JP2011148939A - 繊維複合材料 - Google Patents

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泰光 藤野
Kazuhito Ihara
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Abstract

【課題】マトリックス中へのセルロース繊維の分散性に優れ、引張り強度、曲げ強度などの機械強度や低線膨張特性に優れ、家電品の筺体や電子デバイスの基板材料、自動車用部品、住宅内装材料、包装・容器材料等の広範囲な用途に適用できる繊維複合材料を得ること。
【解決手段】繊維複合材料が、平均繊維径が2nm以上200nm以下であるセルロース繊維、熱可塑性樹脂および多官能性化合物の反応物を含有し、該セルロース繊維が、ラジカル重合性二重結合、環状エーテル基及びメルカプト基から選ばれる少なくとも1種の反応性基を有するセルロース繊維成分及び反応性基を有しないセルロース繊維成分の混合物であることを特徴とする繊維複合材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、反応性基を有する繊維成分を含むセルロース繊維とマトリックス樹脂からなるセルロース繊維複合材料に関する。
樹脂に各種繊維状強化材を配合することで、その強度、剛性を大幅に向上させた繊維強化複合材料は、電気・電子、機械、自動車、建材等の産業分野で広く用いられている。この繊維強化複合材料に配合される繊維状強化材としては、優れた強度と軽量性を有するガラス繊維が主に用いられている。しかし、ガラス繊維強化材料では、高剛性化は達成されるが比重が大きくなるため、軽量化に限界があった。また、このガラス繊維強化材料を廃棄する場合、ガラス繊維自体が不燃性であるために、焼却処理する際に燃焼炉を傷める、また、燃焼効率が低くなるといった問題があり、サーマルリサイクル性に適しないという欠点もあった。
これに対し、繊維状強化材としてポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維といった有機材料からなる繊維強化材が検討されてきたが、これら強化材を配合した繊維強化材料は軽量性やサーマルリサイクル性については確保できるものの、機械的補強効果が十分でないという問題があった。
一方、近年、カーボンニュートラルの観点から植物由来材料を利用した高機能材料が注目されるなか、竹、ケナフ、サトウキビ、木材等の植物繊維を添加した強化樹脂が検討されているが(特許文献1、2)、提案されている複合材料は、いずれも引っ張り弾性率、曲げ弾性率等の力学特性が不十分であるため用途が限定されていた。
これに対し、近年、この植物繊維を解繊してミクロフィブリル化したセルロース繊維を樹脂に混合した繊維複合材料が提案されている。このようなミクロフィブリル化したセルロース繊維を樹脂の強化材として用いた場合、機械的強度を向上させるほか、線膨張係数を低減できることが提案されている(例えば特許文献3)。
特許文献3には、繊維複合材料の作成方法として、ミクロフィブリル状のセルロース繊維を化学修飾してからマトリックス樹脂と混合しているが、化学修飾されたセルロース同士が凝集し、マトリックス樹脂に分散されにくいため、マトリックス樹脂中への分散状態が不均一であり(凝集部位の形成)、得られる複合材料に強度斑が発生し、高い弾性率と大きな機械的強度が得られないという問題があった。
そこで、反応性基を有するセルロース繊維成分及び反応性基を有しないセルロース繊維成分を混合して繊維複合材料を作製したところ、弾性率と機械的強度が改善したが、まだ、その性能は、十分な水準に達しなかった。
特開平5−92527号公報 特開2002−69208号公報 特開2007−51266号公報
本発明の目的は、マトリックス中へのセルロース繊維の分散性に優れ、引張り強度、曲げ強度などの機械強度や低線膨張特性に優れ、家電品の筺体や電子デバイスの基板材料、自動車用部品、住宅内装材料、包装・容器材料等の広範囲な用途に適用できる繊維複合材料を得ることにある。
本発明の課題は、以下の構成により達成される。
1.繊維複合材料が、平均繊維径が2nm以上200nm以下であるセルロース繊維、熱可塑性樹脂および多官能性化合物の反応物を含有し、該セルロース繊維が、ラジカル重合性二重結合、環状エーテル基及びメルカプト基から選ばれる少なくとも1種の反応性基を有するセルロース繊維成分及び反応性基を有しないセルロース繊維成分の混合物であることを特徴とする繊維複合材料。
2.前記反応性基がシランカップリング剤とセルロース繊維との反応により導入されることを特徴とする前記1に記載の繊維複合材料。
3.前記反応性基を有するセルロース繊維成分及び前記反応性基を有しないセルロース繊維成分の少なくとも一方が、反応性を有しない基により表面修飾されていることを特徴とする前記1又は2に記載の繊維複合材料。
4.前記繊維複合材料が、単官能の熱硬化性樹脂又は単官能の光硬化性樹脂を重合して得られる樹脂を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の繊維複合材料。
5.前記熱可塑性樹脂が芳香族ポリエステル樹脂であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の繊維複合材料。
マトリックス中へのセルロース繊維の分散性に優れ、引張り強度、曲げ強度などの機械強度や低線膨張特性に優れ、家電品の筺体や電子デバイスの基板材料、自動車用部品、住宅内装材料、包装・容器材料等の広範囲な用途に適用できる繊維複合材料を得ることができる。
伸張流動混練機の断面図
以下、本発明を実施形態に基づいて説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明は、繊維複合材料が、平均繊維径が2nm以上200nm以下であるセルロース繊維、熱可塑性樹脂および多官能性化合物の反応物を含有し、該セルロース繊維が、ラジカル重合性二重結合、環状エーテル基及びメルカプト基から選ばれる少なくとも1種の反応性基を有するセルロース繊維成分及び反応性基を有しないセルロース繊維成分の混合物であることを特徴とする繊維複合材料に関する。
本発明者らは、前記課題に対し、樹脂マトリックスに配合する強化材としてセルロース繊維に着目し、セルロース繊維の樹脂マトリックスへの分散方法について鋭意検討した結果、パルプ等の植物セルロース繊維を平均繊維径を2nm以上、200nm以下の範囲まで解繊処理後、得られたミクロフィブリル化セルロース繊維と、別途このセルロース繊維の表面に反応性基を導入した反応性繊維成分を併せて熱可塑性樹脂と多官能性化合物の混合物に添加することでマトリックス樹脂へのセルロース繊維の分散性が向上し、更に引張り強度、曲げ強度などの力学特性や、線膨張係数等の熱特性に優れた繊維複合材料が得られることを見出した。
従来、解繊されたセルロース繊維に対して繊維表面を化学修飾することで、マトリックス樹脂に対する分散性が向上させることが知られているが、未だ不十分であり、この繊維をマトリックス樹脂へ分散させも得られる繊維複合材料は機械強度や熱特性の点で不十分なものであった。これに対し、本発明者らはセルロース繊維の表面に反応性基を導入した繊維成分と反応性基を有しないセルロース繊維成分からなるセルロース繊維混合物を用いる事で、反応性基を有する繊維成分がマトリックス樹脂中に分散された状態で繊維同士、あるいは樹脂マトリックスとの架橋構造を形成することでマトリックス樹脂中での分散性と繊維によるマトリックスの補強効果を大幅に向上させることができ、このセルロース繊維混合物を分散させて得られる繊維複合材料は、耐熱性や機械的強度が大きく向上することを見出した。また、この繊維複合材料に熱可塑性樹脂と2つ以上の反応性基を有する多官能性化合物を添加することで前記反応性基を有するセルロース繊維成分と架橋構造を形成し、マトリックス樹脂の補強効果を更に増大させることができると推定される。更に前記ミクロフィブリル化繊維を予め表面修飾することでマトリックス樹脂への分散性も更に向上することも判明し、広範なマトリックス樹脂を用いることができることから、適用用途範囲の広い繊維複合材料を得ることができる。
以下、本発明のセルロース繊維とそれを用いた繊維複合材料についてさらに詳しく説明するが、以下の実施態様に限定されるものではない。
(セルロース繊維)
前記セルロース繊維は原料セルロース繊維より製造される。
該原料セルロース繊維としては、植物由来のパルプ、木材、コットン、麻、竹、綿、ケナフ、ヘンプ、ジュート、バナナ、ココナツ、海草等の植物繊維から分離した繊維、海産動物であるホヤが産生する動物繊維から分離した繊維、あるいは酢酸菌より産生させたバクテリアセルロース等が挙げられる。これらの中で、植物繊維から分離した繊維が好ましく用いることができるが、より好ましくはパルプ、コットン等の植物繊維から得られる繊維である。
前記セルロース繊維は、これらの繊維をホモジナイザーやグラインダー等を用いて解繊処理し、微細化したミクロフィブリル状のセルロース繊維としたものであるが、含有されるセルロースが繊維状態を保持している限りにおいては、その解繊維処理方法について何ら制限はない。
前記セルロース繊維を構成するセルロースは、重合度が一般に1000〜3000(分子量で、数万〜数百万)の範囲であり、該セルロース繊維は不溶性の天然繊維である。
具体例として、パルプ等のセルロース繊維を、水を入れた分散容器に0.1〜3質量%となるように投入し、分散する。これを石臼式粉砕機や高圧ホモジナイザーで解繊処理して、平均繊維径0.1〜10μm程度のミクロフィブリルに解繊されたセルロース繊維の水分散液を得る。さらに石臼式粉砕機等で繰り返し磨砕処理することで、平均繊維径2〜500nm程度のナノオーダーのセルロース繊維を得ることができる。上記磨砕処理に用いられる石臼式粉砕機としては、例えば、ピュアファインミル(栗田機械製作所社製)等が挙げられる。
また、別の方法として、セルロース繊維の分散液を一対のノズルから250MPa程度の高圧でそれぞれ噴射させ、その噴射流を互いに高速で衝突させることによってセルロース繊維を粉砕する高圧式ホモジナイザーを用いる方法が知られている。用いられる装置としては、例えば、三和機械社製の「ホモジナイザー」、スギノマシン(株)製の「アルテマイザーシステム」、等が挙げられる。更に、上記の機械的な解繊方法の他、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルラジカル(TEMPO)を触媒としてセルロース非晶領域の一級水酸基を酸化してカルボキシルを導入し、フィブリル相互の静電反発を利用して化学的に解繊する方法を用いてもよい。このようにして解繊処理して得られるセルロース繊維の平均繊維径としては、好ましくは2nm以上、200nm以下であり、より好ましくは2nm以上、100nm以下、さらに好ましくは4nm以上、40nm以下である。
本発明で用いるセルロース繊維は、セルロースのミクロフィブリルで、セルロース分子鎖が数十本水素結合で結合した結晶性の繊維(繊維径2〜4nmのものが最小単位)の単位がさらに束ねられた形態で繊維の階層構造を形成しており、解繊度合いによってナノメーターレベルの繊維径のファイバーを形成しているものである。
ここで示される平均繊維径は、樹脂中に分散した繊維の径の平均値であり、透過型電子顕微鏡等による画像観察結果より求められる。
本発明において、セルロース繊維の平均繊維径が200nm以下であれば、繊維複合材料の強度が大きく、優れた性能を示す。また、セルロース繊維の平均繊維径が2nm未満のものは前記高圧ホモジナイザーによる解繊処理、また、グラインダー等による磨砕処理によっては得ることが困難となる。
本発明において、セルロース繊維の長さについては特に限定されるものではないが、平均繊維長で50nm以上が好ましく、さらに好ましくは100nm以上である。この平均繊維長が50nmより長いと、繊維複合材料の強度が大きく、優れた性能を示す。
また、本発明においてセルロース繊維のアスペクト比(平均繊維径と平均繊維長の比)は100〜10,000のものが用いられ、好ましくは100〜5,000、より好ましくは100〜2,000である。セルロース繊維のアスペクト比が10,000以下であれば、繊維が凝集しにくくなり繊維複合材料の強度が大きく、優れた性能を示す。また、アスペクト比が100以上のものは繊維添加による補強効果が大きく、繊維複合材料の強度が大きく、優れた性能を示す。
繊維複合材料中のセルロース繊維の添加量は、反応基を有するセルロース繊維成分と併せてマトリックス樹脂100質量部に対して5〜70質量部、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは5〜30質量部である。セルロース繊維の全添加量が5質量部以上であると繊維添加による補強効果が大きく、繊維複合材料の強度が大きく、優れた性能を示す。また、70質量部以下であればセルロース繊維同士が凝集しにくくなり繊維の分散性が増して物性向上効果が得られる。
本発明において、平均繊維径、平均繊維長の測定は、得られた繊維について透過型電子顕微鏡、H−1700FA型(日立製作所社製)を用いて10000倍の倍率で観察した後、得られた画像について無作為に繊維を100本選び、画像処理ソフト(WINROOF)を用いて一本毎の繊維径、及び繊維長を解析し、それらの単純な数平均値を求めた。
(反応性基を有するセルロース繊維)
本発明の繊維複合材料は、前記の解繊処理されたセルロース繊維と共に、ラジカル重合性二重結合、環状エーテル基及びメルカプト基から選ばれる少なくとも1種の反応性基を有するセルロース繊維を添加したものである。該環状エーテル基としては、エポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。本発明で用いられる反応性基を有するセルロース繊維は前記解繊処理されたセルロース繊維の表面に、好ましくは反応性基を導入できるシランカップリング剤等を用いて反応性基を導入したものである。反応性基を導入できるシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のラジカル重合性二重結合を末端に有するシランカップリング剤、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基を末端に有するシランカップリング剤等が挙げられる。これらの中で、末端にエポキシ基、又はラジカル重合性二重結合を有するものが好ましく用いられる。これらの官能基は一種、あるいは二種以上が導入されていても良い。特に、マトリックス樹脂が有する官能基と同一、あるいは同種の官能基、またはマトリックス樹脂に対して反応性を有する官能基を導入することで、セルロース繊維とマトリックス樹脂との親和性を向上させたり、セルロース繊維とマトリックス樹脂の間で共有結合を形成させることが可能となるため、セルロース繊維のマトリックス樹脂中への均一な分散性が確保でき、良好な機械的強度や耐熱性、低線膨張係数等の物性向上効果が得られる。反応性基を有するセルロース繊維の添加量は、マトリックス樹脂に添加するセルロース繊維の全添加量に対して1質量%〜80質量%、好ましくは3質量%〜60質量%、より好ましくは5質量%〜40質量%である。セルロース繊維の全添加量に対する反応性基を有するセルロース繊維添加量の割合が80質量%以下であればセルロース繊維同士が直接反応しにくいため繊維の凝集が起こらず、繊維の分散性が高く物性向上効果が得られる。また、反応性基を有するセルロース繊維添加量の割合が1質量%以上の場合は繊維添加によるマトリックス樹脂との親和性向上や共有結合形成によるマトリックス樹脂への分散性が高くなり物性向上効果が得られる。
(反応性を有しない基による表面修飾)
前記セルロース繊維は、反応性を有しない基により表面修飾(以後、単に表面修飾ともいう)されたミクロフィブリル化セルロース繊維を含有することが好ましい。
前記表面修飾されたセルロース繊維は、表面修飾と反応性基の導入の両方が施されても、表面修飾のみが施されても良い。
表面修飾することでマトリックス樹脂に対する親和性が向上し、樹脂中への分散性が更に向上すると共にセルロース繊維自体の耐熱性、熱分解温度が向上し、芳香族ポリエステル樹脂等の比較的溶融温度の高い熱可塑性樹脂への溶融混練が可能となり、広範なマトリックス樹脂を用いることが可能となる。表面修飾の方法としては、セルロース繊維の水酸基を、酸、アルコール類、ハロゲン化試薬、酸無水物、イソシアナート類、シランカップリング剤等の修飾剤を用いて化学修飾させることが好ましい。また、化学的に解繊したセルロース繊維に関しては、導入されたカルボキシル基を利用して化学修飾してもよい。化学修飾する方法は公知の方法に従って行うことができ、例えば、解繊処理したセルロース繊維を水、あるいは適当な溶媒に添加して分散させた後、これに化学修飾剤を添加して適当な反応条件下で反応させればよい。
この場合、化学修飾剤のほかに、必要に応じて反応触媒を添加することができ、例えば、ピリジンやN,N−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化ナトリウム等の塩基性触媒や酢酸、硫酸、過塩素酸等の酸性触媒を用いることができるが、反応速度や重合度の低下を防止するため、ピリジン等の塩基性触媒を用いることが好ましい。反応温度としては、セルロース繊維の黄変や重合度の低下等の変質を抑制し、反応速度を確保する観点で、40〜100℃程度が好ましい。反応時間については用いる修飾剤や処理条件により適宜選定すればよい。
化学修飾によりセルロース繊維に導入する反応性を有しない基としては、好ましくは飽和脂肪酸のエステル及びアルキルエーテルが挙げられ、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、iso−ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
(マトリックス樹脂)
マトリックス樹脂は、前記熱可塑性樹脂及び前記多官能性化合物の反応物を含有する。該多官能性化合物はセルロース繊維と結合して3次元の網目構造を形成するものと推定される。
セルロース繊維は反応性基を有しないセルロース繊維を含んでいるため、反応性基を有するセルロース繊維同士が直接結合しにくいが、多官能性化合物が重合して反応性基を有するセルロース繊維の間に入り結合する構造を取っていると考えられる。
前記繊維複合材料は、この高い弾性率を有する網目構造の間に、網目構造より低い弾性率を有する熱可塑性樹脂が充填されている構造をとるため、該繊維複合材料に外部から力が加わったときに、硬い網目構造に掛かる歪み応力が、柔らかい熱可塑性樹脂により緩和されることにより、強度が向上するものと推測される。
(熱可塑性樹脂)
前記熱可塑性樹脂としては、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、アミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられるが、ポリエステル樹脂が好ましく、芳香族ポリエステル樹脂が更に好ましい。
前記ビニル系樹脂としては、エチレン、プロピレン、スチレン、ブタジエン、ブテン、イソプレン、クロロプレン、イソブチレン、イソプレン等の単独重合体または共重合体、あるいはノルボルネン骨格を有する環状ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等の酢酸ビニル系樹脂が挙げられる。
前記(メタ)アクリル系樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド等のN置換(メタ)アクリルアミド等の単独重合体または共重合体が挙げられる。
前記アミド系樹脂としては、6,6−ナイロン、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、4,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン等の脂肪族アミド系樹脂や、フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンと塩化テレフタロイルや塩化イソフタロイル等の芳香族ジカルボン酸またはその誘導体からなる芳香族ポリアミド等が挙げられる。
前記ポリカーボネート系樹脂としては、ビスフェノールAやその誘導体であるビスフェノール類と、ホスゲンまたはフェニルジカーボネートとの反応物等が挙げられる。
前記セルロース系樹脂としては、セルロースエステルが好ましく、例えばセルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートブチレート、セルロースピバレート、セルロースカプロエート、セルロースアセテートカプロエート等が挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸との共重合体によって得られる芳香族ポリエステル樹脂、前記ジオール類とコハク酸、吉草酸等の脂肪族ジカルボン酸との共重合体や、グリコール酸や乳酸等のヒドロキシカルボン酸の単独重合体または共重合体、前記ジオール類、前記脂肪族ジカルボン酸及び前記ヒドロキシカルボン酸の共重合体等の脂肪族ポリエステルが挙げられるが、芳香族ポリエステル樹脂が好ましい。
前記シリコーン系樹脂としては、構成単位としてアルキル基、芳香族基等の有機基を有するものが好ましく、特にメチル基、フェニル基等の有機基を有するものが好ましい。かかる有機基を有するシリコーン系樹脂の具体例としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、これらの変性体等を挙げることができる。
前記フッ素樹脂としては、テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、クロロトリフロロエチレン、フッ化ビリニデン、フッ化ビニル、ペルフルオロアルキルビニルエーテル等の重合体又は共重合体樹脂が挙げられる。また、これらは必要に応じて一種、あるいは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(多官能性化合物)
前記多官能性化合物は分子内に2つ以上の反応性基を有する化合物であり、前記セルロース繊維、前記熱可塑性樹脂及び前記多官能性化合物を含有する未硬化組成物を硬化して、多官能性化合物による架橋構造を形成することにより、前記繊維複合材料の弾性率及び強度向上し、線膨張係数を低下させると推定される。
前記多官能性化合物を添加することで、セルロース繊維との架橋構造を形成し、繊維添加によりマトリックス樹脂の強度が増大する。前記多官能性化合物としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基等の反応性基を2つ以上有する化合物であって、反応性基を有するセルロース繊維と反応し、セルロース繊維同士の間で架橋構造を形成することが好ましい。
前記多官能性化合物としては、例えば、多官能(メタ)アクリレートとして(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等が挙げられ、多官能エポキシ化合物として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル及びダイマー酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルエーテルトリフェニルメタン、テトラグリシジルエーテルテトラフェニルエタン、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げられ、多官能オキセタン化合物として、多官能フェノール化合物とオキセタンクロライドの反応生成物、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ビフェニル型、カルド型等の2官能オキセタン化合物、トリスフェノールメタン型、トリスクレゾールメタン型等の3官能オキセタン化合物、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、カリックスアレーン型等の多官能オキセタン化合物等が挙げられる。これら多官能性化合物は樹脂組成物中に1種のみでなく、複数種を併用して用いてもよい。
これらのうち、多官能性化合物としては、多官能アクリレートが好ましい。
多官能性化合物により架橋構造を形成するためには、セルロース繊維、熱可塑性樹脂及び多官能性化合物を混練し、成型した後、加熱処理するか、活性エネルギー線を照射することが好ましい。活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、可視光線などが挙げられるが、照射装置のコストや架橋効率の点から、紫外線が好ましい。
加熱処理する場合は、多官能性化合物を熱重合開始剤と組み合わせて使用することが好ましい。
多官能性化合物が多官能(メタ)アクリレートの場合は、熱重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1′−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物等が挙げられる。
多官能性化合物が多官能エポキシ化合物又はオキセタン化合物の場合は、熱重合開始剤としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシルメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−s−トリアジン、および2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス−ジメチルアミノメチルフェノール等の熱アニオン重合開始剤が挙げられ、その他、サンエイドSI60L(三新化学工業(株)製)、SI−100L(三新化学工業(株)製)、CP−66((株)アデカ製)、CP−77((株)アデカ製)等の熱カチオン重合開始剤が市販されている。
紫外線を照射する場合、多官能性化合物を光重合開始剤と組み合わせて使用することが好ましい。
多官能性化合物が多官能(メタ)アクリレートの場合は、光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等の光ラジカル開始剤等が挙げられる。
多官能性化合物が多官能エポキシ化合物又はオキセタン化合物の場合は、光重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤が好ましく用いられ、光カチオン重合開始剤としては、公知のあらゆる光酸発生剤を用いることができる。光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
前記多官能性化合物の添加量は、マトリックス樹脂100質量部に対して1〜30質量部が好ましく、更に好ましくは1〜20質量部、最も好ましくは1〜10質量部である。多官能性化合物の添加量が1質量部以上であれば繊維添加による大きな補強効果が得られ、繊維複合材料の十分な強度が確保できる。また、30質量部以下であれば多官能性化合物が完全に溶解するためにマトリックス樹脂中で均一に分布し、物性向上効果が大きい。
マトリックス樹脂は、更に単官能性化合物が重合して形成された樹脂を含有することが出来る。単官能性化合物としてはラジカル重合性化合物が好ましく用いられる。単官能のラジカル重合性化合物としては、C1〜C18脂肪族アルコールの(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、スチレン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、これらのモノマーは組み合わせて共重合させることが出来る。
前記未硬化組成物を硬化させる方法としては、マトリックス樹脂が紫外線及び電子線硬化性の場合は、透光性の所定形状の金型等に必要に応じて光重合開始剤を添加した組成物を充填、あるいは基板上に塗布した後、紫外線及び電子線を照射して硬化させればよい。
(安定剤)
本発明の繊維複合材料では、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤の中から選ばれた一種以上の安定剤を追加して添加してもよい。これら安定剤を適宜選択し、複合材料に添加することで、成形加工時のセルロース繊維やマトリックス樹脂の劣化、あるいは使用環境における繊維複合材料の耐熱性、耐光性等の物性変動を高度に抑制することができる。
好ましいフェノール系安定剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート等の特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニルプロピオネート))メタン[即ち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート))]、トリエチレングリコール ビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)等のアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン基含有フェノール系化合物;等が挙げられる。
また、好ましいヒンダードアミン系安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1−アクロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルデカンジオエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート)、4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。
また、好ましいリン系安定剤としては、一般の樹脂工業で通常使用されるものであれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−イソプロピリデンビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物等が挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が特に好ましい。
また、好ましいイオウ系安定剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリルチオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。これらの安定剤の添加量は本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、樹脂組成物100質量部に対して通常0.01〜2質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
(繊維複合材料の製造方法)
次に本発明のセルロース繊維複合材料の製造方法について説明する。マトリックス樹脂として、多官能性化合物及び熱可塑性樹脂の反応物を用いる場合について説明する。先ず、熱可塑性樹脂を溶融させた後これに多官能性化合物、前記反応性基を有するセルロース繊維及び反応性基を有しないセルロース繊維を添加して溶融混練して溶融した繊維複合材料を作製するが、用いられる装置としては市販の二軸混練押出機(二軸押出機ともいう)、伸長流動混練機や、撹拌翼を有するミキサー等が挙げられ、溶融した複合樹脂材料をストランド状に押し出してペレット化したり、得られた塊状の複合材料を粉砕するなどして成形機に投入し、用途に応じた形状に成形する。これらの内、伸長流動混練機は伸長流動混合が可能であり、セルロース繊維がマトリックス樹脂中でより均一に分散させることが可能となり好ましい。
伸長流動混合とは、マトリックス樹脂と被混合物を含む溶融組成物を、材料の流れ方向に垂直な面で切断した断面において大きな断面を有する流路からこれよりも小さな流路を有するスリット状通路へ流入させ、所定の長さを通過させることにより、前記被混合物を小さく破砕して分散させる混練方法である。具体的には、米国特許第5、451、106号公報に記載されているUtracki等が開発した伸長流動混練ダイを備えた混練装置等を用いて溶融混練する方法が挙げられ、例えば、図1に示すような大小の環状流路を有する伸長流動混練室1を備えた混練装置を用いて混練する方法が挙げられる。
図1は樹脂組成物の流路と平行の断面図を示している。樹脂組成物の混練は、先ず第1の環状流路2aから第1のスリット流路2bへと移動して第1のスリット流路2bを通過する際と、第2の環状流路2cから第2のスリット流路2dへと移動して第2のスリット流路2dを通過する際との2段階で伸長流動混合が行われることになる。前記混合の原理は、前記大小の通路2a,2b,2c,2dを樹脂組成物が通過する際の流速の変化に伴い、被混合物が引き延ばされて混合し、微分散されるという原理に基づくものである。
また、溶融混練する際、必要に応じて前記安定剤、無機イオン、界面活性剤等の添加剤を添加することができる。
次に得られたペレットを用いて成形体を得る場合は、通常の熱可塑性樹脂組成物の成形方法と同様な方法を適用することができる。具体的には、射出成形、押出成形、圧縮成形、中空成形等の方法で実施すればよく、先ず、前記ペレットや粉砕物を乾燥後、所定の形状の金型を装着した成形機に投入して成形すればよい。また、シート状の成形体を得る場合は、溶融成形のほか、樹脂を溶解した溶液に前記セルロース繊維を添加して攪拌することで繊維を分散させた樹脂溶液を調製し、これを流延して溶媒を除去する方法で製造してもよい。
(繊維複合材料の物性評価方法)
繊維複合材料の物性評価は以下の方法で行う。実施例における評価もこの方法でおこなった。
(1)曲げ弾性率及び曲げ強度
板状に成形した繊維複合材料を140mm×12mm×2mmで切り出し、オートグラフ(「DSS−500」型島津製作所製)により、支点間距離80mm、曲げ速度2mm/分、20℃で曲げ弾性率及び曲げ強度の測定を行った。
(2)線膨張係数
前記成形体について、40〜80℃の範囲内で温度を変化させ、線膨張係数を測定した。測定装置としてSII(セイコーインスツルメンツ)社EXSTAR6000 TMA/SS6100を用いた。
(3)セルロース繊維の分散性
前記成形体を目視にて観察し、繊維の凝集体の有無により均一性について評価した。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(製造例1)
針葉樹から得られた亜硫酸漂白パルプを純水に0.1質量%となるように添加した懸濁液を、石臼式粉砕機(ピュアファインミルKMG1−10;栗田機械製作所社製)を用いて回転するディスク間を中央から外に向かって通過させる磨砕処理(回転数:1500回転/分)を50回(50パス)行いセルロース繊維を解繊した。この水分散液を濾過後、純水で洗浄し、70℃で乾燥させてセルロース繊維Aを得た。得られたセルロース繊維Aは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径4nmに解繊されており、ミクロフィブリル化していることを確認した。
(製造例2)
エタノール:水が4:1(質量比)の混合溶媒に3−メタクリロキシプロピルトリメトキシ(シランカップリング剤;信越シリコーン社製)を滴下し、このシランカップリング剤濃度を100mmo1/Lとした反応溶液を調製した。この調製したシランカップリング剤溶液100質量部に製造例1で得られたセルロース繊維Aを1質量部添加して室温で2時間攪拌した後、セルロースを濾取し、ソックスレー抽出器を用いて一晩エタノール洗浄した。洗浄後、70℃で減圧乾燥させて反応性基を有するセルロース繊維Bを得た。得られたセルロース繊維Bは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は4nmに保たれていた。
(製造例3)
製造例1において、石臼式粉砕機を用いた磨砕処理を30回に変更すること以外は同様の操作にてセルロース繊維を解繊し、セルロース繊維Cを得た。得られたセルロース繊維Cは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径40nmに解繊されており、ミクロフィブリル化していることを確認した。
(製造例4)
製造例2においてセルロース繊維Aを用いる代わりに製造例3で得られたセルロース繊維Cを用いること以外は同様の操作でセルロース繊維Dを得た。得られたセルロース繊維Dは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は40nmに保たれていた。
(製造例5)
無水酢酸/ピリジン(モル比1/1)溶液500質量部に、製造例3で得られたミクロフィブリル化したセルロース繊維Cの10質量部を添加して分散させ、室温で3時間攪拌した。次に分散した繊維を濾過し、500質量部の水で3回水洗した後、200質量部のエタノールで2回洗浄した。さらに、500質量部の水で2回水洗を行った後、70℃にて乾燥させ、表面修飾したセルロース繊維Eを得た。得られたセルロース繊維Eは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は4nmに保たれていた。
(製造例6)
製造例4においてセルロース繊維Cを用いる代わりに製造例5で得られた表面修飾したセルロース繊維Eを用いること以外は同様の操作でセルロース繊維Fを得た。得られたセルロース繊維Fは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は40nmに保たれていた。
(製造例7)
製造例1において、石臼式粉砕機を用いた磨砕処理を20回に変更すること以外は同様の操作にてセルロース繊維を解繊し、セルロース繊維Gを得た。得られたセルロース繊維Gは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径90nmに解繊されており、ミクロフィブリル化していることを確認した。
(製造例8)
製造例2においてセルロース繊維Aを用いる代わりに製造例7で得られたセルロース繊維Gを用いること以外は同様の操作でセルロース繊維Hを得た。得られたセルロース繊維Hは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は90nmに保たれていた。
(製造例9)
製造例1において、石臼式粉砕機を用いた磨砕処理を10回に変更すること以外は同様の操作にてセルロース繊維を解繊し、セルロース繊維Iを得た。得られたセルロース繊維Iは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径200nmに解繊されており、ミクロフィブリル化していることを確認した。
(製造例10)
製造例2においてセルロース繊維Aを用いる代わりに製造例9で得られたセルロース繊維Iを用いること以外は同様の操作でセルロース繊維Jを得た。得られたセルロース繊維Jは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は200nmに保たれていた。
(製造例11)
製造例1において、石臼式粉砕機を用いた磨砕処理を5回に変更すること以外は同様の操作にてセルロース繊維を解繊し、セルロース繊維Kを得た。得られたセルロース繊維Kは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径210nmに解繊されており、ミクロフィブリル化していることを確認した。
(製造例12)
製造例2においてセルロース繊維Aを用いる代わりに製造例11で得られたセルロース繊維Kを用いること以外は同様の操作でセルロース繊維Lを得た。得られたセルロース繊維Lは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は210nmに保たれていた。
(製造例13)
エタノール:水が4:1(質量比)の混合溶媒に3−グリシドキシプロピルトリメトキシ(シランカップリング剤;信越シリコーン社製)を滴下し、このシランカップリング剤濃度を100mmo1/Lとしたシランカップリング剤溶液を調製した。この調製したシランカップリング剤溶液100質量部に製造例3で得られたセルロース繊維Cを1質量部添加して室温で2時間攪拌した後、セルロースを濾取し、ソックスレー抽出器を用いて一晩エタノール洗浄した。洗浄後、70℃で減圧乾燥させて反応性基を有するセルロース繊維Mを得た。得られたセルロース繊維Mは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は40nmに保たれていた。
(製造例14)
エタノール:水が4:1(質量比)の混合溶媒に3−メルカプトプロピルトリメトキシ(シランカップリング剤;信越シリコーン社製)を滴下し、このシランカップリング剤濃度を100mmo1/Lとしたシランカップリング剤溶液を調製した。この調製したシランカップリング剤溶液100質量部に製造例3で得られたセルロース繊維Cを1質量部添加して室温で2時間攪拌した後、セルロースを濾取し、ソックスレー抽出器を用いて一晩エタノール洗浄した。洗浄後、70℃で減圧乾燥させて反応性基を有するセルロース繊維Nを得た。得られたセルロース繊維Nは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は40nmに保たれていた。
(製造例15)
無水メタクリル酸/ピリジン(モル比1/1)溶液500質量部に、製造例3で得られたセルロース繊維Cの10質量部を添加して分散させ、室温で3時間攪拌した。次に分散した繊維を濾過し、500質量部の水で3回水洗した後、200質量部のエタノールで2回洗浄した。さらに、500質量部の水で2回水洗を行った後、70℃にて乾燥させ、表面修飾したセルロース繊維Oを得た。得られたセルロース繊維Oは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は40nmに保たれていた。
(セルロース繊維の質量測定)
セルロース繊維B、D、E、F、H、J、L、M、N及びOについて、反応性基を導入する前の原料のセルロース繊維、又は反応性を有しない基により表面修飾する前の原料のセルロース繊維と質量を比較した。
その結果、前記セルロース繊維B、D、E、F、H、J、L、M、N及びOは原料のセルロース繊維に比較して質量増加が認められ、反応性基の導入又は表面修飾が成されたことが確認された。
実施例1
(繊維複合材料101〜117、119〜131の作製)
表1〜8に示す配合組成(質量部)に従って各原料をブレンドした後、真空乾燥機を用いて60℃、12時間乾燥させた。次に、二軸押出機(東芝機械社製 TEM35型)を用い、バレル温度180〜280℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量10kg/hの条件にて溶融混練し、押出機先端から吐出された樹脂をペレット状にカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットについて、70℃、24時間真空乾燥したのち、射出成形機(東芝機械社製 IS−80G型)を用いて、物性測定用試験片(150mm×50mm×2mm)を作成し、各種測定に供した。評価結果を表5〜8に示す。
(繊維複合材料118の作成)
表3、表7に示す配合組成(質量部)に従って各原料をブレンドした後、真空乾燥機を用いて60℃、12時間乾燥させた後、加熱して溶融樹脂とした。次に、溶融樹脂の吐出部に図1に示した伸長流動混練室を備えた伸長流動混練機を用い、バレル温度180〜280℃、吐出量10kg/hの条件にて溶融混練し、押出機先端から吐出された樹脂をペレット状にカッティングして繊維複合材料のペレットを得た。また、得られたペレットについて、70℃、24時間真空乾燥したのち、射出成形機(東芝機械社製 IS−80G型)を用いて、物性測定用試験片(150mm×50mm×2mm)を作成し、各種測定に供した。評価結果を表7に示す。
(繊維複合材料132の作成)
表4、表8に示す配合組成に従って、各原料をブレンド後、混練機を用いて混練することで熱硬化性の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を150mm×50mm×2mmの寸法の金型内に充填した後、120℃、1.33×10−3MPaの条件で1時間、過熱プレスすることで、板状の繊維複合材料132の成型体を得た。評価結果を表8に示す。
Figure 2011148939
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なお、表5〜8中、前記製造例に記載した成分以外の配合成分の詳細は、以下の通りである。
芳香族ポリエステル系樹脂:ノバペックス GM700Z(三菱化学社製)
脂肪族ポリエステル系樹脂:ポリ乳酸(レイシアH−400、三井化学社製)
ポリカーボネート樹脂:ユーピロンS1000(三菱エンジニアプラスチック社製)
アクリル樹脂:アクリペットMF(三菱レイヨン社製)
セルロース樹脂:セルロースアセテートプロピオネートCAP482−20(イーストマンケミカル社製)
ポリオレフィン系樹脂:TOPAS−5013(ポリプラスチック社製)
多官能性化合物A:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
多官能性化合物B:トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート
多官能性化合物C:トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート(ファンクリルFA−731A、日立化成社製)
多官能性化合物D:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(デナコールEX−211、ナガセケムテックス社製)
多官能性化合物E:ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(デナコールEX−521、ナガセケムテックス社製)
多官能性化合物F:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMT PE1、昭和電工社製)
多官能性化合物G:1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(カレンズMT BD1、昭和電工社製)
重合開始剤:アゾビスイソブチロニトリル
安定剤A:テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート
安定剤B:2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト。
表5〜8の物性評価結果から明らかなように、本発明に係わる繊維複合材料101〜118は、弾性率が高く、機械的強度に優れ、且つ線膨張係数が大幅に低減し、繊維の分散性が優れていることがわかる。特に本発明の中でも、伸長流動混練機を用いて混練した繊維複合材料118は、二軸押出機で混練した繊維複合材料101〜117より、更に弾性率及び曲げ強度が向上し、線膨張係数が低減していることが分かる。
1 伸長流動混練室
2 伸長流動混練部
2a 第1の流路
2b 第1のスリット流路
2c 第2の流路
2d 第2のスリット流路
3 樹脂組成物供給口
4 樹脂組成排出口

Claims (5)

  1. 繊維複合材料が、平均繊維径が2nm以上200nm以下であるセルロース繊維、熱可塑性樹脂および多官能性化合物の反応物を含有し、該セルロース繊維が、ラジカル重合性二重結合、環状エーテル基及びメルカプト基から選ばれる少なくとも1種の反応性基を有するセルロース繊維成分及び反応性基を有しないセルロース繊維成分の混合物であることを特徴とする繊維複合材料。
  2. 前記反応性基がシランカップリング剤とセルロース繊維との反応により導入されることを特徴とする請求項1に記載の繊維複合材料。
  3. 前記反応性基を有するセルロース繊維成分及び前記反応性基を有しないセルロース繊維成分の少なくとも一方が、反応性を有しない基により表面修飾されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維複合材料。
  4. 前記繊維複合材料が、単官能の熱硬化性樹脂又は単官能の光硬化性樹脂を重合して得られる樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維複合材料。
  5. 前記熱可塑性樹脂が芳香族ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維複合材料。
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