JP5034070B2 - ステッピングモータ - Google Patents
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Description
よって、モータ全長が規制されている場合であっても、コイル占有体積の割合を増大させ、可能な限りモータトルクの向上を図ることが可能となる。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。なお、各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。よって、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
シャフト及び該シャフトに固定されるマグネットからなり、前記ステータの、複数の極歯に囲まれた円筒状のスペースに回転可能に配置されるロータと、
該ステータの外ヨークに装着された、前記ロータのシャフトを軸支する一対の軸受とを有し、
前記外ヨークの底板には、前記極歯の間に、前記底板の開口の周縁から半径方向に伸長する切欠きが形成され、
前記一対の軸受は、それぞれ前記外ヨークの極歯の内周に嵌合挿入する中空円筒状の焼結含油合金からなるボス部と、該ボス部の外周から放射状に突出し前記外ヨークの底板の切欠きに嵌合するフランジ部とを備え、
前記ボス部と前記フランジ部は別体の部材で形成され、
前記一対の軸受のうちの一方は、前記複数のフランジ部が前記外ヨークの底板の切欠きに嵌合した状態で、前記ボス部及び前記フランジ部の何れも、前記外ヨークの底板から軸方向外側へと突出しない形状であって、
前記一対の軸受のうちの他方は、前記複数のフランジ部が前記外ヨークの底板の切欠きに嵌合した状態で、前記ボス部が前記外ヨークの底板から軸方向外側へ若干量だけ突出した形状に形成されているステッピングモータ。
本項に記載のステッピングモータは、軸受の複数のフランジ部が、外ヨークの底板の複数の切欠きに嵌合することで、外ヨークに対する軸受の回転が、ボス部の外周の複数位置において、より確実に阻止される。又、外ヨークの底板の複数の切欠きに嵌合した軸受の複数のフランジ部が、外ヨークと内ヨークとによって形成された円環状のスペースに格納されたボビンに当接することで、外ヨークに対する軸受の軸方向の位置も、ボス部の外周の複数位置において、より確実に位置決めされる。
本項に記載のステッピングモータは、軸受のボス部とフランジ部とが別体に形成されていることから、ボス部及びフランジ部の各々に適した製造方法及び材料を用いることが容易となる。フランジ部が、ボス部の外周に嵌合する円環部を備える金属材料からなり、例えば、板材を打ち抜くことにより形成されるものである。また、金属材料として鉄系金属を用いることにより、鉄系金属で形成された外ヨークに対し、軸受を固定する際に、溶接により両者を固定する作業が容易、かつ、確実に固定されるものとなるとなる。なお、軸受のボス部とフランジ部との固定は、フランジ部に設けられた円環部をボス部の外周に嵌合することによって行われる。
本項に記載のステッピングモータは、一対の軸受のうち、外ヨークの底板から軸方向外側に突出したボス部を基準としてモータ取り付けプレートを外ヨーク上に固着したことにより、ステッピングモータが完成した後にモータ取り付けプレートを装着できる結果、モータ取り付けプレートの形状が異なってもステッピングモータの製造工程の標準化ができ、ひいてはステッピングモータ構造の標準化が図られる。
本項に記載のステッピングモータは、軸受のフランジ部が、外ヨークの底板の切欠きに嵌合した状態で、外ヨークの底板の切欠きが軸受のフランジ部によって塞がれることとなり、塵等の異物のステータ内部への侵入を防止できる。
本項に記載のステッピングモータは、外ヨークからの軸受の脱落を確実に防ぐことができる。
図1、図2に示されるように、本発明の実施の形態に係るステッピングモータ1は、外ヨーク2と内ヨーク3の各々に、複数の極歯2a、3aが設けられ、各極歯2a、3aが交互に噛み合うようにして外ヨーク2と内ヨーク3が組み合わされ、ボビン4に巻回されたコイル5が外ヨーク2と内ヨーク3の間に収容されて、それぞれステータ6A、6B(すなわち、ステータ6A、6Bは同一構造をなしている。)を構成しており、ステータ6A、6Bが電気角で90度の位相差となるようにして互いに背中合わせに当接することによって、2相の磁界を形成している。
ロータマグネット7A、7Bの外周面は、各々周方向に多極着磁されている。そして、ロータ9は、ステータ6A、6Bの内側に配置され、ステータ6Aの極歯2a、3aとステータ6Bの極歯2a、3aは、ロータマグネット7A、7Bの外周面にそれぞれ所定の空隙(ギャップ)を隔てて対向配置されている。そして、シャフト8は、ステータ6Aの外ヨーク2に装着した軸受10Aと、ステータ6Bの外ヨーク2に装着した軸受10Bとによって、回転可能に支持されている。
一方、ボビン4は合成樹脂(例えば、液晶ポリマー)にて形成され、ボビン4の巻芯部にはマグネットワイヤが所定のターン数で巻回されてコイル5を構成している。ボビン4の巻芯部の両端には、フランジ4cが巻芯部と一体成形で形成され、一方端のフランジには端子ピン4bを植設した端子4aがフランジと一体に形成されており、コイル5のリードは端子ピン4bにそれぞれ絡げられている。また、端子4aは外ヨーク2の外周フレームに形成された切欠部2dからそれぞれ外部に引き出されている。
外ヨーク2は、筒状の外周フレーム2f及び外周フレーム2fの一端部を塞ぐ底板2cを含むカップ状をなし、底板2cの中央に開口2eが形成され、開口2eの周縁に沿って、外周フレーム2fと平行に設けられた複数の極歯2aを備えている。又、外ヨーク2の底板2cの、極歯2aの間に、外ヨーク2の強度を考慮しつつ、底板2cの開口の周縁から更に半径方向外側へと放射状態に伸長する複数の切欠き2bが形成されている。
また、外周フレーム2fには端子用切欠部2dが形成され、この切欠部2dを介して、ボビン4の端子4bが外部に引き出されている。
ここで、軸受10Bのフランジ部12aの形状は、外ヨーク2の極歯2a間に形成された切欠部2bからステータ6の内部への塵などの侵入を防止するという観点より、外ヨーク2の極歯2a間に形成された切欠部2bの形状に合わせることが好ましい。
また、フランジ部12aは、その厚みが外ヨーク2の底板2cの厚み以下で、かつ、外ヨーク2の底板2cの切欠き2bに嵌合し、ボビン4のフランジ4cと当接した状態でボス部11の軸方向一側端面が底板2cから軸方向外側へと突出しない位置に形成されている。
なお、本実施の形態においては、フランジ形成部12は鉄系の金属材料にて形成しているが、鉄系の金属材料に代えて樹脂材料(例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)など)から形成してもよく、フランジ形成部12を樹脂材料で形成する場合には、樹脂モールドにてボス部11と一体成形できる。
まず、ステータ内径基準で製作された冶具(図示せず)に、ステータ6Bの、外ヨーク2の極歯2aの内周を挿通させ、コイル5が巻回されたボビン4を、外ヨーク2に収容する。この時、外周フレーム2fに形成された端子用切欠部2dから、ボビン4の端子4bが外部に引き出される。そして、ステータ6Bの内ヨーク3の極歯3aの内周を、冶具(図示せず)に挿通させることにより、外ヨーク2の極歯2aと内ヨーク3の極歯3aとが、同一円周上に交互に噛み合うように、外ヨーク2と内ヨーク3とを組み合わせる。この時、外ヨーク2の極歯2aと内ヨーク3の極歯3aは、電気角で180度の位相差となるように位置決めされる。
また、他方の軸受10Aをシャフト8の他方端に挿通させた後、軸受10A、10Bのそれぞれのボス部11を外ヨーク2の極歯2aの内周面(開口2e)に嵌合挿入し、フランジ部12aを外ヨーク2の極歯2aの間に形成した切欠部2bに嵌合させて、軸受10A、10Bをステータ6Aの外ヨーク2、ステータ6Bの外ヨーク2にそれぞれ装着する。このとき、軸受10Bのボス部11の小径部はステータ6Bの外ヨーク2の底板2cから軸方向に突出していないのに対して、軸受10Aのボス部11の小径部はステータ6Aの外ヨーク2の底板2cから軸方向に若干量だけ突出する構成となっている。
なお、図示の例では、ロータマグネット7A、7Bを2個用いた構成となっているが、これを1個で構成しても勿論よい。
まず、軸受10A、10Bのそれぞれのフランジ部12aが外ヨーク2の底板2cの切欠き2bに嵌合することで、外ヨーク2に対する軸受10A、10Bの回転が阻止される。
一方、軸受10Aは、フランジ部12aが外ヨーク2の底板2cの切欠き2bに嵌合した状態で、ボス部11が外ヨーク2の底板2cから軸方向外側へ若干量だけ突出した形状に形成されていることから、このボス部11を基準として所定形状のモータ取り付けプレートをステータ6Aの外ヨーク2上に載置して固着できる。したがってステッピングモータ1が完成した後にモータ取り付けプレートを装着できる結果、モータ取り付けプレートの形状が異なってもステッピングモータ1の製造工程の標準化ができ、ひいてはステッピングモータ構造の標準化が図られる。なお、軸受10Aのボス部11の突出量(若干量)は、ボス部11が、モータ取り付けプレートの取り付け基準として機能し得るだけの突出量が確保されていれば良い。
以上、本発明のステッピングモータについて説明したが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲において変更できることは理解されるであろう。
Claims (5)
- 筒状の外周フレーム及び該外周フレームの一端部を塞ぐ底板を含み、前記底板の中央に開口が形成され、該開口の周縁に沿って前記外周フレームと平行に設けられた複数の極歯を備える外ヨークと、該外ヨークの複数の極歯と同一円周上に交互に配置される複数の極歯を備える内ヨークとによって円環状のスペースが形成され、該円環状のスペースに、ボビンに巻回されたコイルが格納されてなるステータと、
シャフト及び該シャフトの固定されるマグネットからなり、前記ステータの、複数の極歯に囲まれた円筒状のスペースに回転可能に配置されるロータと、
前記ステータの外ヨークに装着された、前記ロータのシャフトを軸支する一対の軸受とを有し、
前記外ヨークの底板には、前記極歯の間に、前記底板の開口の周縁から半径方向に放射状に伸長する複数の切欠きが形成され、
前記一対の軸受は、前記外ヨークの極歯の内周面に嵌合挿入する中空円筒状の焼結含油合金からなるボス部と、該ボス部の外周から放射状に突出し前記外ヨークの底板の切欠きに嵌合する複数のフランジ部とを備え、
前記ボス部と前記フランジ部は別体の部材で形成され、
前記一対の軸受のうちの一方は、前記複数のフランジ部が前記外ヨークの底板の切欠きに嵌合した状態で、前記ボス部及び前記フランジ部の何れも、前記外ヨークの底板から軸方向外側へと突出しない形状であって、
前記一対の軸受のうちの他方は、前記複数のフランジ部が前記外ヨークの底板の切欠きに嵌合した状態で、前記ボス部が前記外ヨークの底板から軸方向外側へ若干量だけ突出した形状に形成されていることを特徴とするステッピングモータ。 - 前記フランジ部は金属材料からなり、前記ボス部の外周に嵌合する円環部と該円環部の外周から放射状に伸長する複数のフランジ部を備えていることを特徴とする請求項1記載のステッピングモータ。
- 前記一対の軸受のうち、前記外ヨークの底板から軸方向外側に突出した前記ボス部を基準としてモータ取り付けプレートを前記外ヨーク上に固着したことを特徴とする請求項1または2記載のステッピングモータ。
- 前記軸受のフランジ部の形状が、前記外ヨークの底板の切欠きと同一形状をなしていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のステッピングモータ。
- 前記一対の軸受のそれぞれのフランジ部が、前記外ヨークの底板に溶接されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のステッピングモータ。
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