JP2011149328A - 多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機 - Google Patents

多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機 Download PDF

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Abstract

【課題】舌部下流域での高乱れ気流による騒音を十分に低減できるとともに、ファン効率の低下を抑制することができる多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機を提供することを目的とする。
【解決手段】舌部3を巻き始めとして略一定の拡がり角を持つ曲線にて形成されるスクロールケーシング2を備え、該スクロールケーシング2内に羽根車7が回転自在に設けられている多翼遠心ファン1において、スクロールケーシング2は、そのスクロール部の羽根車7の回転軸8と直角な断面形状が、舌部3を起点として羽根車7の回転方向に所定の中心角θ範囲で、拡がり角が略一定の曲線Aに対して拡がり角が漸次大きくされた後、再び拡がり角が略一定の曲線Aに一致される局所的な膨らみ部9を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、スクロールケーシングを備え、該スクロールケーシング内に羽根車が回転自在に設けられている多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機に関するものである。
スクロール形状とされたケーシング内に複数枚のファンブレードを備えた羽根車が回転自在に設けられている多翼遠心ファンは、冷凍、空調あるいは換気装置等における送風用ファンとして、幅広く採用されている。かかる多翼遠心ファンにおいて、スクロールケーシング01は、図5に示されるように、スクロール部(ケーシング側面)の羽根車02の回転軸04と直角な断面形状が、風路の起点となる舌部05を巻き始めとして、一定の拡がり角を有するスクロール曲線によって形成されている。
すなわち、スクロールケーシング01は、一般に、回転軸04の中心から舌部05までの半径をR、舌部05を起点とした回転方向(時計回り方向)への任意の位置の角度(以下、中心角という。)をθ、この中心角θの位置における回転軸04の中心からの半径をRとしたとき、
R=R×exp(α・θ)、 ただし、α;拡がり角
で与えられる対数螺旋形状とされている。
このような多翼遠心ファンでは、羽根車02が舌部05付近を通過するとき、羽根車02のブレード03における負荷や流動状態が大きく変化するため、舌部05を起点として巻き始めから或る角度の範囲において、スクロール部内での流れが不安定となって乱れやすく、この乱れの大きい気流(以下、高乱れ気流という。)がスクロールケーシング01の内面と干渉することにより、騒音の発生や効率の低下を招く要因となっている。図5中の矢印範囲は、流れが不安定となりやすい範囲を示している。
こうした中、特許文献1には、上記式におけるスクロールケーシングの中心角θの補正値βを、5°〜15°とするとともに、拡がり角αを、5.5°〜7°に設定することによって、性能向上と乱流騒音の低減を図ったものが提案されている。また、特許文献2には、スクロールケーシング内を気流が流れる際のエネルギー損失を抑制するために、ケーシング内の上面、底面および側面に羽根車の回転軸方向に沿った突条を含む多数の突起を設け、この突起の近傍を流れる気流を境界層内で乱流にして安定化させ、境界層の発達を防止することによって、エネルギー損失を抑制するとともに、低騒音化を図ったものが提案されている。
特許第4183005号公報 特開2002−5090号公報
しかしながら、特許文献1に示されるように、一定の拡がり角αを持つスクロールケーシングの拡がり角αを5.5°〜7°に設定するだけでは、仮に性能の向上が図れたとしても、高乱れ気流がスクロールケーシングの内面と干渉することで発生する騒音を十分低減することはできない。また、拡がり角αを大きくすることによって、スクロールケーシングの外形が大型化するというマイナス面も無視できない等の課題を有している。
さらに、特許文献2に示されるように、ケーシングの内面全体に突条や突起を設けたものでは、境界層内で気流を乱し、高乱れ気流による渦を分散させ、騒音を低減できるという機能を有するとしても、ケーシングの内面全域に流線と略直交する方向に突条もしくは突起を設けることによって、流れに対する抵抗が増大し、風量の低下やファン動力の増大等は避けられないという課題を有している。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、舌部下流域での高乱れ気流による騒音を十分に低減できるとともに、ファン効率の低下を抑制することができる多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明の多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる多翼遠心ファンは、舌部を巻き始めとして略一定の拡がり角を持つ曲線によって形成されるスクロールケーシングを備え、該スクロールケーシング内に羽根車が回転自在に設けられている多翼遠心ファンにおいて、前記スクロールケーシングは、そのスクロール部の前記羽根車の回転軸と直角な断面形状が、前記舌部を起点として前記羽根車の回転方向に所定の中心角範囲で、前記拡がり角が略一定の曲線に対して拡がり角が漸次大きくされた後、再び前記拡がり角が略一定の曲線に一致される局所的な膨らみ部を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、舌部を巻き始めとして略一定の拡がり角を持つ曲線により形成されるスクロールケーシングにおいて、スクロール部の羽根車の回転軸と直角な断面形状が、舌部を起点として羽根車の回転方向に所定の中心角範囲で、拡がり角が略一定の曲線に対して拡がり角が漸次大きくされた後、再び拡がり角が略一定の曲線に一致される局所的な膨らみ部を備えているため、羽根車が舌部付近を通過するとき、ブレードに対する負荷や流動状態が変化して羽根車から吹出される流れが不安定となって乱れ、その高乱れ気流がスクロールケーシングの内面と干渉することにより騒音発生やファン効率低下の要因となっていたが、該高乱れ気流を舌部下流域の所定の中心角範囲に設けられている局所的な膨らみ部によって減衰することにより、スクロールケーシング内面での圧力変動を小さくすることができる。従って、上記騒音を低減することができるとともに、ファン効率の低下を抑制することができる。
また、本発明の多翼遠心ファンは、上記の多翼遠心ファンにおいて、前記膨らみ部は、前記舌部を起点とした中心角が前記スクロールケーシング2の巻き角の概ね1/4巻き角程度の範囲に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、膨らみ部が、舌部を起点とした中心角がスクロールケーシング2の巻き角の概ね1/4巻き角程度の範囲に設けられているため、羽根車から吹出される気流が不安定となって乱れが生じやすい中心角が1/4巻き角程度の範囲のみで、ケーシングの拡がり角を大きくし、高乱れ気流を減衰して圧力変動を小さくすることができ、一方、膨らみ部の下流域では、スクロールケーシングの拡がり角を適正値として高性能を維持することができる。つまり、多翼遠心ファンでは、一般に、スクロールケーシングの拡がり角は、4°〜6°が適正値とされており、大きくし過ぎると性能低下することが判っているので、上記範囲のみで拡がり角を大きくすることによって、高性能を維持しながら、高乱れ気流による騒音の発生や効率の低下を抑制することができる。
さらに、本発明の多翼遠心ファンは、上述のいずれかの多翼遠心ファンにおいて、前記膨らみ部は、前記拡がり角が少なくとも10°以上まで漸次大きくされた後、前記拡がり角が略一定の曲線に一致されるまで漸次小さくされていることを特徴とする。
本発明によれば、膨らみ部の拡がり角が、少なくとも10°以上まで漸次大きくされた後、拡がり角が略一定の曲線に一致されるまで漸次小さくされているため、膨らみ部の拡がり角を10°以上まで漸次拡大して膨らみ部の大きさを十分大きくすることにより、高乱れ気流に対しての減衰効果を高め、効率的に圧力変動を小さくすることができる。従って、より大きな騒音低減効果を得ることができる。
さらに、本発明の多翼遠心ファンは、上述のいずれかの多翼遠心ファンにおいて、前記膨らみ部は、前記舌部を起点とした回転方向への中心角をθとしたとき、前記拡がり角が最大となる位置が、15°≦θ≦60°の範囲に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、膨らみ部が、舌部を起点とした回転方向への中心角をθとしたとき、拡がり角が最大となる位置が、15°≦θ≦60°の範囲に設定されているため、舌部を最適位置に設定して、舌部におけるスクロールケーシングの巻き終り域からの逆流を抑制すると同時に、舌部の下流域で高乱れ気流による圧力変動が最大となる領域と膨らみ部の拡がり角が最大となる位置とを対応させることにより高乱れ気流の減衰効果を高め、効率的に圧力変動を小さくすることができる。従って、より大きな騒音低減効果を得ることができる。
また、本発明の多翼遠心ファンは、上述のいずれかの多翼遠心ファンにおいて、前記膨らみ部の内面には、内側に凸状とされた複数の突起が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、膨らみ部の内面に、内側に凸状とされた複数の突起が設けられているため、この突起によって膨らみ部を設けたことによるスクロールケーシングの有効流路面積の拡大をより滑らかにし、流路面積が急拡大することによる圧力損失の増大を抑えるとともに、羽根車から吹出される高乱れ気流による渦を突起によって分散し、スクロールケーシング内面に到達するまでに減衰することができる。従って、膨らみ部と突起との相乗効果によって、騒音低減効果を一段と向上することができる。
さらに、本発明の多翼遠心ファンは、上記の多翼遠心ファンにおいて、前記複数の突起は、その先端を繋いだ曲線が、前記拡がり角が略一定の曲線と概ね一致するように設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、複数の突起の先端を繋いだ曲線が、拡がり角が略一定の曲線と概ね一致するように設けられているため、拡がり角を略一定とした曲線により形成されるスクロールケーシングに対し、スクロールケーシングの有効流路面積を実質的に一致させ、膨らみ部および突起を設けたことによる圧力損失の実質的な増加を無くすることができる。従って、拡がり角が略一定のものと実質的に同一の性能を得ながら、膨らみ部および突起を設けたことによる騒音低減効果およびファン効率低下抑制効果を得ることができる。
さらに、本発明にかかる空気調和機は、空気送風用のファンとして、上述のいずれかに記載されている多翼遠心ファンが搭載されていることを特徴とする。
本発明によれば、空気調和機に搭載される空気送風用のファンとして、上述のいずれかの多翼遠心ファンが搭載されているため、空気送風用のファンとして、上述の如く騒音を低減できるとともに、ファン効率の低下を抑制することが可能な多翼遠心ファンを搭載することができ、従って、運転音の低減およびファン効率の向上を図り、空気調和機の一層の低騒音化、高性能化を実現することができる。
本発明の多翼遠心ファンによると、羽根車が舌部付近を通過するとき、ブレードに対する負荷や流動状態が変化して羽根車から吹出される流れが不安定となって乱れ、その高乱れ気流がスクロールケーシングの内面と干渉することにより騒音発生やファン効率低下の要因となっていたが、この高乱れ気流を舌部下流域の所定の中心角範囲に設けられている局所的な膨らみ部によって減衰することにより、スクロールケーシング内面での圧力変動を小さくすることができるため、上記騒音を低減することができるとともに、ファン効率の低下を抑制することができる。
また、本発明の空気調和機によると、空気送風用のファンとして、上述の如く騒音を低減できるとともに、ファン効率の低下を抑制することが可能な多翼遠心ファンを搭載することができるため、運転音の低減およびファン効率の向上を図り、空気調和機の一層の低騒音化、高性能化を実現することができる。
本発明の第1実施形態に係る多翼遠心ファンの平面図である。 図1に示す多翼遠心ファンのスクロールケーシングの膨らみ部を構成している曲線の中心角と回転軸中心からの半径との関係を示す説明図である。 図1に示す多翼遠心ファンのスクロールケーシングの膨らみ部の中心角と拡がり角との関係を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る多翼遠心ファンの部分平面図(A)と、その突起の異なる実施形態の斜視図(B),(C)である。 従来の多翼遠心ファンの平面図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図3を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る多翼遠心ファンの平面図が示され、図2には、そのスクロールケーシングの膨らみ部の中心角と回転軸中心からの半径との関係説明図が示されている。
多翼遠心ファン1は、樹脂材によって射出成形された上下2分割構造のスクロールケーシング2を備えている。
スクロールケーシング2は、スクロール部(ケーシング側面)の羽根車7の回転軸8と直角な断面形状が、通風路の起点となる舌部3を巻き始めとして、一定の拡がり角αを持つ対数螺旋曲線4によって形成された渦巻き形状とされている。スクロールケーシング2の上面には、ベルマウスを有する空気吸込み口(図示省略)が設けられ、また、舌部3の上流側から接線方向に向けて空気吹出し口5が延長されている。このスクロールケーシング2の内部には、多数のブレード6を備えた羽根車7が、スクロールケーシング2の底面側に固定設置されているファンモータ(図示省略)の回転軸8に対して回転自在に支持されている。
上記多翼遠心ファン1では、ファンモータを介して羽根車7が時計回りに回転されることにより、ベルマウスを介して空気吸込み口から軸方向に吸い込まれた空気が羽根車7の複数枚のブレード6間を通って内周側から外周側へと遠心方向に圧送され、更に、この空気流が、スクロールケーシング2の内周面に沿って周方向へと送られ、吹出し口5から外部へと送出されるようになっている。
羽根車7の回転により、上記の如く空気流が形成される中、スクロールケーシング2の舌部3付近において発生する逆流に対して、羽根車7のブレード6が通過することで発生する流れの乱れが原因で大きな渦が形成され、乱れの大きい乱流領域が生じることが知られている。この乱流領域によって羽根車7から吹出される気流が不安定となり、乱れの大きな気流(高乱れ気流)となって舌部3の下流域へと流出され、これがスクロールケーシング2の内面と干渉することによって、騒音(NZ音)が発生している。
本実施形態では、この高乱れ気流による渦を減衰し、スクロールケーシング2の内面と干渉を緩和するため、スクロールケーシング2に、スクロール部の羽根車7の回転軸8と直角な断面形状が、舌部3を起点として羽根車7の回転方向に所定の中心角θの範囲で、拡がり角αが略一定の曲線Aに対して拡がり角αが漸次大きくされた後、再び拡がり角αが略一定の曲線Aに一致される局所的な膨らみ部9を設けた構成としている。
この膨らみ部9は、舌部3の下流域で高乱れ気流が発生しやすいとされている、舌部3を起点とした中心角θがスクロールケーシング2の巻き角の概ね1/4巻き角程度の範囲に設けられている。また、その拡がり角αは、一般に多翼遠心ファン1において適正値とされている拡がり角が4°〜6°(本例では、5°)で略一定の曲線Aに対して、拡がり角αが少なくとも10°以上(本例では、15°)まで漸次大きくされた後、拡がり角が5°で略一定の曲線Aに一致されるまで漸次小さくされた構成とされている。
なお、スクロールケーシング2の拡がり角αを最大15°まで拡大した後、その下流域で拡がり角が5°で略一定の曲線Aに一致させるためには、拡がり角αが最大とされた位置から拡がり角を少なくとも5°よりも小さくしなければならず、本例では、拡がり角を4°として漸次小さくし、拡がり角が5°で略一定の曲線Aに一致させている。
また、膨らみ部9は、舌部3を起点とした回転方向への中心角をθとしたとき、拡がり角αが15°で最大となる位置(ピーク位置)の中心角θが、図3に示されるように、略40°とされている。この拡がり角αが最大となるピーク位置は、上記した中心角θの範囲内において、好ましくは、15°≦θ≦60°の範囲に設定することができる。
なお、膨らみ部9の対数螺旋曲線4は、図2に示されるように、舌部3の回転軸8中心からの半径をR、中心角θ、θN+1位置での半径をそれぞれR、RN+1としたとき、
N+1=R×exp(αN+1・(θN+1−θ)) ただし、αN+1;拡がり角
で表すことができる。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
上記したように、多翼遠心ファン1では、舌部3付近において乱れの大きい乱流領域が生じ、この乱流領域によって羽根車7から吹出される気流が不安定となり、乱れの大きい気流(高乱れ気流)となって舌部3の下流域へと流出される。この高乱れ気流が舌部3の下流域において、スクロールケーシング2の内面と干渉することによって、騒音の発生やファン効率の低下の要因となる。
しかるに、本実施形態では、高乱れ気流がスクロールケーシング2の内面と干渉して圧力変動が大きくなる、舌部3を起点とした中心角がθの範囲の領域に、拡がり角αが最大15°まで漸次拡大されている局所的な膨らみ部9を設けており、この膨らみ部9によって高乱れ気流による渦を減衰するようにしている。このため、スクロールケーシング2の内面での圧力変動を緩和することができ、上記騒音を低減することができるとともに、ファン効率の低下を抑制することができる。なお、膨らみ部9を設けたことによって、2dB程度の騒音低減効果が得られる。
また、膨らみ部9が、舌部を起点とした中心角θがスクロールケーシング2の巻き角の概ね1/4巻き角程度の範囲に設けられているため、羽根車7から吹出される気流が不安定となって乱れが生じやすい中心角θが1/4巻き角の範囲のみで、ケーシング2の拡がり角αを大きくし、高乱れ気流を減衰して圧力変動を小さくすることができる。一方、膨らみ部9の下流域では、スクロールケーシング2の拡がり角αを多翼遠心ファン1としての適正値である4°〜6°(本例では、5°)として高い性能を維持することができる。
つまり、本実施形態にかかる多翼遠心ファン1では、一般に、スクロールケーシング2の拡がり角αは、4°〜6°が適正値とされており、大きくし過ぎると性能が低下するとされているが、舌部3を起点とした中心角θが上記の範囲のみで拡がり角αを大きくした構成とすることによって、それ以外の領域では、拡がり角αを適正値の例えば5°に設定して高性能を維持しながら、高乱れ気流による騒音の発生や効率の低下を抑制することが可能となる。
また、膨らみ部9の拡がり角αが、少なくとも10°以上、本実施形態では最大15°まで漸次大きくされた後、拡がり角αが5°で略一定の曲線Aに一致されるまで漸次小さくされるようにしている。このため、膨らみ部9の大きさを十分大きくし、膨らみ部9での高乱れ気流に対しての減衰効果を十分に高め、効率的に圧力変動を緩和することが可能となる。従って、より大きな騒音低減効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、膨らみ部9が舌部3を起点とした回転方向への中心角をθとしたとき、拡がり角αが最大となるピーク位置を、15°≦θ≦60°の範囲に設定している。このように、拡がり角αのピーク位置を、15°≦θ≦60°の範囲、具体的にはピーク位置の中心角θを40°に設定し、舌部3を最適位置に設定して舌部3でのスクロールケーシング2の巻き終り域からの逆流を抑制すると同時に、舌部3の下流域で高乱れ気流による渦が最大となる領域と膨らみ部9の拡がり角αが最大となる位置とを対応させることによって、高乱れ気流の減衰効果を高め、効率的に圧力変動を緩和できるようにしている。このため、より大きな騒音低減効果を得ることができる。
また、上記の多翼遠心ファン1は、空気調和機における空気送風用のファンとして搭載することができる。このような多翼遠心ファン1を空気送風用ファンとして搭載することにより、空気調和機のファン騒音を低減することができるとともに、ファン効率の低下を抑制することができる。このため、運転音の低減およびファン効率の向上を図り、空気調和機の一層の低騒音化、高性能化を実現することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図4を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、膨らみ部9の内面側に突起10を設けた構成としている点が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、スクロールケーシング2の膨らみ部9の内面に、図4(A)に示されるように、内側に凸状とされた複数の突起10が設けられた構成とされている。
この突起10は、例えば、図4(B)に示されるように、半球状の突起10Aであってもよいし、あるいは図4(C)に示されるように、上方側ほど径が小さくされた半円柱状の突起10Bであってもよく、様々に形状の突起とすることができる。特に、射出成形される樹脂製スクロールケーシング2の場合は、上下に2分割構造とされるケーシングの分割面側に向って型の抜き勾配を有する突起10Bのような形状とすることが望ましい。
また、これらの突起10,10A,10Bは、図4(A)に示されるように、複数の突起10,10A,10Bの先端を繋いだ曲線が、拡がり角αが略一定の曲線Aと概ね一致するように設けるのが望ましい。
このように、膨らみ部9の内面に、内側に凸状とされた複数の突起10,10A,10Bを設けることによって、膨らみ部9を設けたことによるスクロールケーシング2の有効流路面積の拡大をより滑らかにし、流路面積が急拡大することによる圧力損失の増大を抑制することができる。また、羽根車7から吹出される高乱れ気流による渦を突起10,10A,10Bによって分散し、スクロールケーシング2の内面に到達するまでに更に減衰することができる。従って、膨らみ部9と突起10,10A,10Bとの相乗効果によって、騒音低減効果を一段と向上することができる。
特に、複数の突起10,10A,10Bの先端を繋いだ曲線を、拡がり角αが略一定の曲線Aと概ね一致させることにより、拡がり角αを略一定とした曲線Aにより形成されるスクロールケーシング2に対して、スクロールケーシング2の有効流路面積を実質的に一致させ、膨らみ部9および突起10,10A,10Bを設けたことによる圧力損失の実質的な増加を略ゼロとすることができる。このため、拡がり角αが略一定のものと実質的に同一の高性能を得ながら、膨らみ部9および突起10,10A,10Bを設けたことによる騒音低減効果およびファン効率低下抑制効果を得ることが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、スクロールケーシング2の片面側から空気を吸込む片面吸込み型の多翼遠心ファン1について説明したが、両面吸込み型の多翼遠心ファンにも適用できることは云うまでもない。また、スクロールケーシング2は、樹脂製である必要はなく、金属製のケーシングを用いてもよいことはもちろんである。
1 多翼遠心ファン
2 スクロールケーシング
3 舌部
4 対数螺旋曲線
7 羽根車
8 回転軸
9 膨らみ部
10,10A,10B 突起
A 拡がり角が略一定の曲線
θ 中心角

Claims (7)

  1. 舌部を巻き始めとして略一定の拡がり角を持つ曲線によって形成されるスクロールケーシングを備え、該スクロールケーシング内に羽根車が回転自在に設けられている多翼遠心ファンにおいて、
    前記スクロールケーシングは、そのスクロール部の前記羽根車の回転軸と直角な断面形状が、前記舌部を起点として前記羽根車の回転方向に所定の中心角範囲で、前記拡がり角が略一定の曲線に対して拡がり角が漸次大きくされた後、再び前記拡がり角が略一定の曲線に一致される局所的な膨らみ部を備えていることを特徴とする多翼遠心ファン。
  2. 前記膨らみ部は、前記舌部を起点とした中心角が前記スクロールケーシング2の巻き角の概ね1/4巻き角程度の範囲に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の多翼遠心ファン。
  3. 前記膨らみ部は、前記拡がり角が少なくとも10°以上まで漸次大きくされた後、前記拡がり角が略一定の曲線に一致されるまで漸次小さくされていることを特徴とする請求項1または2に記載の多翼遠心ファン。
  4. 前記膨らみ部は、前記舌部を起点とした回転方向への中心角をθとしたとき、前記拡がり角が最大となる位置が、15°≦θ≦60°の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の多翼遠心ファン。
  5. 前記膨らみ部の内面には、内側に凸状とされた複数の突起が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の多翼遠心ファン。
  6. 前記複数の突起は、その先端を繋いだ曲線が、前記拡がり角が略一定の曲線と概ね一致するように設けられていることを特徴とする請求項5に記載の多翼遠心ファン。
  7. 空気送風用のファンとして、請求項1ないし6のいずれかに記載されている多翼遠心ファンが搭載されていることを特徴とする空気調和機。
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