71は、軸心Xの軸方向における一方側の上面71aに、軸心X周りの周方向に複数の駆動コイル63を有するプリントコイル61の下面61bが当接すると共に、他方側の下面71bに、磁石58を支持するロータホルダ52のボス凸部53が当接する構成とした。
【選択図】図3
Description
実施の形態にかかるモータ1は、エアコンや温風暖房装置などの吹き出し口に設けられて、送風方向を切り換えるルーバの駆動機構に採用されるモータであり、この駆動機構では、モータ1の回転を、回転伝達機構を介してルーバに伝達して、ルーバを一軸回りに回動させることで、送風方向を変更するようになっている。なお、回転伝達機構の詳細は、例えば特開2007−155128号公報に開示されている。
図1は、モータ1の分解斜視図であり、図2は、モータ1の斜視図であり、図3の(a)は、図2のモータ1を面Aで切断した断面図であり、(b)は、(a)における符号Bで囲った部分を拡大して示す要部拡大図である。
平面視において、バックヨーク65の中央には、バックヨーク65を厚み方向に貫通する貫通穴66が設けられており、バックヨーク65は、カバー部材4の突出壁部42を貫通穴66に軽圧入して、カバー部材4に取り付けられている。
実施の形態では、ホール素子85は、後記するフレキシブルプリント基板8において、軸心X(開口81)周りに3つ設けられており、3つのホール素子85のうちのふたつは、軸心X周りの周方向で互いに近接して配置されている。
そのため、素子収容部44、45のうちの一方の素子収容部44は、軸心X周りの周方向の長さが、他方の素子収容部45よりも長くなっており、互いに近接して配置されたホール素子85の両方が収容されるようになっている。
そのため、本体ケース2の凹部43内で露出する素子収容部44、45の開口が、バックヨーク65で塞がれて、素子収容部44、45内への異物の進入が防止されている。
ここで、バックヨーク65は、鉄などの軟磁性材料から形成されているので、バックヨーク65には、磁石58の吸着力により、磁石58側に引っ張る力が作用している。
実施の形態では、バックヨーク65のケース部材3側の面(磁石58側の面)がほぼ全面に亘って底面43aに接しており、バックヨーク65に磁石58による吸着力が作用しても、バックヨーク65の一部に、磁石58側に引っ張る力(応力)が集中して、バックヨーク65が変形することが防止されるようになっている。そのため、バックヨーク65は、必要最小限の厚さに形成することができる。
実施の形態では、フランジ部71の上面71aは、プリントコイル61のケース部材3側の下面61bに当接しており、フランジ部71とカバー部材4との間に、プリントコイル61とフレキシブルプリント基板8を挟み込んだ状態で、プリントコイル61を支持している。
ロータ5は、出力軸51と、ロータホルダ52と、ヨーク56と、磁石58と、を備えており、出力軸51の本体ケース2内に位置する先端51a側は、ロータホルダ52のボス凸部53に圧入して、出力軸51とロータホルダ52とが、軸心X周りに一体回転可能となっている。
出力軸51の軸心X上であって、ケース部材3の底部31の略中央部には、半円球形状の当接部32がカバー部材4側に膨出して設けられており、筒状部材7で支持された出力軸51のケース部材3側への移動範囲が、この当接部32により規定されている。
しかし、例えばロータ5をケース部材3側に移動させようとする負荷(力)が作用した場合には、出力軸51の先端51aと、当接部32とが互いに当接して、ロータホルダ52のケース部材3側の全面がケース部材3に接触しないようになっている。
ロータホルダ52のケース部材3側の全面がケース部材3に接触すると、接触による抵抗でロータ5の回転が停止する(回転しなくなる)おそれがあるからであり、かかる事態の発生を防止すべく、当接部32が設けられている。
ロータホルダ52は、軸心Xに対して直交する円板部54と、円板部54の中央部から軸心Xに沿ってカバー部材4側に突出するボス凸部53とを備えており、ボス凸部53のカバー部材4側の上端面53aは、ポリスライダ55を介して筒状部材7のフランジ部71の下面71bに軸方向から当接している。円板部54のカバー部材4側の上面54aは、全面に亘って、ボス凸部53の上端面53aと平行な平坦面とされている。
ここで、プリントコイル61と磁石58との間のクリアランスが狭くなるほど、モータ1の出力が大きくなるので、実施の形態では、120μm〜200μmのクリアランスが確保されるように、厚みW1、W2が設定されていることが好ましい。
ヨーク56の中央部には、ヨーク56を厚み方向に貫通する貫通穴57が設けられており、ヨーク56は、この貫通穴57にボス凸部53を圧入させて、ロータホルダ52と一体回転可能に連結されている。
図4に示すように、磁石58は、軸方向から見てリング形状を有しており、軸方向から見て、磁石58では、N、Sの主磁極が、軸心X周りの周方向で交互に配置されている。
図3に示すように、磁石58は、ヨーク56と同じ外径D2で形成されており、軸心X周りの全周に亘って同じ厚みで形成されている。
磁石58の中央部には、磁石58を厚み方向に貫通する貫通穴59が、ボス凸部53の外径とほぼ同じ径で形成されており、磁石58は、貫通穴59にボス凸部53に遊嵌されている。
磁石58におけるヨーク56との接触面は、全面に亘ってヨーク56に接着されており、ヨーク56と磁石58は、軸心X周りに一体回転可能となっている。
そのため、ロータホルダ52に取り付けられた磁石58は、円板部54の上面54aを証面(位置決め面)として、軸心Xの軸方向における位置と、カバー部材4側の上面58aの軸心Xに対する傾きとが、決定されることになる。
したがって、磁石58のカバー部材4側の上面58aと、ボス凸部53の上端面53aとを確実に面一にしたうえで、磁石58の上面58aと、プリントコイル61の下面61bとを、互いに平行に位置させることができる。
これにより、磁石58の上面と、プリントコイル61の下面61bとの間のクリアランス(W1+W2)を、軸心X周りの全周に亘って均一にすることができる。すなわち、クリアランス(W1+W2)の軸方向の精度を向上させることができるようになっている。
ホール素子85は、フレキシブルプリント基板8の中央の開口81周りに、3カ所取り付けられており、これらは、フレキシブルプリント基板8がカバー部材4に取り付けられた状態において、カバー部材4の素子収容部44、45内に完全に収容されるようになっている。
実施の形態では、プリントコイル61は、配線パターンが形成された絶縁膜を複数重ねて形成される多層構造を有しており、コイルを形成するための配線パターンが各層に形成されている。
このプリントコイル61では、各層に形成された配線パターンが接続されて、略中央の開口62周りの周方向に8つの駆動コイル63が形成されている。また、開口62内には、各層に形成された配線パターンを検査するための端子(図示せず)が露出しており、この端子を介して、配線パターンにおける断線などの異常の有無が検査されるようになっている。
なお、カバー部材4の周壁部46は、フレキシブルプリント基板8とプリントコイル61を、カバー部材4のケース部材3側の下面4bに取り付ける際の径方向の位置決めにも用いられるようになっている。
実施の形態では、フレキシブルプリント基板8およびプリントコイル61は、ケース部材3の切欠部34に嵌合凸部82、64を嵌合させて、ケース部材3に取り付けられており、平面方向への位置決めがなされる。
また、リング状の板状部材であるバックヨーク65は、磁石58側の面65cのほぼ全面が、カバー部材4の凹部43の底面43aに当接しているので、バックヨーク65を磁石58側に移動させようとする力が一部に集中してバックヨーク65が変形することが防止されている。
このように構成すると、ロータ5の軸心X方向におけるフランジ部71の厚みW1に相当するクリアランス(間隔)が、磁石58と駆動コイル63を有するプリントコイル61との間に少なくとも確保される。フランジ部71の厚みは、精度良く形成できるので、磁石58と駆動コイル63との間のクリアランスのバラツキを抑制できる。よって、モータ1の薄型化が可能となる。
また、フランジ部71の外径は、磁石58と駆動コイル63の外径に比べて十分に小さいので、フランジ部71にロータホルダ52のボス凸部53が当接した状態でロータ5が回転しても、フランジ部71がロータ5の回転に対するフリクションとならないようになっているので、モータ1の回転が停止することを防止しつつ、フランジ部71で磁石58と駆動コイル63との間のクリアランスが確保される。
このように構成すると、ロータホルダ52を、出力軸51を支持する軸受けとして利用でき、出力軸51を支持するための部品を別途設ける必要がないので、部品点数を削減できる。また、軸受けとして利用できるロータホルダ52は、出力軸51を支持可能な強度を備えるので、ロータホルダ52が、フランジ部71の下面71bに直接、またはポリスライダ55を介して間接的に当接している場合には、ロータ5が回転する際に、下面71bまたはポリスライダ55との当接面を、摺動面として利用できる。
このように構成すると、ロータ5の軸心Xの軸方向で、磁石58と駆動コイル63(プリントコイル61)が近づく方向にロータ5が移動しようとしても、ボス凸部53の軸心Xの軸方向における上端面53aがフランジ部71にポリスライダ55を介して間接的に当接しているので、磁石58と駆動コイル63との間に、フランジ部71の厚みW1+W2に相当するクリアランスが確保される。ポリスライダ55の厚みは正確に管理することができるので、磁石58と駆動コイル63との間のクリアランスのバラツキを抑制できる。よって、モータ1の薄型化が可能となる。また、磁石58または駆動コイル63が外挿して取り付けられるロータホルダ52のボス凸部53を、クリアランスを確保するための部材として兼用できるので、部品点数の増加を抑えることができる。
このように構成すると、外壁部に磁石58およびヨーク56が並べて配置される長さ分は、ボス凸部53の内壁の軸心Xの軸方向長さを確保することができるので、出力軸51のボス凸部53への圧入しろ(出力軸51とボス凸部53との固定長さ)を長く取ることができる。すなわち、ロータ5の軸心Xの軸方向における出力軸51とボス凸部53との接触面積が、磁石58とヨーク56の軸心Xの軸方向の厚みに応じて広がるので、ロータ5の出力軸51に対するヨーク56や、磁石58の組み付け精度が向上する。よって、ロータ5(出力軸51)の軸心精度が向上して、ロータ5の回転時における軸振れが抑制できると共に、ロータ5に取り付けられた磁石58と、ステータ6に取り付けられた駆動コイル63との対向面の面振れを抑制でき、モータ1の出力が安定する。
このように構成すると、プリントコイル61は、配線パターンが形成された絶縁膜を複数重ねて形成される多層構造のプリントコイルであり、プリントコイル61の開口62内に、配線パターンの端子が露出しているが、端子と筒状部材7との接触が、絶縁材料からなる周壁部46により阻止できるので、筒状部材7を安価な導電性の金属材料により形成することができる。よって、モータ1の製造コストの低減が可能となる。
このように構成すると、各層に形成された配線パターンにおける断線などの異常の検査を容易に行う構成を備えた通常のプリントコイルと使用することができる。
このように構成すると、周壁部46をカバー部材4に形成することにより、周壁部46に相当する筒状壁部を備えた専用の部材を、本体ケース2(カバー部材4)とは別部材で構成する必要がないので、部品点数を削減することができる。
このようにすることによっても、前記した実施の形態の場合と同様の効果が奏されることになる。すなわち、磁石58と駆動コイル63との間のクリアランスのバラツキを抑制でき、これにより、モータ1の薄型化が可能となる。
2 本体ケース
3 ケース部材
31 底部
32 当接部
33 壁部
34 切欠部
4 カバー部材
41 貫通孔
42 突出壁部
43 凹部
43a 底面
44 素子収容部
45 素子収容部
46 周壁部
5 ロータ
51 出力軸
52 ロータホルダ
53 ボス凸部
54 円板部
55 ポリスライダ
56 ヨーク
57 貫通穴
58 磁石
59 貫通穴
6 ステータ
61 プリントコイル
62 開口
63 駆動コイル
64 嵌合凸部
65 バックヨーク
66 貫通穴
7 筒状部材
71 フランジ部
8 フレキシブルプリント基板
81 開口
82 嵌合凸部
85 ホール素子
X 回転軸
Claims (6)
- 磁石と駆動コイルのうちの一方が取り付けられたステータと、
前記磁石と前記駆動コイルのうちの他方が取り付けられたロータと、を備え、
前記磁石と前記駆動コイルが前記ロータの回転軸方向で対向配置されたモータにおいて、
前記駆動コイルを支持して、当該駆動コイルと共に前記ステータまたは前記ロータを構成する第1の支持部材を備え、
前記第1の支持部材の端部を径方向に延設して鍔部を形成し、
前記鍔部は、
前記回転軸方向における一方側に、プリントコイルによって形成した前記駆動コイルの前記磁石との対向面が直接または間接的に当接する第1の当接部を有すると共に、
他方側に、前記磁石または該磁石を支持する磁石支持部材が直接または間接的に当接する第2の当接部を有することを特徴とするモータ。 - 前記磁石支持部材は、前記ロータの回転軸を支持していることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
- 前記磁石支持部材は、円筒状に形成され、その内壁が軸支されると共に、その外壁に前記磁石とヨークとを軸方向に並べて配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ。
- 前記プリントコイルは、
円筒状に形成された前記第1の支持部材の外壁にコイル支持部材を介して間接的に支持され、
前記コイル支持部材は、絶縁材料により形成されると共に、
前記第1の支持部材の外壁と、前記プリントコイルに形成された貫通孔との間に突出して配設される突出部を有し、
前記突出部により、前記第1の支持部材の外壁と、前記プリントコイルの前記貫通孔の内壁と、を離間させると共に、
前記第1の支持部材を、導電性の金属から構成したことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のモータ。 - 前記プリントコイルは、配線パターンが形成された絶縁膜を複数重ねて形成される多層構造であり、前記貫通孔に前記配線パターンの端末が露出していることを特徴とする請求項4に記載のモータ。
- 前記プリントコイルを収納する本体ケースを有し、前記コイル支持部材の前記突出部は、絶縁材料からなる前記本体ケースの内壁から前記第1のコイル支持部材を囲むように突出させた筒状壁部により構成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のモータ。
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