JP2011149712A - 時計用カバーガラス、および時計 - Google Patents

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【課題】
種々の使用環境において水滴による曇りを防止できる優れた防曇性を有し、さらにその防曇性能が長期間にわたって持続する防曇性の時計用カバーガラスおよびこれを備えた時計を提供する。
【解決手段】
内面に防曇層を備えた時計用カバーガラスであって、前記防曇層は、光を受けて親水性を発揮する光触媒を含有し、前記防曇層の厚みが5nm以下であることを特徴とする時計用カバーガラス。
【選択図】なし

Description

本願発明は、時計用カバーガラスおよび時計に関し、特に防曇性能を有する時計用カバーガラスおよび時計に関する。
物品の表面に細かい水滴が付着すると、光の散乱により曇りが発生する。時計においては、その本体への水分の浸入を構造的に防いでいるが、万一、本体中に水分が浸入した場合、その水分がカバーガラスに凝縮して曇りが発生する可能性がある。
従来からの物品表面に防曇性能を付与する方法としては、表面に吸水性を付与して水滴を吸収する方法、表面の水に対する接触角を上げて水滴をつきにくくする方法、物品を加熱して水滴を蒸散させるか、物品表面での露点を上げる方法等が挙げられる。
この中で、表面に親水性を付与することで水に対する接触角を低下させ、水滴を広げる方法として、物品表面に界面活性剤を塗布する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、物品表面に特定の方法により10nmから10μmまでの深さの多数の凹部を形成し、該凹部に、界面活性剤が継続して流出可能に充填させる方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、物品表面に親水性の薄層を形成することで防曇性能を持たせる方法として、表面を親水性の高いスルホン酸基または硫酸基をもつオルガノシランまたは/およびその加水分解物により処理する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−190471号公報 特開2003−149402号公報 特開2002−60692号公報
しかしながら、特許文献1で示される、物品表面に界面活性剤を塗布する構成、特許文献2で示される、物品表面に界面活性剤を保持するための物理的な構造を形成する構成では、界面活性剤の保持力が不十分であり、防曇性能の持続性に課題がある。また、時計のカバーガラスに使用する場合、表面に形成する防曇層の厚みによっては反射特性が変化し、読み取り難くなるという課題がある。
特許文献3で示される、スルホン酸またはスルホン酸前駆体を含むオルガノシランまたは/およびその加水分解物を親水性有機溶剤に希釈した防曇コーティング液を用いた処理により得られる親水性物品は、親水性基の密度が不足し、処理直後においても高い防曇性能が得られないという課題がある。
また、時計用カバーガラスにおいては、反射防止層を蒸着やスパッタで形成した後、別工程で前述した防曇層を形成することになり、工程が長く、歩留まりが低下するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、このような従来の問題を解決し、種々の使用環境において水滴による曇りを防止できる優れた防曇性を有し、さらにその防曇性能が長期間にわたって持続する防曇性の時計用カバーガラスおよびこれを備えた時計を提供することにある。
本発明の時計用カバーガラスは、内面に防曇層を備えた時計用カバーガラスであって、前記防曇層は、光を受けて親水性を発揮する光触媒を含有し、前記防曇層の厚みが5nm以下であることを特徴とする。
ここで、時計用カバーガラスとしては、サファイアガラス、石英ガラス、ソーダガラス等が挙げられる。
本発明によれば、本発明の時計用カバーガラスの防曇性は光触媒が光を受けて親水性を発揮することによるものなので、光励起によりその親水性を維持または、回復させることができ、長期間に渡り、持続的、かつ繰り返し使用できる。また、防曇層の厚みが5nm以下であるので、時計用カバーガラスの反射率には影響がなく、時刻等の読み取りに支障がない。
本発明では、前記時計用カバーガラスにおいて、前記光触媒が酸化チタンを主成分とすることが好ましい。
この構成によれば、酸化チタンが主成分であるので、無害であり、化学的に安定で、透明性が高く、かつコスト的にも有利な防曇層が形成できる。
本発明では、前記カバーガラスの内面には、反射防止層が形成され、前記防曇層が前記反射防止層の上に形成されていることがより好ましい。
このような構成によれば、防曇性のみでなく、視認性が高く、情報の読み取りがし易い時計用カバーガラスが形成できる。
さらに、本発明では、前記反射防止層は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されてなる無機多層膜であることが好ましい。
この構成によれば、反射防止層が高屈折率層と低屈折率層を交互に積層されてなるので、優れた反射防止効果を奏することができる。さらに、積層数を増減することにより、反射防止性能や光線透過率を制御することも容易である。
前記高屈折率層は窒化ケイ素からなり、前記低屈折率層は酸化ケイ素からなることがさらに好ましい。
このような構成によれば、耐傷性にも優れた時計用カバーガラスを提供できる。
また、本発明では、時計用カバーガラスにおいて、該カバーガラスの外面に反射防止層が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、カバーガラスの外側から入射する光の反射を入射側で防止できるため、良好な反射防止効果が得られる。
前記反射防止層の上に防曇層が形成されていることがさらに好ましい。
この構成によれば、外面の反射防止層の上にも防曇層が形成されているので、外面にも防曇性を有する。
本発明では、前記時計用カバーガラスを備えた時計を提供する。
このような本発明によれば、種々の使用環境において水滴による曇りを防止できる優れた防曇性能を有し、さらにその防曇性能が長期間にわたって持続する防曇性の時計用カバーガラス、これを備えた時計が提供できる。
本発明の実施例1の時計用カバーガラスの各波長における反射率を表したグラフである。 本発明の実施例2の時計用カバーガラスの各波長における反射率を表したグラフである。 本発明の実施例3の時計用カバーガラスの各波長における反射率を表したグラフである。 本発明の比較例1の時計用カバーガラスの各波長における反射率を表したグラフである。 本発明の比較例2の時計用カバーガラスの各波長における反射率を表したグラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
本実施形態の時計用カバーガラスは内面に反射防止層が形成され、当該反射防止層の上に、防曇層が形成されている。
(基材の材質)
本発明の時計用カバーガラス基材の材質としては、サファイアガラス、石英ガラス、ソーダガラス等が挙げられる。中でも硬度や透明性の観点から特にサファイアガラスが好ましい。
(反射防止層の構成)
反射防止層は、時計用カバーガラス本体の内側の体表面上に形成され、窒化ケイ素(SiN)により形成される高屈折率層と酸化ケイ素(SiO)により形成される低屈折率層とを交互に積層して得られる無機反射防止層であり、最外層はSiOにより形成されている。
高屈折率層の屈折率は、1.94から2.02までの程度であり、好ましくは1.98から2.01までである。また、低屈折率層の屈折率は、1.465から1.480までの程度である。
また、層数に制限はないが、一般的には4層から5層程度である。反射防止効果を高める観点からは積層数が多い方が好ましいが、あまり層数が多くなると、透光性や生産性の観点より問題が生ずる恐れがあるので、好ましくは9層までの範囲である。
前述の反射防止層の形成には、スパッタリング法が好適に用いられる。スパッタリング法としては無機薄膜形成の際に用いられる通常の方法が適用できる。尚、スパッタリングターゲットとして、シリコンターゲットを用いれば、雰囲気ガスおよび電圧等を変更するだけで、窒化ケイ素からなる高屈折率層と酸化ケイ素からなる低屈折率層をともに形成でき簡便である。
(防曇層の構成と形成工程)
本発明の防曇層は、光を受けて親水性を発揮する光触媒を含有し、前記防曇層の厚みが5nm以下であることを特徴とする。
光触媒としては、TiO、ZnO、SnO、SrTiO、In、WO、Bi、Fe等の金属酸化物が挙げられるが、化学的安定性、透明性、安全性、およびコスト的な観点から、特にTiO(酸化チタン)を用いることが好ましい。
本発明に用いられる酸化チタンとしては、アナターゼ型とルチル型のいずれも使用できるが、より高い光触媒活性を示すアナターゼ型酸化チタンに層を形成するのが好ましい。
アナターゼ型酸化チタンの層を形成する方法としては、例えば、アナターゼ型酸化チタンの微粒子を分散させた市販のゾルを基材に塗布する方法や無定形酸化チタンを焼成してアナターゼ型酸化チタンに変換する方法がある。
無定形酸化チタンの焼成によるアナターゼ型酸化チタン層の形成方法としては、特定の有機または無機チタン化合物を基材表面に塗布し、乾燥により、加水分解および脱水縮重合を行って無定形酸化チタン層を形成する方法とスパッタリングにより、無定形酸化チタンを基材表面に被着させる方法とがある。焼成は、少なくともアナターゼの結晶化温度異常の温度で行う。一般的には400℃から500℃以上の温度で焼成するが、600℃から700℃以上になるとルチル型酸化チタンに相転移を起こすので、注意が必要である。
本実施形態においては、前述の通り反射防止層をスパッタリングにより形成する関係から、防曇層も引き続き、スパッタリングを用いて形成するのが層厚の制御および生産効率の観点から好ましい。
ここでスパッタリング法によりアナターゼ型の酸化チタンの層を形成するには、例えば、常温から200℃の温度条件下、1×10−2Torr(1.33Pa)から2×10−4Torr(2.6×10−3Pa)の圧力条件下で形成することが好ましい。
防曇層の厚みは5nm以下であればよく、好ましくは4nm以下、さらに好ましくは3nm以下である。防曇層の厚みが厚くなると、反射率が大きくなり好ましくない。時計用カバーガラスの視感反射率としては、0.60%以下であることが好ましく、0.40%以下であることがより好ましい。尚、層の厚みは、層形成時に光学式の厚み測定装置を用いて測定することができる。
ここで、視感反射率とは、可視領域全域における入射光束強度に対する反射光束強度の比率であり、視感度の重み付けがなされたものである。
反射率は、例えば、ガラス基材を透過した光の強度と、ガラス基材を透過しない光の強度との差に基づいて測定可能である。そして、標準光の反射率と視感反射率とを可視光領域の各波長において掛け合わせた値の積算値に基づいて評価用の反射率を求め、この反射率を使用してガラス基材の光学特性を評価することが好ましい。これにより、目視の場合の反射防止性能を適切に評価できる。
前述の方法で形成された酸化チタンは光励起することにより、光触媒作用が働き、表面が高度な親水性を呈し、防曇性を発揮する。光励起にあたっては、アナターゼ型酸化チタンで波長387nm以下、ルチル型酸化チタンで波長413nm以下の紫外線を用いればよい。
紫外線光源としては、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライドランプ、水銀ランプのような室内照明灯を使用することができる。また、太陽光にさらし、太陽光に含まれる紫外線を利用してもよい。
光励起は、表面と水との接触角が5°以下になるまで行うのが好ましい。一般的に、0.001mW/cmの紫外線照度で光励起すれば、数日で水との接触角が0°になるまで超親水化できる。太陽光に含まれる紫外線の照度は0.1mW/cmから1mW/cmまでの程度なので、太陽光にさらせば、より短時間で超親水化できる。
また、一旦超親水化された後は、その効果が数日から数週間持続し、再び紫外線照射されることで回復する。
本実施形態の時計用カバーガラスおよびこれを備えた時計を提供する際は、予め紫外線を照射し、超親水化しておくのが好ましい。
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、時計用カバーガラスの内面に反射防止層を備え、反射防止層の上に酸化チタン層をスパッタリングにより形成し、5nm以下の層厚で防曇層とした。従って、屈折率が高い酸化チタンをガラス表面に用いても、時計用ガラスカバーとして問題ない視認性を保ちながら、防曇性を付与することができる。また、反射防止層をスパッタリングで形成したので、引き続き防曇層を形成でき、生産性に優れ、層厚の制御が可能である。
本発明は、以上述べた実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で種々の改良および変形を行うことが可能である。
前記実施形態では、時計用カバーガラスの内表面にのみ反射防止層および防曇層を形成したが、外表面にも反射防止層および防曇層を設けてもよい。外表面に反射防止層を設ければ、内表面のみに設けた場合に比べて、より反射防止効果が高く視認性のよい時計用カバーガラスが得られ、さらにその上に防曇層を設ければ、外表面側の曇りも防ぐことができる。本発明の防曇層は、布等の摩擦による耐久性も高いので、外表面に層形成した場合においても、剥がれ落ちることなく、効果が長期に渡って持続する。
さらに、防曇性、反射防止特性等を損ねない範囲で、防曇層に抗菌増強剤としてAg、Cu、Znのような金属をドーピングして、抗菌効果を付与したり、光活性増強剤としてPt、Pd、Rh、Ru、Os、Irのような白金族金属をドーピングして光触媒の酸化還元活性を増強し、表面に付着した汚染物質の分解機能を持たせてもよい。
以下に示す本発明の実施例、比較例は例示的なものであり、本発明は以下の具体例に制限されるものではない。当業者は、以下に示す実施例に様々な変更を加えて本発明を最大限に実施することができ、かかる変更は本願特許請求の範囲に包含される。
尚、時計用カバーガラスの基材としては、一般的なサファイアガラスを用いた。
<実施例1−3>
(基材の前処理)
φ30mm×t1.2mmのサファイアガラスを120℃の熱濃硫酸に10分間浸漬した後、純水でよく洗浄し、120℃に設定されたオーブンで、大気中30分間乾燥した。次に、このサファイアガラスをスパッタ装置内部に載置した後、120℃に加熱しながら装置内部を10−6Torrの圧力とした。続いて、装置内にArガスを導入し、0.8mTorrで逆スパッタしてサファイアガラス表面をクリーニングした。
(反射防止層形成工程)
シリコンをターゲットとし、以下の条件でリアクティブスパッタリングを行い、高屈折率層と低屈折率層からなる反射防止層(4層)を、サファイアガラス製基材の表面に形成した。
高屈折率層:窒化ケイ素(SiN
ガス:10.0sccm(1.69×10−2Pa m/s)
Arガス:10.0sccm(1.69×10−2Pa m/s)
スパッタリングパワー:2.0kW
低屈折率層:酸化ケイ素(SiO
ガス:10.0sccm(1.69×10−2Pa m/s)
Arガス:10.0sccm(1.69×10−2Pa m/s)
スパッタリングパワー:1.5kW
(防曇層の形成)
反射防止層を形成したガラス基材にチタンをターゲットとして、以下の条件でリアクティブスパッタリングを行い、層厚の異なる防曇層を形成した。表1に層構成を示す。
防曇層:酸化チタン(TiO
ガス:10.0sccm(1.69×10−2Pa m/s)
Arガス:10.0sccm(1.69×10−2Pa m/s)
スパッタリングパワー:1.5kW
スパッタ温度は80℃以下、スパッタガス圧は0.4Paであった。
前述の方法で酸化チタン層を形成後、500℃で焼成し、アナターゼ型酸化チタンの層を完成した。
その後、酸化チタン層を形成した基材を太陽光に5分以上さらし、水との接触角が5°以下になるよう光励起させた。
<比較例1>
前述の実施例1と同様に反射防止層を備えるガラス基材を作製し、防曇層は形成しなかった。
<比較例2>
前述の実施例1において、防曇層の層厚を6nmとした。
実施例および比較例で得られた防曇性時計用カバーガラスは、以下に示す評価方法で評価した。その結果を表1および表2に示す。
<評価の方法>
(a)視感反射率:
ガラス基材表面に対して90°の入射角で入射する標準光の反射率を求め、この反射率と、入射角90°の場合の視感感度とを可視光領域の各波長において掛け合わせた値の積算値に基づいて算出した値である。
反射率の測定には、反射率分光膜厚計「大塚電子株式会社製FE−3000」を用いた。測定した反射率を各実施例および比較例ごとに図1から5に示す。
尚、反射防止層を形成していないサファイアの視感反射率は7.0%である。
(b)反射防止特性:
時計用カバーガラスとして必要な視認性を考慮し、前述の視感反射率により、以下の3段階に分けて評価した。
○・・・0.40%以下
△・・・0.40より大きく0.60%以下
×・・・0.6%より大きい
(c)初期防曇性:
20℃に保管したサンプルを、温度40℃、相対湿度90%に保った環境中に移し、表面の曇り発生を目視観察した。目視による曇り性を、以下の4段階に分けて評価した。
◎・・・曇らない
○・・・少し曇るが実用上問題なし
△・・・2分後に曇りが消える(実用上問題あり)
×・・・2分たっても曇りが消えない
(d)防曇持続性:
20℃に保管したサンプルを、温度40℃、相対湿度90%に保った環境中に3分間保持した後、温度20℃、相対湿度35%に保った環境中に移して表面に付着した水分を乾燥させ、この一連の操作を1サイクルとして複数回繰り返し実施した。その時の防曇性を以下の4段階に分けて評価した。
◎・・・6サイクル後でも曇らない
○・・・3から5サイクル目で曇りが発生するが実用上問題なし
△・・・2サイクル目で曇りが発生する
×・・・1サイクル目で曇りが発生する
(e)防曇耐久性:
カバーガラス表面を布(木綿)で200gの荷重をかけ5,000回摩擦した後、純水洗浄および乾燥を行った。このサンプルを20℃に保管した後、温度40℃、相対湿度90%に保った環境中に移し、表面の曇り発生を目視観察した。目視による曇り性を、以下の4段階に分けて評価した。
◎・・・曇らない
○・・・少し曇るが実用上問題なし
△・・・2分後に曇りが消える(実用上問題あり)
×・・・2分たっても曇りが消えない
(f)総合評価:
初期防曇性、防曇持続性、防曇耐久性の評価より、総合的な防曇性を以下の3段階に分けて評価した。
○・・・実用上問題なし
△・・・防曇効果はあるが実用上問題あり
×・・・実用上不適
Figure 2011149712
Figure 2011149712
<評価結果>
表2より、実施例1から3では、反射防止層を有するガラス基材の表面に酸化チタン層が形成されているので、初期防曇性、防曇持続性および防曇耐久性全てにおいて実用上十分な性能が得られた。しかしながら、酸化チタン層を形成していない比較例1では防曇性が得られなかった。また、6nmの層厚で酸化チタン層を形成した比較例2では、防曇性は十分であるものの、反射防止特性が問題となり、実用に適していない。

Claims (8)

  1. 内面に防曇層を備えた時計用カバーガラスであって、
    前記防曇層は、光を受けて親水性を発揮する光触媒を含有し、
    前記防曇層の厚みが5nm以下である
    ことを特徴とする時計用カバーガラス。
  2. 請求項1に記載の時計用カバーガラスにおいて、
    前記光触媒が酸化チタンを主成分とする
    ことを特徴とする時計用カバーガラス。
  3. 請求項1または請求項2に記載の時計用カバーガラスにおいて、
    前記カバーガラスの内面には、反射防止層が形成され、
    前記防曇層が前記反射防止層の上に形成されている
    ことを特徴とする時計用カバーガラス。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の時計用カバーガラスにおいて、
    前記反射防止層は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されてなる無機多層膜である
    ことを特徴とする時計用カバーガラス。
  5. 請求項4に記載の時計用カバーガラスにおいて、
    前記高屈折率層は窒化ケイ素からなり、前記低屈折率層は酸化ケイ素からなる
    ことを特徴とする時計用カバーガラス。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の時計用カバーガラスにおいて、
    該カバーガラスの外面に反射防止層が形成されている
    ことを特徴とする時計用カバーガラス。
  7. 請求項6に記載の時計用カバーガラスにおいて、
    前記反射防止層の上に防曇層が形成されている
    ことを特徴とする時計用カバーガラス。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれかに記載の時計用カバーガラスを備える
    ことを特徴とする時計。
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