JP2011195655A - 繊維複合材料及びその製造方法 - Google Patents

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泰光 藤野
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Abstract

【課題】本発明の目的は、引張り強度、曲げ強度などの機械強度や低線膨張特性に優れ、家電品の筺体や電子デバイスの基板材料、自動車用部品、住宅内装材料、包装・容器材料等の広範囲な用途に適用できる繊維複合材料を得ることにある。
【解決手段】少なくともセルロース繊維の骨格からなる空隙率が10%以上、80%以下であるセルロース多孔性構造体とマトリックス樹脂を含むことを特徴とする繊維複合材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、セルロース繊維の骨格からなるセルロース多孔質構造体とマトリックス樹脂を含む繊維複合材料に関する。
樹脂に各種繊維状強化材を配合することで、その強度、剛性を大幅に向上させた繊維強化複合材料は、電気・電子、機械、自動車、建材等の産業分野で広く用いられている。この繊維強化複合材料に配合される繊維状強化材としては、優れた強度と軽量性を有するガラス繊維が主に用いられている。しかし、ガラス繊維強化材料では、高剛性化は達成されるが比重が大きくなるため、軽量化に限界があった。また、このガラス繊維強化材料を廃棄する場合、ガラス繊維自体が不燃性であるために、焼却処理する際に燃焼炉を傷める、また、燃焼効率が低くなるといった問題があり、サーマルリサイクル性に適しないという欠点もあった。
これに対し、繊維状強化材としてポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維といった有機材料からなる繊維強化材が検討されてきたが、これら強化材を配合した繊維強化材料は軽量性やサーマルリサイクル性については確保できるものの、機械的補強効果が十分でないという問題があった。
一方、近年、カーボンニュートラルの観点から植物由来材料を利用した高機能材料が注目されるなか、竹、ケナフ、サトウキビ、木材等の植物繊維を添加した強化樹脂が検討されているが(特許文献1、2)、提案されている複合材料は、いずれも引っ張り弾性率、曲げ弾性率等の力学特性が不十分であるため用途が限定されていた。
これに対し、近年、この植物繊維を解繊してミクロフィブリル化したセルロース繊維を樹脂に混合した繊維複合材料が提案されている。このようなミクロフィブリル化したセルロース繊維を樹脂の強化材として用いた場合、機械的強度を向上させるほか、線膨張係数を低減できることが提案されている(例えば特許文献3)。
特許文献3には、繊維複合材料の作成方法として、ミクロフィブリル状のセルロース繊維を化学修飾してからマトリックス樹脂と混合しているが、化学修飾されたセルロース同士が凝集し、マトリックス樹脂に分散されにくいため、マトリックス樹脂中への分散状態が不均一であり(凝集部位の形成)、得られる複合材料に強度斑が発生し、高い弾性率と大きな機械的強度が得られないという問題があった。
特開平5−92527号公報 特開2002−69208号公報 特開2007−51266号公報
本発明の目的は、引張り強度、曲げ強度などの機械強度や低線膨張特性に優れ、家電品の筺体や電子デバイスの基板材料、自動車用部品、住宅内装材料、包装・容器材料等の広範囲な用途に適用できる繊維複合材料を得ることにある。
本発明の課題は、以下の構成により達成される。
1.少なくともセルロース繊維の骨格からなる、空隙率が10%以上、80%以下であるセルロース多孔性構造体とマトリックス樹脂を含むことを特徴とする繊維複合材料。
2.前記セルロース繊維の骨格を形成する繊維の平均繊維径が10nm以上、200nm以下であることを特徴とする前記1に記載の繊維複合材料。
3.前記セルロース多孔性構造体が表面修飾されていることを特徴とする前記1または2に記載の繊維複合材料。
4.溶媒にセルロースを溶解した後、セルロースを析出させて形成したセルロース多孔性構造体と、マトリックス樹脂を含む組成物を成形して得られることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の繊維複合材料の製造方法。
5.前記溶媒がチオシアン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の水溶液であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の繊維複合材料の製造方法。
本発明によれば、引張り強度、曲げ強度などの力学特性や、耐熱性(熱分解温度)、線膨張係数等の熱特性に優れ、家電品の筺体や電子デバイスの基板材料、自動車用部品、住宅内装材料、包装・容器材料等の広範囲な用途に適用できる繊維複合材料を得ることができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明は、繊維複合材料が、平均繊維径が2nm以上200nm以下であるセルロース繊維の骨格からなるセルロース多孔質構造体とマトリックス樹脂を含むことを特徴とする繊維複合材料に関する。
本発明者らは、前記課題に対し、樹脂マトリックスの強化材として配合するセルロース繊維の形態に着目し鋭意検討した結果、セルロース繊維が網目状の骨格を形成した多孔性構造体を配合することで、引張り強度、曲げ強度などの力学特性や、線膨張係数等の熱特性に優れた繊維複合材料が得られることを見出した。
従来より、パルプ等のセルロース繊維から解繊されたミクロフィブリル化セルロース繊維をマトリックス樹脂へ分散させた繊維複合材料が検討されてきたが、繊維成分が均一に分散できず、繊維同士が部分的に凝集して繊維の網目構造が形成できていなかったり、繊維間の架橋が形成されにくかったため、樹脂の補強効果が小さく機械強度や熱特性の点で不十分なものであった。これに対し、本発明者らはセルロース繊維が網目状の骨格を形成し、繊維の交差部が架橋されたセルロース多孔性構造体を用い、これをマトリックス樹脂中に配合することで、得られた繊維複合材料は、耐熱性や機械的強度が大きく向上することを見出した。特に、セルロース繊維の網目状の骨格が3次元で形成され、繊維の交差部がセルロース繊維の結晶状態で結合された多孔性構造体を用いることで、より高い補強効果が得られることが判明した。
本発明で用いられるセルロース多孔性構造体は、セルロース繊維が網目状の骨格を形成し、繊維の交差部が架橋された多孔性構造体であればよく、製造法としては、例えばセルロースを溶媒に溶解した溶液からセルロース繊維を再生させてセルロース繊維の骨格を有する多孔性構造体を形成させたり、予め多孔性構造を形成した樹脂等の鋳型中で酢酸菌等のセルロース産生菌を培養し、セルロース繊維の多孔性構造を形成するなどして得ることができるが、これらに限定されるものではない。これらの中で、セルロースを予め溶媒に溶解した溶液からセルロース繊維を再生させて得られる多孔性構造体は、セルロース繊維の網目状の骨格が3次元で形成され、繊維の交差部がセルロースの結晶状態で結合された多孔性構造体を形成するため、より好ましい。また、前記セルロース多孔性構造体を構成するセルロース繊維を表面修飾することでマトリックス樹脂への親和性が向上し、更に補強効果を高めた繊維複合材料を得ることができる。
以下、本発明の繊維複合材料についてさらに詳しく説明するが、以下の実施態様に限定されるものではない。
(原料セルロース)
本発明で使用する原料セルロースは、植物、海洋生物、あるいは微生物(セルロース産生菌)等によって産生されたものや、その誘導体である。セルロースの誘導体としては、分岐を持つものや、硝酸エステル、リン酸エステル、キサントゲン酸塩、亜硝酸エステル、硝酸エステル、硫酸エステル、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、酢酸プロピオン酸エステル、酢酸酪酸エステル、トリフルオロ酢酸エステル、安息香酸エステル、アルキルケテンダイマーエステル、アルケニル無水コハク酸エステル等のエステル化誘導体、カルボキチメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、シアノエチルセルロース、ジエチルアミノエチルエチルセルロース、トリメチルアンモノイルヒドロキシプロピルセルロース等のエーテル化誘導体、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などを導入したハロゲン化誘導体、アミノ基を導入した誘導体、チオール基を導入した誘導体、高分子をグラフトした誘導体、ポリウロン酸型の酸化物誘導体等のセルロース誘導体であってもよい。これらのセルロース、またはその誘導体は、その分子量が10,000〜2,000,000のものが好ましく、特に、10,000〜100,000のものがより好ましい。
(セルロース溶媒)
本発明において、原料セルロースを予め溶媒に溶解した後にセルロース繊維を析出、再生させて得られる多孔性構造体を用いる場合、使用する溶媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸水溶液、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液、塩化亜鉛、チオシアン酸塩、液体アンモニアとチオシアン酸塩の混合物、ヒドラジン等の無機化合物の水溶液、[Cu(NH](OH)、[Cu(エチレンジアミン)](OH)、[Co(エチレンジアミン)](OH)、[Ni(NH](OH)、[Ni(エチレンジアミン)](OH)、[Cd(エチレンジアミン)](OH)、[Zn(エチレンジアミン)](OH)等の金属錯体溶液、ジメチルスルホキシドとホルムアルデヒド、N,N−ジメチルホルムアミドとホルムアルデヒド、N,N−ジメチルアセトアミドとホルムアルデヒド、ジメチルスルホキシドとクロラール、N,N−ジメチルホルムアミドとクロラール、N,N−ジメチルアセトアミドとクロラール、ジメチルスルホキシドとクロラールとピリジン、N,N−ジメチルホルムアミドとクロラールとピリジン、N,N−ジメチルアセトアミドとクロラールとピリジン、ジメチルスルホキシドとクロラールとトリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミドとクロラールとトリエチルアミン、N,N−ジメチルアセトアミドとクロラールとトリエチルアミン、ジメチルスルホキシドと無水亜硫酸とジエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミドと無水亜硫酸とジエチルアミン、ジメチルスルホキシドと無水亜硫酸とトリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミドと無水亜硫酸とトリエチルアミン、ジメチルスルホキシドと無水亜硫酸とピペリジン、N,N−ジメチルホルムアミドと無水亜硫酸とピペリジン、ジメチルスルホキシドと無水亜硫酸とイソアミルアミン、N,N−ジメチルホルムアミドと無水亜硫酸とイソアミルアミン、ジメチルスルホキシドとN、N,N−ジメチルホルムアミドとN、ジメチルスルホキシドとNOCl、N,N−ジメチルホルムアミドとNOCl、ジメチルスルホキシドとNOSOH、N,N−ジメチルホルムアミドとNOSOH、N,N−ジメチルアセトアミドと塩化リチウム、N−メチル−2−ピロリドンと塩化リチウム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンと塩化リチウム、N,N−ジメチルアセトアミドと臭化リチウム、N−メチル−2−ピロリドンと臭化リチウム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンと臭化リチウム、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸とクロロホルム、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸と酢酸、N−メチルモルフォリン−N−オキシド含水塩、N−メチルモルフォリン−N−オキシド含水塩とジメチルスルホキシド、N−アルキルピリジウムハロゲン類等の有機溶媒から選ばれる一種又は二種以上の混合物を使用することができる。
これらの中で、より高い機械強度を有するセルロース多孔性構造体を形成するチオシアン酸塩の水溶液を用いることが好ましい。このようなチオシアン酸塩としては、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム等のチオシアン酸アルカリ金属塩、及びチオシアン酸カルシウム、チオシアン酸マグネシウム等のチオシアン酸アルカリ土類金属塩が好ましく、より好ましくはチオシアン酸カルシウム水溶液、またはチオシアン酸ナトリウム水溶液であり、更に好ましくはチオシアン酸カルシウムの飽和水溶液である。これらの溶媒中には、必要に応じてそれぞれの溶媒に溶解可能なマトリックス樹脂、あるいは重合反応によりマトリックス樹脂を形成するモノマーや反応性オリゴマー等を予め添加して用いてもよい。
(マトリックス樹脂)
本発明で用いられるマトリックス樹脂としては、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、アミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられるがこれらの樹脂種に限定されるものではない。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線等の活性エネルギー線硬化性樹脂の何れかに限定されるものでもなく、これらの一種、あるいは複数種をブレンドして用いても差し支えない。
前記ビニル系樹脂としては、エチレン、プロピレン、スチレン、ブタジエン、ブテン、イソプレン、クロロプレン、イソブチレン、イソプレン等の単独重合体または共重合体、あるいはノルボルネン骨格を有する環状ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等の酢酸ビニル系樹脂が挙げられる。
前記(メタ)アクリル系樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド等のN置換(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
前記アミド系樹脂としては、6,6−ナイロン、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、4,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン等の脂肪族アミド系樹脂や、フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンと塩化テレフタロイルや塩化イソフタロイル等の芳香族ジカルボン酸またはその誘導体からなる芳香族ポリアミド等が挙げられる。
前記ポリカーボネート系樹脂としは、ビスフェノールAやその誘導体であるビスフェノール類と、ホスゲンまたはフェニルジカーボネートとの反応物等が挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸との共重合体によって得られる芳香族ポリエステル樹脂、ジオール類とコハク酸、吉草酸等の脂肪族ジカルボン酸との共重合体や、グリコール酸や乳酸等のヒドロキシカルボン酸の単独重合体または共重合体、上記ジオール類、上記脂肪族ジカルボン酸及び上記ヒドロキシカルボン酸の共重合体等の脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。
前記シリコーン系樹脂としては、構成単位としてアルキル基、芳香族基等の有機基を有するものが好ましく、特にメチル基、フェニル基等の有機基を有するものが好ましい。かかる有機基を有するシリコーン系樹脂の具体例としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、これらの変性体等を挙げることができる。また、これらは必要に応じて一種、あるいは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(安定剤)
本発明の繊維複合材料では、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤の中から選ばれた一種以上の安定剤を追加して添加してもよい。
これら安定剤を適宜選択し、複合材料に添加することで、成形加工時のセルロース繊維やマトリックス樹脂の劣化、あるいは使用環境における繊維複合材料の耐熱性、耐光性等の物性変動を高度に抑制することができる。
好ましいフェノール系安定剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート等の特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニルプロピオネート))メタン[即ち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート))]、トリエチレングリコール ビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)等のアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン基含有フェノール系化合物;等が挙げられる。
また、好ましいヒンダードアミン系安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1−アクロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルデカンジオエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート)、4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。
また、好ましいリン系安定剤としては、一般の樹脂工業で通常使用されるものであれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−イソプロピリデンビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物等が挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が特に好ましい。
また、好ましいイオウ系安定剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリルチオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
これらの安定剤の配合量は本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、樹脂組成物100質量部に対して通常0.01〜2質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
次に本発明の繊維複合材料の製造方法について説明する。
本発明の繊維複合材料は、少なくともセルロース繊維の骨格からなるセルロース多孔性構造体とマトリックス樹脂からなるものであって、先ず、セルロース多孔性構造体を製造し、これとマトリックス樹脂を含む樹脂組成物を調製後、この組成物を所望の形状に成形することによって得られる。
(セルロース多孔性構造体の製造方法)
以下、セルロース多孔性構造体の製造方法について説明するが、セルロース繊維の網目状の骨格からなるセルロース多孔性構造体を形成する方法であればこれに限定されるものではない。一例として、セルロースを溶媒に溶解し、この溶液からセルロース繊維を析出させて、セルロース多孔性構造体を得る方法について説明する。例えば、溶媒としてチオシアン酸カルシウム水溶液を使用する場合について説明すると、先ず、市販の結晶セルロースやパルプ等のセルロース原料を溶媒中に添加、分散し、さらに加熱してセルロースを予め溶解させる。溶媒中へのセルロースの添加量は特に制限されないが、溶解するセルロースの分子量等によってその量を調整すればよい。一般的に、溶媒に対して0.01〜30質量%で添加すればよいが、操作の容易さの点で0.01〜20質量%がより好ましい。溶媒中への分散方法は、特に制限はなく通常行われる種々の方法で溶媒中に分散すればよく、セルロースを溶媒に添加した後、単に撹拌する程度でもよい。加熱手段は特に制限されないが、製造効率の点でオートクレーブやマイクロ波を使用して加熱するのが好ましく、加熱温度としては70℃以上、200℃以下が好ましい。このセルロース溶液の冷却により、溶媒を含有した3次元の網目構造を形成したセルロース繊維ゲルを析出させる。次いで、このゲルから洗浄によって(例えばメタノールや流水によって)チオシアン酸カルシウムを除去することで、チオシアン酸カルシウム溶媒が除かれ3次元の網目構造を形成したセルロース繊維が得られる。これをそのまま乾燥することでセルロース繊維を骨格とするセルロース多孔性構造体を得ることができる。
析出させるセルロース繊維の平均繊維径としては、好ましくは10nm以上、200nm以下であり、より好ましくは10nm以上、100nm以下、さらに好ましくは10nm以上、40nm以下である。ここで示される平均繊維径は、セルロース多孔性構造体の骨格を形成するセルロース繊維の径の平均値であり、透過型電子顕微鏡等による画像観察結果より求められる。具体的には、平均繊維径の測定は、透過型電子顕微鏡、H−1700FA型(日立製作所社製)を用いて10000倍の倍率で観察した後、得られた画像について無作為に繊維を100本選び、画像処理ソフト(WINROOF)を用いて一本毎の繊維径を解析し、それらの単純な数平均値から求めることができる。
本発明において、セルロース繊維の平均繊維径が200nmを超えると、繊維複合材料の強度が不十分となる恐れがある。また、セルロース繊維の平均繊維径が10nm未満のものは前記製造法によって得ることが困難となる。また、3次元網目構造におけるセルロース繊維の交差部は結晶状態のセルロースで架橋され、多孔性の構造体を形成する。得られるセルロース多孔性構造体を構成するセルロース繊維の結晶化度は5〜80%であり、耐熱性や機械的強度を確保する上で、40〜80%であるのがより好ましい。また、このセルロース多孔性構造体の空隙率は、10%以上80%以下であることが好ましく、さらには35%以上60%以下であることが好ましい。空隙率が小さいと、後述の表面修飾が進行し難かったり、マトリクス樹脂材料が含浸し難くなり、複合体にしたとき空隙が残存し機械強度等の物性が不均一となり好ましくない。また、空隙率が高いと十分な補強効果が得られず、線膨張率が大きくなる等の問題が生じるため好ましくない。尚、ここで規定される空隙率とは、セルロース多孔性構造体における空隙の体積分率を示し、セルロース多孔性構造体の体積、質量から、下記式によって求めたものとする。
空隙率(体積分率(%))={(1−W/(M×V)}×100
ここで、Vは乾燥して得られたセルロース多孔性構造体(ゲル)の体積であり、乾燥後の多孔性ゲルの厚みと面積から算出する。Wはセルロース多孔性構造体の質量、Mはセルロースの密度であり、本発明ではM=1.5g/cmと仮定する。
また、前記セルロース溶液には、必要に応じて冷却処理により多孔性構造体の形成を妨げない範囲で、複合材料を構成するマトリックス樹脂やその他添加剤を予め添加しておくことができる。次に、このセルロース多孔性構造体から溶媒成分であるチオシアン酸カルシウムを洗浄、除去するが、用いる洗浄溶媒としてはチオシアン酸塩を溶解するものであればよく、このような洗浄溶媒としては、水、メタノール、エタノール、アセトンの群から選ばれる一種または二種以上の混合物を用いることができる。洗浄方法は、特に限定されないが、洗浄水を入れた容器中に浸漬し、洗浄水を適宜交換する方法などによって行う。このセルロース多孔性構造体の洗浄度は、洗浄液の電気伝導度を測定することによって確認することができる。
本発明のセルロース多孔性構造体は、セルロースの表面水酸基を、酸、アルコール類、ハロゲン化試薬、酸無水物、イソシアナート類、シランカップリング剤等の修飾剤を用いて表面修飾させることが好ましい。表面修飾することで、セルロース多孔性構造体とマトリックス樹脂との親和性を向上させたり、セルロース多孔性構造体とマトリックス樹脂の間で共有結合を形成させることが可能となるため、より高い機械的強度や耐熱性、低線膨張係数等の物性向上効果が得られる。
表面修飾したセルロース多孔性構造体を得るには、前記原料セルロースとして予め誘導体化したセルロースを用いたり、セルロース多孔性構造体を形成した後に繊維表面を修飾してもよい。表面修飾する方法は公知の方法に従って行うことができ、例えば、原料セルロースやセルロース多孔性構造体を水、あるいは適当な溶媒に添加、分散した後、これに化学修飾剤を添加して適当な反応条件下で反応させればよい。この場合、化学修飾剤のほかに、必要に応じて反応触媒を添加することができ、例えば、ピリジンやN,N−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化ナトリウム等の塩基性触媒や酢酸、硫酸、過塩素酸等の酸性触媒を用いることができるが、反応速度や重合度の低下を防止するため、ピリジン等の塩基性触媒を用いることが好ましい。反応温度としては、セルロース多孔性構造体の黄変や重合度の低下等の変質を抑制し、反応速度を確保する観点で、40〜100℃程度が好ましい。反応時間については用いる修飾剤や処理条件により適宜選定すればよい。
表面修飾によりセルロース多孔性構造体に導入する官能基としては、例えば、アセチル基、メタクリロイル基、プロパノイル基、ブタノイル基、iso−ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
反応性基を導入する場合は、例えば反応性基を導入できるシランカップリング剤が好ましく用いられ、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のビニル基を末端に有するシランカップリング剤、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基を末端に有するシランカップリング剤等が挙げられる。これらの中で、末端にエポキシ基、あるいはビニル基を有するものが好ましく用いられる。
(繊維複合材料の製造方法)
次に、本発明のセルロース多孔性構造体とマトリックス樹脂を含む繊維複合材料の製造方法について説明する。始めに、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合について説明する。熱可塑性樹脂を複合化するには、乾燥させたセルロース多孔性構造体に樹脂を融点以上の温度で溶融して含浸させたり、熱可塑性樹脂を溶解した溶液をセルロース多孔性構造体に含浸後、溶剤を除去するなどして樹脂組成物とし、これを加熱プレス等で密着、成形する方法が挙げられる。また、セルロース多孔性構造体の製造法として溶媒にセルロースを溶解した後、セルロース繊維を再生させる方法で製造する場合は、この溶媒に溶解する樹脂を予め溶解させた樹脂組成物からセルロース多孔質構造体を形成させた後、溶媒成分を洗浄、乾燥後、成形してもよい。熱処理は加圧下で行うことが望ましく、真空加熱プレス機能を有する設備の使用が有効である。また、樹脂組成物を調製する際、必要に応じて前記安定剤等の添加剤を添加することができる。本発明の繊維複合材料におけるセルロース多孔性構造体の添加量は、繊維複合材料100質量部に対して5〜90質量部とすることが好ましく、10〜70質量部とすることがさらに好ましい。
次に、マトリックス樹脂として硬化性樹脂を用いる場合について説明する。硬化性樹脂は紫外線及び電子線照射、あるいは加熱処理のいずれかの操作によって硬化し得るもので、前記セルロース多孔性構造体にマトリックス樹脂を形成する硬化性モノマーあるいはオリゴマーを未硬化の状態で含浸させ、さらに必要に応じて前記安定剤等の添加剤を加えた硬化性樹脂組成物を調製後、硬化させることによって得られる。また、セルロース多孔性構造体を溶媒にセルロースを溶解した後、セルロース繊維を再生させる方法で製造する場合は、この溶媒に溶解する硬化性モノマーあるいはオリゴマーを予め溶解させた樹脂組成物からセルロース多孔質構造体を形成させた後、モノマー、あるいはオリゴマーを一部硬化させて膨潤状態とした後、溶媒成分を洗浄、乾燥後、更に硬化反応を完結させて成形してもよい。セルロース多孔性構造体の添加量は、繊維複合材料100質量部に対して5〜90質量部とすることが好ましく、10〜70質量部とすることがさらに好ましい。
前記繊維含有モノマー組成物を硬化させる方法としては、マトリックス樹脂が紫外線及び電子線硬化性の場合は、透光性の所定形状の金型等に必要に応じて光重合開始剤を添加した組成物を充填、あるいは基板上に塗布した後、紫外線及び電子線を照射して硬化させればよい。ここで用いられる光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等の光ラジカル開始剤等が挙げられる。
一方、マトリックス樹脂が熱硬化性の場合は、必要に応じて熱ラジカル発生剤等の熱重合開始剤を添加したモノマー組成物を調製後、熱硬化成形することができる。ここで用いられる熱重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1′−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物等が挙げられる。
(繊維複合材料の物性評価方法)
繊維複合材料の物性評価は以下の方法で行う。実施例における評価もこの方法でおこなった。
(1)曲げ弾性率及び曲げ強度
成形した繊維複合材料をオートグラフ(「DSS−500」型島津製作所製)により、曲げ弾性率及び曲げ強度の測定を行った。
(2)線膨張係数
前記成形体について、40〜80℃の範囲内で温度を変化させ、線膨張係数を測定した。測定装置としてSII(セイコーインスツル)社EXSTAR6000 TMA/SS6100を用いた。
(3)セルロース繊維の分散性
前記成形体を目視にて観察し、繊維の凝集体の有無により均一性について評価した。
(4)セルロース多孔性構造体の空隙率
空隙率は、セルロース多孔性構造体の体積、質量から、下記式によって求めた。
空隙率(体積分率(%))={(1−W/(M×V)}×100
ここで、Vはセルロース多孔性構造体の体積、Wはセルロース多孔性構造体の質量、Mはセルロースの密度であり、本発明ではM=1.5g/cmと仮定する。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(製造例1)
針葉樹から得られた亜硫酸漂白パルプを純水に0.1質量%となるように添加した懸濁液を、石臼式粉砕機(ピュアファインミルKMG1−10;栗田機械製作所社製)を用いて回転するディスク間を中央から外に向かって通過させる磨砕処理(回転数:1500回転/分)を10回(10パス)行いセルロース繊維を解繊した。この水分散液を濾過後、純水で洗浄し、70℃で乾燥させて解繊セルロース繊維Aを得た。得られたセルロース繊維Aは走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径40nmに解繊されており、ミクロフィブリル化していることを確認した。
(製造例2)
チオシアン酸カルシウム四水和物(和光純薬社製)の飽和水溶液(59質量%)97質量部に結晶性セルロース(セオラスUF−702、旭化成社製)を3質量部加え、室温で1時間撹拌してセルロース分散液を得た。このセルロース分散液をガラス製シャーレに分注した後、オートクレーブ(SX−300、トミー精工社製)に入れ、120℃、1min加熱してセルロースを溶解させた。このセルロース溶液を10minかけて室温まで冷却してセルロースを析出させ、セルロースゲルを得た。次に、このゲルをメタノール、続いて流水で洗浄してチオシアン酸カルシウムを除去し、洗浄液の電気伝導度が5μS/cm以下になった時点で洗浄を終了し、得られたゲルを凍結乾燥してセルロース多孔性構造体Aを得た。これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、セルロース繊維が3次元の網目構造の骨格を形成した多孔性構造体であることが確認でき、また、骨格を形成するセルロース繊維の平均繊維径は20nmであり、空隙率は46%であった。
(製造例3)
製造例2において、調製したセルロース溶液を1hrかけて冷却する以外は同様の操作にてセルロース多孔性構造体Bを得た。これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、セルロース繊維が3次元の網目構造の骨格を形成した多孔性構造体であることが確認でき、また、骨格を形成するセルロース繊維の平均繊維径は40nmであり、空隙率は48%であった。
(製造例4)
製造例3で得られたセルロース多孔性構造体Bを無水酢酸:酢酸=9:1(体積比)の反応液の入ったシャーレに浸し、室温下、30min、デシケータ内で1kPaの減圧下、反応液を多孔性構造体内部まで含浸させた。常圧に戻しN雰囲気下で10時間、室温にて静置して化学修飾処理を行った後、メタノール、蒸留水の順で洗浄して反応液を除去し、これを凍結乾燥してセルロース多孔性構造体Cを得た。この構造体を走査型電子顕微鏡で観察したところ、セルロース繊維の多孔性構造体を維持し、また、骨格を形成する繊維の平均繊維径は40nmに、空隙率も48%に保たれていた。
(製造例5)
製造例2において、調製したセルロース溶液を3hrかけて冷却する以外は同様の操作にてセルロース多孔性構造体Dを得た。これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、セルロース繊維が3次元の網目構造の骨格を形成した多孔性構造体であることが確認でき、また、骨格を形成するセルロース繊維の平均繊維径は100nmであり、空隙率は55%であった。
(製造例6)
製造例2において、調製したセルロース溶液を4hrかけて冷却する以外は同様の操作にてセルロース多孔性構造体Eを得た。これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、セルロース繊維が3次元の網目構造の骨格を形成した多孔性構造体であることが確認でき、また、骨格を形成するセルロース繊維の平均繊維径は200nmであり、空隙率は56%であった。
(製造例7)
製造例2において、調製したセルロース溶液を5hrかけて冷却する以外は同様の操作にてセルロース多孔性構造体Fを得た。これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、セルロース繊維が3次元の網目構造の骨格を形成した多孔性構造体であることが確認でき、また、骨格を形成するセルロース繊維の平均繊維径は210nmであり、空隙率は56%であった。
(製造例8)
製造例2において、チオシアン酸カルシウム四水和物を用いる替わりにチオシアン酸ナトリウム(和光純薬社製)を用い、調製したセルロース溶液を1hrかけて冷却する以外は同様の操作にてセルロース多孔性構造体Gを得た。これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、セルロース繊維が3次元の網目構造の骨格を形成した多孔性構造体であることが確認でき、また、骨格を形成するセルロース繊維の平均繊維径は40nmであり、空隙率は55%であった。
(製造例9)
水81質量部に水酸化ナトリウム7質量部と尿素12質量部を加えて溶解させた後、−12℃に冷却し、この溶液に結晶性セルロース(セオラスUF−702、旭化成社製)を5質量部加えて攪拌することで透明なセルロース溶液を得た。この溶液をガラス板上にワイヤーバーを用いてキャストして溶液層を形成した後、ただちに5%硫酸水溶液に浸漬した。10分放置すると溶液はゲル化し、セルロースゲルを得た。次にこのゲルを水、次いでエタノールで十分に洗浄して洗浄液の電気伝導度が5μS/cm以下になった時点で洗浄を終了し、得られたゲルを凍結乾燥してセルロース多孔性構造体Hを得た。これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、セルロース繊維が3次元の網目構造の骨格を形成した多孔性構造体であることが確認でき、また、骨格を形成するセルロース繊維の平均繊維径は40nmであり、空隙率は54%であった。
(製造例10)
製造例3において、結晶性セルロースを5質量部添加してセルロース溶液を調製する以外は同様の操作にてセルロース多孔性構造体Iを得た。これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、セルロース繊維が3次元の網目構造の骨格を形成した多孔性構造体であることが確認でき、また、骨格を形成するセルロース繊維の平均繊維径は40nmであり、空隙率は8%であった。
(製造例11)
製造例3において、結晶性セルロースを4質量部添加してセルロース溶液を調製する以外は同様の操作にてセルロース多孔性構造体Jを得た。これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、セルロース繊維が3次元の網目構造の骨格を形成した多孔性構造体であることが確認でき、また、骨格を形成するセルロース繊維の平均繊維径は40nmであり、空隙率は15%であった。
(製造例12)
製造例3において、結晶性セルロースを2質量部添加してセルロース溶液を調製する以外は同様の操作にてセルロース多孔性構造体Kを得た。これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、セルロース繊維が3次元の網目構造の骨格を形成した多孔性構造体であることが確認でき、また、骨格を形成するセルロース繊維の平均繊維径は40nmであり、空隙率は75%であった。
(製造例13)
製造例3において、結晶性セルロースを1質量部添加してセルロース溶液を調製する以外は同様の操作にてセルロース多孔性構造体Lを得た。これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、セルロース繊維が3次元の網目構造の骨格を形成した多孔性構造体であることが確認でき、また、骨格を形成するセルロース繊維の平均繊維径は40nmであり、空隙率は84%であった。
(製造例14)
特開2006−325534号公報に開示されている方法に準じてバクテリアセルロースからなるハニカム状のセルロース多孔性構造体を調製した。先ず、直径400nm程度の微細孔が最密充填された構造のポリジメチルシロキサン(PDMS)の多孔性ハニカム膜を作成した。次にHS培地(0.5%イースト抽出物、0.5%ペプトン、2.0%グルコース、0.115%クエン酸、0.27%リン酸水素二ナトリウム)を含む1.5%寒天溶液をオートクレーブで滅菌した後、シャーレに移し、この上に前記多孔性ハニカム膜を設置し、寒天を凝固させた後、ハニカム膜を寒天から剥離して別のシャーレに移し、固体栄養培地とした。これに特開2006−325534号公報に開示されている方法で酢酸菌アセトバクター・キシリナム(ATCC53582)を接種し、インキュベーションを6日間行い培養後、固体栄養培地を回収し、沸騰水に加えて固体栄養培地を溶解させ、残留したフィルムを回収して温水で洗浄、乾燥して、バクテリアセルロースからなるハニカム状のセルロース多孔性構造体Mを得た。骨格を形成するセルロース繊維の平均繊維径は80nmであり、空隙率は65%であった。
(製造例15)
製造例13において、インキュベーション(オートクレーブ(SX−300、トミー精工社製)に入れ、120℃、1min加熱・溶解後、同温度を維持)を12日行う以外は同様の操作にてセルロース多孔性構造体Nを得た。骨格を形成するセルロース繊維の平均繊維径は220nmであり、空隙率は15%であった。
実施例1
(繊維複合材料101〜116の作製)
製造例2〜15で得られたセルロース多孔性構造体を表1、表2に示す配合組成従ってモノマー溶液に浸漬し、0.09MPaの減圧条件下、室温で一晩放置して、モノマー溶液を含浸させた。次に、このモノマー含浸物を100μm厚のスペーサーを挟んだ2枚の鏡面ステンレスシートの間に設置し、120℃、2MPaで60minホットプレスしてモノマーを硬化させて繊維強化複合材料を得た。評価結果を表1、表2に示す。
(セルロース繊維複合材料117の作製)
製造例1で得られたセルロース繊維Aを用い、表1、表2に示す配合組成に従って、各原料をブレンド後、混練機を用いて混練することで熱硬化性の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を100μm厚のスペーサーを挟んだ2枚の鏡面ステンレスシートの間に設置し、120℃、2MPaで60minホットプレスしてモノマーを硬化させて繊維強化複合材料を得た。但し、セルロース多孔性構造体Iは樹脂が含浸せず、複合シートの作製ができなかった。評価結果を表1、表2に示す。
Figure 2011195655
Figure 2011195655
表1、表2中、前記製造例に記載した成分以外の配合成分の詳細は、以下の通りである。
重合開始剤:アゾビスイソブチロニトリル
安定剤A:テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート
安定剤B:2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−2−エチル−ヘキシルホスファイト。
表1、表2の物性評価結果から明らかなように、本発明に係わる繊維複合材料101〜110は、弾性率が高く、機械的強度に優れ、且つ線膨張係数が大幅に低減し、繊維の分散性が優れていることがわかる。
実施例2
(繊維複合材料201〜216の作製)
表3、表4に示す配合組成に従い、先ず、樹脂と安定剤を溶剤としてメチレンクロライドに溶解し、3質量%の樹脂溶液を調製した後、製造例2〜15で得られたセルロース多孔性構造体をこの樹脂溶液に浸漬し、風乾にて溶剤を除去して樹脂組成物を調製した。次に、この樹脂組成物を100μm厚のスペーサーを挟んだ2枚の鏡面ステンレスシートの間に設置し、180℃、2MPaで60minホットプレスして繊維強化複合材料を得た。但し、セルロース多孔性構造体Iは樹脂が含浸せず、複合シートの作製ができなかった。評価結果を表3、表4に示す。
(セルロース繊維複合材料217の作製)
製造例1で得られたセルロース繊維Aを用い、表3、表4に示す配合組成に従って、各原料をブレンドし、メチレンクロライドに添加し繊維分散液を調製した後、溶剤を除去して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を100μm厚のスペーサーを挟んだ2枚の鏡面ステンレスシートの間に設置し、120℃、2MPaで60minホットプレスしてモノマーを硬化させて繊維強化複合材料を得た。評価結果を表3、表4に示す。
Figure 2011195655
Figure 2011195655
表3、表4中、前記製造例に記載した成分以外の配合成分の詳細は、以下の通りである。
セルロース樹脂:セルロースアセテートプロピオネートCAP482−20(イーストマンケミカル社製)
脂肪族ポリエステル樹脂:ポリ乳酸(レイシアH−400、三井化学社製)
安定剤A:テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート
安定剤B:2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−2−エチル−ヘキシルホスファイト。
表3、表4の物性評価結果から明らかなように、本発明に係わる繊維複合材料201〜210は、弾性率が高く、機械的強度に優れ、且つ線膨張係数が大幅に低減していることがわかる。

Claims (5)

  1. 少なくともセルロース繊維の骨格からなる、空隙率が10%以上、80%以下であるセルロース多孔性構造体とマトリックス樹脂を含むことを特徴とする繊維複合材料。
  2. 前記セルロース繊維の骨格を形成する繊維の平均繊維径が10nm以上、200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の繊維複合材料。
  3. 前記セルロース多孔性構造体が表面修飾されていることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維複合材料。
  4. 溶媒にセルロースを溶解した後、セルロースを析出させて形成したセルロース多孔性構造体と、マトリックス樹脂を含む組成物を成形して得られることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維複合材料の製造方法。
  5. 前記溶媒がチオシアン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の水溶液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維複合材料の製造方法。
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