JP2011149261A - 大断面トンネル - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易かつ安価に構築することが可能なアーチ部分を含む大断面トンネルを提案する。
【解決手段】頂版2、底版3および左右の側壁4,4が形成された大断面トンネル1であって、頂版2は、断面台形の小断面トンネル10,10,…を、短辺側を下にした状態で横方向に並設することで弧状に形成されており、底版3は、断面台形の小断面トンネル10,10,…を、短辺側を上にした状態で横方向に並設することで弧状に形成されており、側壁4,4の上端部には、頂版2の下面2aの傾きに対応する傾斜面4aが形成されていて、側壁4,4の下端部には、底版3の上面3aの傾きに対応する傾斜面4bが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、大断面トンネルに関する。
複数の小断面トンネルを構築し、隣接する小断面トンネル同士を連結して大断面トンネルの覆工体を形成する場合がある(例えば、特許文献1参照)。
このような小断面トンネルは、一般的に矩形断面である場合が多く、これらの小断面トンネルを連結して形成される大断面トンネルの覆工体も矩形断面に形成されるのが一般的である。
ところが、大深度の高水圧、高土圧環境下において、断面矩形に形成された大断面トンネルの覆工体は、これらの外力に対する耐力を備えるために、覆工厚や鋼材量を増加させる必要があった。このような大断面トンネルは、覆工体のコンクリート量や鋼材量等の材料費が嵩むとともに、各小断面トンネルを構築する際の掘削断面が大きくなって施工の手間が嵩むという問題点を有していた。
そのため、覆工体の頂版および底版を円弧状に形成することで、水圧や土圧等による曲げモーメントの発生を緩和し、覆工体の規格の低減化を図る場合がある(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載の大断面トンネルの構築方法は、円形の第一の外殻、二つの凹状円弧部を備えた第二の外殻、凸状円弧部と凹状円弧部とを備えた第三の外殻を、凸状円弧と凹状円弧とを直線状または角度付けして嵌合するように適宜組み合わせることで大断面トンネルの外殻に円弧を含ませるものである。
特開平11−350898号公報 特開2000−54782号公報
ところが、特許文献2に記載の大断面トンネルの構築方法は、凸状円弧部や凹状円弧部に合致する特殊な形状の外殻や掘削機が必要となるため、その製造コストが嵩む場合があった。
そのため、本発明は、簡易かつ安価に構築することが可能なアーチ部分を含む大断面トンネルを提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、頂版、底版および左右の側壁が形成された大断面トンネルであって、前記頂版は、断面台形の小断面トンネルを、短辺側を下にした状態で横方向に並設することで弧状に形成されており、前記底版は、断面台形の小断面トンネルを、短辺側を上にした状態で横方向に並設することで弧状に形成されており、前記側壁の上端部には、前記頂版の下面の傾きに対応する傾斜面が形成されていて、前記側壁の下端部には、前記底版の上面の傾きに対応する傾斜面が形成されていることを特徴としている。
かかる大断面トンネルによれば、各小断面トンネルの断面形状が、比較的簡素であるため、掘削機や覆工の製造コストの低減化を図ることが可能となる。
また、頂版および底版に対応する各小断面トンネルの断面形状は、台形に形成されているため、小断面トンネル同士を並設することで、弧状の頂版および底版を構築することができる。
また、側壁の上端および下端は、弧状の頂版の下面および底版の上面に対応する傾斜面を有しているため、頂版または底版と側壁との接合性に優れている。
また、頂版および底版を弧状に形成することで、大断面トンネルに作用する水圧や土圧などの外力を分散させて、部材厚の薄厚化を図ることが可能となる。
前記大断面トンネルは、前記側壁の上端部は逆V字状に形成されていて、前記側壁の下端部はV字状に形成されており、前記側壁と前記頂版との接合部の内空側および前記側壁と前記底版との接合部の内空側にはそれぞれ断面三角形状の領域が形成されていて、前記断面三角形状の領域には構造体が形成されていてもよい。
かかる大断面トンネルによれば、断面三角形状の構造体により頂版または底版と側壁との接合部の補強が可能となる。
また、側壁の上端部を逆V字状、下端部をV字状に形成することで、掘削断面形状を左右対称とし、掘進中にローリングや蛇行が生じる可能性が少なくして、掘進制御を比較的簡易に行うことができる。
なお、前記側壁の上端部および下端部に形成された逆V字状部分およびV字状部分の中心角は、90°以上180°未満の範囲内に設定されているのが望ましい。
また、前記大断面トンネルは、前記側壁が上下2本の小断面トンネルにより構築されており、前記上下の小断面トンネルが、スプリングラインを挟んで上下対称となる形状に形成されていてもよい。
かかる大断面トンネルによれば、上下の小断面トンネルに対して、同じ掘削機を使用することが可能となり、コスト削減を図ることができる。
また、前記構造体は、前記断面三角形状の領域に配筋された鉄筋と、当該領域に打設されたコンクリートと、により構築された鉄筋コンクリート部材により構成されていてもよい。
また、頂版、底版、側壁を構成する各小断面トンネルは、複数の鋼殻により形成されており、前記鋼殻は、当該鋼殻に発生する断面力が引張りとなる領域に配置される増強部と、前記断面力が圧縮となる領域に配置される一般部と、の両方またはいずれかを備えていてもよい。
なお、鋼殻が増強部と一般部との両方を備えている場合には、増強部の断面積が一般部の断面積よりも大きくなるように、増強部の鋼殻の厚みや鉄筋量などの鋼材量の合計が一般部の鋼材量の合計よりも多く配分されていることが望ましい。
また、隣り合う前記小断面トンネル同士の接合部の地山側に、止水部材が配置されていてもよい。
また、前記頂版、前記底版または前記側壁に作用する応力が引張りとなる部分に位置する前記小断面トンネル同士の接合部に、前記小断面トンネル同士を接合する接合部材が配置されており、前記接合部材が、前記小断面トンネル同士の境界に跨って配設された接続鉄筋と、前記接続鉄筋の両端部において互いに対峙するように各小断面トンネルに固定されたエンドプレートと、を備えていてもよい。
本発明によれば、簡易かつ安価にアーチ部分を含む大断面トンネルを構築することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る大断面トンネルを示す断面図である。 (a)は頂版または底版を構成する小断面トンネルの鋼殻を示す正面図、(b)は側壁を構成する小断面トンネルの鋼殻を示す正面図、(c)は鋼殻同士の継手部を示す拡大断面図である。 小断面トンネル同士の連結構造を示す図である。 大断面トンネルの施工手順を示す断面図である。 (a)および(b)は小断面トンネルを構築するための掘削機を示す正面図である。
本発明の実施の形態に係る大断面トンネル1は、図1に示すように、並設された小断面トンネル10,10,…(10t,10b,10w)を連結することにより、頂版2、底版3および左右の側壁4,4を備えて構成されている。
頂版2は、横方向に並設された複数の小断面トンネル10t,10t,…を利用して形成されたものであり、上に凸の弧状を呈している。各小断面トンネル10tは、断面台形を呈しており、短辺側を下にした状態で配置されている。
頂版2は、小断面トンネル10t,10t,…を連結し、小断面トンネル10t,10t,…の内部にコンクリート20を充填することにより構成されている。なお、頂版2を構成する小断面トンネル10tの本数は限定されるものではなく、計画された大断面トンネル1の大きさや形状等に応じて適宜設定することが可能である。
小断面トンネル10tは、断面台形の鋼殻11(図2(a)参照)をトンネル軸方向に沿って連設することにより構築されている。
小断面トンネル10tは、等脚台形断面であるため、掘進中にローリングや蛇行が生じる可能性が少なくなり、掘進制御を比較的簡易に行うことができる。
鋼殻11は、図2(a)に示すように、鋼製部材を組み合わせることにより形成された筒状部材である。本実施形態の鋼殻11は、トンネル軸方向に所定の間隔をあけて並設された複数の主桁12と、隣り合う主桁12同士の間においてトンネル軸方向に沿って配置された複数の縦リブ(図示せず)と、主桁12および縦リブの外周囲を覆う外殻13と、主桁補強部材14とを備えて構成されている。
主桁12は、鋼材を台形状に組み合わせることによりリング状(環状)に形成されており、地中に配置された状態で、小断面トンネル10tに作用する外力(土圧、地下水圧等)に対して十分な耐力を有している。1体の鋼殻11に対して配設される主桁12の数量は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。また、主桁12を形成する鋼材は限定されるものではなく、H形鋼、L形鋼、溝形鋼、鋼管等が使用することが可能であるが、本実施形態では、鋼板を使用するものとする。また、本実施形態では、鋼材を組み合わせることにより矩形状の主桁12を形成するものとしたが、その形成方法は限定されるものではない。
主桁12には、後記するガイド溝31の位置に対応して、ガイド溝31を構成する溝部材31aの断面形状に合せてC字状の切欠が形成されている。なお、切欠の位置や形状等は限定されるものではなく、適宜形成することが可能である。また、切欠は必要に応じて形成されるものであって、必ずしも形成されている必要はない。
縦リブは、隣り合う主桁12の間に配置されて、主桁12同士の間隔を保持するとともに、推進時に作用する軸力に対して、十分な耐力を発現するように構成されている。
なお、本実施形態では、縦リブとして、主桁12と同種の鋼板を使用するが、縦リブを構成する材料は限定されるものではなく、H形鋼、L形鋼、溝形鋼、鋼管等、適宜他の鋼材を使用することが可能である。また、縦リブの数量は限定されるものではない。
外殻13は、複数の主桁12を覆うように筒状に形成されており、複数枚のスキンプレートを溶接により接合することで形成されている。
外殻13には、図2(c)に示すように、後記するガイド溝31または突条32の位置に対応して隙間13aが形成されている。なお、隙間13aの位置や形状は限定されるものではなく、適宜形成することが可能である。また、隙間13aは、必要に応じて形成すればよく、省略してもよい。
主桁補強部材14は、鋼殻11の前後に配設された主桁12に固定された溝型鋼であって、断面長方形状の小断面トンネル10tに作用する外力に対して、主桁12を補強することが可能となるように配置されている。
主桁補強部材14は、主桁12の上下の長辺12aと短辺12bとに接合されている。本実施形態では、一つの主桁12に対して2本ずつ主桁補強部材14を配置するが、主桁補強部材14の本数は限定されるものではない。また、主桁補強部材14を構成する材料は限定されるものではなく、適宜公知の鋼材の中から選定して使用することが可能である。また、主桁補強部材14は、必要に応じて配置すればよく、省略することも可能である。
鋼殻11には、隣接する他の小断面トンネル10t(10w)の鋼殻11(15)に対向する面に、トンネル軸方向に沿ってガイド溝31または突条32が形成されている。
隣り合う小断面トンネル10t,10tのうち、一方の小断面トンネル10tの鋼殻11には、他方の小断面トンネル10t側に開口するガイド溝31がトンネル軸方向に沿って形成されており、他方の小断面トンネル10tの鋼殻11には、一方の小断面トンネル10tのガイド溝31に遊嵌する突条32が形成されている。なお、以下では、ガイド溝31と突条32を合せて、単に「継手30」と称することがある(図2(c)参照)。
継手30は、頂版2と側壁4との接合部においても、小断面トンネル10tと小断面トンネル10wとの当接面に対応して形成されている。
ガイド溝31は、図2(c)に示すように、鋼殻11にガイド溝31となる溝部材31aが取り付けられることにより形成されている。
また、突条32は、鋼殻11に突条32となる突部材32aを取り付けることにより形成されている。
なお、ガイド溝31および突条32の位置および個数は、小断面トンネル10t,10t,…の配置等に応じて適宜設定する。
溝部材31aは、外殻13の内周面において、外殻13に形成された隙間13aに沿って配置されている。また、溝部材31aは、断面C字状の鋼材からなり、その開口部が隙間13aに沿うように配置されている。
なお、溝部材31aの構成は限定されるものではなく、例えば、複数の鋼板を組み合わせることにより、溝を形成したものであってもよい。
突部材32aは、外殻11の外周面においてトンネル軸方向に沿って配置されたレールからなり、その突端部分が外殻11の外側に突出している。
突部材32aは、熱押形鋼からなり、主桁12の外周面に固定されるフランジ32bと、このフランジ32bから立ち上がるウェブ32cと、このウェブ32cの突端部分に形成された頭部32dとを備えている。また、突部材32aのウェブ32cの幅(厚さ)が溝部材31aの幅狭部分31bの幅(すなわち、ガイド溝の開口幅)よりも小さくなっており、かつ、頭部32dの断面積が溝部材31aの幅広部分32cの断面積よりも小さくなっているので、突部材32aは、上下左右に動き得るクリアランスをもって溝部材31aの内部に入り込む。つまり、突条32となる突部材32aは、ガイド溝31となる溝部材31aと遊嵌状態で結合することになる。また、突部材32aの頭部32dは、溝部材31aの幅狭部分31bの幅(すなわち、ガイド溝31の開口幅)よりも大きい幅寸法に成形されている。このようにすると、突部材32aの溝部材31aからの抜け出しが阻止されることから、隣り合う鋼殻11同士が必要以上に離間することを防ぐことができる。
なお、継手30の形状は限定さえるものではなく、適宜形成することが可能である。
底版3は、図1に示すように、横方向に並設された複数の小断面トンネル10b,10b,…を利用して形成されたものであり、下に凸の弧状を呈している。各小断面トンネル10bは、断面台形を呈しており、短辺側を上にした状態で配置されている。
底版3は、小断面トンネル10b,10b,…を連結し、小断面トンネル10b,10b,…の内部にコンクリート20を充填することにより構成されている。なお、底版3を構成する小断面トンネル10bの本数は限定されるものではなく、計画された大断面トンネル1の大きさや形状に応じて適宜設定することが可能である。
底版3を構成する各小断面トンネル10bの詳細は、頂版2を構成する小断面トンネル10tと同様なため、詳細な説明は省略する。
側壁4は、図1に示すように、頂版2と底版3との間に配置された上下2段の小断面トンネル10w,10wを連結し、小断面トンネル10w,10wの内部にコンクリート20を充填することにより構成されている。なお、側壁4を構成する小断面トンネル10wの本数は限定されるものではなく、計画された大断面トンネル1の大きさや形状に応じて適宜設定することが可能である。
側壁4の上端部は、頂版2の下面2aの傾きに対応する傾斜面4aが形成された逆V字状に形成されており、側壁4の下端部は、底版3の上面3aの傾きに対応する傾斜面4bが形成されたV字状に形成されている。
なお、傾斜面4a,4bの角度は限定されるものではないが、本実施形態では、側壁4の上端部および下端部に形成された逆V字状部分およびV字状部分の中心角が、90°以上180°未満の範囲内になるように形成する。
側壁4は、その上端部および下端部の中心角が90°以上180°未満の範囲内に設定されているため、頂版2または底版3から伝達される荷重が傾斜面4aまたは傾斜面4bに作用しても、上端部および下端部の領域は圧縮力が支配的となる。そのため、鋼材量の低減化が可能となる。
なお、側壁4の上端部および下端部の中心角を90°未満に設定した場合は、頂版2または底版3から側壁4に伝達される荷重は、頂版2または底版3と側壁4との接合面(傾斜面4a,4b)に対してずれる方向に作用する力が大きくなり、接合面のせん断力に対抗する鋼材を増加させるなどの防止工を講じる必要がある。同時に、当該中心角を90°未満に設定すると、頂版2および底版3のアーチ形状がより円形に近いものとなり、掘削土量の増加、コスト増加となる。
側壁4は、縦方向に並設された小断面トンネル10w,10wを利用して形成されている。小断面トンネル10w,10wは、大断面トンネル1の上下方向中間部のスプリングラインSLを挟んで上下対称となるように並設されている。
側壁4を構成する小断面トンネル10wは、二等辺三角形と長方形を組み合わせたような五角形形状(ホームベース状)からなる鋼殻15(図2(b)参照)を、トンネル軸方向に連設することにより形成されている。
小断面トンネル10wは、左右対称の五角形状の断面形状であるため、頂版2または底版3と突き合わされる傾斜面4a,4bを確保するとともに、掘進中にローリングや蛇行が生じる可能性が少なくなり、掘進制御を比較的簡易に行うことができる。
鋼殻15は、図2(b)に示すように、鋼製部材を組み合わせることにより筒状に形成された部材である。
本実施形態の鋼殻15は、トンネル軸方向に所定の間隔をあけて並設された複数の主桁16と、隣り合う主桁16同士の間においてトンネル軸方向に沿って配置された複数の縦リブ(図示せず)と、主桁16および縦リブの外周囲を覆う外殻17と、主桁補強部材18とを備えて構成されている。
主桁16は、鋼材を組み合わせることによりリング状(環状)に形成されており、地中に配置された状態で、小断面トンネル10wに作用する外力(土圧、地下水圧等)に対して十分な耐力を有している。1体の鋼殻15に対して配設される主桁16の数量は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。また、主桁16を形成する鋼材は限定されるものではなく、H形鋼、L形鋼、溝形鋼、鋼管等が使用することが可能であるが、本実施形態では、鋼板を使用するものとする。また、本実施形態では、主桁16の形成方法は限定されるものではない。
縦リブは、隣り合う主桁16同士の間に配置されて、主桁16同士の間隔を保持するとともに、推進時に作用する軸力に対して、十分な耐力を発現するように構成されている。
なお、本実施形態では、縦リブとして、主桁16と同種の鋼板を使用するが、縦リブを構成する材料は限定されるものではなく、H形鋼、L形鋼、溝形鋼、鋼管等、適宜他の鋼材を使用することが可能である。また、縦リブの数量は限定されるものではない。
外殻17は、主桁16および縦リブの外周囲を覆うように筒状に形成されており、複数枚のスキンプレートを溶接により接合することで形成されている。
主桁補強部材18は、鋼殻15の前後に配設された主桁16に固定された溝型鋼であって、断面長方形状の小断面トンネル10wに作用する外力に対して、主桁16を補強することが可能となるように配置されている。
主桁補強部材18は、主桁16の左右の辺16a,16aに跨って配置されている。本実施形態では、1つの主桁16に対して、小断面トンネル10の高さ方向中間部に1本の主桁補強部材18を配置するが、主桁補強部材18の本数および配置は限定されるものではない。また、主桁補強部材18を構成する材料は限定されるものではなく、適宜公知の鋼材の中から選定して使用することが可能である。また、主桁補強部材18は、必要に応じて配置すればよく、省略することも可能である。
鋼殻15には、隣接する他の小断面トンネル10wの鋼殻15と対向する面に、トンネル軸方向に沿ってガイド溝31または突条32(継手30)が形成されている。継手30の詳細は、前記の内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
なお、下側の小断面トンネル10wの鋼殻15の傾斜面4bには、突条32が形成されており、底版3の端部に位置する小断面トンネル10bの鋼殻11の上面3aに形成されたガイド溝31とともに継手30を構成している。
また、上側の小断面トンネル10wの鋼殻15の傾斜面4aには、ガイド溝31が形成されており、頂版2の端部に位置する小断面トンネル10tの鋼殻11の下面2aに形成された突条32とともに継手30を構成している。
本実施形態では、鋼殻15(11)を構成する鋼材を大断面トンネル構造の鋼材として使用する。そして、大断面トンネル構造に作用する応力に対して、圧縮側よりも引張り側の断面を厚く(すなわち鋼材量を多く)し、大断面トンネル1の本体(鋼殻15(11)内)に配筋する引張り側の鉄筋の本数(鉄筋量)を減らしている。鉄筋量を減らすことで、施工時の内部作業空間をより大きく確保することが可能となり、作業性が向上するとともに、安全性が向上する。
すなわち、小断面トンネル10を構成する鋼殻15(11)について、各鋼殻15(11)において発生する断面力が引張りとなる領域に配置される増強部に対して、同断面力が圧縮となる領域に配置される一般部よりも鋼材量を多く配分させる。
なお、増強部における鋼材量の増加方法は、例えば、縦リブの本数の増加、外殻17(13)の部材厚を増加、主桁16(12)や縦リブの断面積を大きくしたり、補助的に鋼材量を増加させたりするなど、限定されるものではない。
図1に示すように、側壁4の上端部が逆V字状に形成されていることにより、側壁4と頂版2との接合部の内空側に、くさび状の領域(断面三角形の領域)が形成されている。
同様に、側壁4の下端部がV字状に形成されていることにより、側壁4と底版3との接合部の内空側に、くさび状の領域が形成されている。
くさび状の領域には、くさび状(断面三角形状)の構造体5が形成されている。
構造体5は、くさび状の領域に鉄筋を配置してコンクリートを打設することにより形成されたものである。なお、構造体5の構成は限定されるものではなく、適宜構築することが可能である。
小断面トンネル10同士の接合は、図1に示すように、接合部の引張側に配設された接合部材40と、接合部の圧縮側に配設された接合鉄筋45と、を介して行なわれている。
接合部材40は、図3に示すように、隣り合う小断面トンネル10同士の境界に跨って配設された接続鉄筋41,41,…と、接続鉄筋41,41,…の両端部を巻きたてるように配設された複数本のフープ筋42,42,…と、主桁12(16)に固定されたエンドプレート43,43と、主桁12(16)に固定されてエンドプレート43の固定度を補強する支持板44,44,…と、を備えている。接続鉄筋41の両端部に配置されたエンドプレート43,43は、互いに対峙するように固定されている。
接合鉄筋45は、隣り合う小断面トンネル10同士に跨って配設された鉄筋である。接合鉄筋45は、所定の定着長を確保できる長さを有している。
なお、接合部材40の構成は限定されるものではなく適宜設定することが可能である。
小断面トンネル10同士の接合部の構成は前記の構成に限定されるものではない。例えば、接合部材40に代えて、両小断面トンネル10,10に跨って鉄筋や緊張材等を配設してもよい。
また、各小断面トンネル10同士の接合部には、図3に示すように、止水部材50がトンネル軸方向に沿って配設されており、隣り合う鋼殻11,11(15,15)の隙間から、地下水や土砂が流入することが防止されている。
本実施形態では、止水部材50として、断面V字状の止水板51を一方の鋼殻11(15)の地山側角部に配設している。止水板51は、その一部が鋼殻11(15)の側面から突出した状態で鋼殻11(15)に固定されており、隣接する小断面トンネル10の鋼殻11(15)に止水板51の突出部分が密着していることで、接合部における止水性を維持している。
なお、止水部材50の構成は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。また、本実施形態では止水板51として、クロロプレン系の止水ゴムを採用するが、高水圧下に耐えうる止水性を発現することができれば、止水板51を構成する材料は限定されるものではない。
次に、本実施形態に係る大断面トンネル1の構築方法について説明する。
大断面トンネル1の構築方法は、小断面トンネル構築工程と、構造体構築工程と、小断面トンネル連結工程と、コンクリート打設工程と、内部掘削工程と、を備えている。
小断面トンネル構築工程は、図4に示すように、複数本の小断面トンネル101〜110を地中に形成する工程である。本実施形態では、推進工法によりトンネル軸方向に沿って鋼殻11(15)を連設することで各小断面トンネル101〜110を形成する。
小断面トンネル101〜110は、大断面トンネル1の内空となる領域を囲むように配置する。
本実施形態では、まず、底版3の中央部に配設される第一小断面トンネル101(10b)を形成する。
なお、底版3に対応する小断面トンネル10b(第一小断面トンネル101〜第四小断面トンネル104)は、断面台形の鋼殻11により横長断面に形成する。
本実施形態における底版3を構成する小断面トンネル10b(第一小断面トンネル101〜第三小断面トンネル103)の掘削は、図5(a)に示す第一掘削機M1を介して行う。
第一掘削機M1は、台形断面の掘削が可能となるように、主カッターヘッドM10,M10,M10が横方向に3つ並設されており、台形断面の各角部には、補助カッターM11,M11,…が配設されている。
なお、本実施形態では、第一掘削機M1として、面板式のカッターヘッドM10,M11を備えたものを使用するものとしたが、例えば揺動式カッターであってもよく、第一掘削機M1の構成は限定されるものではない。また、カッターヘッドM10,M11の個数は、小断面トンネル10の断面形状に応じて適宜設定すればよい。
底版3に係る小断面トンネル10b(第一小断面トンネル101〜第三小断面トンネル103)の掘削は、図5(a)に示す第一掘削機M1の上下を逆にした状態で、長辺が下、短辺が上となる台形断面を形成するように行う。
第一小断面トンネル101の施工が終了或いは所定延長進行したら、第一小断面トンネルT1に隣接する第二小断面トンネル102を形成する。次に、第三小断面トンネル103を形成する。ここで、第二小断面トンネル102と第三小断面トンネル103との施工順序は限定されるものではなく、第三小断面トンネル103の施工を先に行ってもよい。また、第二小断面トンネル102の施工および第三小断面トンネル103の施工を、同時に行ってもよい。さらに、第二小断面トンネル102または第三小断面トンネル103の施工を最初に行ってもよい。
なお、後行して構築される小断面トンネル10bは、先行して構築された隣接するトンネル10bに接した状態、或いはわずかな隙間を有した状態で並設する。
このとき、先行して構築された隣接する小断面トンネル10bの鋼殻11のガイド溝31に、後行して構築される小断面トンネル10bの鋼殻11に形成された突条32を挿入した状態で形成する。
本明細書において、先行して構築された小断面トンネル10と後行して構築される小断面トンネル10との間の「わずかな隙間」とは、隣り合う小断面トンネル10同士の間に別途構造体を形成する必要がない程度に小さい隙間や、後行して構築するトンネルを掘進する際に先行して構築されたトンネルに寄り付くことで小さくなった隙間等をいう。
なお、後行して構築される小断面トンネル10は先行して構築された小断面トンネル10との間に、所定幅の隙間をあけた状態で形成してもよい。
次に、側壁4,4に対応する小断面トンネル10w,10w,…(第四小断面トンネル104〜第七小断面トンネル107)のうち、下側に位置する第四小断面トンネル104および第五小断面トンネル105の施工を行う。なお、側壁4に対応する小断面トンネル10wの施工は、右側の小断面トンネル10w,10w(第四小断面トンネル104および第六小断面トンネル106)を先行してもよいし、左側の小断面トンネル10w,10w(第五小断面トンネル105および第七小断面トンネル107)を先行してもよい。また、第四小断面トンネル104と第五小断面トンネル105の施工を同時に行ってもよい。
第四小断面トンネル104は、第二小断面トンネル102の上面外側端部に沿って形成し、第五小断面トンネル105は、第三小断面トンネル103の上面外側端部に沿って形成する。
側壁4,4に対応する小断面トンネル10wの施工は、図5(b)に示す第二掘削機M2を利用して形成された掘削孔に五角形断面の鋼殻15(図2(b)参照)を連設することにより行う。
第二掘削機M2は、五角形状の断面による掘削が可能となるように、主カッターヘッドM20,M20が上下に2つ並設されており、平面状の辺(図5(b)における下側の辺)の左右の角部には、補助カッターM21,M21,…が配設されている。このような構成により、未掘削部分が残ることなく小断面トンネル10wの掘進を行うことができる。
なお、本実施形態では、第二掘削機M2として、面板式のカッターヘッドM20,M21を備えたものを使用するものとしたが、例えば揺動式カッターであってもよく、第二掘削機M2の構成は限定されるものではない。また、カッターヘッドM20,M21の個数は、小断面トンネル10wの断面形状に応じて適宜設定すればよい。
側壁4,4の下側に位置する小断面トンネル10w(第四小断面トンネル104および第五小断面トンネル105)の施工は、図5(b)に示す第二掘削機M2を上下逆にした状態で、下辺がV字状の五角形断面を形成するように行う。
第四小断面トンネル104および第五小断面トンネル105は、左右対称の五角形状の断面形状であるため、ローリングや蛇行に対する掘進制御を比較的容易に行うことができる。
このとき、第四小断面トンネル104は、第二小断面トンネル102に接した状態或いはわずかに隙間を有した状態で並設するものとし、第五小断面トンネル105は、第三小断面トンネル103に接した状態或いはわずかに隙間を有した状態で並設するものとする。
また、第四小断面トンネル104(第五小断面トンネル105)は、鋼殻15に形成された突条32を第二小断面トンネル102(第三小断面トンネル103)の鋼殻11のガイド溝31に挿入した状態で配置する。
また、第四小断面トンネル104と第二小断面トンネル102との接続部および第五小断面トンネル105と第三小断面トンネル103との接続部の周辺には、小断面トンネル10内から薬液注入60を行い、底版3と側壁4との接続部の止水性を確保しておく。
なお、薬液注入60の注入範囲、施工方法、施工の時期等は限定されるものではなく、適宜行えばよい。
側壁4,4の下側に位置する第四小断面トンネル104および第五小断面トンネル105の施工が終了あるいは所定延長進行したら、側壁4,4の上側に位置する第六小断面トンネル106および第七小断面トンネル107の施工を行う。
第六小断面トンネル106は、下面が第四小断面トンネル104の上面に沿った状態で形成する。同様に、第七小断面トンネル107は、下面が第五小断面トンネル105の上面に沿った状態で形成する。
第六小断面トンネル106おおよび第七小断面トンネル107は、図5(b)に示す第二掘削機M2により削孔された掘削孔に鋼殻15を配置することにより行う。
このとき、第六小断面トンネル106および第七小断面トンネル107は、上辺が逆V字状の五角形断面となるように形成する。
第六小断面トンネル106は、第四小断面トンネル104に接した状態或いはわずかに隙間を有した状態で並設するものとし、第七小断面トンネル107は、第五小断面トンネル105に接した状態或いはわずかに隙間を有した状態で並設し、隣り合う小断面トンネル10同士の継手30はかみ合わせた状態で鋼殻15を配置する。
側壁4の上端部に対応する小断面トンネル10w,10w(第六小断面トンネル106および第七小断面トンネル107)の施工が完了したら(或いは小断面トンネル10w,10wの施工が所定延長進行したら)頂版2に対応する小断面トンネル10t,10t,…の施工を開始する。
本実施形態では、一方の端部の第八小断面トンネル108から他方の端部の第十小断面トンネル110まで順に施工を行うものとする。なお、他方の端部に位置する第十小断面トンネル110から一方の端部の第八小断面トンネル108まで順に施工してもよいし、底版3の施工と同様に中央部の第九小断面トンネル109から施工を行ってもよい。
頂版2に対応する小断面トンネル10t(第八小断面トンネル108〜第十小断面トンネル110)の施工は、第一掘削機M1により形成された掘削孔に断面台形の鋼殻11を配置することにより横長断面に形成する。
なお、後行して構築される小断面トンネル10tは、先行して構築された隣接するトンネル10tに接した状態、或いはわずかな隙間を有した状態で並設する。
このとき、小断面トンネル10tは、隣り合う小断面トンネル10t同士の鋼殻11(15)の継手30をかみ合わせた状態で形成する。
また、第六小断面トンネル106と第八小断面トンネル108との接続部および第七小断面トンネル107と第十小断面トンネル110との接続部の周辺には、小断面トンネル10内から薬液注入60を行い、頂版2と側壁4との接続部の止水性を確保しておく。
なお、薬液注入60の注入範囲、施工方法、施工の時期等は限定されるものではなく、適宜行えばよい。
構造体構築工程は、頂版2と側壁4および底版3と側壁4との間に形成されたくさび状(断面三角形状)の領域に、鉄筋コンクリート製の構造体5を構築する工程である。
構造体5を構築する際は、まず、頂版2と側壁4および底版3と側壁4との間に形成されたくさび状の領域の内空側に、スライド鋼板61を配置することで、くさび状の領域(頂版2または底版3を構成する鋼殻11と側壁4を構成する鋼殻15との間に形成された隙間)の内空側を塞ぐ。
次に鋼殻11,15とスライド鋼板61に囲まれた領域に残る地山を掘削し、空間を形成する。
そして、このくさび状の空間に鉄筋を配置した後、コンクリートを打設することで、構造体5を構築する。
構造体5内に配筋される鉄筋は、両端がそれぞれ頂版2または底版3と側壁4とに挿入されており、頂版2または底版3と側壁4とのコンクリートに定着するように配筋されているため、頂版2または底版3と側壁4との一体化がなされている。
小断面トンネル連結工程は、小断面トンネル10同士を連結する工程である。
小断面トンネル10同士の連結は、各小断面トンネル10の鋼殻11(15)のうち、他の小断面トンネル10に面する部分の外殻14(18)を撤去することにより行う。
これにより、頂版2、底版3および側壁4,4に対応する位置に連続した空間が形成される。
コンクリート打設工程は、小断面トンネル連結工程において形成された連続した空間にコンクリート20を充填する工程である。
コンクリート20の打設は、図示しない鉄筋を空間に配筋した後、行う。
本実施形態では、コンクリート20として高強度コンクリートを充填するものとする。また、本実施形態では、鋼殻11(15)を構成する主桁12(16)や縦リブ等を本体利用することで、圧縮鉄筋および引張鉄筋の削減を図るものとする。
内部掘削工程は、頂版2、底版3および側壁4,4に囲まれた大断面トンネル1の内部空間の地山を掘削する工程である。
内部掘削工程により内部空間の地山の掘削が完了したら、内部構築工6を構築し、大断面トンネル1を完成させる。
なお、内部構築工6は、プレキャスト部材により形成してもよいし、現場打ちコンクリートにより形成してもよく、その構成は限定されるものではない。また、内部構築工6と底版3および内部構築工6と頂版2との間に形成された空間は、例えば、軽量盛土、埋め戻し土、コンクリート、発泡モルタル、ウレタン等により充填されている。さらに、内部構築工6の形状も限定されるものではなく、適宜形成すればよい。
以上、本実施形態の大断面トンネル1によれば、頂版2および底版3を弧状に形成することで、大深度、高水圧下に大断面トンネル1を構築する場合であっても、作用応力に対して十分な耐力を発現させることができる。そのため、頂版2および底版3の部材仕様の低減化が可能となる。
頂版2および底版3の部材厚の低減化により、大断面トンネル1の小断面化、掘削土量の低減化も可能となるため、工事費用の大幅な削減も可能となる。
また、各小断面トンネル10を構成する鋼殻11(15)を本体構造として見込むことが可能なため、鉄筋量の大幅な削減が可能となり、費用の削減が可能となるとともに、配筋作業に要する手間を削減することが可能となる。
また、止水部材50として、断面V字状の止水板51を使用しているため、小断面トンネル10同士の接合部における止水性に優れている。そのため、周辺地山への薬液注入等の補助的な止水工事を省略することも可能である。また、施工誤差により小断面トンネル10同士の間隔が開いたり狭まったりしても、断面V状の止水板51が追従することが可能である。
また、接続鉄筋41を断続的に配筋しているため、鉄筋使用量の大幅な削減が可能となる。接続鉄筋41とエンドプレート43との組み合わせにより、応力の伝達性に優れているため、小断面トンネル10同士が一体に固定される。
また、頂版2および底版3を構成する各小断面トンネル10t,10bの施工は、第一掘削機M1を併用することが可能なため、掘削機の製造コストを削減することが可能である。
同様に側壁4,4を構成する小断面トンネル10wの施工は、第二掘削機M2を併用することが可能なため、工事費の削減が可能となる。
構造体5を現場施工により構築するため、小断面トンネル10に施工誤差が生じていたとしても、誤差を吸収した状態で構築することができる。そのため、高品質な大断面トンネル1を構築することができる。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、小断面トンネル10の本数や配置は限定されるものではなく、計画された大断面トンネル1の形状に応じて適宜設定すればよい。
また、小断面トンネル10の施工順序は前記の順番に限定されるものではない。
また、頂版2および底版3と側壁4,4との接合部の地山側に形成される角部に、薬液注入などを行って補強してもよい。
また、前記実施形態では構造体構築工程を、トンネル連結工程前に行うものとしたが、トンネル連結工程後に行ってもよい。また、構造体5のコンクリート打設は、コンクリート打設工程におけるコンクリート打設と一緒に行ってもよい。
また、小断面トンネル10の断面形状は前記実施形態で示した形状に限定されるものではないが、掘進中のローリングや蛇行を抑制するために、左右対称であることが望ましい。
また、側壁4の上端部の形状は、頂版2の下面2aの傾きに対応する傾斜面4aが形成されていれば逆V字状に限定されるものではない。同様に、側壁4の下端部の形状は、底版3の上面3aの傾きに対応する傾斜面4bが形成されていればV字状に限定されるものではない。
1 大断面トンネル
2 頂版
3 底版
4 側壁
4a,4b 傾斜面
5 構造体
10 小断面トンネル
10b 小断面トンネル(底版)
10t 小断面トンネル(頂版)
10w 小断面トンネル(側壁)
20 コンクリート
40 接合部材
50 止水部材
G 地山

Claims (7)

  1. 頂版、底版および左右の側壁が形成された大断面トンネルであって、
    前記頂版は、断面台形の小断面トンネルを、短辺側を下にした状態で横方向に並設することで弧状に形成されており、
    前記底版は、断面台形の小断面トンネルを、短辺側を上にした状態で横方向に並設することで弧状に形成されており、
    前記側壁の上端部には、前記頂版の下面の傾きに対応する傾斜面が形成されていて、
    前記側壁の下端部には、前記底版の上面の傾きに対応する傾斜面が形成されていることを特徴とする、大断面トンネル。
  2. 前記側壁の上端部は逆V字状に形成されていて、前記側壁の下端部はV字状に形成されており、
    前記側壁と前記頂版との接合部の内空側および前記側壁と前記底版との接合部の内空側にはそれぞれ断面三角形状の領域が形成されていて、
    前記断面三角形状の領域には構造体が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の大断面トンネル。
  3. 前記側壁の上端部および下端部に形成された逆V字状部分およびV字状部分の中心角が、90°以上180°未満の範囲内で形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の大断面トンネル。
  4. 前記側壁は、上下2本の小断面トンネルにより構築されており、
    前記上下の小断面トンネルが、スプリングラインを挟んで上下対称となる形状に形成されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の大断面トンネル。
  5. 前記小断面トンネルは、複数の鋼殻により形成されており、
    前記鋼殻は、当該鋼殻に発生する断面力が引張りとなる領域に配置される増強部と、前記断面力が圧縮となる領域に配置される一般部と、の両方またはいずれかを備えていることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の大断面トンネル。
  6. 隣り合う前記小断面トンネル同士の接合部の地山側に、止水部材が配置されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の大断面トンネル。
  7. 前記頂版、前記底版または前記側壁に作用する応力が引張りとなる部分に位置する前記小断面トンネル同士の接合部に、前記小断面トンネル同士を接合する接合部材が配置されており、
    前記接合部材が、前記小断面トンネル同士の境界に跨って配設された接続鉄筋と、前記接続鉄筋の両端部において互いに対峙するように各小断面トンネルに固定されたエンドプレートと、を備えることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の大断面トンネル。
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